JP5369062B2 - バルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブ構造の改良に関する。
従来、この種のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉するバルブ構造では、ピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ車両における乗り心地を損なう場合があり、これを解消するため、図4に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブLの内周をピストンロッドRもしくはピストンPをピストンロッドRに固定する筒状のピストンナットNの外周に摺接させ、コイルばねSでメインバルブMを介してリーフバルブLの背面を附勢した緩衝器のバルブ構造が提案されるに至っており、図示したところでは、緩衝器の伸側減衰バルブに具現化されている(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、ピストンPが上方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブLが開弁せずに、弁座に打刻した図示しないオリフィスのみで減衰力を発生するので、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が高速領域に達すると、ポートPoを通過する作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、リーフバルブLが撓んで開弁するとともに、コイルばねSの附勢力に抗してリーフバルブLがメインバルブMとともにピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持されるバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となること抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開平9−291961号公報(図1)
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造は、車両における乗り心地を向上できる点で有用であるが、コイルばねSが必須であって、リーフバルブLのリフト量を確保することを要するために、バルブ構造が具現化したピストン部の全長が長くなり、緩衝器のストローク長を確保しづらくなる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝器におけるストローク長の確保が容易で、かつ、車両における乗り心地を向上することができるバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、バルブディスクと、バルブディスクに設けたポートと、バルブディスクにバルブディスクの軸方向にて移動可能に積層されてポートの下流側開口部を開閉する環状のリーフバルブと、リーフバルブをバルブディスク側へ向けて附勢する附勢手段とを備えたバルブ構造において、附勢手段が、リーフバルブが軸方向摺動自在に装着される非磁性体材料で形成される軸部材と、リーフバルブの反バルブディスク側に積層されるとともに軸部材の外周に軸方向摺動自在に装着されてバルブディスクを吸引する環状の磁石とを備えたことを特徴とする。
本発明のバルブ構造によれば、ピストン速度が高速領域における緩衝器の減衰特性の傾きを小さくすることができるので、車両における乗り心地を向上することができるのである。
また、このバルブ構造にあっては、リーフバルブをピストンから遠ざかる方向へ後退させる後退量に磁石の軸方向長さを加えた長さのみの増加で済むので、コイルばねとメインバルブを組み込む従来のバルブ構造に比較して、バルブ構造を含んだピストン部の軸方向長さが長くなってしまうことが無く、緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長が短くなる不具合を生じさせず、車両への搭載性が悪化することも無い。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 一実施の形態の一変形例におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 従来のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。
