本発明の第1実施形態に係る光学部品の調整構造、露光装置、及び画像形成装置の一例について説明する。
図1には、第1実施形態の画像形成装置10が示されている。画像形成装置10の装置本体10Aの上部には、複数枚の読取原稿Gを一枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置12と、一枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス16と、原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置14とが設けられている。
原稿読取装置14には、原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gに光を照射する光照射部18が設けられている。また、原稿読取装置14には、光照射部18によって照射され読取原稿Gから反射された反射光をプラテンガラス16と平行な方向に反射させるフルレートミラー20と、フルレートミラー20によって反射した反射光を下方へ反射させるハーフレートミラー22と、ハーフレートミラー22によって反射した反射光をプラテンガラス16と平行な方向に反射させて折り返すハーフレートミラー24と、ハーフレートミラー24によって折り返された反射光が入射される結像レンズ26と、により構成される光学系が設けられている。
さらに、原稿読取装置14には、結像レンズ26によって結像された反射光を電気信号に変換する光電変換素子28と、光電変換素子28によって変換された電気信号を画像処理する画像処理装置29とが設けられている。そして、光照射部18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24は、プラテンガラス16に沿って移動可能となっている。
プラテンガラス16に載せられた読取原稿Gを読み取る場合には、光照射部18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24を移動させながら、光照射部18がプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gに光を照射し、読取原稿Gから反射された反射光が光電変換素子28へ結像するようになっている。また、原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿Gを読み取る場合には、光照射部18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24が決められた位置に停止して、原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿Gに光照射部18が光を照射し、読取原稿Gから反射された反射光が光電変換素子28へ結像するようになっている。
一方、装置本体10Aの上下方向(矢印V方向)中央部には、互いに異なった色のトナー画像を形成するとともに、水平方向(矢印H方向)に対して傾斜した状態に並んで配置された複数個の現像手段の一例としての画像形成ユニット30が設けられている。さらに、画像形成ユニット30の上側には、回転駆動される駆動ロール48、張力を付与する張力付与ロール54、従動回転する支持ロール50、第1のアイドラロール56、及び第2のアイドラロール58に巻き掛けられた無端状の被転写材の一例としての中間転写ベルト32が設けられている。そして、中間転写ベルト32が図中矢印A方向に循環移動することにより、各色の画像形成ユニット30で形成されたトナー画像が中間転写ベルト32に転写されるようになっている。
図2に示すように、画像形成装置10には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色に対応する画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kが、中間転写ベルト32の移動方向下流側へ向けてこの順番で設けられている。画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは、画像形成ユニット30Yが最も高い位置、画像形成ユニット30Kが最も低い位置に設けられており、水平方向に対して斜めに傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並べられている。また、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは、収容されるトナーを除いて同様の構成とされている。なお、以下の説明では、各色を区別する場合には符号に各色に対応する英字(Y、M、C、K)を付加し、特に区別しない場合には各色に対応する英字を省略する。
