JP5387247B2 - 導電性酸化物 - Google Patents

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本発明は、導電性酸化物に関する。
液晶表示装置や薄膜エレクトロルミネッセンスおよび有機EL表示装置等において、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のチャンネル層や透明電極用の透明薄膜として、従来、主として、アモルファスシリコン膜が使用されてきた。
しかし、近年、この透明薄膜として、In−Ga−Zn系複合酸化物(IGZO)を主成分とするアモルファス半導体膜が、アモルファスシリコン膜よりもキャリアの移動度が大きいという利点から注目されている(たとえば、特許文献1)。この特許文献1には、アモルファス半導体膜は、ターゲットを使用するスパッタリング法により形成されることが開示されている。
特開2008−199005号公報
上記特許文献1に開示のターゲットを使用するスパッタリング法によりアモルファス半導体膜を形成する場合には、ターゲット表面に発生するノジュールを抑制することが望まれている。
したがって、本発明は、ノジュールの発生を抑制できる導電性酸化物を提供することである。
本発明の導電性酸化物は、結晶質の導電性酸化物であって、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)および窒素(N)を含み、窒素の濃度が7×1019(atom/cc)以上であり、スパッタリング法のターゲットに用いることを特徴とする。
本発明者は、ターゲット表面に発生するノジュールを抑制するために鋭意研究した結果、窒素を上記濃度で含有することがノジュールの発生の抑制に有効であることを見い出した。したがって、ノジュールの発生を抑制できる導電性酸化物を実現できる。
上記導電性酸化物において好ましくは、Inの濃度とGaの濃度とZnの濃度との合計の濃度に対するInの濃度の比が0.3以上0.6以下であることを特徴とする。
本発明者は、ノジュールの発生をさらに抑制するために上記比が0.3以上であることが有効であることを見い出した。上記比になるようにInの濃度を高くするとノジュールの抑制には効果があるが、得られた膜のキャリア濃度が高くなり、所望のオンオフ比を達成できない場合がある。そこで、本発明者はInによるキャリア濃度の増加を抑制するために鋭意研究した結果、Nでキャリア電子をトラップすることで、Inによるキャリア濃度の増加をさらに抑制できることもさらに見い出した。この観点から、上記比が0.6以下の場合、Inによるキャリア濃度の増加を抑制できるので、さらにオンオフ比を向上することができる。
本発明の導電性酸化物は、表面に発生するノジュールを抑制することができる。したがって、導電性酸化物をスパッタリング法のターゲットに好適に用いることができる。
以上説明したように、本発明の導電性酸化物によれば、ノジュールの発生を抑制することができる。
以下、発明の実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態における導電性酸化物は、In、Ga、Zn、OおよびNを含む。導電性酸化物は、In、Ga、Zn、OおよびNを主成分とし、残部が不可避的不純物であることが好ましい。
導電性酸化物のN濃度は、7×1019atom/cc以上であり、3×1020atom/cc以上8×1023atom/cc以下が好ましく、3×1020atom/cc以上8×1022atom/cc以下が好ましい。7×1019atom/cc以上の場合、ノジュールを抑制できる。3×1020atom/cc以上の場合、ノジュールをより抑制できる。8×1023atom/cc以下の場合、得られる半導体膜が絶縁性になることを抑制できる。8×1022atom/cc以下の場合、得られる半導体膜のキャリア濃度が低くなりすぎることを抑制できる。得られる半導体膜の絶縁もしくはキャリア濃度が低くなりすぎることを抑制できると、TFTとしての特性の劣化を抑制することができる。
