JP5401192B2 - 非空気入りタイヤの製造装置および非空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、使用に際し内部に加圧空気の充填が不要な非空気入りタイヤを形成する非空気入りタイヤの製造装置および非空気入りタイヤの製造方法に関するものである。
内部に加圧空気が充填されて用いられる従来の空気入りタイヤでは、パンクの発生は構造上不可避的な問題となっている。そこで、このパンクの発生を防止できる非空気入りタイヤとして、内部がゴム材料で満たされた中実構造のいわゆるソリッドタイヤが提案されている。
しかしながら、この種の非空気入りタイヤでは、空気入りタイヤと比べて重量が重い上に硬さや転がり抵抗も大きくなり、乗り心地性や操縦性が大幅に悪化するので、一般車両への適用が困難でその適用範囲が限られていた。
そこでこのような問題を解決するために、例えば下記特許文献1、2に示されるような、車軸に取り付けられる取り付け体と、該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、タイヤ周方向に沿って複数設けられ取り付け体とリング状体とを連結する連結部材と、を備える非空気入りタイヤが提案されている。
この種の非空気入りタイヤでは、例えば路面などから荷重が入力されたときに、連結部材が弾性変形することでこの非空気入りタイヤに柔軟性を具備させることが可能になり、良好な乗り心地性を確保することができる。
特開2009−61861号公報 米国特許第6170544号明細書
しかしながら従来では、取り付け体およびリング状体それぞれの軸線を互いにほぼ一致させ、タイヤ周方向の全周にわたって複数の連結部材の各変形状態をほぼ均等にして非空気入りタイヤを形成することが困難であるという問題があった。
なお、取り付け体およびリング状体それぞれの軸線が位置ずれし、複数の連結部材の各変形状態がタイヤ周方向の位置ごとで異なると、例えばユニフォミティや乗り心地性が悪化する恐れがある。また、取り付け体とリング状体とを複数の連結部材によって順次連結する過程における最終段階で、例えば連結部材を大きく変形させなければならない等、連結部材による取り付け体とリング状体との連結が困難になる場合がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、非空気入りタイヤを高精度かつ高効率に形成することができる非空気入りタイヤの製造装置および非空気入りタイヤの製造方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る非空気入りタイヤの製造装置は、車軸に取り付けられる取り付け体と、該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、タイヤ周方向に沿って複数設けられ前記取り付け体と前記リング状体とを連結する連結部材と、が備えられ、前記連結部材は、両端部が、前記取り付け体および前記リング状体それぞれの第1固定部に各別に固定された第1連結板を備える非空気入りタイヤを製造する非空気入りタイヤの製造装置であって、外周面部が前記リング状体をその内周面側から支持する円盤状の内側支持体を備え、この内側支持体には、該内側支持体と同軸に配置されるとともに内周面部が前記取り付け体をその外周面側から支持する収納孔が形成され、前記内側支持体の外周面部は、前記リング状体において前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成され、前記収納孔の内周面部は、前記取り付け体において前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る非空気入りタイヤの製造方法は、前記本発明に係る非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法であって、前記内側支持体の外周面部によって前記リング状体をその内周面側から支持するリング状体支持工程と、前記収納孔の内周面部によって前記取り付け体をその外周面側から支持する取り付け体支持工程と、前記リング状体および前記取り付け体それぞれの第1固定部に前記第1連結板の両端部を各別に固定し、リング状体および取り付け体を第1連結板で連結する第1連結工程と、を備えていることを特徴とする。
これらの発明では、前記内側支持体に、該内側支持体と同軸に配置された前記収納孔が形成されているので、内側支持体の外周面部がリング状体をその内周面側から支持し、かつ収納孔の内周面部が取り付け体をその外周面側から支持することで、リング状体および取り付け体それぞれの軸線を一致させた状態で固定することができる。
しかも、内側支持体の外周面部が、リング状体において第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成され、収納孔の内周面部が、取り付け体において第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成されていることから、第1連結板の両端部を、各々の軸線が一致した状態で固定されているリング状体および取り付け体にそれぞれ容易に固定することができる。
以上より、取り付け体およびリング状体それぞれの軸線を一致させ、タイヤ周方向の全周にわたって複数の第1連結板の各変形状態を均等にして非空気入りタイヤを形成することが可能になり、ユニフォミティや乗り心地性の向上を図ることができるとともに、製造過程における取り付け体とリング状体との第1連結板による連結を、全ての第1連結板について容易に行うことができる。したがって、非空気入りタイヤを高精度かつ高効率に形成することができる。
なお、非空気入りタイヤの第1連結板が、この非空気入りタイヤをタイヤ幅方向の外側から見た側面視において、タイヤ周方向に向けて凸となるように湾曲している場合には、複数の第1連結板の各変形状態がタイヤ周方向で大きくばらつき易くなることから、前述の作用効果が顕著に奏功されることになる。
また、本発明に係る非空気入りタイヤの製造装置では、前記内側支持体の外周面部には、前記リング状体がタイヤ周方向に沿って分割されてなる多数個のリング分割体を該内側支持体の軸線回りに各別に位置決めする位置決め凹溝が、前記軸線回りに互いに間隔をあけて多数形成されていても良い。
この場合、内側支持体の外周面部に、前記位置決め凹溝が、前記軸線回りに互いに間隔をあけて多数形成されているので、リング状体が多数個のリング分割体で構成される場合においても、前述の作用効果が顕著に奏功されることになる。
また、本発明に係る非空気入りタイヤの製造装置では、前記連結部材は、両端部が、前記取り付け体および前記リング状体それぞれにおいて前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する第2固定部に各別に固定された第2連結板を備え、内周面部が、複数の前記第1連結板で前記取り付け体に連結されたリング状体をその外周面側から支持する環状の外側支持体を備えていても良い。
また、本発明に係る非空気入りタイヤの製造方法は、前記本発明にかかる非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法であって、前記内側支持体の外周面部によって前記リング状体をその内周面側から支持するリング状体支持工程と、前記収納孔の内周面部によって前記取り付け体をその外周面側から支持する取り付け体支持工程と、前記リング状体および前記取り付け体それぞれの第1固定部に前記第1連結板の両端部を各別に固定し、リング状体および取り付け体を第1連結板で連結し中間部材を形成する第1連結工程と、前記内側支持体の外周面部による前記中間部材におけるリング状体の支持、および前記収納孔の内周面部による前記中間部材における取り付け体の支持を解除する支持解除工程と、前記外側支持体の内周面部によって前記中間部材におけるリング状体を外周面側から支持する中間部材支持工程と、前記中間部材におけるリング状体および取り付け体それぞれの第2固定部に前記第2連結板の両端部を各別に固定し、リング状体および取り付け体を第2連結板で連結する第2連結工程と、を備えていることを特徴とする。
これらの場合、前記外側支持体を備えているので、リング状体および取り付け体を第1連結板で連結した後、内側支持体の外周面部によるリング状体の支持、および収納孔の内周面部による取り付け体の支持を解除するとともに、外側支持体によってリング状体をその外周面側から支持することで、リング状体と取り付け体とが第1連結板で連結されていることと相俟って、リング状体および取り付け体それぞれの軸線が一致した状態を確実に維持しながら第2連結板によってリング状体および取り付け体を連結することができる。したがって、連結部材が第1連結板および第2連結板を備える場合においても、非空気入りタイヤを高精度に形成することができる。
