JP5563776B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の開閉タイミング(以下、バルブタイミングという)を調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置に関する。
内燃機関の吸気弁または排気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置として、相対回動するベーンロータとハウジングとの間に進角油圧室および遅角油圧室を有し、両油圧室に充満する作動油の油圧制御によりベーンロータとハウジングとの間に位相差を形成し、吸気弁または排気弁のバルブタイミングを調整するものが公知である。このバルブタイミング調整装置は、オイルポンプからの作動油を進角油圧室へ供給する状態と遅角油圧室へ供給する状態とを切り換えることで、進角油圧室および遅角油圧室の油圧を制御する。こうした油圧の制御により、ベーンロータとハウジングとを相対回転させ、これらの間に位相差を形成することで、バルブタイミングを調整している。
また、エンジン停止時にハウジングとベーンロータを拘束手段により拘束し、相対回動を禁止するバルブタイミング調整装置が公知である。このような拘束手段を設けることにより、カムシャフトが受けるトルク変動によりハウジングとベーンロータとが衝突することによる打音の発生が防止される。拘束手段は、スプリングと規制部材からなり、ハウジングに対してベーンロータが所定の位置、例えば最遅角位置、にあるとき、スプリングの付勢力が作動油圧に打ち勝つことにより規制部材が嵌合穴に嵌合し、ハウジングとベーンロータとの相対回動を禁止する(例えば、特許文献1参照)。
特許第3033582号公報
ところで、上述のような拘束手段を備えるバルブタイミング調整装置において、エンジン停止時に規制部材を嵌合穴に嵌合させるためには、スプリング荷重は大きいことが望まれる。一方、エンジン始動時に、速やかにバルブタイミング調整装置を作動させるためには、作動油圧が低い状態で規制部材が嵌合穴から嵌合解除されることが好ましい。そのためには、スプリング荷重は小さいことが望まれる。しかしながら、特許文献1の技術では、エンジン停止時に規制部材が嵌合可能なスプリング荷重に設定すると、エンジン始動後の作動油圧が低いときに、速やかにバルブタイミング調整装置を作動できない虞があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、エンジン始動時に速やかに作動可能なバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の駆動軸と、当該駆動軸の駆動力により回転駆動されて吸気弁及び排気弁を開閉する従動軸との位相を変化させることによって、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置である。バルブタイミング調整装置は、ハウジングと、ベーンロータと、拘束手段と、を備える。ハウジングは、駆動軸または従動軸の一方とともに回転する。ベーンロータは、駆動軸または従動軸の他方とともに回転し、ハウジング内に形成された収容室に収容されるベーンを有する。また、ベーンロータは、ベーンにより収容室が仕切られて形成される圧力室に供給される作動流体の圧力によりハウジングに対して相対回動可能である。拘束手段は、規制部材と付勢部材とを有する。規制部材は、ハウジングに対しベーンロータが所定の拘束位置にあり、ハウジングまたはベーンロータの嵌合穴に対する嵌合時にはハウジングに対するベーンロータの相対回動を禁止する。一方、規制部材は、非嵌合時にはハウジングに対するベーンロータの相対回動を許容する。付勢部材は、規制部材を嵌合穴に嵌合させる方向に付勢する。
本発明における付勢部材は、その付勢力が、規制部材の非嵌合時に比較して、規制部材の嵌合時に小さくなるよう構成されている点に特徴を有している。このような構成によれば、規制部材が嵌合穴に嵌合していない状態では、付勢部材の付勢力が大きくなるため、規制部材が嵌合穴に嵌合しやすい。これにより、例えばエンジン停止時に規制部材を嵌合穴に嵌合させやすくなる。また、規制部材が嵌合穴に嵌合している状態では、付勢部材の付勢力が小さくなるため、比較的低い作動油圧にて嵌合穴から規制部材を嵌合解除することができる。したがって、エンジン始動時に速やかにバルブタイミング調整装置を作動させることができる。
