JP5567485B2 - 水ジェットを利用した手術装置 - Google Patents

Description

本発明は請求項１の前提部分に係る水ジェット手術装置に関する。

高圧の水ジェットを利用して細胞を分離させる水ジェット手術装置が一般に知られている。この種の装置を開放された手術で用いる場合、”切断流体”の排液は問題とはならない。しかしながら、この種の装置が内視鏡手術のために、すなわち体腔内において使用される場合、切断流体の流入に起因する問題が生じ得る。

本発明の目的は、前述した問題が、特に内視鏡手術に際して生じるのを低減させることができる水ジェット手術装置を提供することである。

前述した目的は、請求項１に係る水ジェット手術装置により達成される。特に、前記目的は、制御装置からの制御信号により制御可能であり、出口ノズルを有する手術器具の接続ラインに流体を送る流体供給装置を備えた水ジェット手術装置であって、
少なくとも１つの測定装置が設けられており、前記手術器具を流体供給装置に接続すると、当該測定装置が、供給された流体の量を表示ないし記録ユニットに表す測定信号を生成するように構成されており、
前記表示ないし記録ユニットが、供給した流体の量が、前記接続ラインを充填するのに必要な充填量を差し引いて示されるように構成されている水ジェット手術装置により達成される。手術中に、体腔内に導入された切断流体の量を判断することができ、この量と手術領域から排出された流体の量とを比較することができる。また、手術の正確な計画、とりわけリザーバ内のものを利用しなければならない切断流体の量に関して正確な計画を行うことができる。
前記表示ないし記録ユニットは、供給した流体の量が充填量を差し引いて示されるように構成されている。この充填量は、特に、接続ラインが長い場合や比較的大容量の手術器具の場合に比較的大きくなることがあり、その結果、体腔内に供給された流体の量の測定が間違ったものとなる。

好ましくは、前記測定装置が充填レベルセンサからなり、前記接続ラインが出口ノズルまで実質的に充填されると満タン信号を生成して、当該接続ラインを満たすのに必要な充填量を発する。これにより、水ジェット手術装置は、外科医が切断処理を始める開始信号を発したときに切断流体が出口ノズルに現に存在するという意味において、機能するための準備を完了させることができる。

入力装置が設けられていることが好ましく、この入力装置を介して、装着された手術器具に応じた量信号が前記制御装置に送信され、流体供給装置によって送られるべき流体の量が入力可能である。本実施の形態では、接続ライン又は手術器具が流体で満たされているかを必ずしも測定する必要がなく、むしろ流体供給装置によって供給される切断流体の量があらかじめ決定され、これにより装置を確実に充填させることができる。

この流量の入力を、手動で操作可能な入力装置によりあらかじめ決定することができる。このような好ましい実施の形態では、手術器具及びその接続ラインを充填させるのに必要な流量を、当該手術器具の符号化装置によって直接に入力装置に通信され、その結果、マニュアルによるプログラミングが不要になる。

充填レベルセンサを設ける場合、このセンサを、所定の圧力変化又は時間あたりの所定の圧力変化により与えられる満タン信号を生成する圧力センサとすることができる。切断流体の圧力は、空気が出口ノズルから押し出されるまでは低い。

本発明の他の実施の形態では、前記充填レベルセンサが湿度センサからなっている。このセンサは出口ノズルの極近くに配設することが好ましく、流体がその場所に現に到達したときに信号を生成する。

この場合、手術器具が完全に”起動可能”になるまで、水ジェット手術装置の作動が防止される。

異なる要素を示す概略説明図である。 手術器具を充填する際の圧力変化を示すグラフである。

以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
図１は、流体供給装置１０である、２つのピストンを備えたポンプを示しており、このポンプは、リザーバ１１から手術器具２０の接続ライン２１を経由して出口ノズル２２へ切断流体を供給する。作動ボタン２３を操作すると、細胞を分離したり細胞内に注入されたりするために前記出口ノズル２２から切断流体が放出される。当然ながら、他の圧力発生装置を用いることもできる。

本実施の形態に係る流体供給装置において、ピストンの位置は位置センサ４３、４３´によって監視され、この位置センサ４３、４３´からの出力信号は制御装置３０に送られる。

手術器具２０が流体供給装置１０に接続されたときに反応する結合感触器４５も当該流体供給装置１０に配設されている。

流体供給装置１０により発せられる圧力は圧力センサ４２によって検出され、その出力信号は制御装置３０に送られる。選択的に又は付加的に、切断流体が到達したときに反応する湿度センサ４１を出口ノズル２２内に、又は少なくともその近傍に配設してもよい。

