JP5374041B2 - 鉱石(ora)からの有価金属回収のための塩酸存在下での浸出方法 - Google Patents
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Description
本発明は、塩酸を生成又は再生する塩化物ブライン処理方法、及び塩化物溶液中の鉱石から金属を浸出させるための方法に関わる。該方法は、鉱石又は精鉱からの有価金属の回収のための経済的及び環境的に許容できる湿式冶金プロセスの手順を提供する。
ラテライト処理の経済学は、原料鉱石の等級及び組成に強く依存する。ニッケルラテライト鉱床は二つの主要な層、すなわち、表面付近のリモナイト性(水和酸化鉄)物質(低量のNi及びMg、多量のFe)及びより深いところのサプロライト性(水和ケイ酸マグネシウム)物質(多量のNi及びMg、及び低量のFe)から成っている。これらの鉱床は母岩の風化作用によって形成されており、母岩自体はFe−Mg−Si−O−鉱物の形態である結晶化した溶岩が元になっている。母岩はNi(〜0.2%)及びCoを含有しており、その理由はそれらがこれらのケイ酸塩の結晶格子中でFe及びMgを置換することができる(類似の価数及びイオン半径)からである。主な蛇紋石鉱物であるMg3(Si2O5)(OH)4は、蛇紋石化作用の過程において、高温高圧条件の下(水の存在下、地球表面下)で母岩から形成される。これが、Niの自然な品質向上(<0.5% Ni)につながる。マグネタイトもまた、この蛇紋石化作用変化過程の副産物として形成され、いくつかの母岩の鉱物(例えばかんらん石)に加えて風化作用中のFeの主要な供給源である。母岩の主な蛇紋石(蛇紋石化作用の度合いと呼ばれる割合)及び関連する残留物(特にかんらん石のような鉱物)が地球表面において又はその付近で、特に湿潤、熱帯地域において、長期的な風化(ラテライト化作用としても述べられる)にさらされるときに、ラテライト化が起こる。ラテライト化作用は、Ni及びCoを母岩と比べて3から30倍に濃縮する。ラテライト化作用は動的であり、深さプロファイルは実質的にスナップショットであり、最下層部分が最も直近に変形した岩を表している、すなわち(溶解したCO2及び有機酸によって酸性化された)表面の水が、プロファイルを通過して下方に浸透するときに、(流動性が減少する順番に)Ni、Mg、Si、Fe(Fe2+として)及びAlを溶解し浸出させる。表面により近づくと、鉄は急速に酸化され、その構造中にNi(典型的には1.5%のNi)及び殆ど全てのCoを共に吸着させながら、アモルファスの水酸化第二鉄として沈殿する:
繰り返しになるが、いかなる方法の経済学も、より高いNi等級の鉱石を処理する場合により有利であることは念頭に置くべきである。それゆえ、(それが可能であるときは)選鉱が重要であると強調される。不運なことに、リモナイト鉱石及びサプロライト鉱石の両方は、そのNiがそれぞれ針鉄鉱及びケイ酸マグネシウムの鉱物化と密接に混合しているため選鉱が困難である。しかしながら、粗悪な荒れた物質が存在するとき、選鉱による品質向上の明確な可能性が存在する。粗悪な水晶、マグネサイト(MgCO3)及びケイ酸マグネシウムなどのようにNi含有量が低いならば、この粗悪な物質のスクリーニングには見込みがある。
図1は、製錬手段を通じたサプロライト処理の概念的なフローシートを示している。鉱石は20〜50%の遊離水を含んでおり、これは乾燥によって最初に除去される。次いで鉱石を焼成して構造水を追い出し、その後コークス又は石炭を用いて加熱炉中でFe及びNiを金属状態へ還元する。Mg、Siなどはスラグ相をたどり、これにより液体状の溶融したNi−Fe合金の除去が可能になる。残留したS、C及びSiを除去するために精製が必要である:石灰の添加によりCaSスラグが形成され、その一方で空気による酸化を利用して、CをCO気体へ、Siを酸化物スラグへ変換する。フェロニッケルを生産するならば、ステンレス鋼の製造におけるその重要性が理由で、ごく少量のFeがスラグ相へ酸化される。マット生産手段においては、還元条件下で窯にSを加えて金属Ni及び(不幸なことに)Feと反応させて硫化物を形成する必要がある。次いでこの物質を溶融し、酸化物はスラグ相をたどり、そして硫化物はマット相を形成する。最終的に、空気を転換炉を通じて吹き付けて、大部分のFeをスラグ相へ酸化する。
− スラグの融点はSiO2/MgO及びFeOの影響を受けやすい
− かつ、その原料標的を維持するために鉱石のばらつきは除外されるべきである(鉱石の採鉱及びブレンドは経費を増す);
− 低コスト電力産業設備事業の経済学上カットオフ原料等級は約1.7%のNiであり、そして高コスト未開発地域事業の場合はおおよそ2.1%のNiである(Dalviら,2004)。すなわちこの処理限度が標的鉱石として使用され得る資源産出を制限している;
− 製錬法の手段は高い資本に苦しめられており、それゆえエネルギーコスト及びその経済学は地域の電力コストに非常に影響されやすい;
