以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である第1実施形態について図1〜図8を用いて説明する。本実施形態で説明する給湯装置1は、本発明に係る送風機20が適用される装置の一例である。図1は本発明の送風機を適用した第1実施形態に係る給湯装置1の構成を示す模式図である。図2は、送風機20を含むヒートポンプユニット30が収納される室外機31の外観を示す正面図である。
図1に示すように、給湯装置1は、温水を沸き上げるヒートポンプサイクル10及び給湯用水加熱回路3の一部を備えるヒートポンプユニット30と、ヒートポンプサイクル10によって沸き上げた温水を貯えるタンク9、配管、各種弁等を含むタンクユニット2と、を備えている。給湯装置1は制御装置(図示せず)を備え、制御装置は給湯操作リモコン(図示せず)から命令信号および各種センサの検出信号を受信してヒートポンプサイクル10による沸き上げ運転を制御する。
給湯操作リモコンは、ユーザーが給湯装置を使用するときに操作する操作盤であり、各操作スイッチや表示部が設けられ、浴室内やキッチンなどの湯を使用する場所の壁面に設置されている。また、給湯装置1は、制御装置の他に、給湯操作リモコンから命令信号を受信してタンクユニット2の各部の作動を制御するタンクユニット制御装置(図示せず)を備えてもよい。また、制御装置がタンクユニット制御装置の機能も併せ持ち、給湯装置のシステム全体を制御する統括制御装置であってもよい。
ヒートポンプサイクル10は、少なくとも圧縮機11、高圧側熱交換器である水・冷媒熱交換器12、減圧器14、蒸発器15等の冷凍サイクル機能部品が配管で環状に接続されて構成されている。この冷媒回路には内部熱交換器13が設けられている。内部熱交換器13は水・冷媒熱交換器12から流出した高圧冷媒と、蒸発器15からから流出して圧縮機11に吸入される低圧冷媒とを熱交換する熱交換器である。冷媒回路内には所定量の二酸化炭素の冷媒が封入されている。
さらに、蒸発器15の近傍には、蒸発器15に対して強制風を提供する送風機20が設けられ、送風機20による強制風の外気温度を検出する外気温度センサ19が設けられている。送風機20は、ファン21と、ファンの外周を囲むように形成されるシュラウド22と、シュラウド22に支持されファン21を駆動するモータ(図示せず)と、を備えている。
ヒートポンプサイクル10の冷媒回路には、高圧側温度センサ16a、高圧側圧力センサ17、加熱用熱交換器出口温度センサ16b、蒸発器入口温度センサ18a、蒸発器出口温度センサ18b等の各種センサが設けられている。高圧側温度センサ16aと高圧側圧力センサ17は、それぞれ圧縮機11から吐出された冷媒の温度、圧力を検出し、冷媒回路の高圧側である圧縮機11の出口から減圧器14の入口までに至る冷媒配管のどこに設けられてもよい。
加熱用熱交換器出口温度センサ16bは、水・冷媒熱交換器12の冷媒出口に設けられ、熱交換後の冷媒温度を検出する。蒸発器入口温度センサ18aは、減圧された後蒸発器15に流入する前の低圧側冷媒の温度を検出する。蒸発器出口温度センサ18bは蒸発器15で熱交換された後の冷媒の温度を検出する。
圧縮機11は、内蔵する駆動モータと、吸引したガス冷媒を臨界圧力以上の高圧にまで昇圧して吐出する高圧圧縮部と、を備え、これらが密閉容器内に収納されて構成されている。そして、制御装置によって通電制御される。圧縮機11は水・冷媒熱交換器12の加熱能力を大きくするときには圧縮機11の回転数を増大させて圧縮機11から吐出される冷媒流量を増大させ、一方、加熱能力を小さくするときには圧縮機11の回転数を低下させて、圧縮機11から吐出される冷媒流量を減少させる。
水・冷媒熱交換器12は、高圧圧縮部で昇圧された高温高圧のガス冷媒と給湯用水とを熱交換して給湯用水を加熱する。水・冷媒熱交換器12では、冷媒回路の一部である高圧冷媒通路に隣接して給湯用水加熱回路3の一部である給湯水通路が設けられ、その高圧冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向と給湯水通路を流れる給湯用水の流れ方向とが対向するようになっている。本実施形態では、冷媒として二酸化炭素を用いているので、水・冷媒熱交換器12内の冷媒圧力は冷媒の臨界圧力以上となり、さらに水・冷媒熱交換器12内で冷媒は凝縮することなく、冷媒入口側から冷媒出口側に向かうほど冷媒温度が低下するような温度分布を呈するようになる。
蒸発器15は、屋外空気と液相冷媒とを熱交換させ、液相冷媒を蒸発させることにより屋外空気から吸熱する熱交換器である。送風機20は、蒸発器15へ外気を供給する送風手段であり、制御装置によって通電されて送風量が制御される。減圧器14は冷媒を減圧膨張させる可変式の膨張弁であり、制御装置によってその絞り開度が可変的に制御される。また、減圧器14は、膨張弁の他、冷媒を略エントロピー的に減圧膨張するエジェクタで構成してもよい。
