JP3520947B2 - 回路遮断器 - Google Patents
回路遮断器Info
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Description
電を検出して電路を遮断する回路遮断器であって、特に
零磁束変流器(ZCT)のような漏電センサを用いるこ
となく漏電を検出する機能を備えた回路遮断器に関す
る。なお以下各図において同一の符号は同一もしくは相
当部分を示す。
例を示すブロック図である。同図において5はこの回路
遮断器の電源側端子、7は同じく負荷側端子、6は過電
流又は漏電の事故時に電源から負荷を切離すための開離
接点、123はこの開離接点6を作動する作動装置、1
22はこの作動装置123を付勢するためのトリップ回
路である。
めの変流器(CTとも略記する)、4は漏電検出用の零
磁束変流器(ZCTとも略記する)、101〜103は
夫々CT1〜3の検出電流を整流する全波整流器、10
4〜106は夫々全波整流器101〜103から出力さ
れるCT1〜3の検出電流を電圧に変換する負担回路、
107はZCT4の検出電流を電圧に変換する負担回
路、200〜202及び203は夫々負担回路104〜
106及び107の出力電圧を次に述べるA/D変換手
段に適合する電圧に変換増幅する信号変換回路である。
算手段116〜118,漏電実効値計算手段124,最
大値検出手段119,時限発生手段121等の機能部か
らなるマイクロコントローラである。信号変換回路20
0〜202及び漏電信号変換回路203から出力された
夫々CT1〜3及びZCT4の検出信号はマイクロコン
トローラ110に入力され、そのA/D変換手段111
を介してデジタル信号となる。マイクロコントローラ1
10は、このデジタル信号から夫々実効値計算手段11
6〜118及び漏電実効値計算手段124を介して、C
T1〜3及びZCT4により検出された実効値電流を計
算し、さらにCT1〜3の実効値電流については最大値
検出手段119を介しその最大値を検出し、この最大値
検出手段119又は漏電実効値計算手段124の出力す
る実効値電流が夫々所定の設定電流を越えると、時限発
生手段121を介し、この越えた値に対応する遅れ時限
を発生させ、この時限の経過後にトリップ回路122を
作動させ、作動装置123を介して開離接点6を開き、
電路を遮断する。
来の回路遮断器では漏電保護機能を作動させるために漏
電検出用センサとしてのZCT4を必要とし、そのため
装置のコストアップ及び大型化を招くという問題があ
る。そこで本発明はこの問題を解消し、漏電検出用セン
サ(ZCT)4を削除して、なお且つ漏電保護機能を有
する回路遮断器を提供することを課題とする。
めに請求項1の回路遮断器は、相別の各電線路から夫々
当該の線電流に比例する電圧を検出出力する線電流検出
手段(変流器1〜3,全波整流器101〜103,負担
回路104〜106など)と、この各相別の線電流の検
出電圧を夫々デジタル値に変換するA/D変換手段(1
11A)とを備え、このA/D変換手段の出力するデジ
タル値から(実効値計算手段116〜118,最大値検
出手段119などを介して)求めた何れかの線電流が定
格値を越えたときは(時限発生手段121,トリップ回
路122,作動装置123,開離接点6などを介し)電
線路を開放する回路遮断器において、前記A/D変換手
段の変換分解能の1ビット分に相当する電圧のピーク値
を持ち電線路の電源周波数より充分高い周波数の三角波
バイアス電圧(δ)を前記の各相別の線電流の検出電圧
に夫々重畳する手段(方形波発生手段112,三角波発
生部127,加算回路211〜213など)を備え、前
記三角波バイアス電圧の0とピークに挟まれる区間を所
定の複数区間に分割するサンプリング周期(Ts)で、
前記A/D変換手段が前記三角波バイアス電圧と線電流
の検出電圧との重畳電圧をデジタル値へ変換すると共
に、さらに、各電線路毎の、少なくとも前記三角波バイ
アス電圧の0とピークに挟まれる区間分の前記重畳電圧
のデジタル変換値の積算値から線電流に含まれる零相電
流を求め、この零相電流が定格値を越えたときは、(時
限発生手段121等を介して)電線路を開放する漏電時
電路開放手段(零相分検出手段120)を備えるように
する。
記載の回路遮断器において、各電線路毎の前記重畳電圧
のデジタル変換値または積算値から、夫々周期的信号の
みを抽出する適応フィルタ手段(113〜115)を備
