JP2016172824A - ポリイミド樹脂組成物、及びそれを用いた接着フィルム - Google Patents

ポリイミド樹脂組成物、及びそれを用いた接着フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2016172824A
JP2016172824A JP2015053721A JP2015053721A JP2016172824A JP 2016172824 A JP2016172824 A JP 2016172824A JP 2015053721 A JP2015053721 A JP 2015053721A JP 2015053721 A JP2015053721 A JP 2015053721A JP 2016172824 A JP2016172824 A JP 2016172824A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
parts
polyimide resin
inorganic filler
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015053721A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6452243B2 (ja
Inventor
和紀 石川
Kazunori Ishikawa
和紀 石川
成生 林本
Shigeo Hayashimoto
成生 林本
直美 荷見
Naomi Kami
直美 荷見
長嶋 憲幸
Noriyuki Nagashima
憲幸 長嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2015053721A priority Critical patent/JP6452243B2/ja
Publication of JP2016172824A publication Critical patent/JP2016172824A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6452243B2 publication Critical patent/JP6452243B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、熱伝導性無機充填剤である窒化ホウ素と窒化アルミニウムを一定の割合で分散することにより、優れた接着性、高い熱伝導性および良好な電気絶縁性を有する熱伝導性接着フィルムが得られる樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】特定構造を有するフェノール性水酸基含有芳香族ポリイミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び熱伝導性無機充填剤(C)を含有する樹脂組成物であって、25℃における該樹脂組成物中の該無機充填剤(C)の含有量が45乃至64体積%であり、かつ該無機充填剤(C)が、窒化ホウ素からなる平均粒径(D50)が50乃至100μmの凝集体(c1)、平均粒径(D50)が15乃至45μmの窒化アルミニウム(c2)及び平均粒径(D50)が0.1乃至3μmの窒化ホウ素、窒化アルミニウム並びにアルミナからなる群より選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤(c3)を含有する樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、パワーモジュールなどの電子材料や電子部品に用いられるポリイミド樹脂を含む組成物、それを用いた熱伝導性接着フィルム、および電子部品に関する。
近年、各種電子機器において半導体集積回路が用いられている。中でも、大きな電力を必要とする機器においては、ハイパワーのダイオード、トランジスタ及びICなどのパワー素子を実装したパワーモジュールが用いられている。パワーモジュールでは、パワー素子から発生した熱を逃すための十分な放熱性と、高温下での高い電気絶縁性(電気信頼性)とが要求される。
十分な放熱性を持たせるべく、パワーモジュールと放熱板を接合させる目的で各種熱伝導性接着フィルムが使用されている。これらの熱伝導性接着フィルムには、熱伝導性を高めるために銀、銅、金、アルミニウムなどの熱伝導率の大きい金属や合金、化合物、あるいは酸化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素などの電気絶縁性セラミックス、カーボンブラック、グラファイト、ダイヤモンドなどの粉粒体形状や繊維形状の熱伝導性充填材が配合されている。なかでも、熱伝導性と電気絶縁性にすぐれている窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、またはシリカなどを充填した電気絶縁性の熱伝導性接着フィルムが広く実用化されている。
上述の熱伝導性接着フィルムを得るべく、ポリイミドなど耐熱性樹脂と熱伝導性無機充填剤からなる樹脂組成物が数多く提案されている。特に、骨格中にエーテル結合を含有する閉環ポリイミドと熱伝導性無機充填剤からなる樹脂組成物はガラス転移温度を低く設計できるため、これを用いてフィルムとしたときに170〜200℃程度の低温で被着体と接着可能であり、熱伝導性接着フィルムとして好適に使用可能であることが知られている(特許文献1)。
近年、シリコン半導体よりも小型化・低消費電力化・高効率化が可能であり、スイッチングロスの低減や高温環境下での動作特性に優れる炭化ケイ素パワー半導体が次世代の低損失パワー素子として期待されている。炭化ケイ素パワー半導体を用いて炭化ケイ素系パワーモジュールとした場合、周辺部材が使用される温度域が200℃近辺まで上昇する。
しかしながら特許文献1は、接着積層後のフィルムのガラス転移温度が200℃を下回るため、炭化ケイ素系パワーモジュールを接着させる熱伝導性接着フィルムとして使用することはできない。
一方で、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂と熱伝導性無機充填剤からなる樹脂組成物は、これを用いてフィルムとしたときに170〜200℃程度の低温で被着体と接着可能であり、かつ接着積層後のフィルムのガラス転移温度が200℃を上回るので、炭化ケイ素系パワーモジュールに対する適用の可能性がある(特許文献2)。しかしながら、近年の要求特性の高まりに伴い、該樹脂組成物では電気絶縁性と熱伝導性が不充分になってきている。
他方で、骨格中にエーテル結合を含有し、かつフェノール性水酸基を含有する芳香族ポリイミド樹脂及びエポキシ樹脂の樹脂組成物が知られている(特許文献3)。該樹脂組成物にさらに上述の熱伝導性無機充填剤を配合した樹脂組成物は、フィルムとしたときに170〜200℃程度の低温で被着体と接着可能であり、かつ接着積層後のフィルムのガラス転移温度が200℃を上回るため、炭化ケイ素パワーモジュールへの適用が期待されている。
また、近年の要求特性の高まりに伴い、各種熱伝導性無機充填剤も検討されている(特許文献4)が、十分な熱伝導性と接着性を両立する樹脂組成物は見出されていない。
WO2011/001698号公報 WO2011/114665号公報 特開2011−124175号公報 特開2014−214213号公報
本発明は、骨格中にエーテル結合を含有し、かつフェノール性水酸基を含有する芳香族ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、及び特定の範囲の粒径を有する窒化アルミを一定割合で含む熱伝導性無機充填剤からなる樹脂組成物であって、熱伝導性接着フィルムとしたときに高い接着性、十分な熱伝導性、良好な電気絶縁性を発現する樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等が鋭意検討した結果、フェノール性水酸基を有する芳香族ポリイミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び熱伝導性無機充填剤(C)を含有する樹脂組成物であって、特定量の該無機充填剤(C)を含有し、かつ該無機充填剤(C)が、窒化ホウ素からなる特定の平均粒径を有する凝集体(c1)、特定の平均粒径を有する窒化アルミ(c2)、及び特定の平均粒径を有する窒化ホウ素、窒化アルミ並びにアルミナからなる群より選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤(c3)をそれぞれ特定量含有する樹脂組成物を用いることにより上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)下記式(1)
Figure 2016172824
(式中、m及びnは平均値であり、0.005<n/(m+n)<0.14、かつ0<m+n<200の関係を満たす正数である。Rは下記式(2)
Figure 2016172824
で表される4価の芳香族基を表し、Rは下記式(3)
Figure 2016172824
で表される2価の芳香族基を表し、Rは下記式(4)
