JP5559061B2 - 界面活性剤及びf−含有化合物を含有する歯科用組成物、その作製プロセス及び使用 - Google Patents

界面活性剤及びf−含有化合物を含有する歯科用組成物、その作製プロセス及び使用 Download PDF

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Description

(発明の分野)
本発明は、界面活性剤及びF−含有化合物を含む、硬化性歯科用組成物に関する。歯科用組成物は、例えば印象材としての並びに/又はクラウン及びブリッジの作製のために用いることができる。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2007年12月18日出願の欧州特許出願第07123485.0号、及び2008年7月14日出願の欧州特許出願第08160310.2号の優先権を請求する。
歯科用印象材は当該技術分野において周知であり、長い間適用されてきた。このような材料は、典型的には、速い凝固挙動、良好な寸法安定性及び十分な保存安定性を含む、種々の特性を有している。一般に、材料は使用前に混合される2種の成分で提供され、架橋反応により硬化される。
1つの広く用いられている部類の印象材は、ポリオルガノシロキサン含有成分の付加又は縮合架橋反応に基づく。
ポリオルガノシロキサン成分を含有する歯科用印象材は、典型的には、事実上疎水性である。これらの材料をより親水性にするために、界面活性剤の組み込みが提唱されている。混合された組成物の表面上の水滴の接触角の測定は、組成物がどの程度親水性又は疎水性挙動を有するかを見出すために適切な方法である。
米国特許第5,064,891号は、シリコーン界面活性剤を含む、付加硬化性シリコン組成物について記載している。水接触角測定は、硬化した材料上で実施されている。水滴を組成物の表面上に塗布した3min(分)後に測定した水接触角は、それぞれ60°及び65°であった。
欧州特許出願公開第0 729 341(A1)号(米国特許第5,750,589号に対応)は、印象材の親水性化のためのポリエーテルカルボシランの使用について記載している。水接触角測定は、材料の硬化の30分後に実施され、42°という値が測定された。
米国特許第4,657,959号は、両性(amphotheric)及びイオン性界面活性剤を含有する組成物の実施例を含んでいる。非イオン性フッ素含有界面活性剤に関して、全部フッ素化基は、多価ヒドロカルボニル連結基(例えば−C−又は−SONR−基)を介してポリエーテル部分に結合する。
非イオン性界面活性剤とメチルフェニルポリシロキサンとの組み合わせが配合された付加硬化性シリコーン印象材は、米国特許第5,907,002号により知られている。この文書による非イオン性界面活性剤は、親水基とは別に、アルキル又はフルオロカーボン基のいずれであってもよい疎水基を有することができる。硬化した状態のこれらの配合により、28〜60°の水接触角が得られている。
欧州特許出願公開第1 290 998(A1)号(米国特許第6,861,457(B2)号に対応)は、付加硬化したシリコーン印象材組成物について記載しており、これは少なくとも2つの脂肪族炭化水素鎖を有するオルガノポリシロキサン、最低1つのアルキル鎖を有するポリエーテル、無機充填材、並びに非イオン性非フッ素化界面活性剤及び/又はポリエーテル変性シリコン油を、含有する。硬化した状態の水接触角測定は、滴の凝固1秒後で、56〜65°の範囲であった。
欧州特許出願公開第0 613 926(A1)号(米国特許第5,569,691号に対応)は、縮合硬化したポリエーテル印象材について開示しており、これは、親水性シリコーン油、ポリエチレングリコール置換フッ素化炭化水素、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー、脂肪族アルコール誘導体、アルキルフェニル誘導体、脂肪族アミン、アミノオキシド、脂肪酸グリコール又はグリセリン誘導体、脂肪酸及び脂肪酸モノエステルの群の少なくとも1つの親水性剤、を含有する。印象材の凝固30分後、水接触角測定を実施し、18〜65°の範囲の水接触角が見られた。
硬化したシリコーン印象材の湿潤性を改善するための非イオン性界面活性剤の混合物の使用は、米国特許出願公開第2004/0236003(A1)号に記載されている。ここでは、歯科用印象材に適用された非イオン性界面活性剤は、エトキシ化直鎖状又は分枝状炭化水素アルコール及び/又は酸である。
上述の特許文書では、水接触角はもっぱら硬化したゴム材料上で決定されており、したがって、界面活性剤の導入は主に凝固材料の親水性を改善することを目的としている。
国際公開第2007/080071(A2)号は、非硬化ペースト状状態において親水性をもたらす、シリコーンに基づく付加硬化した歯科用印象材について記載している。フッ素化界面活性剤とシリコーン界面活性剤の混合物の適用により、基剤と触媒ペーストの混合の40s(秒)後及び表面上における滴の凝固の3s後、10°未満のペースト状材料の水接触角が得られた。記載されている非イオン性非フッ素化界面活性剤は、少なくとも1つの部分又は完全フッ素化炭化水素残基(rest)を含有し、これは、酸素原子、アミノ基又はケト基、カルボン酸エステル基、リン酸エステル及び/又はアミドが、(ポリ)アルキレンオキシドラジカル、炭水化物ラジカル、脂肪族ポリヒドロキシラジカル若しくは窒素含有複素環式化合物に結合される、又は少なくとも1つのアミノオキシド残基を含む、少なくとも完全又は部分フッ素化残基である。
しかしながら、国際公開第2007/080071号に教示されているフッ素化界面活性剤は、歯科用途における使用に対してそれほど好適ではない場合がある。更に、一般に、この参考文献に開示されている界面活性剤は、組成物の保存安定性のような歯科用組成物の他の所望の特性に対して悪影響を有することが見出された。更に、このPCT参考文献のフッ素化界面活性剤は、典型的には、硬化した状態並びに硬化していない状態の両方で組成物から浸出し、これは印象材の正確さを望ましい水準より低くし、印象材の再現性の問題を導く恐れがある。
現在、簡単かつ便利な方法で製造及び提供することができ、取扱いが容易であり、並びに/又はコスト効率のよい印象材を作製するために更に硬化可能な組成物を提供することが望ましい。また、最初に硬化していない状態で、並びに後で硬化した状態で、良好ないし極めて優れた親水性特徴を有する硬化性組成物、特にオルガノポリシロキサン系硬化性組成物を見出すことも望ましい場合がある。また、硬化した及び/又は硬化していない状態で、組成物から最低限又は全く浸出しないF−含有化合物を見出すことも望ましい場合がある。また、硬化性組成物が改善された流動挙動を示す場合、それは有益である。
1つの態様では、本発明は、硬化性歯科用組成物であって、
a.成分(A)として、硬化性オルガノポリシロキサンポリマーと、
b.成分(B)として、オルガノポリシロキサンポリマーを架橋することができる架橋剤化合物と、
c.成分(C)として、成分(A)及び成分(B)の架橋反応を触媒することができる触媒と、
d.成分(D)として、界面活性剤と、
e.成分(E)として、以下の式:
(G−L−O)−R −O−L−G
[式中、
及びGは、それぞれ独立して、ポリオキシアルキレン基を含まない、又はF−含有化合物におけるその合計量がF−含有化合物の分子量に基づいて10重量%以下であるようにポリオキシアルキレンを含有する非イオン性末端基を表し、
及びLは、それぞれ独立して、脂肪族(例えばC1〜C9又はC2〜C6)炭化水素基又は部分若しくは全部フッ素化脂肪族(例えばC1〜C9又はC2〜C6)炭化水素基を表し、
は、一価若しくは二価の、部分若しくは全部フッ素脂肪族(例えばC1〜C9又はC2〜C6)基又は1つ以上の酸素原子に遮断されている部分若しくは全部フッ素化脂肪族(例えばC1〜C9又はC2〜C6)基を表し、
(ただし以下の条件:
(i)部分L−G及びL−Gの少なくとも1つが部分若しくは全部フッ素化されている、又は
(ii)Rが1つ以上の酸素原子に遮断されている部分若しくは全部フッ素化脂肪族基(例えばC1〜C9又はC2〜C6)である、のうちの少なくとも1つを満たす)]を有するF−含有化合物と、を含む、組成物を提供する。
用語「非イオン性末端基は、水性媒質中でイオン種に解離する基を含まない末端基を意味する。イオン性基の例としては、酸基並びに塩が挙げられる。
特定の実施形態では、G及びGは独立して、−COOR、−CONR、−CHOH、−CFOR、−CHFOH、−CHFOR、−CHOR又は−F[ここで、Rは、所望により、ヒドロキシ若しくはアミノ基又はハロゲン原子に置換される芳香族又は脂肪族炭化水素基を表し、R及びRは、独立して、H、又は、所望により、ヒドロキシ若しくはアミノ基又はハロゲン原子に置換される芳香族若しくは脂肪族炭化水素基を表す]から選択される。
更に、特定の実施形態では、G及び/又はGは、成分(A)と(B)との間の架橋反応に関与することができる基を含んでよい。したがって、1つの実施形態では、末端基のいずれか又は両方を成分(A)又は(B)のいずれかと反応させることができる官能基と置換してよい。
1つの特定の実施形態では、本発明は、歯科用組成物であって、
a.成分(A)として、ヒドロシレーション触媒の存在下でSiH基と反応することができる少なくとも2つの官能基を含有する硬化性シリコーンポリマーと、
b.成分(B)として、少なくとも2つのSiH基を含む、架橋剤化合物と、
c.成分(C)として、ヒドロシレーション反応を触媒することができる触媒と、
d.成分(D)として、界面活性剤と、
e.成分(E)として、以下の式:
−X−[(O−CF−CF−(O−CF−(O−CF(CF)−CF−(O−CF−CF−CF−O]−X−T
[ここで、u=0〜8、v=0〜8、w=0〜8、及びx=0〜8、並びにu+v+w+x≧1であり、
式中、T及びTは、等しくても異なってもよく、独立して、−COOR、−CONR−CHOH、−CFOR、−CHFOH、−CHFOR、−CHOR又は−F(ここで、Rは直鎖状又は分枝状アルキル残基(C1〜C9)、アリール残基(C1〜C9)又はアルキルアリール残基(C1〜C9)であり、これらのそれぞれは所望によりヒドロキシル、アミノ基、ハロゲン原子、SiH基又はSiHと反応することができる基からなる群から選択される1つ以上の置換基に置換してもよく、R及びRは、独立して、Hを表す、又はRに与えられた意味を有する)から選択され、
Xは−(CF1〜6−、−CF(CF)−及び−CHF−CF−から選択される]を有する、少なくとも1つのF−含有化合物と、を含む、組成物に関する。
SiHと反応することができ、末端基T及びTのいずれか又は両方に含まれ得る基の例としては、例えばCH=CH−Si(CH)−を含む、例えばビニルジアルキルシロキサンのようなビニルシロキサン基が挙げられる。
別の態様によると、本発明は、使用前にそれぞれが互いに分離されている基剤ペースト及び触媒ペーストを含む、部品のキットであって、基剤ペーストが、成分(A)と(B)を含み、触媒ペーストが成分(C)又は(C)及び(A)を含み、成分(D)及び/又は(E)並びに他の任意の成分が、基剤ペースト若しくは触媒ペーストのいずれか、又は基剤ペースト及び触媒ペーストに存在してよいキット、を特徴とする。典型的には、基剤ペーストは触媒を含まない。
本発明の更なる態様は、F−含有化合物を、硬化性オルガノポリシロキサンポリマーに基づき、界面活性剤、好ましくはSi−含有界面活性剤を含む、固化性マトリックスと組み合わせる工程を含む、歯科用組成物の作製方法を目的とする。
更に別の実施形態では、本発明は印象材としての又はクラウン及びブリッジの調製のために歯科用組成物を使用する方法に関する。
更に、本発明はまた、硬化性オルガノポリシロキサンポリマーに基づき、界面活性剤を含む、固化性組成物の親水性を高めるために、F−含有化合物を使用する方法を目的とする。
F−含有化合物のオルガノポリシロキサンポリマー歯科用印象材の配合への添加は、一般に、硬化性オルガノポリシロキサンに基づく歯科用組成物の湿潤挙動(親水性)に影響を与えることが見出されている。典型的には、親水性表面(ヒトの皮膚、粘膜、歯肉(ginigiva)及び歯牙構造を含む)に対する歯科用組成物の湿潤挙動が改善される。
F含有化合物は、典型的には、水に全く溶解しないか、又は非常に限られた量しか溶解しない。一般に、本発明に従って用いられるF−含有化合物は、水への溶解度が限定されているにもかかわらず、一般に、最初に及び/又は硬化した状態で、硬化性組成物の親水性を改善することができる。更に、F−含有化合物は、典型的には、硬化していようといまいと、組成物から浸出する傾向が低い場合がある。典型的には、F−含有化合物は、硬化性組成物の他の所望の特性に全く又はほとんど悪影響を与えず、更にはいくつかの所望の特性を改善することができる。
本発明に記載するF−含有化合物を含むが、界面活性剤を含まない歯科用組成物は、典型的には、エトキシ化非イオン性フルオロ界面活性剤Zonyl(商標)FSO−100(DuPont)のような、典型的なフッ素化界面活性剤を含有する組成物とは対照的に、改善された湿潤挙動を示さないことが見出されている。
これとは対照的に、界面活性剤と組み合わせて、あるF−含有化合物を含有する歯科用組成物は、典型的には、特に硬化していない状態で改善された湿潤挙動を示す。
したがって、F−含有化合物は、界面活性剤と組み合わせて相乗効果を提供することができる。
更に、いくつかの実施形態に関して、界面活性剤と組み合わせた、本発明の文章に記載するようなF−含有化合物を含有する硬化した歯科用組成物は、例えば国際公開第2007/080071号(A2)号の実施例に提案されているF−含有化合物を含有する歯科用組成物と比べて、改善された保存安定性を示すことも明らかになっている。
更に、いくつかの実施形態に関して、本発明によるF−含有化合物を含む、触媒ペーストが改善された保存安定性を示すことも明らかになっている。ある実施形態は、国際公開第2007/080071(A2)号の実施例に提案されているF−含有化合物を含有する組成物より安定である。
定義
本発明の明細書では、以下の用語を次のように定義する。
用語「化合物」は、特定の分子同一性を有する化学物質であるか、又は例えば、ポリマー性物質等の物質の混合物から作製される。
用語「ヒドロシレーション」は、脂肪族多重結合(例えば、オレフィン性又はアセチレン性不飽和)、好ましくはビニル基、−CH=CHを含有する化合物に、SiH基を含む、オルガノポリシロキサン化合物を添加することを意味する。
「ペースト」は、液体に分散した、軟らかく、粘稠な固体の塊を意味する。
用語「シリコーン」は、本明細書で使用するとき、大部分はシリコン及び酸素原子を交互に有し(すなわち、ポリシロキサン化学構造)、架橋剤化合物及び触媒化合物の存在下で凝固反応を受けるのに十分なペンダント官能基を有するポリマーを指す。
