JP5546143B2 - 透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体及び透明薄膜形成用材料 - Google Patents

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Description

本発明は、透明薄膜形成用のIn−Ga−Zn系の複合酸化物焼結体及び透明薄膜形成用材料に関する。
液晶表示装置や薄膜エレクトロルミネッセンス及び有機EL表示装置等において、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のチャネル層や透明電極用の透明薄膜として、従来、主として、アモルファスシリコン膜が使用されてきた。
しかし、近年、この透明薄膜として、In−Ga−Zn系複合酸化物(IGZO)を主成分とするアモルファス半導体膜が、前記アモルファスシリコン膜よりもキャリヤの移動度が大きいという利点から注目されている(例えば、特許文献1、2)。
特開2008−214697号公報 特開2008−163441号公報
前記のIGZOを主成分とするアモルファス半導体膜として、従来は、主として、InGaZnOを主体とするIGZO焼結体から作製されたスパッタリングターゲット等の透明薄膜形成用材料を用いて、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、スパッタリング法等様々の方法により、InGaZnOを主組成とするアモルファス半導体膜が形成されていた。
しかし、近年、キャリヤの移動度や薄膜トランジスタ等の作製工程における耐エッチング性等がより優れたアモルファス半導体膜として、よりZnO含有率の小さなIGZOアモルファス半導体膜が求められており、特に、このような優れたアモルファス半導体膜を形成するためのスパッタリングターゲット等の透明薄膜形成用材料が求められている。
このため、本発明は、このような優れたIGZOアモルファス半導体膜を形成することができる透明薄膜形成用材料、及びこの透明薄膜形成用材料を作製するためのIGZO焼結体を提供することを課題とする。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものである。以下に本発明に関連する第1〜第10の技術について説明する。
本発明に関連する第1の技術は、
インジウム元素(In)、ガリウム元素(Ga)、亜鉛元素(Zn)を含み、InGaZnOで表される化合物の結晶が主体であることを特徴とする透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体である。
InGaZnOで表される化合物の結晶が主体である複合酸化物焼結体、特にInGaZnO単相構造のIGZO焼結体から作製した透明薄膜形成用材料を用いてInGaZnOを主組成とするアモルファス半導体膜を形成することにより、キャリヤの移動度や薄膜トランジスタ等の作製工程における耐エッチング性等が従来以上に優れたIGZOアモルファス半導体膜を形成することができる。
このような複合酸化物焼結体は、一般に、モル比が1:1:1のIn、Ga及びZnOを出発原料として作製されるが、反応が不充分な混合物や化合物状態であると、膜の形成時、蒸気圧が高いZnOのみが先に蒸発し易いため、膜の組成にズレが生じ、安定して均一なInGaZnOを主組成とするアモルファス半導体膜を得ることが困難になる。
このため、本技術における複合酸化物焼結体のInGaZnO化合物は、できるだけ単一な結晶相である必要がある。特に、未反応のZnO、Inや中間生成物であるZnGa等を含まないことが好ましい。
なお、本技術において、「主体」とは、InGaZnOの結晶の含有率が50%超であることを指しており、例えば、InGaZnO以外にInGaZnO等、他の組成の結晶が一部混ざっていても良い。InGaZnOの結晶の含有率が90%以上であるとより好ましい。
本発明に関連する第2の技術は、
In、Ga、ZnO換算したときのモル比の1:1:1からのズレが5%以内であることを特徴とする第1の技術に記載の透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体である。
前記した通り、InGaZnOは、モル比が1:1:1のIn、Ga及びZnOを出発原料として作製されるが、焼成工程などでZnOが蒸発し易いため、焼結体ではZnOがやや少なくなり、得られた焼結体ではIn、Ga、ZnO換算したときのモル比が1:1:1からズレて、InGaZnO単相構造が主体のIGZO焼結体が得られない恐れがある。ズレが5%以内であると、このような問題が発生せず、InGaZnO単相構造が主体のIGZO焼結体を得ることができる。
