JP5563763B2 - 鉱石からの有価金属回収のための塩酸存在下での浸出プロセス - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、塩化物溶液中で鉱石から金属を浸出する間に塩酸を生成または再生する浸出プロセスに関する。
比較的濃縮された塩化物ブラインを卑金属の浸出のための媒体として利用することは、過去に何度も提案されてきたが、その最近の例は、WO2003/35916、WO2003/89675およびその他の特許などの様々な特許中で説明および参照されているように、オートクンプ・ヒドロカッパー・プロセス(Outokumpu Hydrocopper process)である。高強度塩化物ブラインは、一般的な比較的希釈な硫酸塩媒体よりも、概してより早く、より完全な浸出を可能にする。しかしながら、そのようなブラインからの溶解有価物の回収は通常厄介なものであり、標準的な電解採取(electrowinning)技術では不可能である。
ニッケルラテライト鉱石の浸出のために塩酸(塩化物)媒体を使用することは、長年様々な機関における研究課題であったが、この分野において特に草分けとなっているのはリーズ大学(Leeds University)のN.M.Rice(Rice,1989参照)である。良好な浸出反応速度は、典型的なケイ酸塩(蛇紋石)および酸化物(リモナイト、すなわち褐鉄鉱)鉱石の両方において達成されており、従ってこの系が典型的なラテライト層中の様々な物質からニッケルのような有価物を浸出させるために利用され得ることを示している。特に興味深いのは、高温(典型的には80℃以上)での4モル濃度塩酸溶液中での速い(1時間)浸出反応速度であった。概念的なフローシートが後に提案され(RiceおよびStrong,1974)、そこでは有価のコバルトおよびニッケル(これらは後に、それぞれ、溶媒抽出および水酸化ニッケルとして加水分解(中和剤としてマグネシアを用いる)によって除去される)を可溶化するために塩酸浸出を利用している。鉄やマグネシウムのような不純物は、高価な塩酸を消費する主要な要因である。塩化鉄は溶媒抽出によって溶液から除去され、そしてスプレー焙焼工程で処理されて安定なヘマタイトを形成し、かつ浸出工程に戻す循環用の塩酸を再生する。同様に、塩化マグネシウムはスプレー焙焼工程で処理されてマグネシア(副産物として販売される、および/又は中和剤として使用される)を形成し、かつ塩酸(浸出工程へ戻されて再利用される)を再生する。
世界の地上Ni資源の約70%はラテライト鉱石中に含まれていると見積もられている。現在、生産されるNiの約40%のみがラテライト鉱石から抽出されており、またこの数値は2012年までに約50%にまで増加すると見積もられている(Dalvi他,2004からの数値)。現存する技術が提供し得るものよりも顕著に低操業および特に低資本コストでラテライト鉱床からNiおよびCoを回収する新たな処理手段に対する必要性が存在している。さらに、供給に目を向けてみると、おおよそ年率4%のNi需要増加を仮定すれば、需要を満たすためには年間40〜45,000トンの新たなNi生産を必要とすることになるであろう(Dalvi他,2004,からの数値)。小さな硫化物鉱床、主要な未開発地域のラテライト・プロジェクト(例えば、ゴロ(Goro)およびレーベンズソープ(Ravensthorpe)高圧酸浸出プロジェクト(high pressure acid leach project)、コニアンボ(Koniambo)のような新規製錬所、およびボイジーズベイ(Voisey’s Bay)のような新規硫化物湿式冶金処理手段)からの新たな供給の追加を考慮に入れたとしても、供給が消費に追いつかなくなるであろう。
[地質学および鉱物学]
ニッケルラテライト鉱床は二つの主要な層、すなわち、表面付近のリモナイト系(水和酸化鉄)物質(0.8〜1.5%のNi、低Mgおよび高Fe)および、より深いところのサプロライト系(水和ケイ酸マグネシウム)物質(1.5〜3%のNi、高Mgおよび低Fe)から成っている。これらの鉱床は母岩の風化作用によって形成されており、母岩自体はFe−Mg−Si−O−鉱物の形態である。ラテライト化過程は、母岩に対して、NiとCoを3〜10倍濃縮する。ラテライト化過程は動的であり、深さプロファイルは基本的にスナップショットであり、最下層部分が最も直近に変化した岩を表している。
(母岩に由来する)豊富な遊離シリカが、Mg−ケイ酸塩構造から浸出された後に、再沈殿してシリカ質の鉱床を形成するとき、特に多種のリモナイト鉱床が形成される(ジャカレー(Jacare)のケイ酸質鉱床はこの種の鉱石の例である)。これほどは風化が厳しくない場合(例えば、より乾燥性又は寒冷の気候、あるいは地下水の流れが制限されている場所(乏しい排水性))、浸出率はより低く、スメクタイト系粘土の形成につながる。粘土層(もしあれば)は通常リモナイト区域とサプロライト区域の中間に見られる(ミュリンミュリン(Murrin Murrin)はそのプロファイル中に非常にはっきりとした断続的なスメクタイト系区域を含む鉱床の例である。)。
ラテライト−岩床接触面に近づくと、変化したNiリッチ(20%程度のNi)の水和Mgケイ酸塩鉱物(ガーニエライトとして知られる)が生じる。ガーニエライトはニューカレドニアのような構造学的に活性な地域においてより顕著である。岩床(または、もしあればガーニエライト層)とリモナイト(または、もしあれば粘土層)との間は、非常に変化の大きいケイ酸マグネシウム物質からなる遷移区域で、サプロライト区域と呼ばれる。母岩の風化が、結果として遊離シリカにつながるようなことが、せん断帯、断層、鉱脈および裂け目のような、より透過性の高い地形構造(permeable geological structure)に沿って生じることもあるだろう(より完全なレビューのためには以下を参照:Monhemius,1987、およびElias,2002)。
ラテライト層の風化プロファイル(深さ)の不規則性、および不均一な採鉱が原因で、特定の鉱石標本(例えばサプロライト)は多様な割合で他の鉱石(例えばリモナイトおよび/又は粘土)を含んでも良い、ということを認識する必要がある。製造用のラテライト鉱石原料は、非常に多様な鉱物学、関連する加工特性および加工コストによって特徴付けられる。大半の知られたラテライトNi資源は、リモナイト鉱石に含まれており、より少ない程度でサプロライト系鉱石に含まれている。
[現行の実施]
より高いNiグレードの鉱石を処理するときにはプロセスの経済的側面がより有利なので、可能な場合には、物理的な高純度化は重要であるとして強調される。残念ながら、リモナイト鉱石およびサプロライト鉱石の両方は、そのNiがそれぞれ針鉄鉱およびケイ酸マグネシウムの鉱物化と密接に混合しているため物理的な高純度化が困難である。しかしながら、例えば、(シリカ質のまたはサプロライト鉱石中の)粗悪な水晶や、(リモナイト鉱石中の)マグネタイトのような粗悪な荒れた物質が存在するとき、物理的な高純度化による品質向上の明確な可能性が存在する。
製錬
サプロライト原料鉱石は、20〜50%の遊離水を含んでおり、乾燥でまず水を除去する。次に鉱石を、か焼して構造水を追い出し、FeおよびNiが、コークスや石炭を用いて炉中で金属状態に還元される。Mg、Siなどはスラグ相に付随するので、液体溶融Ni−Fe合金の除去ができる。マット製造ルートは還元条件下で、窯(kiln)にSが投入され、金属Niと反応して硫化物を作る。この物質は次に、スラグ相に付随する酸化物およびマット相を形成する硫化物と一緒に、溶融される。転換炉を通じて空気を吹き付け、大部分のFeをスラグ相へ酸化する。
プロセスの特徴:
●それはサプロライト鉱石、特に、珪ニッケル鉱が多く含まれる鉱石の処理プロセスである。
●低コスト電力産業設備事業の経済的側面から、カットオフ原料グレードは約1.7%のNiであり、そして高コスト未開発地域事業の場合は、おおよそ2.1%のNiである(Dalviら,2004)。
●その原料標的を維持するために鉱石のばらつきは除外されるべきである(Niグレード、スラグの融点はSiO/MgOおよびFeOの影響を受けやすい、など)。
●製錬プロセスの手段は高い資本に苦しめられており、それゆえエネルギーコストおよびその経済的側面は地域の電力コストに非常に影響されやすい。
●ニッケル回収は良好であるが(〜90%)、Co副生成物のクレジット(credit)は全く不可能である;その第一の理由は、サプロライト鉱石中のCoレベルは一般的に低いこと、そして第二の理由は、その乏しい回収(〜50%)にある(Dalviら,2004)。実際、フェロニッケル中のCoは好ましくない。
キャロンプロセス(Caron Process)
鉱石は最初に回転窯中で乾燥され、還元的に焙焼される。NiおよびCoはおおよそ700℃で金属状態へ選択的に還元される(Feの約10%の部分的還元が伴う)。もし(より多くのサプロライト鉱石を処理することにより)原料のケイ酸塩含有量が増加すると、フォルステライト(アモルファスのMg−ケイ酸塩)の再結晶化が起こり、その結果Niを閉じ込める。すなわち浸出を受け入れない。同様に、より高い還元温度および過還元は、(浸出に対して)耐性を有する相を形成する傾向を増加させる結果になる。冷却後、アンモニア−炭酸アンモニウム溶液中(pH〜10)、酸化条件下(空気)で、合金は常圧浸出される。浸出されたNi(Co)およびFeは溶液相中で非常に強固なアンミン錯体を形成する。
第一鉄イオンは第二鉄の状態へ酸化され、ゼラチン質の水酸化第二鉄として加水分解される(Coは水酸化第二鉄と共沈殿する傾向があり、かなりの部分が回収不可能である)。液体−固体分離の後、HSガスを用いて、一部のNiおよび全てのCoを硫化物として沈殿させる(CoはNiよりも可溶性が低い)。次いで(Coを含まない)Ni溶液は水蒸気蒸留されて塩基性Ni炭酸塩(固相)ならびにCOおよびアンモニアを気相に形成する。COおよびアンモニアは、アンモニア−炭酸アンモニウム溶液を生産するために、再利用のために水への吸収によって回収される。Ni炭酸塩ケーキは販売されるか、炭酸塩又は溶液からNiを回収するための多くの“バックエンド”プロセスの一つ(Monhemius,1987参照)のプロセスにより、さらに処理される。
プロセスの特徴:
●多少のサプロライトを許容し得るが、リモナイト鉱石を処理するプロセスである(増量したMgおよびケイ酸塩は増量したフォルステライトを形成し、より多くのNi損失につながる)。
●主要な試薬(アンモニアおよびCO)はプロセス内で再利用されるが、かなりの損失が起こる(とりわけMg浸出がその原因である)。比較的純粋な産物を生産するために補給の試薬もまた必要である。
●全エネルギー入力の60%より多い量は先行処理(湿った鉱石の乾燥および還元的焙焼)に費やされるが、バックエンドは、非常にエネルギー的に非効率なプロセスである、湿式冶金プロセスへ立ち戻る。
●水酸化第二鉄沈殿物のゼラチン性が原因で、ろ過は不十分である。
●高温冶金プロセス(フォルステライト形成)および湿式冶金プロセス(Coの共沈殿およびFeの沈殿による浸出粒子の妨害)の両者について低値回収;全体のおおよそ75%のNiおよび50%のCoが回収される。
有価金属回収率の低さが原因で、かつ多量のエネルギーおよび試薬コストが伴うにも拘わらず、低いNiグレードの鉱石(主にリモナイト鉱石)を有する原料種がその標的であることから、未開発地域の事業(greenfield projects)がこの技術を利用することは期待されていない(Dalviら,2004参照)。
高圧酸浸出(HPAL)プロセス
冶金学上の観点からは、HPALプロセスは比較的単純であり、245℃を上回る温度での高温酸分解工程を軸に展開する。放出スラリーを石灰で中和して向流的に注いだ後、不純物除去ならびに硫化物(HS)又は水酸化物(石灰)としてのNiおよびCoの沈殿、あるいは溶媒抽出による直接的なNiおよびCoの除去、がそれに続く(ゴロ(Goro)のフローシート)。任意の更なる精製および分離は、再溶解(沈殿固体が生産された場合)および溶媒抽出又は選択的沈殿による精製を含む。最終的に、金属が電解採取又は水素還元を通じて回収されるか、又はNi酸化物が熱加水分解法(Pyrohydrolysis)を通じて生産される(塩化物化学は浸出ではなく、SXまたは、IXと関係している)。
プロセスの特徴:
●リモナイト鉱石の処理プロセスであり、製錬の場合よりも資源標的が大きくなる(リモナイト鉱石は高グレードのサプロライト鉱石よりもずっと豊富である)。しかしながら、このプロセスの運転コストは主要な酸消費物、すなわちAl(粘土物質)および特にMg(通常、<4%が経済的に処理できる許容限度とされる)に大変影響されやすい。
●高温での腐食性は高く、特に塩化物が存在するとき(塩水)、腐食しやすい。耐食性は高いグレードのTi合金を使用すると向上するが、それらは高価である。
●圧力装置および建設資材の使用により資本コストが非常に高額である。
●酸消費物(Mg、Al)のため、および(“温度による”、重硫酸塩形成という負の効果を克服するのに)酸性バックグラウンドを維持する必要があるため、ならびに浸出後の中和の必要性(石灰コスト)のため、試薬コストが非常に高価である。
●特により高いMgおよびより高いAl原料について、オートクレーブ中でのスケール形成が問題となって停止時間(down-time)を生じる。
●立地によっては、硫酸塩を含む廃液の廃棄が益々重要な問題となる。
Dalviら(2004)の調査が示唆するところによると、HPAL手段の経済的側面は原料グレードの影響を非常に受けやすく、すなわち平均の酸消費量よりも低くオフセットされている場合(マダガスカルのアンバトビー・プロジェクト(Ambatovy Project)参照)、又は酸の安価な産出源(例えば硫化物製錬所の操業)に近接している場合を除いては、概算されている原料グレード下限である1.3%のNiが未開発地域の事業のために適用され得る。
図1は試薬の使用という観点からのHPALプロセスの非効率性を示している。低いMg(リモナイト系)原料鉱石を処理する以外は殆どどうしようもない、という認識と共に、酸の消費という点での主な原因はMgであることが分かり得る。それに加えて、コストのほぼ半分は、実際的に浸出反応に参画していない、化学的バックグラウンド(重硫酸塩形成を相殺するため、“温度”)を維持するために費やされている。“追加の”酸もまた、加圧浸出後に中和される必要がある。パルプ密度が高くなるほど、絶対的にはコスト(コスト/Ni生産物のlb)への化学的バックグラウンドの効果は小さくなる。しかしながら、最大パルプ密度は粘度の問題で制限される。
[新たな開発]
この産業においては、有望な常圧浸出(AL)プロセスを開発しようとするはっきりとした傾向があり、それはとりわけより、低資本要求によるものであり、またリモナイトおよびサプロライト鉱石の両方を処理することが出来るという目標も同時にある。
開回路、硫酸塩ベースプロセス
リモナイト鉱石は典型的に高残留酸濃度で浸出されるが、その一方、サプロライト鉱石(より高い中和能力を有する)はその後、残留酸およびFe加水分解中に放出される酸を中和するのに利用される。HPALとサプロライト鉱石の常圧(浸出後)中和との組み合わせである、いわゆる強化圧力酸浸出(EPAL)プロセスもまた開発されており、現在西オーストラリアのレーベンズソープ・プロジェクト(the Ravensthorpe Project)に適用されている。この概念は元来1970年代にAMAXによって特許取得されたものである。AMAXプロセスは、サプロライト鉱石を部分還元する(すなわち中和の反応性を増加させる)ための焙焼炉もまた設けている。(Mgの大部分を除去して)最終残留物中のあらゆる非浸出のNiをHPAL浸出に戻して再利用する選択肢もまた実行され得る(Monhemius,1987)。
EPALプロセスの特徴:
●低資本支出によって大部分補填され、すなわち滞留時間は(HPALと比較して)比較的安価であるが、常圧浸出は遅い反応速度を特徴とする。
●希硫酸塩系における常圧下でのFeの加水分解は環境が受容できない生成物につながる可能性がある。
●(サプロライトの中和/加水分解による)Feの除去を扱うのに常圧浸出のシステムがたとえ有効であるにしても、過度のMg浸出によって酸の著しい損失はやはり起こる(ただし、追加の硫黄の燃焼による追加的エネルギーによって、および追加的なNiの収益によっても、このコストは部分的に補填され得る)。
●EPALアプローチは、HPALに比べてさらに高い資本コストになるかもしれない。
●さらに厳しくなる環境法により、廃液の廃棄が問題になるかもしれない。
硫酸塩媒体での完全ALプロセスでは、NiおよびCoを高収率で抽出するためには非常に強烈(強酸)な浸出条件が必要になるだろう。そのため、サプロライト材料による高い中和が必要であり、さらにそのために、溶液中でMgを介して、および、(たとえ、プロセス水として海水を用いるとしても)おそらく残滓中のジャロサイトとして高い硫酸塩のロスが起こるだろう。(イオウの価格に敏感な)高い試薬消費量および環境要求はこの経路をリスキーで、経済的に引き合わないものにするであろう。この理由から、Mg問題について、代替プロセスの試行と設計とが提案されてきた。アメリカン・クライマックス社(American Climax Inc.)(AMAX社の前身)によって提案された一つのそのようなプロセスは、190〜250℃のオートクレーブ中での結晶化を利用して、硫酸塩を一水和物として沈殿させるというものである。このプロセスは追加的および高価なオートクレーブを必要とするため、スイスのスルザー(Sulzer)はSURALプロセス(スルザー再生酸浸出プロセス)を考案し、エプソマイト(MgSO4・7HO)を生産する蒸発結晶化を提案した。この硫酸塩は次いで熱的に分解されてSO(酸プラント中で硫酸に変換され、HPALに戻されて再利用される)および中和剤であるマグネシア(MgO)(プロセス内で再利用される)を産出する(Monhemius,1987参照)。最近提案された、スカイ・リソーシズ特許常圧浸出プロセス(Skye Resources proprietary atmospheric Leach process)は、主浸出工程もまた常圧である以外は、ほとんどSURALプロセスと同一である。スカイのプロセスは図2のプロセスのフローチャートに示す。
スカイプロセスの特徴(未商業化):
●たとえ、(例えば、パグ(pug)浸出のように)非常に強い常圧浸出条件の下でも、硫酸塩系でのNiの抽出はHPALには太刀打ちできないように思われる。
●試薬の追加コストの、エネルギー/燃料コストによる置き換え、これは立地によって良くも悪くもなり得る。
●環境的に安定なFe加水分解生成物を作るのが困難である。
●蒸発による純粋な硫酸塩溶液からの硫酸マグネシウムの結晶化は、通常の水収支が必要とする量を超えて、かなりの量のエネルギー(高い蒸発要求)を必要とする(主要な原料鉱石のMgグレードが増加するにつれ、これは重要性を増していく)。
閉回路スカイプロセスは新しいプロセスに属し、ここでは再生常圧浸出プロセス(RAL)と称する。その広義の概念を図3に示す。
このアプローチは、今、開回路プロセスで見通しがあるかもしれない。その最上位には、エネルギーの要求という観点で、精錬プロセスが位置づけられ、その最下位には、ALプロセスが位置づけられる。しかしながら、このアプローチで許容できるNi抽出を得るためには、特にリモナイト鉱石の場合に、強い残留酸が必要であるだろう。それは次には中和コスト高になるであろう(リモナイト鉱石の低Niグレード鉱石および硫酸塩媒体における低反応性は、おそらく経済的に実行可能なルートとしてはこのアプローチを排除するであろう)。中和試薬として高グレードのサプロライト鉱石が使える場合には、このルートは実行可能かもしれない。しかしながら、その経済的側面は極端にNiグレードおよび、Niとイオウ(S)の価格に敏感であろう。もし、これらがネガティブな方向に振れるとすると、このルートは非経済的になるであろう。つまり、このルートには高い経済的リスクが付きまとう。最後に、開回路ルートに対しては、環境因子が深刻に待ち構える。海水が使われると、純水に比べればL/S分離の若干の改良があるかもしれない。しかしながら、浸出に硫酸を用い、(海水として代表的な)約20g/lの塩素レベルでは、中和の間にヘマタイトの形成はありえない。残留物および非常に高いレベルの硫酸マグネシウムが、処理される必要があり、特に湿潤な気候では、それほど単純ではない。