え、前記漏電時電路開放手段がこの抽出された周期的信
号成分を用いて前記のように零相電流を求めるようにす
る。
は2に記載の回路遮断器において、前記A/D変換手段
がマイクロコントローラ(110)に内蔵されてなるよ
うにする。本発明ではZCT4のような漏電検出用セン
サを用いず、CT1〜3から過電流のみならず、通常の
電流に重畳している漏電電流のような微小電流も検出し
ようとするものである。
解能は変えずに、負担回路104〜106の出力にA/
D変換手段の変換分解能の1ビット分に相当するピーク
値の三角波バイアス電圧を重畳して信号変換回路に与
え、この信号変換回路の出力(重畳信号)のサンプリン
グに基づくA/D変換値の積算値を求めることで、A/
D変換手段の実効的な変換分解能を漏電電流の検出可能
なレベルにまで高める。
イズ成分を取除いて周期的信号成分のみを抽出する適応
フィルタ手段を付加し、その抽出値から得た実効値を加
減算し、漏電電流(零相電流成分)を求める。
構成を示すブロック図で、図6に対応するものである。
図1の図6に対する主要な相違点を述べると、図1にお
いては零磁束変流器(ZCT)4及びその関連回路が取
除かれ、これに代わりマイクロコントローラ110の外
部には、マイクロコントローラ110の出力方形波を三
角波に変換する三角波発生部127、この三角波発生部
127の出力する三角波バイアス電圧δを3相の各ライ
ン別の負担回路104〜106の出力に重畳する加算回
路211〜213が新設されている。
は、A/D変換手段が新たなA/D変換手段111Aに
置換わると共に、三角波発生部127に方形波を与える
方形波発生手段112、3相の各電線路別のA/D変換
出力から夫々ノイズ成分を取除き、周期的成分のみを抽
出する適応フィルタ手段113〜115、各線電流の実
効値から零相電流(漏電値)の成分を検出する零相分検
出手段120が新たに追加されている。
事故電流が流れると、各相に対応する変流器(CT)
1,2,3はその2次側に出力電流を誘起する。この各
出力電流は夫々の全波整流器101,102,103に
より極性変換され、正弦半波が一方向極性に連続して並
んだ全波整流波形の電流が対応する負担回路104,1
05,106に夫々供給される。各負担回路104,1
05,106の出力信号は各相ごとに加算回路211,
212,213によって、次に述べる三角波バイアス電
圧δを加算重畳されたのち、各相毎の信号変換回路20
0,201,202によって増幅される。
る電圧信号がマイクロコントローラ110のA/D変換
手段111Aに入力される。マイクロコントローラ11
0は所定のプログラムに従い動作を実行する。またマイ
クロコントローラ110内で方形波発生手段112にて
交流電源の周期より極めて短い、或る一定周期(例えば
4μs)の方形波を三角波発生部127に入力して三角
波バイアス電圧δを簡便な方式で発生している。この三
角波バイアス電圧δのピーク値はA/D変換手段111
Aの最低分解能(1LSB )相当の大きさとする。この三
角波バイアス電圧δを前述のように夫々加算回路211
〜213に入力する。そして各負担回路104〜106
の出力信号と三角波バイアス電圧δとが加算された出力
を各信号変換回路200〜202に入力する。
D変換手段111Aは、信号変換回路200〜202の
夫々の出力信号をデジタル変換し、或るサンプリング数
(ここでは2m回とする)分のデジタル値を加算する。
この方式によりA/D変換手段111Aの分解能の実効
的な向上を実現する。図2はこの動作の説明図で、同図
(A)はA/D変換手段111Aへの入力レベルで見た
三角波バイアス電圧δの波形を示し、同図(B)はCT
(例えば1)の検出に基づく負担回路(例えば104)
の出力(電流検出電圧eIと呼ぶ)と三角波バイアス電
圧δとの重畳信号(加算信号)をA/D変換手段111
Aの入力レベルで見た波形を示す。
δの周期Tδは交流電源の周期より極めて短く、この例
では4μsとする。また三角波バイアス電圧δはTδ/
2=2μsの周期で上昇,下降を交互に繰返している。
そして三角波バイアス電圧δのピーク値はA/D変換手
段111Aの1ビット分の分解能のレベルとする。例え
ばA/D変換手段111Aがマイクロコントローラ11
0に通常に内蔵されているもののように、フルスケール
レベル5Vで10ビットの分解能を持つとすると、三角
波バイアス電圧δのピーク値は5V/(210=1024)≒5m
Vとなる。