本発明に関連する第3の技術は、
InGaZnOで表される化合物の結晶を含むことを特徴とする第1の技術または第2の技術に記載の透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体である。
前記した通り、InGaZnO以外に他の組成の結晶が一部混ざっていても良いが、InGaZnOが一部混ざった複合酸化物焼結体は、膜組成のズレが比較的小さいため、優れたIGZOアモルファス半導体膜を形成することができる。
本発明に関連する第4の技術は、
前記InGaZnOで表される化合物の結晶の含有率が10wt%以下であることを特徴とする第3の技術に記載の透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体である。
InGaZnOの結晶の含有率が10wt%以下と小さいため、膜組成のズレが特に小さく、優れたIGZOアモルファス半導体膜を形成することができる。
本発明に関連する第5の技術は、
第1の技術ないし第4の技術のいずれかに記載の透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体から作製されていることを特徴とする透明薄膜形成用材料である。
InGaZnO化合物の結晶を主体とした複合酸化物焼結体から作製された透明薄膜形成用材料であるため、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、スパッタリング法等様々の方法を用いた成膜工程において、安定して均一な膜形成が可能となり、キャリヤ移動度が大きく、耐エッチング性等に優れたInGaZnOを主組成とするアモルファス半導体膜を得ることができる。
本発明に関連する第6の技術は、
成膜用ターゲットであることを特徴とする第5の技術に記載の透明薄膜形成用材料である。
InGaZnO化合物の結晶を主体とした複合酸化物焼結体から作製された透明薄膜形成用材料は、前記の通り、優れたInGaZnOを主組成とするアモルファス半導体膜を得ることができるため、成膜用ターゲットとして好適である。
なお、ここでいう「成膜用ターゲット」とは、透明薄膜形成用材料をプレート状の成膜材料に加工したものや、当該プレート状の成膜材料に加工したものをバッキングプレート(スパッタリングターゲット材を貼り付けるための裏板)に貼り付けたものの総称である。
バッキングプレートは、無酸素銅を初めとする各種合金、スチール、ステンレススチール、アルミニウム及びアルミニウム合金、モリブデンやチタンといった素材を基に作成することができる。
そして、成膜用ターゲットは、直径が1cmのサイズから2mを超える大型LCD用スパッタリングターゲットのサイズに至るまで作製可能であり、形状としては丸型、角型等が例示される。
本発明に関連する第7の技術は、
気孔率が理論密度比で5%以下のスパッタリングターゲットであることを特徴とする第6の技術に記載の透明薄膜形成用材料である。
気孔率が5%以下と小さく、欠陥の少ない高密度の複合酸化物焼結体から作製されたスパッタリングターゲットであるため、放電等の安定したスパッタリングを行うことができ、パーティクルの発生が少なくノジュールの生成も抑えられた均一性の高いアモルファス半導体膜を得ることができる。
本発明に関連する第8の技術は、
体積抵抗が10−2Ω・cm以下であることを特徴とする第6の技術または第7の技術に記載の透明薄膜形成用材料である。
体積抵抗が10−2Ω・cm以下と小さく、導電性に優れた成膜用ターゲットであるため、特に、DCスパッタリング法や高周波マグネトロンスパッタリング法におけるスパッタリングターゲットとして好適であり、DCスパッタリング法や高周波マグネトロンスパッタリング法における成膜速度が速く、安定して均一なアモルファス半導体膜の形成を効率よく経済的に行うことができる。
本発明に関連する第9の技術は、
Naの含有量が25ppm以下であることを特徴とする第6の技術ないし第8の技術のいずれかに記載の透明薄膜形成用材料である。
成膜用ターゲットにNaが含有されていると、Naが含有されたアモルファス半導体膜が形成される。Naはアモルファス半導体膜を突き破り、TFTや透明電極等の機能を阻害する恐れがある。Naの含有量が25ppm以下であれば、このような問題が発生する恐れがない。10ppm以下であるとより好ましい。
本発明に関連する第10の技術は、
