JP5561257B2 - 粉体塗装方法及び粉体塗装装置 - Google Patents

粉体塗装方法及び粉体塗装装置 Download PDF

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Description

本発明は、ワークの一部分に対して粉体塗料を塗装する粉体塗装方法及び該塗装方法を実施するための塗装装置に関する。
従来、粉体塗料を塗装する方法の一つとして、流動浸漬法が知られている。この方法は、粉体塗料を収容した塗料タンクの下部からエアを吹き込むことにより、上記粉体塗料に流動性を与えて粉体浴を形成し、ワークを該粉体浴に浸漬して上記粉体塗料を付着させる方法である。
流動浸漬法を用いてワークの被塗装部のみに粉体塗料を付着させる方法として、被塗装部とそれ以外の部分に温度差を設け、被塗装部のみに粉体塗料を付着させる例がある(特許文献1参照)。
特開2003−260407号公報
しかしながら、上記のごとく温度差を設ける方法においては、実際には被塗装部のみが粉体塗料の付着温度に達するよう温度制御を行うことが困難である。そのため、この部分に隣接する被塗装部以外の部分も粉体塗料の付着温度に達してしまい、粉体塗料が付着してしまう場合が多い。
一方、該被塗装部のみに粉体塗料を付着させるための最も単純な方法として、被塗装部のみを粉体浴に浸漬する方法が考えられる。しかし、粉体塗料により構成される粉体浴の浴面の高さは、粉体塗料の流動に起因して時々刻々と変動するため、被塗装部のみを粉体浴内に安定的に精度良く浸漬することが困難である。
また、被塗装部以外にマスキングを行う手法がある。しかしこの場合には、マスキング用部材を貼付及び剥離する工程が加わるため、製造工程が煩雑となる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、簡素な方法により被塗装部のみに粉体塗料を付着させることが可能な粉体塗装方法及び、該塗装方法を実施するための粉体塗装装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、粉体塗料を塗料タンク内に収容し、該塗料タンクの底部からエアを吹き込み、上記粉体塗料を流動させて粉体浴を形成し、ワークを上記粉体浴に浸漬することにより、上記ワークの一部分よりなる被塗装部に上記粉体塗料を付着させる粉体塗装方法において、
上記粉体塗料を上記粉体浴の浴面に沿う方向に流動させた状態で、上記ワークの外径より大きな内径を有する筒体をその開口端から上記粉体浴に浸漬することによって上記筒体の壁面により上記粉体塗料の上記浴面に沿う方向の流動を妨げると共に、上記筒体の内側において上記ワークの上記被塗装部を上記粉体浴に浸漬し、該被塗装部に上記粉体塗料を付着させることを特徴とする粉体塗装方法にある(請求項1)。
本発明の他の態様は、粉体塗料を収容可能な塗料タンクと、
該塗料タンクの底部にエアを吹き込むことにより、上記粉体塗料を流動させてなる粉体浴を形成するためのエア吹き込み手段と、
ワークを保持するワーク保持手段と、
該ワーク保持手段により保持された上記ワークを昇降して上記粉体浴に浸漬するためのワーク昇降手段と、
上記ワークの外径より大きな内径を有する筒体とを有し、
上記粉体塗料を上記粉体浴の浴面に沿う方向に流動させた状態で、当該流動を上記筒体の壁面により妨げると共に、上記ワークを上記筒体の内側において上記粉体浴に浸漬できるように構成されていることを特徴とする粉体塗装装置にある(請求項5)。
粉体塗料を流動させてなる粉体浴を用いて塗装を行う場合、該粉体浴の浴面の高さは、時々刻々と変動している。上記粉体塗装方法においては、上記の浴面高さが変動している粉体浴に、ワークより大きな内径を有する筒体を開口部から浸漬する。そうすると、少なくとも浴面近傍では筒体の壁面により上記粉体塗料の流動が妨げられる。そのため、上記筒体の内側では上記粉体塗料の流れが止まり、上記浴面の高さの変動が抑制された状態となる。
