JP5466607B2 - バルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブ構造の改良に関する。
従来、この種のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉する上記バルブ構造では、リーフバルブの撓み剛性を小さくするとピストン速度が低速領域における減衰力が小さくなりすぎ、反対に、撓み剛性を大きくするとピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させるのは難しい。
そこで、この問題を解消するため、リーフバルブに積層されるガイド部材でリーフバルブの内周側を固定し、ガイド部材の外周に装着した皿ばねでガイド部材の外周に摺動自在に装着されるバルブ抑え部材を介して、リーフバルブをピストンへ向けて附勢するバルブ構造が提案されるに至っており、緩衝器の伸圧両側の減衰バルブに具現化可能である(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、ピストンが移動する際のピストン速度が低速領域にあるときには、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートを通過する作動油の圧力がリーフバルブに作用し、皿ばねの附勢力に抗してリーフバルブが大きく撓んで、ポートを大きく開放でき、減衰力が過大となることを抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開2003−254375号公報(図1)
さて、上述のようなバルブ構造を実際に組み立てる場合には、特開2006−959号公報に開示されているような組立装置が利用される。詳しくは、組立装置は、保持針を備えていて、この保持針にピストンとともにリーフバルブ、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねを一旦組み付け、これらピストン、リーフバルブ、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねを保持針から引き抜いてピストンロッドの外周へ移し変えて装着することで、バルブ構造が組み立てられる。
しかしながら、上記のような組立手法を用いる際に、リーフバルブ、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねは、それぞれ独立した部品であって、折角保持針にてこれら部品の軸心を一致させた状態としても、ピストンロッドの先端へ移し変える際に各部品がばらけてしまって、組付けを容易に行うことができない場合がある。
また、リーフバルブ、ガイド部材、バルブ抑え部材および皿ばねをピストンロッドに移し変えた後、ピストンロッドの先端にピストンナットを螺着し、当該ピストンナットで上記各部材を締め付けてピストンロッドに固定するのであるが、皿ばねの内径がガイド部材の外周に装着されるよう保持針およびピストンロッドの外径より大きいため、保持針からピストンロッドに移し変えた際に、皿ばねの内周がガイド部材の端部に乗り上げることがあり、ピストンナットを締め付けると皿ばねが当該ピストンナットとガイド部材との間に挟み込まれて、組付不良が生じる可能性があり、組付不良が生じているか否かの確認を製品毎に実施しなくてはならない手間がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、組付性を向上することができるバルブ構造を提供することであり、また他の目的は組付不良の発生を防止することができるバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、環状であって軸部材の外周に装着されるガイド部材と、ガイド部材の外周に摺動自在に装着されるとともにポートを開閉するメインバルブと、ガイド部材の外周に装着されてメインバルブをバルブディスク側へ向けて附勢する環状のばね部材とを備えたバルブ構造において、ばね部材の反バルブディスク側に配置されて内周がガイド部材に一体化される環状部と、環状部の外周から伸びてばね部材およびメインバルブの外周に配置される複数の腕と、各腕の先端に設けられてメインバルブのバルブディスク側端の外周に引っ掛りメインバルブの抜けを防止する爪とを備えたバルブホルダを設け、上記メインバルブが上記爪と当接した状態で少なくともメインバルブの内周の一部がガイド部材の外周に対向するようになっていることを特徴とする。
本発明のバルブ構造によれば、ばね部材とメインバルブがガイド部材とバルブホルダによって一体にカートリッジ化されるので、ガイド部材の外周に装着されるばね部材とメインバルブをガイド部材に径方向に位置決めした状態に維持できるので、軸部材への組み付けが容易となり、バルブ構造の組付性が向上する。