請求項に記載の発明の付勢部材は、規制部材の非嵌合時、ばね定数が大きく、規制部材の嵌合時、ばね定数が小さい非線形ばねである。このような構成によれば、規制部材が嵌合穴に嵌合していない状態では、スプリング荷重が大きくなるため、規制部材を嵌合穴に嵌合させやすい。また、規制部材が嵌合穴に嵌合している状態では、スプリング荷重が小さくなるため、比較的低い作動油圧にて嵌合穴から規制部材を嵌合解除することができる。したがって、エンジン始動時に速やかにバルブタイミング調整装置を作動させることができる。
具体的には、以下の構成を採用することができる。
請求項に記載の発明の付勢部材は、不等ピッチばねである。また、請求項に記載の発明では、ピッチが小さい密部と、ピッチが大きい粗部を有する不等ピッチばねである。規制部材の嵌合時における密部の軸方向の線間隙間の合計は、規制部材の嵌合時における規制部材の先端部と嵌合穴の開口部との距離と略一致する。これにより、規制部材の先端部が嵌合穴の開口部と略一致する位置にてばね定数が変わるので、付勢部材の付勢力を適切に設定することができる。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す模式図である。 本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置の断面を示す断面図である。 図2のIII−III線断面を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置の付勢部材の作動を説明する説明図である。 本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置の付勢部材の作動を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態によるバルブタイミング調整装置の付勢部材の形態を示す模式図である。 本発明の他の実施形態によるバルブタイミング調整装置の付勢部材の形態を示す模式図である。 本発明の他の実施形態によるバルブタイミング調整装置の付勢部材の形態を示す模式図である。 本発明の他の実施形態によるバルブタイミング調整装置の付勢部材の形態を示す模式図である。 本発明の他の実施形態によるバルブタイミング調整装置の付勢部材の形態を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
バルブタイミング調整装置に本発明を適用した一実施形態を図1〜5に基づいて説明する。図1に示すように、駆動力伝達系では、エンジン6の駆動軸としてのクランクシャフト8に固定されるスプロケット98と、従動軸としてのカムシャフト7、9に固定されるスプロケット12、99とにチェーン5が巻き掛けられ、クランクシャフト8からカムシャフト7、9に駆動力が伝達される。一方のカムシャフト7は吸気弁93を開閉駆動し、他方のカムシャフト9は排気弁92を開閉駆動する。本実施形態のバルブタイミング調整装置10は、作動流体として作動油を用いる油圧制御式であり、スプロケット12をチェーン5に、ベーンロータをカムシャフト7に接続し、吸気弁93のバルブタイミングを調整する。
図2および図3に示すように、バルブタイミング調整装置10は、ハウジング11、ベーンロータ16、規制部材としてのストッパピストン30、及び付勢部材としてのスプリング34等を備えている。
図2に示すように、ハウジング11は、スプロケット12、シューハウジング13、及びフロントプレート14から構成されている。スプロケット12は、軸方向にカムシャフト7を通す軸孔121を有している。シューハウジング13およびフロントプレート14は、ボルト19によってスプロケット12と同軸上に固定されている。図3に示すように、シューハウジング13はシュー131〜134と、環状の周壁130とが一体に形成されている。略台形に形成されたシュー131〜134は周壁130から径内方向に延びており、周方向に略等間隔に設けられている。回転方向に隣接するシュー同士の間隙には扇状の収容室50が形成されている。
ベーンロータ16は、ハウジング11に相対回動可能に収容されている。ベーンロータ16は、円筒状のロータ60と、ロータ60から径外方向に突出し、周方向に略等間隔に設置されるベーン61〜64とを有している。ベーン61〜64の外径は、シューハウジング13の周壁130の内径よりも小さく形成されている。また、ロータ60の外径は、シュー131〜134の内径よりも小さく形成されている。
ベーン61〜64は、収容室50を、圧力室としての遅角油圧室と進角油圧室とに区分している。シュー132とベーン61との間に遅角油圧室51が形成され、シュー133とベーン62との間に遅角油圧室52が形成され、シュー134とベーン63の間に遅角油圧室53が形成され、シュー131とベーン64の間に遅角油圧室54が形成されている。また、シュー131とベーン61との間に進角油圧室55が形成され、シュー132とベーン62との間に進角油圧室56が形成され、シュー133とベーン63との間に進角油圧室57が形成され、シュー134とベーン64との間に進角油圧室58が形成されている。なお、図3に示す遅角方向、進角方向を表す矢印は、ハウジング11に対するベーンロータ16の遅角方向、進角方向を表している。
