以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
初めに、図1乃至図6を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に於けるインクジェット記録装置10のインク経路を概略的に示す図である。
インクジェット記録装置10は、カートリッジ部11と、画像記録部15と、制御装置17と、報知部18と、インク経路20と、を有して構成されている。尚、図1では、記録媒体を供給する供給部、供給された記録媒体を搬送する搬送機構、画像記録された記録媒体を排出する排出部、画像記録部の記録ヘッドをクリーニングするクリーニング部等の、通常のインクジェット記録装置が備えている構成は、説明の簡単化のため、図示を省略している。
前記カートリッジ部11は、図示されないが、少なくともインクが充填されたインクカートリッジと、該インクカートリッジを着脱可能に保持するカートリッジ保持部材と、を有して構成されている。そして、カートリッジ部11は、カートリッジ保持部材に装着されたインクカートリッジ内のインクを、後述するインク経路20へと供給する。
画像記録部15は、インクを吐出する記録ヘッド(図示せず)を有している。そして、画像記録部15は、図示されない搬送機構によって搬送された記録媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出することで所望の画像を記録する。尚、本実施形態に於ける画像記録部15は、記録ヘッドを移動させながら画像記録を行うシリアルタイプであってもよく、記録ヘッドを記録媒体の幅以上となるように固定して画像記録を行うラインタイプであってもよく、何れのタイプに於いても適用可能である。
制御装置17は、調整手段としての各弁の開閉制御や、画像記録部15からのインク吐出制御を始めとして、このインクジェット記録装置10全体の動作を制御するものである。また、報知部18は、後述する異常検出処理により異常が検出された際に、使用者にその旨を報知するための手段であり、例えば、表示部やスピーカ等により構成される。
インク経路20は、第1のタンク30と、該第1のタンク30とカートリッジ部11とを接続する第1のインク経路21と、第1のタンク30と画像記録部15とを接続する第2のインク経路22と、を有して構成されている。
第1のインク経路21には、調整手段としての弁24が設けられている。この弁24を制御することにより、カートリッジ部11から第1のインク経路21へのインクの供給が制御されている。すなわち、弁24が開放されると、カートリッジ部11のインクは、第1のインク経路21を経由して第1のタンク30へと供給される。一方、弁24が閉じられると、カートリッジ部11のインクは、第1のタンク30に供給されない。
第1のタンク30には、該第1のタンク30内に貯留されたインクのインク量を検出するための液面検出器31と、第1のタンク30内を大気に対して開放、または遮断可能とする大気開放弁26が設けられた大気開放路25と、第1のタンク30内を加圧するための加圧ポンプ27と、が設けられている。
前記液面検出器31は、第1のタンク30内でインクの液面の高さに応じて回動するように支持軸32により軸支されたフロート部材33と、該フロート部材33に取り付けられた磁石34と、磁気センサから成る液面位置センサ36及び37と、により構成される。この液面位置センサ36及び37は、第1のタンク30内の高さの異なる位置に取り付けられているもので、例えば、液面位置センサ36は支持軸32よりも高い位置に、液面位置センサ37は支持軸32よりも低い位置に、それぞれ取り付けられている。
これらの液面位置センサ36、37は、フロート部材33に取り付けられた磁石34の磁力を検出することによって、フロート部材33の位置、すなわち、第1のタンク30内のインクの液面の高さを検出し、制御装置17に検出信号を通知している。これにより、液面検出器31は、第1のタンク30内に貯留されているインク量を検出している。
尚、本実施形態に於いては、液面検出器として、前述したような構成としたが、これに限られるものではなく、第1のタンク30内に貯留されているインク量を検出することができれば、透過型センサ等を用いてもよい。
加圧ポンプ27は、第1のタンク30内のインクを供給するためのものであり、インク経路20内及び画像記録部15の記録ヘッドにインク充填(初期充填)を行う際や、図示されないクリーニング部によって画像記録部(記録ヘッド)のクリーニングを行う際に用いられる。
大気開放弁26は、通常開放されているが、画像記録部15のクリーニングを行うクリーニング時や、初期充填を行う充填時に、閉じられる。このように、大気開放弁26が閉じられることで、第1のタンク30内は密閉状態となる。
そして、クリーニング時は、加圧ポンプ27の駆動により第1のタンク30内が加圧されることで、画像記録部15の記録ヘッドからインクが強制的に排出されると共に、クリーニング部によって記録ヘッドのクリーニングが行われる。クリーニングが完了すると、大気開放弁26は開放される。また、初期充填時は、クリーニング部を画像記録部15と対向する位置に配置し、加圧ポンプ27によって第1のタンク30内が加圧されることで、画像記録部15の記録ヘッドからインクが強制的に排出され、インク経路20内及び画像記録部15の記録ヘッドにインクが充填される。
初期充填が完了すると、大気開放弁26は開放される。
このように構成された第1のタンク30は、画像記録部15より重力方向下方となるように、第2のインク経路22によって接続されている。更に詳細には、第1のタンク30内のインクの液面が、画像記録部15の記録ヘッドのノズル面より、距離Hだけ低くなるように第1のタンク30が配置されている。これによって、大気開放弁26が開放され、第1のタンク30が大気圧状態の時には、記録ヘッドに所定の負圧がかかり、適正なメニスカスが形成される。
尚、この状態を維持するために、液面検出器31が検出した信号に基づいて、弁24の開放、または遮断が制御される。本実施形態に於いては、インク液面が、液面位置センサ36、37の間となるように制御されている。この時、液面位置センサ36、37の間でインク液面の位置が変わるが、液面位置センサ36、37は、画像記録時に記録ヘッドに影響を及ぼさない圧力範囲内となるように、それぞれ配置されている。