HPALプロセスのエネルギーコストは、フラッシュアンドスプラッシュ(flash-and-splash)予備加熱法の開発で驚くほど安価である。高温でのFeに対する選択性(熱駆動型沈殿)のゆえ、試薬の消費は相対的に低い。しかしながら、資本投資が巨額になるので、経済的側面はいつも酸の消費量つまり、鉱石中のMg含有量に敏感になりやすい。したがって、一般に約4%以下のMgを処理することができるので、このプロセスは純粋リモナイトプロセスになる。このプロセスルートに適するのは、低い酸消費量でよいハイグレードまたはハイグレード化が可能なリモナイト鉱石に限られる。
EPALアプローチは、サプロライト鉱石からより多くのNiを得るため、および中和コストを低減するため、HPAL放出物における残留酸を利用しようというものである。しかしながら、処理しているサプロライト鉱石からの余分の収益が余分の酸を加えるのに値するのかが経済的な問題になるだろう。もしイオウの価格が良好なら、より多くのサプロライトを浸出するために余分の酸が製造されるかもしれない。イオウの価格が高い間は、フローシートはサプロライトで中和することのみに立ち返ることができて、低いNi回収を許容するだろう。したがって、このプロセスは開回路のALプロセスに比べてリスクは低いといえるだろう。しかしながら、環境影響があるので、資本支出が心配である。
閉回路、塩素ベースプロセス(未商業化)
<ジャガープロセス(Jaguar process)>
常圧塩化物酸浸出プロセス(The Atmospheric Chloride Acid Leach process)を図4に示す(この特許プロセスを開発したカナダのニッケル探査および鉱山開発会社であるジャガー・ニッケル社(Jaguar Nickel Inc.)にちなんで、以後、ジャガープロセスと呼ぶ)。これは、高塩化マグネシウムのバックグラウンドを含む塩酸溶液中での常圧浸出プロセスからなる。バックグラウンド溶液中の塩化マグネシウム濃度の上昇につれて、プロトンの活性が劇的に上昇すると主張されている(Harris et al、 2004)。浸出は2段階であり得る。第1に鉱石が浸出されてNiおよびCoを溶液に運び、それから第2の段階でFeを排除するために調整される。ブラインからそのFeを加水分解することの追加的な利点は、主張されているところによると、ブライン溶液中の低い水の活性が、脱水反応を促進する傾向があるということである。原理的には、ヘマタイトが大気温度で形成され得るが、そうでないとき(純粋な硫酸塩の系中で)は相当高い温度で稼動するオートクレーブが必要となる。有価金属の回収後、水収支を維持するために溶液は蒸発され、得られる塩化マグネシウムブラインは浸出へ戻され再利用される。流出ストリーム(Bleed Stream)は熱加水分解されて、マグネシア(内部の中和剤として部分的に再利用される)および気相の塩化水素を産生する。塩化水素はその後濃縮されて常圧浸出容器へ戻される。
試薬の再生よりむしろ、熱加水分解の前、およびその最中の、濃縮された塩化マグネシウム溶液からの過剰な水の蒸発においてかなりの量のエネルギーが浪費されているということを認識したとき、ジャガープロセスの経済的な困難が明らかになる。浸出される物質のMgグレードが高くなればなるほど、絶対量として(すなわち、処理される鉱石のキログラム当たり)、より多くの水が熱加水分解工程に持ち越されることになる。最終結果として、Mg原料グレードが増すにつれて、ジャガープロセスはその水収支という点で急速に非常に非効率になる。したがって、追加の水が回路に添加されてより多くのMgを溶液に吸収させ、ちょうど熱加水分解中に再び蒸発されなければならなくなる時点に達する。ジャガープロセスと同様に、Mgの最高グレードによって惹き起こされる水収支の“引き込み(drawn−in)”効果は、より小さい程度であるとはいえ、“余分の”追加される水が多重効用の蒸発器中で比較的効率的に処理され得ること、および硫酸マグネシウムの水和の水のみが(高価な)高温熱分解工程に影響すること、を除いてはスカイプロセスにも同様に存在するようである(この場合、回路の他の部分における成熟前の硫酸塩の結晶化を避けるためである)。生産される硫酸マグネシウムの水和状態が低くなればなるほど、高温試薬再生工程にかかる水蒸発の負荷へのMg原料グレードの影響力は小さくなる(図5参照)。直線の勾配が急になればなるほど(図5参照)、(より高いグレードのサプロライト鉱石を処理することから)回収される追加のNiの、高温試薬再生中の水蒸発のコストを吸収する能力はより小さくなる。
熱の回収もまた熱加水分解の反応装置にとって不十分かつ複雑である(Steinbach&Baerhold,2002並びにAdhamおよびLee,2002)。塩酸はエネルギー交換中に廃棄熱ボイラーの中で濃縮する傾向があるため、外来の物質が必要である。あるいは、もし塩酸除去が最初になされれば、回収のための発熱量が失われる。他の重要な要素は、Ca塩化物やNa塩化物のような不純物は熱加水分解せず、対応する等価の塩化有価物は高価な補填の塩酸又は塩化マグネシウムと置き換えなければならないということである。熱加水分解反応の全体的な効率は100%をかなり下回ることもまた予測される。
ジャガープロセスの特徴:
●熱加水分解は比較的低い温度(〜500℃)で実行可能であるが、熱回収は複雑であり(高資本支出)、かつ比較的不十分である。
●高Mg含有量のラテライト鉱石を処理するとき、ジャガープロセスは非経済的になる。すなわち、本質的にリモナイト鉱石を処理するためのプロセスである。
●CaやNaのような不純物は熱加水分解せず、等価な塩化度は高価な塩酸又は塩化マグネシウム塩を補填して置き換えなければならない(MgClの熱加水分解プロセスにおける効率を埋め合わせることはいうまでも無い)。
ジャガープロセスは多量のMgを吸収できないという事実により、スカイプロセスのような、どんなものでも吸収する硫酸塩ベースの常圧プロセスに対して競争力のないものとなる。
<インテックプロセス(Intec process)>
塩化物ベースのプロセスは、最近提案されたものであり(Moyes他、2005)、熱加水分解の排除(すなわち硫酸を用いた硫酸塩の沈殿を通じた塩酸の再生)を狙っている。この裏にある概念は、熱加水分解よりはむしろ安価な硫酸を用いる化学駆動の沈殿結晶化を利用して高価な塩酸を再生することを軸にして展開している。このインテックプロセスはCaCl/SOサイクル(図6)を経由する。
このプロセスは、流出ストリームのみが石灰を用いるFeの除去およびNi/Coの回収に供されることを除いてはジャガープロセスと比較して類似の論理に従っている。得られる溶液はその後、石灰を用いるMgの沈殿に供されてマグネシア(MgO)を形成する。これら単位操作の3つ全ては必然的に等量のCa塩化物での陽イオン塩化物の置換を結果として生じる。この回路で消費される全体量の塩酸は、後に硫酸添加によって再生され、Ca硫酸塩(低い溶解性)の沈殿を惹き起こす。再生された塩酸は、常圧浸出へ戻されて再利用される。今度は硫酸および石灰が、後にCa硫酸塩の熱分解によって再生され得る。
インテックプロセスの特徴:
●売り物になるバサニ石(CaSO4・1/2HO)およびマグネシア(MgO)の副生成物がこのプロセスでは形成されると主張されている。しかしながら、これらのような副生成物については常に生成物の純度が問題となる。
●Ca硫酸塩の熱分解を通じて硫酸および石灰が経済的に再生され得るということはなさそうである。熱分解反応は複雑な中間物を通じて進行し、石灰生成物は耐熱性であるかもしれず、また、このプロセスは非常に多量のエネルギー入力を必要とする。
●原料鉱石のMg含有量が高くなればなるほど、より多くの硫酸および石灰の補給が必要とされるようになり、したがってサプロライト鉱石を処理することに対してこのプロセスを非経済的にしている。
本発明は、金属を含む鉱石から該金属を浸出するプロセスであって:
(a)浸出溶液中に可溶な金属−塩化物を形成するために塩酸存在下で該鉱石を浸出する工程;
(b)該浸出溶液へ硫酸および/または二酸化硫黄を添加する工程;
(c)該浸出溶液から固体の金属硫酸塩または金属亜硫酸塩を回収する工程;
(d)同時に塩酸を再生する工程;および、
溶液中の少なくとも一部の塩酸を、連続的に気相に移す工程、
を含むプロセスを提供するものである。
気相の塩酸を補足し、工程(a)に戻すことで、該浸出プロセスで再生利用してもよい。
塩酸は、溶液を沸点に加熱すること、および、空気などのキャリアガスを使うことで気相に移すことができる。
浸出プロセスの工程(a)に戻されるに先立って、水を除去し塩酸を濃縮するため、気相の塩酸は蒸留プロセスにかけてもよい。
硫酸および/または二酸化硫黄を、浸出工程後に浸出溶液に追加してもよく、塩酸を同時に再生してもよい。
あるいは、浸出溶液中で可溶性の金属塩化物、および固体の金属硫酸塩または金属亜硫酸塩を形成するため、硫酸および/または二酸化硫黄を、浸出工程中に浸出溶液に追加してもよい。硫酸または亜硫酸は引き続き回収されてもよく、塩化物イオン(chloride ion)濃度が高く、硫酸イオンまたは亜硫酸イオンの濃度が低い塩酸溶液を同時に生成してもよい。
金属硫酸塩または金属亜硫酸塩が一般式MeSOx・yHOで表され、式中、Meは金属であり、xは3または4であり、yは0またはそれより大きくてもよい。
金属硫酸塩または金属亜硫酸塩における金属の供給源は、大部分が鉱石であってもよい。
鉱石は、実質的に酸化物の又はケイ素質の卑金属鉱石であることが好ましい。例えば、酸化亜鉛鉱石、サプロライトまたはリモナイト鉱石などのラテライト系ニッケル鉱石、硫化物、チタン、またはアルミニウム鉱石が好ましい。
鉱石から浸出される前記金属が、Zn、Cu、Ti、Al、Cr、Ni、Co、Mn、Fe、Pb、Na、K、Ca、白金族金属および金からなる群から選択されることが好ましい。
前出の請求項のいずれかに係るプロセスであって、金属硫酸塩または金属亜硫酸塩中の金属が浸出された金属であり、該プロセスが、金属を回収するために金属硫酸塩または金属亜硫酸塩を分解する工程をさらに含んでもよい。または、金属硫酸塩または金属亜硫酸塩中の金属が、鉱石から浸出された金属よりも価値の低い金属であることが好ましい。
発明の詳細な説明