カムシャフト7およびベーンロータ16の内部には、遅角油路101および進角油路110が形成されている。遅角油圧室51〜54には遅角油路101から作動油が供給され、進角油圧室55〜58には進角油路110から作動油が供給される。遅角油路101、及び進角油路110への作動油の供給および排出を切り換えることでハウジング11に対してベーンロータ16を相対回動し、クランクシャフト8に対するカムシャフト7の位相差を調整する。
図2に示すように、カムシャフト7は、スプロケット12に形成される軸孔121に挿入されている。カムシャフト7の軸方向端面79とベーンロータ16の軸方向端面69とが当接している。そして、センターボルト21をベーンロータ16のボルト孔68を通しカムシャフト7のねじ穴73に締め付けることで、ベーンロータ16とカムシャフト7とが固定されている。ベーンロータ16とカムシャフト7との回転方向の位置決めは、ロータ60に設けたピン穴66と、カムシャフト7に設けたピン穴72とに位置決めピン18を嵌合することにより成される。
ハウジング11、ベーンロータ16およびカムシャフト7は図2に示す矢印X方向からみて時計方向に回転する。この回転方向を進角方向とする。
図2及び図3に示すように、カムシャフト7の径外方向の第1外壁71とスプロケット12の軸孔121を形成する第1内壁122とにより第1軸受部81が形成される。また、ロータ60の径外方向の第2外壁67とシュー131〜134の径内方向の第2内壁135〜138とにより第2軸受部82が形成される。第1軸受部81および第2軸受部82は、クランクシャフト8からチェーン5を経由してスプロケット12に駆動力を受けるバルブタイミング調整装置10において、ハウジングの回転軸とベーンロータの回転軸との傾きを防いでいる。
シール部材28は、例えば樹脂で形成され、ベーン61〜64の径外方向の外壁に嵌合している。シール部材28は、それぞれ板ばね29の付勢力により周壁130に向けて付勢されており、ベーン61〜64の径外方向の外壁と周壁130との間を通じて進角油圧室55〜58と遅角油圧室51〜54との間に作動油が漏れることを防止している。
ストッパピストン30は、有底円筒状に形成され、ベーン61を回転軸方向に貫通して形成された孔17に回転軸方向に往復移動可能に収容されている。ストッパピストン30は、内部にスプリング34を収容している。本形態では、スプリング34は、不等ピッチばねであり、ストッパピストン30をスプロケット12側へ付勢している。スプロケット12のベーン61側には、凹部35が形成され、この凹部35に嵌合リング36が圧入保持されている。ストッパピストン30は、ハウジング11に対しベーンロータ16が最遅角位置にあるとき、嵌合リング36に嵌合可能である。ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合しているとき、ハウジング11に対するベーンロータ16の相対回動が禁止される。また、ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合していないとき、ハウジング11に対するベーンロータ16の相対回動が許容される。なお、凹部35と嵌合リング36とが、「嵌合穴」を構成している。また、ストッパピストン30とスプリング34とが、「拘束手段」を構成している。そして、最遅角位置が「拘束位置」に対応している。
スプロケット12の凹部35と、ストッパピストン30との間には、進角油圧室55と連通する油圧室32が形成されている。またベーン61の孔17とストッパピストン30の周壁との間には、遅角油圧室51と連通する油圧室33が形成されている。油圧室32、33に供給される作動油の油圧は、スプリング34の付勢力に抗して、ストッパピストン30が嵌合リング36から抜け出す方向に働く。
ここで、スプリング34について、図4に基づいて説明する。なお、図4(a)は、ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合しているときの状態を示している。
