JP4245759B2 - 超音波手術装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波振動により生体組織に対して超音波処置を行うプローブを有する超音波手術装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、超音波振動により生体組織に対して超音波処置を行う超音波手術装置として、生体組織を乳化・破砕・吸引する超音波吸引装置や生体組織を凝固・切開する超音波凝固切開装置等が知られている。
【0003】
これらの超音波手術装置は、駆動電源とこの駆動電源により超音波振動を発生する振動子と、この振動子と機械的に結合して規定の共振周波数のもとで振動し生体組織に超音波振動を与えるプローブとから構成されている。
そして、超音波手術装置が正常に作動するには、前記振動子と前記プローブとが機械的に結合した状態で規定の共振周波数を有するようになっていることが必要であり、この共振周波数で振動子を駆動するようになっている。
【0004】
また、プローブに機械的負荷を与えると機械的負荷状態として機械的インピーダンスが上昇する他、負荷の状況によっては正規の共振周波数から共振周波数が変動する場合もあった。その他、プローブの形状によってはスプリアス現象と呼ばれる現象により、反射波が生じて設計上の正規の共振周波数とは異なる偽の共振周波数が現れることも知られている。
【0005】
このような超音波振動によって生体組織を処置するプローブの一般的な形態は、図4に示すように構成されている。
このプローブ101には、内設した振動子による超音波振動が基端部102から入力され、プローブ101の先端部から生体組織に与えられるようになっている。ここで、基端部102の端部とプローブ101先端部の端部とが振動の腹となっており、その間に振動の節が生じるようになっている。
【0006】
超音波振動は、基本的に入力端と出力端の断面積に比例して振幅が拡大されるという特性があり、効率的に拡大するには、前記振動の節にホーン104の様な断面積が小さくなる部分を設けるように構成している。
そして、前記プローブ101は振動子に機械的に結合された状態で、図5に示すような正規の共振点(最も振動しやすい周波数が現れる位置)を有するようにその形状を定められ、この共振周波数の超音波振動が駆動される。
【0007】
そして、この周波数から大きく離れた周波数で駆動すると、機械的インピーダンスZが大きいためにロスが大きくなり、プローブ101の異常発熱や破損を招くので、必ず共振周波数で駆動することが求められる。また、共振点における機械的インピーダンスが大きすぎる場合にも、過剰な電力が必要となるために駆動電源に大きな負担が掛かり、正常に駆動できないことも知られている。
【0008】
また、プローブ101に急激に形状が変化する部分がある場合、例えばホーン104において急激に断面積を小さくする場合、又は基端部102の質量と先端部103の質量比が大きい場合、或いはプローブ101が屈曲角度の大きい屈曲部を有するような形状の場合には、この部分でスプリアス(反射)現象と呼ばれる現象が生じ、この部分を先端とした場合の偽の共振周波数が現れる場合がある。
例えば、この偽の共振周波数による偽の共振点は、正規の共振点とは異なる周波数に発生し(図5参照)、なおかつ機械的インピーダンスZの値が正規の値よりも大きくなることが多い。又、スプリアス現象の状況によっては、反共振点の周波数と機械的インピーダンスが変わることも知られている。
【0009】
この偽の共振点が生じた場合に、プローブ101の先端部に適当な機械的負荷を与えると、この偽の共振点が消失して正規の共振点が現れることが知られている。これは前述のような急激な形状変化によるスプリアス現象が、プローブ101の先端部に機械的負荷を与えることによって低減されるためである。そして、この場合には、共振点のインピーダンスZも正規の値まで下がることも知られている。
また、スプリアス現象が発生していない場合でも、プローブ101に対する機械的負荷の状況によって、共振点の周波数と機械的インピーダンス、反共振点の周波数と機械的インピーダンスとが変化することもある。
【0010】