の動作を示すフローチャートで、S1〜S9はそのステ
ップを示す。以下では図5も参照しつつ説明する。A/
D変換手段111Aは三角波バイアス電圧δと同期し
て、その周期Tδ間に等間隔で2m回のサンプリングを
行う(図5,S1)。この例ではm=24 =16であ
り、サンプリング周期Tsは4μs/2×16=0.1
25μsである。なおこの場合、A/D変換手段111
Aとしては高速型(例えばΔ−Σ型)を使用する。
出力、つまり電流検出電圧eIと三角波バイアス電圧δ
とが加算されたものであり、この信号変換回路の出力レ
ベルは、三角波バイアス電圧δが0の時点t0におい
て、理想の高分解能のA/D変換手段の変換出力レベル
に置換えた場合、nとn+1の間にあると仮定する。こ
の場合現実のA/D変換手段111Aの変換出力値はn
として示される。
めて短いので、電流検出電圧eIの変化は三角波バイア
ス電圧δの1/2〜1周期(Tδ/2〜Tδ)の期間で
は無視することができる。ここで時点t0から三角波バ
イアス電圧δが漸増して行くと、A/D変換値は或る時
刻t1のサンプリング値でn+1に変化する。この場合
m回のサンプリング中のk回目にn+1に変化したとす
ると、下記の式(1)で半周期Tδ/2の期間における
各サンプリングでのA/D変換値の積算値rが求まる。
2μs毎に各相ごとの積算値rを出力する(図5,S
2)。このときA/D変換手段111Aの分解能が10
ビットで、m=24 =16であれば、A/D変換手段1
11Aの実効的な分解能は、10+4=14ビットにア
ップする。
これは回路遮断器の定格が30Aで漏電遮断機能が30
mAとした場合、CT1〜3の1次側の値としての30
Aと30mAの変化を識別可能とするために必要なA/
D変換の分解能はほぼ(30/0.03)×16=16
000となり、これは14ビット(214=16384)
に相当するからである。
1Aを用い、高分解能のA/D変換機能を実現可能とし
ている。上記の積算値rを適応フィルタ手段113,1
14、115に入力する。これは14ビット程度にA/
D変換手段111Aの実効的な分解能を高める場合、A
/D変換手段のフルスケールが5Vとすると、最低分解
能(1LSB )の電圧レベルは0.3mV程度となり、ノ
イズに埋もれて識別困難となる。そのため、このノイズ
成分を除去して有効信号成分のみを取出す必要がある。
この場合、電線路の商用周波数は50Hz又は60Hz
であり、有効信号成分はその基本波及び高調波成分が主
であるため、適応フィルタ手段113〜115によっ
て、この電源周波数の調波成分以外の成分を取除くもの
である(図5,S3)。
原理図で、この図はノイズキャンセラの処理の一例であ
るLMS(Least Mean Squareの略)
法の原理を示す。同図においては出力信号y[n]は参
照信号γ[n]と比較され、その結果が誤差信号ε
[n]として得られる。ここでnはサンプリングの番号
である。適応フィルタはこの誤差信号ε[n]ができる
だけ小さくなるように、係数修正アルゴリズム301に
よって、内蔵するフィルタ300に対する係数(フィル
タ係数という)を変えていく。ここでの内蔵フィルタ3
00は一般的にFIR(有限インパルス応答: Finite
Impulse Responseの略)型のフィルタとする。
Mサンプリング遅れた信号x[n−M]を作るための遅
延器である。一般に雑音のようなランダムな信号の自己
相関関数は、遅延が0のとき最大で、遅延が大きくなる
につれて急激に減少する。一方、周期的な信号の自己相
関関数は遅延が0及び周期の整数倍のところで最大とな
り、それ以外のところでも急激に減少することは無い。
従って入力信号をMサンプリング遅らせる遅延器を挿入
することで、x[n]とy[n]の雑音成分間の相関は
非常に小さくなり、一方、x[n]とy[n]の周期的
成分の信号相関は或る程度大きくなる。
用いたLMS法のアルゴリズムの具体的なブロック図で
ある。ここでは誤差信号ε[n]が小さくなるようにフ
ィルタ係数hj[n](但しj=0〜N,N:フィルタ
次数)を更新するアルゴリズムを示している。適応フィ
ルタ手段113,114,115により以上のソフト的
な処理を行ってノイズ成分を除去した、CT1,2,3
に対応する適応フィルタ出力130,131,132を
夫々実効値計算手段116,117,118に入力し
て、各相電流の実効値換算の瞬時値を計算する(図5,
S4)。そして電源1周期分のこの瞬時値データから実