スプリング34は、ピッチが小さい密部341とピッチが大きい粗部342とから構成されている。図4(a)に示すように、ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合している状態において、スプリング34の密部341の軸方向の線間隙間G1〜G8の合計は、図2において記号Lで示すストッパピストン30の先端部31と嵌合リング36の開口部37との距離と略一致している。そして、油圧室32、33の作動油圧によりスプリング34の密部341が押し縮められて密着したとき、図4(b)に示す状態となる。このとき、ストッパピストン30の先端部31は、嵌合リング36の開口部37と一致する位置にある。油圧室32、33の作動油圧がさらに高まると、スプリング34の粗部342が押し縮められ、図4(c)に示す状態となる。このとき、ストッパピストン30は、嵌合リング36に嵌合されていない状態である。
次に、バルブタイミング調整装置10の作動を説明する。なお、図2および図3は、エンジン始動前、すなわちエンジン6が停止している時のバルブタイミング調整装置10の状態を示している。
<エンジン始動時>
エンジン6(図1参照)が停止している状態ではストッパピストン30は嵌合リング36に嵌合している。このとき、スプリング34は、図4(a)に示す状態である。エンジン6を始動した直後の状態では、遅角油圧室51〜54、進角油圧室55〜58、および油圧室32、33に油圧ポンプ1から十分に作動油が供給されない。このため、ストッパピストン30は嵌合リング36に嵌合した状態を維持し、クランクシャフト8に対しカムシャフト7は最遅角位置に保持されている。これにより、作動油が各油圧室に供給されるまでの間、カムシャフト7が受けるトルク変動によりハウジング11とベーンロータ16とが衝突することによる打音の発生が防止される。
<エンジン始動後>
エンジン始動後、油圧ポンプ1から作動油が供給されると、油圧室32、33に供給された作動油の油圧により、スプリング34は押し縮められる。このとき、スプリング34の密部341は密着しておらず、線間隙間があるので、密部341が比較的小さな力で押し縮められる。油圧室32、33の作動油圧がスプリング34の付勢力に打ち勝つと、ストッパピストン30は、嵌合リング36から抜け出し、ベーンロータ16のハウジング11に対する相対回動が許容される。そして、遅角油圧室51〜54、及び進角油圧室55〜58の油圧を制御することにより、クランクシャフト8に対するカムシャフト7の位相差が調整可能となる。
<進角作動時>
バルブタイミング調整装置10を進角制御するとき、電子制御装置(以下、「ECU」という。)4は、切換弁3に供給する駆動電流を制御する。切換弁3は、油圧ポンプ1と進角油路110とを接続し、遅角油路101とオイルパン2とを接続する。油圧ポンプ1から吐出される作動油は、進角油路110を経由し、進角油圧室55〜58に供給される。遅角油圧室51〜54の作動油は、遅角油路101を経由し、オイルパン2に排出される。進角油圧室55〜58の油圧は、ベーン61〜64に作用し、ベーンロータ16を進角方向に付勢するトルクを発生する。これにより、ベーンロータ16は、ハウジング11に対し進角方向に回動する。
<遅角作動時>
バルブタイミング調整装置10を遅角制御するとき、ECU4は、切換弁3に供給する駆動電流を制御する。切換弁3は、油圧ポンプ1と遅角油路101とを接続し、進角油路110とオイルパン2とを接続する。油圧ポンプ1から吐出される作動油は、遅角油路101を経由し、遅角油圧室51〜54に供給される。進角油圧室55〜58の作動油は進角油路110を経由し、オイルパン2に排出される。遅角油圧室51〜54の油圧がベーン61〜64に作用し、ベーンロータ16を遅角方向に付勢するトルクを発生する。これにより、ベーンロータ16は、ハウジング11に対して遅角方向に回動する。
<中間保持作動時>
ベーンロータ16が目標位相に到達すると、ECU4は切換弁3に供給する駆動電流のデューティ比を制御する。切換弁3は、油圧ポンプ1と、遅角油路101および進角油路110との接続を遮断し、遅角油圧室51〜54および進角油圧室55〜58からオイルパン2に作動油が排出されることを規制する。このため、ベーンロータ16は目標位相に保持される。
<エンジン停止時作動>
バルブタイミング調整装置10の作動中にエンジン停止が指示されると、ベーンロータ16は、上記遅角作動時と同様の作動によりハウジング11に対して遅角方向に回転し、最遅角位置で回動が停止する。この状態において、ECU4は、油圧ポンプ1の作動を停止するとともに、切換弁3によって遅角油路101とオイルパン2とを接続する。これにより、油圧室32、33の圧力が低下する。このとき、ストッパピストン30は嵌合リング36に嵌合していないので、スプリング34は、図4(c)に示す状態である。すなわち、密部341は密着して線間隙間がなく、粗部342が押し縮められている状態であるので、スプリング34の付勢力は比較的大きい。そして、スプリング34の付勢力が油圧室32、33の作動油圧に打ち勝つと、ストッパピストン30は、嵌合リング36に嵌合する。
