JP5557178B2 - 液晶表示装置及び輝点抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置及び輝点抑制方法に関し、特に、微小な異物に起因する輝点欠陥が存在する液晶表示装置及び輝点を目立たなくさせる輝点抑制方法に関する。
TFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子とする液晶表示装置は、近年高精度・高品質の要求が高まっており、そのような市場において最も目立つ品質劣化の一つに輝点問題が挙げられる。この輝点とは、中間調や黒画面を表示させたときに視認される光抜け部分のことであり、その大きさは数十μm程度であり、本現象は、例えば液晶表示装置の組立工程中に混入する大きさ数μmから数十μm程度の微小な異物に起因する。
特にノーマリーブラックモードの液晶表示装置の場合、微小な異物が混入すると、異物による屈折現象に起因した光漏れ、或いは異物により周辺の液晶配向が乱されたことによる光漏れが発生し、常に明るい輝点として視認される。
従来、液晶表示装置を家庭用テレビやパソコンモニタなどに利用するケースでは、画像を構成する単位画素の数%という極めて小さいサイズの輝点が、表示不良として問題視されることはなかった。
しかしながら、近年は高品質が求められ、特に液晶表示装置を医療用モニターとして利用するケースでは、利用者と液晶表示装置との視間距離が近いこと、また主に暗めの中間調画面を表示させて緻密で微妙なグラデーションを読み取るような使われ方をすることから、微小なサイズの輝点といえども画像認識の障害になるとして問題視されるようになった。さらにモノクロ液晶表示装置の場合、カラー液晶表示装置のようにカラーフィルターによる光の減衰がない分透過輝度が高くなるため、微小輝点がより目立ちやすい。
TFT液晶表示装置においては従来から、上述のようなドットの一部が光漏れする欠陥ではなく、ドット全域が表示不良となる欠陥が存在するが、その主なメカニズムとして、TFT基板の製造工程で発生するパターニング不良に起因するものがある。
このTFTパターニング不良起因により発生するドット欠陥を修復する方法は既にほぼ確立しており、一般的にはパターニング不良によりTFTの誤動作を発生させる部分へレーザー光を照射して熱的に破壊して正常にする方法がある。或いは前記方法に加え、画素電極部と定電圧信号電極部とをレーザー光を照射することで熱的に接続させて、画素電極を一定電圧電位に固定させる方法がある。
以上のように、TFTパターニング不良に起因したドット欠陥はレーザー加工処理によりドット単位の修復が可能である。
それに対して、特にノーマリーブラックモードの液晶表示装置において、組立工程中に混入する微小な異物等によってドットの一部のみ光漏れする輝点欠陥の場合、異物の存在自体が光漏れの原因となっており、異物を除去する手段が存在しない現在、有効な修復方法はない。
例えば、異物自体にレーザー光を照射して熱的に破壊しようとしても、ほとんど形状変化させることはできない。仮に異物を破壊することができた場合においても、破壊片が正常領域に分散して異物起因の微小輝点を増加させる可能性まである。
そこで、上記輝点を目立たなくする方法として、例えば、下記特許文献1には、電気的に全領域が制御できない不良ドットに隣接するn個(nは1以上の整数)のドットに印加する信号を制御して、隣接するn個のドットの輝度の和が、不良ドットの本来の輝度に略等しくなるように調整する方法が開示されている。
特許第3565327号公報
図9(特許文献1の図1)は、不良ドット周辺の状況を説明する図である。ハッチングのかかっていない12のドットは不良ドットで、常時黒状態になっている場合を想定する。本来は全面を光らせるべきであるにもかかわらず、このドットは光らせることができない。そこで、不良ドットに隣接する13および14のドットの光らせ方を制御して、不良ドット12の本来の明るさと略等しい状態を当該ドット付近に作り出して、視覚的な妨害を低減するよう作用させている。
しかしながら、この従来の方法では、不良ドット自体は全く制御できないという欠点がある。また、隣接ドットの輝度を制御する場合においても、不良ドット自体の輝度制御ができないため、不良ドッドを目立たなくさせる視覚的効果が低いという問題がある。
さらに、上記従来の方法を実施するには、不良ドットのアドレスを検出して隣接ドットに通常とは異なる信号を入力制御するための補正回路を新たに追加する必要があるため、コストアップが避けられないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、組立工程中の微小な混入異物などにより発生する輝点欠陥の存在を、コストアップを抑制しつつ実使用上問題ないレベルまで目立たなくさせることができる液晶表示装置及び輝点抑制方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置において、組立工程中に混入する微小な異物などで発生する輝点欠陥が存在する場合に、前記輝点欠陥の存在するドット(以後「不良ドット」という)の正常領域を常時黒表示させる(以後「黒点化」という)ことにより前記輝点欠陥を目立たなくさせることを特徴としている。
