JP2007120627A - 緩衝器のバルブ構造および緩衝器 - Google Patents

緩衝器のバルブ構造および緩衝器 Download PDF

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Abstract

【課題】 緩衝器の伸縮速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造を提供することである。
【解決手段】 ポート2が形成されるバルブディスク1と、ポート2の出口を開閉自在な弁体10と、ポート2の上流側に形成した流路17とを備えた緩衝器のバルブ構造において、緩衝器の伸縮速度が所定の速度以上になるとポート2の上流側に形成される流路17の流路面積を小さくすることで、緩衝器の伸縮速度が高速領域にあるときの減衰係数を高めて、車両における乗り心地を向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造および緩衝器の改良に関する。
従来、この種緩衝器のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉する上記緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ車両における乗り心地を損なう場合があり、これを解消するため、図7に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブLの内周をピストンロッドRもしくはピストンPをピストンロッドRに固定する筒状のピストンナットNの外周に摺接させ、スプリングSでメインバルブMを介してリーフバルブLの背面を附勢した緩衝器のバルブ構造が提案されるに至っており、図示したところでは、緩衝器の伸側減衰バルブに具現化されている(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、図示するところではピストンPが上方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブLの外周側がリーフバルブLに積層したメインバルブMの当接部位を支点として撓むので、図8に示すように、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートPoを通過する作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、スプリングSの附勢力に抗してリーフバルブLがメインバルブMとともにピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持される緩衝器のバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となること抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開2004−190716号公報(図1)
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造およびこれを適用した緩衝器にあっては、車両における乗り心地を向上できる点で有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
というのは、たとえば、上記ピストン速度すなわち緩衝器の伸縮速度が高速領域に達すると、従来の緩衝器のバルブ構造では、伸縮速度に応じてリーフバルブLがピストンPから軸方向に後退してリフトするのみで、減衰係数は大きくならない。
したがって、ピストン速度が高速領域に達する場合の減衰力が不足気味となり、振動抑制が充分に行われず、車両における乗り心地を悪化させてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造および緩衝器を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ポートが形成されるバルブディスクと、ポートの出口を開閉自在な弁体と、ポートの上流側に形成した流路とを備えた緩衝器のバルブ構造において、緩衝器の伸縮速度が所定の速度以上になるとポートの上流側に形成される流路の流路面積を小さくする。
また、本発明の他の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内に2つの圧力室を隔成するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、ピストンに設けられた上記2つの圧力室を連通するポートと、ポートの出口を開閉自在な弁体と、ポートの上流側に形成した流路とを備えた緩衝器において、緩衝器の伸縮速度が所定の速度以上になるとポートの上流側に形成される流路の流路面積を小さくする。
本発明の緩衝器のバルブ構造および緩衝器によれば、緩衝器の伸縮速度が所定速度以上となる高速領域に達すると、流路の流路面積が小さくなり、中速領域にある場合よりも減衰係数を大きくすることができ、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、緩衝器の伸縮速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。図2は、第1の板部材と第2の板部材とが当接した状態を示す図である。図3は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。図4は、他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。図5は、堰部の正面図である。図6(A)は、実施の形態の一変形例におけるバルブ構造の堰部の正面図である。