給湯用水加熱回路3は、給湯用水の加熱手段である水・冷媒熱交換器12の給湯水通路と、給湯用水を循環させるウォーターポンプ4と、給湯用水を貯留するタンク9とを環状に接続して構成される。ウォーターポンプ4は給湯用水加熱回路3のどこに配置してもよい。また給湯用水加熱回路3には、水・冷媒熱交換器12の給水入口の水温を検出する入口水温センサ5a及び水・冷媒熱交換器12で沸き上げられた水温を検出する出口水温センサ5bが設けられている。ウォーターポンプ4は、タンク9内の下部に設けられた低温水流出部から水を水・冷媒熱交換器12の給湯水通路を通してタンク9の上部に設けられた高温水流入部に還流させるように循環流を発生させる。ウォーターポンプ4は内蔵するモータの回転数に応じて循環流量を調節することができ、ヒートポンプサイクル10が沸き上げる湯温が目標とする値となるように、制御装置によってその回転数が制御される。
タンク9は、耐蝕性に優れた金属製(例えばステンレス製)で断熱構造を有し、高温の給湯用水を長時間にわたって保温することができる。タンク9に貯留された給湯用水は、出湯時に低温水との混合手段である混合弁8で、タンク9上部の高温水流出部からの高温水と給水管6を通じて供給される冷水とを混合して温度調節した後、給湯管7を通じて主に台所や風呂などに給湯される。
ヒートポンプサイクル10を超臨界ヒートポンプ式冷凍サイクルで構成した場合、一般的なヒートポンプ式冷凍サイクルよりも高温、例えば、85℃〜90℃程度の湯をタンク9内に蓄えることができる。ヒートポンプサイクル10は制御装置からの制御信号により作動するとともに、その作動状態をヒートポンプ制御装置に出力するように構成されている。ヒートポンプサイクル10は、料金設定の安価な深夜時間帯の深夜電力を利用してタンク9内の湯を沸き上げる沸き上げ運転、および深夜時間帯以外の時間帯に行う沸き上げ運転を行う。
制御装置は、沸き上げ運転時に、沸き上げ運転を制御するための目標となる目標値を算出し、目標値を満たすようにヒートポンプサイクル10の作動を制御する。換言すれば、制御装置は、給湯操作リモコンで命令された給湯運転情報を受信し、外気温度センサ19、入口水温センサ5a、出口水温センサ5b等からの温度情報に基づいてヒートポンプサイクル10が沸き上げる湯が目標とする目標沸き上げ温度となるようにヒートポンプサイクル10の減圧器14の開度や圧縮機11の吐出容量、ウォーターポンプ4や送風機20の回転数等を制御する。
(本願特徴部の説明)
送風機20は、図2に外観を示した室外機31の内部に収納され、前面に配したパネル311の裏面側に配置されている。送風機20は、その外観を示した図3のように、放射状に延びる3枚の羽根部212及び羽根部212の一体になって支える羽根ボス部211を備えて形成されるファン21と、ファン21の外周を囲む環状部材であって、その内壁221が羽根部の先端212aと所定の隙間をあけて形成されるシュラウド22,22Aと、を含んでいる。ファン21及びシュラウド22,22Aは、例えばポリプロピレン樹脂で形成されている。
送風機20は、上記従来の送風機が抱える課題を解決するために、シュラウド22,22Aにおけるその内壁221に特徴的な表面形状を備えている。この特徴的な表面形状は、図3に示すシュラウド22の例では、シュラウドの内壁221の全周に亘って形成されている。
また、図4に示すシュラウド22Aの例では、特徴的な表面形状を、シュラウドの内壁221における下部のみに所定範囲に亘って形成するようにしてもよい。この所定範囲は、特徴的な表面形状が形成されている部分の周方向の両端部よりも、さらに外側に位置するシュラウドの内壁部分が以下の表面角度を満たすように設定される。当該表面角度は、実験から求めた所定範囲の大きさの水滴を流下させるために必要な角度に設定される。つまり、発明者らは、当該大きさの水滴について流下実験を実施した上での検証に基づく所定の角度を見い出し、特徴的な表面形状よりも外側の内壁の角度が実験で見い出した所定の角度以上を満たすように、シュラウドの下部に特徴的な表面形状を形成する範囲を設定するのである。例えば、特徴的な表面形状を形成する上記の所定範囲は、シュラウド22Aの最下点端部(鉛直方向の最下点部)から周方向の左右それぞれに30度振った計60度の範囲とすることが好ましい。
特徴的な表面形状は、シュラウドの内壁221に形成された遠隔部222と近接部223の組み合わせからなる。図5は、送風機20においてシュラウド22,22Aとファンの羽根部212との関係を示す側断面図である。