不純物の含有量が100ppm以下であることを特徴とする第6の技術ないし第8の技術のいずれかに記載の透明薄膜形成用材料である。
不純物の含有量が100ppm以下と少ないため、TFTや透明電極として安定した性能を発揮させることが可能なアモルファス半導体膜を得ることができる。
前記不純物としては、具体的には、Cd、Cu、Fe、K、Ni、Pb等を挙げることができる。各不純物の含有量は、それぞれ10ppm以下で、かつ合計量が100ppm以下であることがより好ましい。
本発明は上記の技術に基づいてなされたものであり、請求項1に記載の発明は、
インジウム元素(In)、ガリウム元素(Ga)、亜鉛元素(Zn)を含み、InGaZnOで表される化合物の結晶が主体であり、
InGaZnOで表される化合物の結晶を含み、かつ前記InGaZnO で表される化合物の結晶の含有率が10wt%以下であり、
ZnGaで表される化合物の結晶を含まず、
体積抵抗が10−2Ω・cm以下であり、
Naの含有量が25ppm以下であり、
さらに、成膜用ターゲットとして使用されることを特徴とする透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体である。
また、請求項2に記載の発明は、
In、Ga、ZnO換算したときのモル比の1:1:1からのズレが5%以内であることを特徴とする請求項1に記載の透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体である。
また、請求項に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載の透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体から作製されていることを特徴とする透明薄膜形成用材料である。
また、請求項に記載の発明は、
不純物の含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求項に記載の透明薄膜形成用材料である。
本発明によれば、キャリヤの移動度や薄膜トランジスタ等の作製工程における耐エッチング性等が従来以上に優れたIGZOアモルファス半導体膜を形成することができる透明薄膜形成用材料、及びこの透明薄膜形成用材料を作製するためのIGZO焼結体を提供することができる。
参考例の仮焼粉体のX線回折図である。 参考例のIn−Ga−Zn系複合酸化物焼結体のX線回折図である。 参考例のIn−Ga−Zn系複合酸化物焼結体の破断面のSEM写真である。 実施例のIn−Ga−Zn系複合酸化物焼結体のX線回折図である。 実施例のIn−Ga−Zn系複合酸化物焼結体のX線回折図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
はじめに本発明に用いる原料粉末とその混合方法および焼成について概要を説明する。
1.原料粉末
前記したように、本発明の焼結体は、Cd、Cu、Na等の不純物含有量が少ないことが好ましい。このため、原料粉末には純度99.99%以上の高純度のIn、Ga、ZnOの粉末が好ましく用いられる。
2.原料粉末の混合
原料粉末の混合には乾式、湿式の何れの混合方式を用いてもよい。具体的には、通常のボールミルや遊星ボールミルを用いて混合される。また、湿式の混合方式により混合を行った場合の乾燥には自然乾燥やスプレードライヤ等の乾燥方法が好ましく用いられる。
3.焼成(焼結)
イ.焼成温度
焼成温度は1500〜1600℃が好ましい。1500℃未満の場合は95%以上の密度比(焼結体の密度の理論密度に対する比)を有する焼結体が得られず、1600℃を超える場合は、ZnOの蒸発による焼結体の組成の変化や焼結体中に気孔が発生したり、焼結体の変形が大きくなる恐れがある。
ロ.焼結方式
雰囲気については大気雰囲気や不活性ガス雰囲気が好ましく用いられる。また、焼成時のZnOの蒸発を抑制するため加圧ガス中の焼成、ホットプレス焼成あるいはHIP(熱間静水圧処理)焼結を用いてもよい。なお、過剰な酸素を含む雰囲気中で焼成すると充分な導電性が得られない恐れがある。
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。
参考例
参考例は、材料としてIn粉末、Ga粉末及びZnO粉末の混合粉末を用い、前記混合粉末を仮焼後、仮焼粉体を一軸加圧成形により成形した後、焼結してターゲットとなる焼結体を作製した例である。
1.材料粉末の粉砕混合