Figure 2016172824
で表される群より選ばれる1種又は2種以上の2価の芳香族基を表す。)
で表される繰り返し単位を構造中に有するフェノール性水酸基含有芳香族ポリイミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び熱伝導性無機充填剤(C)を含有する樹脂組成物であって、25℃における該樹脂組成物中の該無機充填剤(C)の含有量が45乃至64体積%であり、かつ該無機充填剤(C)が、窒化ホウ素からなる平均粒径(D50)が50乃至100μmの凝集体(c1)、平均粒径(D50)が15乃至45μmの窒化アルミニウム(c2)及び平均粒径(D50)が0.1乃至3μmの窒化ホウ素、窒化アルミニウム並びにアルミナからなる群より選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤(c3)を含有する樹脂組成物、
(2)コーンプレート法により測定したエポキシ樹脂(B)の150℃における溶融粘度が0.04Pa・s以下である前項(1)に記載の樹脂組成物、
(3)熱伝導性無機充填剤(C)中の窒化ホウ素からなる凝集体(c1)の含有量が40乃至65体積%であり、窒化アルミニウム(c2)の含有量が15乃至39体積%であり、かつ窒化ホウ素、窒化アルミニウム及びアルミナからなる群より選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤(c3)の含有量が10乃至30体積%である前項(1)又は(2)に記載の樹脂組成物、
(4)前項(1)乃至(3)のいずれかに一項に記載の樹脂組成物からなる熱伝導性接着フィルム、
(5)前項(4)に記載の熱伝導性接着フィルムと銅箔またはステンレス箔からなる積層物、
(6)前項(4)に記載の熱伝導性接着フィルムと放熱板との積層物、
(7)前項(4)に記載の熱伝導性接着フィルムを構成成分とする電子部品
に関する。
本発明の樹脂組成物を用いて得られたフィルムは、170〜200℃程度の低温で被着体と接着可能である。さらに該フィルムは接着強度が高くかつフィルムの表裏の諸特性の差が少ないため、高温での接着強度も維持できる。加えて高い熱伝導性、良好な電気絶縁性を発現するため、炭化ケイ素系パワーモジュールに好適に使用可能である。
本発明の樹脂組成物が含有するフェノール性水酸基含有芳香族ポリイミド樹脂(A)(以下、単に「ポリイミド樹脂(A)」ともいう)は、通常、下記式(5)
Figure 2016172824
で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記式(6)
Figure 2016172824
で表されるジアミン化合物および下記式(7)
Figure 2016172824
で表される群から選ばれる1種又は2種以上のジアミノジフェノール化合物との付加反応により得られたポリアミック酸を、さらに脱水閉環反応されることにより得られる。これら一連の反応は1ポットで行うことが好ましい。
前述の工程を経ることにより、下記式(1)
Figure 2016172824
(式中、m及びnは平均値であり、0.005<n/(m+n)<0.14、かつ0<m+n<200の関係を満たす正数である。Rは下記式(2)
Figure 2016172824
で表される4価の芳香族基を表し、Rは下記式(3)
Figure 2016172824
で表される2価の芳香族基を表し、Rは下記式(4)
Figure 2016172824
で表される群より選ばれる1種又は2種以上の2価の芳香族基を表す。)で表される繰り返し単位を構造中に有するフェノール性水酸基含有芳香族ポリイミド樹脂(A)が得られる。
前述の工程に用いられる式(6)で表されるジアミン化合物と式(7)で表される群から選ばれるジアミノジフェノール化合物のモル比率が、上記式(1)中のmとnの比率となる。m及びnの値は、0.005<n/(m+n)<0.14、かつ0<m+n<200の関係を満たす必要がある。m及びnの値が前記の関係を満たすことにより、ポリイミド樹脂(A)が1分子中に有する芳香族基R由来のフェノール性水酸基の水酸基当量、及びポリイミド樹脂(A)の分子量が本発明の効果を発揮するのに適切な値となる。m及びnの値は、0.01<n/(m+n)<0.06、かつ0<m+n<200の関係を満たすことがより好ましく、0.015<n/(m+n)<0.04、かつ0<m+n<200の関係を満たすことがさらに好ましい。mとnの値が前記の関係を満たすことにより接着後のフィルムのガラス転移温度が200℃を上回り、被着体との高い接着強度が得られると共に、良好な電気絶縁性が発現する。
ポリイミド樹脂(A)の平均分子量は、数平均分子量で1,000〜70,000、重量平均分子量で5,000〜500,000であることが好ましい。平均分子量がこの範囲内であることにより、熱伝導性接着フィルムとした時に必要な機械強度が発現し、また熱伝導性接着性フィルムとした時に必要な接着性が発現する。
ポリイミド樹脂(A)の分子量は、反応に用いるジアミン化合物とジアミノジフェノール化合物のモル数の和と、テトラカルボン酸二無水物のモル数との比であるR値(=(ジアミン化合物のモル数+ジアミノジフェノール化合物のモル数)/テトラカルボン酸二無水物のモル数)を調整することにより制御することができる。R値が1.00に近いほどポリイミド樹脂(A)の平均分子量は大きくなる。R値は0.80乃至1.20であることが好ましく、0.9乃至1.1であることがより好ましい。
R値が1.00を下回る場合、ポリイミド樹脂(A)の末端は酸無水物となり、上回る場合は末端がアミンまたはアミノフェノールとなるが、ポリイミド樹脂(A)の末端はいずれの構造にも限定されるものではない。
なお、耐熱性や硬化特性を調整するために、ポリイミド樹脂(A)が末端に有する置換基を化学修飾することができる。たとえば、末端が酸無水物のポリイミド樹脂(A)とグリシドールとの付加反応物、あるいは末端がアミンまたはアミノフェノールのポリイミド樹脂(A)と4−エチニルフタル酸無水物との重縮合物は、本発明の好ましい態様例である。
ポリイミド樹脂(A)を得る際の付加反応及び脱水閉環反応は、合成の中間体であるポリアミック酸およびポリイミド樹脂(A)を溶解し得る溶剤、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドまたはγ−ブチロラクトンより選ばれる1種以上を含有する溶剤中で行うことが好ましい。
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物及びジアミノフェノール化合物との付加反応は通常10〜100℃で行い、40〜90℃で行うのが好ましい。
脱水閉環反応の際には、脱水剤として、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンまたはヘプタン等の比較的低沸点の無極性溶剤を少量使用し、反応時に副生する水を反応系から除去するのが好ましい。また、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、トリエチルアミンから選ばれる塩基性の有機化合物を触媒として少量添加することも好ましい。脱水閉環反応時の反応温度は通常150〜220℃、好ましくは160〜200であり、反応時間は通常2〜15時間、好ましくは5〜10時間である。脱水剤の添加量は反応液に対し通常5〜20質量%、触媒の添加量は反応液に対し通常0.1〜5質量%である。
ポリイミド樹脂(A)は、脱水閉環反応後に溶剤に溶解した形態、即ちポリイミド樹脂(A)のワニスとして得られる。本発明の一態様として、得られたポリイミド樹脂(A)のワニスに水、アルコールなどの貧溶剤を加えてポリイミド樹脂(A)を析出させ、これを精製して用いる方法が挙げられる。また、別の態様として、脱水閉環反応後に得られたポリイミド樹脂(A)のワニスを精製せずにそのまま用いることも可能であり、操作性の観点からはこちらの態様がより好ましい。
本発明の樹脂組成物におけるポリイミド樹脂(A)の含有量は、25℃における該樹脂組成物中のポリイミド樹脂(A)と後述するエポキシ樹脂(B)の体積の合計が、通常36乃至55体積%である。