「固化性マトリックス」は、成分間の化学的相互作用(例えば化学結合の形成)による網状構造の形成の一因となり、それにより粘度のようなレオロジー特性を著しく変化させる組成物の成分として記載することができる。
用語「加硫、固化、架橋、凝固」は互換的に用いられ、一般的な属性として、同時にこれらの架橋を形成し、室温で効率よく鎖長を伸ばす化学反応を用いて、比較的低分子量の直鎖状又は分枝状ポリマーからの架橋されたエラストマーの発生を有するシリコーンを指す。「室温加硫」は、25℃又は25℃付近の温度で進行することができる硬化反応を意味する。例えば、口の口腔は、およそ32℃の平均温度を有し、したがって室温付近である。ある「高」温で硬化する材料は、比較的高温(例えば、>50℃又は>100℃)でのみ硬化し、室温で長期間安定である(すなわち、硬化反応が遅れる)よう設計される。
用語「架橋ポリマー」は、本明細書で使用するとき、例えば、シリコーンエラストマーの架橋した網状構造特徴を形成するために、ポリマーの官能基(1つ又は複数)と反応してそれらを長くし、それらを結合させるポリマーを指す。熱可塑性ポリマー(すなわち、加熱時に軟化し流動するポリマー)とは対照的に、架橋ポリマーは、架橋後、特徴的に更に流動することはできない。
用語「作用時間」は、本明細書で使用するとき、凝固反応の開始(例えば、ビニル含有オルガノポリシロキサン、オルガノヒドロポリシロキサン、及び白金触媒を混合したとき)と、意図する目的のために系を更に物理的に加工する、例えば、それを作り直すことがもはや現実的ではない点まで凝固反応が進行した時間との間の時間を指す。反応がこの後者の点まで進行したとき、材料はその「ゲル点」に達したと言われる。作用時間は、好ましくは、組成物を混合し、その望ましい形態にするのに十分な時間を提供する。多くの歯科用印象材組成物及び用途では、使用条件下における作用時間は、約30s(秒)超、約1min(分)超、又は約2min超であってよい。したがって、作用時間は、典型的には約30s〜約3min、又は約1min〜約2minの範囲内である。いわゆる「速い凝固性」組成物は、典型的には、より短い作用時間、例えば約2min未満又は約1.5min未満を有する。
用語「凝固する時間」又は「凝固時間」は、本明細書で使用するとき、本質的に材料の最終的な硬化した状態の特性が得られるように、十分な硬化が生じる時間を指す。シリコーン印象材では、凝固時間は、シリコーン材料の永続的な変形を引き起こすことなく、複製された表面から材料を取り外すことができる時間である。凝固時間は、例えば、振動レオメータ上で反応組成物のトルクを測定することにより概算することができる。トルク値が最大値に達したとき、材料は完全に凝固したと言われる。あるいは、典型的な最大値未満である任意のトルク値(例えば最大値の90%)を、凝固時間の実用的な近似値として用いてよい。一般に、長い凝固時間よりも、短い凝固時間の方が好ましい。歯科用印象材組成物では、凝固時間は、好ましくは反応開始後約10分未満の時間で生じる。より好ましくは、凝固時間は、約5分+作用時間の合計よりも短い。最も好ましくは、凝固時間は所望の作用時間より少しだけ長い。
より具体的には、凝固時間は、患者の口内に歯科用材料をスプーンで配置してから硬化した材料を取り外すまでの時間であり、かつ口内滞留時間又は期間とも呼ぶことができる。約<3分の口内滞留時間、好ましくは約<2.5分、特に好ましくは約<2分の凝固時間は、印象材の状況に合わせて作業する歯科医にとって望ましい特性である。例えば、単相印象材Imprint(商標)(3M ESPE)は、約5分の凝固時間を有し、一方Palgat(商標)(3M ESPE)のような典型的なアルギン酸印象材は約4分の凝固時間を有する。
「歯科印象」は、人間の歯列の一部又は全てを正確に表現するものとして説明することができる。それは、次いで歯列の型(物理的)を作製するために用いることができる人間の硬質歯組織の「ネガティブ」を形成する。これは、義歯、クラウン、又は他の補綴物の製作に用いることができる。印象は、特定ユーザに合わせて設計したトレイ内で、口内に液体材料を入れることにより実行される。次いで、材料が凝固して、弾性固体になり、口から取り出したとき歯の形状を保持する。歯科印象に用いられる一般的な材料は、アルギン酸ナトリウム、寒天、アジリジノ置換ポリエーテル材料を含むポリエーテル、並びに縮合硬化シリコーン及びポリビニルシロキサンを含む付加硬化シリコーンの両方を含む、シリコーンである。
用語「歯組織」は、硬質歯質(エナメル質及び象牙質)、硬質歯質及び歯列矯正装具を有する硬質歯質を取り囲む歯肉領域(軟質歯組織)を含む。
界面活性剤(時にテンサイド(tenside)とも呼ばれる)は、液体の表面張力を低下させることができ(これにより展延が容易になる)、2種の液体間の界面張力を低下させることができる湿潤剤である。
界面活性剤は、通常、両親媒性(これは疎水基(「尾部」)及び親水基(「頭部」)を両方含むことを意味する)である有機化合物である。典型的な例としては、ポリエチレングリコール置換脂肪酸が挙げられる。
通常、界面活性剤は、その頭部における形式上の荷電基の存在により分類することができる。非イオン性界面活性剤は、その頭部に荷電基を有しない。イオン性界面活性剤の頭部は、実効電荷を保有する。荷電が陰性である場合、界面活性剤はより具体的にアニオン性と呼ばれ、荷電が陽性である場合、カチオン性と呼ばれる。界面活性剤が2つの逆荷電基を有する頭部を含む場合、それは双極性イオン性と呼ばれる。
界面活性剤は、典型的には、液体−気体界面で吸着により水の表面張力を低下させる。それらはまた、液体−液体界面で吸着により、油と水との間の界面張力を低下させることができる。多くの界面活性剤はまた、バルク溶液中で凝集体に集合することもできる。これらの凝集体のいくつかは、ミセルとして、知られている。界面活性剤がミセルを形成し始める濃度は、臨界ミセル濃度(CMC)として、知られている。
界面活性剤はまた、「親水性疎水性バランス」値(HLB値)により特徴付けることもできる。一般に、HLB値が増加するにつれて、物質はより疎水性になり、逆の場合より親油性になる。ある物質のHLB値の測定は、例えば、H.Schott、J.Pharm.Science,58,1442,(1969)に記載されている方法を用いて、その水溶解度及び曇り点を決定することにより達成できる。例えば製品の説明書によると、Silwett(商標)L−77(Si含有界面活性剤)は、5〜8の範囲の推定HLB値を有すると言われている。
「初期水接触角」は、実験の時間0秒(s)における水滴の接触角として、定義される(θ0s(°))。実験の開始時間は、表面上に水滴を設置するために用いられるカニューレが水滴の形状に影響を及ぼさないとき、すなわち、水滴の定置後できる限り早く水滴からカニューレが取り除かれたときの時間として、定義される。したがって、理想的には、この時間は水滴の表面への最初の接触に対応する。更に、初期接触角は、基剤ペーストと触媒ペーストを混合した後いつでも決定することができる。用語「初期」は、混合後の時間を意味しない。初期接触角は、例えば角度計DSA 10(Kruss)を用いて、以下の実施例の章により詳細に記載するような水接触角測定から決定することができる。水接触角が小さいことは、典型的には湿潤性が良好であることを示す。
用語「自動ミキサに好適な印象材」は、例えば、SulzerMixpac Companyの静的ミキサ(例えば米国特許第5,464,131号、欧州特許公開第0 730 913(A1)号を参照)を通じて2成分使い捨てカートリッジから、又は例えば、3M ESPE Companyの「Pentamix(商標)」、「Pentamix(商標)2」及び「Pentamix3」装置(米国特許第5,286,105号及び同第5,249,862号を参照)の動的ミキサを通じて複室再利用可能カートリッジのフィルムバッグから分配され得る多成分印象材を指す。
「歯科用組成物」は、本発明の意味では、歯列矯正分野を含む、歯科分野(修復及び補綴作業を含む)で用いることを意図し、そのために適合された組成物である。この観点では、歯科用組成物は、典型的には有害物質を含有しない。市販製品は、ISO 4823に示されるもの等の要件を満たさなければならない。典型的には、これらの組成物は周囲条件で硬化又は凝固する。
一時的又は長期クラウン及びブリッジ材料は、(メタ)アクリレートを含む固化性モノマーを含有する歯科用クラウン及びブリッジの調製に用いられる材料を意味する。これらの材料は、典型的には、永久修復を作製するために必要な期間中用いられる。典型的な期間は、数日(例えば3〜5日)、数週間(1〜3週間)から数ヶ月(1〜6ヶ月)に及ぶ。長期クラウン及びブリッジ材料は、典型的には、約6〜約24ヵ月の期間にわたって使用される。
本明細書で使用する時、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、同じ意味で使用されている。用語「含む」又は「含有する」及びこれらの変化形は、これらの用語が明細書及び特許請求の範囲で用いられた場合、制限的な意味を有しない。また本明細書において、端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等)が包含される。
特に指示がない限り、明細書及び請求項で使用される成分の量、コントラスト比のような特性の測定等を表す全ての数は、全ての場合に用語「約」によって修正されることが理解されるべきである。したがって、特に異議を唱えない限り、先の明細書及び添付した特許請求の範囲に記載した数値パラメータは、当業者により本発明の教示を利用して獲得しようとされる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、また特許請求の範囲の範囲と等価物の原則の適用を制限しようとするものではないが、それぞれの数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数値を考慮して、通常の数値のまるめ方を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかしながら、いずれの数値もそれらのそれぞれの試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。
例示された組成物の水接触角の時間依存性。
硬化性歯科用組成物のある実施形態は、以下の特性のうちの少なくとも1つにより特徴付けることができる:
稠度(ISO 4823に従って):0、1、2、若しくは3、及び/又は
凝固時間:周囲条件(例えば23℃)で混合後約15分以内。
つまり、硬化性歯科用組成物は、同等の低粘性挙動(稠度3)、中粘性(稠度1又は2)を示す、又はパテ様挙動(稠度0)を示すことができる。
硬化歯科用組成物のある実施形態は、以下の特性のうちの少なくとも1つにより特徴付けることができる:
引張強度(DIN 53504に従って):少なくとも約0.2MPa、少なくとも3.0、又は少なくとも約4.0、
破断点伸び(DIN 53504に従って):少なくとも約30%、少なくとも約150%、又は少なくとも約200%、
変形からの回復(ISO 4823に従って):少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約98%、
ショアA硬度(ISO 4823に従って;24時間):少なくとも約20又は少なくとも約40。
歯科用組成物はまた、その水接触角により特徴付けることができる。
組成物のある実施形態は、成分の混合後10s、60sの水滴時間で約20°未満又は約13°未満の水接触角を有する(例えば以下の実施例の章に記載する方法に従って決定される)。
組成物のある実施形態は、あるいは又は上記水接触角に加えて、成分の混合の40s後約80°未満の初期水接触角を有する(例えば以下の実施例の章に記載する方法に従って決定される)。
本発明による歯科用組成物は、成分(A)として、オルガノポリシロキサンポリマー(時に本出願ではシリコーンポリマーとも呼ばれる)と、成分(B)として、架橋剤と、成分(C)として、好適な触媒と、を含む。
本発明の1つの実施形態では、歯科用組成物は、成分(A)として、ヒドロシレーション触媒の存在下でSiH基と反応することができる少なくとも2つの官能基を含む、硬化性シリコーンポリマーを含有する。
典型的には、硬化性シリコーンポリマーは、少なくとも2つのペンダント又は終端トリオルガノシロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであり、ここで、3つの有機基のうちの少なくとも1つはエチレン性不飽和二重結合を有する基である。
一般に、エチレン性不飽和二重結合を有する基は、オルガノポリシロキサンの任意のモノマー単位に位置することが可能である。しかしながら、エチレン性不飽和二重結合を有する基は、オルガノポリシロキサンのポリマー鎖の末端のモノマー単位に、又は少なくともその近くに位置していることが好ましい。別の実施形態では、エチレン性不飽和二重結合を有する基のうちの少なくとも2つは、ポリマー鎖の末端のモノマー単位に位置している。
本明細書を通して使用されるとき「モノマー単位」という用語は、別段の明示的な指定がない限り、ポリマー骨格を形成する、ポリマー中の反復構造要素に関する。
この一般構造の好ましいオルガノポリシロキサンは、次の式で表される:

(式中、ラジカルRは、互いに独立して、好ましくは脂肪族多重結合を含有しない、1〜約6個のC原子を有する非置換又は置換の、一価の炭化水素基を表し、ここで、nは、一般に、オルガノポリシロキサンの粘度が約4〜約1,000,000mPas、約6〜約500,000mPas、又は約10〜約100,000mPasとなるように選択することができる)。パラメータnは、例えば、約10〜約10,000の範囲であることが可能である。
一般に、上記式中のラジカルRは、1〜約6個のC原子を有する任意の非置換又は置換の、一価の炭化水素基を表すことができる。1〜約6個のC原子を有する非置換又は置換の、一価の炭化水素基は、直鎖状であるか、又は炭素原子数が2を超える場合は、分枝状又は環状であり得る。一般に、ラジカルRは、それらが組成物のいずれかの他の構成要素又は置換基に干渉せず、かつ硬化反応に干渉しない場合、あらゆる種類の置換基(1つ又は複数)を有することができる。
本明細書に関して使用するとき、「干渉」という用語は、組成物の他の置換基若しくは構成要素のうちの少なくとも1つ、又は硬化反応、あるいはこれら両方に対するこのような置換基のあらゆる影響に関し、干渉は、固化した製品の特性にとって有害である可能性がある。
本明細書に関して使用するとき、「有害な」という用語は、それらの意図される用途における前駆体又は硬化した製品の実用性に悪影響を及ぼす、前駆体又は硬化した製品の特性の変化に関する。