同時に出願中の国際出願PCT/IB2005/003128号とPCT/IB2005/003136号は参照することによりここに全部が援用される。それらは塩酸を含む溶液中で1または2以上の金属有価物の浸出プロセスを開示する。溶液から、金属有価物は固体の硫酸塩または亜硫酸塩として回収され、溶液中の塩酸は同時に復活される。これらの関連プロセスはアングロリサーチニッケル(ARNi)プロセスと名づけられている。
ARNiプロセスとその基本ケースのフローシートは、それぞれ図7および図8に示される。ARNiプロセスは常圧の条件下で稼動する閉回路ブライン浸出プロセスである。浸出工程と中和工程で必要とされる試薬はプロセス内で再生される。プロセスの経済的側面の要点は、強い塩化マグネシウムのバックフラウンドでマグネシウム塩の溶解性が低下することを利用し、水の持ち越し要求を最小限にして、消費された浸出液からマグネシウム塩を回収する点にある。こうすることで、硫酸を直接用いて塩酸を再生しながら、同時に、硫酸マグネシウム結晶として硫酸塩が回路に入ることを排除することができる。
試薬ループはこれらの硫酸マグネシウム結晶を、二酸化硫黄と酸化マグネシウムに熱分解することによって閉じられる。
同プロセスで酸化マグネシウムは部分的に中和剤として用いられ、二酸化硫黄は硫酸の製造に用いられる。
ARNiプロセスは、例えば熱加水分解が使われる時に要求されるような、大量の水の蒸発を必要とせずに、塩化物ブライン浸出溶液中で塩酸強度の回復を可能にする。プロセス内で大半の追加要求分を再生するという選択肢があるので、全ての追加試薬(make-up reagent)は相対的に安価である。
ARNiプロセスの溶液における高い塩化物レベルは、他のRALプロセスよりも高いプロトン反応性につながり、(化学的なアタックに対して最も抵抗性のある)リモナイト鉱石の浸出の際に特に重要である。このことは、異なった化学媒体中でのリモナイト鉱石の診断的浸出に続く、各々NiとCoの抽出曲線を示す図9、10で説明される。塩化物系がよりアグレッシブな浸出系であることを示しており、特に、塩化物のバックグラウンドの濃度が増加(この場合には、1kgの水当たり、〜2molの塩化Mg)した場合にそうである。このことは、次に、残留酸濃度の低下につながり、結果として、より低い中和要求につながる。明らかに、硫酸塩系での不活発な浸出応答を補う唯一の方法は過剰の酸を添加することである。二硫化硫黄ガスを加える有益な効果は、特にCoを主成分として含む、酸化された鉱物を分解する際の還元力によるものである。塩化物環境におけるよりアグレッシブな浸出条件の理由として二つのことが考えられる。
●塩化物イオンバックグラウンドを増加させることで水素イオン活性が増加する(図11)。
●硫酸塩の存在下で、重硫酸塩イオンの形成により、水素イオンの重量モル濃度が減少する(水素−塩化物結合は、水素−硫酸塩結合よりも弱い−図12)。
水バランスに関しては、三つのRAL(閉回路)プロセスは全て、リモナイト原料鉱石について同等のエネルギー要求を示しており、それらは多重効用蒸発装置で効果的に処理される。しかしながら、Mg原料の含量が増加する時には、純粋硫酸塩系と塩化物系で、蒸発負荷が高くなる。純粋硫酸塩系では不要な硫酸塩の結晶化を防ぐため余分の水が添加され、塩化物系では熱加水分解の前の溶液中の塩化マグネシウムを維持するため余分な水が添加される。加えて、ジャガープロセスでは、(熱加水分解という)高価な高温工程のために、水流の増量(絶対項で、つまり、回収されるNiの1キログラム当たり)になるだろう。一方、ARNiプロセスについては、塩の水和水が少ないことが、原料鉱石のMg含量から高温蒸発の要求を効果的に切り離す。
環境的見地からすると、純粋硫酸塩システムは鉄硫酸塩水酸化物と鉄水酸化物の形成につながりやすく、特に多降雨地域では、環境面で許容されないであろう。また、回路からの硫酸塩ロスも多く起こるだろうし、沈降の問題はいうまでも無い。極めて特別な操作条件が求められる、ゲータイトの沈殿が試みられるとすると、NiとCoの高損失が予想される(ゲータイトは、そもそも本来は、側性化(lateralization)の間に、NiとCoをアックグレードするベヒクルである)。次に、ヘマタイトは高塩化物系でもっと簡単に形成され、環境的に安定で、結晶構造にNiやCoを再吸収することができない。ヘマタイトは、比較的低湿度含量で改良された沈殿および、ろ過特性を示すことも知られている。ヘマタイトは、例えば、れんが作りにおける工業的顔料としても使われる。
NaやCaなどのアルカリ金属不純物は沈殿が起こっている間に純粋塩化物系に集積し、塩化物の損失につながるであろう。それは、これらの金属が熱加水分解しないためである。ARNiプロセスでは、Naをジャロサイトとして除去し、Caをジプサムとして除去することで、これらの不純物を処理することができる。実際、比較的安価な試薬である硫黄と塩化ナトリウムを用いて、回路からの塩化物の損失を置き換えるために、ナトリウムジャロサイト反応を活用することが期待されている。
純粋硫酸塩の閉回路(スカイ法)アプローチは、上述のように、基本的には、水を加え、そして除去すること(高価な)で、異なる単位操作間で溶解レベルを操作することを必要とする。温度も利用できるが、常圧のままで、加熱処理/冷却処理の負荷を最小にするように抑制する限り、かなり効果が小さい。ARNiプロセスで選択された混合ブライン系は、より安価な代替案を開くものである。硫酸塩の主要なソース(硫酸)は、結晶化工程で添加され、共通イオン効果を生み出し、硫酸マグネシウムの沈殿を確実にする。当然、これはヒドロニウムイオンが最高になる点であって、おそらく、重硫酸イオン(HSO )の形成により、望まれていない溶解性効果(つまり、溶解性の増加)を生み出す(図13)。回路を正しく統合し、結晶化装置中での塩化物と硫酸塩のレベルを操作することで(この目的に水の使用を控えることにより)、高度なフレキシビリティーが与えられる。塩化マグネシウムバックグラウンドは、純粋硫酸塩系よりも大きなフレキシビリティーを与える(図14)。最も濃縮された塩化物と硫酸塩のプロセスストリームに向かうこと、すなわち、浸出貴液(PLS)と結晶化装置への蒸発後ストリームは最も有用である。しかも、硫酸マグネシウムは蒸発工程で最も優勢であり、上記の非効率性さえも補うだろう。
プロセスの経済的側面および回路制御に関して、結晶化装置における硫酸塩の溶解性レベルの操作が最も重要である。これについての基本の理由は、硫酸塩の除去が必須である結晶化装置中と、硫酸塩の除去が防止される(最終残留物が生成される)中和回路中とでの溶解性レベルについての、際どい状況から抜け出す必要性である。
出願人は、形成された塩化水素の少なくとも一部を揮発させることで回路を制御するプロセスをここに開発した。特に、回路における相対的な溶解性レベルを操作するために水を加えることを無くし、また、十分な量の塩酸がいつも浸出工程にリサイクルされるため(すなわち、原料鉱石のばらつきを補償するため)に、ある程度の塩酸は揮発させる。
したがって、本発明は、試薬とエネルギーの使用を最適化する、鉱石から有価金属を浸出するプロセスを記載する。主要な試薬、すなわち塩酸は浸出後の液の中和の必要や、新たな試薬の追加の必要なしに再生される。このアプローチは高ブライン溶液においてより効果的であり、以下のさらなる利益が追加される。すなわち、
1)脱水された結晶化生成物、すなわち、(試薬再生の)熱合成が低エネルギー。
2)常温で、脱水された安定なFe水和物(例えばヘマタイト)。
3)プロトン活性が高いことによる速い浸出反応速度。
4)重要な副生物(例えば、Pb、Ag)の浸出と回収。
有価金属は、硫化物または非硫化物などの金属包含材料から浸出される。例えば、その材料は、酸化亜鉛鉱石などの酸化物系の金属鉱石、サプロライト鉱石やリモナイト鉱石などのラテライト系ニッケル鉱石、硫化物鉱石、アルミニウム鉱石またはチタン鉱石であってもよい。それらの有価金属は、固体の硫酸塩や亜硫酸塩を形成する前に、可溶性の金属塩化物をまず形成する。
有価金属は、代表的には、Zn、Cu、Ti、Al、Cr、Ni、Co、Mn、Fe、Pb、Na、K、Ca、白金族金属および金からなる群から選択される。
金属塩化物溶液はアルカリ溶液であってもよく、および/または、同様に金属硫酸塩は、アルカリ金属の硫酸塩であってもよい。
それに続いて回収される固体の金属硫酸塩または金属亜硫酸塩を形成するため、通常少なくとも30%(例えば、約98%)の濃度の硫酸、および/または二硫化硫黄が、浸出された有価金属を含む溶液に加えられる。こうして、比較的安価な試薬(硫酸または二硫化硫黄)が、より高価な試薬(塩酸)を再生するのに用いられ、大きな倹約につながる。
しかしながら、相当の塩酸が再生されるので、これらの化学反応の熱力学および反応速度は不利になるかもしれない。本発明は特にこの問題を解決し、揮散(蒸発)とトラッピング、揮散と濃縮、および/または塩酸の少なくとも一部を蒸留し、続いて、除去された塩酸部分を回路にリサイクルすることを介して、反応器中の溶液からの塩酸の制御された除去を提案する。
固体の金属硫酸塩または金属亜硫酸塩の代表的な化学式は:
MeSO・yH
ここで、Meは金属、
xは3または4、
yは0またはより大きく、例えば0〜3で、特に、0または1である。
金属塩化物濃度は典型的には以下のように選択される、すなわち、
例えば、ジャガープロセスで説明したように、浸出プロセスに積極的な影響を与え、
浸出条件化で金属塩化物の溶解性を超えることなく(または、塩化物の損失を防ぐために固相に水が加えられる)、鉱石からの金属の浸出を可能とし、
該当する硫酸塩または亜硫酸塩の沈殿を容易にし、すなわち、金属濃度は、硫酸塩または亜硫酸塩の溶解性を超えねばならない、
希釈硫酸塩溶液または亜硫酸塩溶液から作られるよりも低い水和状態が作られるように、沈殿した硫酸塩または亜硫酸塩の水和状態に影響を及ぼし、
他の単位プロセスにおける溶解性を超えず(これは種々の単位ユニットについて異なった操作温度を要求するかもしれない。または、溶解性限度を超えないために、特定の単位操作に水が追加されるかもしれない)、そして、
形成された塩酸の少なくとも一部の揮発を容易にする。
これは硫酸塩の溶解性の抑制を助長し、回路周りでの塩酸バランスを維持することになるだろう。
主要な塩酸濃度は、有価金属の大部分を浸出するが、鉱石からの酸消費需要も満たすように選択される。