また、バルブ構造の組立に当たって、ガイド部材にばね部材が乗り上げることがないので、組付不良が生じることがなく、確認作業が不要となり作業負担が軽減される。
一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造においてカートリッジ化されたガイド部材、メインバルブ、ばね部材およびバルブホルダの拡大縦断面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造におけるバルブホルダの斜視図である。 バルブホルダにメインバルブを組み付ける状態を説明する図である。 一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器の減衰特性を説明する図である。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。一実施の形態におけるバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ポート2が形成されるバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の軸心部から立ち上がる軸部材としてのピストンロッド5の先端5aと、環状であって上記先端5aの外周に装着されるガイド部材11と、ガイド部材11の外周に摺動自在に装着されるとともにポート2を開閉するメインバルブ13と、ガイド部材11の外周に装着されてメインバルブ13をピストン1側へ向けて附勢する環状のばね部材としての皿ばね12と、皿ばね12の反バルブディスク側となる図1中上方側に配置されてガイド部材11に一体化されるバルブホルダ14とを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の図示しない下端を封止するロッドガイド(図示せず)と、ロッドガイド(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、軸部材を形成するピストンロッド5の先端5aが挿通されて上記先端5aに固定されるピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される図1中上方側の一方室41と下方側の他方室42と、シリンダ40の図示しない上端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、この場合、シリンダ40に対してピストン1が図1中下方に移動するときに、他方室42内の圧力が上昇して他方室42から一方室41へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にメインバルブ13で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能している。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に緩衝器のピストンロッド5の先端5aが挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2に連通する窓3と、ポート2の出口端となる窓3の外周側に形成されピストン1の底部1aよりメインバルブ13側に突出する環状の弁座1cと、外周側に延設される筒部1eを備えて構成されている。
なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに一方室41から他方室42へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
また、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、シリンダ40に対する軸ぶれを回避するために必要な軸方向の摺接長さを確保しつつ、メインバルブ13等のバルブ構造を構成する一部または全部の部材をピストン1の筒部1e内に収納することが可能となって、ピストン1の図1中下端からピストンナット6の図1中上端までの長さを短くすることができ、ピストン部を小型化することができる利点がある。
このピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端5aはピストン1の図1中上方側に突出させてある。なお、ピストンロッド5の先端5aの外径は、先端5aより図1中下方側の外径より小径に設定され、ピストンロッド5の下方側と先端5aとの外径が異なる部分に段部5bが形成されている。
そして、環状のバルブストッパ22、環状の間座21、環状の圧側のチェックバルブ20の内周およびピストン1の挿通孔1bに順に上記ピストンロッド5の先端5aを挿入した後、当該先端5aにピストン1の図1中上方に配置される環状のオリフィス形成部材10、詳しくは後述するカートリッジ化されたガイド部材11、メインバルブ13、環状のシム15、皿ばね12、ワッシャ16およびバルブホルダ14を、組み付けたのち、ピストンロッド5の先端5aに設けた螺子部5cにピストンナット6を螺着することによって、ピストン1と上記各部材はピストンロッド5の段部5bとピストンナット6とで挟持されてピストンロッド5に固定される。