また、本発明に係る非空気入りタイヤの製造装置では、前記外側支持体の内周面部は、前記リング状体において前記第2固定部よりもタイヤ幅方向の他方側に位置する部分を支持して該第2固定部を露出させるように構成されていても良い。
この場合、外側支持体の内周面部が、リング状体において第2固定部よりもタイヤ幅方向の他方側に位置する部分を支持して該第2固定部を露出させるように構成されているので、例えば非空気入りタイヤの第2連結板のリング状体側の端部を、リング状体の第2固定部に形成された挿通孔内にタイヤ径方向の外側から差し込んだボルトによりリング状体の内周面側に固定する構成を採用した場合であっても、外側支持体によってリング状体をその外周面側から支持した状態で、前記リング状体側の端部をリング状体に固定することができる。したがって、非空気入りタイヤを高精度に形成した上で、第2連結板のリング状体側の端部とリング状体の第2固定部との固定を容易に行うことが可能になり、非空気入りタイヤの高コスト化を抑えることができる。
本発明によれば、非空気入りタイヤを高精度かつ高効率に形成することができる。
本発明に係る一実施形態において、非空気入りタイヤの一部を分解した概略斜視図である。 図1の非空気入りタイヤの一部を示す概略斜視図である。 図1および図2に示す非空気入りタイヤの一部をタイヤ幅方向から見た正面図である。 図3に示す非空気入りタイヤの一部の側面図である。 図3に示す非空気入りタイヤのX部の拡大断面図である。 図1から図5に示す非空気入りタイヤを製造する非空気入りタイヤの製造装置に備えられた内側支持体を示す斜視図である。 図1から図5に示す非空気入りタイヤを製造する非空気入りタイヤの製造装置に備えられた外側支持体を示す斜視図である。 図6および図7に示す非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法を説明する一工程図である。 図6および図7に示す非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法を説明する一工程図である。 図6および図7に示す非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法を説明する一工程図である。 図6および図7に示す非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法を説明する一工程図である。 本発明に係る非空気入りタイヤの製造装置の変形例を示す斜視図ある。 図13に示す非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法を説明する一工程図である。
以下、本発明に係る非空気入りタイヤの製造装置で製造された非空気入りタイヤの一実施形態を図1から図5を参照しながら説明する。
この非空気入りタイヤ1は、図示されない車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体11をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体12と、タイヤ周方向に沿って複数設けられ取り付け体11の外周面側とリング状体12の内周面12b側とを連結する連結部材13と、リング状体12の外周面12c側にその全周にわたって配設されたトレッド部材14と、リング状体12とトレッド部材14との間に配設された補強層15と、が備えられている。
なお、取り付け体11、リング状体12、トレッド部材14および補強層15はそれぞれ、タイヤ幅方向Hにおける大きさが互いに同等とされて形成されるとともに、軸線Oと同軸上にタイヤ幅方向Hの中央部が互いに一致させられて配設されている。以下では、軸線Oに沿う方向をタイヤ幅方向Hといい、軸線Oに直交する方向をタイヤ径方向といい、軸線Oを中心に周回する方向をタイヤ周方向という。
取り付け体11は円筒状に形成され、その内側には、タイヤ径方向に沿って延在し両端が取り付け体11の内周面に接続されたリブ11aが複数設けられている。これらのリブ11aは、前記軸線Oを基準とする点対称に配置されている。取り付け体11の内側において複数のリブ11aが交差するタイヤ径方向の中央部には、前記車軸の先端部が嵌合される取り付け孔11bが形成されている。取り付け体11およびリブ11aは例えばアルミニウム合金等の金属材料で一体に形成されている。
トレッド部材14は円筒状に形成され、リング状体12の外周面12c側をその全域にわたって一体に覆っている。トレッド部材14は、例えば、天然ゴムまたは/およびゴム組成物が加硫された加硫ゴム、あるいは熱可塑性材料等で形成されている。熱可塑性材料として、例えば熱可塑性エラストマー若しくは熱可塑性樹脂等が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えばJIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えばウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、若しくはポリアミド樹脂等が挙げられる。なお、耐摩耗性の観点ではトレッド部材14を加硫ゴムで形成するのが好ましい。
補強層15は、円筒状に形成されたゴムシートと、このゴムシートの内部に複数本並べられて埋設されたスチールコードと、を備えている。補強層15は、トレッド部材14の内周面およびリング状体12の外周面12cにそれぞれ、後述する両連結板21、22の弾性復元力によって密接されている。なお、この補強層15はトレッド部材14と一体に形成してもよく、また前記ゴムシートの内部にはスチールコードに代えて有機繊維が埋設されていてもよい。
連結部材13は、この非空気入りタイヤ1をタイヤ幅方向Hの外側から見たタイヤ側面視で、タイヤ周方向における一方側に向けて凸となるように湾曲した第1連結板21と、他方側に向けて凸となるように湾曲した第2連結板22と、を備えている。なお、第1連結板21および第2連結板22はそれぞれ、ヒステリシスロスがほとんど無い例えば金属材料若しくは樹脂材料等で形成されている。これらの両連結板21、22の各一端部21a、22aは、リング状体12の内周面12b側に固定されるとともに、各他端部21b、22bは取り付け体11に固定されている。
両連結板21、22それぞれにおいて、一端部21a、22aと他端部21b、22bとの間に位置する中間部が、前述のようにタイヤ周方向に凸となるように湾曲している。
この中間部において、前記一端部21a、22a側に位置する一端側部分は、前記他端部21b、22b側に位置する他端側部分よりも前記タイヤ側面視における曲率半径が大きくされ、かつ長さが長くなっている。両連結板21、22の各一端部21a、22aは、前記中間部に屈曲部を介して連なり、タイヤ周方向のうち当該中間部が湾曲して凸となる方向の反対側に向けて延在している。両連結板21、22の各他端部21b、22bは、前記中間部に滑らかに連なり前記各一端部21a、22aにほぼ直交する方向に延在している。なお、両連結板21、22それぞれにおける一端部21a、22aおよび他端部21b、22bはそれぞれ、平坦若しくは単一の円弧形状に形成されている。
両連結板21、22の各一端部21a、22aは、リング状体12の内周面12b側においてタイヤ周方向における同一の位置に固定されている。
そして、各連結部材13の前記タイヤ側面視の形状は、図3に示されるように、この連結部材13のタイヤ周方向中央部を通りタイヤ径方向に沿って延びる仮想線Lに対して線対称となっている。仮想線Lは、両連結板21、22の各一端部21a、22aと前記軸線Oとを通っている。
すなわち、両連結板21、22の各長さは互いに同等とされるとともに、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、前記タイヤ側面視で、取り付け体11の外周面において前記各一端部21a、22aとタイヤ径方向で対向する位置から前記軸線Oを中心にタイヤ周方向における一方側および他方側にそれぞれ同じ角度(例えば20°以上135°以下)ずつ離れた各位置に各別に固定されている。なお、この角度を20°以上90°以下にすると、例えば、連結部材13の配設個数を多く確保しつつ、非空気入りタイヤ1の重量を低減させたり、タイヤ周方向で隣り合う両連結板21、22同士の干渉を防止したりすること等が可能になる。
複数の連結部材13は、取り付け体11とリング状体12との間において前記軸線Oを基準に互いに点対称となる位置に各別に配置されている。