図6(B)は、他の実施の形態の別の変形例におけるバルブ構造の堰部の正面図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ポート2が形成されるバルブディスクたるピストン1と、ポート2の出口を開閉自在な弁体たるリーフバルブ10と、ポート2の上流側に形成した流路17とを備えて構成され、緩衝器の伸縮速度が所定の速度以上になるとポート2の上流側に形成される流路17の流路面積を小さくするようになっている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、ピストンロッド5の端部に設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される2つの圧力室たる上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動するときに、上室41内の圧力が上昇して上室41から下室42へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ10および流路17で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に緩衝器のピストンロッド5が挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2の上流側および下流側にそれぞれ設けた窓3a,3bと、ポート2の出口端となる窓3bの外周側に形成された弁座1cとを備えて構成されている。なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れを許容する、すなわち、ポート2とは逆向きの流れを許容する圧側の他方ポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
このピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端部はピストン1の図1中下方側に突出させてある。なお、ピストンロッド5の先端部の外径は、図7に示した従来の緩衝器のピストンロッドRと同様に、上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端部との外径が異なる部分に段部5bが形成されている。
つづいて、上記ピストンロッド5の先端の螺子部5aに螺着されるピストンナット4は、筒部4aと、図1中下端外周から延設される鍔4bとを備えて構成され、筒部4aの下端外周は小径とされて小径部4cが形成されている。
そして、上記ピストンロッド5の先端部をバルブストッパ20、第2の板部材21、第1の板部材22、間座23,24に挿入後、ピストン1の挿通孔1bに挿入し、ピストン1の図1中下方からピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5aに螺着することによって、ピストン1はピストンロッド5の段部5bとピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定されている。
なお、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、図示しないピストン1の上端からピストンナット4の下端までの長さを小さくすることができ、ピストン部を小型化することができる。
第1の板部材22は、環状に形成されて、ピストン1の上室41側の図1中上面に積層され、また、間座24を介して、この第1の板部材22に対向する環状の第2の板部材21が積層され、さらには、この第2の板部材21の図1中上方に間座23およびバルブストッパ20が積層され、これら第1の板部材22および第2の板部材21は、上述のようにピストン1とともに、ピストンナット4の上端とで挟持されることによって、その内周側がピストンロッド5に固定されている。
そして、第1の板部材22には、通孔22aが設けられており、この通孔22aは、第1の板部材22がピストン1に積層された状態で、窓3aに連通され、さらに、この第1の板部材22の通孔22aより外周側の図1中下面を他方ポート1dの出口端に当接させて、他方ポート1dを閉塞できるようになっており、この第1の板部材22は、上室41から下室42へ向かう作動油の流れに対しては、他方ポート1dを閉塞した状態に維持し、他方、下室42から上室41へ向かう作動油の流れに対しては、その外周側が図1中上方に撓んで他方ポート1dの出口端から離れて他方ポート1dを開通させる逆止弁としても機能するようになっている。したがって、このように、第1の板部材22に他方ポート1dを閉塞する逆止弁の弁体としての機能を兼ねさせることにより、別途、逆止弁の弁体を設ける必要がなく、部品点数の増加を招かない点で有利である。
また、第2の板部材21は、第1の板部材22と同じく環状に形成され、この第2の板部材21は、間座24の軸方向の厚み分の隙間を介して第1の板部材22に対向し、この隙間で流路17が形成され、この流路17は、通孔22aを介して上室41とポート2とを連通しており、緩衝器の伸びる速度が所定速度より低い場合には、作動油は第1の板部材22と第2の板部材21の外周隙間全周を通過して、上室41からポート2内へ移動することができるようになっている。
そして、この第2の板部材21の外周には、その一部が切り欠かれて切欠21aが設けられており、緩衝器の伸びる速度が所定の速度以上となって上室41の圧力が下室42の圧力より高まり第2の板部材21の外周側が図1中下方に撓み、図2に示すように、該外周が第1の板部材22の図2中上面に当接する場合には、上室41から下室42へ向かう作動油は、第1の板部材22と第2の板部材21の外周における切欠21a以外の部分は閉塞されるので、該切欠21aを介してポート2へ移動するようになり、流路17の流路面積は、上記の如く第1の板部材22と第2の板部材21の外周における切欠21a以外の部分が閉塞されることで制限され、減少されることになる。
なお、第2の板部材21の外周が撓んで第1の板部材22に当接し流路面積を小さくするときの緩衝器の伸縮時における所定速度は、第2の板部材21の撓み剛性によって調節することができ、本実施の形態においては、1m/s以上となるように設定されている。また、実用性を勘案すると、上記所定速度は、1m/s以上であって2m/s以下に設定されるとよい。