画像形成ユニット30には、図示しない駆動手段によって矢印D方向(図示の時計回り方向)に回転する被露光体及び像保持体の一例としての感光体34が設けられており、感光体34の表面(外周面)と対向して、感光体34の表面を帯電する帯電部材36が設けられている。また、画像形成ユニット30の下方には、複数個の画像形成ユニット30に沿うように傾斜配置された露光装置の一例としての露光ユニット40が設けられている。露光ユニット40は、詳細は後述するが、帯電部材36によって帯電された感光体34の表面に決められた色に対応したレーザ光を露光して静電潜像を形成させるようになっている。
感光体34の回転方向で帯電部材36よりも下流側には、感光体34の表面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる現像器42が設けられている。また、感光体34の回転方向で現像器42よりも下流側であり且つ中間転写ベルト32を挟んで感光体34の反対側には、感光体34の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト32に転写するための転写手段の一例としての一次転写部材46が設けられている。
さらに、感光体34の回転方向で一次転写部材46よりも下流側には、中間転写ベルト32に転写されずに感光体34の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置44が設けられている。ここで、画像形成ユニット30は、感光体34と、帯電部材36と、現像器42と、クリーニング装置44とを含んで構成されている。なお、画像形成ユニット30及び露光ユニット40に隣接する位置(図示の左端部)には、画像形成ユニット30等に電力を供給する電源部41が設けられている。
一方、中間転写ベルト32の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器42に決められた色のトナーを供給するトナーカートリッジ38Y、38M、38C、38Kが設けられている。そして、黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジ38Kは、使用頻度が高いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大きくされている。
また、中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール48の反対側には、中間転写ベルト32の表面を清掃するクリーニング装置52が設けられている。クリーニング装置52は、装置本体10Aの前側(ユーザが立つ正面側)に設けられたフロントカバー(図示省略)を開放することで装置本体10Aに脱着自在とされている。
さらに、中間転写ベルト32を挟んで支持ロール50の反対側には、中間転写ベルト32上に一次転写されたトナー画像を記録媒体としての記録シートPに二次転写するための二次転写部材60が設けられており、二次転写部材60と支持ロール50との間が記録シートPへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。二次転写部材60の上方には、二次転写部材60によってトナー画像が転写された記録シートPにトナー画像を定着させる定着装置64が設けられている。なお、画像形成装置10内の右側には上下方向に搬送経路62が設けられており、記録シートPは、上方へ向けて搬送経路62に沿って搬送されるようになっている。
図1に示すように、記録シートPの搬送方向で定着装置64よりも下流側(図示の上側)には、トナー画像が定着された記録シートPを下流側へ搬送する搬送ロール66が設けられている。さらに、記録シートPの搬送方向で搬送ロール66よりも下流側には、揺動して記録シートPの搬送方向を切り替える切替ゲート68が設けられている。
また、記録シートPの搬送方向で切替ゲート68よりも下流側には、一の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内される記録シートPを第1排出部69に排出させる第1排出ロール70が設けられている。さらに、記録シートPの搬送方向で切替ゲート68よりも下流側には、他の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内されるとともに搬送ロール73により搬送される記録シートPを第2排出部72に排出させる第2排出ロール74と、記録シートPを第2排出ロール74とは逆側の第3排出部76に排出させる第3排出ロール78とが設けられている。