− ニッケル回収は良好であるが(〜90%)、Co副生成物の手柄は全く/ほとんど不可能である;その第一の理由は、サプロライト鉱石中のCoレベルは一般的に低いこと、そして第二の理由は、その乏しい回収(〜50%)にある(Dalviら,2004);
鉱石は最初に回転窯中で乾燥され、還元的に焙焼される(燃料オイルが通常還元剤として使われる)。Ni及びCoはおおよそ700℃で金属状態へ選択的に還元される(Feの約10%の部分的還元が伴う)。もし(より多くのサプロライト鉱石を処理することにより)原料のケイ酸塩含有量が増加すると、フォルステライト(アモルファスのMg−ケイ酸塩)の再結晶化が起こり(それは700℃で還元するのは難しい)その結果Niを閉じ込め、すなわち浸出を受け入れない。同様に、より高い還元温度及び過還元は、(アンモニア−炭酸アンモニウムの浸出に対して)耐性を有する相を形成する傾向を増加させる結果になり、すなわち動力学対Ni及びCoの回収に帰着する。冷却後、アンモニア−炭酸アンモニウム溶液中(pH〜10)、酸化条件下(空気)で、合金は常圧浸出される。浸出されたNi(Co)及びFeは溶液相中で非常に強固なアンミン錯体を形成する。第一鉄は第二鉄の状態へ酸化され、ゼラチン質の水酸化第二鉄として加水分解する(Coは水酸化第二鉄と共沈殿する傾向があり、かなりの部分が回収不可能である)。液体−固体分離の後、H2S気体を用いて、一部のNi及び全てのCoを硫化物として沈殿させる(CoはNiよりも可溶性が低いが、高いNi:Co比の結果として部分的なNi沈殿を生じる)。次いで(Coを含まない)Ni溶液は水蒸気蒸留されて塩基性Ni炭酸塩(固相)ならびにCO2及びアンモニアを気相に形成する。CO2及びアンモニアは、アンモニア−炭酸アンモニウム溶液を生産するために、再利用のために水への吸収によって回収される。Ni炭酸塩ケーキは販売されるかさらに処理されるかのいずれかであり、その処理は炭酸塩又は溶液からNiを回収するための多くの“バックエンド”処理の一つによるものである。Ni及びCoは溶媒抽出によって回収され得るか、又は塩基性炭酸塩は回転窯中で焼結されてNiO(高純度生産物ではない)を生産し得る。あるいはまた、該ケーキを硫酸アンモニウム溶液中に再溶解してNiアンモニウム硫酸塩を形成し、次いでそれはH2気体によってNi金属に還元される(Monhemius,1987参照)。
・ この方法は多少のサプロライトを(高圧酸浸出法(High Pressure Acid Leaching Process)よりも許容し得るが、増量したMg及びケイ酸塩は増量したフォルステライトを形成し、すなわちより多くのNi損失につながる;
・ 主要な試薬(アンモニア及びCO2)はプロセス内で再利用されるが、かなりの損失が起こる(とりわけMg浸出、すなわちMgアンモニウム炭酸塩の形成がその原因である);比較的純粋な産物を生産するために補給の試薬もまた必要である;
・ 全エネルギー入力の60%より多い量は先行処理(湿った鉱石の乾燥及び還元的焙焼)に費やされ、その一方バックエンドは湿式冶金プロセス(すなわち非常にエネルギー的に非効率な方法)へ立ち戻る;
・ 水酸化第二鉄沈殿物のゼラチン性が原因で、ろ過は不十分である;
・ 高温冶金プロセス(フォルステライト形成)及び湿式冶金プロセス(Coの共沈殿及びFeの沈殿による浸出粒子の妨害)の両者について低値回収;全体のおおよそ75%のNi及び50%のCoの回収。
冶金学上、高圧酸浸出(HPAL)法は比較的単純であり、245℃を上回る温度での高温酸分解工程とともに始まる。放電スラリーを石灰で中和して向流的に注いだ後、不純物除去ならびに硫化物(H2S)又は水酸化物(石灰)としてのNi及びCoの沈殿、あるいは溶媒抽出による直接的なNi及びCoの除去、がそれに続く(ゴロ(Goro)のフローシート)。任意の更なる精製及び分離は、再溶解(沈殿固体が生産された場合)及び溶媒抽出又は選択的沈殿による精製を含む。最終的に、金属が電解採取又は水素還元を通じて回収されるか、又はNi酸化物が熱加水分解法(Pyrohydrolysis)を通じて生産される(塩化物化学は浸出ではなく、SX又はIXと関係している)。
・ リモナイト性の方法手段である(リモナイト鉱石はサプロライト鉱石の総トン数の2倍を示すと概算されている)という事実により、製錬の場合よりも資源対象が広いが、この方法は主要な酸消費物、すなわちAl(粘土物質)及び特にMg(<4%)に大変影響されやすい;
・ 特に塩化物が存在するとき(塩水)腐食が高い。耐食性は高い等級のTi合金を使用するとき向上するが、それらは高価である;
・ 圧力装置及び建設資材の使用により資本コストが非常に高額である;
・ 酸消費物(Mg、Al)、及び酸性バックグラウンドを維持する必要性が原因で(重硫酸塩形成による)、ならびに中和の必要性(石灰)が原因で試薬コストが非常に高価である。典型的に、250〜400kg/tの酸添加が使われ、下端は低Mgリモナイト性鉱石に相当する;