また、上記切欠21aは、第2の板部材21の外周に形成されているが、第1の板部材22の外周に形成するようにしてもよいが、第1の板部材22を逆止弁の弁体として機能させる場合、切欠が他方ポート1dに干渉することを防止するべく、第1の板部材22の外径を大きくしなければならないので、本実施の形態のように、第2の板部材21に切欠21aを形成するほうが、バルブ構造および緩衝器が径方向へ大型化してしまうことを防止することができる。さらに、切欠21aの数は、任意であり、複数設けるようにしてもよい。
転じて、ポート2の出口側のリーフバルブ構造は、内周側に上記ピストンナット4が挿通されるととともにピストン1に積層されポート2の出口となる窓3bを閉塞するリーフバルブ10と、ーフバルブ10に積層されリーフバルブ10の撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材11と、ポート2を閉塞する方向にバルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10を附勢する附勢手段たるコイルスプリング15とを備えて構成されている。
以下、このリーフバルブ構造10について少々説明すると、リーフバルブ10は、ピストンナット4における小径部4cの外周に摺接するリーフバルブ10より小径であって環状な間座7を介してピストン1の底部1aに積層されており、また、リーフバルブ10の下方には、リーフバルブ10より小径であって小径部4cの外周に摺接する環状の間座8が複数積層され、さらに、この間座8の下方から同じく小径部4cの外周に摺接するバルブ抑え部材11が積層されている。
なお、リーフバルブ10は、環状に形成されこの図1中上面を弁座1cに当接させて、ピストン1のポート2を閉塞することができるようになっている。
さらに、図1中一番最下方に積層されるバルブ抑え部材11は、筒部11bと、筒部11bの上方側外周から延設される鍔11aとを備えており、この鍔11aとピストンナット4の鍔4bとの間には、附勢手段たるコイルスプリング15が介装され、このコイルスプリング15で上記リーフバルブ10を弁座1c側に押し付けている。
すなわち、コイルスプリング15の附勢力を上記バルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10の内周側に作用させて、コイルスプリング15でポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢している。
したがって、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11は、ピストン1が図1中上方に移動して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなると、上記附勢力に抗してコイルスプリング15を圧縮してリーフバルブ10の全体がピストン1から軸方向に後退、つまり、図1中下方にリフトするようになっている。
なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さよりも、間座7全体の軸方向の厚みを短く設定してあり、内周側に附勢力が作用しているリーフバルブ10に初期撓みを与えている。
この初期撓みの撓み量の設定によって、リーフバルブ10が弁座1cから離れてポート2を開放する時の開弁圧を調節することができ、この初期撓みの撓み量は、間座7の全体の厚みで変更可能であるとともに、緩衝器が適用される車両に最適となるように設定されている。なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さによっては、間座7を省略することも可能である。
また、ピストン1が下方に移動してポート2を通過する作動油の圧力を受けてリーフバルブ10の外周が撓み、ピストン速度の上昇に伴ってその撓み量も増加するが、リーフバルブ10の撓みが大きくなるとリーフバルブ10の外周側がバルブ抑え部材11に当接してそれ以上のリーフバルブ10の撓みが規制され、このリーフバルブ10の撓み量は、リーフバルブ10とバルブ抑え部材11との間に介装される間座8の全体における軸方向厚みの設定によって調節することができるようになっている。なお、バルブ抑え部材11の図1中内周側上部に間座8と同様の機能を果たす凸部を設けておけば、間座8を省略することも可能である。
さらに、上記したところでは、附勢手段をコイルスプリング15としているが、リーフバルブ10に所定の附勢力を作用させればよいので、これを例えば、皿バネやリーフスプリングとしたり、ゴム等の弾性体としたりしてもよい。
また、リーフバルブ10の枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性によって任意とされてよく、たとえば、複数枚でも差し支えなく、また、リーフバルブ10の外径についても、それぞれを任意に設定することができる。
つづいて、一実施の形態におけるバルブ構造および緩衝器の作用について説明すると、上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動すると、上室41内の圧力が高まり、上室41内の作動油はポート2を通過して下室42内に移動しようとする。
そして、緩衝器の伸縮速度となるピストン速度が低速領域にある場合には、ピストン速度が所定速度に達しておらず、上室41と下室42との圧力差が小さく、第2の板部材21が撓んでも、第1の板部材22に当接せず、流路17を通過する作動油は第1の板部材22と第2の板部材21の外周隙間全周を介して、ポート2内へ移動する。
また、この場合、リーフバルブ10をコイルスプリング15の附勢力に抗してピストン1から後退させてリフトさせることができず、リーフバルブ10はコイルスプリング15によって附勢されてポート2を閉塞するように押し付けられているので、リーフバルブ10の外周縁が間座8の外周縁を支点として撓んで、流路17を通過した作動油は、ポート2を介してリーフバルブ10が弁座1cから離座してできるリーフバルブ10と弁座1cとの間の隙間を通過する。