なお、この実施の形態の場合、ポート1dの図1中上端となる吸込側端は、ポート2の開口端より外周側に配置されてピストン1に積層されるメインバルブ13およびオリフィス形成部材10によって閉塞されないようになっており、ポート2の図1中下端となる吸込側端はチェックバルブ20に設けた孔20aによって閉塞されないようになっている。ポート2がチェックバルブ20に閉塞されず、ポート1dがメインバルブ13およびオリフィス形成部材10に閉塞されなければ、その配置や形状について図示したものに限定されることはなく、たとえば、各ポート2,1dを同一円周上に配置して弁座をいわゆる花弁型とする構成を採用してもよい。
そして、ピストン1の底部1aには、オリフィス形成部材10が積層され、このオリフィス形成部材10は、薄肉環状であってピストンロッド5の先端5aの外周に装着され内周側がピストン1とピストンナット6によって挟持されて固定されるとともに外周が自由端とされて外周撓みが許容されている。
また、オリフィス形成部材10は、この図1中下面を弁座1cに当接させていて、外縁から内周へ向けて設けられる複数の切欠10aを備えている。このように構成されたオリフィス形成部材10にメインバルブ13を積層させると、上記切欠10aは、オリフィス形成部材10の図1中上方に積層されるメインバルブ13によって、オリフィス形成部材10の外縁側を残して閉塞され、オリフィス形成部材10が弁座1cに着座した状態でオリフィスが形成される。
なお、この実施の形態の場合、オリフィス形成部材10をメインバルブ13とバルブディスクとしてのピストン1との間に介装することによって、オリフィスを形成するようにしているが、弁座1cに打刻して凹部を設けてオリフィスを形成するか、メインバルブ13の弁座1c側面に凹部を設けてオリフィスを形成する場合には、オリフィス形成部材10を廃してもよい。しかしながら、オリフィス形成部材10は薄肉板を打ち抜き加工して製造することが可能であるので、弁座1cに凹部を設けたりメインバルブ13に凹部を設ける加工を行うよりも寸法精度の良いオリフィスを形成することができる利点がある。
つづいて、ガイド部材11は、図1に示すように、その外径がオリフィス形成部材10の外径より小径とされており、外周に装着される皿ばね12およびメインバルブ13の介装スペースを確保できるだけの軸方向長さを備えている。
そして、このガイド部材11の外周には、環状であってオリフィス形成部材10を介してピストン1に積層されるメインバルブ13が摺動自在に装着されている。また、環状であってガイド部材11の外周に装着されて径方向に位置決めされるばね部材としての皿ばね12が設けられている。この皿ばね12は、図1中下端となる外周側をメインバルブ13側に向け、図1中上端となる内周をピストンナット6側に向けており、ガイド部材11とともにピストンロッド5に組み付けられると、バルブガイド14によって図1中上端となる反バルブディスク側端が支承され、図1中上下方向となる軸方向に圧縮されるので、初期撓みが与えられた状態でピストンナット6とメインバルブ13との間に介装され、メインバルブ13をピストン1へ向けて附勢する。なお、この皿ばね12とメインバルブ13との間には、皿ばね12の外径以上の外径を備えた環状のシム15が介装されており、このシム15は、ガイド部材11の外周に摺動自在に装着されていて、メインバルブ13とともにガイド部材11に対して図1中上下となる軸方向へ移動可能とされている。そして、このシム15は、皿ばね12の初期撓み量を調節するために皿ばね12とメインバルブ13との間に介装されており、介装枚数の変更や厚みの異なるシム15に交換することで、皿ばね12の初期撓み量を調節することができる。つまり、シム15の厚みを大きくしたり介装枚数を多くしたりすることで皿ばね12の初期撓み量を大きくできメインバルブ13を附勢する附勢力を大きくすることができ、反対に、シム15の厚みを小さくしたり介装枚数を減らしたりすることで皿ばね12の初期撓み量を小さくできメインバルブ13を附勢する附勢力を小さくすることができる。