一方、装置本体10Aの下部であって、記録シートPの搬送方向で二次転写部材60よりも上流側(図示の下側)には、サイズの異なる記録シートPが収容される給紙部80、82、84、86が設けられている。各給紙部80、82、84、86には、収容された記録シートPを各給紙部80、82、84、86から搬送経路62に送り出す給紙ロール88が設けられており、給紙ロール88よりも下流側には、記録シートPを一枚ずつ搬送する搬送ロール90及び搬送ロール92が設けられている。また、記録シートPの搬送方向で搬送ロール92よりも下流側には、記録シートPを一端停止させるとともに決められたタイミングで二次転写位置へ送り出す位置合わせロール94が設けられている。
一方、二次転写位置の側方(図示の右側)には、記録シートPの両面に画像を形成させるために記録シートPを反転させて搬送する両面用搬送ユニット98が設けられている。両面用搬送ユニット98には、搬送ロール73を逆回転させることで記録シートPが送り込まれる反転経路100が設けられている。さらに、両面用搬送ユニット98には、反転経路100に沿って複数の搬送ロール102が設けられており、記録シートPは、これらの搬送ロール102によって表裏が反転された状態で、位置合わせロール94に再度搬送される構成となっている。
また、両面用搬送ユニット98の隣り(図示の右側)には、折り畳み式の手差給紙部106が設けられている。そして、装置本体10A内で手差給紙部106から記録シートPが給紙される部位には、記録シートPを搬送経路62へ向けて搬送する給紙ロール108及び搬送ロール110、112が設けられており、搬送ロール110、112で搬送された記録シートPは、位置合わせロール94に搬送されるようになっている。
次に、画像形成装置10における画像形成工程について説明する。
図1に示すように、画像形成装置10が作動すると、画像処理装置29又は外部から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが露光ユニット40に順次出力される。続いて、露光ユニット40から画像データに応じて出射されたレーザ光Lは、帯電部材36により帯電された対応する感光体34の表面(外周面)を露光し、感光体34の表面には静電潜像が形成される。続いて、感光体34の表面に形成された静電潜像は、現像器42Y、42M、42C、42Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像として現像される。
続いて、感光体34の表面に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像は、中間転写ベルト32上に一次転写部材46によって順次多重転写される。そして、中間転写ベルト32上に多重転写された各色のトナー画像は、搬送されてきた記録シートP上に二次転写部材60によって二次転写される。続いて、トナー画像が転写された記録シートPは、定着装置64に向けて搬送され、定着装置64では、記録シートP上の各色のトナー画像が加熱、加圧されることで記録シートPに定着される。そして、トナー画像が定着された記録シートPは、一例として、第1排出部69に排出される。なお、画像が形成されていない非画像面に画像を形成する場合(両面印刷の場合)は、定着装置64で表面に画像定着を行った後、記録シートPを反転経路100に送り込んで裏面の画像形成及び定着を行う。
次に、露光ユニット40について説明する。
図3に示すように、露光ユニット40は、4本の感光体34Y、34M、34C、34Kにそれぞれレーザ光LY、LM、LC、LKを照射して感光体34上に静電潜像を形成するようになっている。
詳細には、図4に示すように、露光ユニット40は、画像形成装置10の決められた位置に固定される筐体40Aを有しており、筐体40Aには、イエロー色用のレーザ光LY、マゼンタ色用のレーザ光LM、シアン色用のレーザ光LC、ブラック色用のレーザ光LKを出射する光源124Y、124M、124C、124Kが設けられている。なお、前述したように、各色毎に設けられた部材については、符号の末尾に各々の色を示す英字(Y/M/C/K)を付与して示すが、特に色を区別せずに説明する場合は、この符号末尾の英字を省略して説明する。また、光源124の光軸方向を矢印Z方向、矢印Z方向と直交し且つ筐体40A内の水平方向(図示の右方向)を矢印X方向、矢印Z方向及び矢印X方向と直交し且つ筐体40A内の鉛直方向(図示の手前方向)を矢印Y方向とする。
露光ユニット40には、複数(本実施形態では6面)の反射面126Aを備え、駆動モータ(図示省略)によって回転して光源124から出射したレーザ光Lを反射させて感光体34(図3参照)上の主走査方向(感光体34の回転軸方向)にレーザ光Lを走査させるポリゴンミラー126が設けられている。また、光源124からポリゴンミラー126に至るまでの光路には、各色の光源124に対応するように光源124から出射したレーザ光Lを平行光とする第1光学部品及びレンズの一例としてのコリメータレンズ114が、鏡筒部材116に保持されて設けられている。なお、鏡筒部材116は、コリメータレンズ114とともに第1光学部品を構成している。さらに、光源124と鏡筒部材116との間には、光源124から出射したレーザ光Lが透過するガラス板128が設けられている。ここで、光源124及びガラス板128により第2光学部品及び光源の一例としての光源ユニット130(図8参照)が構成されている。