次に、このように構成されたインクジェット記録装置10の動作について、図2乃至図6のフローチャートを参照して説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に於けるインクジェット記録装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
尚、以下に述べるフローチャートの処理動作は、制御装置17の指令により実行される。
本シーケンスが開始されると、先ず、ステップS1に於いて、インクジェット記録装置10に対して印刷命令が通知されて、異常検出処理が実行される。この異常検出処理は、詳細を後述するが、インク経路20内に異常がないか否かを判断するものである。次に、ステップS2に於いて、通知された印刷命令に従って、記録処理が実行される。
図3は、図2のフローチャートのステップS2に於ける記録処理の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
先ず、ステップS11にて、インクジェット記録装置10内の図示されない供給部、搬送機構、排出部のそれぞれが駆動されると共に、画像記録部15によって、搬送される記録媒体に対して画像記録が開始される。この時、第1のタンク30は、大気開放弁26が開放されていることにより大気圧状態となっている。これにより、画像記録部15の記録ヘッドには、所定の負圧が掛かっている。
次に、画像記録が開始されると、第1のタンク30内のインク量が減少していくため、ステップS12に於いて、液面位置センサ37の状態が判断される。すなわち、液面位置センサ37がオフ(OFF)か否かが判断される。尚、以下に述べる説明に於いて、インクの液面が液面位置センサの位置まで達している状態を液面位置センサがオン(ON)の状態とし、インクの液面が液面位置センサの位置まで達していない状態を液面位置センサがオフ(OFF)の状態とする。
ステップS12に於いて、液面位置センサ37がオフ状態の場合は、ステップS13に移行し、液面位置センサ37がオフ状態でない場合、すなわち液面位置センサ37がオン状態の場合は、後述するステップS16に移行する。
ステップS13では、第1のタンク30内のインク量を所定量に維持するために、弁24が開放される。これにより、第1のタンク30には、カートリッジ部11からインクが供給され、該第1のタンク30内のインク量が増加する。そして、ステップS14に於いて、液面位置センサ36がオンになるまでインクが供給される。ここで、液面位置センサ36がオンになると、ステップS15に移行して、弁24が閉じられる。
次いで、ステップS16に於いて、印刷命令が全て終了したか否かが判断される。ここで、全て終了した場合は、記録処理が終了して、図2のフローチャートのステップS3に移行する。一方、まだ記録処理が終了していない場合は、前記ステップS12に移行して、移行の処理が繰り返される。
このように、記録処理中では、第1のタンク30内のインクの液面は、常に、液面位置センサ36と37との間に維持するように制御されている。
図2のフローチャートに戻り、ステップS2が終了すると、続くステップS3に於いて、待機処理が実行される。
図4は、図2のフローチャートのステップS3に於ける待機処理の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
先ず、ステップS21に於いて、液面位置センサ37がオフ状態か否かが判断される。ここで、オフの場合はステップS22に移行し、オフでない、すなわちオンの場合は、待機処理が終了する。
ステップS22では、弁24が開放される。これにより、第1のタンク30には、カートリッジ部11からインクが供給され、該第1のタンク30内のインク量が増加する。次いで、ステップS23に於いて、液面位置センサ37がオンになるまでインクが供給される。ここで、液面位置センサ37がオンになると、ステップS24に移行して、弁24が閉じられる。そして、待機処理が終了して、図2のフローチャートが終了する。
このように、待機処理では、第1のタンク30内に貯留されているインクを、ある所定の状態に維持させてから終了する。本実施形態は、第1のタンク30内のインク液面を、液面位置センサ36がオフ、液面位置センサ37がオンとなる状態で待機処理を終了させている。そして、次の印刷命令が通知されるまで、大気開放弁26が開放された状態で待機するようにしている。
そして、次の印刷命令が通知された際、前述したように、図2のフローチャートのステップS1〜S3が実行される。ここで、ステップS1の異常検出処理の詳細な動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
図5は、図2のフローチャートのステップS1に於ける異常検出処理の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
本来であれば、前述した待機処理で、第1のタンク30内のインクを液面位置センサ36と37の間の位置にした状態(液面位置センサ36がオフ、液面位置センサ37がオン)で終了しているため、この状態を維持しているはずである。しかしながら、仮にインク経路20に異常が生じている場合は、第1のタンク30内のインク量が変化している。そのため、異常検出処理では、第1のタンク30内の状態を検出することで、インク経路20に異常が生じているか否かの判断が行われている。
先ず、ステップS31に於いて、液面位置センサ36がオフであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ36がオフの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS32へと移行する。これに対して、液面位置センサ36がオンの場合、インク経路20の一部からインクが漏洩していることになる。例えば、弁24の故障により完全に遮断することができず、カートリッジ部11から少しずつ第1のタンク30にインクが供給される場合等にこの現象が起こる。これは、待機処理終了時の状態が維持されていないため、ステップS33へと移行して、これ以上のインクが第1のタンク30に供給されないようにするため、大気開放弁26が閉じられる。そして、大気開放弁26が閉じられると、ステップS34へと移行する。