制御装置３０は表示ユニット３１に接続されており、この表示ユニット３１に種々のパラメータ、特に流体供給装置１０により供給され出口ノズル２２により放出された流体の量が表示される。

また、入力装置３２が配設されており、この入力装置３２を介して操作データを制御装置３０に入力することができる。かかる操作データには、例えば、出口ノズル２２まで手術器具２０を流体で満たすために当該手術器具２０内に供給すべき流体の量が含まれる。

手術器具２０が流体供給装置１０に接続されると、前記結合感触器４５は対応する信号を生成し、この信号は制御装置３０に送られる。外科医によって入力装置３２から入力される適切な”充填指示”が発せられると、手術器具２０の出口ノズル２２まで切断流体が満たされるまで流体供給装置１０が作動する。ついで、外科医は作動ボタン２３を押すことで当該流体供給装置１０を作動させることができ、具体的には、目標とする対象細胞が分離されるように、出口ノズル２２から切断流体の流れを放出させる。手術中に供給されて前記出口ノズル２２から放出される流体の量、すなわち総供給量から手術器具２０内に残っている流体の量をさし引いた量が表示ユニット３１に示される。

図２は理想的なケースにおける圧力変化のグラフを示している。このグラフによれば、流体の前方に押されるエアクッションが小さくなるので、切断流体が接続ライン内に流れ込むにつれて圧力ｐが増加する。切断流体が出口ノズル２２に達したとき（時刻ｔ１）、圧力は急激に上昇する。というのは、切断流体の粘性が空気に比べて非常に大きいため、当該切断流体が（非常に狭い）出口ノズル２２において大きな流れ抵抗を有することになるからである。この急激な圧力上昇は、手術器具２０が切断流体で正確に満たされて使用の準備が整ったことを示す信号を与えるのに用いることができる。

時間あたりの圧力変動である第２の派生物も、この種の信号を生成するのに適している。というのは、前述した急激な圧力上昇が現実に起こるとき、当該信号は正の値しかもたないからである。

１０ 流体供給装置
１１ リザーバ
２０ 手術器具
２１ 接続ライン
２２ 出口ノズル
２３ 作動ボタン
３０ 制御装置
３１ 表示ユニット
３２ 入力装置
４１ 湿度センサ
４２ 圧力センサ
４３、４３´ 位置センサ
４５ 結合感触器

Claims (7)

1. 制御装置（３０）からの制御信号により制御可能であり、出口ノズル（２２）を有する手術器具（２０）の接続ライン（２１）に流体を送る流体供給装置（１０）を備えた水ジェット手術装置であって、
   少なくとも１つの測定装置（４１−４３）が設けられており、前記手術器具（２０）を流体供給装置（１０）に接続すると、当該測定装置（４１−４３）が、供給された流体の量を表示ないし記録ユニット（３１）に表す測定信号を生成するように構成されており、
   前記表示ないし記録ユニット（３１）が、供給した流体の量が、前記接続ライン（２１）を充填するのに必要な充填量を差し引いて示されるように構成されていることを特徴とする水ジェット手術装置。
2. 前記測定装置（４１、４２）が充填レベルセンサからなり、前記接続ライン（２１）が出口ノズル（２２）まで実質的に充填されると満タン信号を生成して、当該接続ライン（２１）を満たすのに必要な充填量を発することを特徴とする、請求項１に記載の水ジェット手術装置。
3. 入力装置（３２）が設けられており、この入力装置（３２）を介して、装着された手術器具（２０）に応じた量信号が前記制御装置（３０）に送信され、流体供給装置（１０）によって送られるべき流体の量が入力可能であることを特徴とする、請求項１又は２に記載の水ジェット手術装置。
4. 前記入力装置（３２）が手動で操作可能であることを特徴とする、請求項３に記載の水ジェット手術装置。
5. 前記入力装置（３２）が手術器具（２０）を介してプログラム可能であることを特徴とする、請求項３又は４に記載の水ジェット手術装置。
6. 前記充填レベルセンサが、所定の圧力変化又は時間あたりの所定の圧力変化により与えられる満タン信号を生成する圧力センサ（４２）からなることを特徴とする、請求項２〜５のいずれかに記載の水ジェット手術装置。
7. 前記充填レベルセンサが湿度センサ（４１）からなることを特徴とする、請求項２〜６のいずれかに記載の水ジェット手術装置。

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