・ 特により高いMg及びより高いAl原料について、オートクレーブ中でのスケール形成が問題となってダウンタイムを生じる。
この産業においては、有望な常圧浸出(ALP)法に追いつこうとするはっきりとした傾向があり、それはとりわけより低い資本の必要性が理由であり、またリモナイト及びサプロライトの両方を処理することが出来るというその目標も共にある。リモナイト性鉱石は典型的に高残留酸濃度で浸出されるが、その一方サプロライト性鉱石(より高い中和能力を有する)はその後残留酸及びFe加水分解中に放出される酸を中和するのに利用される。HPALとALPの組み合わせ、いわゆる拡張圧力酸浸出(EPAL)法もまた開発されており、現在西オーストラリアのレーベンズソープ・プロジェクト(the Ravensthorpe Project)に適用されている。ALP及びEPALの概念を図5に示す。
・ 常圧浸出は遅い動力学によって特徴付けられるが、低資本支出によって大部分補填され、すなわち滞留時間は(HPALと比較して)比較的安価である;
・ (サプロライトの中和/加水分解による)Feの除去を扱うのに常圧浸出の系がたとえ有効であり得るにしても、過度のMg浸出によって酸の著しい損失はやはり起こる(しかしながら、追加の硫黄の燃焼による追加的エネルギーによって、及び追加的なNiの収益によっても、このコストは部分的に補填され得る);
・ HPALと比較して、EPALの方法はより高いエネルギー、及びさらに高い資本コストを導入する;
・ 開回路の常圧硫酸塩手段は、とりわけ絶え間なく締め付ける環境法のために、かなりのMgSO4廃棄問題を要する(これは高Mg原料鉱石を処理するときに特に当てはまる)。
・ 試薬の取り替えは、エネルギー/燃料コストによるコストを埋め合わせ、これは場所によって良くも悪くもなり得る;
・ 蒸発による純粋な硫酸塩溶液からのMg硫酸塩の結晶化は、通常の水収支が必要とする量を超えて、かなりの量のエネルギーを必要とする(高い蒸発の必要性)(主要な原料鉱石のMg等級が増加するにつれ、これは重要性を増していく)。
常圧塩化物酸浸出法(The Atmospheric Chloride Acid Leach Process)を図7に示す(この特許方法を開発したカナダのニッケル探査及び鉱山開発会社であるジャガー・ニッケル社(Jaguar Nickel Inc.)にちなんで、以後ジャガー法(Jaguar process)と呼ぶ)。これは、高MgCl2バックグラウンドを含む塩酸溶液中での常圧浸出法からなる。バックグラウンド溶液中のMg塩化物濃度の上昇につれて、プロトンの活性が劇的に上昇すると主張されている。この主張は、Bate他(1970)及び特にJansz(1983)によりHCl−MgCl2−H2Oの系で実施された研究から来ている。浸出は2段階であり得、第1に鉱石が浸出されてNi及びCoを溶液に運び、それから第2の段階でFeを排除するために調整される。ブラインからFeを加水分解することの追加的な利点は、主張されているところによると、ブライン溶液中の低い水の活性は、脱水反応を促進する傾向があるということである。原理的には、ヘマタイトが大気温度で形成され得るが、そうでないとき(純粋な硫酸塩の系)は相当高い温度で稼動するオートクレーブが必要となる。有価金属の回収後、水収支を維持するために溶液は蒸発され、得られるMg塩化物ブラインは浸出へ戻され再利用される。流出ストリーム(bleed stream)は熱加水分解されて(図7の反応参照)マグネシア(内部の中和剤として部分的に再利用される)及びHCl気体を産生する。HClはその後濃縮されて常圧浸出容器へ戻される。
・ 熱加水分解は比較的低い温度(〜500℃)で実行可能であるが、熱回収は複雑であり(高資本支出)、かつ比較的不十分である;
・ 高Mg含有量のラテライト鉱石を処理するとき、ジャガー法は非経済的になり、すなわち、本質的にリモナイト性鉱石を処理するための方法である;
・ CaやNaのような不純物は熱加水分解せず、等価な塩化有価物は高価な補填の塩酸又はMg塩化物塩と置き換えなければならない。
・ 売り物になるバサニ石(CaSO4・1/2H2O)及びマグネシア(MgO)の副生成物がこの方法では形成されると主張されている。しかしながら、これらのような副生成物については常に生成物の純度が問題となることになる。
・ Ca硫酸塩の熱分解を通じて硫酸及び石灰が経済的に再生され得るということはなさそうである。熱分解反応は複雑な中間物を通じて進行し、石灰生成物は耐熱性であるかもしれず、また、この方法は多量のエネルギー入力を必要とする。
・ 原料鉱石のMg含有量が高くなればなるほど、より多くの硫酸及び石灰の補給が必要とされるようになり、したがってサプロライト鉱石を処理することに対してこの方法を非経済的にしている。
本発明の第一の実施態様にしたがって、有価金属を含む鉱石から該有価金属を浸出するための方法が提供され、該方法は:
塩酸存在下で該鉱石を浸出して浸出溶液中に可溶な金属−塩化物塩を形成する工程;
該浸出溶液へ硫酸を添加する工程;
該浸出溶液から金属−硫酸塩を回収する工程;及び
