JP5546471B2 - 過電流継電器 - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統(系統)の保護用に適用される保護リレーに関し、特に、系統にて検出された電流に基づいて系統の保護を行う過電流継電器(継電器)に関する。
従来の継電器は、系統に配設された電流変成器(CT: Current Transformer)からのCT二次電流と、継電器内部に設定される整定値と比較し、この電流が整定値より大きいとき、系統事故を検出して動作出力することによって系統に配設される遮断器(CB:Circuit Breaker)を駆動して系統事故を除去する。さらに継電器は、この電流が整定値より小さくなったとき動作出力をOFFする(復帰する)ように構成されている。
CBは系統事故を検出した継電器からの動作指令(CB開放指令)を受けたときに開放され、このことにより系統が切り離されてCBに流れる事故電流が無くなる。ただし、CB開放指令を受けたにもかかわらずCB故障によりCBが不動作の状態(CBF:Circuit Breaker Failure)が継続した場合には事故電流が流れ続けることとなる。このようなCBFを検出する目的で使用される継電器は、例えば、外部の他の継電器から出力されたCB開放指令を取り込み、このCB開放指令を起動条件として、整定された一定時間(CBF検出時間)以上電流が継続して流れる場合、CBが不動作状態であると検出するように構成されている。そして、CBが不動作状態であると検出された場合、当該CBが配設されている系統上の当該CBを囲う全てのCBにCB開放指令が出力される。このようにして系統事故が除去される。
ここで、系統事故が除去されたときには、保護協調の観点から継電器を高速に復帰させる必要がある。このことを説明すると、例えば、系統事故が除去されて系統に流れる電流が零になったにもかかわらず、電流検出を実行している継電器の復帰時間が遅い場合、前述したCBF検出時間の設定を短くすることができない。すなわち、CBが不動作状態のとき、このCBが配設された系統上の当該CBを囲う全てのCBに対するCB開放指令の出力が遅れ、系統事故の除去が遅れることとなる。従って、事故回復時に継電器を高速復帰させることができればCBF検出時間を短縮することができ、系統事故をより早く除去することが可能となる。このように、CB不動作対策用に適用される継電器は、保護協調の関係から、系統事故回復時には高速復帰する必要がある。
継電器の高速復帰を実現するための従来の方式には、例えば、ピーク値検出方式が存在する。この方式は、入力のピーク値を電気角30°毎にサンプリングし、サンプリングされた6つのサンプル値と所定の整定値とを比較するものである。ただし、このピーク値検出方式は、連続する6つのサンプル値を用いるため、交流入力に変化が生じた場合には変化前のサンプル値の影響により応動に遅れが発生するという欠点がある。具体的に説明すると、180度毎にピーク値を検出するためには、入力電流が正しく交流である必要があるわけであるが、系統電流は系統に存在するリアクタンスやキャパシタンスの影響を受けるため、系統事故発生時には直流成分や高調波歪の影響を受ける可能性がある。このような影響を回避するためには、直流成分を除去すると共に高調波成分を除去するためのフィルター回路が必要となる。ただし、このフィルター回路によって電流の過渡的な変化が緩慢となるため動作検出や復帰検出に遅れが生じることとなる。
このような問題を解決する手段として、下記特許文献1に示される従来技術は、所定の時間間隔で電気量をサンプリングし、サンプリングされた出力信号の絶対値を求めて所定の整定値と比較する第1の手段と、電気角90度の時間間隔内の複数のサンプル値の絶対値を各々求め、前記整定値にsin45°=1/√2を乗じた値を新たな整定値として比較する第2の手段と、から構成されている。そして、上記第1の手段で系統事故を検出した後は、第2の手段に切り替えて引き続き動作判定を継続し、第2の比較手段において、例えば30°のサンプリングの場合、4個のサンプル値と整定値との比較を行い、サンプル値が整定値より小さいとき事故回復時の復帰判定をすることで高速復帰を図っている。
特開平3−45116号公報(第1項「発明が解決しようとする課題」、第2項「課題を解決するための手段)、および第2項「作用」)
しかしながら、上記特許文献1に代表される従来技術は、動作値と復帰値に差を持たせることで大電流からの復帰時間をある程度の高速化(特許文献1の例では60度分の高速化)が図れるとしているが、大電流からの復帰においては前述したフィルター回路による遅れの影響が大きいため、高速復帰はあまり期待できない。さらに、他の問題としては、CTが大電流で飽和した場合、CBが開放した後もCTの励磁リアクタンスからのエネルギー放出による直流成分がCT二次側に流れる場合があり、この直流成分によりサンプル値が整定値未満となるまでの時間が長くなるため、さらに復帰が遅れることとなる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、系統事故発生時において直流成分が流れるようなケースにおいても高速復帰を実現可能な過電流継電器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電力系統にて検出された電流に基づいて電力系統に設けられた遮断器を動作させて電力系統の保護を行う過電流継電器であって、前記電流の実効値と予め設定された判定値とに基づいて、前記過電流継電器出力を復帰させる第1の復帰信号を出力する第1の過電流判定部と、前記電流に含まれる直流成分を除去し、前記直流成分が除去された第1の電流データの位相を変化させる移相処理を行って移相処理後の第2の電流データを