このときの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図3に示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中速領域に達して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなり、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力が大きくなるとともに、該力がコイルスプリング15の附勢力に打ち勝って、リーフバルブ10の全体をピストン1から軸方向に後退させる、すなわち、図1中下方へ移動させることになる。
このとき、リーフバルブ10の全体がピストン1の底部1aから離れ、弁座1cとリーフバルブ10との間の隙間は、ピストン速度が低速領域にあるときよりも大きく、また、ピストン速度に比例して隙間が大きくなる。
なお、このピストン速度が中速領域にあるときは、緩衝器の伸縮時の速度であるピストン速度が所定速度に達しておらず、第1の板部材22と第2の板部材21の外周隙間全周は流路17と開通状態に維持され、ピストン速度が中速領域にあっても、流路17を通過する作動油は第1の板部材22と第2の板部材21の外周隙間全周を介して、ポート2内へ移動する。
したがって、ピストン速度が中速領域にあるときの減衰特性は、弁座1cとリーフバルブ10との間の隙間は、ピストン速度が低速領域にあるときよりも大きくなるので、図3に示すが如くとなり、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
そして、ピストン速度が上記所定速度以上となる高速領域に達すると、図2に示すように、第2の板部材21の外周が第1の板部材22に当接するようになる。すると、第1の板部材22と第2の板部材21の外周における切欠21a以外の部分が閉塞され、流路17は切欠21aのみを介して上室41と連通される状態となって、作動油は、切欠21aを介してポート2へ移動することになり、流路17の流路面積が小さくなる。
なお、この場合、リーフバルブ10は、ピストン速度が中速領域にある場合と同様に、コイルバネ15の附勢力に抗してリーフバルブ10およびバルブ抑え部材11がピストン1から後退する状態となっている。
したがって、ピストン速度が高速領域に達すると、流路17の流路面積が減じられることになり、この流路17を作動油が通過するときの圧力損失が大きくなって、ピストン速度が高速領域にある場合におけるピストン速度に対する減衰力の増加割合(減衰係数)は、ピストン速度が中速領域にある場合におけるピストン速度に対する増加割合(減衰係数)より大きくなる。
つまり、ピストン速度が高速領域にあるときの減衰係数は、ピストン速度が中速領域にあるときの減衰係数より大きくなるので、ピストン速度が高速領域にあるときの減衰特性は、図3に示すが如くとなり、ピストン速度の増加に対して比例はするものの中速領域より減衰係数は大きく、減衰特性の傾きが大きくなる。
したがって、本実施の形態における緩衝器のバルブ構造および緩衝器にあっては、緩衝器の伸縮速度が所定速度以上となる高速領域に達すると、第2の板部材21の撓みによって流路17の流路面積が小さくなり、中速領域にある場合よりも減衰係数を大きくすることができ、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、緩衝器の伸縮速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
なお、流路17の流路面積が小さくなる緩衝器の伸縮時の所定速度は、本実施の形態においては、1m/s以上となるように設定されている、すなわち、減衰係数が大きくなるピストン速度の中速領域と高速領域との境が1m/s以上となるように設定されているので、ピストン速度が中速領域にあるときには、減衰係数を比較的小さく保っておくことができるので、減衰力が大きくなり過ぎることがなく、車両における乗り心地を確保することができる。
また、上記減衰係数が大きくなるピストン速度の中速領域と高速領域との境を1m/s以上であって2m/s以下に設定することで、緩衝器が適用される実車に好適となり、実用性が向上することになる。
つづいて、他の実施の形態におけるバルブ構造について説明する。この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図4に示すように、第2の板部材30の外周に切欠を設ける代わりに外周に堰部31を設けている点で一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と異なるのみである。
したがって、他の構成については、図1に示したものと同様であり、本実施の形態の説明に際し、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様の構成部材については同じ符号を付するものとして、その詳細な説明を省略することとし、異なる部分のみを詳細に説明する。
上述のように、この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっては、図4に示すように、第2の板部材30の外周には、第1の板部材22に向けて突出し、第1の板部材21への当接時に流路17の流路面積を減じる堰部31が設けられている。
具体的には、この堰部31は、図5に示すように、円環の一部が切り離された第2の板部材30の外周に沿うC型形状とされて第2の板部材30の外周に第1の板部材22側に向けて突出するよう設けてある。
すなわち、緩衝器の伸縮速度が所定速度以上となって第2の板部材30が撓むと、この堰部31が第1の板部材22の図4中上面に当接して、流路17の流路面積は、第1の板部材22と第2の板部材30の外周隙間が堰部31以外を残して閉塞されることで制限され、減少されることになる。
なお、第2の板部材30の外周が撓んで堰部31が第1の板部材22に当接し流路面積を小さくするときの緩衝器の伸縮時における所定速度は、第2の板部材30の撓み剛性および堰部31の軸方向の厚みによって調節することができ、一実施の形態と同様に、1m/s以上となるように設定されている。また、実用性を勘案すると、上記所定速度は、1m/s以上であって2m/s以下に設定されるとよい。