また本発明は、前記不良ドットの正常領域を黒点化させるとともに、前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち少なくとも一つ以上のドットを黒点化させて、前記輝点欠陥を目立たなくさせることを特徴としている。
なお、ここで「隣接」するとは、水平方向、垂直方向、斜め方向、いずれの隣接も含むことを意味する。
また本発明は、前記不良ドットの正常領域を黒点化させるとともに、前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち前記輝点欠陥領域に対して距離の近い順番で前記隣接ドットを順次選択して黒点化させることを特徴とする。
また本発明は、1つの単位構成画素を3つのドットにストライプ状に分割して構成する液晶表示装置において、前記不良ドットの正常領域を黒点化させるとともに、前記不良ドットの長辺が隣接する2つのドットのうち少なくとも一つまたは両方を黒点化させることを特徴とする。
また本発明は、前記不良ドットの正常領域を黒点化させるとともに、前記不良ドットにおける輝点領域の占める面積比率に応じて、前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち黒点化するドットの個数を決定することを特徴とする。
なお、ここで「輝点領域の占める面積比率」とは、輝点領域の面積を一つのドット全面積で割った値である。
また本発明は、前記不良ドットの正常領域を黒点化させるとともに、初期状態において前記輝点欠陥が視認できなくなり始める表示画面の明るさに応じて、前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち黒点化するドットの個数を決定することを特徴とする。
また本発明は、前記ドットの一部をレーザー加工などでハード的に処理して、黒点化を実現することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置及び輝点抑制方法によれば、組立工程中の微小な混入異物などにより発生する輝点欠陥の存在を、コストアップを抑制しつつ実使用上問題ないレベルまで目立たなくさせることができる。
その理由は、不良ドット自体の正常領域を常時黒表示化させることで、人間の目には不良ドットの輝点欠陥領域と正常領域の輝度和として捉えられるため、不良ドット全体の輝度が下がるからである。
また、輝点欠陥がある不良ドットの周辺の隣接ドットを常時黒表示化させることで、人間の目には不良ドットと隣接ドットの輝度和として捉えられるため、不良ドットを含む領域の輝度が下がるからである。
また、不良対象品のみレーザーなどによる簡単な加工処理を施すだけでよいため、新たな補正回路の追加などが必要ないからである。
実際に約30μmφサイズの異物による輝点欠陥が存在するノーマリーブラックモードのモノクロ液晶表示装置において、表示画面をどの程度暗くしたときに輝点として視認されるかを、初期状態、不良ドットの正常領域を黒点化させた場合、加えて隣接ドットの一つを黒点化させた場合、さらに加えて異なる隣接ドットの一つを黒点化させた場合について調査した。その結果の一例を表1に示す。なお、表示画面の明るさを256段階に分けて表示し、白表示を255階調、黒表示を0階調と設定している。
Figure 0005557178
表1より、不良ドットの正常領域に加え、黒点化する隣接ドット数を増加させるほど、輝点として視認されはじめる表示画面が暗くなることが分かる。医療用モノクロ液晶表示装置の場合、実際に表示する画面を勘案すると、上記実験の場合には60階調表示で輝点として視認されないレベルであれば実使用上問題なく、不良ドットの正常領域に加え二つ以上の隣接ドットを黒点化すれば達成可能である。なお、ここで言う60階調表示の明るさとは、白表示である255階調の明るさの約2%程度である。
なお、本発明では、輝点を黒表示部分との輝度和として視覚的に暗く見せようとするため、黒表示化させる領域は輝点に対して空間的に極力近い方がより有効である。したがって黒点化が最も効果的なのは輝点の存在する不良ドット自体であり、まず不良ドットの正常領域を黒点化するのが効果的である。次に隣接ドットに関して言えば、輝点の位置に対して距離の近い順番で選択して黒点化するのが効果的である。
ただし、主にカラー液晶表示装置に見られるような1つの単位構成画素を3つのドットにストライプ状に分割して構成する図2のような液晶表示装置の場合には、不良ドットの長辺が隣接するドットを優先的に選択するのが望ましい。なぜなら、長辺ではなく短辺が隣接するドットを選択した場合、黒点領域が非常に長細い形状になることで、今度は黒点欠陥として目立つことになるからである。