硫酸塩または亜硫酸塩としての沈殿に起因する塩酸強度と比較して、再生された塩酸の強度が、金属またはアルカリ金属の塩化物の溶解性によって決められた、共沸混合物を超えるように、硫酸または二酸化硫黄は一般に溶液中に十分な量が加えられる。ブライン溶液は金属塩化物のバックグラウンド濃度を有しており、それに浸出の間に追加の強度が加えられる。好ましくは、溶液への硫酸または亜硫酸の追加は、ブライン酸強度を元の値に戻すのに必要な量を大きく超えないことである。言い換えると、バックグラウンドの金属塩化物濃度は該当の硫酸塩または亜硫酸塩の結晶化によって除去されてはならない。また、浸出液は複数に区分され、そのうちの一区分のみが硫酸または亜硫酸として沈殿されてもよい。その場合、未処理の区分では、バックグラウンドの塩化物レベルが維持されるので、沈殿は溶解性が許す限り促進されるだろう。
本プロセスは、低水和物の金属硫酸塩または金属亜硫酸塩を作る結晶化工程も含む。代替として、上述の化学的結晶化反応の負荷を軽減するため、(標準の水平衡の要求内か、せいぜい少し超える程度で)蒸発結晶化法を使ってもよい。この代替案は、水の蒸発時の塩の沈殿度への、バックグラウンドブラインの重ね合わせ効果により可能になる。さらに、低温で結晶化を行う時には、マグネシウム塩の結晶構造内Niの共沈殿が、通常最も優勢である。常圧における溶液の沸点の近くで化学的結晶化を行う時には、このNiが共結晶化するという傾向は、原則として減少する。回路からの価値のあるニッケルの損失が許容できないと認めるのであれば、本発明は化学的結晶化工程を逐次的段階で行うことを提案する。こうすれば、プロセス条件の操作を、例えば、結晶化装置の主要な段階では、(Niで)汚染された塩の結晶化に有利になるようにし、結晶化装置の後の段階では相対的に純粋な塩の形成に有利なようにすることができる。不純物を含む塩の生産物はプロセス中でリサイクルできる。純粋な塩は直接販売できるし、販売できる金属酸化物、二酸化硫黄、三酸化硫黄またはそれらの混合物を製造するために熱分解することもできるし、および/または、硫酸塩媒体に再度溶解し、その後、電解採取工程にかけてもよい。
コバルト、ニッケル、白金族金属、金、銀、および/または銅などの、1または複数の有価金属は、金属硫酸塩または金属亜硫酸塩の形成の前に溶液から選択的に分離することができる。
鉱石の可溶化に起因する鉄および/または他の残留不純物を、例えば、溶液抽出に続いて熱加水分解または加水分解することで、浸出溶液から部分的に、または完全に除去することができる。
金属硫酸塩または金属亜硫酸塩中の金属は、有価金属かもしれないので、その場合には、本プロセスは、通常、その有価金属を回収するために金属硫酸塩または金属亜硫酸塩を分解する工程を含む。
あるいは、金属硫酸塩または金属亜硫酸塩中の金属は、マグネシウムのように、有価金属に比べるとやや価値の小さい金属であるかもしれないので、その有価金属を硫酸または二酸化硫黄の添加で形成される金属塩として独立して回収してもよい。
金属硫酸塩または金属亜硫酸塩を、二酸化硫黄が放出されるように処理してもよい。
金属硫酸塩または金属亜硫酸塩の溶解性が該当する塩化物よりもかなり低い場合には、本プロセスは必ずしも温度範囲には限定されるものではない。それでも、浸出は、通常、室温と溶液の沸点との間の温度で行われ、硫酸塩または亜硫酸塩の結晶化工程は、通常、溶解性の差異への参照が最大である温度(temperature where the referred to solubility differences are maximum)で行われる。
二酸化硫黄を添加する前に、マグネシウムを随意に浸出溶液から除去して、カルシウム、鉛またはバリウムなどの別の金属カチオンに置換してもよい。マグネシウムの除去後には、二酸化硫黄の添加によって形成される金属塩は、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫酸バリウムまたは亜硫酸バリウムなどの、中間体の亜硫酸塩または硫酸塩である。それらの中間体の亜硫酸塩または硫酸塩が熱分解すると、酸化カルシウムのような金属酸化物と二酸化硫黄を生成することができる。その二酸化硫黄は、浸出液からの硫酸塩や亜硫酸塩の塩析と、塩酸の再生のために再利用される。
本プロセスの特別な特徴は以下の通りである。すなわち、
・卑金属塩化物ブライン中で塩酸強度が再生されること。
・再生された溶液は、塩化物イオン(chloride ion)濃度が高く、硫酸イオンや亜硫酸イオン濃度が低いこと。
・塩化物媒体中で行われる浸出プロセスが、二酸化硫黄ガスや硫酸の添加によって維持されること。
・亜鉛やマグネシウムなどの金属が、熱分解されて、硫酸塩媒体中に再溶解され、直接この溶液から電解採取することができる、単に適度に水和された塩として塩化物ブラインから回収されるか、または硫酸塩や亜硫酸塩として、もしくは酸化物への熱分解後に、直接固体として回収されること。
・塩酸の高い蒸気圧を、液相と気相間で酸を移動させるのに利用することができて、特別な単位操作の化学反応を制御する手段を与えることができること。
本発明を、いくつかの実施例を用いてさらに詳細に説明する。しかしながら、それらの実施例は、決して本発明の精神や範囲を限定するものではない。
非硫化物鉱石
本発明の第一実施形態は、主として塩酸媒体中で、ラテライト系鉱石、リモナイト系酸化物、および/またはシリカ系サプロライトなどの非硫化鉱から、マグネシウムを、少なくとも幾らかの有価なニッケルやコバルトとともに、浸出するプロセスを提供する。不純物(特に塩化マグネシウム)の固有の蓄積によって影響されるように、主要な浸出剤は塩化物のバックグラウンド中のヒドロニウムイオンである。
非硫化物材料の処理は、非硫化物材料の例としてニッケルラテライトを使って以下に詳細に説明される。しかしながら、ケイ酸亜鉛、ボーキサイトなどの他の非硫化物材料もまた、同様の方法で処理され得ることは当業者にとって明らかだろう。ラテライトの例はまた、有価金属が塩化物ブライン強度再生工程で利用される金属でない場合の例でもある。この方法の概念的フローシートを図17に示す。
マグネシウムは最初に沈殿によって回収され、塩化マグネシウム電解溶液から直接回収されるわけではないため、上述したように、塩酸の再生およびマグネシウムの回収は、蒸発による過剰な水の除去と関係がない(ジャガープロセスの場合と同様である)。しかしながら、代替策として、蒸発結晶化(通常の水収支の必要性の範囲内、又はわずかにそれを上回る)が化学的結晶化工程にかかる負荷を緩和するために利用され得る。この代替策は、水蒸発時の塩の沈殿度に対するバックグラウンドのブラインの多重的な効果によって可能になる。
費やされた塩化マグネシウムブラインの酸強度は、硫酸又は二酸化硫黄ガスの添加によって回復され、それを通じて低い水和状態の硫酸マグネシウム又は亜硫酸マグネシウムが沈殿し、同時に溶液中に塩酸を生成する。
ラテライト浸出残留物は、ニッケルおよびコバルトの抽出を最大化するためのその後の浸出プロセスで処理され得る。
硫酸塩について、LinkeおよびSeidell(1965)の実験データが示すところによると、キーゼライト(硫酸マグネシウム・1水和物)が高温(〜100℃)での好ましい結晶化生成物であり、それはさらにマグネシア(再利用される中和剤として一部利用され得る)および二酸化硫黄を形成するための焼成に必要なエネルギーを最小化する。単純化された反応は以下のように書かれ得る:
0.01%未満の全塩化物含有量を有する結晶生成物は、このようにして生産された。キーゼライトの結晶構造へのNiの共結晶化は、溶液の常圧での沸点近くで(又は加圧することによりさらに高温で)上記の反応を実行するときに、最小化されることが分かった。したがって、この方法を利用すると、販売するためおよび/又は中和剤として使用するための高純度のマグネシア(酸化マグネシウム)を生産することが可能であると想定される。あるいは、もしニッケル損失が許容出来ないものであると分かれば、例えばイオン交換、溶媒抽出、セメンテーション、沈殿などの化学的方法によって、結晶化前にニッケルは除去され得る。それに加えて、比較的安価で入手の容易な試薬である硫酸又は二酸化硫黄を用いて、比較的高価な塩酸が再生される。この問題を解決する特に注目すべき選択肢は結晶化の段階的アプローチにあるだろう。操作条件は、最初に、不純物を含む硫酸マグネシウム中の意図的な成分として大部分のニッケルを除去し、一方、純粋な塩の生産は、ニッケルの溶液テノール(tenor)が消費されてしまった、結晶化の後期に回すよう操作してもよい。
ブライン系中の第一鉄と第二鉄の対は、硫酸塩又は亜硫酸塩を沈殿させるための二酸化硫黄の直接的な利用において有利な役割を果たすように思われる。第二鉄のイオンが存在しなければ、溶液の二酸化硫黄を吸収する能力は、高いブラインバックグラウンドの溶液中で非常に低いことが分かるであろうし、それゆえ系中で効率的に吸収されない。しかしながら、第二鉄のイオンの存在により、第二鉄イオンから第一鉄イオンへの還元反応に起因して、溶液中への気体の直接的な吸収が可能になる。この反応は、硫酸マグネシウム又は亜硫酸マグネシウムの優先的な塩析に更につながる溶液中の変化が伴うように思われる。
上記化学反応の特に重要な態様は、硫酸の量が時間経過と共に増加すると、反応3があまり効果的ではなくなるという傾向である。これには二つの理由が考えられる。第一に、塩酸の量が増加すると、重硫酸塩イオンまたは亜硫酸水素塩イオン(HSO 、HSO )が形成されるので、化学的なスペシエーション(化学形態別分析)が変化すると考えられる。硫酸塩又は亜硫酸塩とヒドロニウムイオンとの錯体形成により、硫酸塩イオン又は亜硫酸塩イオンの濃度が効果的に下げられるので、最終的には塩の溶解性の増加につながる。第二に、沈殿反応の反応速度が非常に遅くなり、特に、試薬として二酸化硫黄を用いる時に遅くなる。すなわち、第二鉄イオンと二酸化硫黄間の反応が反応速度律速となる。
さいわい、塩酸は蒸気圧が高く、例えば水蒸気と一緒に揮散(蒸発)することで、直接的または間接的に除去できる。または、空気やチッソのようなガスを用いてもよい。除去された塩酸は、回路の他の地点でプロセス溶液中に直接トラップしてもよいし、熱を除去して凝縮させ、その後、他の地点で回路に戻してもよい。また、ブライン溶液から塩酸を蒸留してもよい。塩酸の除去(および、その後の回路の他の部分へのリサイクル)は、結晶化反応を必要とされる程度に促進するのに用いることができる。容易に気相に移すことができるという塩酸の性質を、このように結晶化反応の非効率性を克服するのに利用することができる。
