JP5562032B2 - 積層パネル - Google Patents

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Description

本発明は、概して、積層パネルに関し、より具体的には、耐久性及び耐薬品性を改善した表面層を有する積層パネル、及びその製造方法に関する。
本出願は、2006年11月6日に出願の米国暫定特許出願第US60/864,477号に対して優先権を主張する、2006年11月28日に出願の米国特許出願第US11/564,094号に開示された本質的主題の利益を主張するものであり、該内容は参照することによって援用される。
今日の耐薬品性積層体の多くは、高コストであること、又は性能が低いこと、あるいはその両方を特徴としている。耐薬品性は、一般的に、全米科学機器協会(Scientific Equipment and Furniture Association:SEFA)によって公表された規格において、より具体的には、SEFA 8.1と称される規格において定義される(www.sefalabs.com)。上述の規格は、化学スポット試験であり、該試験では、積層体は、積層体の表面に個々に適用された49の異なる化学試剤のうちの1つ以上に曝露され、所定期間、そこに放置される。所定期間の終了時に、試剤が除去され、試剤によって生じた変化によって積層体を評価する。積層体が化学分解に耐える能力が、積層体の耐薬品性の尺度である。
いくつかの積層体は、比較的厚い樹脂被覆層を利用することによって耐薬品性を提供している。厚い樹脂被覆層は、積層体に望ましくない不明瞭な外観を与える可能性があり、また、積層体のコストを大幅に上昇させる可能性もある。他の積層体は、積層体の耐薬品性を増加させるように、フルオロポリマー障壁を利用している。フルオロポリマー障壁は、特定の化学物質に対しては、ある程度の耐性を提供するが、ある種の溶媒に対しては比較的少ない保護性しか提供しない。さらに他の積層体は、耐薬品性を生じさせるように、E-B(電子線)硬化箔を使用している。しかしながら、多くのE-B箔は、積層工程で利用される比較的高い圧力に対処できないため、高圧積層用途には不適である。好適なものとするように、硬化の程度及び適用されるトップコートの量とともに、箔の基本質量(basis weight)を増加させなければならず、箔のコストを増加させている。
積層体が摩耗に耐える能力は、積層体に高く望まれる品質である。耐摩耗性積層体は、しばしば、高濃度の耐摩耗性粒子を含む被覆層を利用している。耐摩耗性粒子は、被覆層及び隣接する装飾層を、装飾層内の望ましくない摩耗から保護する。残念ながら、積層体を摩耗から保護するのを助ける耐摩耗性粒子は、積層体の製造工程で使用される機械も摩耗させてしまう。積層体は、しばしば、上昇した温度、及び圧力下で、バッチプレスのプレス板の間で形成される。最外層(例えば、被覆層)内の耐摩耗性粒子は、非常に高価なプレス板を摩耗させ、それによって、該プレス板の耐用年数が短くなり、工程の全体的なコストが増加する。摩耗は、特に型押しプレス板にとっての問題である。型押しプレス板の「頂部及び底部」(peak and balley)によって、不均等な負荷が生じ、プレス板の「頂部」及び他の鋭利な特徴の摩耗をさらに早める。
摩耗性及び耐薬品性に加えて、所望の透明度を有する必要があり、例えば、望ましくない色合い又は不明瞭性(以下、透明度の不足を「不明瞭性(haziness)」と称する)が低いことが必要である。不明瞭性は、不純物及び/又は樹脂配合剤に添加される粒子のサイズを含む、種々の事物によって生じ得る。樹脂配合剤は、しばしば、処理及び物理的品質を改善するように、添加物(例えば、増粘剤、懸濁剤、分散剤等)を含む。粒径が約250ナノメートル(250nm)である固体粒子形態の添加物は、可視光の波長範囲に対するそれらのサイズのため、不明瞭性を生じさせる可能性がある。
従って、所与の期間、所望のレベルの耐薬品性及び耐久性があり、所望の透明度があり、かつ費用効率の高い、積層パネル及びその作製方法が必要である。
本発明によれば、積層体を製造する方法であって、1)装飾層、コア層、及び任意選択で被覆層を含む層のスタックを提供するステップと、2)装飾層及び被覆層のうちの1つ又は両方に、熱硬化性樹脂内に配置されたナノクレイ粒子を含む樹脂配合剤を含浸させるステップであって、熱硬化性樹脂内のナノクレイ粒子の濃度は、樹脂内に物理的障壁を形成するのに十分高く、かつ不明瞭な外観を回避するのに十分低い、ステップと、3)層のスタックに、層を互いに接着させるのに十分な熱及び圧力を印加するステップと、を含む方法が提供される。