図5に示すように、ファンの回転軸方向Xに延びるシュラウドの内壁221には、羽根部の先端212aとの距離が遠い遠隔部222と、遠隔部222よりも羽根部の先端212aとの距離が近い近接部223とが一続きに形成されている。つまり、遠隔部222は、羽根部の先端212aとの距離が近接部223よりも遠くなるように、シュラウドの内壁221に形成された部分であり、近接部223は、羽根部の先端212aとの距離が遠隔部222よりも近くなるように、シュラウドの内壁221に形成された部分である。そして、遠隔部222と近接部223は、ファンの回転軸方向Xに並ぶように配置され、両者が一続きの滑らかな内壁面を形成することで特徴的な表面形状を構成している。
さらに、図5に示すように、近接部223は、ファンの回転軸方向Xに対する傾きが遠隔部222よりも大きく形成されている。つまり、ファンの回転軸方向Xを水平またはほぼ水平にした姿勢でシュラウド22,22Aを設置した場合には、近接部223を形成する内壁面は、遠隔部222を形成する内壁面よりも鉛直方向(重力方向)に近い接線角度をもつ表面角度を呈する。
また、近接部223における表面角度は、所定範囲の大きさの水滴を流下させるために必要な角度に設定されている。つまり、発明者らは、水滴の流下実験を実施した上での検証に基づく所定の角度を見い出し、この角度以上の表面角度を満たす近接部223を設定する。近接部223に設定される表面角度は、シュラウドの内壁221に付着または発生する水滴の大きさが小さいほど大きい角度に、大きいほど小さい角度に設定され、流下させたい狙い目となる水滴の大きさは実験によって求められる。
このような接線角度の関係により、羽根部212を下方に伝って羽根部の先端212aから近接部223の表面に滴下した水滴は、近接部223の表面角度によって速やかに遠隔部222側に流下するようになる(図5に示す内壁221に沿う矢印参照)。そして遠隔部222の表面に達した水滴は、近接部223よりもなだらかな遠隔部222において滞留し易い状況にあるが、遠隔部222と羽根部の先端212aとの距離は、近接部223の場合に比べて離れている。このため、遠隔部222付近において相当量の水滴が滞留すると水の固まりが生じ、これが重力等によって流下するようになるので、遠隔部222に滞留する水によって羽根部の先端212aと遠隔部222とが水分で繋がるような事態を抑制できる。したがって、羽根部の先端212aとシュラウドの内壁221との間の排水性は良好に保たれ、当該部位で凍結が発生することを防止できる。
図5に示す例では、遠隔部222はファンの回転軸方向Xに延びる内壁221の両端側に配され、近接部223は、両端側に配された遠隔部222の間に位置する中間部に配される形態である。換言すれば、シュラウドの内壁221は、ファンの回転軸方向Xに延びる幅の中央寄りに羽根部の先端212aに近い頂部が配置され、この頂部から両端側の裾野に向かうほど傾斜角度がなだらかになる末広がりの断面形状をなしている。そして、頂部の両側には、傾斜角度が大きい近接部223が設けられ、両端側に延びる裾野には近接部223よりも傾斜角度が小さくなだらかな遠隔部222が設けられている。このとき、頂部の断面形状は、丸みを帯びた形状に形成される。
このように図5に示す例では、特徴的な表面形状は、近接部223の両側に遠隔部222が存在することにより、ファンの回転軸方向Xに延びるシュラウドの内壁221において緩やかに傾斜する傾斜面が両端側に形成され、中間部に急斜面がある上に凸の形状、換言すれば前後に形成される両スロープ凸形状を呈する。また、図5に示す両スロープ凸形状は、ファンの回転軸方向Xについて、前後に略対称な形状である。
さらに、シュラウド22,22Aが金型を使用した成形により形成される場合には、シュラウドの内壁221には、金型の型合わせ部220が頂部(内壁221の回転軸方向Xにおける中間部)に設定されることになる。このような型合わせ部の設定により、金型の型抜き工程を適切に実施することができ、成形品の品質を確保することができる。
図6は、室外機31のパネル311にシュラウド22Aを取り付けた例を示す側断面図である。図6に示す例では、シュラウド22Aは、室外機31の前面に配されたパネル311とは別体の部材であり、取付部225においてパネル311に固定することにより、パネル311と一体に設けられている。
図7は、シュラウド22Aを室外機31Aのパネル311Aに一体成形した例を示す側断面図である。図7に示す例では、シュラウド22Aと室外機31Aの前面に配されたパネル311Aは、一体に成形される一個の部材であってもよい。この場合には、室外機31Aの前面部の所定の位置にパネル311Aを取り付けると、シュラウド22Aはファン21を取り囲むように室外機31Aの内部に配置されることになる。パネル311Aが樹脂製である場合には、シュラウド22Aとパネル311Aは、例えば、射出成形金型を用いて成形される一体成形品である。パネル311Aが金属製である場合には、シュラウド22Aとパネル311Aは、例えば、プレス機械等を用いた一体絞り成形により一部品として形成される。