即ち、上記筒体と共に、該筒体の内側に配したワークを粉体浴に浸漬すると、上記のごとく筒体が浴面高さ変動を抑制するため、ワークの被塗装部は浴面高さの変動が抑制された粉体浴に浸漬されることになる。それ故、粉体浴へのワークの浸漬深さ制御を精度良く行うことができ、上記被塗装部以外に粉体塗料が付着しにくくなる。以上の結果、上記被塗装部のみに上記粉体塗料を付着させることを容易に実施できる。
次に、上記粉体塗装装置においては、上記ワークより大きな内径を有する筒体を有し、上記ワークを上記筒体の内側において上記粉体浴に浸漬できるように構成されている。
即ち、上記粉体塗装装置によれば、上記筒体の内側に上記ワークを配した状態で、上記筒体と上記ワークとを共に上記粉体浴に浸漬することが可能となる。
従って、上記粉体塗装装置を使用することで、上記粉体塗装方法を簡便に実施することができる。
実施例1における、粉体塗装装置にワークを保持させた状態を示す説明図。 実施例1における、粉体塗装装置のワーク昇降手段を下降させ、筒体の開口端面を粉体浴に浸漬した状態を示す説明図。 実施例1における、粉体塗装装置のワーク昇降手段を下降させ、ワークの被塗装部を粉体浴に浸漬した状態を示す説明図。 実施例1における、ワークへの粉体塗料の付着状態を示す側面図。 実施例2における、粉体塗装装置にワークを保持させた状態を示す説明図。 実施例2における、粉体塗装装置の筒体昇降手段を下降させ、筒体の開口端面を粉体浴に浸漬した状態を示す説明図。 実施例2における、粉体塗装装置のワーク昇降手段を下降させ、ワークの被塗装部を粉体浴に浸漬した状態を示す説明図。
上記粉体塗装方法では、被塗装部に粉体塗料を付着させる手段として、例えばワークを予熱する方法を採用することができる。この場合、ワークの温度が粉体塗料の溶融温度以上である状態で上記粉体浴に浸漬する。ワーク温度が上記の溶融温度以上であれば、上記被塗装部と接触した粉体塗料が溶融するため、充分な量の粉体塗料を上記被塗装部に付着させることができる。
また、上記粉体塗料としては、例えばエポキシ樹脂やポリエステルなど、流動浸漬法に用いられる粉体塗料として公知のものを用いることができる。
上記粉体浴に上記ワークと上記筒体とを浸漬する際、浸漬する順序が特に制限されることはない。遅くともワークの被塗装部全体が粉体浴に浸漬される時点までに、上記筒体の内側で粉体塗料の流動が停止していれば、上記被塗装部のみに塗料を付着させることができる。
これを確実に実現するためには、上記ワークの被塗装部を、上記筒体の開口端の全周が上記粉体浴に接触した後に該粉体浴に浸漬させることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記筒体により上記粉体塗料の流動が遮断された後に、上記ワークが上記粉体浴に浸漬される。即ち、上記被塗装部は、上記浴面の高さが安定した状態で浸漬されるため、上記被塗装部のみに粉体塗料を精度良く付着させることができる。
また、上記ワークは、上記筒体の開口端面の全周が上記粉体浴に接した時点から3秒以内に浸漬することが好ましい(請求項3)。
筒体の開口端面の全周が粉体浴に接してから3秒を超える場合には、筒体の内側において粉体塗料が再び流動を始めるおそれがある。そのため、浴面の高さが再び不安定になり、上記粉体塗料の付着部分を制御する精度が低くなるおそれがある。
また、上記粉体浴へ上記被塗装部全体を浸漬した後に、上記筒体と上記ワークを上記粉体浴から引き上げる順序は、特に制限されることはないが、上記ワークが上記粉体浴から離れた後に上記筒体が上記粉体浴から離れるよう、上記ワーク及び上記筒体の引き上げ動作を制御する方が好ましい。