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置及び輝点抑制方法について、図1乃至図7を参照して説明する。
ノーマリーブラックモードの液晶表示装置に微小な異物などが混入した場合、異物による屈折現象に起因した光漏れ、或いは異物により周辺の液晶配向が乱されたことによる光漏れが発生して、図1のように常時明るい輝点欠陥として見える。なお輝点欠陥の存在する不良ドットにおいて、輝点欠陥領域以外のほとんどの領域は正常に動作表示する状態である。
ここで本発明の構成を図2および図3に示す。図2に示すように、1つの単位構成画素を3つのドットにストライプ状に分割して構成する液晶表示装置において、上述のような輝点欠陥が存在する不良ドットの正常領域が常時黒表示された図3の(2)に示す構成とする。さらに、該不良ドットの長辺が隣接するドットのうち少なくとも1つまたは両方が常時黒表示された図3の(3)乃至(4)に示す構成を含む。さらに加えて、該不良ドットの長辺以外に隣接するドットも黒表示された図3の(5)〜(7)に示すような構成を含む。なお、本発明における隣接ドットには、不良ドットの長辺又は短辺で接するドットに限らず、不良ドットの角で接するドット(図3の(6)、(7)で黒点化したドット)も含まれる。
上記構成の液晶表示装置を以下の手順で作製する。一般に、液晶表示装置は、列状に配置された複数の信号配線、行状に配置された複数の走査配線、それら信号配線と走査配線で囲まれた網目に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極、各画素電極と対応する信号配線との電気的接続をオン/オフさせる複数のTFTスイッチング素子が形成されたアクティブマトリックス基板と、ブラックマトリックスが形成された対向基板との間に液晶層が狭持され、液晶層の周囲は液晶封止材によって封止された構成で、アクティブマトリックス基板および対向基板の外側には各々偏光板が付与された構成になっており、さらにアクティブマトリックス基板上の信号配線および走査配線は液晶封止材の外側まで延伸されて形成され、各々その端部にデータ信号および走査信号を供給する駆動用ICが接続された構成になっている。この液晶表示装置の製造において、画像表示検査時に上記異物などに起因する輝点欠陥を発見した場合、まず、表示画面を暗い低階調(例えば60/255階調など、最終的に使用される環境化で輝点として問題となる明るさ)の画面表示にして輝点が視認されるかどうかを確認する。視認される場合には、該当サンプルの不良ドットの正常領域を黒点化する。
その時点で再度画像表示検査を行い、暗い低階調画面で輝点が視認されるかどうかを確認し、そのとき視認されなければ、この時点で作業を完了させる。視認される場合には、次に、前記不良ドットの長辺が隣接したドッドのうち前記輝点欠陥の発生位置に一番近いドット(図3の場合、不良ドットの左隣に接したドット)を黒点化する。
その時点で再び画像表示検査を行い、暗い低階調画面で輝点が視認されるかどうかを確認し、視認されなければ作業を完了させる。視認される場合には、次に、前記不良ドットの長辺が隣接したドットのうち未だ黒点化されていないドット(図3の場合、不良ドットの右隣に接したドット)を黒点化する。
その時点で再び画像表示検査を行い、暗い低階調画面で輝点が視認されるかどうかを確認し、視認されなければ作業を完了させる。視認される場合には、前記不良ドットに隣接したドットのうち未だ黒点化されていないドットの一つを選択して黒点化する。
このように確認画面で輝点として視認されなくなるまで、前記不良ドットに隣接したドットの黒点化を継続して実施する。
なお、本実施例はノーマリーブラックモードの液晶表示装置に限らず、ノーマリーホワイトモードの液晶表示装置にも適用可能である。
次に、黒点化の方法について、ノーマリーブラックモードのアクティブマトリックス方式の液晶表示装置として画素電極と対向電極を同じ基板上に形成する横電界方式のものを例にして説明する。図4に上記アクティブマトリックス基板の単位構成ドットを示した平面図を示し、図5にその要部の断面図を示す。
単位構成ドットは、信号配線5と、前記信号配線5と薄膜トランジスタ4を介して電気的に接続されたソース電極5aと、前記ソース電極5aと電気的に接続された画素電極7aと、前記画素電極7aと平行に配置された対向電極7bと、前記対向電極7bと電気的に接続されたコモン配線2aとで構成されている。なお、前記ソース電極5aと前記コモン配線2aの間にはゲート絶縁膜3が挟まれた断面構造をしており、両者は電気的に絶縁されている。
上記の液晶表示装置は、信号配線5から薄膜トランジスタ4を介してソース電極5aおよび画素電極7aに所定の電位を与え、一定電位に保持された対向電極7bと前記画素電7aとの電圧差で生じる電界を利用して、その間に挟持された液晶の配向方位をコントロールし、入射光を変調することで表示輝度を制御している。