本発明の樹脂組成物はエポキシ樹脂(B)を含有する。エポキシ樹脂(B)は、ポリイミド樹脂(A)の架橋剤としての役割を果たすものであり、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば特に限定なく本発明の樹脂組成物に用いることが出来る。エポキシ樹脂(B)としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールA型エポキシ樹脂とジフェノール類を反応させて高分子量化したエポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂ビスフェノールF型エポキシ樹脂とジフェノール類を反応させて高分子量化したエポキシ樹脂、ビフェノール骨格エポキシ樹脂、アルキルビフェノール類骨格エポキシ樹脂などが挙げられ、その具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂(たとえば、N−660(DIC(株)製)、YDCN−700−5(新日鉄住金化学(株)製)、EOCN−1020(日本化薬(株)製)EPPN−501H(日本化薬(株)製))、ジシクロペンタジエン−フェノール縮合型エポキシ樹脂(たとえば、XD−1000(日本化薬(株)製))、キシリレン骨格含有フェノールノボラック型エポキシ樹脂(たとえば、NC−2000(日本化薬(株)製))、ビフェニル骨格含有ノボラック型エポキシ樹脂(たとえば、NC−3000(日本化薬(株)製))、ナフタレン型エポキシ樹脂(たとえば、HP−4710(DIC(株)製)脂環式エポキシ樹脂(たとえば、セロキサイド 2021P ((株)ダイセル製))、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(たとえば、JER828(三菱化学(株)製)、EP4100((株)ADEKA製)、850−S(DIC(株)製)、RE−310S(日本化薬(株)製)、リカレジン BEO−60E(新日本理化(株)製)ビスフェノールF型エポキシ樹脂(たとえば、YDF−870GS(新日鉄住金化学(株)製)、YDF−8170C(新日鉄住金化学(株)製)、RE−303S(日本化薬(株)製))、RE−602S(日本化薬(株)製)、ビフェノール骨格エポキシ樹脂またはアルキルビフェノール類骨格エポキシ樹脂(たとえば、YX−4000(三菱化学(株)製)、YL6121H(三菱化学(株)製))などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂を2種以上併用してもよい。
これらのエポキシ樹脂の中でも、溶融粘度が0.04Pa・s以下のエポキシ樹脂が、エポキシ樹脂(B)として好ましく用いられる。溶融粘度が0.04Pa・s以下のエポキシ樹脂を用いることにより、良好な電気絶縁性高い熱伝導率及び低温での高い接着性等の優れた特性が発現する。溶融粘度が0.04Pa.s以下のエポキシ樹脂の具体例としては、上記エポキシ樹脂(B)の具体例中の、ビスフェノールA型エポキシ樹脂乃至YL6121H、ビスフェノールF型エポキシ樹脂乃至RE−602Sが挙げられる。
尚、ここで言う溶融粘度とは、JIS K−7117−2に準じてコーンプレート法により測定した150℃における溶融粘度を意味する。
本発明の樹脂組成物におけるエポキシ樹脂(B)の含有量は、25℃における該樹脂組成物中のポリイミド樹脂(A)と後述するエポキシ樹脂(B)の体積の合計が、通常36乃至55体積%であり、好ましくは38乃至50体積%である。
本発明の樹脂組成物は、平均粒径(D50)が50乃至100μmの凝集体(c1)、平均粒径(D50)が15乃至45μmの窒化アルミニウム(c2)及び平均粒径(D50)が1乃至3μmの無機充填剤(c3)を含む熱伝導性無機充填剤(C)(以下、単に「無機充填剤(C)」と記載する)を含有する。本発明の樹脂組成物は、平均粒径(D50)や材質の異なる凝集体及び無機充填剤をそれぞれ特定量併用することにより、優れた接着性、高い熱伝導性及び良好な電気絶縁性が発現する。
凝集体(c1)は、一般的には鱗片状の窒化ホウ素の微小結晶からなる凝集体である。該微小結晶としては結晶の平均粒径が2μm以下のものや、結晶の長径が10μm以下のもの等が知られており、本発明の凝集体(c1)は、これらの微小結晶が凝集して形成する比較的大きな2次凝集粒子を意味する。
凝集体(c1)の平均粒径(D50)は、通常50乃至100μm、好ましくは60乃至95μmである。平均粒子径が50μm未満の場合、十分な熱伝導性を示すことができず、平均粒径(D50)が100μmより大きい場合はフィルム内の空隙が大量に生成してしまい、十分な絶縁性を得ることができない。従って、原料として大きな2次凝集粒子の窒化ホウ素を用いるときは、適宜本発明の樹脂組成物中に分散する窒化ホウ素の2次凝集粒子の大きさが、上記の範囲になるよう適宜粉砕などで、調整するのが好ましい。あらかじめ、窒化ホウ素の粒子径を攪拌混合などにおいて調整するか、または他の原料との攪拌混合もしくは混練の際に、混合と一緒に2次粒子の調整をおこなっても良い。
窒化アルミニウム(c2)の平均粒径(D50)は、通常15〜45μm、好ましくは20〜40μmである。前記の範囲の平均粒径(D50)を有する窒化アルミニウム(c2)を用いることにより、十分な接着性および十分な熱伝導性を得ることができる。窒化アルミニウム(c2)の平均粒径(D50)が15μm未満の場合、十分な熱伝導性を示すことができず、平均粒径(D50)が45μmより大きい場合は、無機充填剤の沈降が生じ樹脂組成物の安定性が低下してしまう。そのため、十分な接着性および十分な熱伝導性を示すことが出来なくなる。
無機充填剤(c3)は窒化ホウ素、窒化アルミニウム及びアルミナからなる群より選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤を含んでなる。無機充填剤(c3)の平均粒径は、通常0.乃至3μm、好ましくは0.5乃至2μmである。平均粒径(D50)が0.1μm未満の場合、十分な熱伝導性を示すことができず、平均粒径が3μmより大きい場合は、無機充填剤の充填性が低下し十分な接着性および十分な電気絶縁性を得ることが出来なくなる。
本発明の樹脂組成物における無機充填剤(C)の含有量は、25℃における該樹脂組成物中の無機充填剤(C)の体積が、通常45乃至64体積%であり、好ましくは50乃至60体積%である。本発明の樹脂組成物中の無機充填剤(C)の含有量を前記の範囲とすることにより、本発明の樹脂組成物は十分な接着性を発現すると共に、該樹脂組成物の硬化物は十分な熱伝導性を発現する。
無機充填剤(C)中の凝集体(c1)の含有量は特に限定されないが、30乃至65体積%であることが好ましく、40乃至55体積%であることがより好ましい、また、無機充填剤(C)中の窒化アルミニウム(c2)の含有量は特に限定されないが、15乃至39体積%であることが好ましく、25乃至39体積%であることがより好ましい、更に、無機充填剤(C)中の無機充填剤(c3)の含有量は特に限定されないが、10乃至30体積%であることが好ましく、15乃至25体積%であることがより好ましい。
無機充填剤(C)中の(c1)乃至(c3)成分の含有量を前記の好ましい範囲とすることにより本発明の樹脂組成物は更に十分な接着性を発現し、該樹脂組成物を接着シートとして用いる場合に接着シート内の空隙が減少して更に十分な電気絶縁性を発現し、また該樹脂組成物の硬化物は更に十分な熱伝導性を発現する。
本発明の樹脂組成物には、上述の成分以外に各種物性を発現させるための添加剤を配合することができる。たとえば、エポキシ樹脂硬化剤および硬化促進剤を配合するのが、本発明の好ましい様態の一つである。
エポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ヂシアンヂアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノールノボラックなどの多価フェノール化合物、トリフェニルメタン及びこれらの変性物、イミダゾール、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、使用態様により適宜選択することができる。
エポキシ樹脂硬化剤を配合する場合、併用する硬化剤にもよるので一概には言えないが、硬化剤はエポキシ樹脂の総量100質量部に対して500質量部以下が好ましく、より好ましくは100質量部以下である。これより多い場合、熱伝導性接着フィルムの耐熱性が低下するので好ましくない。
また、本発明に使用され得る硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。硬化促進剤はエポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜5.0質量部が必要に応じ用いられる。
本発明の樹脂組成物には、上記(c1)〜(c3)成分以外の熱伝導性無機充填剤を併用してもよい。併用し得る熱伝導性無機充填剤は熱伝導率が1W/m・k以上のものが好ましく、5W/m・k以上であるものがより好ましい。併用し得る熱伝導性無機充填剤の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ホウ酸アルミウィスカ、窒化ケイ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、炭化ケイ素が挙げられる。これら併用し得る熱伝導性無機充填剤の平均粒径は特に限定されない。
本発明の樹脂組成物には、添加剤、例えばカップリング剤、有機溶剤及びイオン捕捉剤等を必要により添加してもよい。用いるカップリング剤は特に限定されないが、シランカップリング剤が好ましく、その具体例としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらカップリング剤の使用量は、樹脂組成物の用途やカップリング剤の種類等に応じて選択すればよく、本発明の樹脂組成物100質量部中に通常5質量部以下である。