次に、上記粉体塗装装置においては、上記エア吹き込み手段として、例えばコンプレッサーなどの圧縮空気を供給する装置を用いることができる。
また、上記ワーク保持手段及び上記ワーク昇降手段には、公知の種々の機構を用いたものを採用することが可能である。
また、上記ワーク保持手段は、上記ワークと共に上記筒体を保持可能に構成されていてもよい(請求項6)。
この場合には、上記ワーク保持手段に連設された上記ワーク昇降手段により、上記ワーク及び上記筒体を同時に昇降させることができるため、装置構成が簡素となる。
一方、上記筒体を上記ワーク保持手段に保持させない場合には、上記筒体を保持する筒体保持手段を上記粉体塗装装置に設けることが好ましい。上記筒体保持手段には、例えば上記ワーク保持手段と同様の機構を採用することができる。
また、上記筒体保持手段を昇降させるために、該筒体保持手段に連接して筒体昇降手段を上記粉体塗装装置に設けてもよい。上記筒体昇降手段には、例えば上記ワーク昇降手段と同様の機構を採用できる。
また、上記ワークは、巻線コイルを装着してなるモータコアであると共に、上記巻線コイルが上記モータコアから突出してなるコイルエンド部を有するものを用いることができる(請求項4、7)。
近年のモータコアは、コンパクト化や、不要塗料の飛散による不具合防止等を考慮して、塗装が必要な一部の領域に精度よく塗装を行うことが強く望まれている。それ故、上記モータコアに対して上記粉体塗装方法を適用することは非常に有効である。
(実施例1)
粉体塗装方法及び粉体塗装装置の実施例について、図1〜図4を用いて説明する。
本例の粉体塗装装置1は、図1に示すごとく、粉体塗料2を収容可能な塗料タンク12と、該塗料タンク12の底部120にエア30を吹き込むことにより、粉体塗料2を流動させてなる粉体浴20を形成するためのエア吹き込み手段3とを有している。また、粉体塗装装置1は、ワーク8を保持するワーク保持手段13と、該ワーク保持手段13により保持されたワーク8を昇降して粉体浴20に浸漬するためのワーク昇降手段14と、ワーク8より大きな内径を有する筒体4とを有している。そして、粉体塗装装置1は、ワーク8を筒体4の内側において粉体浴20に浸漬できるように構成されている。
本例のワーク8は、巻線コイル81が内側に装着された略円筒状のモータコア80である。上記巻線コイル81は、図4に示すごとく、モータコア80の軸方向両端より突出したコイルエンド部を有している。そして、該コイルエンド部は、図4に示す破線Pより端部側に粉体塗料2を付着させる被塗装部810を有している。
上記粉体塗装装置1における上記粉体浴20を形成するための塗料タンク12は、図1に示すごとく、上方から見て四角形となる形状を有しており、そのひとつの側壁121の高さが他の三面の側壁に比べて低くなっている。また、側壁121の外側には、上面が開口しているオーバーフロータンク122が設けられている。オーバーフロータンク122は、側壁121の上端からあふれ出した粉体塗料2を塗料タンク12に戻すための図示しない循環路により、塗料タンク12と連結されている。
粉体浴20は、図1に示すごとく、エア吹き込み手段3より送気されるエア30を、塗料タンク12の底部120に設けられた多孔質板125を介して粉体塗料2を入れた塗料タンク12に吹き込むことにより形成可能である。上記エア吹き込み手段3には圧縮空気を発生させるコンプレッサーを用いている。
上記塗料タンク12の上方には、ワーク保持板130及び昇降アーム部131を有するワーク保持手段13が設けられている。ワーク保持板130には、ワーク8を把持する機構135が備えられている。また、ワーク保持板130の側面のうち、ワーク保持板130の重心を挟む2箇所に円柱形の回転軸136が設けられている。該回転軸136は昇降アーム部131の一端に設けられた軸受け穴137に挿通されている。ワーク保持板130は、回転軸136を中心にして回転することにより、保持したワーク8を反転可能に構成されている。