各色のコリメータレンズ114に対してレーザ光Lの光路下流側(以下、「レーザ光Lの」を省略して単に「光路下流側」と記載する)には、コリメータレンズ114を透過した平行光を夫々入射した方向に対して直交する方向に向けて反射させる第1平面ミラー118Y、118M、118C、118Kが設けられている。なお、各光源124は、矢印X方向に距離を空けて設けられており、各レーザ光LY、LM、LC、LKは、干渉しないようになっている。
また、第1平面ミラー118よりも光路下流側には、副走査方向においてレーザ光Lを収束させるシリンダレンズ120が1個設けられている。さらに、シリンダレンズ120とポリゴンミラー126との間には、シリンダレンズ120を透過したレーザ光Lをポリゴンミラー126に向けて反射させる第2平面ミラー122が設けられている。そして、第2平面ミラー122によってポリゴンミラー126に導かれたレーザ光LY、LM、LC、LKは、回転駆動するポリゴンミラー126に斜めに入射し、ポリゴンミラー126によって走査されるようになっている。
図3に示すように、ポリゴンミラー126よりも光路下流側には、ポリゴンミラー126の反射面126Aで反射された4本のレーザ光Lが入射するとともに、感光体34上で主走査されるレーザ光Lの走査速度を等速にする第1fθレンズ132と第2fθレンズ134とが設けられている。そして、第2fθレンズ134よりも光路下流側には、4本のレーザ光LY、LM、LC、LKを夫々入射した方向に対して直交する方向(図示の上方)に向けて反射する第3平面ミラー136が設けられている。
第3平面ミラー136よりも光路下流側には、2本のレーザ光LY、LMを夫々入射した方向に対して直交する方向に向けて反射する第4平面ミラー138と、第4平面ミラー138によってレーザ光LY、LMが反射した方向(図示の左方向)に対して反対の方向(図示の右方向)に向けて2本のレーザ光LC、LKを反射させる第5平面ミラー140と、が設けられている。
第4平面ミラー138の光路下流側には、レーザ光LMを折り返すように反射させる第6平面ミラー142と、第4平面ミラー138によって反射したレーザ光LYを感光体34Yに向けて反射させ、感光体34Y上にレーザ光LYを結像させるガラス製のシリンドリカルミラー148Yとが設けられている。また、第6平面ミラー142の光路下流側には、第6平面ミラー142によって反射されたレーザ光LMを感光体34Mに向けて反射させ、感光体34M上にレーザ光LMを結像させるガラス製のシリンドリカルミラー148Mが設けられている。
一方、第5平面ミラー140の光路下流側には、レーザ光LCを折り返すように反射させる第7平面ミラー144と、第5平面ミラー140によって反射したレーザ光LKを感光体34Kに向けて反射させ、感光体34K上にレーザ光LKを結像させるガラス製のシリンドリカルミラー148Kとが設けられている。また、第7平面ミラー144の光路下流側には、第7平面ミラー144によって反射されたレーザ光LCを感光体34Cに向けて反射させ、感光体34C上にレーザ光LCを結像させるガラス製のシリンドリカルミラー148Cが設けられている。
このように、コリメータレンズ114(図4参照)を透過したレーザ光Lを感光体34へ導いて感光体34の表面に静電潜像を形成させる光学系146は、第1平面ミラー118、シリンダレンズ120、第2平面ミラー122、ポリゴンミラー126、第1fθレンズ132、第2fθレンズ134、第3平面ミラー136、第4平面ミラー138、第5平面ミラー140、第6平面ミラー142、第7平面ミラー144、シリンドリカルミラー148によって構成されている。
一方、光源124K(図4参照)から出射されたレーザ光LKの一部が、同期光LSとして用いられるようになっている。この同期光LSは、第5平面ミラー140によって反射後、ミラー150によって、画像領域外に配置された光検出センサ152に向けて反射される構成となっている。また、光検出センサ152とミラー150との間には、ミラー150によって反射した同期光LSを光検出センサ152に集光する集光レンズ154(図4参照)が設けられている。そして、光検出センサ152に集光された同期光LSの検出タイミングに基づいて、図示しない制御部が感光体34への画像書き込みタイミングを制御する構成となっている。
次に、筐体40Aにおける光源124及びコリメータレンズ114の調整構造170について説明する。