生成した後に、前記第1の電流データと前記第2の電流データとに基づいて、前記過電流継電器出力を復帰させる第2の復帰信号を出力する第2の過電流判定部と、前記第1の復帰信号と前記第2の復帰信号との何れかが入力されたとき過電流要素の動作信号を停止させる復帰制御部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、系統から検出された電流に含まれる直流成分を除去し、直流成分が除去された電流の位相を変化させる移相処理を行って移相処理後の電流を生成した後に、移相処理前の電流と移相処理後の電流とに基づいて復帰させるようにしたので、系統事故発生時において直流成分が流れるようなケースにおいても高速復帰を実現することができる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる過電流継電器の構成図である。 図2は、図1に示される過電流継電器の動作原理を説明するための図である。 図3は、本発明の実施の形態2にかかる過電流継電器の構成図である。 図4は、本発明の実施の形態3にかかる過電流継電器の構成図である。
以下に、本発明にかかる過電流継電器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる過電流継電器(継電器)4の構成図である。図1には、継電器4の保護対象である系統の送電線1と、送電線1に配設されたCB2と、送電線1に配設されCT3とが模式的に示されている。送電線1に流れる電流Iは、CT3によってCT二次電流に変換され継電器4に入力される。
継電器4は、主たる構成として、入力変換器5と、アナログフィルター回路6と、アナログデジタル変換器7と、CBF検出リレー8、デジタル入力(DI:Digital Input)回路23と、第1のデジタル出力リレー(DO:Digital Output)回路16と、第2のデジタル出力リレー回路26とを有して構成されている。
入力変換器5は、CT3からのCB二次電流を継電器4内で使用できる適切な電圧信号に変換する。アナログフィルター回路6は、高調波成分を除去し、アナログデジタル変換器7は、アナログフィルター回路6で高調波成分が除去された電流Iを一定のサンプリング周期でアナログデジタル変換を行う。
CBF検出リレー8は、主たる構成として、過電流判定部40(第1の過電流判定部)と、電流復帰判定部(第2の過電流判定部)50と、復帰制御部60と、論理積(AND)回路24と、第4の動作タイマー(T4)回路25とを有して構成されている。
以下、CBF検出リレー8の構成を説明する。まず図1に示される過電流判定部40、復帰制御部60、第1のデジタル出力リレー回路16、デジタル入力回路23、論理積回路24、第4の動作タイマー回路25、および第2のデジタル出力(DO)リレー回路26に関して説明する。
過電流判定部40は、主たる構成として、第1のデジタルフィルター回路9−1と、実効値演算回路10と、比較回路11と、第1の動作タイマー(T1)回路12と、反転信号付第2の動作タイマー(T2)回路15とを有して構成されている。また、復帰制御部60は、主たる構成として、論理和(OR)回路22と、フリップフロップ回路13とを有して構成されている。
第1のデジタルフィルター回路9−1は、アナログデジタル変換器7でデジタルデータ化された電流Iの歪波成分などを除去し、電流Iの基本波交流成分を抽出する。実効値演算回路10は、第1のデジタルフィルター回路9−1からのデジタルデータを用いて実効値Irmsを計測する。比較回路11は、実効値演算回路10からの実効値Irmsと、所定の判定値Isとを比較する。そして、比較回路11は、実効値Irmsが判定値Is以上の場合、出力「1」を第1の動作タイマー回路12に出力し、実効値Irmsが判定値Is未満の場合、出力「0」を反転信号付第2の動作タイマー回路15に出力する。第1の動作タイマー回路12は、比較回路11からの出力が「1」である場合、予め設定された動作照合タイマー値が経過するまでの間、複数回の動作照合を実施し、過電流要素の動作信号を出力する。反転信号付第2の動作タイマー回路15は、比較回路11からの出力が「0」である場合、予め設定された復帰照合タイマー値が経過するまでの間、複数回の復帰照合を実施し、過電流要素の第1の復帰信号「1」を出力する。
論理和回路22は、反転信号付第2の動作タイマー回路15からの第1の復帰信号、または後述する反転信号付第3の動作タイマー(T3)回路21からの第2の復帰信号の何れかを出力する。フリップフロップ回路13は、第1の動作タイマー回路12からの動作結果「1」がセットS側に入力されたとき、第1のデジタル出力リレー回路16に過電流要素動作信号出力を「1」とする。また、フリップフロップ回路13は、反転信号付第2の動作タイマー回路15からの第1の復帰信号「1」が論理和回路22を介してリセットR側に入力されたとき、過電流要素動作信号を停止させるため、出力「1」をリセットして「0」とする。第1のデジタル出力リレー回路16は、フリップフロップ回路13からの出力を過電流要素動作信号として外部に出力する。
デジタル入力回路23には、例えば、図示しない他の継電器からのCB2開放指令と同じ信号が入力される。論理積回路24には、デジタル入力回路23からの出力とフリップフロップ回路13からの出力とが取り込まれ、何れも「1」のとき出力「1」とする。第4の動作タイマー回路25は、論理積回路24からの出力「1」が所定の時間(CBF検出時間)以上に継続したとき、CB2が不動作状態であることを検出してCBF検出信号を出力する。すなわち、他の継電器からCB開放指令が出力されたにもかかわらず、判定値Is以上の実効値Irmsが所定時間継続したとき、CB2が不動作状態であるために、系統事故が除去されていないと言える。このようなときにCBF検出信号が出力される。なお、CBF検出時間は、他の継電器にてCB開放指令が出力されてからCB開放時のアークが消弧され電流Iが零となるまでの時間を考慮して設定される。第2のデジタル出力リレー回路26は、第4の動作タイマー回路25からのCBF検出信号を受信したときCB開放指令を出力する。このCB開放指令は送電線1上のCB2を囲う遮断器全てに対して出力され、このような動作により、CB2が不動作状態の場合でも系統事故が除去される。