ワーク保持板130を取り付ける昇降アーム部131は、2本のアームより構成されている。この2本のアームの基端部は、粉体塗装装置1の設置面10に立設された背部架台11内の昇降機構に連結されており、該昇降機構と昇降アーム部131とによりワーク昇降手段14が構成されている。このワーク昇降手段14により、ワーク保持板130を昇降可能である。
ワーク昇降手段14による昇降アーム部131の昇降の上昇限は、ワークストッパー140によって規制されている。また、ワーク昇降手段14による昇降アーム部131の下降限は、後述する筒体保持手段15の下降限によって規制されている。なお、ワーク昇降手段14の昇降機構には、ボールネジとサーボモータとを組み合わせた昇降機構を用いている。すなわち、昇降アーム部131の基端部が背部架台11内に内蔵されたボールネジに連結されており、サーボモータの回転駆動力をボールネジに伝達することにより、昇降アーム部131の上下動が可能である。
また、上記ワーク保持手段13と塗料タンク12との間には、筒体4を固定する筒体保持手段15が配設されている。筒体保持手段15は、筒体4を下方に突出するよう固定した平板状の筒体保持板150を有する。筒体保持板150は、その一端が筒体昇降手段16のスライド部165に固定されている。
筒体昇降手段16のスライド部165は、背部架台11に沿って自由昇降可能に配設されている。また、スライド部165は、筒体保持手段15を挟んで上下両側に各々配された筒体ストッパー161及び162により上昇限及び下降限が規制されている。また、スライド部165と筒体ストッパー162の間には、コイルばね160が配設されている。このコイルばね160により、スライド部165は上方に向けて付勢されている。
筒体ストッパー161により規制する筒体保持手段15の上昇限は、上述したワーク保持手段13が上昇限にあるときに、これに干渉しない位置に設定されている。一方、筒体ストッパー162により規制する筒体保持手段15の下降限は、筒体4の開口端面40の全面が粉体浴20に接触する位置に設定されている。
上記筒体保持手段15の筒体保持板150に保持される円筒状の筒体4は、ワーク8の外径より大きな内径を有し、その上側の開口端が上記筒体保持板150に固定されている。また、筒体保持板150には、筒体4の内径に一致するように貫通穴151が設けられており、ワーク8が上記貫通穴151を通過して筒体4の内側へ進入できるように構成されている。
次に、上記粉体塗装装置1を用いた粉体塗装方法について図1〜図3を用いて説明する。本例の粉体塗装方法では、図1に示すごとく、粉体塗料2を塗料タンク12内に収容し、該塗料タンク12の底部120からエア30を吹き込むことにより、粉体塗料2を流動させて粉体浴20を形成する。そして、ワーク8を上記粉体浴20に浸漬することにより、上記ワーク8の一部分よりなる被塗装部810に上記粉体塗料2を付着させる。
このとき、上記ワーク8より大きな内径を有する筒体4をその開口端面40から粉体浴20に浸漬すると共に、上記筒体4の内側において上記ワーク8の被塗装部810を粉体浴20に浸漬し、被塗装部810に粉体塗料2を付着させる。
以下、上記方法を詳説する。
まず、上記粉体塗装装置1の塗料タンク12に、平均粒子径が46μmであるエポキシ樹脂系の粉体塗料を収容する。粉体浴20は、粉体塗料2を収容した塗料タンク12の底部120から、エア吹き込み手段3を用いて毎分17.5Lのエア30を吹き込むことにより形成する。
