JP5547431B2 - 電動ブレーキ制御装置及び電動ブレーキ制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、前記のような点に着目してなされたもので、運転者の意図しないペダル操作による予期しない振動や音の発生を低減可能な電動ブレーキ制御の技術を目的とする。
このため、運転者の意図しないペダル操作が発生してブレーキペダルの操作量が変化しても、踏力が小さい場合には、実際に制動力を発生させる必要がないので、電動アクチュエータの駆動を抑制する。この結果、運転者の意図しないペダル操作があっても電動アクチュエータの駆動することで、運転者の予期しない電動アクチュエータの駆動に伴う振動や音の発生を低減可能となる。
図1は、本実施形態の電動ブレーキ制御装置を構成する電動倍力装置を説明する断面図である。また図2は、その機能を模式的に記載した模式図である。
(構成)
まず構成について説明する。
なお、本実施形態では、マスタシリンダの構造としてタンデムマスタシリンダを例に説明する。マスタシリンダの構造は、タンデムマスタシリンダである必要はない。
前記マスタシリンダ40は、有底のシリンダ本体41と、リザーバ42とを備える。なお、上述のように、ピストン構造体10は、マスタシリンダ40のプライマリピストンを構成する。また、シリンダ本体41内にセカンダリピストン45を摺動可能に配置する。つまり、シリンダ本体41内は、ピストン構造体10とセカンダリピストン45とによって、2つの圧力室43,44に画成される。そして、前記ピストン構造体10及びセカンダリピストン45の前進に応じて各圧力室43,44内のブレーキ液が、つまりマスタシリンダのブレーキ液圧を対応する系統のホイールシリンダへ圧送される。
ピストン構造体10は、主ピストン11と、円筒状のブースタピストン12とを備える。ブースタピストン12は、主ピストン11の外径側且つ同軸に位置し、また、主ピストン11とブースタピストン12とは、少なくとも軸方向に相対移動可能となっている。
主ピストン11は、後端部をブレーキペダル50に連結する。すなわち、主ピストン11の後端に設けた大径部11aに、ペダル側軸51を介してブレーキペダル50が連結する。そして、ブレーキペダル50の操作(ペダル操作)により、主ピストン11は進退移動する。ここで、ペダル側軸51は、大径部11aに設けた球面状凹部11bに対し、先端部を嵌合させた状態で連結することで、ペダル側軸51の揺動を許容する。また、主ピストン11の前端側(マスタシリンダ40側)を、同じ圧力室43内に挿入した状態とする。
ブースタピストン12と主ピストン11との間は、シール部材60によりシールされている。また、ブースタピストン12とマスタシリンダ40のシリンダ本体41のガイド41cとの間も、シール部材46によりシールする。これによって、圧力室43からマスタシリンダ40外へのブレーキ液の漏出を防止する。ブースタピストン12及びセカンダリピストン45の前端部には、ブレーキ非作動時の初期位置においてマスタシリンダ40内のリリーフポート41aに連通可能な貫通孔41bを形成する。
電動アクチュエータ20は、ハウジング30の外径側に固定した電動モータ21と、ボールねじ機構(回転−直動変換機構)22と、電動モータ21の回転を減速してボールねじ機構22に伝達する回転伝達機構23とを備える。電動モータ21は、例えばDCブラシレスモータとする。
ボールねじ機構22は、ナット部材(回転部材)22Aとねじ軸(直動部材)22Bとを備える。ナット部材(回転部材)22Aは、軸受63を介して第1筒体31に回動自在に支持される。ねじ軸(直動部材)22Bは、ナット部材22Aにボール(符号省略)を介して噛合する中空の部材である。そのねじ軸22Bの後端部は、ハウジング30に固定したリングガイド64に回動不能にかつ摺動可能に支持される。これにより、ナット部材22Aの回転に応じて、ねじ軸22Bが直動する。