さらに、連結部材13は、第1連結板21が一のタイヤ幅方向Hの位置にタイヤ周方向に沿って複数配置され、かつ第2連結板22が前記一のタイヤ幅方向Hの位置よりもタイヤ幅方向Hの一方側に離れた位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されるように、タイヤ周方向に沿って複数(図示の例では60個)設けられている。本実施形態では、第2連結板22は、非空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向Hの一方側の端部に複数配置され、第1連結板21は、非空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向Hの他方側の端部に複数配置されている。
そして、第1連結板21の両端部21a、21bは、リング状体12および取り付け体11それぞれのタイヤ幅方向Hの他方側の第1端部(第1固定部)11A、12Aに各別に固定され、第2連結板22の両端部22a、22bは、リング状体12および取り付け体11それぞれにおいて第1端部11A、12Aよりもタイヤ幅方向Hの一方側に位置する部分であるタイヤ幅方向Hの一方側の第2端部(第2固定部)11B、12Bに各別に固定されている。
また、タイヤ周方向で隣り合う第1連結板21同士は互いにほぼ平行とさせられてタイヤ周方向で対向し、タイヤ周方向で隣り合う第2連結板22同士も互いにほぼ平行とさせられてタイヤ周方向で対向している。さらにまた、全ての連結部材13は互いに同形同大となっている。
なお、第1連結板21および第2連結板22それぞれのタイヤ幅方向H(前記軸線O方向)の大きさ、つまり幅は互いに同等になっている。また、第1連結板21および第2連結板22の各厚さも互いに同等になっている。さらに、これらの両連結板21、22それぞれにおいて、一端部21a、22aおよび他端部21b、22bはこれらの間に位置する中間部よりも幅が大きくなっている。
リング状体12は、タイヤ周方向に沿って多数個のリング分割体12aに分割されている。なお、リング分割体12aは金属材料で形成されるとともに、そのタイヤ径方向における大きさ、つまり厚さは両連結板21、22の厚さよりも厚くなっている。また、リング状体12の内周面12bを構成するリング分割体12aの裏面におけるタイヤ幅方向Hの両端部12A、12Bは窪んでいる。また、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間にはタイヤ周方向の隙間が設けられている。さらに、1つの連結部材13における両連結板21、22の各一端部21a、22aは、1つのリング分割体12aの裏面におけるタイヤ幅方向Hの両端部12A、12Bに各別に固定されている。
ここで、本実施形態では、両連結板21、22の各一端部21a、22aは、リング状体12に形成された挿通孔33内にタイヤ径方向の外側から差し込まれたボルト31によりリング状体12の内周面12b側に固定されている。
図示の例では、両連結板21、22の各一端部21a、22aには、雌ねじが形成された雌ねじ部材32が各別に配設されるとともに、第1貫通孔が形成されている。そして、前記挿通孔33内に前述のように差し込まれたボルト31が、前記第1貫通孔を通って雌ねじ部材32の雌ねじにねじ込まれることにより、両連結板21、22の各一端部21a、22aが、雌ねじ部材32とリング状体12とでタイヤ径方向に挟み込まれてリング状体12の内周面12b側に固定されている。
挿通孔33においてタイヤ径方向の外側に位置する外側部分はザグリ孔33aとされ、このザグリ孔33a内にボルト31の頭部が収納されている。つまり、ザグリ孔33aは、ボルト31の頭部を収納する凹部となっている。図示の例では、ザグリ孔33aはタイヤ径方向の内側に向かうに従い漸次縮径され、ボルト31の頭部は逆円錐台状に形成された皿ボルトとされている。
雌ねじ部材32は、複数の雌ねじが形成された板体とされるとともに、ボルト31は複数設けられている。図示の例では、雌ねじ部材32は、タイヤ幅方向Hに長い平面視長方形状に形成され、雌ねじはタイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。なお、前記第1貫通孔は、両連結板21、22の各一端部21a、22aにそれぞれ、タイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。
また図示の例では、リング状体12、トレッド部材14および補強層15におけるタイヤ幅方向Hの中間部には、トレッド部材14、補強層15およびリング状体12を互いに固定する図示されないボルトが挿通される第1ボルト挿通孔12d、第2ボルト挿通孔14a、第3ボルト挿通孔15aが各別に形成されている。
図示の例では、第1ボルト挿通孔12dは、各リング分割体12aをタイヤ径方向に貫通するとともに、各リング分割体12aにタイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。また、第1ボルト挿通孔12dの内周面には、雌ねじか形成されている。
さらに、第2ボルト挿通孔14aは、トレッド部材14をタイヤ径方向に貫通して複数形成され、トレッド部材14において前記第1ボルト挿通孔12dと同軸となる位置に各別に配置されている。さらにまた、第3ボルト挿通孔15aは、補強層15をタイヤ径方向に貫通して複数形成され、補強層15において前記第1ボルト挿通孔12dと同軸となる位置に各別に配置されている。
リング状体12内には、タイヤ周方向に沿って全周にわたって延在し、かつ多数個のリング分割体12aをタイヤ周方向に連結する弾性部材16が設けられている。弾性部材16は、例えば、金属材料、天然ゴムまたは/およびゴム組成物が加硫された加硫ゴム、あるいは熱可塑性材料等で形成されている。金属材料として、例えばアルミニウムやステンレス鋼等が挙げられる。熱可塑性材料として、例えば前述の熱可塑性エラストマー若しくは熱可塑性樹脂等が挙げられる。
図示の例では、弾性部材16は、リング状体12内におけるタイヤ幅方向Hの両端部12A、12Bに各別に配設されている。また、弾性部材16においてタイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間に位置する部分と、補強層15の内周面との間に、タイヤ径方向の隙間が設けられている。
弾性部材16は、タイヤ周方向に沿って多数個の弾性分割体16aに分割され、それぞれの弾性分割体16aは、タイヤ周方向に長い平面視長方形状の板体とされ、図5に示されるように、1つの弾性分割体16aが2つのリング分割体12aをタイヤ周方向に連結している。さらに、1つのリング分割体12aについて2つの弾性分割体16aが連結されることにより、弾性部材16がタイヤ周方向の全周にわたって延在し、多数個のリング分割体12aをタイヤ周方向の全周にわたって連結している。また、弾性分割体16aにおけるタイヤ周方向の両端部にはそれぞれ、タイヤ幅方向Hに間隔をあけて第2貫通孔が2つ形成されている。そして、前記挿通孔33に前述のように差し込まれたボルト31が、前記第1貫通孔および第2貫通孔を通って雌ねじ部材32の雌ねじにねじ込まれている。
そして、本実施形態では、取り付け体11の外周面に、収納溝34がタイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されており、両連結板21、22の各他端部21b、22bが、収納溝34内に配置されることにより取り付け体11に固定されている。
収納溝34は、取り付け体11の外周面におけるタイヤ幅方向Hの両端部11A、11Bに各別に形成されるとともに、タイヤ幅方向Hの外側に向けて開口している。そして、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、収納溝34を画成する壁面のうちタイヤ幅方向Hの外側を向く内側壁面に、タイヤ幅方向Hの外側から対向若しくは当接した状態で、取り付け体11におけるタイヤ幅方向Hの両端部11A、11Bに各別に固定されている。
また、収納溝34は、取り付け体11の外周面からその内部に向けて切り込む切り込み方向の前方に非貫通となっている。なお、この切り込み方向は、タイヤ径方向に対して傾斜する方向のうち、両連結板21、22の各他端部21b、22bそれぞれにおいて他端から前記一端部21a、22a側に向かう方向とほぼ一致している。また、取り付け体11の外周面において、タイヤ幅方向Hの第1端部11Aに位置する収納溝34と、タイヤ幅方向Hの第2端部11Bに位置する収納溝34と、では、タイヤ周方向に沿った形成位置が互いに異なっている。
さらに本実施形態では、取り付け体11に、収納溝34内に開口する雌ねじ部11cが形成され、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、この雌ねじ部11cに螺着された固定ボルト35により収納溝34を画成する壁面に押し付けられて固定されている。前記雌ねじ部11cは、前記切り込み方向および両連結板21、22の各他端部21b、22bの表面に交差(好ましくは直交)する方向に延在し、1つの収納溝34に対してタイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ配置されている。