本発明の別の実施形態では、ラジカルRの少なくとも約50%がメチル基である。上記式によるオルガノポリシロキサンに存在し得る他のラジカルの例は、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチル異性体、ヘキシル異性体、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−及び3−n−ブテニル、ペンテニル異性体、ヘキセニル異性体、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのフッ素置換脂肪族ラジカル、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基、シクロペンテニル基又はシクロヘキセニル基、あるいはフェニル基又は置換フェニル基などの芳香族基又は複素環式芳香族基である。このような分子の例は、米国特許第4,035,453号に記載されており、その開示内容、特に分子、それらの化学構造、及びそれらの調製に関する開示内容は、本明細書の開示内容の一部であるとみなされ、参照として本明細書に組み込まれる。
上記式による分子の調製は、当業者には一般に、同様の分子に関する先行技術の教示に基づいて理解されよう。
特定の粘度範囲内の粘度を有し、かつ末端基がジメチルビニルシロキシ単位とラジカルRとして、メチル基と、を含む、上記式による直鎖状ポリジメチルシロキサンが特に好ましい。
本発明により用いることが可能な成分(A)は、オルガノポリシロキサンの1種である(A1)からなることが可能である。オルガノポリシロキサンは、約5〜約1,000,000mPas、約10〜約500,000mPas、約20〜約50,000、又は約30〜約40,000mPasの範囲で始まる粘度を有することができる。
ただし、成分(A)はまた、2つ以上の構成要素、(A1)、(A2)等を含むことも可能であり、それらの構成要素は、例えば、それらの骨格の化学組成が異なる、それらの分子量が異なる、それらの置換基若しくはそれらの粘度が異なる、任意の他の区別のつく特徴、又は上述の特徴のうちの2つ以上が異なり得る。
本発明の一実施形態では、成分(A)の種々の構成要素の粘度の差は、2倍を超える可能性があり、例えば、約5倍を超え、約10倍を超え、約20倍を超え、約30倍を超え、約40倍を超え、約50倍を超え、約60倍を超え、約70倍を超え、約80倍を超え、約90倍を超え、又は約100倍を超える可能性がある。粘度の差は、更に高く、例えば、約200倍を超え、約300倍を超え、約500倍を超え、約800倍を超え、約1,000倍を超え、又は約5,000倍を超える可能性があるが、それは好ましくは、約10,000倍より高い値を超えるべきではない。前述の値は、粘度の差についての係数に関するものであって、粘度値自体に関するものではないことに留意すべきである。
粘度は、Haake Rotovisco RV20装置(スピンドルMV、測定カップNV)を用いて測定することができる。粘度は、典型的には23℃で測定される。システムを稼動して調整した後、スピンドルMVを取り付ける。次に、測定しようとする材料を、測定カップNVに入れる。過度に遅延せず、スピンドルを測定カップNVまで降ろす。スピンドルは、最大厚さ1mmの材料の層で覆われていなければならない。測定しようとする材料の温度を23℃で20分に調整する。スピンドルを回転させ始めることによって測定を開始して、測定開始20秒後の粘度値(mPas)を記録する。測定カップNVがどんなときでも回転又は移動しないことを確実にするように注意を払わなければならない。粘度値は、mPasで得られる。上記測定方法は、DIN 53018−1に対応する。
成分(A)が異なる粘度の構成要素を含有する場合、最も低い粘度を有する構成要素の量と最も高い粘度を有する構成要素の量との比は、前駆体及び硬化した樹脂の所望の特性に依存して、比較的自由に選択することができる。しかしながら、最も低い粘度を有する構成要素の量と最も高い粘度を有する構成要素の量との比が約1:20〜約20:1の範囲内、特に約1:10〜約10:1、又は約1:5〜約5:1であれば、有利であり得る。良好な結果は、例えば約1:3〜約3:1、又は約1:2〜約2:1までの比の場合に得ることができる。更には、最も高い粘度を有する構成要素の量が、最も低い粘度を有する構成要素の量とほぼ同じかそれよりも多い場合に適当である場合があり、その結果、最も高い粘度を有する構成要素の量と最も低い粘度を有する構成要素の量との比が約0.9:1〜約3:1の値となる。比はいずれも、構成要素の重量に基づいている。
本発明のある実施形態では、歯科用組成物は、成分(A)の一部として、多官能性(3又は4官能性を含む)エチレン性不飽和化合物を含んでよい。これらの化合物は、硬化組成物の引張強度の改善に寄与することができる。
これらの化合物としては、例えば国際公開第2004/098542号(成分(H))に記載されているシラン化合物、及び米国特許出願公開第2002/0193502号に記載されているQM樹脂(4官能性不飽和シロキサン)、特に段落[0024]〜[0026]に言及されているものが挙げられる。これらの文書の開示は、シラン化合物及びQM樹脂に関して明記しており、参照することにより本明細書に組み込まれ、本開示の一部とみなされる。
国際公開第2004/098542号に記載されている成分(H)は、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する少なくとも1つのシラン化合物を含有する。好ましいシラン化合物は、以下の一般式Si(R(R4−n(式中、Rは、2〜12個の炭素原子を有する、SiH基との付加反応を受けることができる直鎖状、分枝状又は環状一価エチレン性不飽和基置換基であり、Rは、SiH基との付加反応を受けることができる、又は1〜12個の炭素原子とのこのような反応に有害な影響を及ぼす基を有しない一価ラジカルであり、nは、2、3、又は4である)である。特に好ましいラジカルRとしては、ビニル、アリル及びプロパルギルが挙げられ、特に好ましいラジカルRとしては、直鎖状又は分枝状C1〜C12アルキル基が挙げられる。
成分(A)として、SiH基と反応することができる少なくとも2つの官能基を含有する硬化性シリコーンポリマーを用いる上記実施形態による歯科用組成物では、組成物は、成分(B)として、又は成分(B)の一部として、少なくとも2つ又は3つのSiH基を含有する架橋剤化合物を、更に含む。
定義により、本文章によるオルガノヒドロジェンポリシロキサンは、本実施形態の文脈で記載される、成分(A)又は成分(A)の一部として、用いられるオルガノポリシロキサンの群に属さない。
成分(B)として、用いるためのオルガノヒドロジェンポリシロキサンは、典型的には、約0.01〜約1.7重量%のシリコン結合水素、又は約1.0〜9.0mmolSiH/gを含有する。水素原子又は酸素原子で飽和されていないケイ素原子価は、典型的には、エチレン性不飽和結合を有しない一価の炭化水素ラジカルRで飽和される。
炭化水素ラジカルRは、互いに独立して選択されてよく、1〜12個のC原子を有する、エチレン性不飽和結合を有さない、直鎖状、分枝状又は環状の、非置換又は置換の、脂肪族又は芳香族の一価の炭化水素基を表す。本発明の好ましい実施形態では、ケイ素原子と結合している炭化水素ラジカルRのうちの少なくとも約50%、好ましくは約100%がメチルラジカルである。
成分(B)として、好適であり得るオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、約10〜約1,000mPas、約15〜約550mPas、又は約20〜約150mPasの粘度を有するものが挙げられる。
本実施形態の組成物はまた、成分(C)又は成分(C)の一部として、ヒドロシレーション反応を触媒することができる触媒を含有する。
この触媒は、典型的には、白金触媒又は白金含有触媒であり、テトラメチルジビニルジシロキサンで還元することにより、ヘキサクロロ白金酸から調製できる白金錯体が挙げられる。このような化合物は、当業者に既知である。エチレン性不飽和二重結合を有するシランの付加架橋を触媒又は加速する任意の他の化合物もまた、適している。例えば米国特許第3,715,334号、米国特許第3,775,352号及び米国特許第3,814,730号に記載されているような白金−シロキサン錯体が、適している。これらの特許の開示は、白金錯体及びその調製に関して明記しており、明示的に本文章の開示の一部とみなされる。
触媒は、典型的には、約0.00005〜約0.05重量%、特に約0.0002〜約0.04重量%の量で用いることができ、それぞれ元素白金として計算され、組成物の全体の重量に対する。
成分(A)、(B)、及び(C)は、歯科用組成物の固化性マトリックスの構成要素である。
代替実施形態では、歯科用組成物は、縮合硬化性シリコーンポリマーの縮合硬化に基づく硬化性シリコーンポリマー組成物を使用してよい。縮合硬化性オルガノポリシロキサンは、例えば独国特許第41 37 698号に記載されている。縮合硬化性シリコーンポリマーに基づく歯科用組成物の例は、硬化性組成物の成分(A)及び(B)として、少なくとも2つのヒドロキシ基を有するポリジアルキルシロキサン、及び例えばアルコキシ基のような2つ以上の加水分解性基を有するシラン化合物を含む。硬化触媒として、スズ又はチタン化合物を用いてよい。
2つ以上のヒドロキシ基を有する好適なポリシロキサンの例としては、ポリマー鎖の両方の反対端がヒドロキシ基で終端する、ポリジアルキルシロキサン、例えばポリジメチルシロキサンが挙げられる。一般に、ヒドロキシル終端ポリジアルキルシロキサンは、約900〜500,000、例えば1500〜150,000g/molの重量平均分子量を有する。
2つ以上の加水分解性基を有する好適なシラン化合物としては、特にケイ酸のエステル、ポリケイ酸のエステル、及びケイ素原子に結合した2つ以上のアルコキシ基を有するポリシロキサンが挙げられる。典型例としては、式:
(RO)−SiR 3−m−B−SiR 3−m−(OR
SiR (OR’)4−z及び
O−[Si(ORn1−Si(OR
[上記式中、Bは、式−O−(SiR−O)m2−の二価の基を表し、ここで、Rは、所望により、置換されてよい芳香族又は脂肪族炭化水素基を表し、m2は、10〜6000の値を表し、R’及びRは、独立して、置換されてよいアルキル基又はアリール基を表し、n1は、1〜100の値を表し、mは、1〜3の整数を表し、zは、0、1又は2である]による化合物が挙げられる。
好適な縮合硬化触媒としては、例えばテトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、ジオクチル亜鉛ジラウレート、ジブチル亜鉛ジラウレート、テトラ−n−ブチルジルコネート及びテトラ−n−プロピルジルコネートのような、有機亜鉛化合物、チタン酸塩、ジルコン酸塩が挙げられる。
本発明による歯科用組成物は、成分(D)として、界面活性剤又は界面活性剤の混合物を含む。使用してよい界面活性剤又は親水性化剤は、一般に、シリコーン部分含有材料の親水性を改善する全ての種類の界面活性剤から自由に選択することができる(特に、ヒドロシレーション反応を介して硬化可能な場合)。
好ましくは、界面活性剤の使用は、材料の特性又は硬化性組成物の硬化挙動に負の影響を与えない、又は少なくとも避けられる若しくは耐えられる。
本発明によるシリコーン材料の親水性を改善することができる有用な界面活性剤は、一般に、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、若しくは非イオン性界面活性剤、又はこのような種類の界面活性剤のうちの2つ以上の混合物から選択することができる。
本発明による材料は、親水化剤として、非イオン性界面活性剤、又は2つ以上の非イオン性界面活性剤の混合物を含む場合が好ましい場合がある。
成分(D)は剤又は複数の剤を含んでよく、それらは、一般に、組成物に対して親水特性を高めることができ、例えば材料(その硬化した又は未硬化の状態で)上での水又は水溶液又は分散液(例えば石膏懸濁液等)の水滴の湿潤角の低下で示され、その湿潤角は成分(D)を含まない同様のシリコン組成物上で達成される湿潤角を上回る。
ある実施形態では、界面活性剤は、ポリシロキサン網状構造に組み込まれないように、反応性基を含有しない。
ある実施形態では、界面活性剤又は少なくとも1種の界面活性剤は、成分(D)が2種以上の界面活性剤を含む場合、Si含有部分を含有する、つまり、Si含有界面活性剤と称することができる。
例えば欧州特許第0 480 238(B1)号に記載されているエトキシ化脂肪族アルコールが、同様に使用できる。
また、米国特許第4,782,101号に記載されている非イオン性界面活性物質、すなわち公報に列挙されているノニルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール−モノエステル及びジエステル、ソルビタンエステル、並びにポリエチレングリコール−モノエーテル及びジエーテルも好ましい。親水化剤及びその調製に関して後者の文書の内容を参照することにより明示的に記述し、本発明の開示の一部とみなす。
好適な親水化剤は、固化した高分子網状組織に共有的に組み込むことができない親水性シリコーン油の群に由来する湿潤剤であり得る。好適な親水化剤は、例えば米国特許第4,657,959号及び欧州特許第0 231 420(B1)号に記載されており、親水化剤に関するそれらの内容は、参照として明示的に記述され、そして本発明の開示内容の一部とみなされる。
有用な界面活性剤はまた、一般式Q−P−(OC2n−OTのポリエーテルカルボシランを含み、式中、Qは、R−Si−又は
−Si−(R’−SiR−R’−SiR’’
[ここで、分子中のRは全て、同一であっても異なってもよく、脂肪族C〜C18、脂環式C〜C12又は芳香族C〜C12炭化水素ラジカルを意味し、これらは、所望により、ハロゲン原子に置換されてよく、R’は、C〜C14アルキレン基であり、R’’は、a≠0の場合Rであり、又はa=0の場合は、R若しくはRSiRであり、a=0〜2であり、Pは、C〜C18アルキレン基、好ましくはC〜C14アルキレン基、又はA−R’’’(式中、Aは、C〜C18アルキレン基、及び次のリストからのR’’’官能基を表す:−NHC(O)−、−NHC(O)−(CH2)n−1−、−NHC(O)C(O)−、−NHC(O)(CH2)C(O)−、−OC(O)−、−OC(O)−(CH2)n−1−、−OC(O)C(O)−、−OC(O)(CHC(O)−、−OCHCH(OH)CHOC(O)(CH2)n−1−、−OCHCH(OH)CHOC(O)(CH2)C(O)−(ここで、v=1〜12である)を表す]を意味し、Tは、Hであるか、又はC〜Cアルキルラジカル若しくはC〜Cアシルラジカルを意味し、xは、1〜200の数を意味し、nは、1〜6の平均数、好ましくは、1〜4を意味する]。したがって、要素−SiR’’−はまた、構造−Si(R)(RSiR’)−を含んでもよい。
