JP5544225B2 - 非空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
本発明に係る非空気入りタイヤは、車軸に取り付けられる取り付け体と、該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、タイヤ周方向に沿って複数設けられ前記取り付け体と前記リング状体とを連結する連結部材と、前記リング状体の外周面側にその全周にわたって配設されたトレッド部材と、が備えられ、前記リング状体は、タイヤ周方向に沿って多数個のリング分割体に分割されるとともに、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体同士の間にタイヤ周方向の隙間が設けられた非空気入りタイヤであって、前記リング分割体において前記リング状体の外周面側を構成する表面側の外周縁部のうち、タイヤ周方向の端部に位置する周端部に面取り部が形成され、前記面取り部のタイヤ径方向に沿った大きさは、該面取り部のタイヤ周方向に沿った大きさ以下であることを特徴とする。
なお、面取り部においてリング分割体の表面に接続される接続部分が、このタイヤをタイヤ幅方向の外側から見たタイヤ側面視において、リング分割体の表面を接線とする曲率に形成されている場合、面取り部とリング分割体の表面とを滑らかに接続することが可能になり、トレッド部材の内周面側が削られるのをより確実に抑制することができる。
すなわち、面取り部のタイヤ周方向に沿った大きさが、リング分割体の板幅の1/20倍よりも小さい場合、面取り部が小さすぎ、前述の作用効果が奏功されないおそれがある。一方、面取り部のタイヤ周方向に沿った大きさが、リング分割体の板幅の1/4倍よりも大きい場合、リング分割体の表面のタイヤ周方向に沿った大きさが小さくなるため、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体の表面同士のタイヤ周方向に沿った間隔が大きくなりすぎる。その結果、接地面内での接地圧のばらつきが生じやすく、トレッド部材に偏摩耗が生ずるおそれがある。
すなわち、面取り部のタイヤ周方向に沿った大きさが、リング分割体の板幅の1/20倍よりも小さい場合、面取り部が小さすぎ、前述の作用効果が奏功されないおそれがある。一方、面取り部のタイヤ周方向に沿った大きさが、リング分割体の板幅の1/5倍よりも大きい場合、リング分割体の表面のタイヤ周方向に沿った大きさが小さくなるため、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体の表面同士のタイヤ周方向に沿った間隔が大きくなりすぎる。その結果、接地面内での接地圧のばらつきが生じやすく、トレッド部材に偏摩耗が生ずるおそれがある。
以下、本発明に係る非空気入りタイヤの第1実施形態を図1から図5を参照しながら説明する。
この非空気入りタイヤ1は、図示されない車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体11をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体12と、タイヤ周方向に沿って複数設けられ取り付け体11の外周面側とリング状体12の内周面12b側とを連結する連結部材13と、リング状体12の外周面12c側にその全周にわたって配設されたトレッド部材14と、が備えられている。
なお、取り付け体11、リング状体12およびトレッド部材14はそれぞれ、タイヤ幅方向Hにおける大きさが互いに同等とされて形成されるとともに、軸線Oと同軸上にタイヤ幅方向Hの中央部が互いに一致させられて配設されている。
トレッド本体14aは、例えば、天然ゴムおよびゴム組成物のうちの少なくとも一方が加硫された加硫ゴム、あるいは熱可塑性材料等で形成されている。熱可塑性材料として、例えば熱可塑性エラストマー若しくは熱可塑性樹脂等が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えばJIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えばウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、若しくはポリアミド樹脂等が挙げられる。なお、耐摩耗性の観点ではトレッド本体14aを加硫ゴムで形成するのが好ましい。