以上に説明した構成は、従来技術と同様のCBF検出回路の例である。本実施の形態にかかる継電器4は、この回路によって実効値演算による動作値(動作信号)および復帰値(第1の復帰信号)の判定精度を確保すると共に、電流復帰判定部50によって高速復帰できるように構成されている。
次に、電流復帰判定部50の構成を説明する。電流復帰判定部50は、第2のデジタルフィルター回路9−2と、移相処理部18と、零クロス判定部19と、論理和(OR)回路20と、反転機能付きの動作タイマーである反転信号付第3の動作タイマー回路21とを有して構成されている。
また、移相処理部18は、一例として各々独立した3個の移相回路(第1の移相回路18−1、第2の移相回路18−2、および第3の移相回路18−3)で構成され、零クロス判定部19は、一例として各々独立した4個の零クロス判定回路(第1の零クロス判定回路19−1、第2の零クロス判定回路19−2、第3の零クロス判定回路19−3、および第4の零クロス判定回路19−4)で構成されている。
第2のデジタルフィルター回路9−2は、大電流によってCT3が磁気飽和した場合に生じるCB2が開放した後のCT二次電流の直流成分を除去するのに有用であり、その演算内容は後述する図2を用いて説明する。
第1の移相回路18−1は、第2のデジタルフィルター回路9−2から出力された第1の電流データである電流I0の位相の移相処理(位相を所定量進める又は所定量遅らせる処理)を行い、第2の電流データである電流I1として出力する。以下同様に、第2の移相回路18−2は、電流I0の移相処理後の電流を第2の電流データである電流I2として出力し、第3の移相回路18−3は、電流I0の移相処理後の電流を第2の電流データである電流I3として出力する。
第1の零クロス判定回路19−1は、第2のデジタルフィルター回路9−2からの電流I0が零クロスしたか否かを判定するものであり、零クロス点を検出した場合、零クロス信号を出力する。以下同様に、第2の零クロス判定回路19−2は、電流I1の零クロス点を検出し、第3の零クロス判定回路19−3は、電流I2の零クロス点を検出し、第4の零クロス判定回路19−4は、電流I3の零クロス点を検出する。
論理和回路20は、零クロス判定部19からの零クロス点信号の論理和をとる。反転信号付第3の動作タイマー回路21は、論理和回路20からの論理和の結果を反転し、その反転した後の信号「1」である場合、予め設定された動作照合タイマー値が経過するまでの間、論理和回路22の信号の複数回の復帰照合を実施して、過電流要素の動作信号を復帰させる第2の復帰信号を出力する。そして、この第2の復帰信号は、論理和回路22に出力される。
以下、電流復帰判定部50の動作を説明する。アナログデジタル変換器7の出力は、第2のデジタルフィルター回路9−2に入力され、第2のデジタルフィルター回路9−2のからの電流I0は、第1の零クロス判定回路19−1と移相処理部18とにそれぞれ入力される。
移相処理部18では、直流成分が除去された電流I0の位相を変化させる移相処理を行って移相処理後の電流I0〜I3を生成する。零クロス判定部19では、電流I0〜I3の波形の零クロス点が判定され、その結果がそれぞれ論理和回路20に入力される。零クロス判定部19からの判定結果が全て「0」の場合、論理和回路20の出力は「0」となり、反転信号付第3の動作タイマー回路21には反転された信号「1」が取り込まれる。反転信号付第3の動作タイマー回路21では複数回の回路21入力信号の復帰照合が実施され、その第2の復帰信号「1」は、論理和回路22を経由してフリップフロップ回路13のリセットR側に入力される。そして、フリップフロップ回路13に第2の復帰信号「1」が入力されたとき、第1のデジタル出力リレー回路16および論理積回路24への出力がリセットされる。
次に、図2を用いて電流復帰判定部50の動作を詳細に説明する。
図2は、図1に示される過電流継電器4の動作原理を説明するための図である。図2には、図2の(1)に示される電流I(t)(アナログデジタル変換器7からの電流データである電流Iをプロットした電流)の波形を基準にした破線が縦方向に90°間隔で記されている。(1)の「A」で示される区間の波形は、例えば、図示しない他の継電器にてCB開放指令が出力されてからCB2が開放するまでの電流の波形であり、「B」で示される区間の波形は、CB2が開放した後の電流の波形である。
図2の(2)に示される電流I0(t)は、第2のデジタルフィルター回路9−2から出力される電流I0の波形であり、直流成分除去のために例えば30°前のデータとの差分を取った後の電流の波形である。この電流I0(t)は(1)式により得られる。なお(1)式のI(t)、I(t−30°)は、アナログデジタル変換器7によるアナログデジタル変換後のデジタルデータであり、前者は現時点のデータを示し、後者は30°前のデータを示す。
Figure 0005546471
(1)式の計算により、交流に含まれる直流成分が除去される。このことを説明すると、(1)式に示されるI(t)およびI(t−30°)は、それぞれ(2)式、(3)式のように表すことができる。I(t)およびI(t−30°)には、直流成分Idcと高調波とが含まれるわけであるが、(1)式の演算を行うことによりこれらの直流成分Idcが相殺される。