以下、本発明の緩衝器のバルブ構造を図に基づいて説明する。一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、バルブディスクとしてのピストン1と、ピストン1に設けたポート2と、ピストン1にピストン1の軸方向に移動可能に積層されてポート2の下流側開口部を開閉する環状のリーフバルブ3と、リーフバルブ3をピストン1側へ向けて附勢する附勢手段Aとを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通する組付ロッドとしてのピストンロッド5と、ピストンロッド5の端部に設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される2つの圧力室たる上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動するときに、上室41内の圧力が上昇して上室41から下室42へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ3で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる伸側の減衰力発生要素として機能している。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、磁性体であって環状とされ、内方にピストンロッド5の先端に形成の小径部5aが挿通されて、当該ピストンロッド5に組付けられていて、外周をシリンダ40の内周に摺接させている。そして、このピストン1は、シリンダ40内を上室41と下室42とに仕切っている。また、ピストン1は、上室41と下室42とを連通する複数のポート2を備えており、この各ポート2の下流側開口部は、ピストン1の下室42側端部に形成の環状の弁座6の内周に設けた環状窓7に連通されている。
なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート4が上記弁座6より外周側に設けられている。
組付ロッドとしてのピストンロッド5は、その先端の小径部5aをピストン1の図1中下方側に突出させてあり、小径部5aのさらに先端には螺子部5bが設けられ、小径部5aの図1中上方側が小径部5aより大径とされているので、この小径部5aと小径部5aより上方との境に段部5cが形成されている。
そして、ピストン1の図1中上方となる上室41側には、環状の圧側のリーフバルブ20、環状の間座21、および環状のバルブストッパ22が順に積層され、ピストン1の図1中下方となる下室42側には、非磁性体で形成された筒状の軸部材10と、軸部材10の外周に摺接する環状の間座8、環状のリーフバルブ3および環状の間座9および環状の磁石11が積層されて、これらの部品が全て上記ピストンロッド5の小径部5aに組みつけられる。そして、ピストンロッド5の小径部5aに設けた螺子部5bに螺着される非磁性体で形成されて軸部材10よりも外径が大きなピストンナット12によって、上記した圧側のリーフバルブ20、間座21、バルブストッパ22、ピストン1および軸部材10が組付ロッドとしてのピストンロッド5に固定される。より詳しくは、リーフバルブ20、間座21、バルブストッパ22、ピストン1および軸部材10がピストンナット12とピストンロッド5の段部5cに挟持されて、ピストンロッド5に固定されている。
軸部材10の軸方向長さ(図1中では上下長さ)を、上記間座8,9、リーフバルブ3および磁石11を積層した全体の軸方向長さより長くしており、間座8,9、リーフバルブ3および磁石11は、軸部材10上を軸方向へ移動することができるようになっている。すなわち、リーフバルブ3は、バルブディスクとしてのピストン1に対して軸方向へ遠近可能に積層されている。
また、磁石11は、詳しくは、リーフバルブ3の反バルブディスク側となる図1中下端側に間座9を介して積層されて、軸部材10に外周に軸方向摺動自在に装着されており、その磁力によってバルブディスクとしてのピストン1を吸引する吸引力を発生している。なお、間座8,9およびリーフバルブ3を磁性体とする場合には、磁束が間座8,9およびリーフバルブ3を通過するので、磁気抵抗を小さくして磁石11のピストン1を吸引する吸引力の減殺を抑制することができ、磁力の小さな磁石11を使用することができる利点がある。
このリーフバルブ3は、環状であって、外周側をピストン1の下室42側の端部に形成の弁座6に当接可能な外径に設定されており、弁座6に着座した状態では、ピストン1のポート2を閉じることができ、反対に、弁座6から離座する状態では、ポート2を開放するようになっている。
なお、リーフバルブ3は、この実施の形態の場合、複数の環状板を積層して構成されていて、当該環状板の積層枚数で撓み剛性を調節することができ、緩衝器に要求される減衰特性(緩衝器のピストン速度に対して発生する減衰力の特性)に応じて環状板の積層枚数を任意に設定することが可能である。この場合、リーフバルブ3の弁座6に着座する環状板の外周に切欠3aを設けており、当該切欠3aは、リーフバルブ3が弁座6に着座した状態で周知のオリフィスを形成している。このオリフィスの形成に際してリーフバルブ3の環状板に切欠3aを設ける代わりに弁座6に図示しない打刻にて形成される凹部を設けて、当該凹部でオリフィスを形成するようにしてもよい。
