JP5549239B2 - 硬化剤、硬化性樹脂組成物、半導体用接着剤及び硬化反応を制御する方法 - Google Patents

硬化剤、硬化性樹脂組成物、半導体用接着剤及び硬化反応を制御する方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬化剤、硬化性樹脂組成物、半導体用接着剤及び硬化反応を制御する方法に関する。
アルキルアミン、イミダゾール誘導体等のアミン類は、エポキシ樹脂との反応性が高く、例えば、電子材料用途で硬化剤又は硬化促進剤として頻繁に用いられている。しかし、アミン類は反応性が高い故に、低温でエポキシ樹脂等と反応するため保存安定性が悪く、また、反応制御も困難であった。
そこで、アミン類に潜在性を付与する方法が種々検討されてきた(特許文献1〜3)。代表的な手法としては、アミン類(特にイミダゾール誘導体)を有機物で覆ってカプセル化する手法、アミン類に酸等を反応させて塩又は付加体を形成させる手法等がある(特許文献4〜8)。
特許第2709882号公報 特許第2777761号公報 特許第3270775号公報 特公平07−005708号公報 特開昭61−210076号公報 特開平08−113561号公報 特開平08−225753号公報 特許第4022679号公報
しかし、カプセル化の場合、アミン類を覆うカプセル膜が一般的に有機物であるため、耐溶剤性が十分でなく、カプセルが溶媒によって瞬時に溶けてしまうことがある。そのため、限られた溶媒中でしか用いることができないという問題がある。また、均一なカプセル膜を形成することが困難であることから、反応制御も困難であった。
一方、アミン類と酸等から形成される塩又は付加体は、その多くが熱で解離するため、溶剤によって分解する可能性は少なく、より幅広い用途で用いることができる。しかし、用途によっては反応開始温度をより高温化することが求められている。反応開始温度が高温になれば、保存安定性も向上する。
そこで、本発明は、硬化開始温度が高く、潜在性硬化剤として有用な新規な硬化剤を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、硬化性樹脂の硬化反応の活性を容易に制御する新規な方法を提供することを目的とする。半導体用接着剤などの用途において、被着体の種類等に応じて硬化反応の活性を容易に制御することができれば、非常に有用である。
本発明は、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される含窒素化合物と、電子吸引性置換基を有するカルボン酸とから形成される塩又は付加体を含有する硬化剤に関する。式中のR、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に有機基を示し、互いに結合して窒素原子を含む環状構造を形成していてもよい。
Figure 0005549239
上記本発明に係る硬化剤は、硬化開始温度が高く、潜在性硬化剤として有用なものである。
上記含窒素化合物は、イミダゾール又はその誘導体であることが好ましい。
上記カルボン酸は、芳香環と、これを置換する電子吸引性置換基及びカルボキシル基と、を有することが好ましい。前記芳香環はベンゼン環であることが好ましい。
別の側面において、本発明は、上記本発明に係る硬化剤と、エポキシ樹脂と、を含有する硬化性樹脂組成物に関する。本発明に係る硬化性樹脂組成物は、上記一般式(1)、(2)又は(3)で表される含窒素化合物と、電子吸引性置換基を有するカルボン酸と、エポキシ樹脂と、を含有するものであってもよい。本発明に係る硬化性樹脂組成物は、半導体用接着剤として特に有用である。
更に別の側面において、本発明は、硬化性樹脂組成物の硬化反応を制御する方法に関する。本発明に係る方法によれば、上記一般式(1)、(2)又は(3)で表される含窒素化合物と電子吸引性置換基を有するカルボン酸とから形成される塩又は付加体を含有する硬化剤と、エポキシ樹脂と、を含有する硬化性樹脂組成物において、電子吸引性置換基の種類、数及び置換位置のうち少なくともいずれかを選択することにより当該硬化性樹脂組成物の硬化反応の活性を制御する。
カルボン酸が有する電子吸引性置換基の種類、数及び置換位置のいずれかを選択することにより、他の特性を維持しながら、硬化性樹脂組成物の硬化反応の活性を容易に制御することができる。電子吸引性置換基の種類及び置換位置によっては、硬化剤が劇的に潜在性を発揮する。また、反応開始温度を高温化するだけでなく、反応速度等の反応挙動を様々に変化させることができる。特に半導体用接着剤の場合、硬化後の信頼性等の他の特性を維持しながら硬化反応の活性を制御できることは、非常に有用である。
本発明によれば、硬化開始温度が高く、潜在性硬化剤として有用な新規な硬化剤が提供される。カルボン酸が電子吸引性置換基を有していることにより、その酸性度が高くなるので、非共有電子対を有する含窒素化合物との塩又は付加体を形成し易くなる。この塩又は付加体を用いることで、通常のアミン類に比べて、エポキシ樹脂等の一般的に用いられる硬化性樹脂の硬化開始温度を高温化することが可能となった。
