JP5567980B2 - バルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブ構造の改良に関する。
従来、この種のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉する上記バルブ構造では、リーフバルブの撓み剛性を小さくするとピストン速度が低速領域における減衰力が小さくなりすぎ、反対に、撓み剛性を大きくするとピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させるのは難しい。
そこで、この問題を解消するため、リーフバルブに積層されるガイド部材でリーフバルブの内周側を固定し、ガイド部材の外周に装着した皿ばねでガイド部材の外周に摺動自在に装着されるバルブ抑え部材を介して、リーフバルブをピストンへ向けて附勢するバルブ構造が提案されるに至っており、緩衝器の伸圧両側の減衰バルブに具現化可能である(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、ピストンが移動する際のピストン速度が低速領域にあるときには、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートを通過する作動油の圧力がリーフバルブに作用し、皿ばねの附勢力に抗してリーフバルブが大きく撓んで、ポートを大きく開放でき、減衰力が過大となることを抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開2003−254375号公報(図1)
さて、上述のようなバルブ構造を実際に組み立てる場合には、特開2006−959号公報に開示されているような組立装置が利用される。詳しくは、組立装置は、保持針を備えていて、この保持針にピストンとともにリーフバルブ、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねを一旦組み付け、これらピストン、リーフバルブ、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねを保持針から引き抜いてピストンロッドの外周へ移し変えて装着することで、バルブ構造が組み立てられる。
しかしながら、上記のような組立手法を用いる際に、リーフバルブ、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねは、それぞれ独立した部品であって、折角保持針にてこれら部品の軸心を一致させた状態としても、ピストンロッドの先端へ移し変える際に各部品がばらけてしまって、組付けを容易に行うことができない場合がある。
また、リーフバルブ、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねをピストンロッドに移し変えた後、ピストンロッドの先端にピストンナットを螺着し、当該ピストンナットで上記各部材を締め付けてピストンロッドに固定するのであるが、皿ばねの内径がガイド部材の外周に装着されるよう保持針およびピストンロッドの外径より大きいため、保持針からピストンロッドに移し変えた際に、皿ばねの内周がガイド部材の端部に乗り上げることがあり、ピストンナットを締め付けると皿ばねが当該ピストンナットとガイド部材との間に挟み込まれて、組付不良が生じる可能性があり、組付不良が生じているか否かの確認を製品毎に実施しなくてはならない手間がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、組付性を向上することができるバルブ構造を提供することであり、また他の目的は組付不良の発生を防止することができるバルブ構造を提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明における課題解決手段の一つは、ポートが形成されるバルブディスクと、前記バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、環状であって前記軸部材の外周に装着されるガイド部材と、前記ガイド部材の外周に摺動自在に装着されるとともに前記ポートを開閉する環状のメインバルブと、前記ガイド部材に外周に装着されて前記メインバルブを前記バルブディスク側へ向けて附勢する環状のばね部材とを備えたバルブ構造において、前記ばね部材の外周に隙間を介して対向して前記ばね部材の径方向への位置ずれを抑制する調心部材を備え、前記隙間が前記ばね部材の径方向の最大撓み量よりも大きい寸法に設定されていることを特徴とする。
同じく、他の手段は、ポートが形成されるバルブディスクと、前記バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、環状であって前記軸部材の外周に装着されるガイド部材と、前記ガイド部材の外周に摺動自在に装着されるとともに前記ポートを開閉する環状のメインバルブと、前記ガイド部材に外周に装着されて前記メインバルブを前記バルブディスク側へ向けて附勢する環状のばね部材とを備えたバルブ構造において、前記ばね部材の外周に隙間を介して対向して前記ばね部材の径方向への位置ずれを抑制する調心部材を備え、前記調心部材は、前記メインバルブに一体化されることを特徴とする