同時に塩酸を再生する工程;
を含む。
Meは金属であり;かつ
yは0又はそれより大きく、例えば0から3、より詳細には0又は1である。
塩酸存在下で鉱石を浸出して浸出溶液中に可溶な金属−塩化物塩を形成する工程;
該浸出溶液へ二酸化硫黄を添加する工程;
該鉱石から金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩を回収する工程;及び
同時に塩酸を再生する工程;
を含む。
Meは金属であり;
xは3又は4であり;かつ
yは0又はそれより大きく、例えば0から3、より詳細には0又は1である。
本発明の方法は、試薬及びエネルギーの使用の最適化にあたっての新たな包括的なアプローチを導入する。主要な試薬、すなわちHClが、結晶化に先立って浸出後の溶液を中和する必要性、又は新たな試薬の補給の必要性がなく再生される。この方法は高ブライン溶液においてより効率的になり、追加的な利点:1)無水の結晶化生成物、すなわち必要とされる熱合成のエネルギーがより小さい(試薬の再生);2)大気温度での無水の安定なFe加水分解生成物(例えばヘマタイト);3)高いプロトン活性による速い浸出動力学;及び4)貴重な副生成物(例えばPb、Ag)の浸出及び回収、を追加する。
MeSOx・yH2O
(式中、Meは金属であり、
xは3又は4であり、かつ、
yは0又はそれより大きく、例えば0から3、より詳細には0又は1である)
を有する。
例えばジャガー法において説明したように、浸出プロセスにプラスに影響するよう;
浸出条件下、金属塩化物の溶解度を上回ることなく(あるいは、水を加えて固相への塩化物の損失を防いでも良い)、鉱石からの金属浸出を可能にするよう;
対応する硫酸塩又は亜硫酸塩の容易な沈殿を可能にするよう − すなわち金属濃度は硫酸塩又は亜硫酸塩の溶解度を上回っていなければならない;
沈殿する硫酸塩又は亜硫酸塩の水和状態に影響を与え、それによって中性の硫酸塩又は亜硫酸塩溶液から可能であるよりも低い水和状態が作られるよう;かつ、
他の単位プロセスにおける溶解度限度を超えないよう、選択される。これは様々な単位プロセスに対して異なる操作温度を必要とすることがあり得る(あるいは溶解度限度を超えないように水が特定の単位操作に加えられ得る)。
塩酸強度は卑金属塩化物ブライン中で再生される;
塩化物媒体中で機能する該浸出プロセスは、二酸化硫黄気体又は硫酸の添加によって維持される;
亜鉛又はマグネシウムのような金属は、中程度にのみ水和された塩として塩化物ブラインから回収され、それは熱的に分解され、硫酸塩媒体中に再溶解され、この溶液から直接的に電解採取され得るか、あるいは硫酸塩又は亜硫酸塩として直接的に、又は酸化物への熱分解後に販売され得る。
本発明の第一の実施態様は、主に塩酸媒体中で、ラテライト性の鉱石、リモナイト性の酸化物及び/又はケイ酸質のサプロライトのような非硫化物鉱石から、マグネシウムならびに少なくともいくつかの有価のニッケル及びコバルトを浸出する方法を提供する。不純物(特に塩化マグネシウム)の固有の蓄積によって決定されるように、主要な浸出剤は塩化物のバックグラウンド中のヒドロニウムイオンである。
・HPAL及び製錬と比較して少ない投資の必要性 v;
− 高圧の湿式冶金単位操作が必要でなく、穏やかな温度の高温冶金単位操作のみ必要とされている;
− 塩化物媒体は特別な腐食の予防措置を必要としているが、全ての単位操作は事実上常圧下である;
− 還元剤を系に添加すれば、無水の/わずかに水和したMg硫酸塩の熱分解は800℃未満で達成可能である;
− 高温熱分解工程からの廃エネルギー値は、廃熱ボイラーシステムを通じて湿式冶金回路の加熱の必要性の全てを供給する;
− 硫黄含有の低等級の石炭が、還元剤及び熱分解焙焼炉中の直接的燃焼のための燃料として使用され得る;
− Mg硫酸塩の熱分解は、硫酸塩(酸プラントを通じて)及び中和剤(マグネシア)の再生という結果につながる;
− 硫黄補給の必要性は、閉回路からの通常の損失に限られており、付加的な(安価な)硫黄の燃焼によって補填され得る;
− 塩化物補給の必要性は、閉回路からの通常の損失に限られており、NaClのような安価な塩化物塩によって置き換えられ得る;
− NaやCaのような不純物は硫酸塩(それぞれナトリウムジャロサイト及びCa硫酸塩)の除去を通じて処理され得、すなわち流出ストリームは必要でない;
− プロトン活性がより高く、それゆえ(純粋な硫酸塩の系での大気圧下の鉱石反応と比較して)より活発な浸出系である;
− HPALと比較して動力学は遅いが、これはより大きい常圧浸出タンクによって補填され得、すなわち滞留時間は比較的わずかである;
− 塩化物存在下で沈殿したFe加水分解生成物は、優れた沈降及びろ過特性を示す;
− (環境的に安定な)ヘマタイトと同様、無水のFe加水分解生成物は、塩化物の系内で常圧条件/わずかに加圧条件下で形成され得る;
− Mg硫酸塩は熱的に分解されて内部の酸及び中和剤の必要性を満たす;
− 閉回路、すなわち環境へ流れ出る排出が無い;