次に、以上のように構成された非空気入りタイヤ1を製造する製造装置40について、図6および図7を参照して説明する。
この非空気入りタイヤの製造装置40は、外周面部41がリング状体12をその内周面12b側から支持する円盤状の内側支持体42と、内周面部43が、複数の第1連結板21で取り付け体11に連結されたリング状体12をその外周面12c側から支持する環状の外側支持体44と、を備えている。なお以下では、内側支持体42の軸線を第1軸線O1といい、外側支持体44の軸線を第2軸線O2という。
図6に示されるように、内側支持体42の第1軸線O1方向に沿った大きさは、取り付け体11およびリング状体12それぞれのタイヤ幅方向Hに沿った大きさよりも小さくなっている。なお以下では、内側支持体42において、第1軸線O1に直交する方向を第1径方向という。
内側支持体42の外周面部41には、前記多数個のリング分割体12aを第1軸線O1回りに各別に位置決めする位置決め凹溝45が、第1軸線O1回りに互いに間隔をあけて多数形成されている。
本実施形態では、各位置決め凹溝45は、第1軸線O1方向の両側に開口し、各位置決め凹溝45の第1軸線O1回りの大きさは、リング分割体12aのタイヤ周方向の大きさと等しくなっている。また、第1軸線O1回りで互いに隣り合う位置決め凹溝45同士の間隔は、リング状体12においてタイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間に設けられた隙間の大きさと同等になっている。さらに、第1軸線O1から各位置決め凹溝45の底面45aまでの第1径方向に沿った距離は、リング状体12の内径と等しくなっている。
なお図示の例では、各位置決め凹溝45の底面45aは、第1軸線O1方向の一方側に位置する内底面45bと、第1軸線O1方向の他方側に位置し、かつ内底面45bよりも第1径方向の外側に張り出す外底面45cと、で構成されている。
また、内側支持体42には、該内側支持体42と同軸に配置されるとともに内周面部46が取り付け体11をその外周面側から支持する収納孔47が形成されている。この収納孔47は、第1軸線O1方向から見た平面視形状が円形状となっており、内径が取り付け体11の外径と等しくなっている。
また図示の例では、内側支持体42の外周面部41には、雌ねじ部48が形成されている。雌ねじ部48は、各位置決め凹溝45の外底面45cに、第1軸線O1方向に間隔をあけて2つ形成されている。さらに、内側支持体42において収納孔47と外周面部41との間に位置する部分には、この内側支持体42を第1軸線O1方向に貫通する肉抜き部が、第1軸線O1回りに等間隔をあけて複数形成されている。
図7に示されるように、外側支持体44は、円環状に形成され、外側支持体44の第2軸線O2方向に沿った大きさは、リング状体12の前記中間部のタイヤ幅方向Hに沿った大きさと等しくなっている。なお以下では、外側支持体44において、第2軸線O2に直交する方向を第2径方向という。
外側支持体44の内周面部43には、この外側支持体44と、複数の第1連結板21で取り付け体11に連結されたリング状体12と、のタイヤ周方向の相対的な位置決めをする位置決め部49が形成されている。本実施形態では、位置決め部49は、外側支持体44の内周面部43に、第2軸線O2回りに間隔をあけて多数形成された凹溝となっている。
図示の例では、各位置決め部49は、第2軸線O2方向の両側に開口し、各位置決め部49の第2軸線O2回りの大きさは、リング分割体12aのタイヤ周方向の大きさと等しくなっている。また、第2軸線O2回りで互いに隣り合う位置決め部49同士の間隔は、リング状体12においてタイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間に設けられた隙間の大きさと同等になっている。さらに、第2軸線O2から各位置決め部49の底面49bまでの第2径方向に沿った距離は、リング状体12の外径と等しくなっている。
また図示の例では、外側支持体44には、この外側支持体44を第2径方向に貫通し、多数個の位置決め部49の底面49bに各別に開口する第4ボルト挿通孔50が形成されている。第4ボルト挿通孔50は、各底面49bにおいて第2軸線O2方向に間隔をあけて2つ形成されている。
さらに、外側支持体44は、タイヤ周方向に沿って複数(図示の例では4つ)の分割支持体44aに分割可能に形成されている。
次に、以上のように構成された非空気入りタイヤの製造装置40を用いて非空気入りタイヤ1を製造する方法について、図8から図11を参照しながら説明する。なお以下では、取り付け体11、リング状体12、連結部材13、トレッド部材14、補強層15および弾性部材16をそれぞれ形成した後の工程について説明する。
はじめに、図8および図9に示されるように、内側支持体42の外周面部41によってリング状体12をその内周面12b側から支持するリング状体支持工程を行う。
この工程では、まず、リング分割体12aを位置決め凹溝45内に配置する。ここで本実施形態では、内側支持体42の外周面部41は、リング状体12において第1端部12Aよりも第2端部12B側(タイヤ幅方向Hの一方側)に位置する部分を支持して該第1端部12Aを露出させるように構成されている。図9に示されるように、図示の例では、リング分割体12aを位置決め凹溝45内に配置する際に、リング分割体12aの第2端部12Bの裏面が位置決め凹溝45の外底面45cに当接し、かつリング分割体12aの前記中間部の裏面が位置決め凹溝45の内底面45bに当接するように配置することで、リング分割体12aの第1端部12Aが露出されるようになっている。またこの際、リング分割体12aの第2端部12Bに形成された前記挿通孔33と、内側支持体42の外周面部41に形成された雌ねじ部48と、が、互いに同軸に配置されるようになっている。
ここで、位置決め凹溝45内に配置されたリング分割体12aは、内側支持体42の外周面部41に、当該リング分割体12aに形成された挿通孔33内に差し込まれた内側支持体用ボルト51によって固定される。図示の例では、前記挿通孔33に第1径方向の外側から内側支持体用ボルト51を差し込んで前記雌ねじ部48にねじ込み、内側支持体42と内側支持体用ボルト51の頭部とでリング分割体12aを第1径方向に挟み込むことで、内側支持体42の外周面部41にリング分割体12aを固定する。
そして、このようなリング分割体12aの配置および固定を各リング分割体12aで同様に行うことで、内側支持体42とリング状体12とが同軸に配置された状態で、内側支持体42の外周面部41によってリング状体12をその内周面12b側から支持することができる。
以上でリング状体支持工程が終了する。
また、収納孔47の内周面部46によって取り付け体11をその外周面側から支持する取り付け体支持工程を行う。
この工程では、位置決め凹溝45における内底面45bが外底面45cに対して上側に位置するように、例えば図示されない作業台上に内側支持体42を載置するとともに、取り付け体11と内側支持体42とを同軸に合わせながら取り付け体11を収納孔47内に収納する。ここで本実施形態では、収納孔47の内周面部46は、取り付け体11において第1端部11Aよりも第2端部11B側に位置する部分を支持して該第1端部11Aを露出させるように構成されている。図示の例では、内側支持体42の第1軸線O1方向に沿った大きさが、取り付け体11のタイヤ幅方向Hに沿った大きさよりも小さくなっているので、取り付け体11を、その第2端部11Bが前記作業台に当接するまで収納孔47内に進入させると、取り付け体11において第1端部11Aよりも第2端部11B側に位置する部分が収納孔47の内周面部46によって支持された上で、取り付け体11の第1端部11Aが露出される。
ここで、収納孔47は、内側支持体42と同軸に位置しているので、これらのリング状体支持工程および取り付け体支持工程を行うことで、リング状体12および取り付け体11それぞれの軸線Oを一致させた状態で両者を固定することができる。これにより、第1軸線O1方向およびタイヤ幅方向Hと、第1径方向とタイヤ径方向と、第1軸線O1回りとタイヤ周方向と、がそれぞれ一致する。
そして、これらのリング状体支持工程および取り付け体支持工程の後、リング状体12および取り付け体11それぞれの第1端部11A、12Aに第1連結板21の両端部21a、21bを各別に固定し、リング状体12および取り付け体11を第1連結板21で連結する第1連結工程を行う。