Figure 0005546471
Figure 0005546471
図2の(3)に破線で示される電流I1(t)は、第1の移相回路18−1において90°位相を遅らせた電流I1の波形である。この電流I1(t)は(4)式により得られる。
Figure 0005546471
図2の(4)に一点鎖線で示される電流I2(t)は、第2の移相回路18−2において45°位相を遅らせた電流I2の波形である。この電流I2(t)は(5)式により得られる。
Figure 0005546471
また、図2の(4)に二点鎖線で示される電流I3(t)は、第3の移相回路18−3において45°位相を進めた電流I3の波形である。この電流I3(t)は(6)式により得られる。
Figure 0005546471
(4)式〜(6)式に示されるI0(t)は、現時点の電流を表し、I0(t−30°)は30°前の電流を表す。また、()内の係数を設定することによって、(4)式〜(6)式に示される電流I1(t)〜I3(t)の振幅値を、CBF検出リレー8に入力される電流の振幅値と一致させることができる。このように、現時点データI0(t)と30°前データI0(t−30)とを使って、45°遅れ、45°進み、90°進みの移相処理が行われる。なお、実施の形態1にかかる継電器4では、一例として±45°と90°の移相処理が行われているが、これに限定されるものではなく、他の角度(例えば±30°、±60°、90°)でもよい。
これら4つの電流を同じ時間軸に配置した場合、これらの電流の波形は図2の(5)ようになる。図2の(5)は、図2の(4)を拡大したものであり、各電流の波形から明らかなように、入力が交流の場合、零クロスする点が45°毎に現れる。
零クロス判定部19では、(7)式または(8)式に示される判定が行われる。αは零クロス判定閾値である。
Figure 0005546471
Figure 0005546471
上記(7)、(8)式に示されるIn(t)は、第1の零クロス判定回路19−1に入力される電流I0、第2の零クロス判定回路19−2に入力される電流I1、第3の零クロス判定回路19−3に入力される電流I2、または第4の零クロス判定回路19−4に入力される電流I3を表す。
また、上記(7)、(8)式に示される零クロス判定閾値αは、電流零付近の不確定な零クロス判定を避けるために設定され、過電流整定値*に対して十分小さな値とする。
この零クロス判定閾値αと第3の動作タイマー回路21との関係を説明する。図2の(5)の拡大図には、演算周期を示す破線が30°間隔で記されている。また、同図には零クロス判定閾値αが示されている。上記(7)、(8)式によって、各電流I0〜I3の瞬時値を零クロス判定閾値α(−α)と比較したとき、交流入力が継続している場合、第1〜第4の零クロス判定回路19−1〜19−4の何れかにおいて零クロス判定が成立する。換言すると、交流入力が継続していない場合には、移相処理前の電流I0の波形と移相処理後の電流I1〜I3の波形との何れもが零クロスしないこととなる。図2の(4)に示される区間「B」には、電流I0〜I3の波形が何れもが零クロスしない様子が示されている。
そして、論理和回路20では、第1〜第4の零クロス判定回路19−1〜19−4からの零クロス点信号の論理和がとられ、反転信号付第3の動作タイマー回路21では、論理和回路20からの論理和の結果が反転され、その反転された信号によって復帰照合が行われる。反転された信号が「1」の場合、この信号は交流入力が零クロス判定閾値αと比較して零クロスしない小さい電流であることを示し、その信号が反転信号付第3の動作タイマー回路21の動作照合タイマー値が経過するまで継続したとき、反転信号付第3の動作タイマー回路21は小電流を確定させる。すなわち、反転信号付第3の動作タイマー回路21、論理和回路20からの信号をトリガーとして、反転信号付第3の動作タイマー回路21によって小電流を確定させる。反転信号付第3の動作タイマー回路21の出力は、論理和回路22を経由してフリップフロップ回路13のリセットR側に入力され、このことにより、第1のデジタル出力リレー回路16の出力を復帰する。なお、反転信号付第3の動作タイマー回路21は、通常30°間隔で1回もしくは2回の照合回数に設定される。
なお、実施の形態1にかかる継電器4では、判定値Isによる電流検出において実効値Irmsを用いているが、実効値計算はある意味で積分計算であり、高調波などの影響を緩和するフィルター効果が期待できる利点がある。その前段のフィルター回路を強化することで瞬時値(すなわちピーク値)による判定を実施しても同等の効果が得られる。
このように、実施の形態1にかかる電流復帰判定部50は、電流Iに含まれる直流成分を除去して電流I0(第1の電流データ)を生成する第2のデジタルフィルター回路9−2と、電流I0の移相処理を行い各々位相が異なる複数の電流I1〜I3を第2の電流データとして生成する移相処理部18と、電流I0と各電流I1〜I3とが零クロスするか否かを判定し、電流I0と各電流I1〜I3とが何れも零クロスしないとき第2の復帰信号を出力する零クロス判定部19を備える。
なお、実施の形態1にかかる電流復帰判定部50は、3個の移相回路と4個の零クロス判定回路とを有して構成されているが、移相回路と零クロス判定回路の数はこれに限定されるものではなく、例えば、第1の零クロス判定回路19−1、第1の移相回路18−1、および第2の零クロス判定回路19−2のみの構成とした場合でも、移相処理前の電流と移相処理後の電流とを用いた零クロス判定が実施されるため、1サイクル未満での高速復帰が可能である。