− 原料鉱石のMg含有量に影響を受けにくいことがリモナイト性鉱石及びサプロライト鉱石の共処理を可能にし、より大きな関連するNi収入標的が伴う;
鉱物反応試験法を用いて、ラテライト性鉱石標本が試験された。三つの鉱石標本が高ブラインバックグラウンド及び二酸化硫黄の効果を調査するための更なる試験のために選択された。試験は高い固体濃度(30%)及び酸添加(硫酸=2018kg/t及び塩酸=1500kg/t;ともに41.2kg H+/t)で実行された。ブラジル原産のジャカレーサプロライト、含鉄鉱石及びケイ酸質鉱石が試験のために選択された。標本の最上等級を表1に示す。
・ 塩酸浸出(1500kg/t)
・ 硫酸浸出(2018kg/t)
・ 高ブライン塩酸浸出(1500kg/t HCl;2m MgCl2)
・ SO2での高ブライン塩酸浸出(1500kg/t HCl;2m MgCl2;20kg/t SO2)
図20及び図21はサプロライトの実験で達成された、それぞれニッケル及びコバルトの抽出を表している。それが塩化物イオンによるより高い酸活性又は硫酸塩媒体中での重硫酸塩錯体の形成のどちらであるにせよ、塩化物媒体中での両方の金属のより多い抽出は明らかである。純粋な塩酸浸出と比較して、ブラインバックグラウンドで約10%の抽出の向上が観察される。二酸化硫黄の添加は、ニッケルの抽出に対して効果を有しなかったが、コバルトにおいて向上があった。
図23から図25は、リモナイトの試験の結果を示している。ニッケルの抽出に対して、類似の傾向(サプロライトの振る舞いを参照)が観察される。しかしながら、リモナイトは、塩酸での抽出と硫酸での抽出との間により大きな分離があり、塩化物バックグラウンドからより多くの利益を得ているように見える。抽出における10%の向上が、二酸化硫黄の効果を伴わずにブラインバックグラウンドの場合に再び観察される。より多くのコバルト抽出が、ブラインバックグラウンドへの二酸化硫黄の添加で得られた。図25は、高いブラインバックグラウンドにおいて、小さい程度の選択性が得られたことを示している。抽出プロファイルは26kg H+/tより大きい酸添加では有意に変化しなかった。
ニッケル及びコバルトの抽出プロファイルが図26から図28に示されている。その傾向は含鉄鉱石標本で観察されたものと類似していた。
・ブラインの系に対する硫酸を塩酸に変えて、ニッケル抽出の顕著な向上が観察された。同様の利益はコバルトについても観察された。
・コバルトの抽出のみが、二酸化硫黄の添加から利益を得た。
・ジャカレーケイ酸質からのニッケルの抽出は、それぞれリモナイト相、マグネシウム−ケイ酸塩相及び水酸化マグネシウム相に含まれるニッケルとだいたい同じ比率で、鉄、マグネシウム及びマンガンの抽出と相関している。
・ジャカレーケイ酸質中のコバルトの抽出はマンガン抽出とのみ相関があり、様々な相の間に分布したコバルトの比率とは一致しない。
酸性の塩化物−硫酸塩又は塩化物−亜硫酸塩の水溶液系中のマグネシウム塩の溶解性挙動についてほとんど情報は得られない。操作条件ならびに様々な単位操作の統合を決定するためにこの知識は必要である。主要なパラメーターは:
・温度
・酸濃度
・塩化物濃度、及び
・硫酸塩/亜硫酸塩の濃度
である。
統合されたフローシートは、結晶化装置の操作条件及び生成固体の特性に制限を課す。結晶の以下の特性は重要であり、定量化される必要がある:
・粒子径分布:かなり大きな平均径を有する狭い粒子径分布が空気中での流動化に必要である。あるいは、生成物は回転窯中で熱分解される。
・結晶水:可能なだけ低い水和状態が必要である。
・溶液含有物:母液の損失は最小限に維持される必要がある。
・ろ過性:ろ過性は補助的なものと考えられ、上記を満たすことにより向上するはずである。
本願の方法における二つの鍵となる処理工程である浸出及び結晶化の間の相互作用を評価するために、ロックド・サイクル試験が利用された。中和工程もまた、再利用される溶液中での鉄及びニッケルの蓄積を調節するために導入された。それぞれのサイクルは、前工程からの溶液を用いた、一連の浸出、中和、及び次いで結晶化から成り立っていた。この一連が、定常状態に近づくために、数多くのサイクルで繰り返されるべきであった。
Fe:15%
Ni:1.5%
Mg:18%
浸出固体密度:10%
以下の方法は、混合塩化物/硫酸塩の系において塩酸を再生するために二酸化硫黄がいかにして直接使用されうるかを説明しており、得られる溶液を酸化物又は硫化物鉱石から有価金属を浸出するために使用している。
・主要な試薬(塩酸)は、濃硫酸でMg硫酸塩を沈殿させることによって、主要サイクル中で維持することが可能であり、その結果主要な浸出工程中の一貫したNiの抽出につながる。
・硫酸マグネシウムの溶解度は、浸出と比較して結晶化装置中、特に結晶化装置においてより高い温度かつより高いMg塩化物濃度で操作する場合により低かった。