また、上記堰部31は、環状であって、その軸方向の厚みの一部が薄くなるように形成されて、この一部以外の部位を第1の板部材22に当接するようにして流路17の流路面積を小さくしてもよいし、また、図6(A)に示すように、円環の複数箇所を切除した形状としてもよく、さらには、図6(B)に示すように、堰部31を第1の板部材22側に設けるようにしてもよい。
そして、この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっても、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造と同様に、緩衝器の伸縮速度が所定速度以上となる高速領域に達すると、第2の板部材30の撓みによって堰部31が第1の板部材22に当接して流路17の流路面積が小さくなり、中速領域にある場合よりも減衰係数を大きくすることができ、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、緩衝器の伸縮速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、緩衝器の伸縮速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
なお、この他の実施の形態においても、流路17の流路面積が小さくなる緩衝器の伸縮時の所定速度は、1m/s以上となるように設定されている、すなわち、減衰係数が大きくなるピストン速度の中速領域と高速領域との境が1m/s以上となるように設定されているので、ピストン速度が中速領域にあるときには、減衰係数を比較的小さく保っておくことができるので、減衰力が大きくなり過ぎることがなく、車両における乗り心地を確保することができる。
また、上記減衰係数が大きくなるピストン速度の中速領域と高速領域との境を1m/s以上であって2m/s以下に設定することで、緩衝器が適用される実車に好適となり、実用性が向上することになる。
なお、上記した各実施の形態では、ピストン1をピストンナット4で固定しているが、ピストン1をピストンロッド5に別の手段で固定することができる場合には、コイルスプリング15の図1中下端を支承する部材を設けておけば、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11をピストンロッド5の外周に直接摺接させておくようにしてもよく、さらに、ピストン1に挿通孔1aを設けてピストンロッド5の先端部を挿入するようにして、ピストンロッド5を突出させているが、バルブディスクたるピストン1と一体あるいは別体な軸部材をピストン1の軸心部に設けるようにしてもよい。
以上でバルブ構造の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。 第1の板部材と第2の板部材とが当接した状態を示す図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。 堰部の正面図である。 (A)他の実施の形態の一変形例におけるバルブ構造の堰部の正面図である。(B)他の実施の形態の別の変形例におけるバルブ構造の堰部の正面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 バルブディスクたるピストン
1a 底部
1b 挿通孔
1c 弁座
1d 他方ポート
2 ポート
4a,11b 筒部
3a,3b 窓
4 軸部材たるピストンナット
4b,11a 鍔
4c 小径部
5 ピストンロッド
5a 螺子部
5b 段部
7,8,23,24 間座
10 リーフバルブ
11 バルブ抑え部材
15 附勢手段たるコイルスプリング
17 流路
20 バルブストッパ
21,30 第2の板部材
21a 切欠
22 第1の板部材
22a 通孔
40 シリンダ
41 上室
42 下室

Claims (5)

  1. ポートが形成されるバルブディスクと、ポートの出口を開閉自在な弁体と、ポートの上流側に形成した流路とを備えた緩衝器のバルブ構造において、緩衝器の伸縮速度が所定の速度以上になるとポートの上流側に形成される流路の流路面積を小さくすることを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. バルブディスクに積層されポートの入口に連通される通孔を備えた第1の板部材と、第1の板部材に対向する第2の板部材とを設け、第1の板部材と第2の板部材との間の隙間で流路を形成し、第1の板部材あるいは第2の板部材の一方の外周に少なくとも1つ以上の切欠を設けたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  3. バルブディスクに積層されポートの入口に連通される通孔を備えた第1の板部材と、第1の板部材に対向する第2の板部材とを設け、第1の板部材と第2の板部材との間の隙間で流路を形成し、第1の板部材あるいは第2の板部材の一方の外周側に、第1の板部材あるいは第2の板部材の他方に向けて突出する流路面積を減じる堰部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  4. バルブディスクのポートより外周あるいは内周にポートとは逆向きへの流れを許容する他方ポートを備え、第1の板部材は他方ポートの出口端を閉塞する弁体を兼ねることを特徴とする請求項2または3に記載の緩衝器のバルブ構造。
  5. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内に2つの圧力室を隔成するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、ピストンに設けられた上記2つの圧力室を連通するポートと、ポートの出口を開閉自在な弁体と、ポートの上流側に形成した流路とを備えた緩衝器において、緩衝器の伸縮速度が所定の速度以上になるとポートの上流側に形成される流路の流路面積を小さくすることを特徴とする緩衝器。
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