In(純度99.99%、BET比表面積5m/g)、Ga(純度99.99%、BET比表面積11m/g)及びZnO(純度99.99%、BET比表面積4m/g)の各粉末を、モル比で1:1:1の比率となるように秤量し、ボールミル装置を用いて3時間粉砕混合した。なお、分散媒には水を用いた。粉砕混合後スプレードライヤで乾燥した。
2.仮焼
次に、得られた混合粉末をアルミナ製ルツボに入れ、大気雰囲気中、1100℃で5時間仮焼を行ない、仮焼粉体を得た。得られた仮焼粉体のX線回折測定を行なった。図1は仮焼粉体のX線回折図である。図1に示すように、2θが35.5°、57.3°、62.8°付近等にZnGaに固有の回折ピークが検出され、30.7°、51.2°、60.8°付近等にInに固有の回折ピークが検出された。
3.成形および焼結
次に、得られた仮焼粉体を一軸加圧成形により加圧成形し、直径100mm、厚さ約9mmの円板状の成形体を得た。得られた成形体を大気雰囲気中、1550℃で12時間焼成して焼結体を得た。得られた焼結体は、直径が80mmに収縮(厚さは約7mm)しており、外観は黒灰色であった。
4.ターゲットの作製
次に、得られた焼結体を直径76.2mm、厚さ5.0mmに加工してターゲットとした。
5.特性評価
ターゲットとなる焼結体のX線回折測定、ICP発光分析による組成分析、SEMによる破断面の観察、密度および導電性(体積抵抗)の測定を行なった。
(1)X線回折測定
X線回折測定により測定された焼結体のX線回折図を図2に示す。図2には2θが30.3°、35°、57°付近等にInGaZnOに固有の回折ピークが認められ、焼結体には主としてInGaZnOが生成していることが確認された。また、ほぼ単相であることが分かった。
(2)組成分析
組成分析の結果、焼結体に含まれるIn、Ga、Znのwt%は、それぞれIn:42.6%、Ga:25.8%、Zn:11.5%であった。この結果をIn、Ga、ZnOのモル比に換算するとIn:Ga:ZnO=1.05:1.05:1.00となり、モル比が1:1:1からのズレが0.05、すなわち5%であることが確認できた。
(3)SEMによる破断面の観察
焼結体の破断面の観察により得られたSEM写真を図3に示す。図3より、焼結体の結晶粒径はおよそ20〜30μmであり、気孔については0.5〜3μmの気孔がわずかに散見されるのみであることが分かった。
(4)密度および体積抵抗の測定
アルキメデス法(水中法)により得られた焼結体の密度を測定した。また、焼結体のX線回折データの格子定数から計算される理論密度は6.494g/cmであり、測定された密度の、理論密度に対する比(密度比)を算定した。また、抵抗率計(三菱油化社製、ロレスタ)を使用して四探針法により焼結体の体積抵抗を測定した。密度と体積抵抗の測定結果および密度比の算定結果を後記する実施例、実施例の結果と併せて表1に示す。
(実施例
本実施例は、参考例と同様にして作製した仮焼粉体をCIP(冷間静水圧)成形により成形した後、焼結を行なって焼結体を作製し、さらにHIPを行なってターゲットとなる焼結体を作製した例である。
1.仮焼粉体の作製
参考例と同様にして、仮焼粉体を作製した。
2.成形および焼結
得られた仮焼粉体を解砕、粉砕後CIP成形により加圧成形し、直径約95mm、厚さ約9mmの円板状の成形体を得た。得られた成形体を大気雰囲気中、1520℃で12時間焼成して焼結体を得た。得られた焼結体は、直径が80mmに収縮(厚さは約7.5mm)しており、外観は黒灰色であった。参考例と同様にして焼結体の密度を測定した結果、吸水は認められず、密度は6.2g/cmであり、理論密度6.494g/cmに対する密度比は95%であった。また、得られた焼結体のX線回折測定を行なった。
3.X線回折測定と組成分析
測定により得られたX線回折図を図4に示す。図4には主としてInGaZnOに固有の回折ピークが認められ、また、2θが20.5°付近にInGaZnOに固有の回折ピークがわずかに認められた。このようにX線回折測定結果から焼結体には主としてInGaZnOが生成していることが確認された。また、約数wt%程度のInGaZnOが混在していることが分かった。また、ICP発光分析による組成分析の結果、In、Ga、ZnOのモル比の1:1:1からのズレが5%以内であることが確認された。
4.ターゲットの作製
得られた焼結体をArガス雰囲気中、1500℃、152MPa、1時間でHIPを行なった後、直径76.2mm、厚さ5mmに加工してターゲットとした。
5.密度および体積抵抗の測定
参考例と同様にして作製した焼結体の密度を測定し、密度比を算定した。また、体積抵抗を測定した。密度と体積抵抗の測定結果および密度比の算定結果を参考例および後記する実施例の結果と併せて表1に示す。
(実施例