ステップS32では、液面位置センサ37がオンであるか否かが判断される。このステップS32に於いて、液面位置センサ37がオンの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、インク経路20に異常がないと判断され、異常検出処理が終了する。すなわち、本サブルーチンを抜けて、図2のフローチャートのステップS2へ移行する。
これに対して、液面位置センサ37がオフの場合は、インク経路20の一部からインクが漏洩していることになる。例えば、第1のタンク30内から少しずつインクが漏れ出したような場合等に、この現象が起こる。これは、待機処理終了時の状態が維持されていないため、ステップS34へと移行する。
ステップS34では、報知部18によって使用者に対して異常であることが通知される。このようにすることで、インク経路20の異常の種類にもよるが、待機処理終了後から長時間経過することで、第1のタンク30内のインク量が増加されるような異常に於いては、第1のタンク30からインクが溢れ出す前に、インク経路20の異常を検出することができる。
尚、本第1の実施形態に於いては、第1のタンク30の下方には、該第1のタンク30からインクが溢れ出した際のことを考慮して、図示されないがインク吸収体が設けられている。
また、前述した第1の実施形態の異常検出処理では、液面位置センサ36の状態判断、液面位置センサ37の状態判断の順に行われたが、液面位置センサ37の状態判断が先に行われた後に液面位置センサ36の状態判断が行われるようにしてもよい。
このように、本第1の実施形態によれば、記録処理終了後の待機処理によって、第1のタンク30内のインクが所定の状態に維持されてから待機し、次の画像記録時に、この状態が維持されているかが判断されることによって、インク経路20の異常を検出することができる。
また、その際、既存の液面検出器を利用して、インク経路20の異常を検出することができるため、コスト面に於いても有利である。
尚、異常検出処理に関しては、インクジェット記録装置10の電源が入っている際、上位装置から印刷命令の有無に係わらず定期的に行っていてもよい。
(変形例)
次に、本発明の第1の実施形態の変形例について説明する。
前述した第1の実施形態では、単純にインク漏れによる異常を通知しているが、異常が生じている箇所を判断することもできる。
図6は、本発明の第1の実施形態の変形例に於ける図2のフローチャートのステップS3に於ける異常検出処理の動作を説明するためのフローチャートである。
尚、本変形例に於いて、異常検出処理以外の動作については、図1乃至図5に示される前述した第1の実施形態と同じであるので、同一部分については説明を省略する。
また、図6のフローチャートに於いて、ステップS41〜S43の処理動作は、前述した図5のフローチャートに於けるステップS31〜S33と同じであるので、対応するステップ番号を参照するものとして、ここでは説明を省略する。
ステップS43で大気開放弁26が閉じられると、ステップS44に移行して、使用者に対して異常報知1であることが通知される。この場合、液面位置センサ36がオン状態であるので、例えば、弁24の故障により、インクを完全に遮断することができず、カートリッジ部11から少しずつ第1のタンク30にインクが供給される場合等が考えられる。
一方、ステップS42に於いて、液面位置センサ37がオフの場合は、ステップS45へと移行し、使用者に対して異常報知2であることが通知される。この場合、液面位置センサ37がオフ状態であるので、例えば、第1のタンク30内から少しずつインクが漏れ出したような場合が考えられる。
このように、本第1の実施形態の変形例によれば、例えば、第1のタンク30に異常が生じているのか、第1のタンク30と接続されている第1のインク経路21及び第2のインク経路22の少なくとも一方に異常が生じているのか、異常個所の判断を行うこともできる。すなわち、異常報知1では、第1のタンク30と接続されている第1のインク経路21及び第2のインク経路22の少なくとも一方に異常が生じていることを通知し、異常放置2では、第1のタンク30に異常が生じていることを通知する。
なお、異常報知1、異常報知2については、報知部18により報知されるものであり、例えば、告知音、表示等、異なった報知形態にて、両者を区別することができるようにすればよい。また、本第1の実施形態の変形例に於いても、液面位置センサ36の状態判断、液面位置センサ37の状態判断の順に行われたが、液面位置センサ37の状態判断が先に行われた後に液面位置センサ36の状態判断が行われるようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、図7乃至図11を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態に於けるインクジェット記録装置10aのインク経路を概略的に示す図である。
本第2の実施形態と前述した第1の実施形態と異なるのは、第2のタンク40を設けた点、インク経路20aが第1のインク経路21、第1のタンク30、第2のインク経路22、第2のタンク40、第3のインク経路23で構成されている点である。
インクジェット記録装置10aのその他の構成及び動作については、図1乃至図5に示される前述した第1の実施形態と同じであるので、説明の重複を避けるため、同一の部分には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
インクジェット記録装置10aは、カートリッジ部11と、画像記録部15と、制御装置17と、報知部18と、インク経路20aと、を有して構成されている。そして、前述したように、インク経路20aは、第1のインク経路21と、第1のタンク30と、第2のインク経路22と、第2のタンク40と、第3のインク経路23とで構成されている。