図5から図7までに示すように、調整構造170は、筐体40Aと、筐体40Aへのコリメータレンズ114の取付位置の調整を行う第1調整部材の一例としての調整ネジ186と、光源ユニット130の筐体40Aへの取付位置の調整を行う第2調整部材の一例としての光源位置調整板184と、光源位置調整板184及び調整ネジ186が取り付けられる取付板182と、取付板182における光源位置調整板184がネジ183A、183Bで取り付けられる取付位置と調整ネジ186の取付位置との間で取付板182を筐体40Aに固定する固定具の一例としての固定ネジ188(図9参照)と、を含んで構成されている。なお、調整構造170は、Y、M、C、Kの各色に合わせて調整構造170Y、170M、170C、170Kの4つが設けられているが、特に色を区別せずに構成部材を説明する場合は、符号末尾の英字を省略して説明する。
図5に示すように、筐体40Aには、光源ユニット130及びコリメータレンズ114(図7参照)を取り付けるための取付部172Y、172M、172C、172Kが設けられている。各取付部172は、筐体40Aの一部に立設された側壁43と、側壁43と直交する底壁174とで構成されている。なお、図6では、側壁43及び底壁174の図示を省略している。
側壁43は、各取付部172Y、172M、172C、172Kで共通となっており、側壁43の各光源ユニット130と対向する部位には、各光源ユニット130から出射されたレーザ光Lが通る貫通孔45が形成されている。一方、底壁174Y、174M、174C、174Kは、各光源ユニット130の配列方向に沿って階段状に形成された部位の平坦部であり、最も低い位置にある底壁174Yから最も高い位置にある底壁174Kに向けて順番に高くなっている。そして、各取付部172Y、172M、172C、172Kは、側壁43と直交する方向に立設された三角形状の仕切板176A、176B、176Cで仕切られている。
また、側壁43と底壁174とは連続した断面L字状とはなっておらず、側壁43と底壁174との間には、隣り合う仕切板176間の全長に亘り底壁174よりも下方側へ窪んだ凹部175が形成されている。各凹部175の矢印X方向の長さは、各仕切板176A、176B、176Cの配置間隔と等しくなっており、各凹部175の矢印Z方向の幅は、後述する取付板182の厚さよりも大きくなっている。これにより、凹部175に取付板182が挿入可能となっている。
また、底壁174には、矢印Z方向を長さ方向として上方へ突出された2つの板状の支持部178が並んで形成されており、2つの支持部178の間には、矢印Z方向を長さ方向として凹状とされた溝部179が形成されている。また、2つの支持部178は、後述する鏡筒部材116の底部を支持可能な大きさとなっており、溝部179は、鏡筒部材116の底部に設けられた突起部160(図7参照)が移動可能となる大きさとなっている。また、底壁174には、凹部175側とは反対側の部位に2箇所の凸部177が設けられており、2箇所の凸部177の間には、ネジ181が締め付けられるネジ穴(図示省略)が形成されている。
図6に示すように、調整構造170(ここでは170M、170Cのみ図示し、170Y、170Mの図示は省略する)では、光源ユニット130を保持する光源位置調整板184が、X−Y面で位置調整されて2本のネジ185により取付板182に取り付けられている。また、鏡筒部材116が、取付板182に設けられた調整ネジ186により矢印Z方向で位置調整されるとともに、板バネ部材192で保持されている。
光源位置調整板184は、正面視(矢印Z方向視)で矩形状の上部が矢印X方向に突出した形状の板材であり、この矩形状部分の中央に形成された貫通孔184Aに光源ユニット130の外周部が嵌め込まれることにより光源ユニット130を保持している。また、光源位置調整板184には、該光源位置調整板184を取付板182に締結する2本のネジ185が挿通される貫通孔51A、51B(図9参照)が、貫通孔184Aの上下に形成されている。さらに、光源位置調整板184には、X−Y面における光源ユニット130の位置を調整するために調整ステージの支持ピン(図示省略)が挿入される2箇所の貫通孔184Bが形成されている。なお、貫通孔51A、51Bの直径は、ネジ185よりも大きくなっている。
図7及び図8に示すように、鏡筒部材116は、樹脂材料にて成形されてほぼ直方体形状とされており、鏡筒部材116の底部には、下方側へ突出された円柱状の突起部160が設けられている。突起部160は、筐体40Aの溝部179(図5参照)に挿入されることにより、鏡筒部材116をZ−Y平面で移動可能とする。また、鏡筒部材116には、光源ユニット130(図8参照)から出射されたレーザ光Lが入射する入射側筒部162と、入射側筒部162を通過してコリメータレンズ114を透過したレーザ光Lが通過する出射側筒部164と、出射側筒部164を通過したレーザ光Lを制限して外部(第1平面ミラー118)へ出射させるスリット孔166Aが形成された板部材166と、を有している。入射側筒部162の内周面の内径は、出射側筒部164の内径より大きくされている。また、出射側筒部164と入射側筒部162との間には、コリメータレンズ114の外周部が嵌め込まれる筒部168が設けられている。