なお、図6及び図7には、下部のみに特徴的な表面形状を備えるシュラウド22Aについて記載されているが、全周に特徴的な表面形状を備えるシュラウド22についても、図6及び図7に示す形態を適用できることはいうまでもない。
次に、発明者らは、従来のシュラウド(以下、従来品と称する)と本実施形態のシュラウド22A(以下、本発明品と称する)について、シュラウドの内壁面における凍結状態を検証した結果を説明する。図8は、従来品と本発明品について実施した耐凍結性に関する実験結果を示したグラフである。
この実験は、氷点下の環境条件で、シュラウドに囲まれたファンに霧吹きで水をかけ、ファンとシュラウドの間で凍結が生じ、ファンがロックするまでの時間を計測している。図8の縦軸に示す座標軸はファンがロックするまでの時間軸であり、当該凍結に至るまでの時間が短いほど耐凍結性が低く、長いほど耐凍結性が高いと評価する。具体的な実験条件は、環境温度が−2℃、水をかける頻度は1回/5秒、水をかける量は0.2cc/回である。さらに、ファンの停止位置はファンの前翼端部が最下点にある位置に設定している。ファンは、手で回そうとしたときに回らずに停止したままのときロック状態であると判定する。このように実験を実施したところ、発明者らは、図8に示すように、本発明品においてファンがロックするまでの時間が従来品に比べて約2倍になることを確認した。
本実施形態に係る送風機20がもたらす作用効果を以下に述べる。送風機20は、ファン21と、ファン21の外周を囲むように形成されるシュラウド22とを備えて構成される。ファンの回転軸方向Xに延びるシュラウドの内壁221には、ファン21の羽根部の先端212aとの距離が遠い遠隔部222と、遠隔部222よりも羽根部の先端212aとの距離が近い近接部223とが一続きに形成されている。近接部223は、ファンの回転軸方向Xに対する傾きが遠隔部222よりも大きく形成されている。
これによれば、シュラウドの内壁221に、羽根部の先端との距離が遠い遠隔部222と、遠隔部222よりも羽根部の先端212aとの距離が近い近接部223とを一続きに形成することにより、近接部223と遠隔部222とを内壁に滑らかな表面によって形成することができ、水滴を内壁221においてスムーズに流下させることができる。さらに、ファンの回転軸方向Xに対する傾きが近接部223の方が遠隔部222よりも大きく形成されていることにより、近接部223においては、羽根部の先端212aとシュラウドの内壁221との間隔が小さく風量及び静音性が良好であるだけでなく、傾斜角度の大きな表面形状のため水滴の流下が促進されて排水性を良好にすることができる。
さらに、近接部223よりも傾斜角度が小さいものの羽根部の先端212aとシュラウドの内壁221との間隔が大きく設定された遠隔部222においては、水滴等が滞留し得るスペースが確保されているため、ファンロック等に至るまでの時間を要するようになり、耐凍結性を向上することが可能である。また、遠隔部222においては、水滴を保持するスペースがあるため、水滴が増加していくと、それらが合体して大きな水滴が形成されて、いわゆる濡れた状態になり、流れ易くなる。したがって、近接部223や遠隔部222に滞留する水によって羽根部の先端212aとシュラウドの内壁221とが水分で繋がるような事態を抑制できる。
このように本実施形態に係る送風機20によれば、シュラウドにおける切り欠き形状の形成やシュラウドの大型化を回避できるので、騒音悪化や搭載性悪化をもたらさない構造を実現できるとともに、凍結の抑制が図れ、耐凍結性に優れた送風機を提供できる。
また、送風機20は、ファンの回転軸方向Xに延びるシュラウドの内壁221において、遠隔部222を両端側に配するとともに両端側に配された遠隔部222の間に近接部223を配してなる。あるいは、送風機20は、ファンの回転軸方向Xに延びるシュラウドの内壁221において、近接部223を両端側に配するとともに両端側に配された近接部223の間に遠隔部222を配してなる。
この構成によれば、ファンの回転軸方向Xにおけるシュラウド長さの約半分の長さで近接部223及び遠隔部222を形成することにより、近接部223における傾きを大きくし易く、傾斜角度の大きな近接部223を形成することができる。このため、当該回転軸方向Xにおけるシュラウド22,22Aの長さを短く形成することが可能である。さらに、遠隔部222が当該回転軸方向Xに占有する範囲を小さくできるので、径方向におけるシュラウド22,22Aの大きさを抑えることができるため、風量確保及び静音性に関して好ましい送風機20が得られる。また、特徴的な表面形状を、例えば、対称形にまたはそれに近い両スロープ形状で形成するため、連続的に形成される近接部223及び遠隔部222を所定の角度に形成することが比較的容易である。