本発明のバルブ構造によれば、ばね部材がガイド部材の外周にきちんと装着されれば、調心部材によってばね部材の径方向の位置ずれが抑制されるので、皿ばねの内周がガイド部材の端部に乗り上げることはなくなり、バルブを構成する各部材を軸部材への組み付けが容易となり、バルブ構造の組付性が向上する。
また、ガイド部材の端部にばね部材が乗り上げるような事態となると、ばね部材が調心部材内に収容されずに、調心部材から外方へ飛び出した状態となるので、ナット部材を締め込む前に組付け不良を視認することができ、組付け不良の発生を防止することができる。
一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造における調心部材の斜視図である。 一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された各部材を保持針に組付けた状態における縦断面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器の減衰特性を説明する図である。 一実施の形態の一変形例におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。一実施の形態におけるバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ポート2が形成されるバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の軸心部から立ち上がる軸部材としてのピストンロッド5の先端5aと、環状であって上記先端5aの外周に装着されるガイド部材11と、ガイド部材11の外周に摺動自在に装着されてポート2を開閉するメインバルブ13と、ガイド部材11の外周に装着されてメインバルブ13をピストン1側へ向けて附勢する環状のばね部材としての皿ばね12と、メインバルブ13と皿ばね12との間に介装された調心部材14とを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の図示しない下端を封止するロッドガイド(図示せず)と、ロッドガイド(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、軸部材を形成するピストンロッド5の先端5aが挿通されて上記先端5aに固定されるピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される図1中上方側の一方室41と下方側の他方室42と、シリンダ40の図示しない上端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、この場合、シリンダ40に対してピストン1が図1中下方に移動するときに、他方室42内の圧力が上昇して他方室42から一方室41へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にメインバルブ13で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能している。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に緩衝器のピストンロッド5の先端5aが挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2に連通する窓3と、ポート2の出口端となる窓3の外周側に形成されピストン1の底部1aよりメインバルブ13側に突出する環状の弁座1cと、外周側に延設される筒部1eを備えて構成されている。
なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに一方室41から他方室42へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
また、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、シリンダ40に対する軸ぶれを回避するために必要な軸方向の摺接長さを確保しつつ、メインバルブ13等のバルブ構造を構成する一部または全部の部材をピストン1の筒部1e内に収納することが可能となって、ピストン1の図1中下端からピストンナット6の図1中上端までの長さを短くすることができ、ピストン部を小型化することができる利点がある。
このピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端5aはピストン1の図1中上方側に突出させてある。なお、ピストンロッド5の先端5aの外径は、先端5aより図1中下方側の外径より小径に設定され、ピストンロッド5の下方側と先端5aとの外径が異なる部分に段部5bが形成されている。