ここで、上記Nの濃度は、SIMSで測定される値であり、単位体積当たりの原子の数を意味する。
導電性酸化物において、Inの濃度とGaの濃度とZnの濃度との合計の濃度に対するInの濃度の比(In/(In+Ga+Zn))が0.3以上0.6以下であることが好ましく、0.4以上0.5以下であることがより好ましい。比が0.3以上の場合、ノジュールをより抑制できる。比が0.4以上の場合、ノジュールをより効果的に抑制できる。比が0.6以下の場合、得られる半導体膜のキャリア濃度が高くなりすぎないので、TFTなどに用いる場合には、オンオフ比を向上できる。つまり、ゲート電圧が低くてもオフにすることができるのでTFTに好適に用いることができる。比が0.5以下の場合、オンオフ比をより向上できる。
ここで、上記Inの濃度、Gaの濃度、Znの濃度は、RBS(ラザフォード後方散乱分光法)により測定される値(単位:atom%)である。上記比は、測定されたそれぞれの濃度の値から算出される値である。
また、導電性酸化物は結晶質である。このため、導電性酸化物は、スパッタリング法のターゲットに用いることが好ましい。本実施の形態の導電性酸化物をターゲットとしてスパッタリング法で半導体膜を形成すると、ノジュールを抑制できるので、形成する膜の電子移動度などの特性を向上できる。
ここで、「スパッタリング法のターゲット」とは、透明薄膜などの膜形成用材料をプレート状の成膜材料に加工したものや、当該プレート状の成膜材料に加工したものをバッキングプレート(スパッタリングターゲット材を貼り付けるための裏板)に貼り付けたものの総称である。パッキングプレートは、無酸素銅を初めとする各種合金、スチール、ステンレススチール、アルミニウムおよびアルミニウム合金、モリブデン、チタンなどの素材を基に作製することができる。
このようなターゲットは、直径が1cmのサイズから2mを超える大型LCD用スパッタリングターゲットのサイズに至るまで作製可能であり、形状としては丸型、角型等が例示される。
続いて、本実施の形態における導電性酸化物の製造方法について説明する。
まず、導電性酸化物の原料を準備する。原料粉末には酸化インジウム(In23)、酸化ガリウム(Ga23)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)などを用いることができる。原料粉末の純度は、99.99%以上の高純度であることが好ましい。
次に、原料粉末を混合する。原料粉末の混合には乾式、湿式の何れの混合方式を用いてもよい。具体的には、通常のボールミルや遊星ボールミルを用いて混合される。また、湿式の混合方式により混合を行なった場合の乾燥には自然乾燥やスプレードライヤ等の乾燥方怯が好ましく用いられる。
次に、混合した原料粉末を焼成(仮焼)する。焼成温度は、原料粉末にGaNまたはInNを含んでいる場合には、たとえば500℃以上700℃以下であり、GaNまたはInNを含んでいない場合にはたとえば1000℃以上1200℃以下である。
次に、焼成した仮焼粉体を焼結する。焼結の雰囲気については、大気雰囲気、窒素を含む雰囲気、アンモニア(NH3)および/またはアルゴン(Ar)を含む雰囲気などが好ましく用いられる。焼結温度は、たとえば1500℃以上1700℃以下である。また、焼結時のZnOの蒸発を抑制するため加圧ガス中の焼結、ホットプレス焼結、HIP(熱間静水圧処理)焼結、CIP(冷間静水圧処理)焼結などを用いてもよい。なお、過剰な酸素(O)を含む雰囲気中で焼結すると充分な導電性が得られない恐れがある。
以上の工程を実施することにより、本実施の形態における導電性酸化物を製造することができる。本実施の形態における導電性酸化物の製造方法においてNを導入する方法としては、原料粉末のGaN量を増加すること、焼結雰囲気圧力を増加すること、雰囲気ガスにN2、または、NH3および/またはArの雰囲気とすることなどが挙げられる。特に、導電性酸化物の窒素量を多く導入して製造する場合、NH3およびArの雰囲気ガスにすることが有効である。