そこで、黒点化対象ドットの画素電極7aの一部(図4の2重線部)にレーザー光を照射して熱的に破壊し、画素電極7aとソース電極5aを電気的に分離させる。すると前記画素電極7aに信号電位が与えられず常時フローティング状態となるので、前記画素電極7aをほぼとり囲んで配置されている対向電極7bとの間に電界は発生せず、常時黒表示状態となる。
また別の方法として、黒点化対象ドットのソース電極5aとコモン配線2aがゲート絶縁膜3を挟んで重畳している部分(図4および図5の×印部)にレーザー光を照射して熱的に接続させることで、画素電極7aと対向電極7bを同電位にさせて常時黒表示状態とさせる方法もある。
更に別の黒点化の方法について、ノーマリーホワイトモードのアクティブマトリックス方式の液晶表示装置として画素電極と対向電極が異なる基板上に形成されたものを例に説明する。図6に前記アクティブマトリックス基板の単位構成ドットを示した平面図を示し、図7にその要部の断面図を示す。単位構成ドットは、絶縁基板1上に配置された信号配線5と、前記信号配線5と薄膜トランジスタ4を介して電気的に接続されたソース電極5aと、前記薄膜トランジスタ4を駆動させる走査電極2と、前記ソース電極5aと電気的に接続された画素電極7aと、前記画素電極7aと液晶層11を挟んで対向絶縁基板10上に形成された対向電極7bとで構成されている。なお、前記ソース電極5aと前記走査電極2の間にはゲート絶縁膜3が挟まれた断面構造をしており、両者は電気的に絶縁されている。上記のノーマリーホワイトモードの液晶表示装置において、黒点化対象ドットのソース電極5aと走査電極2がゲート絶縁膜3を挟んで重畳している部分(例えば図6および図7の×印部)にレーザー光を照射して熱的に接続させることで、画素電極7aと走査電極2とを同電位にさせて、画素電極7aと対向電極7bとの電位差が正常ドットの黒電圧と同等以上になるようにして、常時黒表示状態とさせる。
なお、黒点化の方法は上記方法に限らず、例えば絶縁基板の外側の面上に遮光膜を形成する方法や、レーザーなどで絶縁基板や偏光板表面に凹凸を形成するような方法でも良い。
このように、本実施例によれば、微小異物などに起因した輝点欠陥はそのままに、周辺を常時黒表示させることで、その輝度和として人間の目には捉えられるため、暗めの低階調画面を表示させた状態においても輝点欠陥として視認されなくなる。
また、不良ドットのうち正常動作する領域、つまり輝点欠陥部に最も近い周辺部分を黒点化させることにより、上述の視覚的効果を最大限に活用することが可能である。
さらに対象ドットの黒点化は、レーザー光の照射によるTFTパターンの熱破壊または熱接続という当業者では一般的に使用されている既存手段で可能なため、黒点化を容易に実現できる。
よって、従来「輝点不良」として廃棄されていた液晶表示装置を容易な手段で利用可能な状況に修復できるため、品質・生産性の向上が可能となり、多大なコストダウン効果が期待できる。
次に、本発明の第2の実施例に係る液晶表示装置及び輝点抑制方法について、図8を参照して説明する。
前記した実施例1では、該当不良サンプルに第1回目の黒点化作業を実施した段階で再度画像表示検査を行って、実使用上問題ないか確認する必要がある。また前記表示検査において修正不十分と判断される可能性があり、その場合には第2回目の黒点化作業ならびに画像表示検査が必要となる。このように数回に渡る黒点化作業および画像表示検査が必要になるケースがあるため、生産性が低下するという課題がある。
特にモノクロ液晶表示装置の場合には、カラー品と比較して透過輝度が高くなるため輝点がより視認されやすくなり、黒点化処理すべき隣接ドットの個数が多くなるケースが増えるので、生産性の低下が無視できない。
そこで、本実施例では、輝点欠陥領域の面積比率に基づいて黒点化するドット数を算出し、生産性の向上を図る。
具体的には、ノーマリーブラックモードのモノクロ液晶表示装置の作製において、画像表示検査時に微小な異物などに起因した輝点欠陥を発見した場合、まず該当サンプルの輝点欠陥領域の面積を測量して、単位構成ドットに占める前記輝点欠陥領域の面積比率を算出する。前記輝点欠陥領域の面積は、スポットゲージなどを用いれば容易に測量可能である。次に、前記面積比率に応じて黒点化する隣接ドットの個数を決定する。最後に、不良ドットの正常領域を黒点化するとともに、該不良ドットに隣接するドットのうち上述の方法により決定した個数のドットを黒点化して修復作業を完了させる。なお、黒点化の方法は実施例1と同様である。
上記手法において、前記輝点欠陥領域の面積比率が大きくなるほど漏れてくる光の輝度が高くなるため、黒点化が必要な前記隣接ドットの個数も多くする必要がある。その個数については、例えば表2に従って決定するとよい。
Figure 0005557178
例えば、60μm×180μmサイズの単位ドットで構成された液晶表示装置を考えたとき、異物起因の微小輝点欠陥領域のサイズが30μmφである場合、前記輝点欠陥領域のドットにおける占有面積比率は6.5%となり、上表によると黒点化対象とする隣接ドットは2個と決定すればよい。