ポリエーテル部分は、ホモポリマーであり得るが、スタティスティックコポリマーであっても、交互コポリマー体であっても、又はブロックコポリマー体でもあり得る。
単独で又はそれらの2つ以上の混合物として、使用できる界面活性剤は、米国特許第5,750,589号(Zech et al.)、col.2,I.47〜col.3,I.27及びcol.3,I.49〜col.4,I.4及びcol.5,I.7からcol.14,I.20に見出すことができる。
単独で又はそれらの2つ以上の混合物として、使用できる他の界面活性剤は、米国特許第4,657,959号(Bryan et al.)、col.4,I.46〜col.6,I.52並びに欧州特許第0231420(B1)号(Gribi et al.)p4,I.1〜p.5,I.16及び実施例に見出すことができる。
米国特許第5,750,589号、米国特許第4,657,959号及び欧州特許第0 231 420(B1)号は明示的に記載されており、及び本発明による成分(D)として、利用できる化合物についての開示内容の出典として本明細書に引用される。文書及び特にそれらの前述の引例における親水化剤に関する開示内容を参照として組み込み、また本明細書の開示内容の一部とみなす。
界面活性剤のいくつかは、以下の式に要約することができる。

(式中、それぞれのRは、独立して、1〜22個のC原子を有する一価のヒドロカルビルラジカルであり、Rは、1〜26個のC原子を有する二価のヒドロカルビレンラジカルであり、それぞれのRは、独立して、水素又は低級ヒドロキシアルキルラジカルであり、Rは、水素又は1〜22個のC原子を有する一価のヒドロカルビルラジカルであり、n及びbは、独立して、0以上であり、m及びaは、独立して、0以上であるが、ただし本発明の硬化した組成物が所望の水接触角を有するのにaが十分な値でありかつbが十分に小さい)。
好ましくは、R及びRは−CHであり、Rは、−C−であり、Rは、水素であり、nは、約0又は約1であり、mは、約1〜約5であり、aは、約5〜約20であり、かつbは、約0である。
このようなエトキシ化界面活性剤のいくつかは、例えば「SILWET」界面活性コポリマーを含み、Momentive Performance Materials Inc.から入手可能である。好ましい界面活性コポリマーとしては、Silwet 35、Silwet L−77、Silwet L−7600及びSilwet L−7602、Silwet L−7608、並びにSilwet Hydrostable 68及びSilwet Hydrostable 611が挙げられる。Silwet L−77は、上記式に相当すると考えられる、特に好ましいエトキシ化界面活性剤であり、式中、R及びRは、−CHであり、Rは、−C−であり、Rは、水素であり、nは、約0又は約1であり、mは、約1又は約2であり、aは、約7であり、bは、約0である。また、Lubrizol performance products(Spartanburg,US)から入手可能な、MASIL(登録商標)SF19の使用も可能である。
次のものからなる群から選択されるポリエーテルカルボシランの使用も可能である:
EtSi−(CH−O−(C O)y−CH、Et=エチル
EtSi−CH−CH−O−(CO)y−CH、Et=エチル
(MeSi−CHSi−(CH−O−(CO)y−CH、Me=メチル
MeSi−CH−SiMe−(CH−O−(CO)y−CH、Me=メチル
(MeSi−CHSiMe−(CH−O−(CO)y−CH、Me=メチル
MeSi−(CH−O−(CO)y−CH、Me=メチル
MeSi−CH−CH−O−(CO)y−CH、Me=メチル
PhSi−(CH−O−(CO)y−CH、Ph=フェニル
PhSi−CH−CH−O−(CO)y−CH、Ph=フェニル
CySi−(CH−O−(CO)y−CH、Cy=シクロへキシル
CySi−CH−CH−O−(CO)y−CH、Cy=シクロへキシル
(C13Si−(CH−O−(CO)y−CH
(C13Si−CH−CH−O−(CO)y−CH(式中、yは、5≦y≦20の関係に従う)。
本発明の特定の実施形態では、Si含有界面活性剤の混合物、例えば上記に例示したようなSi界面活性剤、及び1種以上の非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化炭化水素界面活性剤から選択される。有用な非イオン性界面活性剤の例としては次式:
−O−[CHCHO]−[RO]−R
(式中、Rは、少なくとも8個の炭素原子を有する芳香族又は脂肪族、直鎖状又は分枝状炭化水素基を表し、Rは、3個の炭素原子を有するアルキレンを表し、Rは、ハロゲン又はC1〜C3アルキル基を表し、nは、0〜40の値を有し、mは、0〜40の値を有し、及びn+mの合計は、少なくとも2である)が挙げられる。上記式において、n及びmにより示される単位は、ブロックのように見えてよく、それらは交互の構成若しくはランダムな構成で存在してよいということが理解されるであろう。上記式による非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルフェノールオキシエチラート(oxethylates)、例えばTRITON(商標)で市販されているエトキシ化p−イソオクチルフェノール、例えばエトキシ単位の数が約10個であるTRITON(商標)X100、又はエトキシ単位の数が約7〜8個であるTRITON(商標)X114が挙げられる。更なる例としては、上記式のRが炭素原子4〜20のアルキル基を表し、mが、0であり、かつRが、水素であるものが挙げられる。それらの例としては、約8個のエトキシ基でエトキシ化されたイソトリデカノールが挙げられ、これはGENAPOL(登録商標)X080として、Clariant GmbHから市販されている。親水性部分がエトキシ基及びプロポキシ基のブロックコポリマーを含む、上記式による非イオン性界面活性剤も同様に使用してよい。かかる非イオン性界面活性剤は、「GENAPOL(登録商標)PF40」、及び「GENAPOL(登録商標)PF80」の商標名で、Clariant GmbHから市販されている。市販されている更に好適な非イオン性界面活性剤としては、Tergitol(商標)TMN6、Tergitol(商標)TMN10、又はTergitol(商標)TMN100Xが挙げられる。また、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのスタティスティック、交互又はブロックコポリマーは、本発明による好適な界面活性剤である。このような非イオン性界面活性剤は、例えば商標名Breox A、Synperonic又はPluronicとして入手可能である。
界面活性剤は、組成物中に、全組成物の重量に対して、約0.1重量%超の量で存在してよい。成分(D)の量が約0.1〜約15重量%、約0.3〜約12重量%、約0.5〜約8重量%、約0.8〜約7重量%、約1〜約6重量%、又は約1.2〜約5重量%の範囲である場合が好ましいことがある。本発明の組成物は、典型的には、基剤ペーストと触媒ペーストを混合することにより得られる。この観点では、界面活性剤は、基剤ペースト若しくは触媒ペーストに、又は基剤ペースト及び触媒ペーストに存在してよい。本発明の1つの実施形態では、界面活性剤は基剤ペーストにのみ存在する。
本発明の組成物で用いられるF−含有化合物(1種又は複数)は、単純な化合物、ポリマー性又はオリゴマー性であってよい。F−含有化合物がポリマーのオリゴマーであるとき、それはホモポリマー又はコポリマーであってよい。好適なコポリマー構造としては、ブロックコポリマー、交互又はスタティスティックポリマー並びにランダムコポリマーが挙げられる。
組成物は、一般に直鎖状又は分枝状骨格を有するF−含有化合物を含む。F−含有化合物の完全又は部分フッ素化骨格は、典型的には、1つ以上の酸素原子に遮断される。
更に、F−含有化合物のある実施形態は、以下の特性の1つ以上により特徴付けることができる:
骨格の鎖長:約8原子超かつ約100未満、例えば50以下、例えば36原子未満(上記式中の末端基T、G及びGを計算に入れず分子の最長鎖に沿って数えた原子)。
1〜約10、2〜約8、又は2〜約6個のエーテル構造エレメントを含有する。
CF−、−CHF−、−CF−、CF−CF−、−CF−CF−、−CHF−CF−、CF−CHF−、CF−CF−CF−、−CF−CF−CF−、−CF(CF)−CF−、−CF(CF)−、−CF−CF−CF−CF−、CF−CF−CF−CF−から選択される完全又は部分フッ素化エレメントに接続している、少なくとも1、2、3、4、5、6、7又は8個の酸素原子を含有する。
分子中の終端基は完全フッ素化又は部分フッ素化、直鎖状又は分枝状アルキル鎖(例えばC1〜C6)、フッ素原子、アルコール、エーテル官能基、又はエステル官能基(ここで、両方の終端基は同じであっても異なってもよい)。好ましいエステル又はエーテルは、典型的には、直鎖状又は分枝状C1〜C9アルキル鎖、C1〜C9アリール残基、又はC1〜C9アルキルアリール残基に基づく。
主鎖の完全又は部分フッ素化鎖セグメントは、典型的には、連続して608/kPa(5原子)超を含まない。
F−含有化合物は、好ましくは、分子量(Mn)が約3000g/mol以下又は約2000g/mol以下の低分子量化合物である。
典型的には、分子量(Mn)は、約200超、約250超又は約300超である。したがって、F−含有化合物の分子量は、典型的には、約200〜約3000、約250〜約2500又は約300〜約2000の範囲内である。特に好ましい実施形態では、数平均分子量は、3000g/mol未満又は1800g/mol以下であり、分子の画分は、750g/mol以下の分子量を有し、F−含有化合物の総重量に基づいて10重量%以下又は5重量%以下である。
F−含有化合物は、典型的には、成分の混合後60s以内に、以下に記載の方法に従って決定した、10s(θ10s)の水滴時間で約20°未満又は約13°未満の水接触角、及び/又は成分の混合後40s以内に、約82°未満の初期水接触角(θ0s)を有する組成物のいずれかを提供するのに有効な量、硬化性歯科用組成物中に存在する。
典型的には、F−含有化合物は、全組成物に対して約0.1〜約5重量%又は約0.2〜約4重量%の量、硬化性組成物中に存在する。
組成物が基剤ペースト及び触媒ペーストを含む、キットの一部として提供される場合、F−含有化合物は、基剤ペースト若しくは触媒ペーストのいずれかに、又は基剤ペースト及び触媒ペースト中に存在することができる。
F−含有化合物が基剤ペースト中に存在する場合、それは、典型的には基剤ペーストの全重量に対して約0.1〜約6重量%、約0.2〜約5重量%又は約0.3〜約4重量%の量で存在する。
F−含有化合物が触媒ペースト中に存在する場合、それは、典型的には触媒ペーストの全重量に対して約0.1〜約6重量%、約0.2〜約5重量%又は約0.3〜約4重量%の量で存在する。
ある実施形態に関して、F−含有化合物が触媒ペースト中にのみ存在する場合が望ましいことがある。これは、保存安定性組成物の提供に寄与できる。
本発明の1つの実施形態によると、F−含有化合物の界面活性剤に対するモル比は、約0.05〜約4、約0.08〜約2.4又は約0.1〜約1.8の範囲であってよい。
本発明の別の実施形態によると、F−含有化合物のフッ素含量は、F−含有化合物の分子量(Mn)に対して約10〜約90重量%又は約40〜約70重量%の範囲であってよい。
F−含有化合物の具体例としては、
Rf−(O)−CHF−(CF−T[ここで、t=0又は1であり、x=0又は1であり、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル残基(C1〜C6又はC1〜C4を含む)であり、式中、アルキル鎖は酸素原子により遮断されてよい(ただしtが0であるとき、Rf基は、少なくとも1つ以上の酸素原子により遮断される直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル残基(C1〜C6又はC1〜C4を含む)である)]、
Rf−(OCF−O−CF−T[ここで、m=1〜約6であり、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル残基(C1〜C6又はC1〜C4を含む)であり、アルキル鎖はO原子により遮断されてよい]、
CF−(CF−(OCF(CF)−CF−O−L−T[ここで、z=0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり、Lは−CF(CF)−、−CF−、−CFCF−及び−CHFCFから選択される構造を有する]、
Rf−(O−CFCF−O−CF−T[ここで、n=1、2、3、4又は5であり、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル残基(C1〜C6又はC1〜C4を含む)であり、アルキル鎖はO原子により遮断されてよい]、
フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンオキシド、テトラフルオロエチレン、2,2,3,3−テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、又はモノフルオロエチレンから選択されるモノマーのアニオン性又は光化学性(酸素の存在下で)重合又は共重合により得ることができるオリゴマー性化合物であって、オリゴマー性化合物の少なくとも1つの鎖末端が官能基Tにより表されるオリゴマー性化合物、が挙げられる。
具体例としては、
a)ヘキサフルオロプロピレンオキシド及び/又は2,2,3,3−テトラフルオロエチレンのホモ又はコポリマー及び
b)酸素の存在下における、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンオキシド、テトラフルオロエチレン、2,2,3,3−テトラフルオロオキセタン、トリフルオロエチレン及び/又はモノフルオロエチレンのホモ又はコポリマー、が挙げられる。
Tは、典型的には、−COOR、−CONR −CHOH、−CFOR、−CHFOH、−CHFOR、−CHOR、又は−F[ここで、Rは、それぞれが、所望により、ヒドロキシル、アミノ基、ハロゲン原子、SiH基、及びSiHと反応できる基からなる群から選択される1つ以上の置換基に置換されてよく、直鎖状又は分枝状アルキル残基(C1〜C9)、アリール残基(C1〜C9)、アルキルアリール残基(C1〜C9)であり、R及びRは、独立して、Hを表す、又はRに対して与えられたような意味を有する]からなる群から選択される。
具体的には、以下の構造の、化学還元により調製される、エステル、特にメチルエステル、及びアミドール(T=C(O)NH−アルキル−OH)並びにそれぞれのアルコール又はメチルエーテルを用いてよい。用いてよいF−含有化合物の具体例としては、以下に列挙するものが挙げられる:
Rf−O−CHF−T[ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6を含む)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]。
上記式による具体例としては、以下のものが挙げられる
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CHF−T
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−T及び
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−T
Rf−O−CHF−CF−T[ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6を含む)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]。
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−T
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−T及び
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−T
−O−CF−CHF−T[ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6を含む)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]。
上記式による具体例としては、以下のものが挙げられる
−O−CF−CHF−T
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−T
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−T及び
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−T
Rf−O−CFCHF−CF−T[ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6を含む)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]。
上記式による具体例としては、以下のものが挙げられる
−O−CF−CHF−CF−T
CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−CF−T
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−T
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−T及び
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−T
−O−CF−CF−T[ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6を含む)であって、これは酸素原子に遮断されることができ、n=1、2、又は3であり、m=0又は1である]。
上記式による具体例としては、以下のものが挙げられる
CF−O−CF−CF−T
−O−CF−CF−T
−O−CF−CF−T及び
−O−CF−CF−T
Rf−(O−CF−O−CF−T[ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6を含む)であって、これは酸素原子に遮断されることができ、u=1、2、3、4、5又は6である]。
上記式による具体例としては、以下のものが挙げられる
CF−(O−CF−O−CF−T及び
CF−(O−CF−O−CF−T
Rf−(O−CF−CF−O−CF−T[ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6を含む)であって、これは酸素原子に遮断されることができ、k=1、2、3、4、5である]。
−(O−CF−CF−O−CF−T
−(O−CF−CF−O−CF−T
−(O−CF−CF−O−CF−T
−(O−CF−CF−O−CF−T
CF−(O−CF−CF−O−CF−T
−(O−CF−CF−O−CF−T及び
−(O−CF−CF−O−CF−T
Rf−O−CF−T[ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6を含む)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]。
上記式による具体例としては、以下のものが挙げられる
−O−CF−T及び
CF−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−T[ここで、z=0、1、2、3、4、5、6、7、又は8である]。
上記式による具体例としては、以下のものが挙げられる
CF−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−T
CF−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−T
CF−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−T
CF−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−T
CF−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CONHCHCHOH
CF−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CONHCHCHO−Si(CH−CH=CH及び
CF−CHF−O−(CF−T[ここで、o=1、2、3、4、5又は6である]。
上記式による具体例としては、以下のものが挙げられる
CF−CFH−O−(CF−T
CF−CFH−O−(CF−T及び
CF−CF−O−(CF−T[ここで、o=1、2、3、4、5又は6である]。
上記式による具体例としては、以下のものが挙げられる
CF−CF−O−(CF−T
CF−CF−O−(CF−T
T−CF−O−(CF−CF−O)−(CF−O)−CF−T[ここで、p/q=約0.5〜約3.0であり、約500〜約4000g/molの範囲の分子量である]及び
T−CF−(O−CF(CF)−CF−(O−CF−O−CF−T[ここで、n/m=約20〜約40であり、約650〜約3200g/molの範囲の分子量である]。
Rf−(O−CF−CF−CF−O−CF−CF−T[ここで、n=1〜25であり、Rfは、直鎖又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6を含む)であり、このアルキル鎖はO原子に遮断されることができる]。
上記式では、Tは、−COOR、−CONR、−CHOH、−CFOR、−CHFOH、−CHFOR、−CHOR、又は−F[ここで、Rは、それぞれが、所望により、ヒドロキシル、アミノ基、ハロゲン原子、SiH基、及びSiHと反応できる基からなる群から選択される1つ以上の置換基に置換されてよく、直鎖状又は分枝状アルキル残基(C1〜C9)、アリール残基(C1〜C9)、又はアルキルアリール残基(C1〜C9)であり、R及びRは、独立して、Hを表す、又はRに対して与えられたような意味を有する]からなる群から選択される。
本発明と併用するのに好適なフッ素化化合物としては、商標名FOMBLIN、GALDEN及びH−Galdenとして市販されているフッ素化ポリエーテル、Fluorolink物質が挙げられ、又は米国特許出願公開第2007/0276068号、欧州特許第870877号、国際公開第2004/060964号、同第2007/140091号、米国特許出願公開第A−20070015864号、同第A−20070015864号、同第A−20070025902号及び同第A−20070015937号に記載されている調製方法を用いて調製できる。
本発明の別の具体的な実施形態では、硬化性歯科用組成物は少なくとも2種の異なるF−含有成分を含む。異なるF−含有成分の混合物は、ある所望の水準の親水性を達成するために必要なフッ素化化合物の総量を低下させるような更なる利点を提供することができることが見出されている。
F−含有化合物の有用な混合物の例としては、ヘキサフルオロプロピレンオキシドに基づく化合物又は誘導体及び1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オルの混合物が挙げられる。好適なヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)誘導体の例としては、カルボキシルエステル誘導体及びHFPOのアミドール誘導体が挙げられる。
HFPOは、米国特許第3,242,218号又は米国特許出願公開第2004/0124396号に記載されているように得ることができる。HFPOのメチルエステル誘導体の一般式は、CO[CF(CF)CFO]CF(CF)COOCH(ここで、nは、1〜8である)である。
別の実施形態によると、組成物は、充填剤の存在が必須ではない場合でさえ、例えば成分(F)として、又は成分(F)の一部として、充填剤又は充填剤の混合物を含有してよい。充填剤の性質は、特に限定されない。
典型的には、充填剤は、全組成物に対し、少なくとも約5重量%、少なくとも約20重量%又は少なくとも約35重量%の量用いることができる。
特に上限はないが、典型的には充填剤の量は、全て存在する場合、全組成物に対して最大約80重量%、最大約70重量%又は最大約50重量%の量で用いられる。
したがって、成分(F)として、充填剤の典型的な範囲は、全組成物に対して約5〜約80、約20〜約70又は約35〜約50重量%を含む。
シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、無機塩、金属酸化物、及びガラスのような多種多様な無機充填剤、親水性充填剤、又は疎水性充填剤を使用してよい。粉砕石英(4〜6μm)などの結晶性二酸化ケイ素、珪藻土(4〜7μm)などの非晶質二酸化ケイ素、及びCabot Corporation製のCab−o−Sil TS−530(160〜240m/g)などのシラン化ヒュームドシリカに由来するものを含む、二酸化シリコーンの混合物を使用できることが分かっている。
材料の寸法及び表面積は、結果として得られる組成物の粘度及びチキソトロピー性を制御するように調節することができる。前述の疎水性充填剤の一部又は全ては、当業者に既知であるような、1つ以上のシラン化剤で表面的に処理してよい。このようなシラン化は、既知のハロゲン化シラン又はアルコキシシラン又はシラザンを用いて達成されてよい。このような充填剤は、材料の約20〜約80重量%、特に約25〜約70重量%、又は約30〜約60重量%の量で存在することが可能である。
使用できる充填剤の中には、石英、クリストバライト、ケイ酸カルシウム、珪藻土、ケイ酸ジルコニウム、ベントナイト等のモンモリロナイト、ゼオライト等の充填剤があり、ケイ酸ナトリウムアルミニウム等のモレキュラーシーブ、酸化アルミニウム若しくは酸化亜鉛又はそれらの混合酸化物等の金属酸化物粉末、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、セッコウ、ガラス及びプラスチック粉末が含まれる。
好適な充填剤はまた、発熱性ケイ酸又は沈降ケイ酸、及びシリカアルミニウム混合酸化物である。これらの充填剤は、Wacker又はDegussaのような企業から、商品名Aerosil(商標)、HDK−Hとして市販されている。
上述の充填剤は、例えばオルガノシラン若しくはシロキサンを用いる処理により、又はヒドロキシル基のアルコキシ基へのエーテル化により疎水化してよい。他の種類の充填剤、又は少なくとも2種の充填剤の混合物もまた使用することができる。粒子分布は、好ましくは、約50μm超の粒径を有する充填剤がないように選択される。
補強充填剤と非補強充填剤の組み合わせが好ましい場合がある。この観点では、補強充填剤の量は、全組成物に対して約0.1〜約10重量%、特に約2〜約7重量%の範囲であってよい。
典型的な補強充填剤としては、ヒュームドシリカ、カーボンブラック等が挙げられる。それらはまた、表面処理されてもよく、硬化したシリコーン組成物の引張強度又は引き裂き強度のような機械的特性を改善することができる。
好ましい表面処理により疎水化されている発熱的に調製された高度に分散したケイ酸が、補強充填剤として好ましい。表面処理は、例えばジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルシクロテトラシロキサン又はポリメチルシロキサンを用いて実行してよい。
好ましい非補強充填剤は、表面処理されてよい、石英、クリストバル石及びケイ酸ナトリウムアルミニウムである。表面処理は、一般に、強化充填剤の場合に記載されたものと同じ方法により実行してよい。
典型的な非補強充填剤は、石英、沈殿シリカ、珪藻土、アルミナ、マグネシア、二酸化チタン、ケイ酸ジルコニウム、金属酸化物等である。これらの充填剤は、表面処理、例えばシラン化されてもよく、表面処理されなくてもよい。典型的な粒径は、約2〜約10μmである。
別の実施形態によると、本発明の硬化性歯科用組成物は、このような成分の存在が必須ではない場合でさえ、成分(G)又は成分(G)の一部として、反応性置換基を有しないオルガノポリシロキサンを含有してよい。
非反応性置換基としては、固化プロセス中組成物の他の成分と共重合しないものが挙げられる。これらは、好ましくは、全てのシリコン原子が酸素原子、又は置換されてもよく置換されなくてもよい1〜18個の炭素原子を有する一価炭化水素ラジカルにより囲まれる直鎖状、分枝状又は環状オルガノポリシロキサンである。炭化水素ラジカルは、メチル、エチル、C3〜C10脂肪族、トリフルオロプロピル基並びに芳香族C6〜C12ラジカルであってよい。
トリメチルシロキシ末端基を有するポリジメチルシロキサンは、成分(G)の一構成要素として、特に好ましい。成分(G)は、約0〜約40重量%、約0.1〜約20重量%、約0.1〜約20重量%又は約0.5〜約15重量%の量で用いることができる。
更なる実施形態によると、組成物はまた、例えば成分(H)又は成分(H)の一部として、他の添加剤を含有してもよい。
これらの添加剤としては、単独又は混合物中の、作用時間及び凝固時間を調整するための遅延剤(例えば3−メチル−1−ブチン−3−オル又は1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルシロキサン(VMO))、レオロジー変性剤(例えば合成若しくは天然ワックス、又は米国特許第6,677,393号に対応する欧州特許公開第1 165 016(A1)号に記載のようなポリエチレン/プロピレンジアセテート)、阻害剤、顔料、染料、可塑剤(パラフィン油又は鉱物油を含む)、匂い物質、着香料、安定剤(例えば国際公開第2007/001896(A2)号に記載のようなジホスホン酸塩を含む)又は水素捕捉剤等が挙げられる。