また、ストロークセンサ80(入力操作量検出手段)を備える。ストロークセンサ80は、車体に対する主ピストン11の絶対変位量Aを検出する。検出した絶対変位量Aは、コントローラ100に出力する。本実施形態では、ストロークセンサ80としてポテンショメータ(変位センサ)を例示する。このポテンショメータ80は、抵抗体を内蔵した本体部80Aと、本体部80Aから主ピストン11と平行にブレーキペダル50側に延びるセンサロッド80Bとからなる。ポテンショメータ80は、ハウジング30の取付部材34のボス部34aに固定したブラケット35に主ピストン11と平行に取付ける。センサロッド80Bは、本体部80Aに内蔵したばねにより常時、伸長方向へ付勢され、主ピストン11の後端部に固定したブラケット81に先端を当接させている。
また、前記マスタシリンダ40のマスタシリンダ40のブレーキ液圧Pを検出する圧力センサ92を備える。その圧力センサ92は、検出した圧力値をコントローラ100に出力する。
ここで、ブースタピストン12の変位分(前進及び後退)が主ピストン11の変位に加算されて、マスタシリンダ40のブレーキ液圧を調整することとなる。
図2から分かるように、(1)式で示す圧力平衡関係が成立する。
Pb=(Fi−K×ΔX)/Ai=(Fb+K×ΔX)/Ab ・・・(1)
ここで、
Pb :マスタシリンダ40内の圧力室(プライマリ室)13内のブレーキ液圧、
Fi :操作推力、
Fb :アシスト推力、
Ai :主ピストン11の受圧面積、
Ab :ブースタピストン12の受圧面積、
K :ばね61(61A、61B)のばね定数、
ΔX :主ピストン11とブースタピストン12との相対変位量
である。
一方、倍力比αは、下記(2)式のように記載出来る。
α=Pb×(Ab+Ai)/Fi ・・・(2)
したがって、この(2)式に前記(1)式のPbを代入すると、倍力比αは下記(3)式のようになる。
α=(1−K×ΔX/Fi)×(Ab/Ai+1) ・・・(3)
目標値演算部101は、ストロークセンサ80からの検出信号に基づく主ピストン11の移動に応じた、ブースタピストン12の目標相対変位量Cを、予め設定した倍力の条件則に基づき演算する。また、目標値演算部101は、ストロークセンサ80が検出した絶対変位量を微分してストローク速度Vを算出する。そして、目標値演算部101は、絶対変位量A及びストローク速度Vから、予め設定した倍力の条件則に基づき目標相対変位量Cを演算する。そして、演算した目標相対変位量Cを目標値補正部102に出力する。
また、前記目標値補正部102は、図4に示すように、踏力演算部102A、不感帯演算部102B、微分処理部102C、不感帯補正部102D、乗算部102E、及び補正処理部102Fを備える。
踏力T = k ×Xi +(Ai+Ab)×P ・・・(4)
ここで、kは、位置決め用バネによるオフセットバネ定数である。
不感帯演算部102Bは、踏力Tに対する踏力閾値dを演算する。具体的には、現在の踏力Tに基づき、図6(a)に示すように、踏力閾値dを設定する。
先ず、ステップS100にて、取得した踏力TがT1以下か否かを判定する。取得した踏力TがT1以下の場合には、ステップS110に移行し、踏力閾値dにd1を設定する。その後、復帰する。一方、取得した踏力TがT1よりも大きい場合には、ステップS120に移行する。
ステップS120では、取得した踏力TがT2以下か否かを判定する。取得した踏力TがT2以下の場合には、ステップS130に移行し、踏力閾値dにd2を設定する。その後、復帰する。一方、取得した踏力TがT1よりも大きい場合には、ステップS140に移行する。
d3 ={(T3−T)/ (T3−T2)}×d2
ここで、前記ペダルストロークと踏力Tとの基本的な関係は、踏力Tの増加に伴い、ペダルストロークが増加する関係にある。
微分処理部102Cは、踏力演算部102Aが取得した踏力Tを微分して、踏力Tの変化率である踏力速度T′を演算する。なお、ストローク量を微分してストローク速度を演算し踏力速度T′の代わりに使用しても良い。但し、ストローク変動の影響を抑える観点からは、ストローク速度よりも踏力速度T′の方が好ましい。
乗算部102Eは、不感帯演算部102Bが取得した踏力閾値dにゲインgを乗算して演算した補正後の踏力閾値dを補正処理部102Fに出力する。
d ← g ×d
補正処理部102Fでは、目標値演算部101から、主ピストン11に対するブースタピストン12の目標相対変位量Cを入力する。また、踏力演算部102Aから現在の踏力Tを入力すると共に、乗算部102Eから踏力閾値dを入力する。なお、補正処理部102Fは、前回のアクチュエータサーボ制御部110に出力した目標相対変位量C(出力目標相対変位量C0とも呼ぶ)を記憶している。