ところで、このようなプローブを備えた超音波手術装置として例えば前記した超音波吸引装置は、生体組織に超音波振動を与えることにより、生体組織を乳化・破砕し、プローブに形成された吸引孔から吸引するようになっている。このときに比較的長時間連続してプローブに超音波振動を与えるため、このプローブの発熱による破損防止及び生体組織の損傷防止のために冷却水によってプローブを冷却する必要があり、冷却水の無い状態で使用すると不具合が生じる虞れがあった。
【0011】
このような問題を解決するために、特開平05−023345号公報に記載の超音波手術装置では、プローブを冷却するための冷却水が充填されたことを吸引管路に設けたセンサによって検知し、冷却水が充填されない場合には振動子を駆動できないようにしたものが提案されている。一方、特開平03−146048号公報に記載の超音波手術装置では、冷却水が充填されている場合に、プローブと振動子との機械的インピーダンスが変動することを利用し、冷却水の充填を機械的インピーダンスの変化にて検知するようになっているものが提案されている。
【0012】
しかしながら、前者(特開平05−023345号公報)の超音波吸引装置では、冷却水を検知するために特別なセンサを冷却系統に組み込む必要があった。
一方、後者(特開平03−146048号公報)の超音波吸引装置では、例えばプローブ先端が生体組織に触れている場合にも機械的インピーダンスが変動するため、この機械的インピーダンスだけで制御を行うには検知精度を上げる必要があった。また、超音波凝固切開装置の場合には、機械的インピーダンスによって生体組織を把持しているかどうかを判断するようにしているが、その場合にも機械的インピーダンスのみで判断することは困難である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように超音波手術装置は、プローブが振動子に機械的に結合された状態で正規の共振周波数で振動しないと、振動子を駆動する駆動手段に過重な負荷をかけ振動子を正常に駆動することが困難となり、またプローブが最適な振動を行えず、生体組織に所望な処置を行うことが困難となる。
【0014】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、プローブの異常発熱や破損を防止すると共に、駆動電源に負担をかけることなく、正常に駆動できるようにした超音波手術装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明の第1の超音波手術装置は、超音波振動により生体組織に対して処置を行うプローブと、前記プローブを振動させる振動子と、前記振動子を駆動する駆動手段と、前記プローブにおける少なくとも共振点に係る振動周波数を検出する振動周波数検出手段と、前記プローブにおける機械的インピーダンスを検出する機械的インピーダンス検出手段と、前記振動周波数検出手段と前記機械的インピーダンス検出手段とを共に稼働せしめ、かつ、前記振動周波数検出手段により検出された前記プローブにおける少なくとも共振点に係る振動周波数と所定の基準周波数との比較結果、または、前記機械的インピーダンス検出手段により検出された前記プローブの機械的インピーダンスと所定の基準機械的インピーダンスとの比較結果に基づいて前記駆動手段の作動を停止するよう制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
また、本発明の第2の超音波手術装置は、超音波振動により生体組織に対して処置を行うプローブと、前記プローブを振動させる振動子と、前記振動子を駆動する駆動手段と、前記プローブの異常状態を警告する警告手段と、前記プローブにおける少なくとも共振点に係る振動周波数を検出する振動周波数検出手段と、前記プローブにおける機械的インピーダンスを検出する機械的インピーダンス検出手段と、前記振動周波数検出手段と前記機械的インピーダンス検出手段とを共に稼働せしめ、かつ、前記振動周波数検出手段により検出された前記プローブにおける少なくとも共振点に係る振動周波数と所定の基準周波数との比較結果、または、前記機械的インピーダンス検出手段により検出された前記プローブの機械的インピーダンスと所定の基準機械的インピーダンスとの比較結果に基づいて前記警告手段を作動せしめる制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態の超音波手術装置としての超音波吸引装置の全体構成を示す全体構成図、図2は図1の超音波吸引器本体の詳細構成を説明する構成図である。