本発明の一態様によれば、上述の方法によって製造することができる積層体が提供される。
いくつかの実施形態では、積層体は、装飾層の反対側のコア層の側に貼り付けられるバッカー層をさらに含む。
本発明の積層パネルは、SEFA8.1の試験規格の範囲内で使用される49の化学物質のうちの多くによる化学分解に耐える能力を含む、望ましい性能特性を有する、費用効率が高く、製造が容易な積層体である。本積層体は、望ましい耐薬品性を提供し、さらに、基本的な装飾設計又は色彩を不明瞭にさせない、望ましい透明度を提供する。これは、明白な商業上の利点である。本発明の別の利点は、ナノクレイ粒子を使用しても、使用されるレベルにおける積層体の二次成形特性に不利益とならないことである。本発明のさらに別の利点は、ナノクレイ粒子を有する樹脂配合剤が、耐水性及び耐久性を含む、積層体の特定の特性を改善することである。本発明のさらに別の利点は、硬化度が高められた樹脂が、樹脂内に配置された合成粒子の近傍に生じるようであることである。硬化度が高められることで、障壁の形成が促進され、その結果、積層体が化学分解及び摩耗に耐える能力が高くなる。
本発明のこれらの、及び他の特徴及び利点は、下記に提供される図面及び発明を実施するための形態を考慮することで明らかとなろう。
本発明の第1の実施形態による、重ね合わせ構成層の断面図(原寸に比例せず)である。 本発明の別の実施形態による、重ね合わせ構成層の断面図(原寸に比例せず)である。 本発明の別の実施形態による、重ね合わせ構成層の断面図(原寸に比例せず)である。 合成層状ケイ酸塩粒子の概略図である。 静電引力によって配列された複数の合成層状ケイ酸塩粒子の概略図である。
従って、着色状態での高い吸収性、速い着色速度と退色速度のような良好なフォトクロミック特性を示すだけでなく、空間的に整列された状態のときに、例えば、液晶或いは配向されたポリマーホスト材料に組み込まれたときに、二色性と光偏光が可能である化合物が求められている。
図1〜図3を参照すると、耐薬品性及び耐久性を改善した積層パネル10(又は「積層体」)が提供されている。本願明細書で使用する「耐薬品性」という用語は、積層構造体10が、それ自体を有害な化学物質(例えば、SEFA8.1規格の化学物質)への曝露から、所定の期間、保護する能力を指す。積層体10は、コア層30上に重ね合わせられた装飾層20を含む。いくつかの実施形態では、バッカー層40が、コア層30の、装飾層20が重ね合わせられた表面の反対側の表面に配置される。いくつかの実施形態では、オーバーコート層50は、装飾層20及び/又はコア層30の反対側のバッカー層40上に重ね合わせることができる。
装飾層20は、印刷された装飾パターン又は同一調の色彩を含有する、1つ以上の紙シート又はウェブを含む。下述するように、装飾層20は、乾燥していてもよく(即ち、樹脂を含浸させていない)、又は樹脂を少なくとも部分的に含浸させてもよい。樹脂は、下述する樹脂配合剤でもよく、又は樹脂配合剤に適合する他の樹脂でもよい。
コア層30は、従来技術において既知のように、フェノール樹脂を含浸させた1枚以上のクラフト紙を含み得る。いくつかの実施形態(例えば、低圧積層体)では、コア層30は、合板、中質繊維板、高密度繊維板、削片板、再生プラスチック、ABS/PC、ナイロン、又はPVCを含む、クラフト紙以外の材料を含み得る。これらの実施形態では、装飾層20は、一般的に、積層構造体10を生成するように、コア層30上へ熱融着される。
バッカー層40を含む積層体の実施形態では、バッカー層40は、装飾層20の反対側のコア層30の側に接着される。バッカー層40は、一般的に、熱硬化性樹脂でコーティングするか、又は該樹脂を少なくとも部分的に含浸させて部分的に硬化され得る、セルロース材料を含む、1枚以上のシートを備える。許容可能なバッカー層40の材料には、難燃性のクラフト紙又は装飾紙が挙げられる。バッカー層40内で使用される装飾紙は、装飾層20と同じ印刷パターン又は同一調の色彩であってもよく、また、装飾層20と同じ樹脂又は樹脂配合剤を含浸させてもよい。一般的に、バッカー層40は、装飾層20の基本質量とほぼ等しい基本質量を有する。