添加剤は、硬化した組成物に対して約0.01〜約90重量%の範囲又は約0.1〜約40重量%の範囲の量で存在してよい。
付加反応の反応性を制御するため、かつ早過ぎる硬化を防ぐために、阻害剤を添加することが有利である場合があり、これは特定の期間付加反応を防ぐか、あるいは付加反応の速度を落とす。このような阻害剤は既知であり、例えば米国特許第3,933,880号に記載されており、このような阻害剤及びそれらの調製に関する特許の開示内容を本発明の開示内容の一部と明示的にみなす。このような阻害剤の例としては、3−メチル−1−ブチン−3−オル、1−エチニルシクロヘキサン−1−オル、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オル及び3−メチル−1−ペンチン−3−オルなどのアセチレン性不飽和アルコールが挙げられる。ビニルシロキサン系の阻害剤の例は、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルシロキサン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、並びにビニル基を含有するポリ−、オリゴ−及びジシロキサンである。
組成物はまた、SiH硬化性組成物の場合、典型的にはビニル重合の結果として生じる場合がある、水素ガス放出の存在又は程度を減らすのに有用な成分を含有してもよい。したがって、組成物は、このような水素を捕捉し、取り込む超微粒子状白金金属のような水素捕捉剤を含んでよい。金属Ptは、約0.1〜約40m/gの表面積を有する実質的に不溶性の塩に付着する場合がある。好適な塩は、好適な粒径の硫酸バリウム、炭酸バリウム及び炭酸カルシウムである。その他の基材としては、珪藻土、活性アルミナ、活性炭等が挙げられる。無機塩類は、それらを組み込んで得られる材料に改善された安定性を付与するために特に好ましい。塩上に分散するのは、触媒成分の重量に基づいて、約0.2〜約2百万分率の白金金属である。無機塩粒子に分散された金属白金を使用することにより、歯科用シリコーンの硬化中に生じる水素ガス放出が実質的になくなる又は減少することが分かった。例えば、米国特許第4,273,902号に記載されているような金属Pd、又は米国特許第5,684,060号に開示されているようなPd化合物も使用できる。
本発明の硬化性組成物はまた、例えば約1000g/mol以下の鎖長を有するポリエチレングリコール誘導体(ポリエチレングリコールジメチルエーテルを含む)を含有してもよい。更に、硬化性組成物はまた、炭水化物、ポリビニルアルコール、脂肪族ジ、トリ、テトラ、ペンタ、又はヘキサノールの群から選択されてもよいポリオールを含有してもよい。いくつかの具体例は、Bayer Material Scienceから商品名Acclaimとして、又はBASF AGからPluracolとして入手可能なポリオールである。
本発明の1つの実施形態によると、組成物は以下の量の個々の成分を含んでよい:
成分(A):全組成物に対して約20重量%〜約60重量%、約25重量%〜約55重量%又は約36重量%〜約53重量%。
成分(B):全組成物に対して約0.1重量%〜約15重量%、約1重量%〜約10重量%又は約3重量%〜約5重量%。
成分I:全組成物に対して約0.001重量%〜約0.1重量%、約0.002重量%〜約0.02重量%又は約0.005重量%〜約0.01重量%。
成分(D):全組成物に対して約0.1重量%〜約60重量%、約0.3重量%〜約55重量%又は約0.5重量%〜約50重量%。
成分(E):全組成物に対して約0重量%〜約30重量%、約0.1重量%〜約25重量%又は約0.2重量%〜約20重量%。
成分(F):全組成物に対して約0重量%〜約80重量%、約0.1重量%〜約70重量%又は約0.5重量%〜約50重量%。
成分(G):全組成物に対して約0重量%〜約40重量%、約0重量%〜約30重量%又は約0重量%〜約20重量%。
成分(H):全組成物に対して約0重量%〜約90重量%又は約0.01重量%〜約40重量%。
本発明による歯科用組成物は、典型的には、硬化性基剤ペーストと、基剤ペーストの材料の少なくとも一部を硬化するための触媒を含む、触媒ペーストとを含む、多成分材料である。
したがって、組成物の成分をキットに包含することが可能であり、そこで、組成物の内容物は、それらが必要とされるまで、成分の保存が可能となるように包装される。使用するとき、組成物の成分を好適な量混合してよく、従来の技術を用いて臨床的に適用してもよい。
したがって、本発明はまた、使用前に互いから分離している基剤ペーストと触媒ペーストとを含む、部品のキットであって、基剤ペーストが成分(A)及び(B)を含み、触媒ペーストが成分(C)又は(C)及び(A)を含み、成分(D)が基剤ペースト若しくは触媒ペーストのいずれか、又は基剤ペースト及び触媒ペーストに存在するキットに関する。同じことが成分(E)に当てはまる。他の任意成分(F)、(G)、及び(H)は、基剤ペースト若しくは触媒ペーストのいずれか、又は基剤ペースト及び触媒ペーストに存在してよい。
本発明のある実施形態によると、界面活性剤は基剤ペーストに存在し、F−含有化合物は触媒ペーストに存在する。
本発明の別の実施形態によると、基剤ペーストは本質的にF−含有化合物を含まず、触媒ペーストは本質的に界面活性剤を含まない。
触媒ペーストと基剤ペーストの体積比は、約10:1〜約1:10の範囲であってよい。基剤ペーストの触媒ペーストに対する特に好ましい体積比は、約1:1〜約5:1(基剤ペースト5部に対して触媒ペースト1部)。
一般に、成分の混合及び投与は、例えば、スパチュラ(ストランド長比較)若しくは静的混合チップを備えた、手動で操作される予充填二重カートリッジディスペンサにより手動で実施してよく、又は自動化タスクのようなものに利用可能な種々の利用可能な装置を用いて自動化されてよく、このような装置の好ましいものは米国特許出願公開第2004/0085854号又は米国特許第6,244,740号に言及されているような動的混合チップとともに、欧州特許出願公開第0 232 733(A1)号、米国特許第5,924,600号、同第6,135,631号又は欧州特許出願公開第0 863 088(A1)号に言及されている。
歯科用組成物のハンドリング特性の更なる改善は、例えば米国特許第5,249,862号、同第5,286,105号及び同第5,332,122号に記載されているような、自動輸送及び混合ユニットを有する二成分組成物用の自動混合及び計測システムの使用に見ることができる。中でも大量の材料を混合するとき、基剤ペースト及び触媒ペーストの手動混合の必要はなくなる、なぜならこれは自動的に短期間の間に起こり得るためである。結果は、通常本質的に気泡を含まない均質な生成物である。市販の装置は、3M ESPEからブランドPentamix(商標)又はPentamix(商標)2、又はPentamix(商標)3として、流通している。
実際のところ、印象材は静的又は機械的混合装置を通して、印象材トレイ又は患者の歯若しくは組織に注入され、患者の口に定置され得る。印象材が凝固した後、トレイを患者の口から取り出し、歯科医師が陽型を調製する場合、患者の口から印象材を取り出した直後に陽型材料を注ぐことが好ましい場合がある。
本発明はまた、F−含有化合物を固化性マトリックス又は成分(A)、(B)、(C)を含む、組成物(成分(A)、(B)、及び(C)は本明細書に記載の通りである)と組み合わせる工程を含む、硬化性組成物を作製する方法に関する。
典型的には、F−含有化合物を固化性マトリックス又は固化性マトリックスの個々の成分と組み合わせた後、成分を混合する。F−含有化合物は、作製プロセスの極初期から、又は作製プロセス中、又は作製プロセスの最後に、組成物の他の成分に添加してよい。
F−含有化合物はまた、成分(D)及び/又は成分(F)との予混合物として、適用してもよい。
歯科用材料又は組成物を印象材としての又は(一時的又は長期)クラウン及び/若しくはブリッジの作製のために用いてよい。後者の場合、組成物は、(一時的又は長期)クラウン及び/又はブリッジ材料を充填される型として用いられ、これは典型的には重合性(メタ)アクリレートに基づく。
本発明の別の態様は、典型的には上記のような歯科用組成物に基づき、上記のような界面活性剤を含む、固化性組成物の親水性を高めるためのF−含有化合物を用いる方法に関する。方法は、典型的には、固化性マトリックスを形成するために、F−含有化合物を他の成分に添加する、又は他の成分と組み合わせる工程を含む。
本発明の特徴及び利点は、次の実施例により、更に説明されるが、これにより制限されることを決して意図しない。これらの実施例において列挙されるその特定の材料及び量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を過度に制限しないと解釈されるべきである。特に断らない限り、全ての部及び百分率は重量基準であり、全ての水は脱イオン水であり、全ての分子量は重量平均分子量であり、全ての測定は周囲条件(23℃)で行われる。
測定
未硬化ペーストの水接触角測定
試験試料調製:試験片の調製のために、混合したペーストを目的のスライドに供し、平坦化し、薄膜を得るために第2の目的のスライドにより粉砕する。試験片調製は、膜の厚さが測定される水接触角に著しい影響を与えないような簡略化された方法で実施した(G.Kugel,T.Klettke,J.A.Goldberg,J.Benchimol,R.D.Perry,S.Sharma,J Prosthod.2007,16,84−92を参照)。測定:目的のスライドを接触角測定用の周知の装置である、Drop Shape Analyse System DSA10(Kruss GmbH,Hamburg)のテーブル上に定置した。5μLの水を試料の表面上に置き、標準的な角度計のソフトウェアを用いて自動接触角測定を開始した。測定時間は、少なくとも約10s〜約200sであった。水接触角は、基剤ペーストと触媒ペーストの混合後の様々な時間、特に40s及び60s後に測定した。データ(ビデオシーケンス)を、「サークルフィッティング法、データ評価のための別の標準的な他の方法により求めた(G.Kugel,T.Klettke,J.A.Goldberg,J.Benchimol,R.D.Perry,S.Sharma,J.Prosthod.2007,16,84−92を参照)。
θ10sは、水滴を表面上に置いた10s後に得た角度である。
θ0sは、水滴を表面上に置いた直後に得た角度である(初期水接触角)。
凝固時間の決定
組成物の凝固時間を、湿度50%の好気条件下でAlpha instruments製のMDR 2000レオメータを用いることにより、33℃で時間に依存して粘度を測定することにより決定した。凝固時間を、最終粘度の90%を達成したt90値として決定した。別の特徴的な大きさは、最終粘度の5%が存在した、t値であった。この時間まで、組成物は網状構造形成(硬化)をほとんど行わないとみなすことができる。
引張強度及び破断点伸び
組成物の引張強度及び破断点伸びを、DIN 53504に従って決定した。引張強度はMPa及び元の長さの伸びの割合として得た。Zwick Z020ユニバーサル試験機において20mm×4mm×2mmの中央ユニットを有する6枚のl−型試料を引き裂くことにより、引張強度及び破断点伸びデータを求めた。基剤及び触媒ペーストを、静的ミキサ(SulzerMixpac Comp.)を通じて混合し、黄銅の型に充填した。23℃において3時間後、試料を取り出して、測定を6回行って、平均値を求めた(速度200mm/分)。
線寸法変化
組成物の線寸法変化を、ISO 4823に従って決定し、%で得た。
粘度
粘度を、プレート/プレートシステム(直径20mm)及び0.2mmのスリットを備える、Haake Rotovisco 1装置を用いて23℃で測定した。粘度値(Pas)及びシェア応力値(Pa)を、それぞれのシェア値(γ10 1/sから開始し、10 1/s及び/又は5 1/s段階で100 1/sまで)について記録した。それぞれのシェア値について、データ収集前に5秒の遅延を用いた。上述の測定方法は、DIN 53018−1に本質的に一致する。
貯蔵寿命時間決定
貯蔵寿命時間の決定では、それぞれ1.5重量%のHFPO−OMe(Mn=1008)、HFPO−アミドール(Mn=1032)1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オル、Silwet L−77、又はZonyl FSO−100を含有する触媒ペーストBを、従来のホイルバッグ(3M ESPE)に充填し、70℃で保存した。以下の表8に示す保存時間後、保存した触媒ペーストを、室温で保存した基剤ペースト(基剤ペースト配合Aに従う、以下を参照)と混合することにより、上記方法に従って凝固時間を決定した。
HFPO−OMe:CF−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−COOCH
HFPO−アミドール:CF−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CONHCHCHOH
一般的な説明−組成物の調製
以後使用する基剤及び触媒ペーストは、それぞれの成分を均質なペーストに混合することにより、真空ニーダー内で調製した。
触媒ペースト配合B(速凝固性材料):
触媒ペースト配合Bは、白金錯体に関して触媒ペーストAと異なる。他の成分は、同一である。
X重量%の界面活性剤及びY重量%のF−含有化合物を、それぞれ基剤ペーストA及び/又は触媒ペーストA若しくはBに添加し、約30分間真空下で混練して、均質なペーストを得た(表1)。
基剤ペースト及び触媒ペーストを、静的ミキサチップ(SulzerMixpac Company)を備える、二重チャンバカートリッジ(SulzerMixpac Comp.)(体積比1:1)に充填した。ペーストをカートリッジから押し出し、手混合装置(3M ESPE Comp.)を用いて混合した。
未硬化及び硬化した組成物を、その湿潤挙動について試験し(表2〜8及び11〜19)、硬化した組成物をその物理的パラメータ(表9)について試験した。1.5重量%の界面活性剤又はF−含有化合物を含有する触媒ペーストの保存安定性を試験し、結果を表10にまとめる。


C.実施例は比較例を意味する。
a)Silwet L−77(Momentive Corp.)
b)カルボシランテンサイドは、米国特許第5,750,589号の作製実施例2に記載のように得ることができる。