ここで説明される本発明のプロセスの全体像が図15に示されており、バックグラウンド中で塩化マグネシウムの量が増加した溶液における、硫酸マグネシウムのより低い溶解度を軸に展開する。浸出貴液(PLS)への硫酸の導入は、それゆえ硫酸塩の沈殿をもたらし、一方それと同時に常圧浸出工程へ戻して再利用するための塩酸を再生する。図14は、登録商標AspenPlusとして知られる商業的に入手可能なプロセスシミュレーション・ソフトウェアを利用した、塩化物バックグラウンドの増加に伴う硫酸マグネシウムの溶解度の予測される変化を示している。
次に、沈殿した硫酸マグネシウムまたは亜硫酸マグネシウムが熱的に分解されてマグネシア(中和剤として内部利用される)および二酸化硫黄ガスを形成する。二酸化硫黄ガスは酸プラント中で硫酸に変換され、化学的に駆動される硫酸塩沈殿工程に戻され再利用される。
温度および水の動きに加えて、ブライン濃度もフローシートの統合での重要な変数である。対照的に、スカイプロセスのような硫酸塩ベースのプロセスは、自由度として利用できるのは、温度および水の動きでしかない。これが、回路内での望んでいない結晶化を避けるためにより多量の水を添加する必要性を生じさせ、更にこれが、蒸発結晶化の所望の水準を達成するためにより多量の水(処理される鉱石のkgあたり)の除去を余儀なくさせる。この水の“引き込み”効果は、鉱石のMg原料等級が増すにつれて、ますますより重要になる。それとは対照的に、本発明は蒸発プロセスではなくて化学的な結晶化工程を利用しており、したがって水収支を原料鉱石のMg含有量のばらつきから分断している。また、水収支の考慮によって厳格に必要とされるように、本プロセスにおける高いブラインバックグラウンドが理由で、水蒸発中に多重的な効果が作用しており、さらにより多くの硫酸マグネシウムまたは亜硫酸マグネシウムの沈殿を可能としている。これが、蒸気供給エネルギーの必要性を(通常の水収支を超えて)劇的に増加させることなく、(望ましくない溶解度の振る舞いが原因である)化学的沈殿中の非効率性を補填する。しかも、高いブラインバックグラウンドは、塩酸の蒸発を促し、回路制御のさらなる自由度を導く。(塩化物−硫酸塩)混合電解液系はそれゆえ、スカイプロセスのような純粋な閉回路の硫酸塩ベースのプロセスと比較して、より高度のプロセス柔軟性を追加している。
本プロセスは、回路中に高い塩化物バックグラウンドを維持することによって、回路中の硫酸塩または亜硫酸塩の溶解度を抑制する。それと同時に、高い塩化物バックグラウンドは、プロトンの高い活性および低い水の活性を確実にする。図11は、温度およびMg塩化物濃度の関数としてのプロトン活性の表面プロットを示している。
本発明のプロセスの基本ケースの概念的フローシートを図16に示す。常圧容器の周囲の再循環は塩酸の反応のための最大滞留時間を可能にし、回路の中和の必要性(処理される鉱石あたりのMgの内部再循環負荷)を最小化する。流出ストリームのみが、Feを加水分解し、次いで水酸化物沈殿を通じてNiおよびCoを回収するために中和される。水収支を維持するために、唯一の蒸発工程が中和後に続く。主要な再循環から分岐したストリームでの化学的結晶化は、回路からの損失を加えた消費された量と等量の塩酸を再生する。沈殿した硫酸塩は焼成されてSOガスおよびマグネシアを生産する。SOガスは酸プラント中で硫酸に変換されて結晶化装置へ再循環され、その一方、マグネシアの一部は再循環されて内部の中和の必要性を満たす。過剰なマグネシアは販売してもよい。必要な量の塩酸が浸出にリサイクルされることを確保するために、すなわち、結晶化装置内での溶解性の非効率性を補償するために、塩酸の一部は揮発される。
図17は、塩酸の揮散が統合回路の利点としてどのように利用されるかを説明する。化学結晶化ユニットの操作の場合には、沈殿反応においてヒドロニウムイオンが生成される際の非効率性と遅い反応速度を補償するために、沈殿反応の原動力を維持できるように、ブライン溶液から塩酸が除去される。
塩酸の揮発
塩酸の蒸発度の試験は非常に重要であり(図18)、以下の工程から構成された。
1)ブライン溶液は、多種の塩および溶液を所定の濃度で水に溶解することで調整された。濃度は重量モル濃度スケール(種のモル/水kg)である。
2)溶液の密度が25℃で測定され、化学分析用にサンプルが収集された。
3)その後、所定量の溶液(約2kg)が主反応器に移された。
4)その後、ガスを通じることなく、溶液は、(オイル循環バスを介して)沸点まで加熱された。
5)その後に、(100ml/分)でこの溶液にキャリアガス(チッソ)のフローが、流し始められ、混合蒸気は冷却器を介してトラップ反応器に運ばれた。
6)(常時、氷浴および循環冷水で冷却された)トラップ反応器は、空気中への塩酸の蒸発を最小限にするため、所定量の水(約500g)を収容していた。
7)(実験中に最初の溶液組成があまり変化しないようにするように最短にされた)所定時間後に、キャリアガスフローは停止された。その後、沸点が測定され、加熱が止められた。
8)主反応器は、冷却器を介して(常時冷却されている)ドレーン反応器に排出された。この反応器は、周囲への塩酸の漏れを最小にするため還流冷却器を備えていた。
9)主反応器、トラップ反応器およびドレーン反応器中に残っている正確な溶液の質量が記録された。全質量の差異(すなわち、上述の各質量の合計値と最初の溶液質量との差異)が1gよりもかなり多い場合には、テストは繰り返された。
10)最後に三つの各反応器中での溶液の質量が測定され、化学分析用サンプルが収集された。
溶液中の金属は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES)を用いて定量された。一方、酸や全塩素の量は湿式化学法で決められた。
結果は図19に示されており、高塩素バックグラウンドで動作することの利点が示されている。青い円は鉄が存在しない溶液と平衡状態にあるHCl分率を示す。一方、黄色四角と赤四角は、FeClをそれぞれ1mol/kgと2mol/kg含む場合の測定データを示す。黒三角は、2mol/kgのHCl、2mol/kgのFeClおよび1mol/kgのMgSOの溶液を示し、バックグラウンドのMgClを2mol/kgと4mol/kgから変えた場合を示す。特に重要な観察は、硫酸イオンの存在がHClの揮発性に有意な程度の影響を与えなかったという結果であり、これは、主浸出における酸を制御すること、および同時に、結晶装置内での硫酸塩の溶解性を抑制することに、揮発技術を利用することに道を開くものである。
塩酸の揮発と二酸化硫黄の吸収とを組み合わせるスキーム
塩酸の揮発は、二酸化硫黄が直接吸収されて等価の酸価を再生する場合にも使われる。これは酸プラントの必要性をなくすものである。
第二鉄(3+)状態の鉄のような、触媒または酸化剤を、酸再生工程での二酸化硫黄ガスのキャリア/吸着剤として使うこともできる。例えば、Niリモナイトのような酸化物鉱石を浸出する場合のように、バルクの鉄は、鉱石の浸出の間に、第二鉄状態の溶液に入り込む。しかしながら、バルクの鉄が第一鉄(2+)状態の溶液中に入ると、まず、第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化するために、(例えば、酸素や、酸素と二酸化硫黄とを共に含む混合ガスなどの)酸化剤が必要になるだろう。
酸再生工程がそれに続き、酸再生工程では、溶液への硫酸の放出に伴い二酸化硫黄の吸収が起きる。
塩化物/硫酸塩混合系では、主な金属塩化物と硫酸塩種間の溶解性の差が、浸出中に消費されたと等価の塩酸を再生することに活用される。ラテライト酸化物鉱石から浸出されたマグネシウムの場合には、下記の反応となる。
酸再生工程の間の反応は全体的には以下のようである。
他の金属種について同等の反応が書けるので、浸出工程で消費されるのと同等の量の塩酸を置換する方策が与えられる。沈殿物(上の例ではMgSO・HO)を、熱分解して同等量の二酸化硫黄ガスを再生させると、プロセス全体を完全に自立可能にすることができる。または、硫黄(または他の安価な硫黄源)を空気中で燃やして二酸化硫黄ガスを作ることで、高価な酸プラント中で、先ず、ガスを硫酸に転換するということをせずに、直接上記のように使うこともできる。図20は、塩化第二鉄溶液中での、二酸化硫黄の直接吸収の可能性を立証するために行われたテスト結果を示すものである。化学量論的な量の塩酸が、添加された二酸化硫黄の量に応じて生成された。このように、二酸化硫黄ガスの吸収の一方で、同時に、結晶化装置のカラム内での溶解点を制御するために、生成された塩酸の一部を揮発することで、硫酸マグネシウムの沈殿を達成することができる。図21は連続的なカラムで、二酸化硫黄の吸収工程と塩酸の揮発工程とを組み合わせると共に、同時に、不純物が増加した結晶ケーキを作るための可能なスキームの一例を示すものである。
浸出の非効率性を克服するために利用される揮発方法の一例
図22は塩化マグネシウムレベルを変えて行った浸出テストの結果を示す。飽和度が60% (純水中飽和度)より上になる場合、特に、より高い浸出温度の時には、主浸出においてネガティブな影響を与えることになるので、バックグラウンドのマグネシウム濃度が制限されるべきであることは明らかである。高いマグネシウムレベルで浸出の反応速度が抑制されるのは、粒子/溶液界面でマグネシウム塩が局部的に飽和することで、非浸出粒子の表面で不活性な(passive)膜が生成することによるものと考えられる。浸出の反応速度に対する負の効果を克服するためには、塩酸の一部を揮発させ、それを浸出工程にリサイクルすることで溶液中の塩のレベルを下げることがよいであろう。つまり、全プロセスの経済的側面に影響する二つの反対の効果が稼動中に生じ、バックグラウンドの塩化物濃度が高くなればなるほど、塩酸はより簡単に揮発される。しかしながら、塩化物レベルが高くなればなるほど、浸出反応速度はより著しく抑制される。したがって、ある特定の塩化物レベルについては、最適な揮発度が要求されることになる。揮発が回路を制御するために利用され得るという効果的な方法のおかげで、別の利益が実現される。つまり、溶液組成の不意の変化や、(例えば)原料鉱石の組成のばらつきや、回路からの塩酸塩の損失などによる、結晶装置中での一時的な不均衡のバッファとして使うことができる。