また、シュラウド22,22Aは、金型を使用した成形により形成される。さらにシュラウドの内壁221には、金型の型合わせ部220がファンの回転軸方向Xの中間部に設定される。この構成によれば、ファン21に一番近い部位に金型の型合わせ部が配置されることにより、金型成形の工程において、好ましい型設計を実施できる。
また、シュラウドの内壁221には、厚み方向に貫通する穴部が形成されていないことが好ましい。この構成であれば、シュラウドの内周壁面の近傍を流れる空気の乱れを起こす要因の一つを排除できるので、滑らかな空気流れが形成されて、送風機の静音性に寄与しうる。
また、送風機20は、室外に設置される室外機31,31A内に収容される蒸発器15(熱交換器の一例)に対して送風するように構成され、シュラウド22,22Aは、室外機31,31Aの外殻の一部をなすパネル311Aと一体に成形されている。この構成によれば、室外機に設置されることによって、冬期の結露、熱交換器の霜付着等の諸条件に対して高い耐凍結性を発揮するとともに、シュラウドの切り欠き形状や大型化を回避して騒音悪化や搭載性悪化をもたらさない構造を有する送風機20を提供できる。
さらに、パネル311Aは金属で形成されている場合には、シュラウド22,22Aは、パネル311Aとの一体絞り成形により形成されることが好ましい。この構成によれば、室外機31Aの前面部にパネル311Aを取り付けることにより、部品点数及び部品管理工数の低減が図れるとともに、耐凍結性、騒音抑制及び高い搭載性を発揮する送風機が得られる。
また、近接部223及び遠隔部222は、シュラウド22の全周に亘って形成されている。これによれば、製品を取り付ける向きの制約が少なく組立て性及びメンテナンス性が良好であるとともに、成形工程の型抜き及び型設計のやり易い送風機が得られる。
また、近接部223及び遠隔部222は、シュラウド22Aの下部のみに形成されている。これによれば、シュラウド22Aの下部以外で水滴等がファン21やシュラウド22Aに付着した場合には重力を利用してシュラウド22Aの下部に導き、さらに当該下部の近接部223及び遠隔部222により集水して効率的に排水するため、排水が促進し、高い耐凍結性を奏する。
(第2実施形態)
第2実施形態では、シュラウドに関して、第1実施形態に対する他の形態を説明する。図9は、第2実施形態の送風機についてシュラウド22Bと羽根部212との関係を示す側断面図である。図10は、図9に示すシュラウド22Bの応用例(シュラウド22B1)と羽根部212との関係を示す側断面図である。図9及び図10において図5と同一の符号を付した構成要素は、同一の要素であり、その作用効果も同様である。
第2実施形態の送風機は、第1実施形態の送風機20に対して、シュラウドの内壁221に形成する特徴的な表面形状が相違している。この相違点以外は、第2実施形態は第1実施形態と同一であり、同様の作用効果を奏する。以下、相違点のみ説明する。
図9に示すように、近接部223はファンの回転軸方向Xに延びる内壁221の両端側に配され、遠隔部222は、両端側に配された近接部223の間に位置する中間部に配される形態である。換言すれば、シュラウドの内壁221は、ファンの回転軸方向Xについての両端側に羽根部の先端212aに近い頂部が配置され、この頂部から中央部に向かうほど傾斜角度がなだらかになる椀状の断面形状をなしている。
そして、両端に位置する頂部の中央側には、傾斜角度が大きい近接部223が設けられ、中央部付近には近接部223よりも傾斜角度が小さくなだらかな遠隔部222が設けられている。頂部の断面形状は、丸みを帯びた形状に形成される。近接部223間の中央部である底壁部には、水抜き穴として機能する貫通穴224が形成されている。また、頂部から中央部に至る表面は、上に凸の放物線形状から下に凸の放物線形状に変化するように形成されている。
このように図9に示す例では、特徴的な表面形状は、両側の近接部223の間に遠隔部222が存在することにより、ファンの回転軸方向Xに延びるシュラウドの内壁221において緩やかに傾斜する傾斜面が中央部側にあり両端側に急斜面がある下に凹む形状、換言すれば前後に形成される両スロープ凹形状を呈する。また、図9に示す両スロープ凹形状は、ファンの回転軸方向Xについて、前後に略対称な形状である。
さらに、シュラウド22Bが金型を使用した成形により形成される場合には、シュラウドの内壁221には、金型の型合わせ部220が底壁部(内壁221におけるファンの回転軸方向Xの中央部)に設定されることになる。このような型合わせ部の設定により、金型の型抜き工程を適切に実施することができ、成形品の品質を確保することができる。