また、本発明によれば、硬化性樹脂の硬化反応の活性を容易に制御する新規な方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る硬化剤は、非共有電子対を有する窒素原子を含む含窒素化合物と、カルボン酸とが反応して形成される化合物(塩又は付加体)を含有する。非共有電子対を有する窒素原子を含む含窒素化合物は、例えば上記一般式(1)、(2)又は(3)で表される。
上記含窒素化合物は、非共有電子対を有する窒素原子を含んでいればよく、他の部分を構成する有機基であるR、R、R、R、R及びRに特に制限はない。含窒素化合物は、例えば、第1級アルキルアミン、第2級アルキルアミン、第3級アルキルアミン、アリールアミン及び複素環アミンから選ばれる。複素環アミンとしては、ピリジン、ピロール、キノリン、イミダゾール、インドール、ピリミジン、ピロリジン、ピペリジン、トリアジン又はこれらの誘導体が挙げられる。その他、シアノ基を有する化合物及びジアゾ化合物も用いることができる。取り扱い性や安定性の観点から、カルボン酸と反応させる含窒素化合物は、第一級アルキルアミン、第2級アルキルアミン、第3級アルキルアミン、アリールアミン、イミダゾール又はその誘導体、トリアジン又はその誘導体、及びシアノ基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中でも、イミダゾール又はその誘導体が特に好ましい。含窒素化合物の非共有電子対を有する窒素原子の近隣に嵩高い置換基があると、カルボン酸と付加体又は塩を形成しにくい傾向がある。カルボン酸と反応させる含窒素化合物としてのイミダゾール誘導体は、好ましくは1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル-4-メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンから選ばれる。
上記含窒素化合物と反応して塩又は付加体を形成するカルボン酸は、カルボキシル基及び1又は2以上の電子吸引性置換基を有する。電子吸引性置換基は、例えば、シアノ基、ニトロ基、トリメチルアミノ基、アリール基、アルキルカルボニル基(メチルカルボニル基等)、アルキルオキシカルボニル基(エチルオキシカルボニル基等)、フルオロ基、クロロ基、ヨード基及びブロモ基から選ばれる少なくとも1種である。これらの中でも、カルボン酸の酸性度を特に高くさせる置換基であることから、シアノ基、ニトロ基及びトリメチルアミノ基が好ましい。電子吸引性置換基が結合する位置は、当該電子吸引性置換基が結合していない場合と比較してカルボキシル基の酸性度が高められるような位置であればよい。
上記カルボン酸は芳香環を有し、当該芳香環をカルボキシル基及び電子吸引性置換基が置換していてもよい。この場合、カルボキシル基のオルト位に置換基がないと、オルト位に置換基があるときに比べて、塩又は付加体を形成しやすくなって、反応開始温度が高くなる傾向がある。カルボン酸の塩又は付加体形成の障害となるような置換基がカルボキシル基の近傍にない場合、カルボキシル基の酸性度が高くなればなるほど塩又は付加体を形成しやすくなって、エポキシ樹脂等の反応開始温度が高温化する。
好適なカルボン酸の具体例としては、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、o−シアノ安息香酸、m−シアノ安息香酸、及びp−シアノ安息香酸が挙げられる。
含窒素化合物とカルボン酸との反応により形成される化合物(塩又は付加体)を硬化剤として含有する硬化性樹脂組成物の硬化反応の活性を、電子吸引性置換基の種類、数及び置換位置のうち少なくともいずれかを選択することにより制御することができる。電子吸引性置換基の電子吸引性が強いほど、反応開始温度が高くなる傾向がある。また、カルボン酸が芳香環を有し、当該芳香環をカルボキシル基及び電子吸引性置換基が置換している場合、電子吸引性置換基の置換位置がカルボキル基に対してオルト位又はパラ位であるとき、メタ位であるときと比較して反応開始温度が高くなる傾向がある。電吸引性置換基の数が多いほど、反応開始温度が高くなる傾向がある。反応開始温度が高くなると、室温での硬化反応の活性が抑制されて、高い熱潜在性が得られる。
含窒素化合物とカルボン酸との反応は、溶媒中で両者を混合する方法により行うことができる。具体的には、例えば、含窒素化合物が溶解した溶液とカルボン酸が溶解した溶液とを、スピナー等で撹拌しながら混ぜ合わせ、0〜100℃で1〜60分反応を行うことが好ましい。
溶媒は含窒素化合物及びカルボン酸のうち少なくとも一方が溶解するものが好ましく、硬化性樹脂組成物の用途に不都合がないものを用いればよい。
反応の際のカルボン酸に対する含窒素化合物のモル比は好ましくは0.3〜3、より好ましくは0.5〜3である。未反応の含窒素化合物及びカルボン酸が残存しないようにモル比を適宜調整することが好ましい。