硫化鉱
本発明の第二実施形態では、亜鉛硫化物などの硫化物濃縮物を酸化的または非酸化的に浸出するための塩酸(塩化物)媒体の使用について記載する。硫化物濃縮物から卑金属を回収するための非酸化的プロセスは、それ自体は新規性があるとはいえないが(亜硫酸塩媒体: S−C 銅プロセス、Kawulka et al, 1978; 塩化物媒体: Molleman et al,1988)、酸を再生するプロセスは当該分野では知られていない。塩酸の揮発を伴い、統合的な酸再生工程と組み合わされた、高ブライン溶液中での非酸化的浸出プロセスは、当該分野では知られていない。
亜鉛などの有価の卑金属は、主要な塩酸媒体中の硫化物濃縮物から浸出される。浸出された非金属は、最終的には販売可能な生産物の形態で回収できる。浸出の反応速度は速く、銅のような金属は、(CuSなどのように)固相で簡単に廃棄でき、正当な理由があるのであれば、酸化浸出プロセスによって、選鉱くずから回収することができる。非酸化的条件での操作の別の利点は、標準的で十分に確立されたクラウスプロセス(石油/石油化学工業)を介して硫黄元素を回収できることである。
塩酸浸出媒体は、非酸化工程で硫化物材料から有価な亜鉛を可溶化するのに用いられ、それに引き続いて、亜鉛が酸再生工程で結晶化された塩として殆ど除去される。硫酸亜鉛の回収には、浸出貴液の中和処理は不要で、硫酸亜鉛を硫酸の添加により回収できる。沈殿した硫酸塩は、(当業者であれば分かるように)六水和物よりも、むしろ、一水和物の形態である。六水和物に比べると大幅な省エネルギーを伴うので、硫化物を酸化物に転換する場合には、この点が特に有利になる。鉄のような不純物は、リサイクルされた酸化亜鉛のか焼物で過剰の酸を中和した後、加水分解により除去される。または、塩化物−硫酸塩ブライン系中でさえも、塩酸が高い蒸気圧を有しているので、蒸気またはガスを用いて、塩酸の一部が溶液相から蒸気相に(直接または間接的に)揮散(蒸発)されるか、または蒸留プロセスを介して除去される。除去された塩酸は、(必要ならば)その後さらに蒸留、凝縮または、プロセス液中に直接吸収され、主浸出工程にリサイクルされる。
本プロセスは、プロセス内の湿式精錬用液体媒質(lixiviant)と中和剤をリサイクルするという新規な再生概念に基づいている。
予備的な質量/エネルギーバランスでは、従来の硫化鉱の処理に比べて本アプローチは、大幅な処理コストのメリットを示した。
下記の要素が特に関連する。
●濃縮物は、比較的不純物が取り除かれた濃縮物でもよく、好ましくは、(全体としてより高く有価物が回収される)バルクのより粗な濃縮物がよく、原料鉱石であってさえもよい。
●全体の塩化物を回路の残りの部分で維持することができるとすれば、非酸化浸出はどのようなHCl濃度が要求されても作動するが、好ましくは、浸出はほんの少し過剰な量のHCl状態でするべきである。これにより、放出流れ(bleed stream)回路(不純物除去回路)における中和の必要性を少なくすることができる。向流浸出構成は、低い残留酸素濃度でありながら、高い亜鉛抽出性を確実にするのにさえも利用できるだろう。
●常圧浸出において、CuはCuSとして再沈殿し、必要ならば、脈石残滓から回収できる。
●Pbは塩化物コンプレックスとして回路から浸出し、結晶化装置内でおそらく硫酸塩として沈殿するだろう。熱組成化工程で生成したPbOは、その後、ZnO再浸出工程の残滓から、純PbSO塩として回収することができる。
●HSOが塩化物溶液に加えられると、ZnSO・HO塩が、結晶化装置内で形成され、硫酸塩と塩化物との溶解性に差があるというメリットを利用できる。
ZnCl+HSO+HO(R)ZnSO・HO+2HCl
この反応を行う主たる利点は、バックグラウンドのブラインが元来遊離の水を結合しており、このようにして脱水塩(←Znのモル当たり、1molのHO)が形成されるということである。脱水塩は、分解に際して、ZnSO・6HOのような高水和塩に比べて、かなり低いエネルギーしか必要としない。
●結晶化/沈殿反応の進行の原動力を維持するために、化学的結晶化の間に生成された塩酸の一部は、(直接的または間接的な)蒸気またはガスによる揮散(蒸発)または蒸留を介して、連続的に除去できる。こうして除去された塩酸は、その後、プロセス内でリサイクルされる。
●上記の結晶化と熱分解工程は化学量論的な平衡状態にあり、(実際のプラント制御の目的を除けば)補充のHSOは必要とされない。
●主要な回路におけるFeの積み上げを限定するため、(結晶化に先立って)主回路からブライン溶液の一部が放出される。比例量のZnO(熱分解工程で製造される)は、不純物放出溶液中の遊離の酸を中和するために循環される。これにより、Feの除去に先立って、有価物(Ag、Ni、Co、Cd)と亜鉛ダストとのセメンテーションが可能となる。
●ヘマタイトまたはゲータイトを生成するため、常圧で、またはオートクレーブ中、低圧下で、Feの加水分解が行われる。高ブライン溶液中で作用させる他の利点は、非常に少量の遊離水しか含まれておらず、これにより、従来の硫酸塩系の場合に比べて大幅に低い温度で、Fe酸化物/水酸化物を脱水し、ヘマタイトを沈殿することが可能になる、ということである。
●バルクの酸化亜鉛(中和のために放出されたものを差し引いたもの)は、再浸出工程に進み、そこで酸化物は、電解採取から戻される陽極液中のHSOに溶解される。ここでも、酸が化学量論的平衡状態にあり、(実際のプラント制御の目的を除いて)補充の酸も中和剤も必要とされない。
●沈殿した硫酸亜鉛の一部は洗浄水に再溶解されて、従来の溶液抽出/電解採取の回路に送られ、そこで必要な量の金属亜鉛が回収され、化学量論的に等価な量の硫酸が(未反応の硫酸亜鉛とともに)結晶化部に戻される。
●NaSOが飽和点まで集積し、回路の最も濃縮された点で沈殿するため、回路全体にわたって、溶液を放出することは、全く、または殆ど必要ない。
●放出が、全く、または殆ど必要とされないことにより、多重効用蒸留装置で水を除去できる。
結晶化工程は、溶液から浸出された有価物を除くために、塩化物ブラインのバックグラウンドに対する、硫酸亜鉛などの卑金属硫酸塩の低溶解性生成物を利用するものである。硫酸塩または亜硫酸塩の結晶は低水和水を有し、かつ、(内部中和剤として使われる)酸化物を製造するための熱分解に適しており、その酸化物は直接販売できるか、または、一部が(電解採取された)硫酸溶液に再溶解され、その後、電解採取金属としてそのまま用いられる(図23参照)。塩酸の再生と、亜鉛のような卑金属の回収は、上述のように、低水含有量で低結晶水の結晶化ケーキから金属が回収されるから、蒸発による過剰な水の除去を伴わない。しかしながら、それでも熱分解工程はエネルギー集約型であるため、基本ケースのフローシートに対する変形のケースとして、洗浄水中の硫酸亜鉛の再溶解と、標準的な(溶媒抽出−電解採取)技術を介する金属の回収が考慮される。このスキームを図24に示す。
最適なフローシート構成は、基本ケースのフローシート(ARZn 0)と第一変形ケースとの間のハイブリッドである。つまり、結晶化/再溶解/溶媒抽出/電解採取を介する亜鉛の回収と、内部中和要求を満たすための沈殿した硫酸亜鉛の一部のみの分解からなる。この発明の重要な態様は、パルプ中での亜鉛の溶解性の著しい差異に依存する。簡略化した反応は以下のように記載できる。
この方法により、全塩化物含有量が0.01%未満の結晶生成物が出願人により製造されたことで、本技術の可能性が示された。すなわち、販売のための高純度ZnOを生成すること(ある比例量は内部中和剤として用いられる)、または、(電解採取から戻された)硫酸にZnOを再溶解し、結果として生じた溶液から直接Zn金属を電解採取することである。加えて、硫酸のような、比較的安価で容易に入手できる試薬を用いて、比較的高価な塩酸が再生される。
非硫化物の例と同様に、回路内での温度の不均衡を補償するため、および、例えば回路からの硫酸塩の損失を補償するためには、作製された塩酸の一部の揮発が、回路の効果的な制御に不可欠であるだろう。
結晶化装置から塩酸の一部を揮発させることの重要性の一例
好ましい浸出反応速度が、バルクの、より粗い濃縮物で達成されたことは、このプロセスが、硫化物源から、亜鉛、銀、鉛などの有価金属を浸出するのに適していることを示している。特に興味深いことは、4モル濃度の塩酸溶液中、85℃での速い反応速度(<1時間)であった。その実験設備を図26に示す。
その後の実験結果(図27)は、(ラテライト鉱石の挙動と)同様ではあるが、高い金属バックグラウンドで行われた時に、反応速度のもっと著しい抑制を示した。またしても、この挙動の理由は、特に、バックグラウンドの塩濃度が高いときには、非浸出粒子上に飽和した塩が沈殿したことによるものである。あるいは、浸出液中で高い亜鉛濃度が優勢の場合には、反応6の逆がより著しくなる。
結晶化装置を形成する塩酸の揮発は、それゆえに、非酸化浸出工程で十分な酸が、比較的低い塩濃度の下で、利用できることを確実にするために、必要とされるであろう。
冶金的評価
実験室的なシミュレーションは4つの工程からなる。すなわち、浸出、結晶化、熱分解およびZnOか焼物の再浸出である。以下の元素の振る舞いが、回路を通して追跡された(10ppmの検出下限による制限あり)。
アルミニウム、カルシウム、カドミウム、コバルト、クロム、銅、鉄、
マグネシウム、マンガン、ニッケル、鉛、シリコーン、亜鉛
試験条件は、予備的な質量/エネルギーバランスのシミュレーションに基づいた。コンピュータシミュレーションとテストシミュレーション間の重大な差異は、コンピュータシミュレーションが比較的クリーンな濃縮物(〜50% Zn)で行われたのに対して、実験室シミュレーションはより粗な濃縮物(〜5% Zn)で行われたことである。
この研究の初期段階での冶金的評価は、非酸化常圧浸出と結晶装置ユニット操作にのみ焦点が当てられた。非酸化浸出設備を図26に示す。