以上に説明したように、実施の形態1にかかる継電器4は、CT3から取り込まれた電流Iの実効値Irmsと予め設定された判定値Isとに基づいて過電流継電器出力を復帰させる第1の復帰信号を出力する過電流判定部40(第1の過電流判定部)と、電流Iに含まれる直流成分を除去し、直流成分が除去された電流I0(第1の電流データ)の位相を変化させる移相処理を行って移相処理後の電流I1〜I3(第2の電流データ)を生成した後に、移相処理前の電流I0(第1の電流データ)と移相処理後の電流I1〜I3(第2の電流データ)とに基づいて、過電流継電器出力を復帰させる第2の復帰信号を出力する電流復帰判定部50(第2の過電流判定部)と、第1の復帰信号と第2の復帰信号との何れかが入力されたとき過電流要素の動作信号を停止させる復帰制御部60と、を備えるようにしたので、高速に電流零を検出でき、復帰時間を高速化することができる。従来の技術は、整定値(判定値Is)と比較して動作値および復帰値を判定する機能によって、大電流からの復帰時間をある程度まで高速化するように構成されているものの、高調波成分を除去するためのフィルター回路によって、大電流からの復帰においては電流の過渡的な変化が緩慢となるため、実効値が整定値未満となるまでの時間が遅くなり、高速復帰が困難であった。また、CT3が飽和した場合にはCT二次電流、すなわち直流成分によってさらに復帰が遅れることとなる。本実施の形態にかかる継電器4は、過電流判定部40と電流復帰判定部50とを備えるため、実効値演算による動作値および復帰値の判定精度を確保すると共に、系統事故発生時に直流成分が流れるようなケースにおいても1サイクル未満での高速復帰が可能である。特に、位相が異なる複数の電流を用いることによって第2の復帰信号の判定時間を短出させることが可能となる。その結果、整定値精度と高速復帰を両立させることが可能である。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2にかかる過電流継電器4の構成図である。実施の形態1では、高速復帰判定をするために、零クロス判定部19を用いているが、実施の形態2では、零クロス判定部19の代わりに絶対値判定部30を用いて、移相処理後の電流の大きさ(実効値、ピーク値)をみて第2の復帰信号を出力するように構成されている。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
実施の形態2にかかるCBF検出リレー8は、主たる構成として、過電流判定部(第1の過電流判定部)40と、電流復帰判定部(第2の過電流判定部)51と、復帰制御部60と、論理積回路24と、第4の動作タイマー回路25とを有して構成されている。電流復帰判定部51は、第2のデジタルフィルター回路9−2と、移相処理部18と、絶対値判定部30と、論理和回路20と、第3の動作タイマー回路21とを有して構成されている。また、絶対値判定部30は、一例として各々独立した4個の絶対値判定回路(第1の絶対値判定回路30−1、第2の絶対値判定回路30−2、第3の絶対値判定回路30−3、および第4の絶対値判定回路30−4)で構成されている。
第1の絶対値判定回路30−1は、電流I0の絶対値を求め、その絶対値と所定の判定値α´との比較を行う。第2の絶対値判定回路30−2は、電流I1の絶対値を求めその絶対値と所定の判定値α´との比較を行う。第3の絶対値判定回路30−3は、電流I2の絶対値を求め、その絶対値と所定の判定値α´との比較を行う。第4の絶対値判定回路30−4は、電流I3の絶対値を求め、その絶対値と所定の判定値α´との比較を行う。論理和回路20は、絶対値判定部30からの絶対値判定結果の論理和をとる。反転信号付第3の動作タイマー回路21は、論理和回路20からの論理和の結果を反転し、その反転した後の信号が「1」である場合、予め設定された動作照合タイマー値が経過するまでの間、複数回の復帰照合を実施して第2の復帰信号「1」を出力する。そして、反転信号付第3の動作タイマー回路21の第2の復帰信号「1」は、論理和回路22に出力される。
以下、電流復帰判定部51の動作を説明する。アナログデジタル変換器7の出力は、第2のデジタルフィルター回路9−2に入力され、第2のデジタルフィルター回路9−2からの電流I0は、第1の絶対値判定回路30−1と移相処理部18とにそれぞれ入力される。
移相処理部18では、直流成分が除去された電流I0の位相を変化させる移相処理を行って移相処理後の電流I0〜I3を生成する。絶対値判定部30では、電流I0〜I3の波形の絶対値が判定され、その結果がそれぞれ論理和回路20に入力される。絶対値判定部30からの判定結果が全て「0」の場合、論理和回路20の出力は「0」となり、反転信号付第3の動作タイマー回路21には反転された信号「1」が取り込まれる。反転信号付第3の動作タイマー回路21では複数回の復帰照合が実施され、その第2の復帰信号「1」は、論理和回路22を経由してフリップフロップ回路13のリセットR側に入力される。そして、フリップフロップ回路13に第2の復帰信号「1」が入力されたとき、第1のデジタル出力リレー回路16および論理積回路24への出力がリセットされる。
次に、図2の(5)に示される波形を併用して、電流復帰判定部51の動作を説明する。図2の(5)に示すように、電流I0(t)、電流I1(t)、電流I2(t)、および電流I3(t)の何れかは45°ごとにピーク値を示す。絶対値判定部30では、それらの瞬時値の絶対値|I0(t)|、|I1(t)|、|I2(t)|、および|I3(t)|が求められ、(9)式に示されるようにこれらの絶対値が所定の判定値α´を超える場合の出力が論理和回路22と反転信号付第3の動作タイマー回路21とに取り込まれる。絶対値が所定の判定値α´以下である状態が、反転信号付動作タイマー回路21で設定される間継続するとき、第2の復帰信号が出力される。すなわち、事故電流が零に復帰したと判定する。なお、所定の判定値α´は、電流零入力に対する不確定な絶対値判定を避けるために設定され、所定の整定値*に対して十分小さな値とする。