本発明の樹脂組成物に用い得るイオン捕捉剤は特に限定されないが、例えば銅がイオン化して溶け出すのを防ぐための銅害防止剤として知られるトリアジンチオール化合物や2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第3−ブチルフェノール)などのビスフェノール系還元剤、無機イオン吸着剤としてのジルコニウム系化合物、アンチモンビスマス系化合物、マグネシウムアルミニウム系化合物及びハイドロタルサイトなどが挙げられる。これらイオン捕捉剤を添加することにより、イオン性不純物が吸着されて吸湿時の電気信頼性を向上させることができる。イオン捕捉剤の使用量は、その効果や耐熱性、コスト等の兼ね合いから本発明の樹脂組成物中に通常5質量%以下である。
本発明の樹脂組成物は、有機溶剤に溶解したワニスとして用いることもできる。用い得る有機溶剤としては、例えばγ−ブチロラクトン等のラクトン類、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤、テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートおよびプロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエンおよびキシレン等の芳香族系溶剤が挙げられる。
ワニスは、熱伝導性無機フィラーの分散を考慮した場合、擂潰機、3本ロール、ビーズミル、プラネタリーなどにより、またはこれらの組み合わせにより製造することができる。また、熱伝導性無機フィラーと低分子量成分をあらかじめ混合した後、高分子量成分を配合することにより、混合に要する時間を短縮することが可能になる。また得られたワニスから、各成分を混合する際にその内部に含まれた気泡を真空脱気により除去することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、前記ワニスを基材に塗布した後、有機溶剤を乾燥しフィルム化を行うことで、本発明の熱伝導性接着フィルムとすることができる。
フィルム化に際し用い得る基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、フッ素フィルム、銅箔、ステンレス箔などが好適に用いられる。乾燥後に基材を剥離する場合、これら基材の表面はシリコーン等で離型処理されていても良い。具体的には、本発明の樹脂組成物のワニスを、基材の表面にコンマコーター、ダイコーター等で塗布し、熱風や赤外線ヒーター等により硬化反応が進まない程度に塗布物中の溶剤を揮発させた後、基材から剥離することで本発明の樹脂組成物からなるフィルムを得ることが出来る。尚、ここで用いた基材を、そのまま本発明の樹脂組成物の被着体として用いる場合には、溶剤を揮発させた後に基材を剥離しなくても構わない。
本発明の熱伝導性接着フィルムの厚さは通常50〜500μmであり、好ましくは75〜250μmである。フィルムの厚さが薄すぎると熱伝導性無機充填剤が突出し、電気絶縁性が低下し、また被着体との接着強度の低下が顕著であり、フィルムの厚さが厚すぎるとフィルム中に残留する溶剤が多くなり、被着体との接着物に環境試験を行う際に浮きや膨れなどの不具合および電気信頼性試験の低下が生じる。
本発明の熱伝導性接着フィルムの用途は特に限定されないが、その有する接着性、高熱伝導性、電気絶縁性および耐熱性等の効果から電気回路、金属箔または回路基板と放熱板とを接着するために好ましく用いられる。前記金属箔の材質は特に限定されないが、汎用性の点で銅箔またはステンレス箔が好ましい。
尚、ここでいう放熱板とは、電気回路に搭載されている電子部品からの放熱を促進する目的で、電子部品が搭載される面に積層される板であり、通常金属板等が使用される。上記放熱板の材料としては、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄、金、銀、モリブデン及びタングステンなどの金属、金属とガラスの複合物、並びに合金などが挙げられ、中でも熱伝導率の高い銅、アルミニウム、金、銀又は鉄や、これらを用いた合金が好ましい。放熱板の厚さに特に制限は無いが、加工性の点から通常0.1〜5mmである。これら放熱板や金属箔に本発明の樹脂組成物を塗布したり、または前記の接着フィルムを積層することにより、本発明の接着剤付き放熱板並びに接着剤付き金属箔が得られる。
電気回路に放熱板が積層されている積層物は、放熱板付き金属箔の金属箔部分を回路加工することにより作成することが出来る。また、電気回路への電子部品の搭載は半田接続などによって行われ、本発明の電子部品となる。
次に、本発明をさらに実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において部は質量部を、%は質量%をそれぞれ意味する。
合成例1
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)30.79部(0.105モル)及びABPS(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、日本化薬株式会社製、分子量280.30)0.467部(0.0017モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン164.00部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)32.54部(0.105モル)、触媒としてピリジン1.66部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、下記式(8)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は20,000、重量平均分子量は100,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(8)中のmの値は49.22、nの値は0.78であった。
合成例2
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)30.79部(0.105モル)及びABPS(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、日本化薬株式会社製、分子量280.30)0.467部(0.0017モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン162.50部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)31.92部(0.103モル)、触媒としてピリジン1.66部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、下記式(8)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は14,000、重量平均分子量は58,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(8)中のmの値は24.61、nの値は0.39であった。
合成例3
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)30.31部(0.104モル)及びABPS(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、日本化薬株式会社製、分子量280.30)0.935部(0.032モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン164.00部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)31.92部(0.103モル)、触媒としてピリジン1.66部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、下記式(8)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は12,000、重量平均分子量は54,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(8)中のmの値は24.22、nの値は0.78であった。
合成例4
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)28.36部(0.097モル)及びABPS(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、日本化薬株式会社製、分子量280.30)2.803部(0.010モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン164.00部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)31.92部(0.103モル)、触媒としてピリジン1.66部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、