補強層14bは、円筒状に形成されたゴムシートと、このゴムシートの内部に複数本並べられて埋設されたスチールコードと、を備えている。補強層14bは、トレッド本体14aの内周面およびリング状体12の外周面12cにそれぞれ、後述する両連結板21、22の弾性復元力によって密接されている。なお、この補強層14bはトレッド本体14aと一体に形成してもよい。
この中間部において、前記一端部21a、22a側に位置する一端側部分は、前記他端部21b、22b側に位置する他端側部分よりも前記タイヤ側面視における曲率半径が大きくされ、かつ長さが長くなっている。両連結板21、22の各一端部21a、22aは、前記中間部の一端に屈曲部を介して連なり、タイヤ周方向のうち当該中間部が湾曲して凸となる方向の反対側に向けて延在している。両連結板21、22の各他端部21b、22bは、前記中間部の他端に滑らかに連なり前記各一端部21a、22aにほぼ直交する方向に延在している。なお、両連結板21、22それぞれにおける一端部21a、22aおよび他端部21b、22bはそれぞれ、平坦若しくは単一の円弧形状に形成されている。
すなわち、両連結板21、22の各長さは互いに同等とされるとともに、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、前記タイヤ側面視で、取り付け体11の外周面において前記各一端部21a、22aとタイヤ径方向で対向する位置から前記軸線Oを中心にタイヤ周方向における一方側および他方側にそれぞれ同じ角度(例えば20度以上135度以下)ずつ離れた各位置に各別に連結されている。なお、この角度を20度以上90度以下にすると、例えば、連結部材13の配設個数を多く確保しつつ、非空気入りタイヤ1の重量を低減させたり、タイヤ周方向で隣り合う両連結板21、22同士の干渉を防止したりすること等が可能になる。また、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、取り付け体11の外周面におけるタイヤ幅方向Hの両端部に各別に連結されている。
図示の例では、両連結板21、22の各一端部21a、22aには、雌ねじが形成された雌ねじ部材32が各別に配設されるとともに、第1貫通孔が形成されている。そして、前記挿通孔33内に前述のように差し込まれたボルト31が、前記第1貫通孔を通って雌ねじ部材32の雌ねじにねじ込まれることにより、両連結板21、22の各一端部21a、22aが、雌ねじ部材32とリング状体12とでタイヤ径方向に挟み込まれてリング状体12の内周面12b側に連結されている。
雌ねじ部材32は、複数の雌ねじが形成された板体とされるとともに、ボルト31は複数設けられている。図示の例では、雌ねじ部材32は、タイヤ幅方向Hに長い平面視長方形状に形成され、雌ねじはタイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。なお、前記第1貫通孔は、両連結板21、22の各一端部21a、22aにそれぞれ、タイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。
図示の例では、弾性部材16は、リング状体12内におけるタイヤ幅方向Hの両端部に各別に配設されている。また、弾性部材16においてタイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間に位置する部分と、トレッド部材14の内周面との間に、タイヤ径方向の隙間が設けられている。
また、面取り部18のタイヤ周方向に沿った大きさL2は、リング分割体12aのタイヤ周方向に沿った板幅L3の1/20倍以上1/5倍以下となっている。
収納溝34は、取り付け体11の外周面におけるタイヤ幅方向Hの両端部に各別に形成されるとともに、タイヤ幅方向Hの外側に向けて開口している。そして、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、収納溝34を画成する壁面のうちタイヤ幅方向Hの外側を向く内側壁面に、タイヤ幅方向Hの外側から対向若しくは当接した状態で、取り付け体11におけるタイヤ幅方向Hの両端部に各別に連結されている。
すなわち、面取り部18のタイヤ周方向に沿った大きさL2が、リング分割体12aの板幅L3の1/20倍よりも小さい場合、面取り部18が小さすぎ、前述の作用効果が奏功されないおそれがある。一方、面取り部18のタイヤ周方向に沿った大きさL2が、リング分割体12aの板幅L3の1/5倍よりも大きい場合、リング分割体12aの表面17のタイヤ周方向に沿った大きさが小さくなるため、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体12aの表面17同士のタイヤ周方向に沿った間隔が大きくなりすぎる。その結果、接地面内での接地圧のばらつきが生じやすく、トレッド部材14に偏摩耗が生ずるおそれがある。