第2のタンク40には、大気開放弁46が設けられた大気開放路45と、液面位置検出器41が設けられている。この第2のタンク40は、画像記録部15より重力方向上方に配置されている。詳細には、画像記録部15の図示されない記録ヘッドのノズル面より、第2のタンク40のインク液面が、重力方向上方となるように配置されている。
大気開放弁46は、インクの初期充填時に開放され、それ以外のときは閉じられている。初期充填時では、大気開放弁46が開放、第1のタンク30の大気開放弁26が閉じられた状態で、加圧ポンプ27によって、第1のタンク30内が加圧される。これにより、第1のタンク30から第2のタンク40にインクが供給される。
第2のタンク40内のインク量に対して、液面位置検出器41の磁気センサ43がオンされた時点で、大気開放弁46が閉じられる。そして、所定時間、第1のタンク30が加圧された後、大気開放弁26が開放される。
ここで、第2のタンク40内のインクは、大気開放弁46が閉じられているため、異常が生じない限り、初期充填で充填されたインク量に変動は生じない。つまり、図7に示された状態が、画像記録中、待機中に於いて常に維持されている。
また、第2のタンク40を設けることで、例えば、画像記録部15が複数の記録ヘッドによってラインヘッドを構成した場合、各々の記録ヘッドを第1のタンク30と接続させる必要がなく、各記録ヘッドの直近に配置された第2のタンク40から分配することができる。これにより、チューブ等の接続が容易になる。
次に、図8乃至図11のフローチャートを参照して、本発明の第2の実施形態に於けるインクジェット記録装置10aの動作について説明する。
尚、以下に述べるフローチャートの処理動作は、制御装置17の指令により実行される。
図8は、本発明の第2の実施形態に於けるインクジェット記録装置10aの動作を説明するためのフローチャートである。
本シーケンスが開始されると、先ず、ステップS51にて、異常検出処理が実行され、続いてステップS52にて、記録処理が実行される。更に、ステップS53では、待機処理が実行される。
このうち、図9に示される記録処理のフローチャート、図10に示される待機処理のフローチャートについては、それぞれ前述した図3のフローチャート及び図4のフローチャートと動作は同じであるので、ここでは説明を省略する。
次に、図11のフローチャートを参照して、異常検出処理の詳細な動作について説明する。
図11は、図8のフローチャートのステップS51に於ける異常検出処理の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
先ず、ステップS81に於いて、第1のタンク30内の液面位置センサ36がオフであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ36がオフの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS82へと移行する。これに対して、液面位置センサ36がオンの場合は、ステップS84に移行して、使用者に対して異常であることが通知される。
ステップS82に於いては、同じく第1のタンク30内の液面位置センサ37がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ36がオンの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS83へと移行する。これに対して、液面位置センサ37がオフの場合は、ステップS84に移行して、使用者に対して異常であることが通知される。
更に、ステップS83では、第2のタンク40内の液面位置センサ43がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ43がオンの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、インク経路20aに異常がないと判断され、異常検出処理が終了する。すなわち、図8のフローチャートのステップS52へ移行する。
一方、液面位置センサ43がオフの場合は、インク経路20aの一部からインクが漏洩していることになる。これは、待機処理終了時の状態が維持されていないため、ステップS84へと移行し、使用者に対して異常であることが通知される。
このように、第2の実施形態によれば、記録処理終了後の待機処理によって、第1のタンク30及び第2のタンク40内のインクが所定の状態に維持されてから待機し、次の画像記録時に、この状態が維持されているかが判断されることによって、インク経路20aの異常を検出することができる。
(第1の変形例)
前述した第2の実施形態では、タンク内の液面位置センサ36、37、43によって異常であることが検出されると、使用者に対して、単純に異常であることを通知するようにしている。
これに対し、本第2の実施形態の第1の変形例では、異常報知に際し、大気開放弁26が閉じられるようにしている。
図12は、本発明の第2の実施形態の第1の変形例であって、図8のフローチャートのステップS51に於ける異常検出処理の動作を説明するためのフローチャートである。
尚、本第1の変形例に於いて、異常検出処理以外の動作については、図7乃至図11に示される前述した第2の実施形態と同じであるので、同一の部分については説明を省略する。
先ず、ステップS91に於いて、第1のタンク30内の液面位置センサ36がオフであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ36がオフの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS92へと移行する。これに対して、液面位置センサ36がオンの場合は、ステップS94に移行して大気開放弁26が閉じられる。その後、ステップS96に移行して使用者に対して異常であることが通知される。
また、ステップS92に於いて、第1のタンク30内の液面位置センサ37がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ37がオンの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS93へと移行する。これに対して、液面位置センサ37がオフの場合は、ステップS96に移行して、使用者に対して異常であることが通知される。