そして、環状のバルブストッパ22、環状の間座21、環状の圧側のチェックバルブ20の内周およびピストン1の挿通孔1bに順に上記ピストンロッド5の先端5aを挿入した後、当該先端5aにピストン1の図1中上方に配置される環状のオリフィス形成部材10、ガイド部材11、メインバルブ13、調心部材14、環状のシム15、皿ばね12およびワッシャ16を組み付けたのち、ピストンロッド5の先端5aに設けた螺子部5cにピストンナット6を螺着することによって、ピストン1と上記各部材はピストンロッド5の段部5bとナット部材としてのピストンナット6とで挟持されてピストンロッド5に固定される。
なお、この実施の形態の場合、ポート1dの図1中上端となる吸込側端は、ポート2の開口端より外周側に配置されてピストン1に積層されるメインバルブ13およびオリフィス形成部材10によって閉塞されないようになっており、ポート2の図1中下端となる吸込側端はチェックバルブ20に設けた孔20aによって閉塞されないようになっている。ポート2がチェックバルブ20に閉塞されず、ポート1dがメインバルブ13およびオリフィス形成部材10に閉塞されなければ、その配置や形状について図示したものに限定されることはなく、たとえば、各ポート2,1dを同一円周上に配置して弁座をいわゆる花弁型とする構成を採用してもよい。
そして、ピストン1の底部1aには、オリフィス形成部材10が積層され、このオリフィス形成部材10は、環状であってピストンロッド5の先端5aの外周に装着され内周側がピストン1とピストンナット6によって挟持されて固定されるとともに外周が自由端とされて外周撓みが許容されている。
また、オリフィス形成部材10は、この図1中下面を弁座1cに当接させていて、外縁から内周へ向けて設けられる複数の切欠10aを備えている。このように構成されたオリフィス形成部材10にメインバルブ13を積層させると、上記切欠10aは、オリフィス形成部材10の図1中上方に積層されるメインバルブ13によって、オリフィス形成部材10の外縁側を残して閉塞され、オリフィス形成部材10が弁座1cに着座した状態でオリフィスが形成される。
なお、この実施の形態の場合、オリフィス形成部材10をメインバルブ13とバルブディスクとしてのピストン1との間に介装することによって、オリフィスを形成するようにしているが、弁座1cに打刻して凹部を設けてオリフィスを形成するか、メインバルブ13の弁座1c側面に凹部を設けてオリフィスを形成する場合には、オリフィス形成部材10を廃してもよい。しかしながら、オリフィス形成部材10は薄肉板を打ち抜き加工して製造することが可能であるので、弁座1cに凹部を設けたりメインバルブ13に凹部を設ける加工を行うよりも寸法精度の良いオリフィスを形成することができる利点がある。
つづいて、ガイド部材11は、図1に示すように、その外径がオリフィス形成部材10の外径より小径とされており、ナット部材としてのピストンナット6によってピストンロッド5に固定されると、オリフィス形成部材10の内周も固定される。
そして、このガイド部材11の外周には、環状であってオリフィス形成部材10を介してピストン1に積層されるメインバルブ13が摺動自在に装着されている。また、環状であってガイド部材11の外周に装着されて径方向に位置決めされるばね部材としての皿ばね12が設けられている。この皿ばね12は、図1中下端となる外周側をメインバルブ13側に向け、図1中上端となる内周をピストンナット6側に向けており、ガイド部材11とともにピストンロッド5に組み付けられると、ピストンナット6によって図1中上端となる反バルブディスク側端が支承され、図1中上下方向となる軸方向に圧縮されて、メインバルブ13をピストン1側へ向けて押しつける附勢力を発揮している。つまり、皿ばね12は、初期撓みが与えられた状態でピストンナット6とメインバルブ13との間に介装されて、メインバルブ13およびオリフィス形成部材10をピストン1へ向けて附勢する。
つづいて、調心部材14は、図1および図2に示すように、環状であってガイド部材11の外周に摺動自在に装着されるとともに、皿ばね12とメインバルブ13との間に介装される環状部14aと、環状部14aの外周から伸びて皿ばね12の外周に配置される複数の腕14bとを備えて構成されている。
なお、腕14bは、この実施の形態の場合、六個が環状部14aの外周から円周方向に等間隔で放射状に設けられていて、ばね部材としての皿ばね12の外周に配置され皿ばね12の外周に対して隙間を介して対向しており、皿ばね12の径方向に位置ずれを抑制している。
隙間はばね部材12の径方向の最大撓み量よりも大きい寸法に設定されている。
このため、皿ばね12は、ピストンロッド5の先端5aに組み付けられた状態で、撓み量が変化すると外径が変化し、完全に押しつぶされて平坦となるときに外径が最大となるので、上記腕14bは、この最大撓みを邪魔しない程度の隙間を介して皿ばね12の外周に対向している。
この皿ばね12と調心部材14の環状部14aとの間には、皿ばね12の外径以上の外径を備えた環状のシム15が介装されており、このシム15は、ガイド部材11の外周に摺動自在に装着されていて、メインバルブ13とともにガイド部材11に対して図1中上下となる軸方向へ移動可能とされている。そして、このシム15は、皿ばね12の初期撓み量を調節するために皿ばね12と調心部材14との間に介装されており、介装枚数の変更や厚みの異なるシム15に交換することで、皿ばね12の初期撓み量を調節することができる。つまり、シム15の厚みを大きくしたり介装枚数を多くしたりすることで皿ばね12の初期撓み量を大きくできメインバルブ13を附勢する附勢力を大きくすることができ、反対に、シム15の厚みを小さくしたり介装枚数を減らしたりすることで皿ばね12の初期撓み量を小さくできメインバルブ13を附勢する附勢力を小さくすることができる。なお、調心部材14とシム15の配置を交換することも可能である。