c)HFPO(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)オリゴマー:Dyneon LCC。HFPO−オリゴマーのメチルエステル(HFPO−OMe;Mn=1008g/mol)は、Dyneon LCCから入手し、例えば国際公開第2004/060964(A1)号に記載のように合成できる。
d)HFPO−アミドールは、国際公開第2004/060964(A1)号の明細書に従って得ることができ、ブラケットで得られる、様々な平均分子量(Mn)で適用された。
e)1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オルは、Apollo Scientific Ltd.から得ることができる。
f)Zonyl FSO−100:国際公開第2007/080071(A2)号及び技術データシートに従って11.5のHLB値を有するエトキシ化ペルフルオロアルカノール(Aldrich又はDu Pontから入手可能)。
表2は、表1に示す実施例の基剤ペーストと触媒ペーストとの混合の40s及び60s後の水接触角を示す(未硬化ペーストの水接触測定に関する上記記載に従って測定した)。
測定された別の特性は、組成物の混合後水滴が10°の水接触角に達するために必要な時間であった(t(θ=10°)(s))。この時間は、臨床的状況を反映し、唾液を素早く湿潤させ、したがって有効な水押し出し及び十分詳細な正確さの提供を実現するのに有効な能力を映す。基剤ペーストと触媒ペーストとの混合後の様々な時間において、水滴が10°の水接触角に達するのに必要な時間を表3にまとめる。

a)測定時間中常に水接触角は10°を超える
実施例9〜14で得た初期接触角(θ0s(°))を表4にまとめ、混合後時間に依存する実施例14の初期接触角を表5にまとめる。

実施例15:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び3.5重量%のペルフルオロ−3,5,7,9−テトラオキサデカン酸エチルエステルx)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定し、表6にまとめる。
実施例16:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び3.5重量%のペルフルオロ−3,5,7,9−テトラオキサデカン酸アミドールx)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表6にまとめる。
実施例17:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び3.5重量%のFomblin(商標)YR−1800y)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表6にまとめる。
x)ペルフルオロ−3,5,7,9−テトラオキサデカン酸は、Anles St.Petersburgから購入した。アミドール誘導体を、国際公開第2004/060964(A1)号のHFPO−アミドールについて記載された手順に従って合成し、エチルエステル誘導体を既知のエステル化方法により作製した。
y)Fomblin(商標)YR−1800:Solvay Solexis又はABCR(Karlsruhe,Germany)
実施例18:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び3.5重量%のビニルSi(Me)−官能化HFPO−アミドールz)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表7にまとめた。
実施例19:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び1.5重量%のビニル−Si(Me)−官能化HFPO−アミドールz)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表7にまとめた。
z)ビニル−Si(Me)−官能化HFPO−アミドール(Mn=1121)を、以下の手順に従って調製した:25.93g(25mmol)2−ヒドロキシルエチルアミド−HFPO−オリゴマー(分子量1032)を、窒素下で2.78g(27.5mmol)のトリエチルアミンと混合した。周囲温度で、3.32g(27.5mmol)のビニル−ジメチル−クロロシランをゆっくりと添加し、その間温度は約40℃に上昇し、白色固体が沈殿する。周囲温度で16時間攪拌した後、反応混合物を100mLのトルエンで希釈し、濾過し、2相の母液から溶媒を除去した。収量:20g(71%)の透明なわずかに粘稠な生成物。H NMRによると、シリル化は完了された。
比較例7(CE V7):
基剤ペーストAを上記一般的手順に従って3.5重量%のHFPO−アミドール及び0.25重量%のポリエチレングリコールジメチルエーテル(M=250)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定し、表8にまとめる。
比較例8(CE V8):
基剤ペーストAを上記一般的手順に従って3.5重量%の1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサ−トリデカン−1−オルと混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定し、表8にまとめる。
1.75重量%のHFPO−OMe(実施例7)又はZonyl(商標)FSO−100(比較例5)及び1.5重量%のSilwet L−77のいずれかを含有する例示された硬化組成物の他の物理的パラメータの比較を表9に示す。
比較用:
基剤ペーストAの粘度(Silwet L−77を含有しない):23.558Pas
3.0重量%のSilwet L−77を含有する基剤ペーストAの粘度:18.800Pas
実施例22の組成物の粘度(Silwet L−77、HFPO酸メチルエステル(Mn=1008)及び1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オル):15.604Pas
表9に見られるように、HFPO酸メチルエステル(Zonyl FSO−100の代わり)の添加は、引張強度及び破断点伸びを損なうことなく粘度の低い(すなわち、より良好な流動挙動)組成物を導く。
表10に、70℃における、1.5重量%の界面活性剤又はF−含有化合物を含有する触媒ペーストBの貯蔵寿命時間をまとめる。値は、種々の日数、70℃で組成物を保存した後の作用時間/凝固時間[分]を示す。

実施例20:
基剤ペーストA及び触媒ペーストBを、上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び2.0重量%のHFPO−OMe及び1.5重量%の1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オルと混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の30、40及び60秒後、湿潤挙動を上記のように決定し、表11から選び取ることができる。
実施例21:
基剤ペーストA及び触媒ペーストBを、上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び2.5重量%のHFPO−OMe及び1.0重量%の1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オルと混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20、30及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を、表11にまとめた。
初期接触角及び水接触角、並びに水滴が10°の接触角に達するのに必要な時間を表11にまとめる。これらの結果は、異なるF−含有化合物の混合物を使用することが、硬化性組成物の湿潤挙動を改善できることを明らかにする。
図1は、基剤ペースト及び触媒ペーストの混合後様々な時間において測定した、例示された組成物の水接触角の時間依存性を示す。
実施例22:
基剤ペーストAを、上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び0.50重量%のHFPO−OMe及び1.0重量%の1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オルと混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表12にまとめる。
実施例23:
基剤ペーストAを、上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び0.25重量%のHFPO−アミドール(Mn=1032)及び0.75重量%の1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オルと混合した。基剤ペーストと触媒ペーストの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表12にまとめた。
実施例24:
基剤ペーストAを、上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び0.25重量%のHFPO−OMe及び1.00重量%の1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オル及び0.25重量%のポリエチレングリコール−ジメチルエーテル(Mn=250g/mol)と混合した。r)基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表12にまとめた。
r)ポリエチレングリコールジメチルエーテル(Mn=250g/mol)はAldrichから入手した。
実施例25:
基剤ペーストAを、上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び0.65重量%のHFPO−アミドール(Mn=1032)及び0.25重量%のポリエチレングリコール−ジメチルエーテル(Mn=250g/mol)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表13にまとめる。
実施例26:
基剤ペーストAを、上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び0.15重量%のHFPO−アミドール(Mn=1032)及び0.50重量%の1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オル及び0.25重量%のポリエチレングリコール−ジメチルエーテル(Mn=250g/mol)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表13にまとめる。
実施例27:
基剤ペーストAを、上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び0.65重量%のビニル−Si(Me)官能化HFPO−アミドール(Mn=1032)及び0.25重量%のポリエチレングリコール−ジメチルエーテル(Mn=250)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表13にまとめる。
実施例28:
基剤ペーストAを、上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び0.65重量%のHFPO−アミドール(Mn=1032)及び0.15重量%のDDAs)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果は、表14にまとめた。
s)テトラヒドロフラン及びアセトキシ基で末端保護されたエチレンオキシド;Mn〜6000。DDAは、欧州特許第1 165 016(B1)号のように合成した。
実施例29:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び0.65重量%のビニルSi(Me)−官能化HFPO−アミドール及び0.15重量%のDDAと混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表14にまとめる。
実施例30:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び1.5重量%のHFPO−アミドール(Mn=1266)及び0.25重量%のBrij(商標)30(Croda Int.PLC;ポリアルキレン(4)ラウリルエーテル;M=362g/mol)と混合した。
実施例31:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び1.5重量%のHFPO−アミドール(Mn=1266)及び0.25重量%のTriton(商標)X−100(Union Carbide Corp.;オクチルフェノールエトキシレート;M=647g/mol)と混合した。
実施例32:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び1.5重量%のHFPO−アミドール(Mn=1266)及び0.15重量%のBreox(商標)50A20(Cognis Corp.;EO/POコポリマー;粘度:19cSt.40℃)と混合した。
実施例33:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び1.5重量%のHFPO−アミドール(Mn=1266)及び0.15重量%のAcclaim(商標)12000(Bayer Corp.;ポリエーテルポリオール;M=11,200g/mol)と混合した。
基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、実施例30〜33の湿潤挙動を上記のように決定し、表15にまとめる。
比較例9:
基剤ペーストAを上記一般的手順に従って3.0重量%のSilwet L−77及び3.5重量%のZonyl FSN−100(Aldrich又はDuPontから入手可能)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定し、表16にまとめる。
実施例34:
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び1.5重量%のHFPO−アミドール(Mn=1032)と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果は、表17にまとめる。
比較例10