・結晶化中に形成される結晶は、硫酸マグネシウム・1水和物(キーゼライト)であり、多少のニッケル及び塩化物含有物を有した。塩化物含有物は微細な沈殿中での溶液の取り込みによるものらしく、一方ニッケル含有物はより高温(溶液の常圧での沸点をわずかに下回る)で結晶化を実行することにより最小化され得る。
・二酸化硫黄気体を吸収するのに十分な第二鉄イオンが存在するならば、二酸化硫黄気体が等量の硫酸に組織的に取って代わるために利用され得る。
硫化物濃縮物(例、亜鉛の硫化物濃縮物)の酸化的又は非酸化的な浸出のための塩酸(塩化物)媒体の使用が、本発明の第二の実施態様にしたがって以下で説明される。硫化物濃縮物からの卑金属の回収のための非酸化的な方法は、それ自体は新規ではないが(硫酸塩媒体:S−C銅法,Kawulka他,1978;塩化物媒体:Molleman他,1998)、酸を再生する方法は当該分野では知られていない。統合された酸再生工程と組み合わせた、高ブライン溶液中での非酸化的浸出方法もまた当該分野で知られていない。
・濃縮物は不純物のより少ない濃縮物又は好ましくは巨大で粗い濃縮物であっても良い(より高い全体的な有価物の回収性);
・全塩化物が回路の残りの部分において維持され得るならば、非酸化的浸出は必要とされるいかなるHCl濃度においても機能する;
・Cuは常圧浸出中にCuxSとして再沈殿し、すなわち保証されるならば脈石残留物から回収され得る。
・Pbが回路から塩化物複合体として浸出し、また硫酸塩として結晶化装置中でおそらくは沈殿する。熱合成工程で形成されるPbOはその後ZnO再浸出工程の残留物から純粋なPbSO4の塩として容易に回収可能である;
・塩化物溶液にH2SO4を添加したとき、ZnSO4・H2Oの塩が結晶化装置中で形成され、これは硫酸塩と塩化物塩の溶解度の差異のメリットを利用している:
ZnCl2+H2SO4+H2O→ZnSO4・H2O+2HCl
この反応を実行する主要な利点は、バックグラウンドのブラインはもともと遊離の水を結合し、したがってZnSO4・6H2Oのような高度に水和した塩と比較して分解するためにかなり少ないエネルギーしか必要としない無水塩(1モルのZnあたり<=1molのH2O)を形成する、ということである;
・ZnSO4・H2Oを沈殿させるための主要な試薬としての(熱分解工程で形成される)SO2の直接的な使用は、溶液相中のSO2を吸収するために十分な第二鉄状態の鉄が存在するならば、実行可能であることが示されている。これは、結晶化に先立って、(空気中の酸素のような)酸化剤を添加して(非酸化的浸出からの)第一鉄を第二鉄へ変化させることを必要とする;
・上記の結晶化及び熱分解工程は化学量論的な釣り合いにあり、補給のH2SO4又はSO2は(現実のプラント管理の目的を除いては)必要でない;
・主要な回路内でのFeの増加を抑えるために、ブライン溶液の一部は主要な回路から(結晶化の前に)流し出される。(熱分解工程で生成される)ZnOの比例量は、Feの除去に先立って、不純物流出溶液中の遊離の酸を中和するために循環され、したがって亜鉛屑との有価物(Ag、Ni、Co、Cd)のセメンテーションを可能にする;
・Feの加水分解はオートクレーブ内で大気圧又は低圧のいずれかで実行されて、ヘマタイト及び/又は針鉄鉱(おそらくアカガナイト(akaganite)として)を形成する。高ブライン溶液中での操作の他の利点は、ごくわずかの遊離水しか含まれておらず、これが今度はFe酸化物/水酸化物の脱水を可能にして、従来の硫酸塩の系の場合よりもかなり低い温度でヘマタイトを沈殿させる、ということである。
・ZnOの大部分(から中和への流出を引いたもの)は、再浸出工程へと進み、そこで電解採取から戻ってくる陽極液中でH2SO4を用いて酸化物は溶解される。再びであるが、酸は化学量論的な釣り合いにあり、補給の酸も中和剤も(現実のプラントを管理する目的を除いては)必要でない;
・回路中でNa2SO4が飽和まで増加して最も濃縮した時点で沈殿するため、全回路にわたって、溶液を流出する必要が全く/ほとんどない;
・流出が全く/ごくわずかしか必要でないため、水の除去は多重効用蒸発装置(multiple−effect evaporator)を用いて達成される;
・図33は統合されたフローシート内の塩化物及び硫酸塩のフローループを示している。
実験室のシミュレーションは、4つの処理工程、すなわち、浸出、結晶化、熱分解及びZnO焼成物の再浸出から成り立っていた。以下の元素の振る舞いが回路を通じて追跡された(10ppmの検出下限によって制限された):
アルミニウム、カルシウム、カドミウム、コバルト、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、ニッケル、鉛、シリコーン、亜鉛
ZnS + 2H+ ⇔ Zn2+ + H2S
硫化亜鉛プロセスの例を用いることにより、本発明の方法はいま、さらに説明される。
塩化物と硫酸塩の両方として亜鉛、第一鉄、ナトリウムを有する合成初液が60℃で調製され、それらに化学量論量の硫酸が添加された。これらの試験の目的は二つの要素:第一に溶液中の主要な成分の溶解度を決定すること、そして第二に硫酸の添加を通じて形成され得る結晶の量と純度を決定すること、からなる。これらの試験の結果は表5に要約されている。