皿ばね12の初期撓み量は、ガイド部材11の軸方向長さやメインバルブ13の軸方向長さや介装枚数によっても調節することができるが、一定の厚みを備えたシム15の介装枚数で皿ばね12の初期撓み量を調節する方が各部材の寸法を統一されるので、部品管理、製造コストの点で有利となる。また、調心部材14がメインバルブ13とともにガイド部材11に対して軸方向へ摺動すると、皿ばね12は、撓み量を変化させるが、その際、外径が拡縮して、外周が皿ばね12に接触している部材の接触面を齧るような動作をするが、高硬度のシム15を介装することで調心部材14を保護することが可能である。
なお、皿ばね12の内周においても撓み量の変化により、皿ばね12に接触している部材の接触面を齧るような動作をするが、ガイド部材11の反バルブディスク側となる図1中上端とピストンナット6との間には、環状であって高硬度のワッシャ16が介装されており、ワッシャ16が皿ばね12の内周の齧りからピストンナット6を保護している。調心部材14およびピストンナット6の保護や皿ばね12の初期撓み量の調節の必要がなければ、シム15およびワッシャ16は省略することもできる。また、調心部材14に高硬度の材料を使用すれば、シム15を省略できる。また、本実施の形態にあっては、二枚の皿ばね12を積層して用いているが、積層枚数については、所望する減衰力の特性に応じて任意に変更することができる。
さて、上述のようなバルブ構造を実際に組み立てる場合には、図3に示すように、従来技術と同様に、バルブ構造を構成するピストン1、オリフィス形成部材10、ガイド部材11、メインバルブ13、調心部材14、環状のシム15、皿ばね12およびワッシャ16のバルブを構成する各部材を、一端、保持針Wに組み付けたのち、上記の各部材を保持針Wから抜き取ってピストンロッド5の先端5aに組み付けるようにする。
バルブを構成する各部材の保持針Wへの組付けの際、或いは、当該各部材を保持針Wから抜き取ってピストンロッド5の先端5aへ移し替える際に、ガイド部材11の外周に装着されるべき皿ばね12がガイド部材11にきちんと装着されると、皿ばね12が調心部材14の内方に収容される。つまり、全ての腕14bが皿ばね12の外周に対向して皿ばね12を包み込んでいる状態となる。この状態となると、皿ばね12がガイド部材11から抜け出してその内周をガイド部材11の上端に乗り上げるようとしても、皿ばね12の外周が腕14bに干渉して、皿ばね12のガイド部材11への乗り上げを阻止して、調心部材14の内方に配置された皿ばね12の径方向への位置ずれが抑制されるようになっている。つまり、上記各腕14bは、皿ばね12の撓みによる外周の拡径には干渉しないものの、皿ばね12がガイド部材11に乗り上げてしまうような径方向への位置ずれに対しては腕14bが皿ばね12の外周に干渉して、ガイド部材11に対する径方向への位置ずれを抑制するようになっているのである。このように、各腕14bは、ばね部材としての皿ばね12の調心を目的としているので円周方向に等間隔を持って設けるのであれば三個以上設けられればよい。
なお、上記腕14bは、メインバルブ13に一体化されてもよい。つまり、メインバルブ13の反バルブディスク側端たる図1中上端の外周に複数の腕14bを設けて、これを調心部材14としてもよい。また、調心部材14の環状部14aの外周に腕14bの代わりに皿ばね12の外周に対向する筒を設けて、皿ばね12の径方向への位置ずれを抑制するようにしてもよく、上記筒はメインバルブ13に一体化されてもよい。このようにメインバルブ13に調心部材14を一体化することで、部品点数を削減でき、コスト上昇を低く抑えることができる利点がある。
このように、本実施の形態のバルブ構造では、ばね部材としての皿ばね12がガイド部材11の外周にきちんと装着されれば、調心部材14によってばね部材としての皿ばね12の径方向の位置ずれが抑制されるので、皿ばね12の内周がガイド部材11の端部に乗り上げることはなくなり、バルブを構成する各部材を軸部材としてのピストンロッド5の先端5aへの組み付けが容易となり、バルブ構造の組付性が向上する。
また、ガイド部材11の端部に皿ばね12が乗り上げるような事態となると、皿ばね12が調心部材14内に収容されずに、調心部材14から外方へ飛び出した状態となるので、ピストンナット6を締め込む前に組付け不良を視認することができる。
なお、この実施の形態の場合、メインバルブ13、調心部材14、シム15および無負荷状態の皿ばね12を積層した状態におけるメインバルブ13の下端から皿ばね12の上端までの長さ、つまり、これら部材を積層した状態における内周側の軸方向長さを、ガイド部材11の軸方向長さよりも皿ばね12の内周の厚みの半分程度長く設定しており、ピストンナット6でこれら部材をピストンロッド5の先端5aに固定すると、皿ばね12がワッシャ16を介してピストンナット6に押圧されて、皿ばね12は初期撓みが与えられて圧縮状態とされてメインバルブ13を附勢する附勢力を発揮する。