皿ばね12の初期撓み量は、ガイド部材11の軸方向長さやメインバルブ13の軸方向長さや介装枚数によっても調節することができるが、一定の厚みを備えたシム15の介装枚数で皿ばね12の初期撓み量を調節する方が各部材の寸法を統一されるので、部品管理、製造コストおよび撓み量のバラつきの小さくできる点で有利となる。また、メインバルブ13がガイド部材11に対して軸方向へ摺動すると、皿ばね12は、撓み量を変化させるが、その際、外径が拡縮して、外周が皿ばね12に接触している部材の接触面を齧るような動作をするが、高硬度のシム15を介装することでメインバルブ13を保護することが可能である。なお、皿ばね12の内周においても撓み量の変化により、皿ばね12に接触している部材の接触面を齧るような動作をするが、バルブホルダ14と皿ばね12との間に高硬度のワッシャ16が介装されているので、バルブホルダ14を保護することが可能である。なお、メインバルブ13に高硬度材料を使用し、皿ばね12の初期撓み量の調節の必要がなければ、シム15を省略することもできる。同様に、バルブホルダ14に高硬度材料を使用する場合には、ワッシャを省略することも可能である。また、本実施の形態にあっては、二枚の皿ばね12を積層して用いているが、積層枚数については、所望する減衰力の特性に応じて任意に変更することができる。
つづいて、バルブホルダ14は、図1および図2に示すように、皿ばね12の反バルブディスク側となる図1中上方側に配置されて内周がガイド部材11の図1中上端に一体化される環状部14aと、環状部14aの外周から伸びて皿ばね12およびメインバルブ13の外周に配置される複数の腕14bと、各腕14bの先端に設けられてメインバルブ13のバルブディスク側端となる図1中下端の外周に引っ掛りメインバルブ13の抜けを防止する爪14cとを備えて構成されている。
なお、腕14bは、この実施の形態の場合、六個が環状部14aの外周から円周方向に等間隔で放射状に設けられているが、メインバルブ13の抜け止めを意図しているところからすれば、円周方向に等間隔を持って設けるのであれば三個以上設けられればよく、腕14bの円周方向幅が十分に広ければ二個でもよい。
爪14cは、各腕14bの先端を彎曲ないしは折り曲げて形成されており、図3に示すように、各爪14cの先端が接する仮想内接円Sの直径は、メインバルブ13の外周直径より小径であってオリフィス形成部材10の外径より大径となるように設定されている。また、図2に示すように、メインバルブ13をバルブホルダ14内へ収容した状態、すなわち、メインバルブ13がバルブホルダ14の腕14bによって抱かれた状態であって、上記メインバルブ13を上記爪14cに当接した状態では、少なくともメインバルブ13の内周の一部がガイド部材11の外周に対向し、メインバルブ13はガイド部材11によって径方向への移動が規制されるようになっている。
そして、腕14bは弾性を備えていて、バルブホルダ14が一体化されたガイド部材11の外周にメインバルブ13を装着する際には、図4に示すように、ワッシャ16、皿ばね12およびシム15の順にガイド部材11に組み付けた後、メインバルブ13の図4中下端の外周を爪14cに押し当てつつ、バルブホルダ14内へ白矢印で示すように押し込むようにする。すると、腕14bが撓んで爪14cが図4中黒矢印で示すように外周側へ押し開かれ、メインバルブ13がバルブホルダ14内へ侵入し、これが完全にバルブホルダ14内へ収容されると、腕14bが元の位置に復帰する。完全にメインバルブ13がバルブホルダ14内へ収容されると、腕14bが元の位置に復帰した状態での各爪14cの先端が接する仮想内接円Sの直径は、バルブ抑え部材13の外周直径より小径となっており、上記メインバルブ13を上記爪14cに当接した状態では、少なくともメインバルブ13の内周の一部がガイド部材11の外周に対向しておりメインバルブ13はガイド部材11によって径方向への移動も規制されているので、メインバルブ13を抜こうとしても、爪14cがバルブ抑え部材13の端部外周に引っ掛かり、腕14bを撓ませない限り抜けない。
なお、メインバルブ13をバルブホルダ14内へ収容させる際に、メインバルブ13で爪14cを押して腕14bを撓ませやすくするために、メインバルブ13のバルブホルダ14側端となる図3中下端の外周に面取り部13aが設けてある。メインバルブ13を爪14cに当てがって押し込む際に、爪14cが面取り部13a上を滑って徐々に外周側へ押し開かれるようになっていて、メインバルブ13のバルブホルダ14内への収容が簡単となる。
このように、メインバルブ13をバルブホルダ14へ収容すると、メインバルブ13がバルブホルダ14の爪14cによって抜けなくなるので、ガイド部材11と、これに装着される皿ばね12およびメインバルブ13がバルブホルダ14とともに一体とされてカートリッジ化される。この実施の形態では、ガイド部材11にシム15およびワッシャ16も装着されるので、シム15およびワッシャ16もカートリッジ化されることになる。
このようにカートリッジ化されると、皿ばね12はガイド部材11の外周に径方向に位置決めされて装着されることになり、皿ばね12の内周がガイド部材11の端部に乗り上げることはなくなり、カートリッジ化されたこれら部材を軸部材としてのピストンロッド5の先端5aへの組み付けることにより、バルブ構造の組付性が向上する。