下記式(8)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は15,000、重量平均分子量は57,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(8)中のmの値は22.66、nの値は2.34であった。
合成例5
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)30.54部(0.104モル)及びBAFA(2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、日本化薬株式会社製、分子量366.26)0.814部(0.0022モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン159.00部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)31.15部(0.100モル)、触媒としてピリジン1.66部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、下記式(9)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は15,000、重量平均分子量は60,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(8)中のmの値は24.48、nの値は0.52であった。
合成例6
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)30.70部(0.105モル)及びHAB(3,3’-ジアミノビフェニル-4,4’-ジオール、日本化薬株式会社製、分子量216.24)0.481部(0.0022モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン161.00部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)31.32部(0.101モル)、触媒としてピリジン1.66部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、下記式(10)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は12,000、重量平均分子量は53,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(8)中のmの値は24.48、nの値は0.52であった。
合成例7
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)31.27部(0.107モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン162.50部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)31.90部(0.103モル)、触媒としてピリジン1.66部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、下記式(11)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は10,000、重量平均分子量は53,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(11)中のmの値は25.00であった。
合成例8
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)26.06部(0.089モル)及びABPS(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、日本化薬株式会社製、分子量280.30)5.097部(0.0182モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン162.50部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)32.01部(0.103モル)、触媒としてピリジン1.67部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、下記式(8)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は14,000、重量平均分子量は56,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(8)中のmの値は20.76、nの値は4.24であった。
合成例9
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてAPB−N(1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、三井化学株式会社製、分子量292.33)15.64部(0.054モル)及びABPS(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、日本化薬株式会社製、分子量280.30)15.00部(0.054モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン161.10部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)31.92部(0.103モル)、触媒としてピリジン1.67部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、下記式(8)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は16,000、重量平均分子量は58,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(8)中のmの値は12.50、nの値は12.50であった
合成例10
温度計、環流冷却器、ディーンスターク装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置を取り付けた500mlの反応器に、ジアミン化合物としてABPS(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、日本化薬株式会社製、分子量280.30)30.07部(0.107モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら溶剤としてN−メチルピロリドン160.01部を加え、70℃で30分間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物として、ODPA(4,4 ’−オキシジフタル酸無水物、マナック株式会社製、分子量310.22)32.01部(0.103モル)、触媒としてピリジン1.67部及び脱水剤としてトルエン28.49部を添加して反応器内を180℃ まで昇温した。ディーンスターク装置を用いてイミド化反応により発生する水を除去しながら、180℃で3時間加熱閉環反応を行った後、更に4時間加熱を行いピリジン及びトルエンを除去した。反応終了後、80℃ 以下に冷却した反応液に孔径3μmのテフロン( 登録商標) 製フィルターを用いて加圧濾過を施すことにより、下記式(8)
Figure 2016172824
で表される繰り返し単位を構造中に有するポリイミド樹脂(A)を28%含有するポリイミド樹脂ワニスを200部得た。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にポリスチレン換算で求めた該ポリイミド樹脂(A)の数平均分子量は30,000、重量平均分子量は65,000であり、合成反応で用いた各成分のモル比から算出した式(8)中のmの値は0.00、nの値は25.00であった。
実施例1
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニス107部に、エポキシ樹脂(B)としてRE−602S(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、エポキシ当量188g/eq )を16部、エポキシ樹脂硬化剤としてGPH−65(ビフェニルフェノール縮合型ノボラック樹脂、日本化薬株式会社製、水酸基当量200g/eq )を13部、硬化促進剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(2PHZ)を0.3部、及び溶剤としてN−メチルピロリドン33部をそれぞれ加え、30 ℃ で2 時間攪拌することにより混合溶液(固形分濃度35質量%)を得た。得られた混合溶液50部(固形分17.5部)に対し、無機充填剤(C)として、窒化ホウ素(3M製:Agglomerates 100、 平均粒径90μm)を17.2部、窒化アルミニウム(MARUWA製:M30、平均粒径30μm)を23.0部、及び 窒化ホウ素(三井化学株式会社製:MBN−010T、平均粒径1μm)を8.2部加えて三本ロールで混練し、本発明の樹脂組成物のワニス(1)を得た。