つづいて、一実施の形態におけるバルブ構造の作用について説明すると、上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中下方側に移動すると、他方室42内の圧力が高まり、他方室42内の作動油はポート2を通過して一方室41内に移動しようとする。
そして、緩衝器の伸縮速度となるピストン速度が低速領域にある場合、ポート2から受ける圧力ではメインバルブ13は皿ばね12の附勢力に抗して外周を撓ませることができず、オリフィス形成部材10が弁座に着座したままに維持されてポート2を閉塞したままとなって、作動油は、上述の弁座1cに着座するオリフィス形成部材10に設けた切欠10aによって形成されるオリフィスを通過する。
したがって、このときの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図4に示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中高速領域に達する場合、他方室42内の圧力と一方室41内の圧力との差が大きくなり、作動油のメインバルブ13を図1中上方へ押し下げる力が大きくなって、該力が皿ばね12の附勢力に打ち勝って、メインバルブ13がピストン1から後退し、オリフィス形成部材10が撓んで、ポート2が大きく開放される。このように、メインバルブ13がバルブディスクとしてのピストン1から後退すると、弁座1cとオリフィス形成部材10との間に隙間が生じてポート2を大きく開放され、また、当該隙間はピストン速度に比例して大きくなる。すなわち、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰特性は、図4に示すが如くとなり、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
よって、一実施の形態におけるバルブ構造では、オリフィス形成部材10を附勢するのにコイルスプリングに換えて皿ばね12を用いており、軸方向長さがコイルスプリングより短くてすみ、加えて、オリフィス形成部材10の撓み量を確保できるので、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰係数を小さくすることができ、車両における乗り心地を損なってしまう虞がない。
そして、本実施の形態におけるバルブ構造にあっては、ばね部材としての皿ばね12がガイド部材11の外周にきちんと装着されれば、調心部材14によってばね部材としての皿ばね12の径方向の位置ずれが抑制されるので、皿ばね12の内周がガイド部材11の端部に乗り上げることはなくなり、バルブを構成する各部材を軸部材としてのピストンロッド5の先端5aへの組み付けが容易となり、バルブ構造の組付性が向上する。また、ガイド部材11の端部に皿ばね12が乗り上げるような事態となると、皿ばね12が調心部材14内に収容されずに、調心部材14から外方へ飛び出した状態となるので、ピストンナット6を締め込む前に組付け不良を視認することができ、組付け不良の発生を防止することができる。
なお、上記したところでは、オリフィス形成部材10の内径は、ガイド部材11の外径より小径に設定されて、ガイド部材11とピストン1とで挟持されて、内周が軸部材としてのピストンロッド5の先端5aに固定されるようになっているが、オリフィス形成部材10をガイド部材11の外周に摺動自在に装着するとして、ポート2の開放時にオリフィス形成部材10をメインバルブ13とともにピストン1から後退させるようにしてもよい。
また、図5に示すように、ガイド部材11の軸方向長さを、少なくともガイド部材11の外周に装着されるメインバルブ13からばね部材としての皿ばね12までの軸方向長さ以上に設定してもよい。つまり、この場合、ガイド部材11の軸方向長さを、メインバルブ13、調心部材14、シム15および無負荷状態の皿ばね12までの軸方向長さ(図5中上下方向長さ)以上に設定してもよい。なお、この実施の形態の場合、ワッシャ16をもガイド部材11の外周に装着して皿ばね12の反バルブディスク側へ積層しているので、メインバルブ13からワッシャ16までの軸方向長さよりガイド部材11の軸方向長さを長く設定している。
また、上記ガイド部材11の長さの設定とともに、ナット部材としてのピストンナット6のバルブディスク側端となる図5中下端に、ガイド部材11の図5中上端となる先端が挿入されるとともにガイド部材11に当接する凹部6aと、凹部6aより外周側であって皿ばね12を押圧して皿ばね12を圧縮するばね受部6bを設ける。
そうすることで、保持針Wからピストンロッド5の先端5aへ組付ける際に、ガイド部材11の外周に装着されるメインバルブ13、調心部材14および皿ばね12がガイド部材11から抜けてしまう心配がなく、より一層組付けが容易となる。なお、この実施の形態では、シム15とワッシャ16も、メインバルブ13、調心部材14および皿ばね12と同様に、保持針Wからピストンロッド5の先端5aへ組付ける際に、ガイド部材11から抜けてしまう心配がない。