【0017】
図1に示すように超音波手術装置としての超音波吸引装置1は、例えば超音波吸引器本体2と、この超音波吸引器本体2に冷却水を送水する送水器3と、前記超音波吸引器本体2に電力及び冷却水を供給する電源4とから主に構成されている。尚、送水器3は、冷却水ボトル3a及び送水ポンプ3bからなり、必要に応じて、図示しない吸引ポンプ及び吸引容器を備えても良い。
【0018】
前記超音波吸引器本体2は、超音波を発生する振動子11及びこの振動子11に機械的に結合し、前記振動子11からの超音波をホーン12を介して伝達して生体組織に処置を施すプローブ13を備えたハンドピース10とから構成されている。
【0019】
前記電源4は、前記送水器3の送水ポンプ3bから送水される冷却水を前記ハンドピース10に送水するための送水回路21と、前記振動子11を駆動するための駆動回路22と、図5で説明した共振点の周波数と反共振点の周波数及び機械的インピーダンスZを検出することによって、偽の共振点を検出する検知回路23と、この検知回路23の結果に基づいて、異常状態を報知する報知部24とから主に構成されている。尚、必要に応じて、冷却水や生体組織を吸引するための吸引回路を備えても良い。
前記検知回路23は、前記プローブ13と前記振動子11とを機械的に結合した状態での周波数特性を測定することができるようになっており、その検知結果によって前記駆動回路22を制御するようになっている。
【0020】
次に、図2を用いて超音波吸引器本体2の詳細構成を説明する。
前記プローブ13は、前記振動子11に機械的に結合したホーン12に接続部31で結合されていて、前記ハンピース10の後端部の電源コード4aにより前記電源4からの電力を供給するようになっている。そして、前記プローブ13から振動子11を経由して吸引ポート32まで吸引路33が形成されており、図示しない吸引手段によってプローブ13先端から生体組織を吸引できるようになっている。
【0021】
前記プローブ13は、屈曲部34で屈曲しており、例えば手術用顕微鏡下で使用する場合等に使い易くなっている。また、プローブ13はシース35で覆われており、その隙間は冷却水路36となり、送水ポート37と疎通して冷却水をプローブ13先端まで送ることができるようになっている。
また、前記プローブ13は、無負荷の状態では前記したようにスプリアス現象が発生し、冷却水を充填すると適切な負荷が掛かってスプリアス現象が消失するように形成されている。
【0022】
前記検知回路23は、図示しないが例えば駆動回路22内部に設けられた基準発振器の基準振動と比較して、前記プローブ13の共振点及び反共振点を検出する共振点検出回路と、前記プローブ13に設けられた圧力センサ及び前記シース35内に設けられた冷却水検出センサからの信号により機械的インピーダンスを検出する機械的インピーダンス検出回路とから構成されていて、これら共振点検出回路及び機械的インピーダンス検出回路により、共振点及び反共振点の周波数と機械的インピーダンスZの値というパラメータを複合的に使用し周波数特性の波形で偽の共振点を検出するようになっている。
【0023】
このように構成されている超音波吸引装置1を用いて、生体組織に超音波処置を施す。
使用者が使用準備して、電源を入れるとプローブ13に図5で説明した偽の共振点が前記検知回路23により検出されるようになっている。
すると検知回路23は異常状態と判断し、駆動回路22が作動できないように指令を出す。同時に検知回路23は報知部24に指令を出して、異常状態の警告報知を行う。尚、この警告報知は、図示しないが電源4に設けたLED等の発光体を発光させたり、スピーカによってビープ音を発生させたりする構成にしても良い。また、これら警告報知をハンドピース10に設けても良い。
【0024】
次いで、使用者はこの警告報知に従い、送水回路21を操作して冷却水を冷却水路36に充填し、プローブ13全体が冷却水によって覆われるようにする。すると、冷却水によってプローブ13に適度な機械的負荷が掛かり、前述のスプリアス現象が低減されて検知回路23によって正規の共振点が検知され、駆動回路22が作動可能となり、超音波吸引器本体2が使用可能となる。