基剤ペーストAを、上記一般的な手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び1.5重量%のZonyl FSO−100と混合した。基剤ペーストと触媒ペーストBの混合の20及び40秒後、湿潤挙動を上記のように決定した。結果を表17にまとめる。
種々の量の異なるフッ素化添加剤を含有する前に、記載された実施例(表1及び実施例34、35C.E.V9)に従って触媒ペーストBと基剤ペーストを混合することにより得られた材料の凝固時間を、表18にまとめる。表19の結果は、この試験の封入された添加剤が5分より短いt90値を示し、したがって凝固時間の著しい減速を導かないことを明確に明らかにする。凝固時間は上記のように決定した。
縮合架橋シリコーン組成物
実施例35:
縮合架橋Xantopren(商標)Blue L(Heraeus Kulzer)の基剤ペーストを、上記一般的手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び1.5重量%のHFPO−アミドール(Mn=1032)と混合した。基剤ペーストとUniversial Activator paste(Heraeus Kulzer)との混合の40及び60秒後、上記のように湿潤挙動を決定し、表19にまとめる。
実施例36:
縮合架橋Xantopren(商標)Blue L(Heraeus Kulzer)の基剤ペーストを、上記一般的手順に従って、3.0重量%のSilwet L−77及び3.5重量%のHFPO−OMeと混合した。基剤ペーストとUniversial Activator paste (Heraeus Kulzer)との混合の40及び60秒後、上記のように湿潤挙動を決定し、表19にまとめる。

Claims (6)

  1. a.成分(A)として、硬化性オルガノポリシロキサンポリマーと、
    b.成分(B)として、前記オルガノポリシロキサンポリマーを架橋することができる架橋剤化合物と、
    c.成分(C)として、成分(A)と成分(B)の架橋反応を触媒することができる触媒と、
    d.成分(D)として、界面活性剤と、
    e.成分(E)として、以下の式:
    (i)(G−L−O)−R −O−L−G
    [ (ii)式中、
    及びGは、それぞれ独立して、ポリオキシアルキレン基を含まない、又はF−含有化合物におけるその合計量がF−含有化合物の分子量に基づいて10重量%以下であるようにポリオキシアルキレンを含有する非イオン性末端基を表し、
    (iii)L及びLは、それぞれ独立して脂肪族炭化水素基又は部分若しくは全部フッ素化脂肪族炭化水素基を表し、
    (iv)R は、一価若しくは二価の、部分若しくは全部フッ素化脂肪族基、又は1つ以上の酸素原子により遮断される部分若しくは全部フッ素化脂肪族基を表し、sは0又は1を表し、
    (v)(ただし以下の条件:
    i.部分L−G及びL−Gの少なくとも1つが部分若しくは全部フッ素化されている、又は
    ii. が1つ以上の酸素原子により遮断される部分若しくは全部フッ素化脂肪族基である、のうちの少なくとも1つを満たす)]
    を有するF−含有化合物と、
    を含む、硬化性歯科用組成物。
  2. 前記F−含有化合物が、以下の式
    −X−[(O−CF −CF −(O−CF −(O−CF(CF )−CF −(O−CF −CF −CF −O]−X−T
    [ここで、u=0〜8、v=0〜8、w=0〜8、x=0〜8であり、u+v+w+x≧1であり、
    式中、T 及びT は、等しくても異なってもよく、独立して、−COOR、−CONR −CH OH、−CF OR、−CHFOH、−CHFOR、−CH OR又は−F、
    (ここで、Rは直鎖状又は分枝状アルキル残基(C1〜C9)、アリール残基(C1〜C9)又はアルキルアリール残基(C1〜C9)であり、これらのそれぞれは所望によりヒドロキシル、アミノ基、ハロゲン原子、SiH基及びSiHと反応することができる基からなる群から選択される1つ以上の置換基に置換してもよく、R 及びR は、独立して、Hを表す、又はRに与えられた意味を有する)
    から選択され、
    Xは−(CF 1〜6 −、−CF(CF )−及び−CHF−CF から選択される]
    を有する、請求項1に記載の硬化性歯科用組成物。
  3. 前記界面活性剤が、

    [式中、Rは、独立して、1〜22個のC原子を有する一価のヒドロカルビルラジカルであり、R は、1〜26個のC原子を有する二価のヒドロカルビレンラジカルであり、それぞれのR は、独立して、水素又は低級ヒドロキシアルキルラジカルであり、R は、水素、又は1〜22個のC原子を有する一価のヒドロカルビルラジカルであり、n及びbは、独立して、0以上であり、m及びaは、独立して、1以上である]、又は
    Q−P−(OC 2n −OT
    [Qは、R −Si−又はR −Si−(R’−SiR −R’−SiR’’ (ここで、分子中のそれぞれのRは同じであっても異なってもよく、脂肪族C 〜C 18 、脂環式C 〜C 12 、又は芳香族C 〜C 12 炭化水素ラジカルを意味し、所望により、ハロゲン原子に置換されてよく、R’はC 〜C 14 アルキレン基であり、R’’はa≠0の場合Rである、又はa=0の場合R若しくはR SiR’であり、a=0〜2である)であり、
    Pは、C 〜C 18 アルキレン基、又はA−R’’’
    [式中、AはC 〜C 18 アルキレン基を表し、R’’’は、以下のリストの官能基:−NHC(O)−、−NHC(O)−(CH n−1 −、−NHC(O)C(O)−、−NHC(O)(CH C(O)−、−OC(O)−、−OC(O)−(CH n−1 −、−OC(O)C(O)−、−OC(O)(CH C(O)−、−OCH CH(OH)CH OC(O)(CH n−1 −、−OCH CH(OH)CH OC(O)(CH C(O)−(ここで、v=1〜約12である)を表す]を意味し、 Tは、Hであるか、又はC1〜C4アルキルラジカル若しくはC1〜C4アシルラジカルを意味し、
    xは、1〜約200の数を意味し、
    nは、1〜約6の平均数を意味する]、
    並びにこれらの混合物
    から選択される、請求項1または2に記載の硬化性歯科用組成物。
  4. 前記F−含有化合物が、
    Rf−(O) −CHF−(CF −T
    [ここでt=0又は1であり、x=0又は1であり、Rf基は、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル残基であり、式中、前記アルキル鎖は酸素原子により遮断されてよい(ただしtが0であるとき、Rfは、少なくとも1つの酸素原子により遮断される直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル残基である)]、
    Rf−(OCF −O−CF −T
    [ここで、m=1〜約6であり、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル残基であり、式中、前記アルキル鎖は、O原子により遮断されてよい]、
    CF −(CF −(OCF(CF )−CF −O−L−T
    [ここで、z=0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、Lは、−CF(CF )−、−CF −及び−CF CF から選択される構造を有する]、
    Rf−(O−CF CF −O−CF −T
    [ここでn=1、2、3、4又は5であり、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル残基であり、式中、前記アルキル鎖はO原子により遮断されてよい]、
    フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンオキシド、テトラフルオロエチレン、2,2,3,3−テトラフルオロオキセタン、トリフルオロエチレン及びモノフルオロエチレンの群から選択されるモノマーの重合又は共重合により得ることができるオリゴマー性化合物であって、前記オリゴマー性化合物の少なくとも1つの鎖末端が官能基Tにより表されるオリゴマー性化合物、
    並びにこれらの混合物、
    [Tは、請求項2におけるT 及びT で定義したような意味を有する]
    からなる群から選択される、請求項1〜3に記載の硬化性歯科用組成物。
  5. 前記F−含有化合物が、
    Rf−O−CHF−T
    [ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]、
    Rf−O−CF −T
    [ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]、
    Rf−O−CHF−CF −T
    [ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]、
    Rf−O−CF −CF −T
    [ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]、
    −O−CF −CHF−T
    [ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]、
    Rf−O−CF −CHF−CF −T
    [ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる]、
    −(O−CF −O−CF −T
    [ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができ、u=1、2、3、4、5又は6である]、
    Rf−(O−CF −CF −O−CF −T
    [ここで、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6)であり、このアルキル鎖は酸素原子に遮断されることができ、k=1、2、3、4又は5である]、
    Rf−(O−CF −CF −CF −O−CF −CF −T
    [ここで、n=1〜25であり、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル鎖(C1〜C6)であり、アルキル鎖はO原子に遮断されることができる]、
    T−CF −O−(CF −CF −O) −(CF −O)q−CF −T
    [ここで、p/q=0.5〜3.0であり、約500〜約4000g/molの範囲の分子量である]、
    T−CF −(O−CF(CF )−CF −(O−CF −O−CF −T
    [ここで、n/m=20〜40であり、約650〜約3200g/molの範囲の分子量である]、
    CF −(CF −(OCF(CF )−CF −O−CF(CF )−T[ここで、z=0、1、2、3、4、5、6、7又は8である]、
    CF −CHF−O−(CF −T[ここで、o=1、2、3、4、5又は6である]、
    CF −CF −O−(CF −T
    [ここで、o=1、2、3、4、5又は6である]、
    並びにこれらの混合物、
    [Tは、請求項2のT 及びT で定義したような意味を有する]
    からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性歯科用組成物。
  6. 前記F−含有化合物が、
    CF −O−CF −O−CF −CF −O−CHF−T
    CF −(O−CF −O−CF −CF −O−CHF−T
    CF −(O−CF −O−CF −CF −O−CHF−T
    CF −O−CF −O−CF −CF −O−CHF−CF −T
    CF −(O−CF −O−CF −CF −O−CHF−CF −T
    CF −(O−CF −O−CF −CF −O−CHF−CF −T
    −O−CF −CHF−T
    CF −O−CF −O−CF −CF −O−CF −CHF−T
    CF −(O−CF −O−CF −CF −O−CF −CHF−T
    CF −(O−CF −O−CF −CF −O−CF −CHF−T
    −O−CF −CHF−CF −T
    CF −O−CF −CF −CF −O−CF −CHF−CF −T
    CF −O−CF −O−CF −CF −O−CF −CHF−CF −T
    CF −(O−CF −O−CF −CF −O−CF −CHF−CF −T
    CF −(O−CF −O−CF −CF −O−CF −CHF−CF −T
    CF −(O−CF −O−CF −T
    CF −(O−CF −O−CF −T
    −(O−CF −CF −O−CF −T
    −(O−CF −CF −O−CF −T
    −(O−CF −CF −O−CF −T
    −(O−CF −CF −O−CF −T
    CF −(O−CF −CF −O−CF −T
    −(O−CF −CF −O−CF −T
    −(O−CF −CF −O−CF −T
    CF −(CF −(O−CF(CF )−CF −O−CF(CF )−T
    CF −(CF −(O−CF(CF )−CF −O−CF(CF )−T
    CF −(CF −(O−CF(CF )−CF −O−CF(CF )−T
    CF −(CF −(O−CF(CF )−CF −O−CF(CF )−T
    CF −(CF −(O−CF(CF )−CF −O−CF(CF )−T
    CF −CFH−O−(CF −T
    CF −CFH−O−(CF −T
    CF −CF −O−(CF −T
    CF −CF −O−(CF −T
    Rf−(O−CF −CF −CF −O−CF −CF −T(ここで、n=1〜25であり、Rfは、直鎖状又は分枝状完全又は部分フッ素化アルキル残基(C1〜C6)であり、アルキル鎖は酸素原子に遮断されることができる)、
    T−CF −O−(CF −CF −O) −(CF −O) −CF −T(ここで、p/q=0.5〜3.0であり、約500〜約4000g/molの範囲の分子量である)、
    T−CF −(O−CF(CF )−CF −(O−CF −O−CF −T(ここで、n/m=約20〜40であり、約650〜約3200g/molの範囲の分子量である)、
    並びにこれらの混合物、
    (Tは、請求項2のT 及びT で定義したような意味を有する)
    からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性歯科用組成物。
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