一方、現在の踏力Tが踏力閾値d以下の場合には、出力目標相対変位量C0を更新することなく、前回の出力目標相対変位量C0をアクチュエータサーボ制御部110に出力する。
先ずステップS200でストロークセンサ80の値Xi及びマスタシリンダ40のブレーキ液圧Pを読み込む。
続いてステップS210にて踏力Tを演算してステップS220に移行する。
ステップS220では、ブレーキペダル50が踏み込まれたか否かを判定する。踏力Tがゼロよりも大きくなった場合にブレーキペダル50が踏み込まれたと判定すればよい。ブレーキペダル50が踏み込まれていない場合には、そのまま復帰する。一方、ブレーキペダル50が踏み込まれている場合にはステップS230に移行する。
続いてステップS240にて、現在の踏力Tと踏力閾値dとを比較する。現在の踏力Tが踏力閾値dよりも大きい場合にはステップS250に移行する。一方、現在の踏力Tが踏力閾値d以下の場合にはステップS260に移行する。
ステップS250では、目標値演算部101から入力した目標相対変位量Cを出力目標相対変位量C0として、その出力目標相対変位量C0をアクチュエータサーボ制御部110に出力する。
ステップS260では、出力目標相対変位量C0を前回値のままとして、その出力目標相対変位量C0をアクチュエータサーボ制御部110に出力する。
一定倍力制御は、主ピストン11及びブースタピストン12を一体的に変位させる(主ピストン11に対してブースタピストン12を相対変位0で変位させる)ものである。一定倍力制御は、主ピストン11のストローク(適宜、入力ストロークという。)を横軸、ブースタピストン12のストローク(適宜、アシストストロークという。)を縦軸にするとアシストストロークが図9(a)の実線で示される特性となる制御である。一定倍力制御を行うことにより、図9(c)に示されるように、主ピストン11の前進に伴いマスタシリンダ40で発生するブレーキ液圧が2次曲線、3次曲線、あるいはこれらにそれ以上の高次曲線等が複合した多次曲線(以下、これらを総称して多次曲線という)状に大きくなる。
出力目標相対変位量C0から相対変位センサ90が検出した相対変位量Bを減算して偏差(C0−B)を求める。そして、アクチュエータサーボ制御部110が、その偏差を小さくなるための電動モータ21への供給電流を演算して、電動モータ21を駆動制御する。
そして、電動モータ21の駆動によって、ねじ軸22Bの作動及び戻しばね81のばね力によりブースタピストン12が変位(前進及び後退)する。そして、このブースタピストン12の変位分が主ピストン11の変位に加算されて、マスタシリンダ40のブレーキ液圧が調整されると共に、ブースタピストン12の変位とストロークセンサ80の変位との差分(相対変位量B)が相対変位センサ90に検出される。この検出データ(相対変位量B)がコントローラ100にフィードバックされて、電動モータ21ひいては前記ブレーキ液圧の制御に用いられる。
また、踏力Tが小さい領域では、踏力Tが大きい領域に比較して、音が乗員にとって電動アクチュエータ20が駆動する際の振動等が気になる傾向がある。このため、踏力閾値d以下の領域を、電動アクチュエータ20によるアシスト推力を抑制する領域(不感帯領域)としている。
また、踏力速度T′が高い場合には、踏力速度T′が低い場合に比べて、運転者は早めに制動を掛けたい傾向にある。このため、踏力速度T′が高い場合には、踏力閾値dを小さく抑えることで応答性を向上させている。
ここで、ブレーキペダル50を踏込んで行く場合における、タイムチャート例を示す。なお、以下では一定倍力制御の例とする。
この比較例の場合には、ペダルに掛かる踏力Tの増加と共に、ペダルのストロークが発生し、主ピストンとブースタピストンとが同期を取って移動する。そして、ペダルストロークがロストストローク以上となると、マスタシリンダ40のブレーキ液圧Pが増加を始める。
なお、図11に示すように、初めに踏力Tが大きくなり所定以上の踏力となってペダルストロークが発生する。
この場合には、踏力Tが踏力閾値d以上となるまでマスタシリンダ40のブレーキ液圧の発生が抑制され、倍力制御時における音振が抑制される。すなわち、図14のようにペダルちょい踏みなど運転者が意図せずにブレーキペダル50を操作している場合には、ブースタピストン12は動かず音振の発生がない。