【0025】
この場合の検知方法は、共振点及び反共振点の周波数と機械的インピーダンスZの値による複合的な検知によって行われ、単純に周波数、機械的インピーダンスZだけで行う場合に対して、例えば冷却水が無い、生体組織に触れている等の機械的負荷の違いも高度に判別できるようになっている。
【0026】
例えばプローブ13は、スプリアス現象が起きないように設計され、冷却水の有無の判断を機械的インピーダンスZのみで行う場合、冷却水が無くて生体組織にプローブ13が触れているような際に、冷却水が充填されているときと偶然に同じ値が検出され誤作動する可能性もある。
【0027】
それを防止するには、機械的インピーダンスZの検出精度を高いものにする等の対策が必要で、その精度向上が困難であったが、共振点及び反共振点の周波数と機械的インピーダンスZの値というパラメータを複合的に使用し周波数特性の波形で認識するようにすれば、検出精度を簡単に向上できる。
【0028】
これにより、冷却水が充填されていない状態で振動子11を駆動し、プローブ13を破損したり生体組織に熱傷を与えたりする虞れが回避される。
【0029】
また、冷却水が充填され正常に駆動している状況において、例えばプローブ13先端を強く生体組織に押し当てたり、非常に硬い組織に無理に押し当てた場合等にも、前述の各値が変動するために検知回路23が検知して駆動回路22を停止するようにすることもできる。
【0030】
例えば脳腫瘍の摘出の場合、腫瘍の硬さというのは同じ種類の腫瘍であっても、患者ごとに異なる上に、腫瘍の周辺と内部によって異なる場合が多い。そこで例えば前述のパラメータから非常に柔らかい組織であるという判断が成された場合に、駆動回路22の出力を自動的に低下させて不用意に強い出力を加えないようにしたり、急に硬い組織に変わった場合に自動的に出力を増加させたりするようなことも可能である。
【0031】
つまり、本実施の形態によれば、プローブ13に掛かる機械的負荷によって、共振点と反共振点の周波数と機械的インピーダンスZの値が変化することを利用して自動的に安全で効率的な作動状態に調節することが可能となり、手術のクオリティを向上させことが可能である。
【0032】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る超音波手術装置としての超音波凝固切開装置を構成する超音波凝固切開鉗子を示す構成図である。
上記第1の実施の形態では、超音波手術装置として超音波吸引装置1を用いて本発明を適用するように構成していたが、本第2の実施の形態として、超音波手術装置として超音波凝固切開鉗子を用いた超音波凝固切開装置に本発明を適用した構成とする。
【0033】
図3に示すように超音波凝固切開鉗子50は、図1で説明した電源4と同様な電源に電源コード4aを介して接続され、超音波凝固切開装置として使用される。
前記超音波凝固切開鉗子50は、振動子11に機械的に結合したプローブ51を備え、このプローブ51先端に対峙するジョー52が挿入部50a先端に設けられて構成されている。前記ジョー52は、手元側のハンドピース53に取り付けられた可動ハンドル54を固定ハンドル55に対して開閉操作することにより、連動してプローブ51に対して開閉するようになっている。そして、挿入部50aには回転ノブ56が設けられており、これを回動操作することによって挿入部50aとそれに付随してプローブ51、ジョー52を長軸方向を中心として回転することができるようになっている。尚、符号57は前記プローブ51と、前記ジョー52の図示しない開閉動作伝達部を覆うシースである。
【0034】
ここで第1の実施の形態と同様にプローブ51は、無負荷状態でスプリアス現象を発生し、ジョー52とプローブ51で生体組織を規定の力量の範囲で把持することによって発生する機械的負荷により、このスプリアス現象が消滅するように形成されている。
【0035】