粉体浴20に浸漬されるワーク8は、予め200℃に設定した加熱炉で60分間の予熱を行ったものを用いる。予熱を行ったワーク8は、図1に示すごとく、被塗装部810を粉体浴20に向け、その上方にあるワーク保持手段13に取り付けられる。
次に、ワーク昇降手段14を駆動させ、ワーク8を粉体浴20に向けて下降させる。ワーク8の外径は、筒体4の内径350mmより小さい250mmであるため、下降する過程において、ワーク8は筒体保持手段15に設けられた貫通穴151を通過して筒体4の内側に進入する。
さらにワーク8を下降させ、ワーク保持手段13が筒体保持手段15と接触した後は、ワーク昇降手段14の駆動力によるワーク保持手段13の下降に伴い、筒体保持手段15がコイルばね160の付勢力に抗して下降する。即ち、ワーク8と共に上記筒体4も上記粉体浴20に向かって下降する。このワーク8と筒体4とが同期して下降している状態においては、筒体4の開口端面40がワーク8の下端よりも下方に突出した位置関係に維持されている。
引き続きワーク8を下降させると、該ワーク8が粉体浴20に浸漬される前に、図2に示すごとく、筒体4の開口端面40の全面が上記粉体浴20に浸漬された状態となる。その後更にワーク8を下降させることにより、図3に示すごとくワーク8の被塗装部810のみを粉体浴20へ浸漬する。ワーク8の下降限の設定は、予め実験を行うことによって設定することが可能である。
次に、ワーク8と筒体4とを共に粉体浴20に浸漬した時点より0.5秒後に、ワーク昇降手段14を駆動させてワーク保持手段13に固定されたワーク8を上昇させる。そうすると、ワーク保持手段13に当接している筒体保持手段15がコイルばね160の付勢力により上昇するため、筒体保持手段15に固定された筒体4も上昇する。なお、該粉体浴20へ浸漬されている間のワーク8の温度は、粉体塗料2の溶融温度より高い180℃±10℃である。
この上昇過程において、筒体保持手段15が筒体ストッパー161に規制されて上昇限に到達するまでの間は、上記の下降過程と同様に筒体保持手段15はワーク保持手段13と当接した状態を維持する。それ故、ワーク8と筒体4との位置関係は、下降過程と同様である。そのため、被塗装部810が粉体浴20から引き上げられた時点においては、図2に示すごとく、筒体4の開口端面40が粉体浴20に接した状態となる。さらに粉体浴20から筒体4が離れた後も上昇を続けることにより、ワーク保持手段13及び筒体保持手段15は各々の上昇限に到達する。以上により、上記被塗装部810の表面に上記粉体塗料2が付着したワーク8が得られる。
その後、被塗装部810に粉体塗料2を付着させたワーク8を、200℃に設定した加熱炉で5分間加熱し、粉体塗料2を硬化させて塗膜を形成する。なお、硬化後塗膜の膜厚は約800μmである。
以上のように、本例の粉体塗装方法では、ワーク8より大きな内径を有する筒体4をその開口端面40の全周が粉体浴20に浸漬された後に、筒体4の内側に配したワーク8の被塗装部810を粉体浴20に浸漬し、上記被塗装部に粉体塗料2を付着させる。
筒体4を粉体浴20へ浸漬した時の効果は、上述のごとく、筒体4の内側において粉体塗料2の流れを停止させ、筒体4内側の浴面22の高さ変動を抑制することである。それ故、筒体4を粉体浴20へ浸漬した後にワーク8を粉体浴20に浸漬すると、図2に示すごとく、被塗装部810が粉体浴20に浸漬される時点で、筒体4の内側に高さ変動が抑制された浴面22が形成されている。
従って、被塗装部810は、図3に示すごとく、浴面高さの変動が抑制された浴面22に浸漬される。それ故、粉体浴20へのワーク8の浸漬深さ制御を精度良く行うことができ、被塗装部810以外の部分に粉体塗料が付着しにくくなる。
一方、比較のため、上記粉体塗装装置1において、筒体4を取り外した状態で同様の粉体塗装を行った場合、図4に示す破線Pを超え、被塗装部810に隣接する部分811にまで付着する。