さらに、ボルト31の頭部が挿通孔33のザグリ孔33a内に収納されているので、ボルト31の頭部がリング状体12の外周面12cから突出するのを防ぐことが可能になり、このボルト31の頭部とトレッド部材14の内周面とが干渉するのを防ぐことができる。
さらに、雌ねじ部材32が、複数の雌ねじが形成された板体とされるとともに、ボルト31が複数設けられているので、両連結板21、22の各一端部21a、22aとリング状体12の内周面12b側との連結強度を高めるためにボルト31を複数用いたことによる雌ねじ部材32の個数の増大を防ぐことが可能になる。
さらに本実施形態では、非空気入りタイヤ1に外力が作用して取り付け体11とリング状体12とが相対的にタイヤ幅方向に大きく変位し、両連結板21、22のうちの一方の他端部21b、22bが、収納溝34からタイヤ幅方向Hの外側に向けて位置ずれして外れようとしても、他方の他端部22b、21bが収納溝34の内側壁面に当接することにより、該一方の他端部21b、22bが収納溝34から外れるのを防ぐことができる。
また、リング分割体12aの表面17に対する面取り部18の面取り角度θは、5度以上になっているものとしたが、これに限られない。
次に、本発明の第2実施形態に係る非空気入りタイヤを説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお図示の例では、面取り部18のタイヤ周方向に沿った大きさL2は、リング分割体12aの板幅L3の1/20倍以上1/4倍以下である。
また本実施形態のように、面取り部18におけるリング分割体12aの表面17との接続部分19が、前記タイヤ側面視において、リング分割体12aの表面17を接線とする曲率に形成されているので、面取り部18とリング分割体12aの表面17とを滑らかに接続することが可能になり、トレッド部材14の内周面側が削られるのをより確実に抑制することができる。
すなわち、面取り部18のタイヤ周方向に沿った大きさL2が、リング分割体12aの板幅L3の1/20倍よりも小さい場合、面取り部18が小さすぎ、前述の作用効果が奏功されないおそれがある。一方、面取り部18のタイヤ周方向に沿った大きさL2が、リング分割体12aの板幅L3の1/4倍よりも大きい場合、リング分割体12aの表面17のタイヤ周方向に沿った大きさが小さくなるため、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体12aの表面17同士のタイヤ周方向に沿った間隔が大きくなりすぎる。その結果、接地面内での接地圧のばらつきが生じやすく、トレッド部材14に偏摩耗が生ずるおそれがある。
また、面取り部18におけるリング分割体12aの表面17との接続部分19は、前記タイヤ側面視において、リング分割体12aの表面17を接線とする曲率に形成されているものとしたが、これに限られない。
また、前記実施形態で示した弾性部材16の配設位置は、リング状体12内において多数個のリング分割体12aをタイヤ周方向に連結することが可能な位置であれば、例えばリング状体12の内周面12bにおけるタイヤ幅方向Hの中央部にする等、適宜変更してもよい。
また、弾性部材16は、タイヤ周方向に沿って全周にわたって連続して延在させてもよく、タイヤ周方向に沿って多数個に分割させなくてもよい。
また、連結部材13を、取り付け体11とリング状体12との間にタイヤ幅方向Hに沿って複数設けてもよい。
さらに、第1連結板21および第2連結板22を形成する材質は前記各実施形態に限らず適宜変更してもよい。
また、第1連結板21および第2連結板22それぞれの他端部21b、22bは、前記実施形態に代えて例えば、取り付け体11の外周面において前記軸線Oをタイヤ径方向で挟んで互いに反対となる各位置に各別に連結してもよいし、あるいは、取り付け体11の外周面において、第1連結板21および第2連結板22の各一端部21a、22aにタイヤ径方向で対向する位置等に連結してもよい。
また、連結部材13の前記タイヤ側面視の形状は、前記仮想線Lに対して非対称としてもよい。
さらに、前記実施形態では、1つの連結部材13における両連結板21、22の各一端部21a、22aを、1つのリング分割体12aに連結したが、タイヤ周方向で互いに隣接する複数個のリング分割体12aに跨って連結してもよい。