反応後、濾紙、濾過、蒸留等により、生成した塩又は付加体を単離することができる。溶媒が残存する場合は、オーブン等で熱処理を行なうか、減圧により乾燥してもよい。生成した塩又は付加体を単離することなく、溶媒に溶解させたまま硬化剤として硬化性樹脂組成物の調製のために用いてもよい。単離や溶媒を乾燥する工程を省略することにより、より簡易な工程で硬化剤を得ることができる。
上記硬化剤は、エポキシ樹脂用硬化剤として好適に用いられる。エポキシ樹脂は、2個以上のエポキシ基を有する化合物であることが好ましい。例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型、各種多官能エポキシ樹脂を使用することができる。これらは単独または2種以上の混合体として使用することができる。
硬化性樹脂組成物には、含窒素化合物及びカルボン酸がそれぞれ単体で含有されていてもよい。この場合も、硬化反応の活性が制御され得る。
本実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、含窒素化合物とカルボン酸との反応により形成される化合物(塩又は付加体)及びエポキシ樹脂に加えて、他の硬化剤、フィラー等の他の成分を更に含有してもよい。
他の硬化剤としては、以下のフェノール樹脂、アミン系硬化剤、イミダゾール類及びホスフィン類が用いられ得る。
(i)フェノール樹脂
例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール、各種多官能フェノール樹脂などを使用することができる。これらは単独または2種以上の混合体として使用することができる。
(ii)酸無水物系硬化剤
例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等を使用することができる。これらは単独または2種以上の混合体として使用することができる。
(iii)アミン系硬化剤
カルボン酸との塩又は付加体を形成する含窒素化合物とは異なるアミン系硬化剤を用いてもよい。例えば、ジシアンジアミドを使用することができる。
(iv)イミダゾール類
イミダゾール類単体を硬化剤として用いてもよい。例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが挙げられる。
(v)ホスフィン類
例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
フィラーの種類、添加量は適宜用途に応じて決定すればよく、例えば、絶縁性無機フィラーやウィスカー、樹脂フィラーを用いることができる。絶縁性無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、窒化ホウ素等が挙げられ、その中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン、窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素がより好ましい。ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げられる。樹脂フィラーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリイミドなどを用いることができる。これらのフィラー及びウィスカーは1種を単独で又は2種以上の混合体として使用することもできる。フィラーの形状、粒径、および配合量については、特に制限されない。
硬化性樹脂組成物は、例えば、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、及びイオントラップ剤から選ばれる添加剤を含有してもよい。
硬化性樹脂組成物はどのような形態でもよく、例えば、液状、ペースト状、フィルム状、又は粉状であり得る。
硬化性樹脂組成物は、フィルム状等の形状の保持が必要とされる場合、高分子成分を含有することが好ましい。この高分子成分は、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムから選ばれる。高分子成分の重量平均分子量は10000以上であることが好ましい。
本実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、半導体素子と基板及び他の半導体素子等の被着体とを接着する半導体用接着剤として特に有用である。カルボン酸は有機酸であるため、熱により含窒素化合物から分離した後、ハンダや銅表面の酸化膜や不純物を取り除くフラックス活性を示す。さらに、カルボン酸は他の有機酸と異なり、含窒素化合物から分離したときにエポキシ樹脂と容易に反応して架橋構造体に取り込まれて系中に単体として残りにくいため、耐HAST性等の絶縁信頼性の劣化が抑制されるという利点もある。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.材料
(a)含窒素化合物(イミダゾール誘導体)