このとき、前記隣接ドットのうち黒点化の対象とするドットを決定する方法は、前記輝点欠陥の発生位置と距離の近い順番(例えば図6に示す順番)で選択する。
なお、あくまで表2は一例であり、前記輝点欠陥より漏れてくる光の輝度および黒点化した部分の光の輝度によって本発明の効果は異なるため、バックライト輝度やフィルター特性など液晶表示装置の構成に合せて個別に設定する必要がある。また、本実施例はモノクロ液晶表示装置に限らず、カラー液晶表示装置にも適用可能である。さらに本実施例はノーマリーブラックモードの液晶表示装置に限らず、ノーマリーホワイトモードの液晶表示装置にも適用可能である。
このように、本実施例では、輝点欠陥のサイズを測量することで黒点化すべき隣接ドットの個数を事前に決定することができるため、実施例1のような無駄な工数の発生を抑えることができるので、生産性を向上させることができる。
次に、本発明の第3の実施例に係る液晶表示装置及び輝点抑制方法について説明する。
前記した実施例2では、該当サンプルに発生した輝点欠陥のサイズを測量する必要があるが、液晶表示装置の中には最表面に光を拡散させるフィルムを貼るものも存在し、異物などに起因して漏れてくる光も拡散されるため、画像表示検査時において前記輝点欠陥領域のエッジがぼやけて見づらくなり、前記輝点欠陥のサイズを正確に測量することが困難な事態となるケースがある。
そこで、本実施例では、輝点欠陥領域の面積比率を算出するのではなく、輝点欠陥として視認される階調度数を調査し、生産性の向上を図る。
具体的には、ノーマリーブラックモードのモノクロ液晶表示装置の作製において、画像表示検査時に微小な異物などに起因した輝点欠陥を発見した場合、まず該当サンプルの輝点欠陥がどのような明るさの表示状態にしたときまで輝点として視認されるかを調査確認する。例えば表示画面の明るさを256段階に分けて表示し、白表示を255階調、黒表示を0階調と設定している場合、徐々に表示画面の階調を上げていき、輝点として視認されなくなる限界の階調を確認する。次に、上述の輝点欠陥が視認されなくなる階調度数に応じて黒点化する隣接ドットの個数を決定する。最後に、不良ドットの正常領域を黒点化するとともに、該不良ドットに隣接するドットのうち上述の方法により決定した個数のドットを黒点化して修復作業を完了させる。なお、黒点化の方法は実施例1と同様である。
上記手法において、前記輝点欠陥が視認されなくなる階調度数が高いほど漏れてくる光の輝度が高くなることを意味しており、それに応じて黒点化が必要な前記隣接ドットの個数も多くする必要がある。その個数については、例えば表3に従って決定するとよい。
Figure 0005557178
なお、あくまで表3は一例であり、液晶表示装置の各階調の明るさは信号制御回路の仕様により異なるため、前記黒点化対象隣接ドットの個数を判断する階調度数は、前記回路仕様に合せて個別に条件を設定する必要がある。また、本実施例はモノクロ液晶表示装置に限らず、カラー液晶表示装置にも適用可能である。さらに本実施例はノーマリーブラックモードの液晶表示装置に限らず、ノーマリーホワイトモードの液晶表示装置にも適用可能である。
このように、実施例3では、輝点欠陥のサイズに関係なく、該輝点欠陥により漏れてくる光強度を間接的に把握することで、黒点化すべきドットの個数を事前に決定することが可能であり、実施例2のように液晶表示装置の構成に左右されることなく、容易に生産性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、不良ドット、隣接ドットを黒点化して輝点欠陥を目立たなくさせることができる限りにおいて、適宜変更可能である。
本発明は、微小な異物に起因する輝点欠陥が存在する液晶表示装置に利用可能である。
不良ドットの構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の画素構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施例における黒点化手順を示す平面図である。 本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置のアクティブマトリックス基板の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置のアクティブマトリックス基板の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施例における隣接ドットの黒点化優先順位を示す平面図である。 従来の液晶表示装置の不良ドット周辺の状況を示す平面図である。
符号の説明
1 絶縁基板
2 走査配線(走査電極)
2a コモン配線
3 ゲート絶縁膜
4 薄膜トランジスタ
5 信号配線
5a ソース電極
6 保護絶縁膜
7a 画素電極
7b 対向電極
8a コンタクト部(ソース電極−画素電極)