ここで、スプリング34の作動特性について、図5に基づいて説明する。図5は、横軸にストッパピストン30の嵌合長さ、縦軸にスプリング34の荷重を示したグラフである。ストッパピストン30の嵌合長さは、ストッパピストン30の先端部31が、嵌合リング36の開口部37に位置するときを0とし、ストッパピストン30が嵌合する方向の長さを正、抜け出す方向の長さを負としている。また、本形態のスプリング34の特性を実線Aで示し、ストッパピストン30の付勢部材に線形ばねを用いた場合の特性を破線Bで示した。
実線Aで示すように、ストッパピストン30の非嵌合時には、破線Bで示す線形ばねを用いた場合と比較して、スプリング荷重が大きい。したがって、エンジン停止時に油圧室32、33の作動油圧が比較的高い状態で、ストッパピストン30を嵌合リング36に嵌合させることができる。なお、ストッパピストン30の非嵌合時におけるスプリング34は、図4(c)に示す状態である。
また、ストッパピストン30の嵌合時において、破線Bで示す線形ばねを用いた場合と比較して、スプリング荷重が小さい。したがって、エンジン始動時に、油圧室32、33の作動油圧が比較的低い状態で、ストッパピストン30を嵌合解除することができる。なお、ストッパピストン30の嵌合時におけるスプリング34は、図4(a)に示す状態である。
さらに、本形態では、ストッパピストン30の嵌合時におけるスプリング34の密部341の線間隙間の合計は、嵌合時のストッパピストン30の先端部31と嵌合リング36の開口部37との距離Lが略一致しているので、ストッパピストン30の先端部31が嵌合リング36の開口部37に位置しているときにばね定数が変わる。換言すると、図5に示すグラフでは、嵌合長さが0となる点Pにおいて、スプリング荷重が不連続となる。すなわち、ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合しているとき、ばね定数が小さなり、スプリング荷重は比較的小さくなる。また、ストッパピストン30が嵌合リングに嵌合していないとき、ばね定数が大きくなり、スプリング荷重は比較的大きくなる。なお、ストッパピストン30の先端部31が嵌合リング36の開口部37に位置しているときのスプリング34は、図4(b)に示す状態である。
以上詳述したように、本発明のバルブタイミング調整装置10は、ハウジング11に対しベーンロータ16が最遅角位置にあり、スプロケット12の凹部35に設けられた嵌合リング36に嵌合するとき、ハウジング11に対するベーンロータ16の相対回動を禁止するストッパピストン30を有している。ストッパピストン30は、スプリング34によって嵌合リング36に嵌合する方向に付勢される。スプリング34は、その付勢力がストッパピストン30の非嵌合時に比較して、嵌合時に小さくなるように構成されている。このような構成によれば、ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合していない状態では、スプリング34の付勢力が大きくなるため、ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合しやすい。これにより、例えばエンジン6の停止時にストッパピストン30を嵌合リング36に嵌合させやすくなる。また、ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合している状態では、スプリング34の付勢力が小さくなるため、油圧室32、33の作動油圧が比較的低い状態にて嵌合リング36からストッパピストン30を嵌合解除することができる。したがって、エンジン6の始動時に速やかにバルブタイミング調整装置10を作動させることができる。
また、スプリング34は、ストッパピストン30の非嵌合時、ばね定数が大きく、ストッパピストン30の嵌合時、ばね定数が小さい非線形ばねである。このような構成によれば、ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合していない状態では、スプリング荷重が大きくなるため、ストッパピストン30を嵌合リング36に嵌合させやすい。また、ストッパピストン30が嵌合リング36に嵌合している状態では、スプリング荷重が小さくなるため、油圧室32、33の作動油圧が比較的低い状態にて嵌合リング36からストッパピストン30を嵌合解除することができる。したがって、エンジン始動時に速やかにバルブタイミング調整装置を作動することができる。