以上説明したように、本実施の形態における導電性酸化物は、結晶質の導電性酸化物であって、In、Ga、Zn、OおよびNを含み、Nの濃度が7×1019(atom/cc)以上である。
本発明者は鋭意研究の結果、スパッタリング法によりIGZO膜を成膜する場合に、ターゲット中に上記濃度のNを導入することで、表面に発生するノジュールを抑制されることを見い出した。ノジュールは異常放電の原因となり、異常放電が発生すると、形成する膜内に粗大粒子が混入してしまい、形成する膜の電子移動度が悪化してしまう。また、DCスパッタに用いる場合には、電気が流れにくく、膜を形成することができない。しかし、本実施の形態における導電性酸化物はノジュールを抑制することができる。このため、導電性酸化物を用いて膜を形成することができる。さらに、この導電性酸化物を用いて形成された半導体膜において、異常放電を抑制できるので、電子移動度を向上できるなど、半導体膜の特性を向上することができる。
このように、本実施の形態における導電性酸化物はノジュールを抑制できるので、TFTのチャンネル層や、透明電極用の透明薄膜などの製造に好適に用いられる。
本実施例では、導電性酸化物としてのターゲットを種々作製し、さらにそのターゲットを用いて膜を形成し、膜の特性を調べた。
(実施例1)
1.材料粉末の粉砕混合
In23(純度99.99%、BET比表面積5m2/g)、Ga23(純度99.99%、BET比表面積11m2/g)、およびZnO(純度99.99%、BET比表面積4m2/g)の各粉末を、ボールミル装置を用いて3時間粉砕混合した。なお、分散媒には水を用いた。粉砕混合後スプレードライヤで乾燥した。
2.焼成(仮焼)
次に、得られた混合粉末をアルミナ製ルツボに入れ、大気雰囲気中、1100℃で5時間仮焼を行ない、仮焼粉体を得た。
3.成形および焼結
次に、得られた仮焼粉体をCIPにより加圧成形し、直径100mm、厚さ約9mmの円板状の成形体を得た。得られた成形体を1気圧のN2雰囲気中、1550℃で12時間焼結して焼結体を得た。得られた焼結体は、直径が80mmに収縮(厚さは約7mm)していた。
4.ターゲットの作製
次に、得られた焼結体を直径76.2mm、厚さ5.0mmに加工して実施例1のターゲットとした。
(実施例2)
実施例2のターゲットは、基本的には実施例1のターゲットと同様に製造したが、材料粉末および焼結において異なっていた。材料粉末については、準備した材料粉末のモル比を変更して、ターゲットの組成が下記の表1の記載になるように各材料粉末を準備した。また、焼結については、得られた成形体を2気圧のNH3およびAr雰囲気中で焼結した。
(実施例3)
実施例3のターゲットは、基本的には実施例1のターゲットと同様に製造したが、材料粉末のモル比において異なっていた。材料粉末については、準備した材料粉末のモル比を変更して、ターゲットの組成が下記の表1の記載になるように各材料粉末を準備した。
(実施例4)
実施例4のターゲットは、基本的には実施例1のターゲットと同様に製造したが、材料粉末のモル比および焼結において異なっていた。材料粉末については、準備した材料粉末のモル比を変更して、ターゲットの組成が下記の表1の記載になるように各材料粉末を準備した。また、焼結については、得られた成形体を8気圧の雰囲気中で焼結した。
(実施例5)
実施例5のターゲットは、基本的には実施例1のターゲットと同様に製造したが、材料粉末のモル比、仮焼および焼結において異なっていた。具体的には、以下の通りである。
1.材料粉末の粉砕混合
In23(純度99.99%、BET比表面積5m2/g)、Ga23(純度99.99%、BET比表面積11m2/g)、ZnO(純度99.99%、BET比表面積4m2/g)、およびGaN(純度99.99%、BET比表面積2m2/g)の各粉末を、ボールミル装置を用いて3時間粉砕混合した。なお、分散媒には水を用いた。粉砕混合後スプレードライヤで乾燥した。
2.焼成(仮焼)
次に、得られた混合粉末をアルミナ製ルツボに入れ、大気雰囲気中、600℃で5時間仮焼を行ない、仮焼粉体を得た。