なお、ガイド部材11とバルブホルダ14の一体化は、溶接や接着によって行われるが、この一体化にあっては、後述するように、ガイド部材11の外周に装着される皿ばね12をガイド部材11に位置決めして組付不良を避けるために行われるものであり、組み付けが終了した後は、ピストンナット6によってこれらの部材は締付られて固定されるので組付後に位置ずれは生じないことから、上記溶接や接着は、組付け時にガイド部材11とバルブホルダ14との分離を阻止できればよいので仮止めの程度であってもよい。
このカートリッジ化された皿ばね12、メインバルブ13、シム15およびワッシャ16は、ピストンロッド5の先端5aにオリフィス形成部材10の上方から積層され、ピストンナット6によって上記先端5aに固定される。すると、メインバルブ13、シム15、皿ばね12およびワッシャ16の積層高さは、ガイド部材11と同じ高さに固定されるので、皿ばね12は初期撓みが与えられて圧縮状態とされてメインバルブ13を附勢する附勢力を発揮する。
また、バルブホルダ14の軸方向高さは、ガイド部材11の軸方向高さより高くなっていて、上記のようにピストンロッド5の先端5aに固定されると、爪14cがメインバルブ13の図1中下端の外周から離間した状態とされて、メインバルブ13の軸方向の移動を規制することがない。また、バルブホルダ14の各爪14cの先端が接する仮想内接円Sの直径がオリフィス形成部材10の外径より大径となるように設定されているので、オリフィス形成部材10に一切干渉しないようになっている。そして、バルブホルダ14の腕14bと腕14bとの間の隙間で作動油の流れに抵抗を与えないようになっており、メインバルブ13のガイド部材11に対する軸方向移動に伴うバルブホルダ14内からの作動油の排出とバルブホルダ14内への作動油の流入に抵抗を与えず、ポート2を通過した作動油の流れに対してもこれに抵抗を与えないように配慮されている。このように、バルブホルダ14はメインバルブの移動に干渉せず、オリフィス形成部材10の撓みにも干渉せず、作動油の流れに抵抗を与えないようになっているので、バルブホルダ14が緩衝器の減衰力に影響を与えることがない。
なお、この実施の形態の場合、オリフィス形成部材10を設けることでオリフィスを設けているが、図示はしないが、二枚以上の環状板をピストン1に積層するようにして、ピストン1に当接する環状板に透孔を設けるとともにピストン1側から数えて二枚目の環状板に透孔に連通される切欠と当該切欠から外周へ通じるチョーク通路を設けて、オリフィスではなく周知のチョークを設けるようにしてもよい。
つづいて、一実施の形態におけるバルブ構造の作用について説明すると、上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中下方側に移動すると、他方室42内の圧力が高まり、他方室42内の作動油はポート2を通過して一方室41内に移動しようとする。
そして、緩衝器の伸縮速度となるピストン速度が低速領域にある場合、ポート2から受ける圧力ではメインバルブ13は皿ばね12の附勢力に抗してピストン1から図1中上方へと後退することができず、オリフィス形成部材10が弁座1cに着座したままに維持されてポート2を閉塞したままとなって、作動油は、上述の弁座1cに着座するオリフィス形成部材10に設けた切欠10aによって形成されるオリフィスを通過する。
したがって、このときの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図5に示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中高速領域に達する場合、他方室42内の圧力と一方室41内の圧力との差が大きくなり、作動油のメインバルブ13を図1中上方へ押し下げる力が大きくなって、該力が皿ばね12の附勢力に打ち勝って、メインバルブ13がピストン1から後退し、オリフィス形成部材10が撓んで、ポート2が大きく開放される。このように、メインバルブ13がバルブディスクとしてのピストン1から後退すると、弁座1cとオリフィス形成部材10との間の隙間が生じてポート2を大きく開放され、また、当該隙間はピストン速度に比例して大きくなる。すなわち、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰特性は、図5に示すが如くとなり、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
よって、一実施の形態におけるバルブ構造では、メインバルブ13を附勢するのにコイルスプリングに換えて皿ばね12を用いており、軸方向長さがコイルスプリングより短くてすみ、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰係数を小さくすることができ、車両における乗り心地を損なってしまう虞がない。