8b コンタクト部(コモン配線−対向電極)
9 半導体層
10 対向絶縁基板
11 液晶層
12 青の不良ドット
13 不良ドットに隣接する赤のドット
14 不良ドットに隣接する緑のドット

Claims (26)

  1. 常時明るい微小な輝点欠陥領域が一部分を占める不良ドットを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置において、
    前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外の正常領域が常時黒表示されるように前記不良ドットが動作していることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 常時明るい微小な輝点欠陥領域が一部分を占める不良ドットを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置において、
    前記輝点欠陥は前記液晶表示装置の組立工程中に混入した微小異物による光漏れに起因していることを特徴とし、且つ前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外は電気的に正常動作していることを特徴として、
    前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外の正常領域が常時黒表示されるように前記不良ドットが動作していることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 常時明るい微小な輝点欠陥領域が一部分を占める不良ドットを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置において、
    前記輝点欠陥は前記液晶表示装置の組立工程中に混入した微小異物による光漏れに起因していることを特徴とし、且つ前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外は電気的に正常動作していることを特徴として、
    前記不良ドットの電極を一定電位に固定あるいはフローティング状態にすることによって、前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外の正常領域が常時黒表示されるように動作していることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 常時明るい微小な輝点欠陥領域が一部分を占める不良ドットを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置において、
    前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外の正常領域が常時黒表示されるように動作しており、かつ、前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち少なくとも1つ以上のドットが常時黒表示されるように動作していることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 常時明るい微小な輝点欠陥領域が一部分を占める不良ドットを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置において、
    前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外の正常領域が常時黒表示されるように動作しており、かつ、前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち少なくとも1つ以上のドットが、電極を一定電位に固定あるいはフローティング状態にすることによって常時黒表示されるように動作していることを特徴とする液晶表示装置。
  6. 常時明るい微小な輝点欠陥領域が一部分を占める不良ドットを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置において、
    前記輝点欠陥は前記液晶表示装置の組立工程中に混入した微小異物による光漏れに起因していることを特徴とし、且つ前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外は電気的に正常動作していることを特徴として、
    前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外の正常領域が常時黒表示されるように動作しており、かつ、前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち少なくとも1つ以上のドットが常時黒表示されるように動作していることを特徴とする液晶表示装置。