実施例2
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニスを、合成例2で得られたポリイミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例1と同様の手順で、本発明の樹脂組成物のワニス(2)を得た。
実施例3
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニスを、合成例3で得られたポリイミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例1と同様の手順で、本発明の樹脂組成物のワニス(3)を得た。
実施例4
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニスを、合成例4で得られたポリイミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例1と同様の手順で、本発明の樹脂組成物のワニス(4)を得た。
実施例5
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニスを、合成例5で得られたポリイミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例1と同様の手順で、本発明の樹脂組成物のワニス(5)を得た。
実施例6
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニスを、合成例6で得られたポリイミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例1と同様の手順で、本発明の樹脂組成物のワニス(6)を得た。
実施例7
RE−602SをYX4000(アルキルビフェノール類骨格エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製、エポキシ当量186g/eq )に変更した以外は実施例1と同様の手順で、本発明の樹脂組成物のワニス(7)を得た。
実施例8
RE−602Sの使用量を16部から30部に変更し、GPH−65 13部をDICY(ヂシアンヂアミド、日本カーバイド工業株式会社製、活性水素当量21g/eq)1.8部に変更し、N−メチルピロリドンの使用量を33部〜38.5部に変更した以外は実施例1と同様の手順で、本発明の樹脂組成物のワニス(8)を得た。
実施例9
無機充填剤(C)を窒化ホウ素(3M製:Agglomerates 100、 平均粒径90μm)26.1部、窒化アルミニウム(MARUWA製:M30、平均粒径30μm)9.7部及び窒化ホウ素(三井化学株式会社製:MBN−010T、平均粒径1μm)8.2部に変更した以外は実施例8と同様の手順で、本発明の樹脂組成物のワニス(9)を得た。
比較例1
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニスを、合成例7で得られたポリイミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例1と同様の手順で、比較用の樹脂組成物のワニス(10)を得た。
比較例2
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニスを、合成例8で得られたポリイミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例1と同様の手順で、比較用の樹脂組成物のワニス(11)を得た。
比較例3
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニスを、合成例9で得られたポリイミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例1と同様の手順で、比較用の樹脂組成物のワニス(12)を得た。
比較例4
合成例1で得られたポリイミド樹脂ワニスを、合成例10で得られたポリイミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例1と同様の手順で、比較用の樹脂組成物のワニス(13)を得た。
比較例5
RE−602SをNC−3000(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、エポキシ当量275g/eq )に変更した以外は実施例1と同様の手順で、比較用の樹脂組成物のワニス(14)を得た。
比較例6
無機充填剤(C)を窒化ホウ素(3M製:Agglomerates 100、 平均粒径90μm)15.5部、窒化アルミニウム(MARUWA製:M30、平均粒径30μm)25.4部及び 窒化ホウ素(三井化学株式会社製:MBN−010T、平均粒径1μm)8.2部に変更した以外は実施例8と同様の手順で、比較用の樹脂組成物のワニス(15)を得た。
比較例7
無機充填剤(C)を窒化ホウ素(3M製:Agglomerates 100、 平均粒径90μm)30.6部、窒化アルミニウム(MARUWA製:M30、平均粒径30μm)3.0部及び窒化ホウ素(三井化学株式会社製:MBN−010T、平均粒径1μm)8.2部に変更した以外は実施例8と同様の手順で、比較用の樹脂組成物のワニス(16)を得た。
比較例8
無機充填剤(C)を窒化ホウ素(3M製:Agglomerates 100、 平均粒径90μm)32.6部及び 窒化ホウ素(三井化学株式会社製:MBN−010T、平均粒径1μm)8.2部に変更した以外は実施例8と同様の手順で、比較用の樹脂組成物のワニス(17)を得た。
実施例10〜18
実施例1〜9で得られた本発明の樹脂組成物のワニス(1)〜(9)を、それぞれPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、130℃で10分間乾燥させて溶剤を除去した。得られたフィルムをPETフィルムから剥離することにより、本発明の熱伝導性接着フィルム(1)〜(9)を得た。なお、得られたフィルムのPETフィルム側の面をC面、空気側をA面とした。
比較例9〜16
比較例1〜8で得られた比較用の樹脂組成物のワニス(10)〜(17)を、それぞれPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、130℃で10分間乾燥させて溶剤を除去した。得られたフィルムをPETフィルムから剥離することにより、比較用の熱伝導性接着フィルム(10)〜(17)を得た。なお、得られたフィルムのPETフィルム側の面をC面、空気側をA面とした。
実施例10〜18及び比較例9〜16で得られた熱伝導性接着フィルムの接着性、熱伝導率、電気絶縁性を以下のようにして測定した。測定した結果を表1に示した。
(エポキシ樹脂の溶融粘度)
JIS K 7117−2に準拠して、コーンプレート法により150℃で測定した。
測定機械:コーンプレート(ICI)高温粘度計
(RESEARCH EQUIPMENT(LONDON)LTD.製)
コーンNo.:3(測定範囲0〜2.00Pa・s)
試料量:0.155±0.01g
(熱伝導)
実施例10〜18及び比較例9〜16の熱伝導性接着フィルムをそれぞれ3枚重ね、熱板プレス機を用いて180℃、3MPaの条件で60分間加熱圧着して熱伝導性試験用サンプルを得た。得られたサンプルを、レーザーフラッシュ法熱拡散率測定装置(ネッチ製、LFA447)を用いて熱拡散率を測定した。比重はアルキメデス法で測定し、比熱はDSC法で測定し、熱拡散率×比重×比熱で熱伝導率を算出した。結果を表1に示した。
(接着性(銅箔との積層後の剥離強度))
実施例10〜18及び比較例9〜16の熱伝導性接着フィルムをそれぞれ厚み18μmの電解銅箔(CF−T9B−HTE、福田金属箔粉工業製)2枚で粗面を熱伝導性接着フィルム側にして両面をサンドし、熱板プレス機を用いて180℃、3MPaの条件で60分間加熱圧着して接着試験用サンプルを得た。これらのサンプルについて、引張試験機(島津製作所製 AGS−X)を用いて、JIS C6481に準拠して、1cm幅の試験片を、引きはがし速度を50mm/分に設定し、90°(プラスマイナス5°)の方向に引きはがし、C面側とA面側の接着性を測定した。結果を表1に示した。
(接着性(銅板との積層後のせん断強度)) 実施例10〜18及び比較例9〜16の熱伝導性接着フィルムをそれぞれ厚み2mmの銅板2枚を熱伝導性接着フィルム側にして両面をサンドし、熱板プレス機を用いて180℃、6MPaの条件で60分間加熱圧着して接着試験用サンプルを得た。これらのサンプルについて、テンシロン試験機(島津製作所製 AG−X plus)を用い、JIS C6850に準拠して、引きはがし速度を50mm/分に設定して引きはがし、室温および180℃での接着性を測定した。結果を表1に示した。
(電気絶縁性)
実施例10〜18、比較例9〜16の熱伝導性接着フィルムをそれぞれ熱板プレス機を用いて180℃、3MPaの条件で60分間加熱圧着して電気絶縁性試験用サンプルを得た。得られた硬化フィルムを絶縁破壊試験機(安田精機製作所製)を用い、昇圧速度を100V/sec、10mAの電気的条件で測定することにより、電気絶縁性を測定した。結果を表1に示した。
