JP5401192B2 - 非空気入りタイヤの製造装置および非空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、この種の非空気入りタイヤでは、空気入りタイヤと比べて重量が重い上に硬さや転がり抵抗も大きくなり、乗り心地性や操縦性が大幅に悪化するので、一般車両への適用が困難でその適用範囲が限られていた。
そこでこのような問題を解決するために、例えば下記特許文献1、2に示されるような、車軸に取り付けられる取り付け体と、該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、タイヤ周方向に沿って複数設けられ取り付け体とリング状体とを連結する連結部材と、を備える非空気入りタイヤが提案されている。
この種の非空気入りタイヤでは、例えば路面などから荷重が入力されたときに、連結部材が弾性変形することでこの非空気入りタイヤに柔軟性を具備させることが可能になり、良好な乗り心地性を確保することができる。
なお、取り付け体およびリング状体それぞれの軸線が位置ずれし、複数の連結部材の各変形状態がタイヤ周方向の位置ごとで異なると、例えばユニフォミティや乗り心地性が悪化する恐れがある。また、取り付け体とリング状体とを複数の連結部材によって順次連結する過程における最終段階で、例えば連結部材を大きく変形させなければならない等、連結部材による取り付け体とリング状体との連結が困難になる場合がある。
本発明に係る非空気入りタイヤの製造装置は、車軸に取り付けられる取り付け体と、該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、タイヤ周方向に沿って複数設けられ前記取り付け体と前記リング状体とを連結する連結部材と、が備えられ、前記連結部材は、両端部が、前記取り付け体および前記リング状体それぞれの第1固定部に各別に固定された第1連結板を備える非空気入りタイヤを製造する非空気入りタイヤの製造装置であって、外周面部が前記リング状体をその内周面側から支持する円盤状の内側支持体を備え、この内側支持体には、該内側支持体と同軸に配置されるとともに内周面部が前記取り付け体をその外周面側から支持する収納孔が形成され、前記内側支持体の外周面部は、前記リング状体において前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成され、前記収納孔の内周面部は、前記取り付け体において前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成されていることを特徴とする。
しかも、内側支持体の外周面部が、リング状体において第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成され、収納孔の内周面部が、取り付け体において第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成されていることから、第1連結板の両端部を、各々の軸線が一致した状態で固定されているリング状体および取り付け体にそれぞれ容易に固定することができる。
以上より、取り付け体およびリング状体それぞれの軸線を一致させ、タイヤ周方向の全周にわたって複数の第1連結板の各変形状態を均等にして非空気入りタイヤを形成することが可能になり、ユニフォミティや乗り心地性の向上を図ることができるとともに、製造過程における取り付け体とリング状体との第1連結板による連結を、全ての第1連結板について容易に行うことができる。したがって、非空気入りタイヤを高精度かつ高効率に形成することができる。
この非空気入りタイヤ1は、図示されない車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体11をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体12と、タイヤ周方向に沿って複数設けられ取り付け体11の外周面側とリング状体12の内周面12b側とを連結する連結部材13と、リング状体12の外周面12c側にその全周にわたって配設されたトレッド部材14と、リング状体12とトレッド部材14との間に配設された補強層15と、が備えられている。
なお、取り付け体11、リング状体12、トレッド部材14および補強層15はそれぞれ、タイヤ幅方向Hにおける大きさが互いに同等とされて形成されるとともに、軸線Oと同軸上にタイヤ幅方向Hの中央部が互いに一致させられて配設されている。以下では、軸線Oに沿う方向をタイヤ幅方向Hといい、軸線Oに直交する方向をタイヤ径方向といい、軸線Oを中心に周回する方向をタイヤ周方向という。
補強層15は、円筒状に形成されたゴムシートと、このゴムシートの内部に複数本並べられて埋設されたスチールコードと、を備えている。補強層15は、トレッド部材14の内周面およびリング状体12の外周面12cにそれぞれ、後述する両連結板21、22の弾性復元力によって密接されている。なお、この補強層15はトレッド部材14と一体に形成してもよく、また前記ゴムシートの内部にはスチールコードに代えて有機繊維が埋設されていてもよい。