Figure 0005546471
このように、実施の形態2にかかる電流復帰判定部51は、電流Iに含まれる直流成分を除去して電流I0(第1の電流データ)を生成する第2のデジタルフィルター回路9−2と、電流I0の移相処理を行い各々位相が異なる複数の電流I1〜I3を第2の電流データとして生成する移相処理部18と、電流I0の絶対値と各電流I1〜I3の絶対値とを各々求めると共に、これらの絶対値が所定の判定値α´以下であるか否かを判定し、これらの絶対値が何れも所定の判定値α´以下であるとき第2の復帰信号を出力する絶対値判定部30とを備える。図2の(4)に示される区間「B」には、電流I0〜I3の波形の絶対値が図示しない判定値α´以下となったときの様子が示されている。
なお、実施の形態2にかかる電流復帰判定部51は、3個の移相回路と4つの絶対値判定回路とを有して構成されているが、移相回路と絶対値判定回路の数はこれに限定されるものではなく、例えば、第1の絶対値判定回路30−1、第1の移相回路18−1、および第2の絶対値判定回路30−2のみの構成とした場合でも、移相処理前の電流と移相処理後の電流とを用いた絶対値判定が実施されるため、1サイクル未満での高速復帰が可能である。
以上に説明したように、実施の形態2にかかる継電器4は、CT3から取り込まれた電流Iの実効値Irmsと予め設定された判定値Isとに基づいて過電流継電器出力を復帰させる第1の復帰信号を出力する過電流判定部40(第1の過電流判定部)と、電流Iに含まれる直流成分を除去し、直流成分が除去された電流I0(第1の電流データ)の位相を変化させる移相処理を行って移相処理後の電流I1〜I3(第2の電流データ)を生成した後に、移相処理前の電流I0(第1の電流データ)と移相処理後の電流I1〜I3(第2の電流データ)とに基づいて、過電流継電器出力を復帰させる第2の復帰信号を出力する電流復帰判定部51(第2の過電流判定部)と、第1の復帰信号と第2の復帰信号との何れかが入力されたとき過電流要素の動作信号を停止させる復帰制御部60と、を備えるようにしたので、実施の形態1にかかる継電器4と同様に整定値精度と高速復帰を両立させることができると共に、実施の形態1にかかる継電器4よりも復帰判定を簡略化することが可能である。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、第2のデジタルフィルター回路9−2と移相処理部18とを用いて、直流成分の除去と移相処理とを実行しているが、実施の形態3にかかる継電器4では、第2のデジタルフィルター回路9−2と移相処理部18の代わりに移相処理部14を備え、この移相処理部14によって直流成分の除去と移相処理とを実行するように構成されている。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図4は、本発明の実施の形態3にかかる過電流継電器4の構成図である。実施の形態3にかかるCBF検出リレー8は、主たる構成として、過電流判定部(第1の過電流判定部)40と、電流復帰判定部(第2の過電流判定部)52と、復帰制御部60と、論理積回路24と、第4の動作タイマー回路25とを有して構成されている。電流復帰判定部52は、移相処理部14と、零クロス判定部19と、論理和回路20と、反転信号付第3の動作タイマー回路21とを有して構成されている。移相処理部14は、一例として各々独立した4個のデジタルフィルター回路(第2のデジタルフィルター回路9−2、第3のデジタルフィルター回路9−3、第4のデジタルフィルター回路9−4、および第5のデジタルフィルター回路9−5)で構成されている。
第2のデジタルフィルター回路9−2は、所定の差分処理によって、アナログデジタル変換器7からの電流Iに含まれる直流成分を除去すると共に、直流成分が除去された電流の位相を異なる値に変化させる移相処理を行い、電流データである電流I0を生成する。以下同様に、第3のデジタルフィルター回路9−3は、電流Iに含まれる直流成分が除去された電流の移相処理を行い電流データである電流I1を生成する。第4のデジタルフィルター回路9−4は、電流Iに含まれる直流成分が除去された電流の移相処理を行い電流データである電流I2を生成する。第5のデジタルフィルター回路9−5は、電流Iに含まれる直流成分が除去された電流の移相処理を行い電流データである電流I3を生成する。第1の零クロス判定回路19−1は、第2のデジタルフィルター回路9−2からの電流I0が零クロスしたか否かを判定し、零クロス点を検出した場合、零クロス信号を出力する。以下同様に、第2の零クロス判定回路19−2は、電流I1の零クロス点を検出し、第3の零クロス判定回路19−3は、電流I2の零クロス点を検出し、第4の零クロス判定回路19−4は、電流I3の零クロス点を検出する。
以下、動作を説明する。アナログデジタル変換器7の出力は、移相処理部14に入力され差分処理および移相処理が実行された電流I0〜I3は、零クロス判定部19に入力される。零クロス判定部19では、電流I0〜I3の波形の零クロス点が判定され、その結果がそれぞれ論理和回路20に入力される。零クロス判定部19からの判定結果が全て「0」の場合、論理和回路20の出力は「0」となり、反転信号付第3の動作タイマー回路21には反転された信号「1」が取り込まれる。反転信号付第3の動作タイマー回路21では複数回の復帰照合が実施され、その第2の復帰信号「1」は、論理和回路22を経由してフリップフロップ回路13のリセットR側に入力される。そして、フリップフロップ回路13に第2の復帰信号「1」が入力されたとき、第1のデジタル出力リレー回路16および論理積回路24への出力がリセットされる。