Figure 2016172824

本発明の樹脂組成物を用いて得られたフィルムは、170〜200℃程度の低温で被着体と接着可能である。さらに該フィルムは接着強度が高くかつフィルムの表裏の諸特性の差が少ないため、高温での接着強度も維持できる。加えて高い熱伝導性、良好な電気絶縁性を発現するため、炭化ケイ素系パワーモジュールに好適に使用可能である。


Claims (7)

  1. 下記式(1)
    Figure 2016172824
    (式中、m及びnは平均値であり、0.005<n/(m+n)<0.14、かつ0<m+n<200の関係を満たす正数である。Rは下記式(2)
    Figure 2016172824
    で表される4価の芳香族基を表し、Rは下記式(3)
    Figure 2016172824
    で表される2価の芳香族基を表し、Rは下記式(4)
    Figure 2016172824
    で表される群より選ばれる1種又は2種以上の2価の芳香族基を表す。)
    で表される繰り返し単位を構造中に有するフェノール性水酸基含有芳香族ポリイミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び熱伝導性無機充填剤(C)を含有する樹脂組成物であって、25℃における該樹脂組成物中の該無機充填剤(C)の含有量が45乃至64体積%であり、かつ該無機充填剤(C)が、窒化ホウ素からなる平均粒径(D50)が50乃至100μmの凝集体(c1)、平均粒径(D50)が15乃至45μmの窒化アルミニウム(c2)及び平均粒径(D50)が0.1乃至3μmの窒化ホウ素、窒化アルミニウム並びにアルミナからなる群より選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤(c3)を含有する樹脂組成物。
  2. コーンプレート法により測定したエポキシ樹脂(B)の150℃における溶融粘度が0.04Pa・s以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 熱伝導性無機充填剤(C)中の窒化ホウ素からなる凝集体(c1)の含有量が40乃至65体積%であり、窒化アルミニウム(c2)の含有量が15乃至39体積%であり、かつ窒化ホウ素、窒化アルミニウム及びアルミナからなる群より選ばれる1種又は2種以上の無機充填剤(c3)の含有量が10乃至30体積%である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに一項に記載の樹脂組成物からなる熱伝導性接着フィルム。
  5. 請求項4に記載の熱伝導性接着フィルムと銅箔またはステンレス箔からなる積層物。
  6. 請求項4に記載の熱伝導性接着フィルムと放熱板との積層物。
  7. 請求項4に記載の熱伝導性接着フィルムを構成成分とする電子部品。


JP2015053721A 2015-03-17 2015-03-17 ポリイミド樹脂組成物、及びそれを用いた接着フィルム Active JP6452243B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015053721A JP6452243B2 (ja) 2015-03-17 2015-03-17 ポリイミド樹脂組成物、及びそれを用いた接着フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015053721A JP6452243B2 (ja) 2015-03-17 2015-03-17 ポリイミド樹脂組成物、及びそれを用いた接着フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016172824A true JP2016172824A (ja) 2016-09-29
JP6452243B2 JP6452243B2 (ja) 2019-01-16

Family

ID=57008774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015053721A Active JP6452243B2 (ja) 2015-03-17 2015-03-17 ポリイミド樹脂組成物、及びそれを用いた接着フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6452243B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018162335A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 株式会社豊田中央研究所 熱伝導性複合材料
WO2019181721A1 (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 積水化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、接着剤、接着フィルム、カバーレイフィルム、及び、フレキシブル銅張積層板
JP6692512B1 (ja) * 2018-12-25 2020-05-13 富士高分子工業株式会社 熱伝導組成物及びこれを用いた熱伝導性シート
WO2020137086A1 (ja) * 2018-12-25 2020-07-02 富士高分子工業株式会社 熱伝導組成物及びこれを用いた熱伝導性シート
WO2020184972A1 (ko) * 2019-03-13 2020-09-17 주식회사 엘지화학 폴리이미드 공중합체, 폴리이미드 공중합체의 제조방법, 이를 이용한 감광성 수지 조성물, 감광성 수지 필름 및 광학 장치
JP2021054922A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 富士フイルム株式会社 熱伝導材料形成用組成物、熱伝導材料、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス
WO2022018918A1 (ja) 2020-07-20 2022-01-27 株式会社 東芝 鉄道線路情報取得装置、及び鉄道線路情報取得方法
JP2022121514A (ja) * 2018-01-26 2022-08-19 積水化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物
WO2022220253A1 (ja) * 2021-04-14 2022-10-20 積水化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム
US11802177B2 (en) 2017-01-27 2023-10-31 Sekisui Chemical Co., Ltd. Curable resin composition, adhesive, imide oligomer, imide oligomer composition, and curing agent

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06132433A (ja) * 1992-10-20 1994-05-13 Fujitsu Ltd 半導体装置冷却用放熱フィン用樹脂組成物
WO2009041300A1 (ja) * 2007-09-26 2009-04-02 Mitsubishi Electric Corporation 熱伝導性シート及びパワーモジュール
JP2011124175A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Nippon Kayaku Co Ltd 電池電極形成用バインダー及び電極合材
WO2012046814A1 (ja) * 2010-10-06 2012-04-12 日立化成工業株式会社 多層樹脂シート及びその製造方法、樹脂シート積層体及びその製造方法、多層樹脂シート硬化物、金属箔付き多層樹脂シート、並びに半導体装置
WO2013145961A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 昭和電工株式会社 硬化性放熱組成物
JP2014062255A (ja) * 2013-10-30 2014-04-10 Nippon Kayaku Co Ltd ポリイミド樹脂
JP2014214213A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 東レ株式会社 絶縁接着剤組成物ならびにそれを用いたペースト、未硬化絶縁接着剤シートおよび絶縁シート

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06132433A (ja) * 1992-10-20 1994-05-13 Fujitsu Ltd 半導体装置冷却用放熱フィン用樹脂組成物