また、前記実施形態に代えて、両連結板21、22の各一端部21a、22aを、リング状体12の内周面12b側にタイヤ周方向位置を互いに異ならせて連結してもよい。
また、ザグリ孔33aを有しない挿通孔33を採用してもよく、ボルト31は皿ボルトに限らず適宜選択してもよい。
さらに、雌ねじ部材32は前記実施形態に限らず例えばナットにする等適宜選択してもよい。また、雌ねじ部材32を設けずに、両連結板21、22の各一端部21a、22aに雌ねじを形成し、この雌ねじにボルト31をねじ込んで、両連結板21、22の各一端部21a、22aをリング状体12の内周面12b側に連結してもよい。
また、前記実施形態では、取り付け体11に雌ねじ部11cを形成し、この雌ねじ部11cに固定ボルト35を螺着したが、雌ねじ部11cおよび固定ボルト35を有しない構成を採用してもよい。
また、前記実施形態では、収納溝34を前記切り込み方向の前方に非貫通としたが、貫通させてもよい。さらに収納溝34をタイヤ幅方向Hの外側に向けて開口させたが閉塞させてもよいし、また収納溝34は、取り付け体11の外周面であればタイヤ幅方向Hの両端部に限らずその形成位置は適宜変更してもよい。
また前記実施形態では、面取り部18は、リング分割体12aの前記周端部17bのうち、タイヤ周方向の前記一方側に位置する部分、およびタイヤ周方向の前記他方側に位置する部分の両方に、それぞれのタイヤ幅方向Hの全長にわたって形成されているものとしたが、これに限られない。例えば、面取り部18は、前記周端部17bのタイヤ幅方向Hの全長にわたって形成されていなくても良い。また面取り部18は、前記周端部17bのうち、タイヤ周方向の前記一方側に位置する部分、およびタイヤ周方向の前記他方側に位置する部分の少なくとも一方に形成されていても良い。
実施例として、図1から図5で示した前記第1実施形態の非空気入りタイヤ1を採用し、また比較例として、実施例の非空気入りタイヤ1において面取り部を有しない構成を採用した。これらの実施例および比較例のタイヤのサイズはともに145/80R13とした。
これらの評価に際し、前述したそれぞれのタイヤを、ドラム試験機のドラム上に2.5kNの力で押し付けた状態で回転させた。
この表において、耐久性は数値が大きいほど良好であることを示しており、転がり抵抗は数値が小さいほど良好であることを示している。
11 取り付け体
12 リング状体
12a リング分割体
12c リング状体の外周面
13 連結部材
14 トレッド部材
17 表面
17a 外周縁部
17b 周端部
18 面取り部
H タイヤ幅方向
Claims (4)
- 車軸に取り付けられる取り付け体と、
該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、
タイヤ周方向に沿って複数設けられ前記取り付け体と前記リング状体とを連結する連結部材と、
前記リング状体の外周面側にその全周にわたって配設されたトレッド部材と、が備えられ、
前記リング状体は、タイヤ周方向に沿って多数個のリング分割体に分割されるとともに、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体同士の間にタイヤ周方向の隙間が設けられた非空気入りタイヤであって、
前記リング分割体において前記リング状体の外周面側を構成する表面側の外周縁部のうち、タイヤ周方向の端部に位置する周端部に面取り部が形成され、
前記面取り部のタイヤ径方向に沿った大きさは、該面取り部のタイヤ周方向に沿った大きさ以下であることを特徴とする非空気入りタイヤ。 - 請求項1記載の非空気入りタイヤであって、
前記面取り部は凸曲面状に形成されていることを特徴とする非空気入りタイヤ。 - 請求項1記載の非空気入りタイヤであって、
前記面取り部は平面状に形成され、前記リング分割体の表面に対する前記面取り部の面取り角度は、5度以上になっていることを特徴とする非空気入りタイヤ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の非空気入りタイヤであって、
前記リング分割体は、表裏面がリング周方向に延びる板状に形成され、前記面取り部のタイヤ周方向に沿った大きさは、前記リング分割体のタイヤ周方向に沿った板幅の1/20倍以上1/5倍以下であることを特徴とする非空気入りタイヤ。
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