3.成形および焼結
次に、得られた仮焼粉体を一軸加圧成形により加圧成形し、直径100mm、厚さ約9mmの円板状の成形体を得た。得られた成形体を1気圧のN2雰囲気中、1550℃で12時間焼結して焼結体を得た。得られた焼結体は、直径が80mmに収縮(厚さは約7mm)していた。
4.ターゲットの作製
次に、得られた焼結体を直径76.2mm、厚さ5.0mmに加工して実施例5のターゲットとした。
(実施例6)
実施例6のターゲットは、基本的には実施例1のターゲットと同様に製造したが、材料粉末のモル比および焼結において異なっていた。材料粉末については、準備した材料粉末のモル比を変更して、ターゲットの組成が下記の表1の記載になるように各材料粉末を準備した。また、焼結については、得られた成形体を1気圧のNH3およびAr雰囲気中で焼結した。
(実施例7)
実施例7のターゲットは、基本的には実施例5と同様に製造したが、材料粉末のモル比および焼結において異なっていた。材料粉末については、準備した材料粉末のモル比を変更して、ターゲットの組成が下記の表1の記載になるように各材料粉末を準備した。また、焼結については、得られた成形体を1気圧のAr雰囲気中で焼結した。
(実施例8)
実施例8のターゲットは、基本的には実施例5と同様に製造したが、材料粉末のモル比および焼結において異なっていた。材料粉末については、InNをさらに混合するために、準備した材料粉末のモル比を変更して、ターゲットの組成が下記の表1の記載になるように各材料粉末を準備した。また、焼結については、得られた成形体を6気圧の雰囲気中で焼結した。
(比較例1)
比較例1のターゲットは、基本的には実施例1と同様に製造したが、成形体を1気圧の大気中で焼結した点において異なっていた。比較例1では、Nを含む原料を用いず、かつ焼結時にNを取り込めるガスを供給しなかったので、比較例1のターゲットにはNは含まれていなかった。
(測定方法)
実施例1〜8および比較例1の焼結体について、X線回折測定、以下の条件でのRBSによるIn、Ga、およびZnの組成分析、およびSIMSによるNの定量測定を実施した。その結果を下記の表1に示す。
RBSの条件は、MCA分解能2.4kev/ch、エネルギー分解能23keV、入射イオン4He++、入射エネルギー2.3MeV、入射角度0°、試料電流2nA、入射ビーム径2mm、試料回転0°、照射量60μ/C、チャンバー真空炉6.7×10-5、検出器の散乱角160deg、アパチャ径8mmで測定した。SIMSは、ZnOにNをイオン注入した標準片を用いてNを定量した。
また、実施例1〜8および比較例1のターゲットを用いて、以下のように膜を形成した。成膜は、DCマグネトロンスパッタ法を用いた。スパッタ電源はDCを用いた。ターゲットサイズは、直径76.2mm、厚み5mmであり、直径3インチの平面がスパッタ面であった。
まず、水冷してある基板ホルダーに25mm×25mm×0.6mmの合成石英ガラスをセットした。実施例1〜8および比較例1のターゲットの各々を、基板に対向する形でセットした。基板とターゲットとの距離は、40mmであった。セット完了後、1×10-4Pa程度まで真空引きを行った。次に、各々のターゲットのプレスパッタを行なった。基板とターゲットとの間にシャッターを入れた状態で、Arガスを1Paまで導入し、30Wの直流電力を印加することで、スパッタリング放電を起こし、10分間ターゲット表面のクリーニング(プレスパッタ)を行なった。
次に、所定の圧力までArガスを導入した。スパッタ電力を50Wとし、IGZOの膜厚が200nmになるまで成膜を続けた。基板ホルダーには、特にバイアス電圧は印加しておらず、水冷されているのみであった。このようにして、実施例1〜8および比較例1のターゲットを用いて膜を形成した。
得られた膜の組成を、ターゲットの組成の測定方法と同様に測定した。その結果を下記の表1に示す。また、得られた膜について、ターゲットと同様にX線回折測定を行なった。