図2及び図3を参照すると、オーバーコート層50を含む積層体10の実施形態では、オーバーコート層50は、装飾層20及びバッカー層40のうちの1つ又は両方の上部表面上に配置され得る。オーバーコート層50は、樹脂配合剤のみを含みうるか、又は樹脂配合剤に加えて、一般的にセルロース材料から成る1枚以上のオーバーレイシート51を備え得る。オーバーレイシート51が含まれる場合、シート51は、乾燥した(即ち、含浸されていない)状態で積層スタックに適用され得、あるいは、樹脂配合剤を少なくとも部分的に含浸され得る。オーバーコート層50が積層体10に含まれているときには、装飾層20及び/又はバッカー層40は、乾燥した(即ち、含浸されていない)状態で積層スタックに適用するか、樹脂配合剤を含浸させるか、又は異なる樹脂を含浸させることができる。
樹脂配合剤は、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。許容可能な熱硬化性樹脂の例には、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、当技術分野において既知であり、市販されている。特定の樹脂の特性については、樹脂の特定のパラメータが、その場の用途に最も適応するように選択されること以外は、詳細に説明しない。例えば、樹脂及び添加物は、その場の用途に対して、耐薬品性及び結合強度、耐火性、パネルの全体的な柔軟性、熱、水分、又は放射線サイクル等による耐劣化性等を提供するそれらの能力に基づいて選択される。
図4を参照すると、樹脂配合剤は、積層体の耐摩耗性及び耐薬品性を改善するように、所定量のナノクレイ粒子52を含む。その所定量は、一般的に、粒子52の質量が、樹脂配合剤の総質量の約0.005%から1.00%の範囲である濃度が生じるように選択される。この範囲によって、硬化した樹脂の総質量の約0.01%から2.00%の範囲の、樹脂配合剤内の合成粒子質量濃度が得られる。しかしながら、合成粒子52は、樹脂配合剤の総質量の約0.01%から1.0%の範囲であることが好ましい。樹脂配合剤内のナノクレイ粒子の質量濃度をより低くすることで、許容可能な耐摩耗性及び耐薬品性、ならびにより望ましい透明度が得られる。
好適な一実施形態では、ナノクレイ粒子52は、合成層状ケイ酸塩粒子52である。合成ケイ酸塩粒子52は、平均粒径が50ナノメートル(50nm)未満であることが好ましい。発明者らは、平均粒径が約25ナノメートル(例えば、幅54が約25nm、厚さ56が約1nmであるウエハ状)である合成ケイ酸塩粒子が、特に良好に機能することを経験した。粒子52は、水に不溶であるが、水和物は、樹脂と混合すると膨張して無色になる。平均粒径が50ナノメートル(50nm)未満である合成ケイ酸塩粒子は、いくつかの理由から好まれる。第1に、平均粒径が100ナノメートル(100nm)未満である粒子は、硬化した樹脂を光が通過するのを妨げないため、再外層の透明度に顕著な影響を与えずに、添加物として添加することができる。第2に、平均粒径が50ナノメートル(50nm)未満である粒子は、平均粒径がより大きい同じ量の粒子によって提供される表面積よりも、大きな総粒子表面積を樹脂配合剤内に提供する。粒子の表面積が大きくなることによって、小さい表面積によって可能な樹脂との結合よりも、より物理的かつ化学的な樹脂との結合を形成することができ、その結果、その結合は、硬化した樹脂配合剤を含む層の耐摩耗性及び耐薬品性を高める。合成ケイ酸塩粒子はまた、透明度を損ない得る不純物の含有が(例えば、採掘しなければならない自然発生的な添加物とは対照的に)比較的低レベルであることからも好まれる。Gonzales Texas、USAにあるSouthern Clay Products,Inc.は、Laponite(登録商標)の商標で一連の合成層状ケイ酸塩粒子(例えば、LaponiteRD、LaponiteXLG、LaponiteRD等)を提供している。Laponite(登録商標)という粒子製品は、含水ナトリウムリチウムケイ酸マグネシウムを含む。
図4及び図5を参照すると、合成層状ケイ酸塩粒子52は、それらが、粒子52の縁部58の周囲には正電荷を有し、粒子52の面60上には負電荷を有する(又はその逆)、静電的に帯電した粒子であることからも好まれる。個々の粒子52に静電荷が存在する結果として、粒子52が、それら自体を「不安定な構造(house of cards)」と称される構造で、未硬化の樹脂内で配列する、即ち、第1の粒子52の縁部58が第2の粒子52の隣接する面60に引き付けられて配置される、等が考えられる(図5を参照されたい)。積層体が硬化した後、粒子52の配列は保持され、樹脂内に配置された物理的障壁を生じさせる。好適なサイズの合成ケイ酸塩粒子はまた、上述した物理的障壁の形成も容易にする。