ここで、踏力速度が大きい場合には、図6(a)→(b)のようにして、踏力が小さい場合に比べて踏力閾値dを小さくして、制動の応答性を重視するようにしても良い。踏力速度は、ペダルストロークがロスストロール領域の踏力とする。
また、前記説明では、踏力閾値dを踏力に応じて変更するようにしているが、踏力閾値dを固定値としても良い。
また、踏力閾値dをペダルストロークがロスストロール領域と想定されるときの踏力によって変更するようにしても良い。
ここで、踏力演算部102Aが踏力取得手段を構成する。不感帯演算部102Bが踏力閾値設定手段を構成する。補正処理部102Fがアクチュエータ抑制手段を構成する。
(1)踏力取得手段は、前記ブレーキペダル50に掛かる踏力Tを推定若しくは検出することで当該踏力を取得する。アクチュエータ抑制手段は、前記電動アクチュエータ20が発生する駆動力を、前記踏力取得手段が取得した踏力が、前記電動アクチュエータ20の駆動を抑制する領域を規定するための踏力閾値d以下では、前記踏力取得手段が取得した踏力が踏力閾値よりも大きい場合に比べて、小さく抑制する。
このため、運転者の意図しないペダル操作が発生してブレーキペダルの操作量が変化しても、踏力が小さい場合には、実際に制動力を発生させる必要がないので、電動アクチュエータ20の駆動を抑制する。この結果、運転者の意図しないペダル操作があってペダルストロークが変動し制御の目標値が変化しても、電動アクチュエータ20の駆動を抑制することで、運転者の予期しない電動アクチュエータ20の駆動に伴う振動や音の発生を低減可能となる。
これによって、踏力に応じた適切な踏力閾値を設定可能となる。
(3)前記ピストン構造体は、ブレーキペダルの操作に応じて進退する主ピストンに対し相対移動可能に進退するブースタピストンを備える。前記ブースタピストンは、タンデムマスタシリンダのプライマリピストンの機能を有し、前記電動アクチュエータの駆動を抑制することで前記ブースタピストンの移動を抑制する。
これによって、前記電動アクチュエータ20の駆動を小さく抑制することが可能となる。
また、ブースタピストンの移動も抑制されることで、ブースタピストンの移動に伴う音振も小さく抑制可能となる。
これによって、踏力閾値dをペダル踏み始めの状態に応じた適正な値に設定可能となる。例えば、ロスストローク領域のときの踏力が大きい場合には、踏力が小さい場合に比べて踏力閾値dを小さくして、制動の応答性を重視する。
これによって、音や振動等を抑制しつつ、制動開始の応答性を向上することが出来る。
踏力速度T′を検出して踏力閾値dを小さくすることにより、応答性の向上を図ることが出来る。
すなわち、ペダル早踏みのように踏力速度が速ければ踏力閾値を小さくすることで、制動の応答性を重視し、ペダルをゆっくり操作しているように踏力速度が遅ければ、音振抑制を重視する。
10 ピストン構造体
11 主ピストン
12 ブースタピストン
20 電動アクチュエータ20
21 電動モータ
40 マスタシリンダ
41 シリンダ本体
42 リザーバ
45 セカンダリピストン
50 ブレーキペダル
80 ストロークセンサ
90 相対変位センサ
92 圧力センサ
100 コントローラ
101 目標値演算部
102 目標値補正部
102A 踏力演算部(踏力取得手段)
102B 不感帯演算部(踏力閾値設定手段)
102C 微分処理部
102D 不感帯補正部
102E 乗算部
102F 補正処理部(アクチュエータ抑制手段)
110 アクチュエータサーボ制御部
B 相対変位量
C 目標相対変位量
C0 出力目標相対変位量
d 踏力閾値
Fi 操作推力
Fb アシスト推力
g ゲイン
P ブレーキ液圧
T 踏力
Xi 検出値
ΔX 相対変位量
Claims (2)
- ブレーキペダルの操作に応じてブレーキ液が入ったマスタシリンダ内を進退することで、前記マスタシリンダ内のブレーキ液圧を加減圧させるピストン構造体を備え、前記ブレーキペダルの操作により前記ピストン構造体に掛かる操作推力を、電動アクチュエータが発生する駆動力でアシストすることで、前記ブレーキ液圧を増圧する電動ブレーキ制御装置であって、