このようなシュラウド22Bの特徴的な表面形状によれば、羽根部212を下方に伝って羽根部の先端212aから近接部223の表面に滴下した水滴は、近接部223の表面角度によって速やかに中央側に流下するようになる(図9に示す内壁221に沿う矢印参照)。そして遠隔部222の表面に達した水滴は、近接部223よりもなだらかな遠隔部222において滞留し易い状況にあるが、遠隔部222と羽根部の先端212aとの距離は、近接部223の場合に比べて離れている。このため、遠隔部222付近において相当量の水滴が滞留すると水の固まりが生じ、これが重力によってさらに流下し、貫通穴224から外部に落下するようになるので、遠隔部222に滞留する水によって羽根部の先端212aと遠隔部222とが水分で繋がるような事態を抑制できる。したがって、羽根部の先端212aとシュラウドの内壁221との間の排水性は良好に保たれ、当該部位で凍結が発生することを防止できる。
さらに、シュラウド22Bの変形例としてのシュラウド22B1は、シュラウドを室外機31Aのパネル311Aに一体成形したものである(図10参照)。図10に示す例では、シュラウド22B1と室外機31Aの前面に配されたパネル311Aは、一体に成形される一個の部材である。この場合には、室外機31Aの前面部における所定の位置にパネル311Aを取り付けると、シュラウド22B1はファン21を取り囲むように室外機31Aの内部に配置されることになる。パネル311Aが樹脂製である場合には、シュラウド22B1とパネル311Aは、例えば、射出成形金型を用いて成形される一体成形品である。パネル311Aが金属製である場合には、シュラウド22B1とパネル311Aは、例えば、プレス機械等を用いた一体絞り成形により一部品として形成される。
(第3実施形態)
第3実施形態では、シュラウドに関して、第2実施形態に対する他の形態を説明する。図11は、第3実施形態の送風機についてシュラウド22Cと羽根部212との関係を示す側断面図である。図12は図11に示すシュラウド22Cの応用例(22C1)と羽根部212との関係を示す側断面図である。図11及び図12において図9、図10と同一の符号を付した構成要素は、同一の要素であり、その作用効果も同様である。
第3実施形態の送風機は、第2実施形態の送風機に対して、シュラウドの内壁221に形成する特徴的な表面形状が相違している。この相違点以外は、第3実施形態は第2実施形態と同一であり、同様の作用効果を奏する。以下、相違点のみ説明する。
図11に示すように、シュラウド22Cは、ファンの回転軸方向Xに関する両端側に羽根部の先端212aに近い頂部が配置され、この頂部から中央部に向かうほど傾斜角度がなだらかになる椀状の断面形状をなしている点は、第2実施形態と同様であるが、頂部から中央部に至る表面の形状が相違している。シュラウド22Cは、第2実施形態のシュラウド22Bと異なり、頂部から中央部に至る表面全体が下に凸の放物線形状で形成される両スロープ凹形状を呈する。
また、シュラウド22Cが金型を使用した成形により形成される場合には、シュラウドの内壁221には、金型の型合わせ部220が底壁部(内壁221におけるファンの回転軸方向Xの中央部)に設定されることになる。このような型合わせ部の設定により、金型の型抜き工程を適切に実施することができ、成形品の品質を確保することができる。
このようなシュラウド22Cの特徴的な表面形状によれば、羽根部212を下方に伝って羽根部の先端212aから近接部223の表面に滴下した水滴は、近接部223の表面角度によって速やかに中央側に流下するようになる(図11に示す内壁221に沿う矢印参照)。そして遠隔部222の表面に達した水滴は、近接部223よりもなだらかな遠隔部222において滞留し易い状況にあるが、遠隔部222と羽根部の先端212aとの距離は、近接部223の場合に比べて離れている。このため、遠隔部222付近において相当量の水滴が滞留すると水の固まりが生じ、これが重力によってさらに流下し、貫通穴224から外部に落下するようになるので、遠隔部222に滞留する水によって羽根部の先端212aと遠隔部222とが水分で繋がるような事態を抑制できる。したがって、羽根部の先端212aとシュラウドの内壁221との間の排水性は良好に保たれ、当該部位で凍結が発生することを防止できる。
さらに、シュラウド22Cの変形例としてのシュラウド22C1は、シュラウドを室外機31Aのパネル311Aに一体成形したものである(図12参照)。図12に示す例では、シュラウド22C1と室外機31Aの前面に配されたパネル311Aは、一体に成形される一個の部材である。この場合には、室外機31Aの前面部における所定の位置にパネル311Aを取り付けると、シュラウド22C1はファン21を取り囲むように室外機31Aの内部に配置されることになる。パネル311Aが樹脂製である場合には、シュラウド22C1とパネル311Aは、例えば、射出成形金型を用いて成形される一体成形品である。パネル311Aが金属製である場合には、シュラウド22C1とパネル311Aは、例えば、プレス機械等を用いた一体絞り成形により一部品として形成される。