  7. 常時明るい微小な輝点欠陥領域が一部分を占める不良ドットを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置において、
    前記輝点欠陥は前記液晶表示装置の組立工程中に混入した微小異物による光漏れに起因していることを特徴とし、且つ前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外は電気的に正常動作していることを特徴として、
    前記不良ドットの電極を一定電位に固定あるいはフローティング状態にすることによって、前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外の正常領域が常時黒表示されるように動作しており、かつ、前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち少なくとも1つ以上のドットが、電極を一定電位に固定あるいはフローティング状態にすることによって常時黒表示されるように動作していることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 前記液晶表示装置は、モノクロ液晶表示装置であり、
    前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち前記輝点欠陥領域に最も近い距離にあるドットが常時黒表示されるように動作していることを特徴とする請求項乃至7のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  9. 前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち前記輝点欠陥領域までの距離が近い順番で2つ以上のドットが常時黒表示されるように動作していることを特徴とする請求項乃至7のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  10. 1つの単位構成画素は、ストライプ状に分断された3つのドットで構成されており、
    前記不良ドットの前記正常領域が常時黒表示されるように動作しているとともに、前記不良ドットの長辺が隣接する2つのドットの一方又は双方が常時黒表示されるように動作していることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  11. 前記輝点欠陥領域の面積が前記不良ドットの面積に占める比率に応じて、常時黒表示するドットの個数が決定されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  12. 初期状態において輝点欠陥が視認できなくなる表示画面の階調度数に応じて、常時黒表示するドットの個数が決定されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  13. 前記液晶表示装置は、ノーマリーブラックモードであり、
    常時黒表示されているドットの画素電極がフローティング状態であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  14. 信号配線と、前記信号配線と薄膜トランジスタを介して電気的に接続されているソース電極と、前記ソース電極と電気的に接続された画素電極と、前記画素電極と平行に配置された対向電極と、によって単位ドットが構成され、
    前記画素電極の一部がレーザー光の照射により熱的に破壊され、前記画素電極と前記ソース電極とが電気的に分離されることで、当該画素電極を含むドットが常時黒表示されることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
  15. 前記液晶表示装置は、ノーマリーブラックモードであり、
    常時黒表示されているドットの画素電極と対向電極とが同電位であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  16. 信号配線と、前記信号配線と薄膜トランジスタを介して電気的に接続されているソース電極と、前記ソース電極と電気的に接続された画素電極と、前記画素電極と平行に配置された対向電極と、前記対向電極と電気的に接続されたコモン配線と、によって単位ドットが構成され、
    前記ソース電極と前記コモン配線とが絶縁膜を挟んで重畳している部分がレーザー光の照射により熱的に接続され、前記画素電極と前記対向電極とが同電位にされて当該ドットが常時黒表示されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置。
  17. 前記液晶表示装置は、ノーマリーホワイトモードであり、