更に、ステップS93では、第2のタンク40内の液面位置センサ43がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ43がオンの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、インク経路20aに異常がないと判断され、異常検出処理が終了する。すなわち、図8のフローチャートのステップS52へ移行する。
一方、ステップS93にて液面位置センサ43がオフの場合は、インク経路20aの一部からインクが漏洩していることになる。これは、待機処理終了時の状態が維持されていないため、ステップS95に移行して、大気開放弁26が閉じられる。その後、ステップS96へと移行し、使用者に対して異常であることが通知される。
このように、第2の実施形態の第1の変形例では、第1のタンク30以外の部分からインクが漏洩していると考えられる場合は、大気開放弁26が閉じられてから異常を報知するようにしている。
(第2の変形例)
前述した第2の実施形態及びその第1の変形例では、異常が検知されると、その旨が単純に使用者に報知されるだけであった。この第2の変形例では、異常が検知されると、その異常箇所を特定することができるようにしている。
図13は、本発明の第2の実施形態の第2の変形例に於いて図8のフローチャートのステップS51に於ける異常検出処理の動作を説明するためのフローチャートである。
尚、本第2の変形例に於いて、異常検出処理以外の動作については、図7乃至図11に示される前述した第2の実施形態と同じであるので、同一の部分については説明を省略する。
先ず、ステップS101に於いて、第1のタンク30内の液面位置センサ36がオフであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ36がオフの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS102へと移行する。これに対して、液面位置センサ36がオンの場合は、ステップS104に移行して大気開放弁26が閉じられる。その後、ステップS105に於いて、第2のタンク内の液面位置センサ43がオンであるか否かが判断される。
ここで、液面位置センサ43がオンであれば、待機処理が維持されているので、第1のインク経路21で異常が発生していることになる。そのため、この場合はステップS107に移行して、使用者に対して異常報知1であることが通知される。一方、前記ステップS105にて液面位置センサ43がオフであれば、第2のインク経路22、第3のインク経路23、及び第2のタンク40の何れかで異常が発生していることとなる。そのため、ステップS108に移行して、使用者に対して異常報知2であることが通知される。
前記ステップS101にて液面位置センサ36がオフである場合は、続くステップS102に於いて、液面位置センサ37がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ37がオフである場合は、第1のタンク30からインクが漏洩していることが考えられる。したがって、ステップS109に移行して、使用者に対して異常報知3であることが通知される。一方、前記ステップS102にて液面位置センサ37がオンであれば、ステップS103に移行する。
ステップS103では、第2のタンク40内の液面位置センサ43がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ43がオフである場合は、ステップS106に移行して大気開放弁26が閉じられる。この場合、第2のインク経路22、第3のインク経路23、及び第2のタンク40の何れかで異常が発生していることとなる。そのため、ステップS108に移行して、使用者に対して異常報知2であることが通知される。これに対し、ステップS103にて、液面位置センサ43がオンであれば、待機処理終了時の状態が維持されているため、インク経路20aに異常がないと判断され、異常検出処理が終了する。すなわち、本サブルーチンを抜けて、図8のフローチャートのステップS52へ移行する。
このように、第2の実施形態の第2の変形例では、液面位置センサの状態に応じて、異常が発生している箇所を特定して異常を報知するようにしている。したがって、インクジェット記録装置10a内の異常箇所を特定することができる。
尚、これらの異常報知1、異常報知2、異常報知3については報知部18により報知されるものであり、例えば、告知音、表示等、異なった報知形態にて区別することができるようにすればよい。また、第1、第2の変形例を含む第2の実施形態に於いても、液面位置センサ36の状態判断、液面位置センサ37の状態判断、液面位置センサ43の状態判断の順に行われたが、これらの順番に限られるものではない。
(第3の実施形態)
次に、図14乃至図18を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
前述した第1及び第2の実施形態のインクジェット記録装置は非循環系であったが、本第3の実施形態では、循環系のインクジェット記録装置を構成している。
図14は、本発明の第3の実施形態に於けるインクジェット記録装置10bのインク経路を概略的に示す図である。
インクジェット記録装置10bは、カートリッジ部11と、画像記録部15と、インク経路50と、装置全体を制御する制御装置17と、異常が検出された際に使用者にその旨を報知するための報知部18と、を有して構成されている。尚、図14では、記録媒体を供給する供給部、供給された記録媒体を搬送する搬送機構、画像記録された記録媒体を排出する排出部、画像記録部のインクヘッドをクリーニングするクリーニング部等の通常のインクジェット記録装置が備えている構成は、説明の簡単化のため、図示を省略している。
インク経路50は、第1のタンク70と、第2のタンク80と、第1のタンク70とカートリッジ部11とを接続する第1のインク経路51と、第1のタンク70と第2のタンクとを接続する第2のインク経路52と、該第2のタンク80と画像記録部15とを接続する第3のインク経路53と、画像記録部15と第1のタンク70とを接続する第4のインク経路54と、を有して構成されている。