(第4実施形態)
第4実施形態では、シュラウドに関して、第1実施形態に対する他の形態を説明する。図13は、第4実施形態の送風機についてシュラウド22Dと羽根部212との関係を示す側断面図である。図14は、図13に示すシュラウド22Dの応用例(シュラウド22D1)と羽根部212との関係を示す側断面図である。図13及び図14において図5と同一の符号を付した構成要素は、同一の要素であり、その作用効果も同様である。
第4実施形態の送風機は、第1実施形態の送風機20に対して、シュラウドの内壁221に形成する特徴的な表面形状が相違している。この相違点以外は、第4実施形態は第1実施形態と同一であり、同様の作用効果を奏する。以下、相違点のみ説明する。
図13に示すように、遠隔部222はファンの回転軸方向Xに延びる内壁221の一方端側に配され、近接部223は、近接部223の反対側に対応する他方端側に配される形態である。換言すれば、シュラウドの内壁221は、ファンの回転軸方向Xに関する他方端側に羽根部の先端212aに近い頂部が配置され、この頂部から一方端側に向かうほど傾斜角度がなだらかになる片側スロープの断面形状をなしている。
そして、他方端側に位置する頂部の中央側には、傾斜角度が大きい近接部223が設けられ、他方端側には近接部223よりも傾斜角度が小さくなだらかな遠隔部222が設けられている。頂部の断面形状は、丸みを帯びた形状に形成される。また、他方端側の頂部から一方端側に至る表面は、上に凸の放物線形状から下に凸の放物線形状に変化するように形成されている。
このようなシュラウド22Dの特徴的な表面形状によれば、羽根部212を下方に伝って羽根部の先端212aから他方端側の近接部223の表面に滴下した水滴は、近接部223の表面角度によって速やかに一方端側に流下するようになる(図13に示す内壁221に沿う矢印参照)。そして遠隔部222の表面に達した水滴は、近接部223よりもなだらかな遠隔部222において滞留し易い状況にあるが、遠隔部222と羽根部の先端212aとの距離は、近接部223の場合に比べて離れている。このため、遠隔部222付近において相当量の水滴が滞留すると水の固まりが生じ、これが重力によってさらに流下し、シュラウドの内壁221の一方端から外部に落下するようになるので、遠隔部222に滞留する水によって羽根部の先端212aと遠隔部222とが水分で繋がるような事態を抑制できる。したがって、羽根部の先端212aとシュラウドの内壁221との間の排水性は良好に保たれ、当該部位で凍結が発生することを防止できる。
さらに、シュラウド22Dの変形例としてのシュラウド22D1は、シュラウドを室外機31Aのパネル311Aに一体成形したものである(図14参照)。図14に示す例では、シュラウド22D1と室外機31Aの前面に配されたパネル311Aは、一体に成形される一個の部材である。この場合には、室外機31Aの前面部における所定の位置にパネル311Aを取り付けると、シュラウド22D1はファン21を取り囲むように室外機31Aの内部に配置されることになる。パネル311Aが樹脂製である場合には、シュラウド22D1とパネル311Aは、例えば、射出成形金型を用いて成形される一体成形品である。パネル311Aが金属製である場合には、シュラウド22D1とパネル311Aは、例えば、プレス機械等を用いた一体絞り成形により一部品として形成される。
第4実施形態の送風機によれば、ファンの回転軸方向Xに延びるシュラウドの内壁221は、遠隔部222を一方端側に配するとともに近接部223を他方端側に配する片側スロープ形状を備える。この構成によれば、シュラウドの内壁221が他方端側から一方端側へ向かう一方向になめらかに傾斜する特徴的形状とすることができる。これにより、シュラウドの内壁221に滴下または発生する水滴等を一方向に流下させることができ、水抜き穴を形成しなくともスムーズな排水を実施できる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、シュラウドに関して、第4実施形態に対する他の形態を説明する。図15は、第5実施形態の送風機についてシュラウド22Eと羽根部212との関係を示す側断面図である。図16は図15に示すシュラウド22Eの応用例(22E1)と羽根部212との関係を示す側断面図である。図15及び図16において図13、図14と同一の符号を付した構成要素は、同一の要素であり、その作用効果も同様である。
第5実施形態の送風機は、第4実施形態の送風機に対して、シュラウドの内壁221に形成する特徴的な表面形状が相違している。この相違点以外は、第5実施形態は第4実施形態と同一であり、同様の作用効果を奏する。以下、相違点のみ説明する。