    常時黒表示されているドットの画素電極と対向電極との電位差が正常ドットの黒電圧と同等以上となるように、前記画素電極が一定電圧電位であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  18. アクティブマトリックス基板側に配置された信号配線と、前記信号配線と薄膜トランジスタを介して電気的に接続されているソース電極と、前記薄膜トランジスタを駆動させる走査電極と、前記ソース電極と電気的に接続された画素電極と、前記画素電極と液晶層を挟んで対向基板側に配置された対向電極と、によって単位ドットが構成され、
    前記ソース電極と前記走査電極とが絶縁膜を挟んで重畳している部分がレーザー光の照射により熱的に接続され、前記画素電極と前記走査電極とが同電位にされて当該ドットが常時黒表示されることを特徴とする請求項17に記載の液晶表示装置。
  19. 常時明るい微小な輝点欠陥領域が一部分を占める不良ドットを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置における輝点抑制方法であって、
    前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外の正常領域が常時黒表示されるように前記不良ドットを動作させることにより、輝点欠陥を目立たなくさせることを特徴とする輝点抑制方法。
  20. 常時明るい微小な輝点欠陥領域が一部分を占める不良ドットを有するアクティブマトリックス方式の液晶表示装置における輝点抑制方法であって、
    前記不良ドットの前記輝点欠陥領域以外の正常領域が常時黒表示されるように動作させ、かつ、前記不良ドットに隣接する複数のドットのうち少なくとも1つ以上のドットが常時黒表示されるように動作させることにより、輝点欠陥を目立たなくさせることを特徴とする輝点抑制方法。
  21. 前記液晶表示装置は、ノーマリーブラックモードであり、信号配線と、前記信号配線と薄膜トランジスタを介して電気的に接続されているソース電極と、前記ソース電極と電気的に接続された画素電極と、前記画素電極と平行に配置された対向電極と、によって単位ドットが構成されており、
    前記液晶表示装置の画質検査を行って前記不良ドットを特定した後、
    常時黒表示させるドットの前記画素電極の一部にレーザー光を照射して熱的に破壊し、前記画素電極と前記ソース電極とを電気的に分離する修復工程を実施することを特徴とする請求項19又は20に記載の輝点抑制方法。
  22. 前記液晶表示装置は、ノーマリーブラックモードであり、信号配線と、前記信号配線と薄膜トランジスタを介して電気的に接続されているソース電極と、前記ソース電極と電気的に接続された画素電極と、前記画素電極と平行に配置された対向電極と、前記対向電極と電気的に接続されたコモン配線と、によって単位ドットが構成されており、
    前記液晶表示装置の画質検査を行って前記不良ドットを特定した後、
    常時黒表示させるドットの前記ソース電極と前記コモン配線とが絶縁膜を挟んで重畳している部分にレーザー光を照射して熱的に接続し、前記画素電極と前記対向電極とを同電位にする修復工程を実施することを特徴とする請求項19又は20に記載の輝点抑制方法。
  23. 前記液晶表示装置は、ノーマリーホワイトモードであり、アクティブマトリックス基板側に配置された信号配線と、前記信号配線と薄膜トランジスタを介して電気的に接続されているソース電極と、前記薄膜トランジスタを駆動させる走査電極と、前記ソース電極と電気的に接続された画素電極と、前記画素電極と液晶層を挟んで対向基板側に配置された対向電極と、によって単位ドットが構成されており、
    前記液晶表示装置の画質検査を行って前記不良ドットを特定した後、
    常時黒表示させるドットの前記ソース電極と前記走査電極とが絶縁膜を挟んで重畳している部分にレーザー光を照射して熱的に接続し、前記画素電極と前記走査電極とを同電位にする修復工程を実施することを特徴とする請求項19又は20に記載の輝点抑制方法。
  24. 前記不良ドットに対して前記輝点欠陥領域以外の正常領域を常時黒表示させる修復を実施した後、再度、前記画質検査を行って輝度欠陥が視認されるかを確認し、輝度欠陥が視認される場合は、前記不良ドットに隣接するドットに対して常時黒表示させる修復を実施し、輝度欠陥が視認されなくなるまで、前記修復工程及び前記画質検査を繰り返し実施することを特徴とする請求項19又は20に記載の輝点抑制方法。
  25. 前記不良ドットにおける前記輝点欠陥領域の面積を測量し、前記輝点欠陥領域の前記不良ドットの面積に占める比率を算出し、当該比率に応じて決定される個数のドットに対して常時黒表示させる修復を実施することを特徴とする請求項19又は20に記載の輝点抑制方法。
  26. 初期状態において輝点欠陥が視認できなくなる表示画面の階調度数を調査し、当該階調度数に応じて決定される個数のドットに対して常時黒表示させる修復を実施することを特徴とする請求項19又は20に記載の輝点抑制方法。
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