第1のインク経路51には、調整手段としての弁61が設けられている。この弁61を制御することにより、カートリッジ部11から第1のインク経路51へのインクの供給が制御されている。すなわち、弁61が開放されると、カートリッジ部11のインクは、第1のインク経路51を経由して第1のタンク70へと供給される。一方、弁61が閉じられると、カートリッジ部11のインクは、第1のタンク70に供給されない。
第1のタンク70には、該第1のタンク70内に貯留されたインクのインク量を検出するための液面検出器71と、第1のタンク70内を大気に対して開放、または遮断可能とする大気開放弁62が設けられた大気開放路56と、不図示の圧力調整部と、が設けられている。この第1のタンク70は、画像記録部15より重力方向下方に配置されている。詳細には、画像記録部15の図示されない記録ヘッドのノズル面より、第1のタンク70のインク液面が、重力方向下方(距離H2)となるように配置されている。
前記液面検出器71は、第1のタンク70内でインクの液面の高さに応じて回動するように支持軸72により軸支されたフロート部材73と、該フロート部材73に取り付けられた磁石74と、磁気センサから成る液面位置センサ76及び77と、により構成される。この液面位置センサ76及び77は、第1のタンク70内の高さの異なる位置に取り付けられているもので、例えば、液面位置センサ76は支持軸72よりも高い位置に、液面位置センサ77は支持軸72よりも低い位置に、それぞれ取り付けられている。
これらの液面位置センサ76、77は、フロート部材73に取り付けられた磁石74の磁力を検出することによって、フロート部材73の位置、すなわち、第1のタンク70内のインクの液面の高さが検出される。これにより、液面検出器71は、第1のタンク70内に貯留されているインク量を検出している。
第2のインク経路52には、循環ポンプ65が設けられている。この循環ポンプ65は、第1のタンク70内のインクを第2のタンク80へと送液する。
第2のタンク80には、大気開放弁63が設けられた大気開放路57と、液面位置検出器81が設けられている。この第2のタンク80は、画像記録部15より重力方向上方に配置されている。詳細には、画像記録部15の図示されない記録ヘッドのノズル面より、第2のタンク80のインク液面が、重力方向上方(距離H1)となるように配置されている。
前記液面検出器80は、第2のタンク80内でインクの液面の高さに応じて回動するように支持軸82により軸支されたフロート部材83と、該フロート部材83に取り付けられた磁石84と、磁気センサから成る液面位置センサ85と、により構成される。液面位置センサ85は、フロート部材83に取り付けられた磁石84の磁力を検出することによって、フロート部材83の位置、すなわち、第2のタンク80内のインクの液面の高さが検出される。これにより、液面検出器81は、第2のタンク80内に貯留されているインク量を検出している。尚、本実施形態に於いては、液面検出器71,81として、前述したような構成としたが、これに限られるものではなく、タンク内に貯留されているインク量を検出することができれば、透過型センサ等を用いてもよい。
ここで、本実施形態では、インク経路50においてインクを循環させながら画像記録を行うが、画像記録時は、大気開放弁63を開放し、且つ大気開放弁62を閉じると共に不図示の圧力調整部によって第1のタンク70内を所定の負圧にする。これにより、画像記録時、画像記録部15の記録ヘッドに所定の負圧を与え、適正なメニスカスが形成することができる。また、非画像記録時は、大気開放弁63を閉じ、且つ大気開放弁62を開放する。これにより、第1のタンク70が画像記録部(記録ヘッド)に対して重力方向下方(距離H2)に配置されているため、記録ヘッドからインクが垂れ落ちることはない。
次に、図15乃至図18のフローチャートを参照して、本発明の第3の実施形態に於けるインクジェット記録装置10bの動作について説明する。尚、以下に述べるフローチャートの処理動作は、制御装置17の指令により実行される。
図15は、本発明の第3の実施形態に於けるインクジェット記録装置10bの動作を説明するためのフローチャートである。
本シーケンスが開始されると、先ず、ステップS111にて、異常検出処理が実行され、続いてステップS112にて、記録処理が実行される。更に、ステップS113では、待機処理が実行される。
図16は、図15のフローチャートのステップS112に於ける記録処理の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。先ず、ステップS121にて、インクジェット記録装置10b内の図示されない供給部、搬送機構、排出部のそれぞれが駆動されると共に、画像記録部15によって、搬送される記録媒体に対して画像記録が開始される。この時、第1のタンク70の大気開放弁62は閉じられ、第2のタンク80の大気開放弁63は開放されている。
次に、画像記録が開始されると、インク経路50内のインク量が減少していくため、ステップS122に於いて、液面位置センサ85及び液面位置センサ77の状態が判断される。すなわち、液面位置センサ85がオフ、且つ液面位置センサ77がオフ、かが判断される。
ステップS122に於いて、液面位置センサ85がオフ状態で、且つ液面位置センサ77がオフ状態の場合(YESの場合)は、第1のタンク70及び第2のタンク80共、インクが減少している状態である。したがって、ステップS123に移行して、インク量を所定量に維持するために弁61が開放され、第1のインク経路51を介して、カートリッジ部11より第1のタンク70にインクが供給される。
一方、前記ステップS122に於いて、液面位置センサ85がオフ状態で、且つ液面位置センサ77がオフ状態の場合以外の場合(NOの場合)、第1のタンク70及び第2のタンク80共、インクの充填の必要が無いため、ステップS124に移行して弁61が閉じられる。
次に、ステップS125に於いて、液面位置センサ85がオフ状態で、且つ液面位置センサ77がオン状態か、が判断される。ここでは、第1のタンク70にはインクが満たされているが、第2のタンク80にインクの充填の必要があるか否かが判断される。ステップS125に於いて、YESの場合は、循環ポンプ65が駆動されて、第1のタンク70より第2のタンク80に、第2のインク経路を介してインクが供給される。一方、ステップS125にてNOの場合は、ステップS127へ移行して、循環ポンプ65の駆動が停止される。