そして、このリーフバルブ3は、ポート2の上流側から何ら負荷がない場合、磁石11の磁性体であるピストン1を吸引する力によって、間座8,9とともにピストン1側へ押圧されていて、外周が上記弁座6へ着座してポート2を閉じるようになっている。そして、ポート2の上流となる上室41の圧力が下室42の圧力を所定圧上回るまでは、磁石11の上記吸引力の作用によって、間座8,9およびリーフバルブ3がピストン1に積層状態に押しつけられていて、この状態では、リーフバルブ3は、外径がリーフバルブ3より小径である間座9の外縁を撓み支点としてその外周側の撓みのみが許容される。
他方、ポート2の上流となる上室41の圧力が下室42の圧力を所定圧を超えて上回ると、リーフバルブ3をピストン1から遠ざかる方向へ押す上室41の圧力の作用による押圧力が磁石11の上記吸引力を上回って、リーフバルブ3とともに磁石11がピストン1から遠ざかる方向へ後退するようになる。なお、リーフバルブ3がピストン1より所定量遠ざかると、磁石11がピストンナット12へ当接して、それ以上のリーフバルブ3のピストン1から遠ざかる方向への移動が規制されるようになっており、この場合、ピストンナット12がストッパとして機能している。
また、磁石11がピストンナット12に当接しても、ピストンナット12は、非磁性体であるので、磁石11がストッパとしてのピストンナット12へ吸着してしまうことがなく、また、磁石11の内周側に配置される軸部材10の非磁性体であるので、磁石11の動きを拘束することがないので、リーフバルブ3の円滑な軸方向移動を妨げることがないようになっている。
なお、この実施の形態では、ピストン1の内周部が環状窓7の底部と面一となるようになっており、この内周部より弁座6の方が軸方向で高く、両者に段差が設けられていて、磁石11の吸引力によってリーフバルブ3が間座8,9とともに磁石11とピストン1と挟持された状態において、外周を撓ませて弁座6に着座するようになっている。そして、この撓み量は、間座8の軸方向の長さを変えることで、調節することができ、具体的には、間座8を構成する環状板の枚数や厚みを変更することで同調節を行うことができるようになっている。ピストン1の内周部と弁座6の段差高さのみでリーフバルブ3の撓み量を決めている場合には、間座8を廃止することも可能である。
このように、本実施の形態では、附勢手段Aは、上記した軸部材10と磁石11とを備え、バルブディスクとしてのピストン1を磁性体としたことで構成されており、磁石11がバルブディスクとしてのピストン1を吸引する吸引力を附勢力として利用している。なお、バルブディスクの一部または全部を磁石11と引きあう磁石としてもよいことは勿論であるが、バルブディスクを磁石とするとコストが高くなるので、磁石11のみを利用する方がコスト的に有利となる。バルブディスクを磁石とする場合、バルブディスクの磁石11に対向する面側の磁極を、磁石11のバルブディスク側の磁極と異なる磁極に設定しておけばよい。
対して、圧側のリーフバルブ20は、ピストン1の上室41側の端面に積層されており、上述のようにピストンロッド5に固定されることで、内周側が固定端で外周側を自由端とする、いわゆる外開きのリーフバルブに設定され、ピストン1がシリンダ40に対して下降する圧縮行程時において、ポート4から受ける下室42の圧力の作用で外周側を撓ませると圧側のポート4を開放し、下室42の圧力が小さく撓むことができない状態では上記ポート4を閉塞するようになっていて、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れに抵抗を与えて緩衝器に所定の圧側の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能している。なお、この圧側のリーフバルブ2は、ポート2の入り口を閉塞しないように透孔20aを備えていて、上室41からポート2へ移動する作動油の流れを妨げないようになっている。
このように構成された一実施の形態におけるバルブ構造の作用について説明すると、上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動すると、上室41内の圧力が高まり、上室41内の作動油はポート2を通過して下室42内に移動しようとする。