そのため、凝固切開する目的の生体組織を把持しない状態では、図1で説明した駆動回路22が作動しないため、超音波振動が発生しない。また、生体組織を把持して凝固切開した後は、生体組織が切断されてジョー52がプローブ51から離れ、ジョー52が直接プローブ51に力量を加えるため、生体組織を所定の力量で把持した状態とは第1の実施の形態で説明したように、共振点と反共振点の周波数とインピーダンスZが異なるため、検知回路23により駆動回路22は停止する。更に、所定の力量未満もしくは以上で生体組織を把持した場合にも、前述の各パラメータが変わるために駆動回路22は作動しない。尚、このとき、第1の実施の形態と同様に報知部24によって警告報知を行う構成にしても良い。
【0036】
この結果、本第2の実施の形態では、良好な把持状態以外では超音波振動が発生しないため、生体組織を過少もしくは過剰な力量で把持して処置した場合に発生する出血等の虞れ回避される他、不用意に超音波振動が生体組織に加えられて損傷してしまうことも防止できる。
【0037】
以上上記した実施の形態で説明したように、超音波振動を利用して生体組織を処置する超音波手術装置において、予め規定された所定範囲の機械的負荷状態かどうかを共振点と反共振点の周波数及び機械的インピーダンスを検出することによって、偽の共振点を検出して 駆動回路の制御を行うことにより、より一層簡単で精度の高い制御が行えることになり、手術の安全性、しいてはクオリティを向上させるものであれば、その実施形態には特に制限は無い。
【0038】
なお上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせて構成される実施の形態も本発明に属する。
【0039】
[付記]
(付記項1) 超音波振動により生体組織に対して処置を行うプローブと、このプローブを振動させる振動子と、この振動子を駆動する駆動手段と、前記プローブの正規の共振点とは周波数が異なる偽の共振点を検出する検出手段と、この検出手段の結果に基づいて、前記駆動手段を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする超音波手術装置。
【0040】
(付記項2) 超音波振動により生体組織に対して処置を行うプローブと、このプローブを振動させる振動子と、この振動子を駆動する駆動手段と、前記プローブの正規の共振点とは周波数が異なる偽の共振点を検出する検出手段と、この検出手段の結果に基づいて、異常状態を報知する報知手段を設けたことを特徴とする超音波手術装置。
【0041】
(付記項3) 超音波振動により生体組織に対して処置を行うプローブと、このプローブを振動させる振動子と、この振動子を駆動する駆動手段と、前記プローブを覆うシースと、このシースと前記プローブとの間に冷却水を流入させる送水手段と、前記プローブの反射波によって正規の共振点とは周波数が異なる偽の共振点を検出し、前記駆動手段を停止させる停止手段とを具備したことを特徴とする超音波手術装置。
【0042】
(付記項4) 前記冷却水が前記プローブに付着することによって、前記予め規定された範囲の負荷状態になることを特徴とする付記項3に記載の超音波手術装置。
【0043】
(付記項5) 前記プローブが生体組織に接触している場合に、前記予め規定された範囲の負荷状態になることを特徴とする付記項1〜3に記載の超音波手術装置。
【0044】
(付記項6) 前記プローブとの間に生体組織を把持するための前記プローブに対して開閉するジョーと、前記ジョーを操作するハンドルを有するものであうことを特徴とする付記項5に記載の超音波手術装置。
【0045】
(付記項7) 前記プローブが受ける機械的負荷状態により、前記偽の共振点にて共振する形状であることを特徴とする付記項1〜3に記載の超音波手術装置。
【0046】
(付記項8) 前記プローブの受ける機械的負荷状態が無負荷状態のとき、前記偽の共振点にて共振する形状であることを特徴とする付記項1〜3に記載の超音波手術装置。
【0047】
(付記項9) 前記偽の共振点を検出した際に、前記駆動手段を停止させる制御手段を設けたことを特徴とする付記項1〜3に記載の超音波手術装置。
【0048】
(付記項10) 前記規定された共振点における駆動手段の駆動モードが、それぞれの前記規定された共振点に対応した少なくとも1つ以上の異なるモードを有することを特徴とする付記項1〜3に記載の超音波手術装置。
【0049】
(付記項11) 前記プローブが機械的無負荷状態と少なくとも1つ以上の予め規定された範囲の機械的負荷状態において、それぞれ周波数の異なる複数の共振点を有するものであることを特徴とする付記項1〜3に記載の超音波手術装置。