次に、移相処理部14における演算処理について説明する。第2のデジタルフィルター回路9−2は、(10)式に示される演算により電流I0(t)を出力する。
Figure 0005546471
第3のデジタルフィルター回路9−3は、(11)式に示される演算により電流I1(t)を出力する。
Figure 0005546471
第4のデジタルフィルター回路9−4は、(12)式に示される演算により電流I2(t)を出力する。
Figure 0005546471
第5のデジタルフィルター回路9−5は、(13)式に示される演算により電流I3(t)を出力する。
Figure 0005546471
このようにすれば、実施の形態1、2にかかる移相処理の演算よりも簡単な差分処理によって、実施の形態1と同様の効果を得ることが可能となる。なお、上記のように定数k0〜k2を設定することによって、移相処理部14から出力される差分電流I0(t)〜I3(t)の振幅値を、CBF検出リレー8に入力される電流の振幅値と一致させることができる。ただし、零クロス判定のように振幅値の大きさを一致させる必要が特にない場合には定数k0〜k2=1にすることも可能である。
上記の差分処理をすることによって、電流が零に復帰する際に生じる直流成分を除去することができると共に、図2の(5)に示すように、各電流I1(t)〜I3(t)は電流I0(t)に対して次の位相関係になる。
I1(t)は、I0(t)に対して45°遅れ位相。
I2(t)は、I0(t)に対して45°進み位相。
I3(t)は、I0(t)に対して90°遅れ位相。
なお、上記説明では、現在電流と差分を取る過去電流は120°前まで使用するため、実施の形態1の方式(現時点から60°前までの電流を使用)と比較して電気角60°分の遅れがあるが、零クロス判定の場合にはk0〜k2=1にすることができるので演算が簡単になるという利点がある。
零クロス判定部19では、実施の形態1と同様にI0〜I3を用いて零クロス判定が行われる。この零クロス判定に用いる演算式は、実施の形態1に示した(7)式、(8)式と同様であるため、その説明を割愛する。
このように、実施の形態3にかかる電流復帰判定部52は、電流Iに含まれる直流成分を除去すると共に位相を変化させる移相処理を行い各々位相が異なる複数の電流I0〜I3(複数の電流データ)を生成する移相処理部14と、移相処理部14からの各電流I0〜I3(複数の電流データ)が零クロスするか否かを判定し、各電流I0〜I3が何れも零クロスしないとき第2の復帰信号を出力する零クロス判定部19と、を備える。
なお、実施の形態3では零クロス判定を行っているが、零クロス判定部19の代わりに実施の形態2に示した絶対値判定部30を用いてもよい。すなわち、電流復帰判定部52は、電流Iに含まれる直流成分を除去すると共に位相を変化させる移相処理を行い各々位相が異なる複数の電流I0〜I3(複数の電流データ)を生成する移相処理部14と、複数の電流データを生成する移相処理部14と、移相処理部14からの各電流の絶対値を各々求めると共に、これらの絶対値が所定の判定値α´以下であるか否かを判定し、これらの絶対値が何れも当該所定の判定値α´以下であるとき第2の復帰信号を出力する絶対値判定部30と、を備えるように構成してもよい。このように構成した場合、定数k0〜k2の定数を乗ずる必要があるが、実施の形態2と同様にピーク値検出による高速な復帰判定が可能である。
なお、実施の形態3では、4個のデジタルフィルター回路と4個の零クロス判定回路とを用いているが、デジタルフィルター回路と零クロス判定回路の数はこれに限定されるものではなく、例えば、第2のデジタルフィルター回路9−2、第3のデジタルフィルター回路9−3、第1の零クロス検出回路19−1、および第2の零クロス検出回路19−2のみの構成とした場合でも、移相処理前の電流と移相処理後の電流とを用いた零クロス判定が実施されるため、1サイクル未満での高速復帰が可能である。また、零クロス判定部19を用いた場合も同様である。すなわち、例えば、第2のデジタルフィルター回路9−2、第3のデジタルフィルター回路9−3、第1の絶対値判定回路30−1、および第2の絶対値判定回路30−2のみの構成とした場合でも、移相処理前の電流と移相処理後の電流とを用いた絶対値判定が実施され、1サイクル未満での高速復帰が可能である。
以上に説明したように、実施の形態3にかかる継電器4は、CT3から取り込まれた電流Iの実効値Irmsと予め設定された判定値Isとに基づいて過電流継電器出力を復帰させる第1の復帰信号を出力する過電流判定部40(第1の過電流判定部)と、電流Iに含まれる直流成分を除去すると共に位相を変化させる移相処理を行い各々位相が異なる複数の電流I0〜I3(複数の電流データ)を生成した後に、位相が異なる各電流I0〜I3に基づいて過電流継電器出力を復帰させる第2の復帰信号を出力する電流復帰判定部52(第2の過電流判定部)と、第1の復帰信号と第2の復帰信号との何れかが入力されたとき過電流要素の動作信号を停止させる指令制御部60と、を備えるようにしたので、移相処理部14によってCT飽和時の直流成分の影響が除去され、かつ、電流位相を変化させることができるため、複数の移相処理を実行したときと同じ効果を得ることが可能である。
なお、実施の形態1〜3の説明では、この発明の用途としてCBF検出に用いる過電流継電器の場合を例に説明したが、CBF検出以外の目的に用いられ、CB開放後の電流零を検出する過電流継電器にも適用可能である。
以上のように、本発明は、過電流継電器に適用可能であり、特に、系統事故発生時において直流成分が流れるようなケースにおいても高速復帰を実現可能な発明として有用である。
1 送電線
2 CB
3 CT