また、筒体4が粉体浴20に接してからワークが浸漬されるまでの時間を3秒以内、実際にはほぼ同時になるよう、ワーク昇降手段14を制御している。そのため、少なくとも被塗装部810が粉体浴20に浸漬されている間は、粉体浴20の浴面高さ変動をより確実に抑制することができる。以上の結果、被塗装部810のみに粉体塗料2を付着させることを容易に実施できる。
また、粉体塗装装置1は、ワーク8を保持するワーク保持手段13と、該ワーク保持手段13により保持されたワーク8を昇降して粉体浴20に浸漬するためのワーク昇降手段14と、ワーク8より大きな内径を有する筒体4とを有している。そして、粉体塗装装置1は、ワーク8を筒体4の内側において粉体浴20に浸漬できるように構成されている。そのため、粉体塗装装置1を用いることで上記粉体塗装方法を容易に実施することが可能である。
また本例においては、上記筒体保持手段15及び筒体昇降手段16を、ワーク保持手段13及びワーク昇降手段14とは別に設けている。そのため、ワーク8が粉体浴20に浸漬される深さと筒体4が粉体浴20に浸漬される深さとを各々独立に制御することができる。即ち、ワーク8が浸漬される深さに応じて筒体4が浸漬される深さを容易に調整することが可能となる。
また、上記筒体昇降手段16として、ワーク昇降手段14の駆動力を利用して、これに連動して昇降を行う機構を用いている。そのため、駆動装置1つでワーク8の昇降と筒体4の昇降とを実現できるため、装置構成が簡素となり、メンテナンス性等にも優れた装置となる。
また、上記ワーク保持手段13では、ワーク保持板130の回転軸136及び昇降アーム部131の軸受け穴137により、ワーク保持板130の表裏が反転可能である。それ故、ワーク8をワーク保持板130の上面から取り付けた後にワーク保持板130を反転させることができ、ワーク取り付けの際の作業性に優れた粉体塗装装置となる。
また、本例においては、平均粒子径が46μmである粉体塗料2を用いている。これにより、最終的に形成された塗膜には、ピンホール等の欠陥が見られなかった。なお粉体塗料2は、得ようとする塗膜の要求特性等に応じて、公知の種々の粉体塗料から適宜選択することができる。
(実施例2)
本例では、粉体塗装装置1における筒体昇降手段16における昇降機構を、筒体4の昇降を単独で駆動制御する機構を備えた筒体昇降手段17に替えた例を、図5〜図7を用いて説明する。
本例の粉体塗装装置5における筒体昇降手段17では、図5に示すごとく、コイルばね160に替えて、ワーク昇降手段14と同様にボールネジとサーボモータとを組み合わせた駆動機構を採用している。すなわち、ワーク昇降手段14に用いるものとは別のボールネジがスライド部165の基端部と連結しており、サーボモータの回転駆動力をボールネジに伝達可能に構成されている。筒体昇降手段17は、上記サーボモータの駆動力により、スライド部165及びスライド部165に固定された筒体保持板150を背部架台11に沿って単独で昇降させることが可能である。
上記粉体塗装装置5を用いた粉体塗装方法においては、ワーク8及び筒体4の下降過程で、図6に示すごとく、上記筒体昇降手段17を駆動させて筒体4を下降させ、その開口端面40の全面を粉体浴20に浸漬する。そうして、筒体4の内側の浴面高さを安定させた後に、図7に示すごとく上記ワーク昇降手段14を用いてワーク8を下降させ、被塗装部810のみに粉体塗料2を付着させることができる。
そして、上昇過程においては、被塗装部810が浸漬された後にワーク昇降手段13によりワーク8を粉体浴20から引き上げ、次いで筒体昇降手段17により筒体4を引き上げるよう制御することができる。