そして、本実施の形態におけるバルブ構造にあっては、皿ばね12とメインバルブ13がガイド部材11とバルブホルダ14によって一体にカートリッジ化されるので、ガイド部材11の外周に装着される皿ばね12とメインバルブ13をガイド部材11に径方向に位置決めした状態に維持できるので、軸部材としてのピストンロッド5の先端5aへの組み付けが容易となり、バルブ構造の組付性が向上する。
また、バルブ構造の組立に当たって、ガイド部材11に皿ばね12が乗り上げることがないので、組付不良が生じることがなく、確認作業が不要となり作業負担が軽減される。
なお、本実施の形態においては、減衰特性の変化を説明するために、ピストン速度に低速、中高速でなる区分を設けているが、これらの区分の境の速度はそれぞれ任意に設定することができる。
さらに、ばね部材は、皿ばね12以外にも、ウェーブワッシャやゴム等の弾性体等とされてもよく、上述したところでは軸部材をピストンロッド5の先端5aとしているが、軸部材を直接にバルブディスクに設ける構成としてもよい。
また、上記したところでは、オリフィス形成部材10は、ガイド部材11とバルブディスクとしてのピストン1とで内周側が挟持されるようになっているが、図示はしないが、オリフィス形成部材10をガイド部材11の外周に摺動自在に装着するようにし、ポート2を開放する際に、メインバルブ13とともにオリフィス形成部材10をもバルブディスクから後退するようにすることも可能である。
以上でバルブ構造の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、本発明の効果を失うことも無い。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
本発明は緩衝器等のバルブに利用可能である。
1 バルブディスクたるピストン
1a ピストンにおける底部
1b ピストンにおける挿通孔
1c ピストンにおける弁座
1d ピストンにおける圧側のポート
1e ピストンにおける筒部
2 ポート
3 窓
5 ピストンロッド
5a 軸部材としての先端
5b ピストンロッドにおける段部
5c ピストンロッドにおける螺子部
6 ピストンナット
10 オリフィス形成部材
10a 切欠
11 ガイド部材
12 ばね部材としての皿ばね
13 メインバルブ
13a メインバルブにおける面取り部
14 バルブホルダ
14a バルブホルダにおける環状部
14b バルブホルダにおける腕
14c バルブホルダにおける爪
15 シム
16 ワッシャ
20 チェックバルブ
20a チェックバルブにおける孔
21 間座
22 バルブストッパ
40 シリンダ
41 一方室
42 他方室
S 爪の仮想内接円

Claims (6)

  1. ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、環状であって軸部材の外周に装着されるガイド部材と、ガイド部材の外周に摺動自在に装着されるとともにポートを開閉する環状のメインバルブと、ガイド部材の外周に装着されてメインバルブをバルブディスク側へ向けて附勢する環状のばね部材とを備えたバルブ構造において、ばね部材の反バルブディスク側に配置されて内周がガイド部材に一体化される環状部と、環状部の外周から伸びてばね部材およびメインバルブの外周に配置される複数の腕と、各腕の先端に設けられてメインバルブのバルブディスク側端の外周に引っ掛りメインバルブの抜けを防止する爪とを備えたバルブホルダを設け、上記メインバルブが上記爪と当接した状態で少なくともメインバルブの内周の一部がガイド部材の外周に対向するようになっていることを特徴とするバルブ構造。
  2. ガイド部材とバルブホルダの環状部とが溶接あるいは接着によって一体化されることを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
  3. ばね部材が皿ばねであって、バルブホルダの環状部と皿ばねの内周との間にワッシャを介装したことを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ構造。
  4. ばね部材とメインバルブとの間にばね部材の初期撓みを調節する環状のシムを介装したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバルブ構造。
  5. バルブホルダの爪は、ばね部材に初期撓みを与えた状態では、メインバルブから離間することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のバルブ構造。
  6. メインバルブとバルブディスクとの間に、外周にオリフィスを形成する切欠を備えたオリフィス形成部材を介装したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のバルブ構造。
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