この工程において、第1連結板21の一端部21aをリング状体12の第1端部12Aに固定する際には、リング状体12内におけるタイヤ幅方向Hの第1端部12Aに、弾性分割体16a、第1連結板21の一端部21aおよび雌ねじ部材32をタイヤ径方向の外側から内側にこの順に配設し、その後、リング状体12に形成された前記挿通孔33、弾性分割体16aに形成された前記第2貫通孔、および第1連結板21の一端部21aに形成された前記第1貫通孔にボルト31を差し込んだ後、雌ねじ部材32の雌ねじにねじ込んで固定する。
またこの工程において、第1連結板21の他端部21bを取り付け体11の第1端部11Aに固定する際には、収納溝34内に他端部21bを配置した後、取り付け体11に形成された雌ねじ部11cに固定ボルト35を螺着し、収納溝34を画成する壁面に他端部21bを押し付けて固定する。
以上により、リング状体12および取り付け体11が第1連結板21で連結される。そして、この第1連結板21による連結をタイヤ周方向の全周にわたって行うことで、リング状体12と取り付け体11とが複数の第1連結板21で連結されてなる中間部材52が形成され、第1連結工程が終了する。
次いで、内側支持体42の外周面部41によるリング状体12の支持、および収納孔47の内周面部46による取り付け体11の支持を解除する支持解除工程を行う。
この工程では、まず、内側支持体42の外周面部41に形成された雌ねじ部48から内側支持体用ボルト51をはずすことで、リング状体12の前記外周面部41への固定を解除する。そして、内側支持体42をリング状体12および取り付け体11の第2端部11B、12B側から抜き出すように、中間部材52に対して内側支持体42をタイヤ幅方向Hの一方側に向けて相対的に移動させ、内側支持体42の外周面部41によるリング状体12の支持、および収納孔47の内周面部46による取り付け体11の支持を解除する。
次いで、図10および図11に示されるように、外側支持体44の内周面部43によって中間部材52におけるリング状体12を外周面12c側から支持する中間部材支持工程を行う。
この工程では、まず、分割支持体44aの内周面部43に形成された複数の位置決め部49内に複数のリング分割体12aが各別に配置されるように、分割支持体44aを中間部材52に対してタイヤ周方向に位置決めして配置する。ここで本実施形態では、外側支持体44の内周面部43は、リング状体12において第2端部12Bよりも第1端部12A側(タイヤ幅方向Hの他方側)に位置する部分を支持して該第2端部12Bを露出させるように構成されている。図示の例では、分割支持体44aの第2軸線O2方向に沿った大きさは、リング状体12の前記中間部のタイヤ幅方向Hに沿った大きさと等しくなっているので、分割支持体44aのタイヤ幅方向Hの位置をリング状体12の前記中間部に一致させることで、リング状体12の第2端部12Bが露出される。またこの際、リング状体12に形成された第1ボルト挿通孔12dと、分割支持体44aに形成された第4ボルト挿通孔50と、が、互いに同軸に配置されるようになっている。
ここで、図11に示されるように、リング状体12は、分割支持体44aの内周面部43に、当該リング状体12に形成された第1ボルト挿通孔12d内に差し込まれた外側支持体用ボルト53によって固定される。図示の例では、分割支持体44aに形成された第4ボルト挿通孔50に第2径方向の外側から外側支持体用ボルト53を差し込んで前記第1ボルト挿通孔12dにねじ込み、外側支持体用ボルト53の頭部で分割支持体44aをリング状体12に第2径方向の外側から押し付けることで、分割支持体44aの内周面部43にリング状体12を固定する。
なおこの際、例えば前記第1ボルト挿通孔12dの内周面に雌ねじが形成されていない場合等には、外側支持体用ボルト53と図示されないナットとを用い、分割支持体44aおよびリング状体12を外側支持体用ボルト53の頭部および前記ナットで第2径方向に挟み込むことで、分割支持体44aの内周面部43にリング状体12を固定しても良い。
そして、このような分割支持体44aの配置および固定を複数の分割支持体44aそれぞれについて行うことで、外側支持体44とリング状体12とが同軸に配置された状態で、外側支持体44の内周面部43によって中間部材52のリング状体12をその外周面12c側から支持することができる。これにより、第2軸線O2方向およびタイヤ幅方向Hと、第2径方向とタイヤ径方向と、第2軸線O2回りとタイヤ周方向と、がそれぞれ一致する。
以上で中間部材支持工程が終了する。
次いで、中間部材52におけるリング状体12および取り付け体11それぞれの第2端部11B、12Bに第2連結板22の両端部22a、22bを各別に固定し、リング状体12および取り付け体11を第2連結板22で連結する第2連結工程を行う。
この工程では、まず、中間部材52を、この中間部材52のリング状体12および取り付け体11それぞれの第2端部11B、12Bが第1端部11A、12Aの上側に位置するように前記作業台上に載置する。
そしてこの工程において、第2連結板22の一端部22aをリング状体12の第2端部12Bに固定する際には、リング状体12内におけるタイヤ幅方向Hの第2端部12Bに、弾性分割体16a、第2連結板22の一端部22aおよび雌ねじ部材32をタイヤ径方向の外側から内側にこの順に配設し、その後、リング状体12に形成された前記挿通孔33、弾性分割体16aに形成された前記第2貫通孔、および第2連結板22の一端部22aに形成された前記第1貫通孔にボルト31を差し込んだ後、雌ねじ部材32の雌ねじにねじ込んで固定する。
またこの工程において、第2連結板22の他端部22bを取り付け体11の第2端部11Bに固定する際には、収納溝34内に他端部22bを配置した後、取り付け体11に形成された雌ねじ部11cに固定ボルトを螺着し、収納溝34を画成する壁面に他端部22bを押し付けて固定する。
以上により、リング状体12および取り付け体11が第2連結板22で連結される。そして、この第2連結板22による連結をタイヤ周方向の全周にわたって行うことで、第2連結工程が終了する。
次いで、外側支持体44の内周面部43によるリング状体12の支持を解除する外側支持解除工程を行う。この工程では、リング状体12に形成された第1ボルト挿通孔12dから外側支持体用ボルト53をはずすことで、外側支持体44の内周面部43へのリング状体12の固定を解除した後、各分割支持体44aをリング状体12から離脱させ、外側支持体44の内周面部43によるリング状体12の支持を解除する。
そしてその後、トレッド部材14を、リング状体12の外周面12c側にその全周にわたって配設するとともに、補強層15を、リング状体12とトレッド部材14との間に配設することで、非空気入りタイヤ1を形成することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る非空気入りタイヤの製造装置40によれば、前記内側支持体42に、該内側支持体42と同軸に配置された前記収納孔47が形成されているので、内側支持体42の外周面部41がリング状体12をその内周面12b側から支持し、かつ収納孔47の内周面部46が取り付け体11をその外周面側から支持することで、リング状体12および取り付け体11それぞれの軸線Oを一致させた状態で両者を固定することができる。
しかも、内側支持体42の外周面部41が、リング状体12において第1端部12Aよりも第2端部12B側に位置する部分を支持して該第1端部12Aを露出させるように構成され、収納孔47の内周面部46が、取り付け体11において第1端部11Aよりも第2端部11B側に位置する部分を支持して該第1端部11Aを露出させるように構成されていることから、第1連結板21の両端部21a、21bを、各々の軸線Oが一致した状態で固定されているリング状体12および取り付け体11にそれぞれ容易に固定することができる。
以上より、取り付け体11およびリング状体12それぞれの軸線Oを一致させ、タイヤ周方向の全周にわたって複数の第1連結板21の各変形状態を均等にして非空気入りタイヤ1を形成することが可能になり、ユニフォミティや乗り心地性の向上を図ることができるとともに、製造過程における取り付け体11とリング状体12との第1連結板21による連結を、全ての第1連結板21について容易に行うことができる。したがって、非空気入りタイヤ1を高精度かつ高効率に形成することができる。
また、本実施形態に示す非空気入りタイヤ1のように、第1連結板21が、前記タイヤ側面視において、タイヤ周方向に向けて凸となるように湾曲している場合には、複数の第1連結板21の各変形状態がタイヤ周方向で大きくばらつき易くなることから、前述の作用効果が顕著に奏功されることになる。
また、内側支持体42の外周面部41に、前記位置決め凹溝45が、前記軸線O回りに互いに間隔をあけて多数形成されているので、本実施形態に示す非空気入りタイヤ1のように、リング状体12が多数個のリング分割体12aで構成される場合においても、前述の作用効果が顕著に奏功されることになる。