【0050】
(付記項12) 前記異なる複数の共振点のうち、少なくとも1つ以上の規定された共振点が検出された場合においてのみ前記駆動手段が前記振動子を駆動できるようになっていることを特徴とする付記項1〜3に記載の超音波手術装置。
【0051】
(付記項13) 前記複数の共振周波数の区別に少なくとも共振点の周波数と機械的負荷状態として機械的インピーダンスをパラメータとして用いることを特徴とする付記項7に記載の超音波手術装置。
【0052】
(付記項14) 前記パラメータに少なくとも前記共振点に最も反共振点の周波数を用いることを特徴とする付記項13に記載の超音波手術装置。
【0053】
(付記項15) 前記反共振点を少なくとも前記共振点に最も近いものから2つ以上用いることを特徴とする付記項14に記載の超音波手術装置。
【0054】
(付記項16) 前記パラメータに少なくとも前記反共振点の周波数と機械的インピーダンスを用いることを特徴とする付記項14、15に記載の超音波手術装置。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、プローブの異常発熱や破損を防止できると共に、駆動電源に負担をかけることなく、適切な状態で駆動電源を制御することができるので、精度の高い制御が行え、手術の安全性やクオリティを向上させる効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波手術装置としての超音波吸引装置の全体構成を示す全体構成図
【図2】図1の超音波吸引器本体の詳細構成を説明する構成図
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る超音波手術装置としての超音波凝固切開装置を構成する超音波凝固切開鉗子を示す構成図
【図4】プローブの基本形態を説明する説明図
【図5】図4のプローブに現れる超音波振動の正規の共振点、反共振点及び偽の共振点を説明する説明図
【符号の説明】
1 …超音波吸引装置(超音波手術装置)
2 …超音波吸引器本体
3 …送水器
4 …電源
10 …ハンドピース
11 …振動子
13 …プローブ
21 …送水回路
22 …駆動回路
23 …検知回路
24 …報知部
33 …吸引路
36 …冷却水路
Claims (2)
- 超音波振動により生体組織に対して処置を行うプローブと、
前記プローブを振動させる振動子と、
前記振動子を駆動する駆動手段と、
前記プローブにおける少なくとも共振点に係る振動周波数を検出する振動周波数検出手段と、
前記プローブにおける機械的インピーダンスを検出する機械的インピーダンス検出手段と、
前記振動周波数検出手段と前記機械的インピーダンス検出手段とを共に稼働せしめ、かつ、前記振動周波数検出手段により検出された前記プローブにおける少なくとも共振点に係る振動周波数と所定の基準周波数との比較結果、または、前記機械的インピーダンス検出手段により検出された前記プローブの機械的インピーダンスと所定の基準機械的インピーダンスとの比較結果に基づいて前記駆動手段の作動を停止するよう制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする超音波手術装置。 - 超音波振動により生体組織に対して処置を行うプローブと、
前記プローブを振動させる振動子と、
前記振動子を駆動する駆動手段と、
前記プローブの異常状態を警告する警告手段と、
前記プローブにおける少なくとも共振点に係る振動周波数を検出する振動周波数検出手段と、
前記プローブにおける機械的インピーダンスを検出する機械的インピーダンス検出手段と、
前記振動周波数検出手段と前記機械的インピーダンス検出手段とを共に稼働せしめ、かつ、前記振動周波数検出手段により検出された前記プローブにおける少なくとも共振点に係る振動周波数と所定の基準周波数との比較結果、または、前記機械的インピーダンス検出手段により検出された前記プローブの機械的インピーダンスと所定の基準機械的インピーダンスとの比較結果に基づいて前記警告手段を作動せしめる制御手段と、
を具備したことを特徴とする超音波手術装置。
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