図5に示すように、鏡筒部材116の底面は、筐体40Aの支持部178で支持されており、鏡筒部材116の他方(側壁43側)の側面は、調整ネジ186の一端部で矢印Z方向の移動が規制されている。さらに、鏡筒部材116の一方(側壁43から離れる方)の側面及び上面は、底壁174の凸部177にネジ181で固定された板バネ部材192により矢印Y方向の移動が規制されている。これにより、鏡筒部材116及びコリメータレンズ114(図7参照)は、位置調整された場所で固定されるようになっている。
板バネ部材192は、光源ユニット130の光軸方向である矢印Z方向とは反対側の方向(側壁43側)に鏡筒部材116の一方の側面を付勢する第1付勢部192Aと、矢印Y方向とは反対側の方向(図5の底壁174側)へ鏡筒部材116の上面を付勢する第2付勢部192Bと、底壁174にネジ181で固定するための平坦な固定部192Cとで構成されている。
図10に示すように、筐体40Aの凹部175Y、175M、175C、175Kには、取付板182Y、182M、182C、182Kが挿入されている。ここで、取付板182Y、182M、182C、182Kは同様の構成であるため、取付板182Kのみに符号を付与して説明し、取付板182Y、182M、182Cについては符号の付与及び説明を省略する。
取付板182Kは、正面視右側で矢印Y方向(図示の上下方向)に延びる第1取付部191と、正面視左側で矢印Y方向に第1取付部191よりも高く延びる第2取付部193と、第1取付部191の下部と第2取付部193の下部とをつないでこれらを連続体とする変形部195と、変形部195の上側に形成された後述する不連続部197とを含んで構成されている。
第1取付部191の上部には、調整ネジ186(図6参照)が噛み合わされるネジ孔191Aが形成されており、第1取付部191の下部には、固定ネジ188(図9参照)にて側壁43に締め付けられるネジ孔191Bが形成されている。一方、第2取付部193の上部及び下部には、光源位置調整板184(図6参照)を固定するためのネジ185にて締め付けられるネジ孔193A、193Bが形成されており、第2取付部193におけるネジ孔193Aとネジ孔193Bとの間には、第1取付部191を向いて開口する凹部193Cが形成されている。なお、凹部193Cの開口幅は、貫通孔45の直径よりも大きくなっている。
また、取付板182における第2取付部193のネジ孔193Bから第1取付部191のネジ孔191Aまでの経路には、変形部195とネジ孔191Bとが設けられている。変形部195は、ネジ孔191Bとネジ孔193Bとの間に設けられており、取付板182の他の部分よりも厚み方向に曲げ変形しやすくなっている。なお、変形部195の下側は、U字状に切り欠かれて切欠部198が形成されており、この切欠部198に凹部175の底面に形成された凸部169を入り込ませることにより、取付板182Kの矢印X方向のずれが規制されている。
図10において、取付板182には、ネジ孔191Aと、ネジ孔193A又はネジ孔193Bとの間に、ネジ孔191Bが設けられている。ここで、ネジ孔191Aの中心点をOA、ネジ孔191Bの中心点をOB、ネジ孔193Aの中心点をOC、ネジ孔193Bの中心点をODとして、中心点OAと中心点OCとを結ぶ線分をN1、中心点OAと中心点ODとを結ぶ線分をN2とすると、取付板182は、線分N1と線分N2が取付板182上にこないように不連続な形状(不連続部197)となっている。さらに、取付板182は、線分N1と平行なネジ孔191A及びネジ孔191Bの接線A1及び接線A2で囲まれる範囲と、線分N2と平行なネジ孔191A及びネジ孔193Bの接線A3及び接線A4で囲まれる範囲とにおいても不連続な形状(不連続部197)となっている。このように、不連続部197は、中心点OAと中心点OC又は中心点ODとを結ぶ方向に不連続に形成されている。
一方、図9に示すように、筐体40Aには、各調整ネジ186が挿通される貫通孔49が形成されており、取付板182に設けられた調整ネジ186の他端部が貫通孔49から露出している。これにより、調整ネジ186を前後に移動させることにより、鏡筒部材116(図6参照)の矢印Z方向の位置調整が行われるようになっている。また、取付板182は、筐体40Aの光源位置調整板184が設けられる側から固定ネジ188でネジ孔191B(図10参照)が締め付けられることにより、筐体40A(側壁43)に固定されるようになっている。なお、図9では、調整構造170Cのみ全部品を記載しており、調整構造170Mではネジ185の図示を省略している。また、調整構造170Y、170Kの図示は省略している。
次に、本発明の第1実施形態の作用について説明する。