塩化物ブラインは硫酸又は二酸化硫黄と接触させられ、超共沸濃度の塩酸ブライン(すなわち得られる塩酸の強度が共沸混合物を超える場合)を生成し得る。この方法においては、洗練された蒸留技術又は高価な試薬は必要とされない。これは非常に高い酸性度を有する溶液の生産のための単純かつ安価な方式を提供しており、白金族金属の精錬の実行において広く利用されている特殊溶解プロセス(specialty dissolution processes)のような特定のプロセスにおけるその後の利用に使われる。達成され得る酸強度は、これが共沸混合物を下回ろうとも上回ろうとも、選択される塩化物によって左右される。
100℃において、塩化マグネシウムは約42.3g/100gの飽和溶液の程度まで可溶である。H2SO4を添加すると、全てのマグネシウムが1水和物として沈殿するという極端な場合において、約50.3gの塩が形成され、49.7gの水及び32.4gのHClが残り;39%の酸強度である。
80℃において、塩化亜鉛は約84.4g/100gの飽和溶液の程度まで可溶である。H2SO4を添加すると、1水和物として75%の亜鉛が沈殿する場合、約71.7gの塩が形成され、28.3gの水及び33.9gのHClが残り;54%の酸強度である。
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Claims (45)
- 有価金属を含む鉱石から該有価金属を浸出する方法であって:
塩酸存在下で該鉱石を浸出して浸出溶液中に可溶な金属−塩化物塩を形成する工程;および
第二鉄イオンの存在下で該浸出溶液へ二酸化硫黄を添加して、該鉱石から固体の金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩を形成し、同時に塩酸を再生する工程;
を含み、
該有価金属が、Zn、Cu、Ti、Al、Cr、Ni、Co、Mn、Fe、Pb、Na、K、Ca、Ag、白金族金属及び金からなる群から選択される、
方法。 - 金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩が式MeSOx・yH2Oを有し、式中:
Meは金属であり;
xは3又は4であり;かつ
yは0又はそれより大きい、
請求項1に記載の方法。 - 金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩中の金属の供給源が鉱石からである、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
- yが0から3である、請求項2に記載の方法。
- yが0である、請求項4に記載の方法。
- yが1である、請求項4に記載の方法。
- 酸化剤が浸出溶液に添加され、第一鉄イオンを第二鉄イオンへ酸化する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 鉱石が酸化物の又はケイ素質の卑金属鉱石である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 鉱石が酸化亜鉛鉱石である、請求項8に記載の方法。
- 鉱石がラテライト性のニッケル鉱石である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
- ラテライト性の鉱石がサプロライト性又はリモナイト性の鉱石である、請求項10に記載の方法。
- 鉱石が硫化物鉱石である、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
- 鉱石がチタン鉱石である、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
- 鉱石がアルミニウム鉱石である、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
- 金属−硫酸塩又は金属亜硫酸塩を浸出溶液から沈殿させる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩が蒸発結晶化により浸出溶液から回収される、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
- 金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩中の金属がマグネシウムである、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