4 過電流継電器
5 入力変換器
6 アナログフィルター回路
7 アナログデジタル変換器
8 CBF検出リレー
9−1 第1のデジタルフィルター回路
9−2 第2のデジタルフィルター回路
9−3 第3のデジタルフィルター回路
9−4 第4のデジタルフィルター回路
9−5 第5のデジタルフィルター回路
10 実効値演算回路
11 比較回路
12 第1の動作タイマー回路
13 フリップフロップ回路
14、18 移相処理部
15 反転信号付第2の動作タイマー回路
16 第1のデジタル出力リレー回路
18−1 第1の移相回路
18−2 第2の移相回路
18−3 第3の移相回路
19 零クロス判定部
19−1 第1の零クロス判定回路
19−2 第2の零クロス判定回路
19−3 第3の零クロス判定回路
19−4 第4の零クロス判定回路
20 論理和回路
21 反転信号付第3の動作タイマー回路
22 論理和回路
23 デジタル入力回路
24 論理積回路
25 第4の動作タイマー回路
26 第2のデジタル出力リレー回路
30 絶対値判定部
30−1 第1の絶対値判定回路
30−2 第2の絶対値判定回路
30−3 第3の絶対値判定回路
30−4 第4の絶対値判定回路
40 過電流判定部(第1の過電流判定部)
50、51、52 電流復帰判定部(第2の過電流判定部)
60 復帰制御部
α、−α 零クロス判定閾値
I 電流
I0 電流(第1の電流データまたは電流データ)
I1、I2、I3 電流(第2の電流データまたは電流データ)
Irms 実効値
Is、α´ 判定値

Claims (6)

  1. 電力系統にて検出された電流に基づいて電力系統に設けられた遮断器を動作させて電力系統の保護を行う過電流継電器であって、
    前記電流の実効値と予め設定された判定値とに基づいて、前記過電流継電器出力を復帰させる第1の復帰信号を出力する第1の過電流判定部と、
    前記電流に含まれる直流成分を除去し、前記直流成分が除去された第1の電流データの位相を変化させる移相処理を行って移相処理後の第2の電流データを生成した後に、前記第1の電流データと前記第2の電流データとに基づいて、前記過電流継電器出力を復帰させる第2の復帰信号を出力する第2の過電流判定部と、
    前記第1の復帰信号と前記第2の復帰信号との何れかが入力されたとき過電流要素の動作信号を停止させる復帰制御部と、
    を備えたことを特徴とする過電流継電器。
  2. 前記第2の過電流判定部は、
    前記電流に含まれる直流成分を除去して前記第1の電流データを生成するデジタルフィルター回路と、
    前記第1の電流データの前記移相処理を行い、各々位相が異なる複数の電流データを前記第2の電流データとして生成する移相処理部と、
    前記デジタルフィルター回路からの前記第1の電流データと前記移相処理部からの前記各第2の電流データとが零クロスするか否かを判定し、前記第1の電流データと前記各第2の電流データとが何れも零クロスしないとき前記第2の復帰信号を出力する零クロス判定部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
  3. 前記第2の過電流判定部は、
    前記電流に含まれる直流成分を除去して前記第1の電流データを生成するデジタルフィルター回路と、
    前記第1の電流データの前記移相処理を行い、各々位相が異なる複数の電流データを前記第2の電流データとして生成する移相処理部と、
    前記デジタルフィルター回路からの前記第1の電流データの絶対値と、前記移相処理部からの前記各第2の電流データの絶対値とを各々求めると共に、これらの絶対値が所定の判定値以下であるか否かを判定し、これらの絶対値が何れも前記所定の判定値以下であるとき前記第2の復帰信号を出力する絶対値判定部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
  4. 電力系統にて検出された電流に基づいて電力系統に設けられた遮断器を動作させて電力系統の保護を行う過電流継電器であって、
    前記電流の実効値と予め設定された判定値とに基づいて、前記過電流継電器出力を復帰させる第1の復帰信号を出力する第1の過電流判定部と、
    前記電流に含まれる直流成分を除去すると共に位相を変化させる移相処理を行い各々位相が異なる複数の電流データを生成した後に、位相が異なる前記各電流データに基づいて前記過電流継電器出力を復帰させる第2の復帰信号を出力する第2の過電流判定部と、
    前記第1の復帰信号と前記第2の復帰信号との何れかが入力されたとき過電流要素の動作信号を停止させる復帰制御部と、
    を備えたことを特徴とする過電流継電器。
  5. 前記第2の過電流判定部は、
    前記複数の電流データを生成する移相処理部と、
    前記移相処理部からの前記各電流データが零クロスするか否かを判定し、前記各電流データが何れも零クロスしないとき前記第2の復帰信号を出力する零クロス判定部と、
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載の過電流継電器。
  6. 前記第2の過電流判定部は、
    前記複数の電流データを生成する移相処理部と、
    前記移相処理部からの前記各電流データの絶対値を各々求めると共に、これらの絶対値が所定の判定値以下であるか否かを判定し、これらの絶対値が何れも当該所定の判定値以下であるとき前記第2の復帰信号を出力する絶対値判定部と、
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載の過電流継電器。
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