JP5552408B2 - 断熱箱体 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、外殻体内の空隙の幅調整用に装備した断熱パッドの裏面にエア溜まりができることを確実に防止するところにある。
(1)前記断熱パッドに形成された前記切込溝は、前記外殻体内に断熱材が注入された場合の同断熱材の流通方向に略沿った向きを採っている。
断熱材である発泡樹脂が流れる方向に切込溝が形成されているから、発泡樹脂が切込溝に入りやすく、徐々に埋まるようにしてエアが押し出される。結果、切込溝にエア溜まりができにくい。
従来、貫通孔付きの断熱パッドを母材から形成する場合、断熱パッドの外形については電熱線で切断し、貫通孔については、各貫通孔の形成位置ごとに電熱線を抜き差ししつつ貫通孔の外形を切断するようにし、あるいは別のプレス機で貫通孔を打ち抜くようにしており、いずれにしても作業が繁雑であった。
それに対して本構成では、電熱線を一筆書きする要領で移動させることにより、断熱パッドの外形、各切込溝及び各貫通孔に亘って一連に切断するようにしたから、断熱パッドを効率良く形成することができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施形態では、4ドア式の冷凍冷蔵庫の本体となる断熱箱体を例示している。
断熱箱体10(本体)の概略構造を説明すると、図1に示すように、前面が開口された方形の箱形をなし、間口方向の途中位置が仕切壁11で仕切られて、この仕切壁11を挟んだ左右両側に、冷凍室12と冷蔵室13とが形成されるようになっている。冷凍室12と冷蔵室13のそれぞれの天井壁には、図示しない冷凍ユニットを取り付けるための取付開口14が形成されている。なお、冷凍室12と冷蔵室13の前面開口部には、略中央高さ位置に仕切枠16が後付けで装着されるようになっている。
外殻体20は、1個の外箱21と、2個の内箱22とを備えている。外箱21は、ステンレス鋼板等からなる複数枚の金属パネルを組み付けることで、前面開口の大型の方形箱状に形成されている。内箱22は、同じくステンレス鋼板等からなる複数枚の金属パネルを組み付けることで、上記した外箱21の半分弱の内容積をそれぞれ持った前面開口の小型の方形箱状に形成されている。
なお、両内箱22の天井板には、それぞれ方形の窓孔が形成される一方、外箱21の天井板には、各内箱22の窓孔と対向する位置にそれぞれ窓孔が形成されており、対応する窓孔の周縁同士の間が周面板26で塞がれることによって、上記した取付開口14が形成されている。
そこで、第1空隙28Aにおいて実質的に発泡樹脂Xが発泡充填される幅が、他の第2空隙28Bの幅とほぼ同じとなるように、すなわち第1空隙28Aの初めの幅を狭めるために、第1空隙28Aの正面から視た右側壁、言い換えると、右側の内箱22における左側面板22Aの外面に、予め形成された断熱パッド30が張られるようになっている。
この断熱パッド30には、図3に示すように、厚さ方向に貫通した円形孔の形態をなす8個の貫通孔32が、互いに間隔を開けて、4個ずつ2列に並んで形成されている。
加工機は、母材を水平姿勢で設置するテーブルと、母材を厚さ方向に貫通可能に縦向きに配設された電熱線とを備えており、テーブルをプログラム制御により所定の形態で移動させることにより、電熱線を母材を貫通した状態で所定の経路に沿って相対的に移動させて切断することによって形成される。
断熱パッド30の装着態様の一例は以下のようである。複数枚の金属パネルを組み付けて内箱22を形成する場合、内箱22の角をなす辺の部分を繋ぐ構造として、直交して配される2枚の金属パネルの突き合わされる端縁が、一方は真直に延ばされ、他方は直角に屈曲された形態で延ばされて重ね合わされ、その重ね合わせ部分にファスナを嵌めて繋ぐ構造が採られる。本実施形態の内箱22の場合は、図5に示すように、左側面板22Aにおける開口側の端縁を除く他の3辺の端縁22Bに、ファスナが立ち上がって配された形態となる。ファスナの立ち上がり寸法は、断熱パッド30の厚さに比べて十分に小さい。
そののち上記のように外殻体20が組み付けられると、図2に示すように、両内箱22間の第1空隙28Aの右側領域が断熱パッド30で埋められ、第1空隙28Aにおける実質的に発泡樹脂Xが発泡充填される幅が、他の第2空隙28Bの幅とほぼ同じに揃えられることになる。
仮に、切込溝34にエアが残ったとしても、発泡樹脂Xが上方に流れつつ発泡する過程で、図5の矢線pに示すように、断熱パッド30に対して左右両側面から発泡圧が作用するから、その発泡圧を受けて切込溝34が押し塞がれ、切込溝34内に残ったエアが押し出される。
そのため、断熱パッド30の裏側、さらには貫通孔32や切込溝34にエア溜まりができることが確実に防止される。
その結果、断熱パッド30の裏側、さらには貫通孔32や切込溝34にエア溜まりができることが確実に防止され、エア溜まりができること、さらにはその空間に結露や氷結が発生することに起因して断熱機能が低下することを防止できる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)断熱パッドに形成される貫通孔の数や配列は、断熱パッドの大きさ等の条件に応じて適宜に選定できる。
(2)貫通孔の内周面から断熱パッドの外側面に亘って形成される切込溝は、必ずしも注入された発泡樹脂の流通方向に沿って形成されていなくてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(3)外殻体を形成するべく外箱内に収容する内箱の数は3以上であってよく、要は、外殻体内に形成される空隙に幅の不揃いがあって、幅を揃えるべく予め成形された断熱パッドを装着するようにしたもの全般に、本発明は適用することが可能である。
Claims (3)
- 前面開口の外箱の内部に、複数の前面開口の内箱を、内箱同士の間並びに外箱との間に間隔を開けて収容するとともに、前記内箱の開口縁の回りを閉鎖板で塞ぐことにより外殻体が形成され、この外殻体内に形成された空隙に亘って発泡樹脂からなる断熱材が発泡充填されるようにしたものにおいて、
前記外殻体内の空隙のうち相対的に幅広の空隙の側壁には、発泡樹脂材により予め成形された断熱パッドが配設され、
この断熱パッドには厚さ方向に貫通した複数の貫通孔が形成され、かつ各貫通孔の内周面には、当該断熱パッドの外側面に開口した切込溝が形成されていることを特徴とする断熱箱体。 - 前記断熱パッドに形成された前記切込溝は、前記外殻体内に断熱材が注入された場合の同断熱材の流通方向に略沿った向きを採っていることを特徴とする請求項1記載の断熱箱体。
- 前記断熱パッドは、当該断熱パッドの母材を厚さ方向に貫通して配された電熱線が、この断熱パッドの外形と、前記各切込溝と、前記各貫通孔の外形に相当する部分を一筆書きの態様で移動して切断することによって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の断熱箱体。
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