その後、ステップS128に於いて、印刷命令が全て終了したか否かが判断される。ここで、全て終了した場合は、記録処理が終了して、図15のフローチャートのステップS113に移行する。一方、まだ記録処理が終了していない場合は、前記ステップS122に移行して、移行の処理が繰り返される。
このように、記録処理中では、第1のタンク70内のインクの液面は、常に、液面位置センサ76と77との間に維持し、第2のタンク80那智のインクの液面は、常に液面位置センサ85の位置を維持するように制御されている。
図15のフローチャートに戻り、ステップS112が終了すると、続くステップS113に於いて、待機処理が実行される。
図17は、図15のフローチャートのステップS113に於ける待機処理の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
先ず、ステップS131に於いて、液面位置センサ85がオフ状態か否かが判断される。ここで、オフの場合はステップS132に移行し、オフでない、すなわちオンの場合は、後述するステップS134に移行する。
ステップS132では、循環ポンプ65が駆動される。これにより、第2のタンク80には、第1のタンク70から第2のインク経路52を介してインクが供給され、該第2のタンク80内のインク量が増加する。次いで、ステップS133に於いて、液面位置センサ85がオンになるまでインクが供給される。ここで、液面位置センサ85がオンになったならば、ステップS134に移行して、循環ポンプ65の駆動が停止され、第1のタンク70から第2のタンク80へのインクの供給が停止される。
次に、ステップS135では、第2のタンク80の大気開放弁63が閉じられ、第1のタンク70の大気開放弁62が開放される。これにより、第2のタンク80から第1のタンク70にインクが流れ落ちることがなくなる。そして、ステップS136に於いて、第1のタンク70内の液面位置センサ77がオフ状態であるか否かが判断される。
ここで、オフの場合はステップS137に移行し、オフでない、すなわちオンの場合は、待機処理が終了する。
ステップS137では、第1のインク経路の弁61が開放される。これにより、カートリッジ部11より第1のインク経路51を介して第1のタンク70に、インクが供給され、該第1のタンク70内のインク量が増加する。次いで、ステップS138に於いて、液面位置センサ77がオンになるまでインクが供給される。ここで、液面位置センサ85がオンになったならば、ステップS139に移行して弁61が閉じられ、カートリッジ部11からのインクの供給が停止される。
その後、待機処理が終了して、図2のフローチャートが終了する。
このように、待機処理では、第1のタンク70、第2のタンク80内に貯留されているインクを、ある所定の状態に維持させてから終了する。
そして、次の印刷命令が通知された際、前述したように、図15のフローチャートのステップS111〜S113が実行される。ここで、ステップS111の異常検出処理の詳細な動作について、図18のフローチャートを参照して説明する。
図18は、図15のフローチャートのステップS111に於ける異常検出処理の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
先ず、ステップS141に於いて、第1のタンク70内の液面位置センサ76がオフであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ76がオフの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS142へと移行する。これに対して、液面位置センサ76がオンの場合は、ステップS144に移行して、使用者に対して異常であることが通知される。
ステップS142に於いては、同じく第1のタンク70内の液面位置センサ77がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ77がオンの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS143へと移行する。これに対して、液面位置センサ77がオフの場合は、ステップS144に移行して、使用者に対して異常であることが通知される。
更に、ステップS143に於いて、第2のタンク80内の液面位置センサ85がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ85がオンの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、インク経路50に異常がないと判断され、異常検出処理が終了する。すなわち、図15のフローチャートのステップS112へ移行する。
一方、液面位置センサ85がオフの場合は、待機処理終了時の状態が維持されていないため、ステップS144へと移行し、使用者に対して異常であることが通知される。
このように、第3の実施形態によれば、記録処理終了後の待機処理によって、第1のタンク70及び第2のタンク80内のインクが所定の状態に維持されてから待機し、次の画像記録時に、この状態が維持されているかが判断されることによって、インク経路50の異常を検出することができる。
(第1の変形例)
前述した第3の実施形態では、第1のタンク70内の液面位置センサ76、77及び第2のタンク80内の液面位置センサ85によって異常であることが検出されると、使用者に対して、単純に異常であることを通知するようにしている。
これに対し、本第3の実施形態の第1の変形例では、異常報知に際し、大気開放弁63が閉じられるようにしている。
図19は、本発明の第3の実施形態の第1の変形例であって、図15のフローチャートのステップS111に於ける異常検出処理の動作を説明するためのフローチャートである。
尚、本第1の変形例に於いて、異常検出処理以外の動作については、図14乃至図18に示される前述した第3の実施形態と同じであるので、同一の部分については説明を省略する。