さらに、スプリング34は、ピッチが小さい密部341と、ピッチが大きい粗部342とを有する不等ピッチばねである。そして、ストッパピストン30の嵌合時における密部341の軸方向の線間隙間の合計は、ストッパピストン30の嵌合時におけるストッパピストン30の先端部31と嵌合リング36の開口部37との距離Lと略一致する。これにより、ストッパピストン30の先端部31が、嵌合リング36の開口部37と略一致する位置にてばね定数が変わるので、スプリング34の付勢力を適切に設定することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態のスプリング34は、両端に密部341を有し、中央部に粗部342を有する不等ピッチばねであったが、他の実施形態では、図6に示すように、一端に密部441を有し、他端に粗部442を有する不等ピッチばね440であってもよい。また、図7に示すように、中央部に密部541を有し、両端に粗部542を有する不等ピッチばね540であってもよい。このような不等ピッチばねを用いても、上記実施形態と同様の効果を奏する。なお、上記実施形態では、嵌合長さが0のときにスプリング荷重が不連続となるように不等ピッチばねの密部の線間隙間を設定していたが、非嵌合時と嵌合時との間に不連続点を有する範囲にて密部の線間隙間を設定可能である。
さらに、図8に示す円錐ばねや、図9に示すたる型ばねや、図10に示す鼓型ばねであってもよい。このような非線形ばねを用いた場合、不等ピッチばねを用いた場合とは異なり、ばね定数は連続的に変化する。この場合、横軸に嵌合長さ、縦軸にスプリング荷重を示したグラフにおける変曲点が、嵌合時のばね長と非嵌合時のばね長との間の嵌合長さにあれば、上記実施形態と同様の効果を奏する。なお、変曲点は、嵌合長さが0である位置の近傍であることが好ましい。
上記実施形態では、嵌合穴としての凹部及び嵌合リングは、ハウジングに設けられていたが、ベーンロータに設けられていてもよい。
上記実施形態では、内燃機関の吸気弁を制御するバルブタイミング調整装置について説明した。これに対し、内燃機関の排気弁を制御するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
6:エンジン(内燃機関)、7:カムシャフト(従動軸)、8:クランクシャフト(駆動軸)、9:カムシャフト(従動軸)、10:バルブタイミング調整装置、11:ハウジング、16:ベーンロータ、30:ストッパピストン(規制部材、拘束手段)、34:スプリング(付勢部材、拘束手段)、35:凹部(嵌合穴)、36:嵌合リング(嵌合穴)、50:収容室、60:ロータ、61〜64:ベーン、92:吸気弁、93:排気弁

Claims (1)

  1. 内燃機関の駆動軸と、当該駆動軸の駆動力により回転駆動されて吸気弁及び排気弁を開閉する従動軸との位相を変化させることによって、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
    前記駆動軸または前記従動軸の一方とともに回転するハウジングと、
    前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに回転し、前記ハウジング内に形成された収容室に収容されるベーンを有し、前記ベーンにより前記収容室が仕切られて形成される圧力室に供給される作動流体の圧力により前記ハウジングに対し相対回動可能なベーンロータと、
    前記ハウジングに対し前記ベーンロータが所定の拘束位置にあり、前記ハウジングまたは前記ベーンロータの嵌合穴に対する嵌合時には前記ハウジングに対する前記ベーンロータの相対回動を禁止し、一方、非嵌合時には前記ハウジングに対する前記ベーンロータの相対回動を許容する規制部材、及び前記規制部材を前記嵌合穴に嵌合させる方向に付勢する付勢部材を有する拘束手段と、
    を備え、
    前記付勢部材は、その付勢力が前記規制部材の非嵌合時に比較して、前記規制部材の嵌合時に小さくなるよう構成され
    前記付勢部材は、前記規制部材の非嵌合時、ばね定数が大きく、前記規制部材の嵌合時、ばね定数が小さい非線形ばねである不等ピッチばねであり、
    前記不等ピッチばねは、ピッチが小さい密部、及びピッチが大きい粗部を有し、
    前記規制部材の嵌合時における前記密部の軸方向の線間隙間の合計は、前記規制部材の嵌合時における前記規制部材の先端部と前記嵌合穴の開口部との距離と略一致することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
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