他の実施形態では、ナノクレイ粒子は、自然発生的な形態又は表面改変形態であり得るスメクタイト類からの粘土鉱物を含む。モンモリロナイトは、ナノクレイ粒子として使用することができるスメクタイト粘土鉱物の一実施例である。モンモリロナイトは、水の添加によって膨張する。
樹脂配合剤への他の添加物には、触媒及び離型剤が挙げられる。樹脂配合剤に適した触媒及び離型剤の相対的な割合(%)は、特定の用途に適合するように変化させることができ、従来技術で既知である。
本積層パネル10は、積層体を構成する種々の層の間に十分な接着を生じさせるのに十分な期間、積層体10の温度及び圧力を上昇させる、様々な工程を使用して製造することができる。高圧バージョンの本積層体10は、概して、約110℃から約170℃の範囲の温度、及び約500psiから約1600psiの範囲の圧力で処理される。硬化温度及び圧力は、一般的に、使用中の特定の樹脂、及び硬化した積層体の最終的に望まれる特性に基づいて選択される。硬化温度は、処理速度に適合するように操作することもでき、例えば、高い硬化温度を高い処理速度で使用することができ、また、低い硬化温度を低い処理速度で使用することができる。
発明者らは、製造工程中に、樹脂内に配置された合成層状ケイ酸塩粒子の近傍にある樹脂配合剤内で、硬化度が高められることを発見した。発明者らは、粒子の比較的大きな表面積及び組成が、さらなる硬化を生じさせる役割を果たしているものと考えている。硬化した樹脂内の合成層状ケイ酸塩粒子の濃度、及びそれらが生じさせる物理的障壁は、硬化が高められた樹脂の領域をもたらす。高められた硬化は、積層体の耐摩耗性及び耐薬品性を促進する。
以下の実施例は、本積層体10及びその製造工程を例示したものである。これらの実施例は、積層体10及びその製造工程の特定の実施形態を例示するために提供されたものであり、本発明の内容に関していかなる限定も構成するものではない。
実施例1
積層体10の1つの高圧バージョンは、不連続プレス機を使用して製造される。コア層30及び装飾層20を備えたビルドアップは、重ね合わせにより作製される。コア層30は、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂のようなフェノール樹脂を含浸させた、少なくとも1枚のクラフト紙を備える。
装飾層20は、熱硬化性樹脂配合剤を部分的に含浸させた紙シートを含む。部分的な含浸は、完全飽和に必要な樹脂配合剤の総量の約40%から60%までが使用されるように実行される。樹脂配合剤は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、及び、樹脂配合剤の最終質量の約0.005%から約1.0%の範囲内の濃度で、合成ケイ酸塩粒子(例えば、Laponite(登録商標)Rという商標の合成物層状ケイ酸塩)を含み、また、必要に応じて触媒及び離型剤を含む。装飾シート20は、取り扱い性のため、揮発性成分が約5.0%から約15.0%になるように乾燥させることが好ましい。装飾シート20は、揮発性成分が約9.0%から約12.0%になるように乾燥させることが最も好ましい。
ビルドアップは、不連続プレス機の鋼鉄コール(caul)板(「プレス板」としても知られる)間に配置され、約700psiから1200psiの範囲の圧力が印加される。選択された圧力に到達した時点で、プレス機を約140℃の温度に加熱する。プレス機は、用途、樹脂の特定の成分等に基づいて、約5分から50分の加熱サイクルの間、上述の圧力及び温度に保持する(総サイクル時間は、最長で約60分の範囲である)。次いで、プレスされた積層体10は、まだ不連続プレス機内にある間に、積層体の温度が約60℃以下に下がるまで、加圧下で冷却する。その後圧力を解放して、耐薬品性の積層体を不連続プレス機から取り出す。得られる積層体10の厚さは、コア層30内の、及び装飾層20内のシート数に依存する。積層体10を冷却している間、積層体10を加圧下でプレス機内に保持することで、完成品となる積層体の平坦度が改善される。
実施例2
本積層体10の1つの高圧バージョンは、上述の実施例1に類似した様態で製造される。本実施例では、樹脂配合剤のオーバーコート層50が、続いて、乾燥した装飾層20の表面に適用されるが、表面は、コア層30から離して配置される。ビルドアップは、不連続プレス機の鋼鉄コール板の間に配置され、実施例1に開示された処理ステップが行われる。