また、前記外側支持体44を備えているので、リング状体12および取り付け体11を第1連結板21で連結した後、内側支持体42の外周面部41によるリング状体12の支持、および収納孔47の内周面部46による取り付け体11の支持を解除するとともに、外側支持体44によってリング状体12をその外周面12c側から支持することで、リング状体12と取り付け体11とが第1連結板21で連結されていることと相俟って、リング状体12および取り付け体11それぞれの軸線Oが一致した状態を確実に維持しながら第2連結板22によってリング状体12および取り付け体11を連結することができる。したがって、本実施形態に示す非空気入りタイヤ1のように、連結部材13が第1連結板21および第2連結板22を備える場合においても、非空気入りタイヤ1を高精度に形成することができる。
また、外側支持体44の内周面部43が、リング状体12において第2端部12Bよりも第1端部12A側に位置する部分を支持して該第2端部12Bを露出させるように構成されているので、例えば本実施形態に示す非空気入りタイヤ1のように、第2連結板22の一端部22aを、リング状体12の第2端部12Bに形成された挿通孔33内にタイヤ径方向の外側から差し込んだボルト31によりリング状体12の内周面12b側に固定する構成を採用した場合であっても、外側支持体44によってリング状体12をその外周面12c側から支持した状態で、一端部22aをリング状体12に固定することができる。したがって、非空気入りタイヤ1を高精度に形成した上で、第2連結板22の一端部22aとリング状体12の第2端部12Bとの固定を容易に行うことが可能になり、非空気入りタイヤ1の高コスト化を抑えることができる。
なお、本実施形態による非空気入りタイヤ1によれば、取り付け体11とリング状体12とがタイヤ周方向に沿って複数設けられた連結部材13で連結されて構成され、内部がゴム材料で満たされた中実構造となっていないので、その重量、硬さおよび転がり抵抗の増大を抑えて良好な乗り心地性や操縦性を確保しつつ、パンクの発生を防ぐことができる。
また、連結部材13が、前記タイヤ側面視で、タイヤ周方向における一方側に向けて凸となるように湾曲した第1連結板21と、他方側に向けて凸となるように湾曲した第2連結板22と、を備えているので、この非空気入りタイヤ1に外力が作用して取り付け体11とリング状体12とが相対的にタイヤ径方向、タイヤ周方向、若しくはタイヤ幅方向Hに変位したときに、この変位に応じて第1連結板21および第2連結板22を弾性変形させ易くすることが可能になり、当該非空気入りタイヤ1に柔軟性を具備させることができ、車両への振動の伝達が抑えられ良好な乗り心地性を確実に確保することができる。
さらに、各連結部材13が、前記タイヤ側面視で前記仮想線Lに対して線対称となっているので、この非空気入りタイヤ1におけるタイヤ周方向の一方側に沿うばね定数と他方側に沿うばね定数とで差が生ずるのを抑えることが可能になる。したがって、この非空気入りタイヤ1を接地させた状態で、当該タイヤ1の接地部分における進行方向に沿うばね定数と制動方向に沿うばね定数との差を抑えることが可能になり、良好な操縦性を確実に確保することができる。
さらにまた、リング状体12がタイヤ周方向に沿って多数個のリング分割体12aに分割されていることから、リング状体12の柔軟性が高められ、非空気入りタイヤ1に作用する外力に応じて第1連結板21および第2連結板22のみならずリング状体12をも変形させ易くすることが可能になる。したがって、接地面内での接地圧のばらつきを抑えることが可能になり、良好な乗り心地性をより一層確実に確保することができるとともに、トレッド部材14に偏摩耗が生ずるのも防ぐことができる。
さらに、前述のようにリング状体12がタイヤ周方向に沿って多数個のリング分割体12aに分割されているので、この非空気入りタイヤ1を容易に形成することが可能になるとともに、例えばリング状体12の一部が破損したときに、リング状体12の全体を交換せずにこの破損箇所のみを交換すれば足り、メンテナンス性を向上させることも可能になる。
また、リング状体12内に、タイヤ周方向に沿って延在し、かつ多数個のリング分割体12aをタイヤ周方向に連結する弾性部材16が設けられているので、リング状体12の変形量を規制することが可能になり、リング状体12を多数個のリング分割体12aに分割したことにより、このリング状体12の柔軟性が過度に高くなるのを抑制することができる。
したがって、接地面内での接地圧のばらつきを確実に抑えることができるとともに、リング状体12を多数個のリング分割体12aに分割したことによって、非空気入りタイヤ1の転がり抵抗が増大したり、あるいは両連結板21、22にかかる負荷が高くなったりするのを抑制することができる。
このうち、両連結板21、22にかかる負荷が高くなるのを抑制することが可能になることから、リング状体12を多数個のリング分割体12aに分割するために、両連結板21、22の曲げ剛性を高めてその耐久性を向上させる必要がなく、これらの連結板21、22の重量の増大を抑えることが可能になる。したがって、リング状体12を多数個のリング分割体12aに分割するのに伴い、非空気入りタイヤ1の重量が増大してしまうのを防ぐことができる。
さらに多数個のリング分割体12aが、剛体ではなく弾性部材16によってタイヤ周方向に連結されていることから、接地面積が大きく低減してしまうのを防ぐことが可能になるとともに、路面から受ける負荷が弾性部材16を介して非空気入りタイヤ1の広い範囲にわたって分散されることで局所的に大きな負荷が加わる部分が生ずるのを防ぐことが可能になり、耐久性を向上させることができる。
さらに、第1連結板21および第2連結板22がそれぞれ、金属材料若しくは樹脂材料で形成されているので、ヒステリシスロスの発生をほぼなくすことが可能になり、転がり抵抗をより一層低減することができる。
また本実施形態では、第1連結板21および第2連結板22の各他端部21b、22bが、収納溝34内に配置されることにより取り付け体11に固定されているので、例えば接合や接着等で両連結板21、22の各他端部21b、22bを取り付け体11の外周面に固定する場合と比べて、両連結板21、22の各他端部21b、22bを取り付け体11に高精度に取り付けることができるとともに、取り付けや取り外しを容易に行うことが可能になる。
さらに、このように両連結板21、22の各他端部21b、22bが、収納溝34内に配置されて取り付け体11に固定されているので、例えば接合や接着等で両連結板21、22の各他端部21b、22bを取り付け体11の外周面に固定する場合に比べて、取り付け体11の外周面に占める両連結板21、22の各他端部21b、22bの取り付け代を狭く抑えることが可能になる。したがって、連結部材13の個数や取り付け体11の外径を維持しつつ、前記取り付け代を広くして両連結板21、22の各他端部21b、22bと取り付け体11との固定強度を向上させることを容易に実現することができる。
さらにまた、収納溝34が前記切り込み方向の前方に非貫通となっているので、この非空気入りタイヤ1に例えば車体の重量等の外力が作用して取り付け体11とリング状体12とが相対的にタイヤ径方向に接近移動したときに、両連結板21、22の各他端部21b、22bを、収納溝34を画成する壁面のうち、前記切り込み方向の前側の端面に当接させることが可能になる。したがって、例えば接合や接着等で両連結板21、22の各他端部21b、22bを取り付け体11の外周面に固定する場合と比べて、両連結板21、22の各他端部21b、22bと取り付け体11との固定部分の耐久性およびその強度を向上させることができる。
また、収納溝34が、両連結板21、22の各他端部21b、22bそれぞれにおいて他端から前記一端部21a、22a側に向かう方向に沿って、取り付け体11の外周面から内部に向けて切り込んでいるので、両連結板21、22の各他端部21b、22bを収納溝34内に容易に進入させることが可能になり、この非空気入りタイヤ1の高コスト化を抑えることができる。さらに、両連結板21、22の各他端部21b、22bが平坦若しくは単一の円弧形状に形成されているので、両連結板21、22を容易に形成することが可能になり、非空気入りタイヤ1の高コスト化を確実に抑えることができる。
また本実施形態では、両連結板21、22の各他端部21b、22bが、取り付け体11に形成された雌ねじ部11cに螺着された固定ボルト35によって収納溝34を画成する壁面に押し付けられて固定されているので、この両連結板21、22の各他端部21b、22bが収納溝34から外れるのを確実に抑制することができる。
さらに本実施形態では、非空気入りタイヤ1に外力が作用して取り付け体11とリング状体12とが相対的にタイヤ幅方向に大きく変位し、両連結板21、22のうちの一方の他端部21b、22bが、収納溝34からタイヤ幅方向Hの外側に向けて位置ずれして外れようとしても、他方の他端部22b、21bが収納溝34の内側壁面に当接することにより、該一方の他端部21b、22bが収納溝34から外れるのを防ぐことができる。