効値を求め、この3相の各相電流の実効値を、一方では
最大値検出手段119に入力して最大値を検出する(図
5,S5及びS6)。また他方ではこの3相の各相電流
の実効値を零相分検出手段120によって加減算して漏
電電流値(零相電流成分)を検出する(図5,S7)。
119は夫々検出値が自身に対応して設定された定格値
以上になった場合に、時限発生手段121にその検出値
を入力する。時限発生手段121はその入力値に応じた
時限の遅延時間を経てトリップ回路122に出力信号を
与える。これにより作動装置123が開離接点6を駆動
して電線路を開放する(図5,S8及びS9)。
別の電流検出手段は全て均等の機能を持つものとして説
明したが、もしこれらの手段の機能間に無視できないバ
ラツキがある場合には、予めこの差異を補正する手段を
設け、例えば零相分検出手段120の演算結果をこの補
正手段によって補正すればよい。
漏電電流を検出して電線路を開放する回路遮断器におい
て、変流器(CT)による電線路の電流検出信号をデジ
タル信号に変換するA/D変換手段の実効的な変換分解
能を高めるため、この電流検出信号に電源周波数より充
分高い周波数でA/D変換手段の1ビット分のピーク値
を持つ三角波バイアス電圧を重畳し、この重畳後の信号
を三角波の0とピークの間を細分したサンプリング周期
でA/D変換すると共に、このA/D変換値の三角波の
半周期毎の積算値を求め、さらに適応フィルタ手段を介
し、この積算値に含まれるノイズ成分を除去して周期的
信号成分のみを抽出し、その抽出値を基に実効値計算処
理を行い、その実効値の3相分の値を加減算して漏電電
流(零相電流)を求めるようにしたので、零磁束変流器
(ZCT)のような、従来の漏電検出センサを必要とせ
ず、漏電電流を検出できるため、回路遮断器のコストダ
ウン及び小型化を実現することができる。
タを用いたLMSアルゴリズムのブロック図
ーチャート
Claims (3)
- 【請求項1】相別の各電線路から夫々当該の線電流に比
例する電圧を検出出力する線電流検出手段と、 この各相別の線電流の検出電圧を夫々デジタル値に変換
するA/D変換手段とを備え、 このA/D変換手段の出力するデジタル値から求めた何
れかの線電流が定格値を越えたときは電線路を開放する
回路遮断器において、 前記A/D変換手段の変換分解能の1ビット分に相当す
る電圧のピーク値を持ち電線路の電源周波数より充分高
い周波数の三角波バイアス電圧を前記の各相別の線電流
の検出電圧に夫々重畳する手段を備え、 前記三角波バイアス電圧の0とピークに挟まれる区間を
所定の複数区間に分割するサンプリング周期で、前記A
/D変換手段が前記三角波バイアス電圧と線電流の検出
電圧との重畳電圧をデジタル値へ変換すると共に、さら
に、 各電線路毎の、少なくとも前記三角波バイアス電圧の0
とピークに挟まれる区間分の前記重畳電圧のデジタル変
換値の積算値から線電流に含まれる零相電流を求め、こ
の零相電流が定格値を越えたときは、電線路を開放する
漏電時電路開放手段を備えたことを特徴とする回路遮断
器。 - 【請求項2】請求項1に記載の回路遮断器において、 各電線路毎の前記重畳電圧のデジタル変換値または積算
値から夫々周期的信号のみを抽出する適応フィルタ手段
を備え、前記漏電時電路開放手段がこの抽出された周期
的信号成分を用いて前記のように零相電流を求めること
を特徴とする回路遮断器。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の回路遮断器におい
て、 前記A/D変換手段がマイクロコントローラに内蔵され
てなることを特徴とする回路遮断器。
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JP13401896A JP3520947B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 回路遮断器 |
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JP13401896A Expired - Fee Related JP3520947B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 回路遮断器 |
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