図15に示すように、シュラウド22Eは、頂部から反対側の端部に向かうほど傾斜角度がなだらかになる片側スロープの断面形状をなしている点は、第4実施形態と同様であるが、頂部が一方端側にあって片側スロープの向きが逆になっている表面の形状が相違している。シュラウド22Eは、第4実施形態のシュラウド22Dと異なり、一方端側の頂部から他方端側の端部に向かうほど傾斜角度がなだらかになる片側スロープの断面形状を呈する。
このようなシュラウド22Eの特徴的な表面形状によれば、羽根部212を下方に伝って羽根部の先端212aから一方端側の近接部223の表面に滴下した水滴は、近接部223の表面角度によって速やかに他方端側に流下するようになる(図15に示す内壁221に沿う矢印参照)。そして遠隔部222の表面に達した水滴は、近接部223よりもなだらかな遠隔部222において滞留し易い状況にあるが、遠隔部222と羽根部の先端212aとの距離は、近接部223の場合に比べて離れている。このため、遠隔部222付近において相当量の水滴が滞留すると水の固まりが生じ、これが重力によってさらに流下し、シュラウドの内壁221の他方端から外部に落下するようになるので、遠隔部222に滞留する水によって羽根部の先端212aと遠隔部222とが水分で繋がるような事態を抑制できる。したがって、羽根部の先端212aとシュラウドの内壁221との間の排水性は良好に保たれ、当該部位で凍結が発生することを防止できる。
さらに、シュラウド22Eの変形例としてのシュラウド22E1は、シュラウドを室外機31Aのパネル311Aに一体成形したものである(図16参照)。図16に示す例では、シュラウド22E1と室外機31Aの前面に配されたパネル311Aは、一体に成形される一個の部材である。この場合には、室外機31Aの前面部における所定の位置にパネル311Aを取り付けると、シュラウド22E1はファン21を取り囲むように室外機31Aの内部に配置されることになる。パネル311Aが樹脂製である場合には、シュラウド22E1とパネル311Aは、例えば、射出成形金型を用いて成形される一体成形品である。パネル311Aが金属製である場合には、シュラウド22E1とパネル311Aは、例えば、プレス機械等を用いた一体絞り成形により一部品として形成される。
第5実施形態の送風機によれば、ファンの回転軸方向Xに延びるシュラウドの内壁221は、近接部223を一方端側に配するとともに遠隔部222を他方端側に配する片側スロープ形状を備える。この構成によれば、シュラウドの内壁221が一方端側から他方端側へ向かう一方向になめらかに傾斜する特徴的形状とすることができる。これにより、シュラウドの内壁221に滴下または発生する水滴等を一方向に流下させることができ、水抜き穴を形成しなくともスムーズな排水を実施できる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上述の実施形態では、送風機が備えるファンは、図3の如くプロペラファンであるが、本発明に係るファンはこの種のファンに限定するものではない。すなわち、ファンとの間で、整流作用を有するシュラウドを備え、当該シュラウドの内壁に上記の特徴的な表面形状を備えるものであれば、特にファンの種別は限定しない。
上述の実施形態に係る送風機は、被加熱流体を温水の提供に利用する給湯装置に用いられるヒートポンプサイクルの他、被加熱流体を温風に利用する車両用冷凍装置、車両用空調装置、室内用空調装置、暖房装置等の冷媒循環サイクルに適用することができ、また、車両エンジン、インバーター等を冷却するための冷却水と熱交換する空気を提供する装置として用いることができる。
上述の実施形態では、送風機20は、蒸発器15に対して送風を行うが、この形態に限定するものではなく、例えば、放熱器等の加熱用熱交換器に対して送風を行う形態であってもよい。
上述の実施形態では、二酸化炭素をヒートポンプサイクル10内に所定量封入し、サイクルの高圧側圧力を臨界圧力以上としているが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、二酸化炭素以外の冷媒(例えば、エチレン、エタン、酸化窒素等)を用いるサイクルであってよいし、高圧側圧力が臨界圧力以下となるものであってもよい。また、ヒートポンプサイクル10は、内部熱交換器13を備えていないサイクルであってもよい。
また、上述の実施形態では、タンクに貯湯する方式の給湯装置を例に説明したが、この実施形態に限定されるものではなく、給湯端末側に直接出湯する方式の給湯装置であってもよい。
また、上述の実施形態では、水・冷媒熱交換器12で加熱される被加熱流体は水であり、これをタンク9に貯めるとともに、タンク9内に貯めた湯を給湯用水として出湯しているが、この形態に限定するものではない。例えば、被加熱流体を給湯用水としてそのまま出湯するのではなく、当該被加熱流体を高温側の熱輸送媒体として使用し、さらに熱交換器等で当該被加熱流体と水を熱交換して、生成した湯を給湯用水として出湯するようにしてもよい。