また本実施形態では、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間にタイヤ周方向の隙間が設けられているので、非空気入りタイヤ1の柔軟性を確実に高めることが可能になる。また、弾性部材16においてタイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間に位置する部分と、補強層15の内周面との間に、タイヤ径方向の隙間が設けられているので、路面から受ける負荷を確実に両連結板21、22に伝達させることが可能になり、前述の作用効果が確実に奏されるとともに、リング状体12の外周面12c側にトレッド部材14や補強層15を容易に装着することができる。
さらに本実施形態では、弾性部材16が、タイヤ周方向に沿って多数個の弾性分割体16aに分割されているので、前述の作用効果を奏する弾性部材16を容易に形成することができるとともに、容易に装着することができる。
さらにまた、本実施形態では、リング状体12の外周面側に、その全周にわたってトレッド部材14が配設されているので、乗り心地性、グリップ性、および非空気入りタイヤ1の耐久性を確実に向上させることができる。
また本実施形態では、両連結板21、22の各一端部21a、22aが、リング状体12に形成された挿通孔33内にタイヤ径方向の外側から差し込まれたボルト31によりリング状体12の内周面12b側に固定されているので、両連結板21、22の各一端部21a、22aとリング状体12の内周面12b側との固定およびその解除を容易に行うことが可能になり、この非空気入りタイヤ1の高コスト化を抑えることができる。
さらに、ボルト31の頭部が挿通孔33のザグリ孔33a内に収納されているので、ボルト31の頭部がリング状体12の外周面12cから突出するのを防ぐことが可能になり、このボルト31の頭部と補強層15の内周面とが干渉するのを防ぐことができる。
また、ボルト31が雌ねじ部材32の雌ねじにねじ込まれることにより、両連結板21、22の各一端部21a、22aが、雌ねじ部材32とリング状体12とでタイヤ径方向に挟み込まれてリング状体12の内周面12b側に固定されているので、両連結板21、22の各一端部21a、22aをリング状体12の内周面12b側に強固に固定することができる。
さらに、雌ねじ部材32が、複数の雌ねじが形成された板体とされるとともに、ボルト31が複数設けられているので、両連結板21、22の各一端部21a、22aとリング状体12の内周面12b側との固定強度を高めるためにボルト31を複数用いたことによる雌ねじ部材32の個数の増大を防ぐことが可能になる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、非空気入りタイヤの製造装置40は、内側支持体42および外側支持体44を備えるものとしたが、これに限られるものではなく、内側支持体42のみを備える構成であっても良い。このような非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法においては、前記中間部材支持工程および前記外側支持解除工程は行わず、第2連結工程は、中間部材52におけるリング状体12が外側支持体44の内周面部43によって支持されていない状態で行う。
また、内側支持体42の外周面部41には、リング状体12に形成された挿通孔33に差し込まれた内側支持体用ボルト51によってリング状体12が固定されるものとしたが、リング状体12は内側支持体42の外周面部41に固定されなくても良い。この場合、例えば内側支持体42の外周面部41に対してリング状体12を外嵌させても良い。
さらに、外側支持体44の内周面部43には、リング状体12に形成された第1ボルト挿通孔12d内に差し込まれた外側支持体用ボルト53によって中間部材52のリング状体12が固定されるものとしたが、リング状体12は外側支持体44の内周面部43に固定されなくても良い。この場合、例えば外側支持体44を第2軸線O2回りに非分割に形成し、外側支持体44の内周面部43内にリング状体12を嵌合させても良い。
また、前記実施形態では、外側支持体44の内周面部43は、リング状体12において第2端部12Bよりも第1端部12A側に位置する部分を支持するものとしたが、これに限られるものではなく、例えば第2端部12Bを支持しても良い。
また、前記実施形態では、第1連結板21の両端部21a、21bが固定される第1固定部が、リング状体12および取り付け体11それぞれにおける第1端部11A、12Aとされ、第2連結板22の両端部22a、22bが固定される第2固定部が、リング状体12および取り付け体11それぞれにおける第2端部11B、12Bとされるものとしたが、前記第2固定部が、前記第1固定部よりもタイヤ幅方向Hの一方側に位置していれば、これに限られるものではない。例えば、前記第1固定部が、リング状体12および取り付け体11それぞれにおけるタイヤ幅方向Hの中央部であっても良い。
さらに、前記実施形態では、第1連結板21および第2連結板22が、前記タイヤ側面視において、タイヤ周方向に向けて凸となるように湾曲しているものとしたが、これに限られるものではなく、タイヤ周方向に凸となっていなくても良い。
さらに、第1連結板21および第2連結板22を形成する材質は前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
また、前記実施形態では、連結部材13として第1連結板21および第2連結板22をそれぞれ1つずつ備えた構成を示したが、これに限られるものではない。例えば、連結部材13は、第2連結板22を備えていなくても良い。さらに、1つの連結部材13に第1連結板21および第2連結板22がそれぞれ複数ずつ、互いのタイヤ幅方向Hの位置を異ならせて備えられた構成を採用してもよい。
また、第1連結板21および第2連結板22それぞれの他端部21b、22bは、前記実施形態に代えて例えば、取り付け体11の外周面において前記軸線Oをタイヤ径方向で挟んで互いに反対となる各位置に各別に固定してもよいし、あるいは、取り付け体11の外周面において、第1連結板21および第2連結板22の各一端部21a、22aにタイヤ径方向で対向する位置等に固定してもよい。
さらに、前記実施形態では、1つの連結部材13における両連結板21、22の各一端部21a、22aを、1つのリング分割体12aに固定したが、タイヤ周方向で互いに隣接する複数個のリング分割体12aに跨って固定してもよい。
また、前記実施形態に代えて、両連結板21、22の各一端部21a、22aを、リング状体12の内周面12b側にタイヤ周方向位置を互いに異ならせて固定してもよい。
また、前記実施形態で示した弾性部材16に代えて、例えばスチール等で形成されるとともにタイヤ周方向に沿って延設された束線、単線若しくは撚り線、またはタイヤ周方向に沿って延設されたコイルスプリングを採用してもよい。
また、前記実施形態で示した弾性部材16の配設位置は、リング状体12内において多数個のリング分割体12aをタイヤ周方向に連結することが可能な位置であれば、例えばリング状体12の内周面12bにおけるタイヤ幅方向Hの中央部にする等、適宜変更してもよい。
また、弾性部材16は、タイヤ周方向に沿って全周にわたって連続して延在させてもよい。
さらにまた、前記実施形態に代えて、補強層15を、接着剤等を介してその内周面をリング状体12の外周面12cに接着し外周面をトレッド部材14の内周面に接着して固定してもよい。また、補強層15は設けなくてもよい。
さらに、前記実施形態では、両連結板21、22の各一端部21a、22aを、リング状体12に形成された挿通孔33内にタイヤ径方向の外側から差し込まれたボルト31によりリング状体12の内周面12b側に固定したが、これに代えて例えば接合や接着等によりリング状体12の内周面12b側に固定してもよい。また、リング状体12に、挿通孔33に代えて雌ねじを形成し、この雌ねじにボルト31をタイヤ径方向の内側からねじ込むことで、両連結板21、22の各一端部21a、22aをリング状体12の内周面12b側に固定してもよい。
また、ザグリ孔33aを有しない挿通孔33を採用してもよく、ボルト31は皿ボルトに限らず適宜選択してもよい。
さらに、雌ねじ部材32は前記実施形態に限らず例えばナットにする等適宜選択してもよい。また、雌ねじ部材32を設けずに、両連結板21、22の各一端部21a、22aに雌ねじを形成し、この雌ねじにボルト31をねじ込んで、両連結板21、22の各一端部21a、22aをリング状体12の内周面12b側に固定してもよい。