そして、緩衝器の伸縮速度となるピストン速度が微低速領域にある場合、上室41と下室42の差圧がリーフバルブ3の外周が撓んで弁座6から離座する開弁圧に達せず、また、磁石11は、バルブディスクとしてのピストン1を吸引する吸引力によりリーフバルブ3および間座8,9をピストン1とで挟持してリーフバルブ3をピストン1から後退させない積層状態に維持している。したがって、この状況では、初期撓みが与えられたリーフバルブ3は、弁座6に着座したままとなってポート2を閉塞した状態に維持する。よって、上室41と下室42の差圧がリーフバルブ3の開弁圧に達するまでは、作動油は、切欠3aでなるオリフィスのみを通過し、このときの緩衝器の減衰特性は、図2に示すが如く、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
ピストン速度が低速領域に至る場合、上室41と下室42の差圧がリーフバルブ3の開弁圧に達するが、依然磁石11の吸引力がリーフバルブ3をピストン1から遠ざける押圧力に勝っていて、磁石11は、リーフバルブ3および間座8,9をピストン1とで挟持してリーフバルブ3をピストン1から後退させない積層状態に維持する。この状態では、リーフバルブ3が撓んで弁座6から離座して、リーフバルブ3と弁座6との間の隙間を作動油が通過する隙間流れが生じるため、ピストン速度が低速領域にあるときの減衰特性は、図2に示すが如く、ピストン速度の増加に対して比例はするものの微低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
さらに、ピストン速度が高速領域に至る場合、今度は、上室41と下室42の差圧が所定圧を超えて上回るので、ポート2を介してリーフバルブ3に作用する上室41の圧力によるリーフバルブ3をピストン1から遠ざける押圧力が上記した磁石11の吸引力に打ち勝って、リーフバルブ3は、間座9および磁石11もろとも軸部材10上を摺動してピストン1から軸方向に遠ざかり、磁石11がストッパとしてのピストンナット12へ衝合するまでリーフバルブ3はピストン1から後退する。したがって、ピストン速度が高速領域にあるときの減衰特性は、図2中で示すが如く、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。そして、このように磁石11がピストンナット12に当接した状態となった後、緩衝器の振動方向が逆転して、ピストン1がシリンダ40に対して図1中下方に移動する場合、リーフバルブ3は、下室42の圧力と磁石11がピストン1を吸引する吸引力でピストン1側へ接近する方向へ押圧されて、弁座6に着座する元の位置へ戻される。このとき、ストッパとしてのピストンナット12および軸部材10は非磁性体であるので、この磁石11の動きを妨げず、リーフバルブ3が速やかに元の位置に戻され、緩衝器の伸長から収縮への切換り時において、ポート2の閉塞が遅れて圧側の減衰力の発生に応答遅れを生じさせない。
このように、本実施の形態におけるバルブ構造を緩衝器に適用することによって、ピストン速度が高速領域における緩衝器の減衰特性の傾きを小さくすることができるので、車両における乗り心地を向上することができるのである。
また、このバルブ構造にあっては、リーフバルブ3をピストン1から遠ざかる方向へ後退させる後退量に磁石11の軸方向長さを加えた長さのみの増加で済むので、コイルばねとメインバルブを組み込む従来のバルブ構造に比較して、バルブ構造を含んだピストン部の軸方向長さが長くなってしまうことが無く、緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長が短くなる不具合を生じさせず、車両への搭載性が悪化することも無い。さらに、このバルブ構造を、複筒型緩衝器の圧側減衰力を発生するベースバルブに適用する場合にあっても、同様に、ベースバルブ部の軸方向長さを従来のバルブ構造に比して短くすることができるので、緩衝器の伸縮可能範囲であるストローク長が短くなる不具合を生じさせず、車両への搭載性が悪化することも無い。ここで、コイルばねを用いる場合、コイルばねの線材を密着させた最圧縮長にリーフバルブの後退量とメインバルブの軸方向長さを加算した長さが必要となるが、これに対して、リーフバルブ3の後退量と磁石11の軸方向長さで済む本発明のバルブ構造を適用したピストン部やベースバルブ部における全体長さを短くすることができることが分かる。
さらに、この実施の形態におけるバルブ構造にあっては、軸部材10が組付ロッドとしてのピストンロッド5の小径部5aに組み付けられていて、従来のバルブ構造のように、ピストンナットがばね受けを兼ねる必要がないので、特殊形状のピストンナットを用いずに、通常の形状のピストンナットを用いれば足り、製造コストを低減することができる。無論、図3に示すように、軸部材10の内周に小径部5aの螺子部5bに螺合する螺子部10aを設けて、軸部材10の反バルブディスク側にストッパ10bを設ける構造を採用して、部品点数を削減するようにしてもよい。