このように、筒体4の昇降をワーク8の昇降と同期させずに単独で制御可能な筒体昇降手段17を用いる場合には、筒体4とワーク8との位置関係を自在に制御して粉体浴20に浸漬することが可能となる。その結果、より確実にワーク8の被塗装部810のみに粉体塗料2を付着させることができる。なお、粉体塗装装置5を用いた場合においても、実施例1と同様にワーク8と筒体4とを同期して昇降させることが可能である。また、実施例1及び本例と異なるタイミングでワーク8と筒体4とを粉体浴20に浸漬するよう制御することも可能である。
1、5 粉体塗装装置
12 塗料タンク
13 ワーク保持手段
14 ワーク昇降手段
15 筒体保持手段
16、17 筒体昇降手段
20 粉体浴
3 エア吹き込み手段
4 筒体
8 ワーク

Claims (8)

  1. 粉体塗料を塗料タンク内に収容し、該塗料タンクの底部からエアを吹き込み、上記粉体塗料を流動させて粉体浴を形成し、ワークを上記粉体浴に浸漬することにより、上記ワークの一部分よりなる被塗装部に上記粉体塗料を付着させる粉体塗装方法において、
    上記粉体塗料を上記粉体浴の浴面に沿う方向に流動させた状態で、上記ワークの外径より大きな内径を有する筒体をその開口端から上記粉体浴に浸漬することによって上記筒体の壁面により上記粉体塗料の上記浴面に沿う方向の流動を妨げると共に、上記筒体の内側において上記ワークの上記被塗装部を上記粉体浴に浸漬し、該被塗装部に上記粉体塗料を付着させることを特徴とする粉体塗装方法。
  2. 請求項1において、上記ワークは、上記筒体の上記開口端の全周が上記粉体浴に接触した後に上記粉体浴に浸漬されることを特徴とする粉体塗装方法。
  3. 請求項1または2において、上記ワークは、上記筒体の開口端面の全周が上記粉体浴に接した時点から3秒以内に浸漬されることを特徴とする粉体塗装方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記ワークは巻線コイルを装着してなるモータコアであり、上記被塗装部は上記巻線コイルが上記モータコアから突出してなるコイルエンド部であることを特徴とする粉体塗装方法。
  5. 粉体塗料を収容可能な塗料タンクと、
    該塗料タンクの底部にエアを吹き込むことにより、上記粉体塗料を流動させてなる粉体浴を形成するためのエア吹き込み手段と、
    ワークを保持するワーク保持手段と、
    該ワーク保持手段により保持された上記ワークを昇降して上記粉体浴に浸漬するためのワーク昇降手段と、
    上記ワークの外径より大きな内径を有する筒体とを有し、
    上記粉体塗料を上記粉体浴の浴面に沿う方向に流動させた状態で、当該流動を上記筒体の壁面により妨げると共に、上記ワークを上記筒体の内側において上記粉体浴に浸漬できるように構成されていることを特徴とする粉体塗装装置。
  6. 請求項5において、上記ワーク保持手段は、上記ワークと共に上記筒体を保持可能に構成されていることを特徴とする粉体塗装装置。
  7. 請求項5または6において、上記ワークは、巻線コイルを装着してなるモータコアであると共に、上記巻線コイルが上記モータコアから突出してなるコイルエンド部を有することを特徴とする粉体塗装装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項において、上記塗料タンクの側壁の上端から上記粉体塗料をオーバーフローさせることによって、上記粉体浴の浴面に沿う方向に上記粉体塗料を流動させるよう構成されていることを特徴とする粉体塗装装置。
JP2011186900A 2011-08-30 2011-08-30 粉体塗装方法及び粉体塗装装置 Expired - Fee Related JP5561257B2 (ja)

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