- 金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩を処理して、二酸化硫黄、三酸化硫黄又はそれらの混合物を放出する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 有価金属が、二酸化硫黄の添加により形成される金属塩とは独立して回収される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 二酸化硫黄の添加前に、マグネシウムが浸出溶液から除去されて別の金属陽イオンで置換される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 金属陽イオンがカルシウムである、請求項20に記載の方法。
- 金属陽イオンが鉛である、請求項20に記載の方法。
- マグネシウムの除去後に二酸化硫黄の添加によって形成される金属塩が中間体−亜硫酸塩又は中間体−硫酸塩である、請求項20から22のいずれか1項に記載の方法。
- 中間体−亜硫酸塩又は中間体−硫酸塩が硫酸カルシウム又は亜硫酸カルシウムである、請求項23に記載の方法。
- 中間体−亜硫酸塩又は中間体−硫酸塩が硫酸鉛又は亜硫酸鉛である、請求項23に記載の方法。
- 金属−塩化物塩溶液がアルカリ溶液である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
- 金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩がアルカリ金属−硫酸塩又はアルカリ−金属亜硫酸塩である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
- 再生された塩酸が浸出プロセス内で再利用される、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
- 鉱石を浸出するために利用される塩酸がブライン溶液の一部分である、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
- ブライン溶液が、10%から90%の飽和塩化マグネシウム溶液、10%から90%の飽和塩化亜鉛溶液、又は10%から90%の飽和の他の金属塩化物溶液である、請求項29に記載の方法。
- ブライン溶液が、25%から40%の飽和塩化マグネシウム溶液、25%から40%の飽和塩化亜鉛溶液、又は25%から40%の飽和の他の金属の塩化物溶液である、請求項29に記載の方法。
- 金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩を使用して金属酸化物を生産する、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
- 金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩を熱分解に供して、金属酸化物及び二酸化硫黄、金属酸化物及び三酸化硫黄、あるいは金属酸化物及び二酸化硫黄と三酸化硫黄の混合物を生産する、請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法。
- 金属酸化物が、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄及び酸化アルミニウムから選択される、請求項32又は33のいずれかに記載の方法。
- 二酸化硫黄、三酸化硫黄又はそれらの混合物を使用して硫酸を生産し、該硫酸を浸出プロセスに戻して塩酸を再生する、請求項33に記載の方法。
- 中間体の硫酸塩又は亜硫酸塩を熱分解に供して、金属酸化物及び二酸化硫黄、三酸化硫黄又はそれらの混合物を生産する、請求項23から25のいずれか1項に記載の方法。
- 金属酸化物が酸化カルシウムである、請求項36に記載の方法。
- 二酸化硫黄が浸出溶液からの硫酸塩又は亜硫酸塩の塩析及び塩酸の再生のために再利用される、請求項36に記載の方法。
- 有価金属が、室温から金属−塩化物塩浸出溶液の沸点までの温度で鉱石から浸出される、請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法。
- 1種又はそれ以上の鉱石から浸出される有価金属が、金属−硫酸塩又は金属−亜硫酸塩の形成前に溶液から選択的に分離される、請求項1〜39のいずれか1項に記載の方法。
- 選択的に分離される有価金属が、コバルト、ニッケル、白金族金属、金、銀及び/又は銅である、請求項40に記載の方法。
- 鉱石の可溶化に由来する鉄及び/又は他の残留不純物が、浸出溶液から部分的又は完全に除去される、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
- 鉄及び/又は他の残留不純物が、溶媒抽出、それに続く熱加水分解によって除去される、請求項42に記載の方法。
- 鉄及び/又は他の残留不純物が、加水分解によって除去される、請求項42に記載の方法。
- 硫酸が少なくとも30%の濃度を有する、請求項1〜44のいずれか1項に記載の方法。
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