また、図1の破線で示すように、磁石11とストッパとしてのピストンナット12との間、或いは、図3の破線で示すように、磁石11とストッパ10bとの間に、環状のクッション25を設けて、磁石11とストッパとの衝合の際の衝撃を緩和するようにしてもよく、そうすることで、磁石11を衝撃から保護することができるとともに、打撃音の発生を防止することができる。
なお、上記したところでは、組付ロッドが緩衝器におけるピストンロッド5とされているが、バルブ構造をベースバルブ部に適用する場合には、組付ロッドをベースバルブにおけるバルブディスクとリーフバルブが組付けられるセンターロッドとしてもよい。
また、上記したところでは、ピストン1に設けた弁座6は、単純な円形の弁座とされているが、これが、複数のポート2の下流出口端のそれぞれを一つずつ囲繞する花弁型の弁座とされてもよいし、ポート2とポート6とがピストン1の軸方向に対して斜めに設けられるものであってもよい。このことは、バルブ構造をベースバルブにおけるバルブディスクに適用する場合も同様である。
なお、本実施の形態においては、減衰特性の変化を説明するために、ピストン速度に微低速、低速および高速でなる区分を設けているが、これらの区分の境の速度はそれぞれ任意に設定することができ、この区分の設定に応じて磁石11の磁力を設定すればよい。つまり、低速と高速の区分をピストン速度が高い方へシフトする場合には、磁石11の磁力をそれに応じて高くすればよく、低い方へシフトする場合には、磁石11の磁力をそれに応じて低くすればよい。
以上でバルブ構造の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化する、つまり、リーフバルブ20、間座21に変えて、リーフバルブ3、軸部材10、磁石11をピストン1より図1中上方に組み込みバルブストッパ22をストッパとして機能させればよく、また、本発明のバルブ構造を伸側と圧側の減衰バルブに適用することも可能である。また、本発明のバルブ構造は、緩衝器の圧力室と体積補償用のリザーバとを仕切るベースバルブ部に具現化することも可能であることは上述したとおりであるが、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能するバルブに本発明のバルブ構造を適用することが可能なことは勿論である。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
本発明のバルブ構造は、緩衝器のバルブに利用することができる。
1 バルブディスクたるピストン
2 ポート
6 弁座
3 リーフバルブ
3a 切欠
4 圧側のポート
5 ピストンロッド
5a ピストンロッドの小径部
5b 螺子部
5c 段部
6 弁座
7 環状窓
8,9,21 間座
10 軸部材
11 磁石
12 ピストンナット
20 圧側のリーフバルブ
20a 透孔
22 バルブストッパ
40 シリンダ
41 上室
42 下室

Claims (5)

  1. バルブディスクと、バルブディスクに設けたポートと、バルブディスクにバルブディスクの軸方向にて移動可能に積層されてポートの下流側開口部を開閉する環状のリーフバルブと、リーフバルブをバルブディスク側へ向けて附勢する附勢手段とを備えたバルブ構造において、附勢手段が、リーフバルブが軸方向摺動自在に装着される非磁性体材料で形成される軸部材と、リーフバルブの反バルブディスク側に積層されるとともに軸部材の外周に軸方向摺動自在に装着されてバルブディスクを吸引する環状の磁石とを備えたことを特徴とするバルブ構造。
  2. 非磁性体材料で形成され磁石との衝合によりリーフバルブのバルブディスクから遠ざかる方向への移動を規制するストッパを備えたことを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
  3. 磁石とストッパとの間にクッションを設け、磁石とストッパとの衝合時における衝撃を緩和することを特徴とする請求項2に記載のバルブ構造。
  4. バルブディスクが環状であって、内方に挿通される組付ロッドに組み付けられてなり、軸部材が組付ロッドの先端に形成される螺子部に螺着されてバルブディスクが組付けロッドに固定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバルブ構造。
  5. バルブディスクが環状であり、軸部材が筒状であって、ともに内方に挿通される組付ロッドに組み付けられてなり、組付ロッドの先端に形成される螺子部に螺着されるナットによってバルブディスクと筒部材とが組付けロッドに固定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバルブ構造。
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