WO2009041300A1 (ja) * 2007-09-26 2009-04-02 Mitsubishi Electric Corporation 熱伝導性シート及びパワーモジュール
JP2011124175A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Nippon Kayaku Co Ltd 電池電極形成用バインダー及び電極合材
WO2012046814A1 (ja) * 2010-10-06 2012-04-12 日立化成工業株式会社 多層樹脂シート及びその製造方法、樹脂シート積層体及びその製造方法、多層樹脂シート硬化物、金属箔付き多層樹脂シート、並びに半導体装置
WO2013145961A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 昭和電工株式会社 硬化性放熱組成物
JP2014214213A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 東レ株式会社 絶縁接着剤組成物ならびにそれを用いたペースト、未硬化絶縁接着剤シートおよび絶縁シート
JP2014062255A (ja) * 2013-10-30 2014-04-10 Nippon Kayaku Co Ltd ポリイミド樹脂

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11802177B2 (en) 2017-01-27 2023-10-31 Sekisui Chemical Co., Ltd. Curable resin composition, adhesive, imide oligomer, imide oligomer composition, and curing agent
JP2018162335A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 株式会社豊田中央研究所 熱伝導性複合材料
JP2022121514A (ja) * 2018-01-26 2022-08-19 積水化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物
WO2019181721A1 (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 積水化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、接着剤、接着フィルム、カバーレイフィルム、及び、フレキシブル銅張積層板
JP6692512B1 (ja) * 2018-12-25 2020-05-13 富士高分子工業株式会社 熱伝導組成物及びこれを用いた熱伝導性シート
WO2020137086A1 (ja) * 2018-12-25 2020-07-02 富士高分子工業株式会社 熱伝導組成物及びこれを用いた熱伝導性シート
KR20200125685A (ko) * 2018-12-25 2020-11-04 후지고분시고오교오가부시끼가이샤 열전도성 조성물 및 이것을 사용한 열전도성 시트
CN112041411A (zh) * 2018-12-25 2020-12-04 富士高分子工业株式会社 导热性组合物及使用了其的导热性片材
US11781053B2 (en) 2018-12-25 2023-10-10 Fuji Polymer Industries Co., Ltd. Thermally conductive composition and thermally conductive sheet using the same
KR102509813B1 (ko) 2018-12-25 2023-03-14 후지고분시고오교오가부시끼가이샤 열전도성 조성물 및 이것을 사용한 열전도성 시트
WO2020184972A1 (ko) * 2019-03-13 2020-09-17 주식회사 엘지화학 폴리이미드 공중합체, 폴리이미드 공중합체의 제조방법, 이를 이용한 감광성 수지 조성물, 감광성 수지 필름 및 광학 장치
KR102303748B1 (ko) 2019-03-13 2021-09-16 주식회사 엘지화학 폴리이미드 공중합체, 폴리이미드 공중합체의 제조방법, 이를 이용한 감광성 수지 조성물, 감광성 수지 필름 및 광학 장치
CN112041372B (zh) * 2019-03-13 2023-05-23 株式会社Lg化学 聚酰亚胺共聚物、用于制备聚酰亚胺共聚物的方法、使用其的光敏树脂组合物、光敏树脂膜和光学器件
CN112041372A (zh) * 2019-03-13 2020-12-04 株式会社Lg化学 聚酰亚胺共聚物、用于制备聚酰亚胺共聚物的方法、使用其的光敏树脂组合物、光敏树脂膜和光学器件
KR20200109598A (ko) * 2019-03-13 2020-09-23 주식회사 엘지화학 폴리이미드 공중합체, 폴리이미드 공중합체의 제조방법, 이를 이용한 감광성 수지 조성물, 감광성 수지 필름 및 광학 장치
US12018126B2 (en) 2019-03-13 2024-06-25 Lg Chem, Ltd. Polyimide copolymer, method for preparing the polyimide copolymer, photosensitive resin composition, photosensitive resin film, and optical device using the polyimide copolymer
JP2021054922A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 富士フイルム株式会社 熱伝導材料形成用組成物、熱伝導材料、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス
WO2022018918A1 (ja) 2020-07-20 2022-01-27 株式会社 東芝 鉄道線路情報取得装置、及び鉄道線路情報取得方法
WO2022220253A1 (ja) * 2021-04-14 2022-10-20 積水化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6452243B2 (ja) 2019-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6452243B2 (ja) ポリイミド樹脂組成物、及びそれを用いた接着フィルム
JP5723498B1 (ja) ポリイミド樹脂組成物、及びそれを用いた熱伝導性接着フィルム
JP5738274B2 (ja) 耐熱用接着剤
JP6299607B2 (ja) 接着剤組成物、接着剤シートならびにこれらを用いた硬化物および半導体装置
JP6923108B1 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、樹脂シートおよび金属ベース基板
JP5562574B2 (ja) 熱伝導性接着剤
WO2012073851A1 (ja) 接着剤組成物、接着剤シートおよびこれらを用いた半導体装置
JP6594799B2 (ja) 熱伝導性接着剤組成物、熱伝導性接着剤シートおよび積層体の製造方法
JP2017057340A (ja) ポリイミド樹脂組成物、及びそれを用いた接着フィルム
JP5648617B2 (ja) 熱伝導性接着剤組成物並びにそれを用いた接着用シート及び熱伝導性ダイシング・ダイアタッチフィルム
JP5183076B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP7491422B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP5541613B2 (ja) 熱伝導性接着剤組成物、接着用シートおよび熱伝導性ダイシング・ダイアタッチフィルム
JP2008277768A (ja) 絶縁性熱伝導シート
JP7293623B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2020204029A (ja) フェノキシ樹脂組成物および樹脂材料
JP2013194094A (ja) 樹脂組成物、樹脂フィルム、及び硬化物
JP2024135026A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、熱伝導性シート、金属ベース基板、および電子装置
JP2024141872A (ja) 熱伝導性シート、金属ベース基板、電子装置、および熱硬化性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180705

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6452243

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250