前記ピストン構造体は、前記ブレーキペダルの連結した主ピストンと、前記電動アクチュエータによって駆動されるブースタピストンと、前記主ピストンに対して前記ブースタピストンを弾性支持し、前記主ピストンに対して前記ブースタピストンの位置を中立位置に保持する弾性体と、から構成された電動ブレーキ制御装置において、
前記ブレーキペダルに掛かる踏力を推定することで当該踏力を取得する踏力取得手段と、
前記電動アクチュエータが発生する駆動力を、前記踏力取得手段が取得した踏力が、前記電動アクチュエータの駆動を抑制する領域を規定するための踏力閾値以下では、前記踏力取得手段が取得した踏力が踏力閾値より大きい場合に比べて、小さく抑制するアクチュエータ抑制手段と、を備え、
前記踏力取得手段は、前記弾性体による前記主ピストンへの付勢力と、前記マスタシリンダ内のブレーキ液圧とから前記踏力を推定し、
前記電動アクチュエータの駆動を抑制する領域を規定するための踏力閾値を設定する踏力閾値設定手段を有し、
前記踏力閾値設定手段は、前記ブースタピストンの進退によってブレーキ液圧が発生しない区間であるロスストローク領域のときの最大の踏力と推定される第1の踏力以下、その第1の踏力よりも大きく且つ運転者が前記電動アクチュエータの作動による音が気になるであろう領域の上限であると推定される第2の踏力以下、第2の踏力より大きな踏力値の3つに分け、前記第1の踏力以下ではペダルガタ分相当の踏力を第1の踏力閾値として前記踏力閾値に設定し、第1の踏力より大きく且つ第2の踏力以下では、前記第1の踏力閾値よりも大きな第2の踏力閾値を前記踏力閾値に設定し、第2の踏力より大きい場合には、前記第2の踏力閾値より踏力が大きくなるほど、前記第2の踏力閾値から設定した変化率で小さくなる値を前記踏力閾値に設定し、
前記踏力閾値設定手段は、前記第2の踏力より大きい場合、踏力の変化率である踏力速度に基づいて前記踏力閾値を設定変更し、踏力速度が大きい場合には、踏力速度が小さい場合に比べて、前記踏力閾値を小さくするように設定したことを特徴とする電動ブレーキ制御装置。 - ブレーキペダルの操作に応じてブレーキ液が入ったマスタシリンダ内を進退することで、前記マスタシリンダ内のブレーキ液圧を加減圧させるピストン構造体を備え、前記ブレーキペダルの操作により前記ピストン構造体に掛かる操作推力を、電動アクチュエータが発生する駆動力でアシストすることで、前記ブレーキ液圧を増圧する電動ブレーキ制御方法であって、
前記ピストン構造体は、前記ブレーキペダルの連結した主ピストンと、前記電動アクチュエータによって駆動されるブースタピストンと、前記主ピストンに対して前記ブースタピストンを弾性支持し、前記主ピストンに対して前記ブースタピストンの位置を中立位置に保持する弾性体と、から構成された電動ブレーキ制御方法において、
前記弾性体による前記主ピストンへの付勢力と、前記マスタシリンダ内のブレーキ液圧とから、前記ブレーキペダルに掛かる踏力を推定することで当該推力を取得するステップと、
前記電動アクチュエータの駆動を抑制する領域を規定するための踏力閾値と、前記取得した踏力を比較するステップと、
前記取得した踏力が踏力閾値以下では、前記取得した踏力が踏力閾値よりも大きい場合に比べて、前記電動アクチュエータの駆動を小さく抑制するステップと、を有し、
前記ブースタピストンの進退によってブレーキ液圧が発生しない区間であるロスストローク領域のときの最大の踏力と推定される第1の踏力以下、その第1の踏力よりも大きく且つ運転者が前記電動アクチュエータの作動による音が気になるであろう領域の上限であると推定される第2の踏力以下、第2の踏力より大きな踏力値の3つに分け、前記第1の踏力以下ではペダルガタ分相当の踏力を第1の踏力閾値として前記踏力閾値に設定し、第1の踏力より大きく且つ第2の踏力以下では、前記第1の踏力閾値よりも大きな第2の踏力閾値を前記踏力閾値に設定し、第2の踏力より大きい場合には、前記第2の踏力閾値より踏力が大きくなるほど、前記第2の踏力閾値から設定した変化率で小さくなる値を前記踏力閾値に設定し、
前記第2の踏力より大きい場合、その踏力閾値を、踏力の変化率である踏力速度に基づいて設定変更し、踏力速度が大きい場合には、踏力速度が小さい場合に比べて、前記踏力閾値を小さくするように設定することを特徴とする電動ブレーキ制御方法。
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