さらに、前記実施形態では、取り付け体11の外周面に収納溝34を形成したが、この収納溝34を形成せずに、両連結板21、22の各他端部21b、22bを例えば接合や接着等により取り付け体11の外周面に固定してもよい。
また、前記実施形態では、取り付け体11に雌ねじ部11cを形成し、この雌ねじ部11cに固定ボルト35を螺着したが、雌ねじ部11cおよび固定ボルト35を有しない構成を採用してもよい。
また、前記実施形態では、収納溝34を前記切り込み方向の前方に非貫通としたが、貫通させてもよい。さらに収納溝34をタイヤ幅方向Hの外側に向けて開口させたが閉塞させてもよいし、また収納溝34は、取り付け体11の外周面であればタイヤ幅方向Hの両端部11A、11Bに限らずその形成位置は適宜変更してもよい。
さらに、リング状体12および弾性部材16はタイヤ周方向に沿って多数個に分割させなくてもよい。
なお、図12および図13に示されるように、タイヤ周方向に沿って分割されていないリング状体63を備える非空気入りタイヤを製造する非空気入りタイヤの製造装置60においては、内側支持体61の外周面部62に、前記位置決め凹溝が形成されていなくても良い。図示の例では、この内側支持体61の外径は、リング状体63の内径に等しくなっている。
また、前記実施形態では、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間にタイヤ周方向の隙間を設けたが、タイヤ周方向で隣り合うリング分割体12aの周端縁同士を互いに近接若しくは当接させてもよい。
さらに、リング状体12の外周面12c側にトレッド部材14を設けなくてもよい。
また、連結部材13の前記タイヤ側面視の形状は、前記仮想線Lに対して非対称としてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
次に、以上説明した作用効果についての検証試験を実施した。
実施例1として、内側支持体42および外側支持体44を備える非空気入りタイヤの製造装置40を用いた非空気入りタイヤの製造方法によって製造した非空気入りタイヤを採用し、実施例2として、内側支持体42のみを備える非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法によって製造した非空気入りタイヤを採用し、比較例として、非空気入りタイヤの製造装置を用いずに製造した非空気入りタイヤを採用した。なお、これらの実施例1、2、および比較例のタイヤはいずれも、タイヤ幅を145mm、タイヤ外径を562mmとした。
そして、比較例および実施例1、2それぞれの非空気入りタイヤについてRFVおよびLFVを測定し、これらのRFV、LFVの測定結果に基づいて、比較例を評価基準(100)として、実施例1、2それぞれの非空気入りタイヤについて、指数で評価した。
結果を表1に示す。
この表において、RFVおよびLFVは数値が小さいほど良好であることを示している。
Figure 0005401192
この結果、実施例1、2の非空気入りタイヤでは、比較例の非空気入りタイヤと比べて、RFVおよびLFVを良好なものにできることが確認された。
1 非空気入りタイヤ
11 取り付け体
11A 取り付け体の第1端部(取り付け体の第1固定部)
11B 取り付け体の第2端部(取り付け体の第2固定部)
12、63 リング状体
12A リング状体の第1端部(リング状体の第1固定部)
12B リング状体の第2端部(リング状体の第2固定部)
12a リング分割体
12b リング状体の内周面
12c リング状体の外周面
13 連結部材
21 第1連結板
22 第2連結板
21a、21b 第1連結板の端部
22a、22b 第2連結板の端部
40、60 非空気入りタイヤの製造装置
41、62 内側支持体の外周面部
42、61 内側支持体
43 外側支持体の内周面部
44 外側支持体
45 位置決め凹溝
46 収納孔の内周面部
47 収納孔
52 中間部材
H タイヤ幅方向
O1 第1軸線(内側支持体の軸線)

Claims (6)

  1. 車軸に取り付けられる取り付け体と、
    該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、
    タイヤ周方向に沿って複数設けられ前記取り付け体と前記リング状体とを連結する連結部材と、が備えられ、
    前記連結部材は、両端部が、前記取り付け体および前記リング状体それぞれの第1固定部に各別に固定された第1連結板を備える非空気入りタイヤを製造する非空気入りタイヤの製造装置であって、
    外周面部が前記リング状体をその内周面側から支持する円盤状の内側支持体を備え、
    この内側支持体には、該内側支持体と同軸に配置されるとともに内周面部が前記取り付け体をその外周面側から支持する収納孔が形成され、
    前記内側支持体の外周面部は、前記リング状体において前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成され、
    前記収納孔の内周面部は、前記取り付け体において前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成されていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造装置。
  2. 請求項1記載の非空気入りタイヤの製造装置であって、
    前記内側支持体の外周面部には、前記リング状体がタイヤ周方向に沿って分割されてなる多数個のリング分割体を該内側支持体の軸線回りに各別に位置決めする位置決め凹溝が、前記軸線回りに互いに間隔をあけて多数形成されていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造装置。
  3. 請求項1又は2記載の非空気入りタイヤの製造装置であって、
    前記連結部材は、両端部が、前記取り付け体および前記リング状体それぞれにおいて前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する第2固定部に各別に固定された第2連結板を備え、
    内周面部が、複数の前記第1連結板で前記取り付け体に連結されたリング状体をその外周面側から支持する環状の外側支持体を備えていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造装置。
  4. 請求項3記載の非空気入りタイヤの製造装置であって、
    前記外側支持体の内周面部は、前記リング状体において前記第2固定部よりもタイヤ幅方向の他方側に位置する部分を支持して該第2固定部を露出させるように構成されていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造装置。
  5. 請求項1又は2記載の非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記内側支持体の外周面部によって前記リング状体をその内周面側から支持するリング状体支持工程と、
    前記収納孔の内周面部によって前記取り付け体をその外周面側から支持する取り付け体支持工程と、
    前記リング状体および前記取り付け体それぞれの第1固定部に前記第1連結板の両端部を各別に固定し、リング状体および取り付け体を第1連結板で連結する第1連結工程と、を備えていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造方法。
  6. 請求項3又は4記載の非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記内側支持体の外周面部によって前記リング状体をその内周面側から支持するリング状体支持工程と、
    前記収納孔の内周面部によって前記取り付け体をその外周面側から支持する取り付け体支持工程と、
    前記リング状体および前記取り付け体それぞれの第1固定部に前記第1連結板の両端部を各別に固定し、リング状体および取り付け体を第1連結板で連結し中間部材を形成する第1連結工程と、
    前記内側支持体の外周面部による前記中間部材におけるリング状体の支持、および前記収納孔の内周面部による前記中間部材における取り付け体の支持を解除する支持解除工程と、
    前記外側支持体の内周面部によって前記中間部材におけるリング状体を外周面側から支持する中間部材支持工程と、
    前記中間部材におけるリング状体および取り付け体それぞれの第2固定部に前記第2連結板の両端部を各別に固定し、リング状体および取り付け体を第2連結板で連結する第2連結工程と、を備えていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造方法。
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