実施例3
本積層体10の1つの高圧バージョンは、上述の実施例2に類似した様態で製造される。本実施例では、樹脂のオーバーコート層50は、オーバーレイシート51と組み合わせて装飾シート20に適用されるか、又は、樹脂配合物を少なくとも部分的に含浸させたオーバーレイシート51を備えたオーバーコート層50と置き換えられる。ビルドアップは、不連続プレス機の鋼鉄コール板の間に配置され、実施例1に開示された処理ステップが行われる。
実施例4
本積層体10の1つの高圧バージョンは、上述の実施例3に類似した様態で製造され、オーバーコート層50は、樹脂配合剤を少なくとも部分的に含浸させたオーバーレイシート51を備える。本実施形態では、装飾層20は乾燥、したがって、樹脂配合剤を含浸させていないじょうたいであり得る。
実施例5
本積層体10の1つの高圧バージョンは、積層体10が、装飾層20の反対側のコア層30の側に配置されたバッカー層40を含むこと以外は、上述の実施例1、2、3、又は4に類似した様態で製造される。バッカー層40は、装飾層の基本質量と同様の基本質量であり得、それによって、積層体10の平衡を保つことができる。バッカー層40は、難燃性のクラフト紙、又は速硬性のフェノール樹脂で処理されたクラフト紙のような材料を備え得る。
実施例6
本積層体10の1つの低圧のバージョンは、不連続プレス機を使用して製造される。装飾層20及びコア層30を備えたビルドアップは、重ね合わせにより作製される。装飾層20は、実施例1に開示されたものに類似する。コア層30は、合板、中質繊維板、高密度繊維板、削片板、再生プラスチック、ABS/PC、ナイロン、又はPVCのうちの1つ以上の材料を備える。本実施形態では、装飾層20は、積層構造体10を生成するように、コア層30上に熱融着される。
ビルドアップは、不連続プレス機の鋼鉄コール板間に配置され、約300psiから400psiの範囲の圧力が印加される。プレス機は、約180℃から210℃の範囲の温度に予熱する。所定の圧力に到達した時点で、プレス機は、約20秒から60秒の範囲の加熱サイクルの間、上述の圧力及び温度に保持する。その後圧力を解放することができ、また、加圧された積層体10は、事前に冷却することなく不連続プレス機から取り出すことができる。
当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること、及び本発明が明細書内の説明及び例示に限定されるとみなすべきではないことが明らかとなろう。

Claims (10)

  1. 積層パネルであって、
    第1の側、及び前記第1の側の反対側に第2の側を有するコア層と、
    前記コア層の前記第1の側に接着された装飾層と、
    前記コア層の反対側の前記装飾層の側に配置されるオーバーコート層であって、前記オーバーコート層は、粒子の平均粒径が50nm以下である、硬化した熱硬化性樹脂の層内に配置されたナノクレイ粒子を含む、オーバーコート層と、
    を備え、
    前記オーバーコート層及び装飾層における熱硬化性樹脂が硬化され、各層が結合されて、積層パネルを形成していることを特徴とする積層パネル。
  2. 前記ナノクレイ粒子は、スメクタイト粘土鉱物を含む、請求項1に記載の積層パネル。
  3. 前記スメクタイト粘土鉱物は、モンモリロナイトを含む、請求項2に記載の積層パネル。
  4. 前記ナノクレイ粒子は、合成層状ケイ酸塩粒子を含む、請求項1に記載の積層パネル。
  5. 前記合成層状ケイ酸塩粒子は、オーバーコート層の質量の0.01%から2.00%の範囲である、請求項4に記載の積層パネル。
  6. 前記コア層は、複数枚のクラフト紙を備える、請求項4に記載の積層パネル。
  7. 前記コア層の前記第2の側に結合されたバッカー層をさらに備える、請求項4に記載の積層パネル。
  8. 前記オーバーコート層は、セルロース材料を含む1枚以上のオーバーレイシートを含む、請求項4に記載の積層パネル。
  9. 前記合成層状ケイ酸塩粒子は、対の面の間に配置された縁部を有する、請求項4に記載の積層パネル。
  10. 前記各粒子の縁部は、第1の電荷を有し、前記面は、前記第1の電荷とは反対の第2の電荷を有する、請求項9に記載の積層パネル。
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