まず、露光ユニット40における光源ユニット130及びコリメータレンズ114の位置調整方法について説明する。
図5及び図9に示すように、露光ユニット40では、固定ネジ188により筐体40A(側壁43)に取付板182が固定されており、光源ユニット130を有する光源位置調整板184がネジ185により取付板182に仮止めされている。なお、この状態では、取付板182は、平面度に応じて側壁43から浮く場合がある。また、露光ユニット40では、底壁174上に鏡筒部材116が配置されており、鏡筒部材116は、板バネ部材192により移動が規制されるとともに調整ネジ186により矢印Z方向に位置調整可能となっている。
まず、図9において、光源位置調整板184の貫通孔184Bに調整ステージの調整ピン(図示省略)を挿入して支持するとともに、光源ユニット130に配線を接続し、光源ユニット130から光を出射させる。そして、この光を光路の下流側に配置されたモニター(図示省略)で位置確認しながら、光源位置調整板184のX−Y面内の位置調整を行い、ネジ185を締め付けて光源位置調整板184を取付板182に固定する。このとき、取付板182は、筐体40A(側壁43)に対して浮いていた部分が筐体40A側に引っ張られた状態で固定される。
続いて、図6において、前述のモニター(図示省略)で光(スポット)の焦点を確認しながら、調整ネジ186を時計回り(矢印Z方向への移動)又は反時計回り(矢印Z方向とは反対方向への移動)に回して、鏡筒部材116及びコリメータレンズ114(図7参照)の矢印Z方向の位置調整を行う。
図12(a)には、本実施形態の取付板182の第1比較例である取付板210が示されており、図12(b)には、本実施形態の取付板182の第2比較例である取付板220が示されている。なお、本実施形態の部材及び部位と基本的に同じ構成のものについては、本実施形態の部材及び部位と同じ符号を付与してその説明を省略する。
図12(a)に示すように、第1比較例の取付板210は、正面視にて右側の上下にネジ孔191A、191B、左側の上下にネジ孔193A、193Bが形成されており、ネジ孔193Aとネジ孔193Bとの間に貫通孔45(図10参照)の直径よりも大きい貫通孔212が形成された構成となっている。また、取付板210は、ネジ孔191A及びネジ孔191Bの接線A1及び接線A2で囲まれる範囲と、ネジ孔191A及びネジ孔193Bの接線A3及び接線A4で囲まれる範囲とにおいて、本実施形態の不連続部197(図10参照)に相当する部位は形成されていない。すなわち、取付板210は一体となっている。
ここで、この第1比較例において、光源位置調整板184のX−Y面内の位置調整を行った後、鏡筒部材116及びコリメータレンズ114の矢印Z方向の位置調整を行うと、位置調整した光源ユニット130のX―Y位置がずれることがある。このずれを修正するためにネジ185を緩めて光源ユニット130のX−Y位置調整を再度行うと、ネジ孔191A、191B側とネジ孔193A、193B側とが一体となっているため、調整ネジ186の矢印Z方向位置が移動することになる。このように、取付板210を用いた場合では、光源位置調整板184のX−Y面内の位置調整と、鏡筒部材116及びコリメータレンズ114の矢印Z方向の位置調整とを交互に繰り返し行わなくてはならず、調整が難しくなる。
一方、図6及び図11(a)、(b)に示すように、本実施形態の取付板182を用いた場合は、位置調整した光源ユニット130のX―Y位置がずれたとき、このずれを修正するためにネジ185を緩めて光源ユニット130のX−Y位置調整を再度行うと、変形部195が変形して、第2取付部193が、固定ネジ188(図9参照)で筐体40Aに固定された第1取付部191に対し独立変位することになる。すなわち、第2取付部193の荷重(変形)は、変形部195に伝達されるものの、応力の伝達経路に固定ネジ188があることにより、第1取付部191(ネジ孔191A、191B側)までは伝達されない。
また、本実施形態では、第1取付部191と第2取付部193とが不連続部197によって分断されているので、第2取付部193のみが筐体40Aに対して変位した状態(図11(b)の矢印R方向の変形状態)となっても、第2取付部193の荷重(変形)が第1取付部191に伝達されず、第1取付部191が筐体40Aに対して変位するのを抑える。これにより、調整ネジ186の位置及びコリメータレンズ114(図7参照)の位置が変動することが抑えられ、光の結像位置の変化が抑えられて画像悪化が抑制される。