本実施例は、参考例と同様にして作製した仮焼粉体をArガス雰囲気中でホットプレスを行なった後、Ar雰囲気中でアニール処理してターゲットとなる焼結体を作製した例である。
1.仮焼粉体の作製
参考例と同様にして、仮焼粉体を作製した。
2.成形および焼結
得られた仮焼粉体を参考例で用いた一軸加圧成形により直径約60mm、厚さ15mmの円板状に成形した後、得られた成形体をアルミナ系酸化物セラミックス製の型を用いてArガス雰囲気中、1500℃、24.5MPaで2時間ホットプレス焼結して焼結体を得た。焼結体の厚さは成形体に対して約50%収縮した。ホットプレス焼結後の焼結体の密度比は98%であった。さらに、得られた焼結体をArガス雰囲気中、1550℃で8時間アニール処理した。
3.ターゲットの作製
アニール処理をした焼結体を直径50.8mm、厚さ6mmに加工してターゲットとした。
4.X線回折、組成分析、密度および体積抵抗の測定
参考例と同様にして作製したターゲットとなる焼結体のX線回折測定、ICP発光分析による組成分析を行った。また、密度を測定し、密度比を算定した。さらに、体積抵抗を測定した。図5にX線回折図を示す。図5より、焼結体には主としてInGaZnOが生成していることが確認された。また、2θが20.5°付近にInGaZnOに固有の回折ピークがわずかに認められ、InGaZnOも存在していることが確認された。また、ICP発光分析による組成分析の結果、In、Ga、ZnOのモル比の1:1:1からのズレが5%以内であることが確認された。密度と体積抵抗の測定結果および密度比の算定結果を参考例、実施例の結果と併せて表1に示す。
表1より、参考例および実施例1、2において作製された焼結体は、密度比が99%以上であることが分かる。また、体積抵抗が10−2Ωcmを下回っていることが分かる。
なお、参考例および実施例1、2において作製された焼結体について、ICP発光分析によりCd、Cu、Fe、K、Ni、Pbの含有量を調査した結果、何れのターゲットについても個々の不純物元素の含有量は10ppm以下であり、またこれらの不純物元素の総含有量は100ppm以下であることが確認された。また、同様にICP発光分析によりNaの含有量を調査した結果、2〜20ppmであることが確認された。
以上詳述したように、実施例1、2において作製された焼結体は、InGaZnOを主体とする焼結体であるため、これらの焼結体をターゲットに用いてInGaZnOを主体とする膜をスパッタ等で成膜した時の膜組成のズレが起きにくく、キャリアの移動度が大きく、安定したアモルファス半導体膜を作製することができる。
また、密度比が95%以上(気孔率が5%以下)と高密度な焼結体であるため、ターゲットとして欠陥が少なく、放電などの安定したスパッタ等が行われ、パーティクルの発生が少なくノジュールの生成も抑えられた均一性の高いアモルファス半導体膜を作製することができる。
また、体積抵抗が10−2Ωcmを下回っているため、特にDCスパッターリング用のターゲットとして好適である。
さらに、不純物量が少ないため、本実施例の焼結体をターゲットに用いて成膜することにより、しきい値電圧の変動が抑制され、TFTや有機EL用として安定した作動状態を有するアモルファス半導体膜を作製することができる。

Claims (4)

  1. インジウム元素(In)、ガリウム元素(Ga)、亜鉛元素(Zn)を含み、InGaZnOで表される化合物の結晶が主体であり、
    InGaZnOで表される化合物の結晶を含み、かつ前記InGaZnO で表される化合物の結晶の含有率が10wt%以下であり、
    ZnGaで表される化合物の結晶を含まず、
    体積抵抗が10−2Ω・cm以下であり、
    Naの含有量が25ppm以下であり、
    さらに、成膜用ターゲットとして使用されることを特徴とする透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体。
  2. In、Ga、ZnO換算したときのモル比の1:1:1からのズレが5%以内であることを特徴とする請求項1に記載の透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の透明薄膜形成用の複合酸化物焼結体から作製されていることを特徴とする透明薄膜形成用材料。
  4. 不純物の含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求項に記載の透明薄膜形成用材料。
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