また、ガイド部材11の軸方向長さを上記したようにガイド部材11の外周に装着される各部材の上端から下端までの軸方向長さより長く設定しても、ピストンナット6に凹部6aとばね受部6bを設けているので、凹部6aの底面をガイド部材11の反バルブディスク側端に当接させて、ピストンナット6とピストンロッド5の段部5bとでバルブ構造を構成する各部材を挟持することができ、ガイド部材11が凹部6aに挿入されることでばね受部6bで皿ばね12を押圧して圧縮することができるので、このバルブ構造にあっても、図4に示したご渡航の減衰特性を実現できる。
なお、本実施の形態においては、減衰特性の変化を説明するために、ピストン速度に低速、中高速でなる区分を設けているが、これらの区分の境の速度はそれぞれ任意に設定することができる。
さらに、ばね部材は、皿ばね12以外にも、ウェーブワッシャやゴム等の弾性体等とされてもよく、上述したところでは軸部材をピストンロッド5の先端5aとしているが、軸部材を直接にバルブディスクに設ける構成としてもよい。
以上でバルブ構造の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、本発明の効果を失うことも無い。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
本発明は緩衝器等のバルブに利用可能である。
1 バルブディスクたるピストン
1a ピストンにおける底部
1b ピストンにおける挿通孔
1c ピストンにおける弁座
1d ピストンにおける圧側のポート
1e ピストンにおける筒部
2 ポート
3 窓
5 ピストンロッド
5a 軸部材としての先端
5b ピストンロッドにおける段部
5c ピストンロッドにおける螺子部
6 ピストンナット
10 オリフィス形成部材
10a 切欠
11 ガイド部材
12 ばね部材としての皿ばね
13 メインバルブ
14 調心部材
14a 調心部材における環状部
14b 調心部材における腕
15 シム
16 ワッシャ
20 チェックバルブ
20a チェックバルブにおける孔
21 間座
22 バルブストッパ
40 シリンダ
41 一方室
42 他方室

Claims (6)

  1. ポートが形成されるバルブディスクと、前記バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、環状であって前記軸部材の外周に装着されるガイド部材と、前記ガイド部材の外周に摺動自在に装着されるとともに前記ポートを開閉する環状のメインバルブと、前記ガイド部材に外周に装着されて前記メインバルブを前記バルブディスク側へ向けて附勢する環状のばね部材とを備えたバルブ構造において、前記ばね部材の外周に隙間を介して対向して前記ばね部材の径方向への位置ずれを抑制する調心部材を備え、前記隙間が前記ばね部材の径方向の最大撓み量よりも大きい寸法に設定されていることを特徴とするバルブ構造。
  2. 前記調心部材は、前記メインバルブに一体化されることを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
  3. ポートが形成されるバルブディスクと、前記バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、環状であって前記軸部材の外周に装着されるガイド部材と、前記ガイド部材の外周に摺動自在に装着されるとともに前記ポートを開閉する環状のメインバルブと、前記ガイド部材に外周に装着されて前記メインバルブを前記バルブディスク側へ向けて附勢する環状のばね部材とを備えたバルブ構造において、前記ばね部材の外周に隙間を介して対向して前記ばね部材の径方向への位置ずれを抑制する調心部材を備え、前記調心部材は、前記メインバルブに一体化されることを特徴とするバルブ構造。
  4. 前記調心部材は、同一円周上に配置されてばね部材の外周に対向する複数の腕を備え、当該腕でばね部材の径方向への位置ずれを抑制することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のバルブ構造。
  5. 前記ガイド部材の軸方向長さを少なくとも前記ガイド部材の外周に装着される前記メインバルブから前記ばね部材までの軸方向長さ以上に設定し、前記軸部材に螺合されて前記軸部材と協働して前記ガイド部材を挟持するナット部材を設け、前記ナット部材は、前記ガイド部材の先端が挿入されるとともに前記ガイド部材に当接する凹部と、前記凹部より外周側であって前記ばね部材を押圧して前記ばね部材を圧縮するばね受部とを備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のバルブ構造。
  6. 前記メインバルブと前記バルブディスクとの間に、外周にオリフィスを形成する切欠を備えたオリフィス形成部材を介装したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のバルブ構造。
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