また、ノジュール数を以下の方法により測定した。60時間の成膜後、実施例1〜8および比較例1のターゲット表面を5倍のルーペを使って目視にて観察した。そして、5cm×5cm範囲のノジュール量を計測し、単位面積あたりの個数を換算した。その結果を下記の表1に示す。
また、膜のキャリア濃度および電子移動度をHall効果測定機を用いてヴァンデルパウ法により測定した。温度は室温下、磁場強度は0.5T、印加電圧は20mVとした。その結果を表1に示す。
Figure 0005387247
なお、上記表1におけるターゲットの原料とは、In23、Ga23、およびZnO以外に追加した原料を記載している。つまり、実施例1〜8および比較例1のターゲットの原料は、In23、Ga23、およびZnOは含んでいた。
(測定結果)
X線回折測定の結果、実施例1〜8および比較例1のターゲットは、結晶質であることがわかった。このため、ターゲットとして用いることができることがわかった。また、実施例1〜8および比較例1の膜は、非結晶質であることがわかった。
表1に示すように、N濃度が7×1019atom/cc以上の実施例1〜8のターゲットはノジュール発生量が7個/cm2以下であり、Nを含んでいなかった比較例1のターゲットに比べてノジュール発生量を低減できた。
特に、N濃度が3×1020atom/cc以上8×1022atom/cc以下の実施例1〜6では、ノジュール発生量を低減し、かつ8×1019個/cm2以下の低いキャリア濃度であるとともに絶縁性にならずに、かつ電子移動度を向上できた。このため、実施例1〜6のターゲットによれば、ノジュール発生量が抑制され、かつ特性を向上した膜を形成することができることがわかった。一方、Nの濃度が7×1019atom/ccの実施例7は、比較例1よりもノジュール発生量を抑制できたものの、キャリア濃度が少し高かった。また、Nの濃度が8×1023atom/ccの実施例8は、比較例1よりもノジュール発生量を抑制できたものの、Nによるキャリア電子のトラップの影響などで、キャリア濃度が少なく、電子移動度も非常に低かった。
また、Nの濃度が3×1020atom/cc以上8×1022atom/cc以下であり、かつInの濃度とGaの濃度とZnの濃度との合計の濃度に対するInの濃度が0.3以上0.6以下である実施例1〜4は、絶縁性にならずにキャリア濃度をさらに低減でき、かつ電子移動度を向上することができた。一方、Nの濃度が3×1020atom/cc以上8×1022atom/cc以下であるが、上記比が0.2の実施例5は、キャリア濃度が低かったため、電子移動度が比較例1よりは高いものの、実施例1〜4と比べて低かった。また、N濃度が3×1020atom/cc以上8×1022atom/cc以下であるが、上記比が0.7の実施例6では、比較例1の電子移動度よりは高かったものの、ノジュール発生量が非常に低かったにも関わらず、実施例1〜4と比較して電子移動度が低かった。
以上より、本実施例によれば、7×1019atom/cc以上の濃度のNを含むことにより、導電性酸化物を用いることにより、ノジュールを効果的に低減できることが確認できた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、各実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (2)

  1. 結晶質の導電性酸化物であって、
    インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素および窒素を含み、
    前記窒素の濃度が7×1019(atom/cc)以上であり、
    スパッタリング法のターゲットに用いることを特徴とする、導電性酸化物。
  2. 前記インジウムの濃度と前記ガリウムの濃度と前記亜鉛の濃度との合計の濃度に対する前記インジウムの濃度の比が0.3以上0.6以下であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性酸化物。
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