先ず、ステップS151に於いて、第1のタンク70内の液面位置センサ76がオフであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ76がオフの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS153へと移行する。これに対して、液面位置センサ76がオンの場合は、ステップS152に移行して大気開放弁62が閉じられる。その後、ステップS156に移行して使用者に対して異常であることが通知される。
また、ステップS153に於いて、第1のタンク70内の液面位置センサ77がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ77がオンの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS154へと移行する。これに対して、液面位置センサ77がオフの場合は、ステップS156に移行して使用者に対して異常であることが通知される。
更に、ステップS154では、第2のタンク80内の液面位置センサ85がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ85がオンの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、インク経路50に異常がないと判断され、異常検出処理が終了する。すなわち、図15のフローチャートのステップS112へ移行する。
一方、ステップS154にて液面位置センサ85がオフの場合は、ステップS155に移行して大気開放弁62が閉じられる。その後、ステップS156に移行して使用者に対して異常であることが通知される。このように、第3の実施形態の第1の変形例では、第1のタンク70以外の部分からインクが漏洩していると考えられる場合は、大気開放弁62を閉じてから異常を報知するようにしている。
(第2の変形例)
前述した第3の実施形態及びその第1の変形例では、異常が検知されると、その旨が単純に使用者に報知されるだけであった。この第2の変形例では、異常が検知されると、その異常箇所を特定することができるようにしている。
図20は、本発明の第3の実施形態の第2の変形例に於いて図15のフローチャートのステップS111に於ける異常検出処理の動作を説明するためのフローチャートである。
尚、本第2の変形例に於いて、異常検出処理以外の動作については、図14乃至図18に示される前述した第3の実施形態と同じであるので、同一の部分については説明を省略する。
先ず、ステップS161に於いて、第1のタンク70内の液面位置センサ76がオフであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ76がオフの場合は、待機処理終了時の状態が維持されているため、ステップS162へと移行する。これに対して、液面位置センサ76がオンの場合は、第2のタンク80や第1乃至第4のインク経路51〜54から第1のタンク70内にインクが漏洩していることが考えられる。この場合、ステップS161からステップS164に移行して、大気開放弁62が閉じられる。その後、ステップS165に於いて、第2のタンク内の液面位置センサ85の状態が判断される。
ここで、液面位置センサ85がオンであれば、待機処理が維持されているので、第1のインク経路21で異常が発生していることになる。そのため、この場合はステップS167に移行して、使用者に対して異常報知1であることが通知される。一方、前記ステップS165にて液面位置センサ85がオフであれば、第2のインク経路52、第3のインク経路53、第4のインク経路54、及び第2のタンク80の何れかで異常が発生していることとなる。そのため、ステップS168に移行して、使用者に対して異常報知2であることが通知される。
前記ステップS161にて液面位置センサ76がオフである場合は、続くステップS162に於いて、液面位置センサ77がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ77がオフである場合は、第1のタンク70からインクが漏洩していることが考えられる。したがって、ステップS169に移行して、使用者に対して異常報知3であることが通知される。一方、前記ステップS162にて液面位置センサ77がオンであれば、ステップS163に移行する。
ステップS163では、第2のタンク80内の液面位置センサ85がオンであるか否かが判断される。ここで、液面位置センサ85がオフである場合は、ステップS166に移行して大気開放弁62が閉じられる。この場合、第2のインク経路52、第3のインク経路53、第4のインク経路54、及び第2のタンク80の何れかで異常が発生していることとなる。そのため、ステップS168に移行して、使用者に対して異常報知2であることが通知される。
これに対し、ステップS163にて、液面位置センサ85がオンであれば、待機処理終了時の状態が維持されているため、インク経路50に異常がないと判断され、異常検出処理が終了する。すなわち、図15のフローチャートのステップS112へ移行する。
このように、第3の実施形態の第2の変形例では、液面位置センサの状態に応じて、異常が発生している箇所を特定して異常を報知するようにしている。したがって、インクジェット記録装置10b内の異常箇所を特定することができる。
尚、これらの異常報知1、異常報知2、異常報知3については報知部18により報知されるものであり、例えば、告知音、表示等、異なった報知形態にて区別することができるようにすればよい。
また、第1、第2の変形例を含む第3の実施形態の異常検出処理に於いても、液面位置センサ76の状態判断、液面位置センサ77の状態判断、液面位置センサ85の状態判断の順に行われたが、これらの順番に限られるものではない。
尚、前述した第1乃至第3の実施形態に於いては、代表的に1色のインクに関わるインク経路の構成を示したが、これに限られるものではなく、複数色のインクを有するインクジェット記録装置にも適用可能なことはいうまでもない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。