このように、本実施形態の調整構造170では、X−Y方向の位置調整のために光源位置調整板184(図6参照)を固定解除したときに生じる第2取付部193の荷重(変形)の伝達が、固定ネジ188又は不連続部197、変形部195によって抑制され、第1取付部191及び調整ネジ186に伝わるのを抑制するため、光源位置調整板184によるX−Y方向の位置調整作業と調整ネジ186によるZ方向の位置調整作業とを独立して実施可能となり、調整作業が容易となる。また、本実施形態の調整構造170では、取付板182に調整ネジ186及び光源位置調整板184(図6参照)が固定されるため、筐体40Aの変形(取り付けのゆがみや熱による変形)を受けにくい。
一方、図12(b)に示すように、第2比較例の取付板220は、正面視にて右側の第1取付部191の上下にネジ孔191A、191B、左側の第2取付部222の上下にネジ孔193A、193Bが形成されており、ネジ孔193Aとネジ孔193Bとの間に凹部193Cが形成されている。また、取付板220は、ネジ孔191A、191Bと、ネジ孔193A、193Bとの間に不連続部197及び変形部195が形成されている。なお、取付板220では、第2取付部222が本実施形態の第2取付部193(図10参照)よりも幅広となっており、ネジ孔193Aの左側には、取付板220を筐体40A(図10参照)に固定するためのネジ(図示省略)が締め付けられるネジ孔224が形成されている。
ここで、図12(b)において、第2比較例の取付板220を用いた場合は、ネジ孔224の配置スペース確保のために、取付板220の矢印X方向の幅が本実施形態の取付板182(図10参照)の矢印X方向の幅よりも大きくなるため、複数の光源ユニット130(図6参照)の配置間隔が広がることになる。この場合、筐体40Aの変形(熱変形含む)を考慮して各色の光源を近くに配置する構成を採用することができないことになる。
次に、本発明の第2実施形態に係る光学部品の調整構造、露光装置、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同じ部品には、前記第1実施形態と同じ符号を付与してその説明を省略する。
図13には、第2実施形態の調整構造200の一例として、各色の取付板を一体化した取付板202が示されている。取付板202は、Y、M、C、Kの色毎にネジ孔191A、191B、193A、193Bが形成されており、ネジ孔191Aの周囲には、逆U字状に切り欠かれ不連続状態とされた不連続部206が形成されている。この不連続部206によって、ネジ孔191Aが形成された取付部204が、周囲の取付板202から分断された状態(荷重(変形)が伝わらない状態)となっている。また、ネジ孔193Aとネジ孔193Bとの間には、貫通孔45よりも内径が大きい貫通孔208が形成されている。
ここで、調整構造200は、図10に示す第1実施形態の筐体40Aにおいて、仕切板176A、176B、176Cが取り除かれるとともに凹部175Y、175M、175C、175Kが一体化された溝部となり、この溝部に取付板202が挿入されて筐体40Aに取り付けられる点が異なるだけであり、他の構成は第1実施形態の露光ユニット40及び画像形成装置10と同様である。
次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。
図14(a)に示すように、取付板202の各色毎に設けられた部位は、調整ネジ186をネジ孔191Aにねじ込み、ネジ孔191Bに固定ネジ188(図9参照)を締め付けて固定し、ネジ孔193A、193Bに対して光源位置調整板184(図13参照)を取り付けた状態(調整前状態)において、特に変形は見られない。
一方、図14(b)に示すように、第1実施形態と同様の調整方法により光源位置調整板184(図13参照)のX−Y位置調整及び取付板202への取り付けが終了した後、コリメータレンズ114(図7参照)の矢印Z方向位置調整を行うと、位置調整した光源ユニット130(図6参照)のX―Y位置がずれることがある。
ここで、このずれを修正するためにネジ185(図9参照)を緩めて光源ユニット130のX−Y位置調整を再度行ったとき、取付部204側とネジ孔193A、193B側とが不連続部206によって分断されているため、ネジ孔193A、193B側が筐体40Aに対して浮く状態(図14(b)の矢印R方向の変形状態)となっても、取付部204に変形が伝達されず、取付部204が筐体40Aに対して浮くのを抑制する。これにより、光源位置調整板184(図13参照)によるX−Y方向の位置調整作業と調整ネジ186による矢印Z方向の位置調整作業とを独立して実施可能となり、調整作業が容易となる。また、取付板202は、各色毎の取付板が一体化された構成となっているため、各色毎に取付板を設けるものに比べて部品点数が減る。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
画像形成装置10は、トナーの色がY、M、C、Kの4種類に限らず、例えば、Kのみの1種類や、Kを2種類用いるなどして5色以上の複数色のトナーを用いてもよい。また、取付板182は、第1取付部191が第2取付部193と同程度の高さであってもよい。