1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、2PZCN)
(b)カルボン酸
(i)求電子置換基を有しないカルボン酸
安息香酸(東京化成株式会社製)
(ii)求電子置換基を有するカルボン酸
o−ニトロ安息香酸(東京化成株式会社製)
m−ニトロ安息香酸(東京化成株式会社製)
p−ニトロ安息香酸(東京化成株式会社製)
3,5−ジニトロ安息香酸(東京化成株式会社製)
(iii)電子供与性置換基を有するカルボン酸
p−ジメチルアミノ安息香酸(シグマアルドリッチジャパン製)
(c)エポキシ樹脂
トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、EP1032H60、以下「EP1032」という。)
2.付加体の合成
イミダゾール誘導体及び表1に示すカルボン酸を、N−メチル−2−ピロリドン(関東化学製、以下「NMP」という。)に、1:1のモル比で、不揮発分が3質量%となるように溶解し、室温(25℃)で30分間攪拌して、カルボン酸と2PZ−CNとの反応生成物である付加体を溶液中に生成させた。生成した付加体は、単離することなくNMP溶液の状態でそのまま硬化性樹脂組成物の調製に用いた。
3.硬化性樹脂組成物の調製とその評価
上記付加体を硬化剤として用い、これをエポキシ樹脂(EP1032)100モルに対して0.5モルとなるような比率でエポキシ樹脂と混合した。溶媒としてNMPを用い、全体として不揮発分が40質量%となるように調整した。混合後、80℃で30分、120℃で20分の順に加熱して溶媒を除去して、硬化性樹脂組成物を得た。実験例1では、2PZCNをそのまま硬化剤として用いた。得られた硬化性樹脂組成物について、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量5mg、昇温速度10℃/分で、25℃〜350℃の範囲の測定を行った。硬化反応に起因する発熱ピークから、「反応開始温度」、「反応ピーク温度」及び「発熱量」を求めた。縦軸を熱量(W/g)、横軸を温度(℃)としたときに、発熱ピークの立上り曲線のうちピークの勾配が最も急になった部分の接線と温度軸の交点の温度を反応開始温度(onset温度:平均場近似一次転移温度)とした。測定結果を下記表1に示す。
Figure 0005549239
イミダゾール誘導体単体を硬化剤として用いた実験例1と比較して、イミダゾール誘導体とカルボン酸との付加体を用いた実験例2〜7の反応開始温度が高くなった。安息香酸を用いた実験例3と比較して、電子供与性置換基を有するカルボン酸を用いた実験例2の反応開始温度は低く、実験例4〜7のような電子吸引性置換基を有するカルボン酸を用いた実験例4〜7の反応開始温度は高くなった。特に、ニトロ基を二個有するカルボン酸を用いた実験例7は、ニトロ基を1個有するカルボン酸を用いた実験例4〜6に比べて、カルボキシル基のオルト位に立体障害となる置換基がなく、カルボン酸の酸性度が高くなっていることから、反応開始温度は劇的に高くなっている。

Claims (3)

  1. 半導体素子と基板又は他の半導体素子とを接着する半導体用接着剤であり、前記半導体用接着剤が硬化剤とエポキシ樹脂とを含有し、
    前記硬化剤が、含窒素化合物と、電子吸引性置換基を有するカルボン酸とから形成される塩又は付加体を含有する硬化剤であり、
    前記含窒素化合物が、イミダゾール又はその誘導体であり、
    前記電子吸引性置換基が、シアノ基、ニトロ基及びトリメチルアミノ基から選ばれる少なくとも1種であ
    前記カルボン酸が、ベンゼン環と、これを置換する前記電子吸引性置換基及びカルボキシル基と、を有し、前記電子吸引性置換基を有していることにより、安息香酸と比較して前記カルボキシル基の酸性度が高められたものである、
    半導体用接着剤。
  2. 前記カルボン酸が、2以上の前記電子吸引性置換基を有し、前記電子吸引性置換基がニトロ基である、請求項1に記載の半導体用接着剤。
  3. 含窒素化合物と電子吸引性置換基を有するカルボン酸とから形成される塩又は付加体を含有する硬化剤と、エポキシ樹脂と、を含有し、前記電子吸引性置換基の種類、数及び置換位置のうち少なくともいずれかを選択することにより硬化反応の活性が制御された、半導体素子と基板又は他の半導体素子とを接着する半導体用接着剤であって、
    前記含窒素化合物が、イミダゾール又はその誘導体であり、
    前記電子吸引性置換基が、シアノ基、ニトロ基及びトリメチルアミノ基から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記カルボン酸が、ベンゼン環と、これを置換する前記電子吸引性置換基及びカルボキシル基と、を有し、前記電子吸引性置換基を有していることにより、安息香酸と比較して前記カルボキシル基の酸性度が高められたものである、
    半導体用接着剤。
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