浸出で生じた全てのHSを元素硫黄に転換するために、気相は硫酸第二鉄スクラバーを通じてトラップされた。実験室雰囲気へのHSのリークに対しては、スクラバーの真空度が、浸出容器中で正圧を加えるよりも、より作用的であることが分かった。しかしながら、系からのHSの一定な除去を確保するために、すなわち、反応6を右側に進めるため、浸出容器を通じてエアースパージ(空気拡散)された。
(ZnSO・HOの)結晶化の主な利点は、浸出後の中和が必要でないことである。すなわち、速い反応速度を達成するために、希望するどのようなHCl濃度でも浸出を操作できる。
プロセスの水バランスは、ブライン強度を制御するため、浸出原料に付随する水や洗浄水などの、種々の水の流入を補償する蒸発によって維持される。
硫化鉱の浸出
本プロセスについて硫化亜鉛プロセスの例を使ってさらに説明する。
ガムズバーグ(Gamsberg)鉱床(南アフリカ)の鉱石から作製された、浮遊選鉱濃縮物を有する閃亜鉛鉱が使われた。濃縮物は、85℃で、塩化亜鉛溶液のバックグラウンドに対して、4N塩酸中で浸出された。基本的に、浸出は15〜30分内に完了した。塩化亜鉛のバックグラウンドの濃度およびブラインに対する濃縮物の比は、塩化物としての亜鉛の80%飽和浸出貴液を調整するために選択された。浸出された亜鉛の量と等価な量の硫酸亜鉛を沈殿させるため、攪拌中のビーカー内で、浸出液を98%硫酸と接触させた。沈殿物は、算出された半水の水和状態にある、結晶硫酸塩であることが分かった。硫酸プラントに適するよう、少なくとも20%のSOを含む気相を形成するために、塩を、随意、適当な温度(例えば、空気中750℃)で、か焼して酸化物にしてもよい。
結晶化
塩化物および硫酸塩として、亜鉛、第一鉄、ナトリウムを含む合成初液(head solution)を60℃で作製し、それに化学量論的な量の硫酸を添加した。これらの試験の目的は、二つある。第一は、溶液中の主成分の溶解性を決定するためであり、第二は、硫酸の添加を通じて作製された結晶の量と純度を決定するためである。これらの試験結果を表1に要約する。
20050234D6の試験では、亜鉛の初期濃度が低かったため、結晶は形成されなかった。これらの結果は沈殿結晶化による主要な試薬再生の概念がZn系で良好であることを示した。
高い酸強度の塩化物ブラインの調合(超酸)
(得られた塩酸強度が共沸点を超えている)超共沸濃度の塩酸ブラインを作るため、塩化物ブラインを硫酸または二酸化硫黄と接触させることができる。そのプロセスには、高度な蒸留技術や高価な試薬は必要ではない。これにより、白金族金属の精製実務で普通に使われている特殊溶解プロセスのように、特定のプロセスにおけるその後の使用のために、簡単かつ安価な方法で、非常に高い酸性度の液を生産できる。
共沸混合物よりも下またはそれよりも上であるような、実現可能な酸強度は、選択された塩化物によって支配される。
高い酸強度の塩化物ブラインの調合
100℃では、塩化マグネシウムは約42.3g/100gの飽和溶液程度まで溶解できる。硫酸を加えると、全マグネシウム沈殿物が一水和物という極端なケースでは、約50.3gの塩が形成され、49.7gの水と32.4gの塩酸が残り、39%の酸強度になる。
高い酸強度の塩化物ブラインの調合
80℃では、塩化亜鉛は約84.4g/100gの飽和溶液程度まで溶解できる。硫酸を加えると、75%の亜鉛沈殿物が一水和物というケースでは、約71.7gの塩が形成され、28.3gの水と33.9gの塩酸が残り、54%の酸強度になる。
特別の実施形態に関して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば、本発明の精神とその範囲から乖離することなく、本発明に対して多くの代替案、修正案および変更ができることは認識されるであろう。
特別の実施形態に関して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば、本発明の精神とその範囲から乖離することなく、本発明に対して多くの代替案、修正案および変更ができることは認識されるであろう。したがって、請求項は、そのような修正案、代替案および/または変更をカバーするか、包含することを意図するものである。
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図1はHPALプロセスのエネルギーと試薬コスト概要を示す図である。 図2はSkyeプロセスのフローシートを示す図である。 図3は広義の再生ALPの概念を示すフローシートである。 図4はジャガープロセスを示すフローシートである。 図5は異なった中間的プロセスの生産物の高温水蒸発要件を説明する図。 図6はインテックプロセスのフローシートを示す図である。 図7はARNiプロセスの概念図である。 図8はARNiプロセスのフローシート(ベースケース)を示す図である。 図9は異なった化学系でのリモナイト鉱石の診断的浸出後のNi抽出曲線を示す図である。 図10は異なった化学系でのリモナイト鉱石の診断的浸出後のCo抽出曲線を示す図である。 図11は塩化マグネシウムバックグラウンドと温度を変えて、0.5mol/kgのHCl中での水素イオン活量(activity)を示す図である。 図12は規定の酸の重量モル濃度(formal acid molality)および温度の関数としての、2.5mol/kgのMgにおける、遊離(会合していない)水素イオンの重量モル濃度を示す図である(HClとしての1mol/kgは、HSOとしての0.5mol/kgと等価である)。 図13は温度と酸濃度の関数としての硫酸マグネシウムの溶解性を示す図である(登録商標AspenPlusシミュレーション、2005)。 図14は温度と塩化物バックグラウンド濃度の関数としての硫酸マグネシウムの溶解性を示す図である(登録商標AspenPlusシミュレーション、2005)。 図15は拡張ARNiプロセスの概念図である。 図16はARNiプロセスのフローシート(塩酸の蒸発含む拡張版)を示す図である。 図17は塩酸蒸発技術をARNiの主概念に統合する方法を説明する図である。 図18はブライン溶液と平衡状態にある蒸気組成を測定するのに用いる実験設備を示す図である。 図19はHCl−MgCl−H0系の(水蒸気からなるその他のものを伴う)気相における塩酸質量分率の実測データ(点)とモデル予想(表面上のプロット)を示す図である。 図20は2mol/kgのFeClと0.5mol/kgのHCl溶液中での105℃での二酸化硫黄吸収テストの結果を示す図である。 図21は塩酸蒸発スキームを説明する概念図である。 図22は、温度と塩化マグネシウム濃度を変えて、1mol/kgのHCl中で120分の浸出後の低パルプ密度(5%の低固形物含量)でのジャカレー フェルゲナス(Jacare Ferrugenous)鉱石からのNi抽出を示す図である。 図23はアングロリサーチ(Anglo Research)社のZn(ARZn 0)基本ケースの概念図である。 図24はアングロリサーチ社のZn(ARZn 1)変形法1の概念図である。 図25はHCl中、90℃(+38−75μm)での非酸化浸出条件での浸出反応速度についての図である。 図26はベンチスケールの非酸化常圧浸出装置を示す図である。 図27は低パルプ密度(2%固形物)、115℃、120分間浸出という非酸化浸出条件での浸出結果を示す図である。

Claims (13)

  1. 金属を含む鉱石から前記金属を浸出するプロセスであって:
    (a)浸出溶液中に可溶な金属塩化物を形成するために塩酸存在下で前記鉱石を浸出する工程;
    (b)前記浸出溶液に硫酸および/または二酸化硫黄を添加する工程;
    (c)前記浸出溶液から固体の金属硫酸塩または金属亜硫酸塩を回収する工程;
    (d)塩酸を再生する工程;
    (e)工程(b)、(c)および(d)における溶液中の塩酸を、連続的に気相に移す工程;ならびに、
    (f)気相の塩酸を工程(a)に戻す工程、
    を含むプロセス。
  2. 加熱によって塩酸が気相に移される請求項1記載のプロセス。
  3. 前記気相の塩酸が、水を除去するために、工程(a)に戻される前に、蒸留工程にさらされる請求項1〜2のいずれか1項に記載のプロセス。
  4. 前記浸出工程(a)後に硫酸および/または二酸化硫黄が前記浸出溶液に添加され、前記塩酸が同時に再生される請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 金属硫酸塩または金属亜硫酸塩が一般式MeSOx・yHOで表され、式中:
    (a)Meは金属であり;
    (b)xは3または4であり;
    (c)yは0またはそれより大きい、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. 金属硫酸塩または金属亜硫酸塩における金属の供給源が前記鉱石である、請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 前記鉱石が、酸化物の、またはケイ素質の卑金属鉱石である請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記鉱石が酸化亜鉛鉱石である請求項記載のプロセス。
  9. 前記鉱石がラテライト系のニッケル鉱石である請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記鉱石がサプロライト鉱石又はリモナイト鉱石である請求項記載のプロセス。
  11. 前記鉱石が硫化物鉱石、チタン鉱石またはアルミニウム鉱石である請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記鉱石から浸出される前記金属が、Zn、Cu、Ti、Al、Cr、Ni、Co、Mn、Fe、Pb、Na、K、Ca、白金族金属および金からなる群から選択される請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. 前記金属硫酸塩または金属亜硫酸塩中の金属が浸出された金属であり、前記プロセスが、前記金属を回収するために前記金属硫酸塩または金属亜硫酸塩を分解する工程をさらに含む請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
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