この中間部において、前記一端部21a、22a側に位置する一端側部分は、前記他端部21b、22b側に位置する他端側部分よりも前記タイヤ側面視における曲率半径が大きくされ、かつ長さが長くなっている。両連結板21、22の各一端部21a、22aは、前記中間部に屈曲部を介して連なり、タイヤ周方向のうち当該中間部が湾曲して凸となる方向の反対側に向けて延在している。両連結板21、22の各他端部21b、22bは、前記中間部に滑らかに連なり前記各一端部21a、22aにほぼ直交する方向に延在している。なお、両連結板21、22それぞれにおける一端部21a、22aおよび他端部21b、22bはそれぞれ、平坦若しくは単一の円弧形状に形成されている。
そして、各連結部材13の前記タイヤ側面視の形状は、図3に示されるように、この連結部材13のタイヤ周方向中央部を通りタイヤ径方向に沿って延びる仮想線Lに対して線対称となっている。仮想線Lは、両連結板21、22の各一端部21a、22aと前記軸線Oとを通っている。
すなわち、両連結板21、22の各長さは互いに同等とされるとともに、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、前記タイヤ側面視で、取り付け体11の外周面において前記各一端部21a、22aとタイヤ径方向で対向する位置から前記軸線Oを中心にタイヤ周方向における一方側および他方側にそれぞれ同じ角度(例えば20°以上135°以下)ずつ離れた各位置に各別に固定されている。なお、この角度を20°以上90°以下にすると、例えば、連結部材13の配設個数を多く確保しつつ、非空気入りタイヤ1の重量を低減させたり、タイヤ周方向で隣り合う両連結板21、22同士の干渉を防止したりすること等が可能になる。
さらに、連結部材13は、第1連結板21が一のタイヤ幅方向Hの位置にタイヤ周方向に沿って複数配置され、かつ第2連結板22が前記一のタイヤ幅方向Hの位置よりもタイヤ幅方向Hの一方側に離れた位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されるように、タイヤ周方向に沿って複数(図示の例では60個)設けられている。本実施形態では、第2連結板22は、非空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向Hの一方側の端部に複数配置され、第1連結板21は、非空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向Hの他方側の端部に複数配置されている。
なお、第1連結板21および第2連結板22それぞれのタイヤ幅方向H(前記軸線O方向)の大きさ、つまり幅は互いに同等になっている。また、第1連結板21および第2連結板22の各厚さも互いに同等になっている。さらに、これらの両連結板21、22それぞれにおいて、一端部21a、22aおよび他端部21b、22bはこれらの間に位置する中間部よりも幅が大きくなっている。
図示の例では、両連結板21、22の各一端部21a、22aには、雌ねじが形成された雌ねじ部材32が各別に配設されるとともに、第1貫通孔が形成されている。そして、前記挿通孔33内に前述のように差し込まれたボルト31が、前記第1貫通孔を通って雌ねじ部材32の雌ねじにねじ込まれることにより、両連結板21、22の各一端部21a、22aが、雌ねじ部材32とリング状体12とでタイヤ径方向に挟み込まれてリング状体12の内周面12b側に固定されている。
雌ねじ部材32は、複数の雌ねじが形成された板体とされるとともに、ボルト31は複数設けられている。図示の例では、雌ねじ部材32は、タイヤ幅方向Hに長い平面視長方形状に形成され、雌ねじはタイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。なお、前記第1貫通孔は、両連結板21、22の各一端部21a、22aにそれぞれ、タイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。
図示の例では、第1ボルト挿通孔12dは、各リング分割体12aをタイヤ径方向に貫通するとともに、各リング分割体12aにタイヤ幅方向Hに間隔をあけて2つ形成されている。また、第1ボルト挿通孔12dの内周面には、雌ねじか形成されている。
さらに、第2ボルト挿通孔14aは、トレッド部材14をタイヤ径方向に貫通して複数形成され、トレッド部材14において前記第1ボルト挿通孔12dと同軸となる位置に各別に配置されている。さらにまた、第3ボルト挿通孔15aは、補強層15をタイヤ径方向に貫通して複数形成され、補強層15において前記第1ボルト挿通孔12dと同軸となる位置に各別に配置されている。
図示の例では、弾性部材16は、リング状体12内におけるタイヤ幅方向Hの両端部12A、12Bに各別に配設されている。また、弾性部材16においてタイヤ周方向で隣り合うリング分割体12a同士の間に位置する部分と、補強層15の内周面との間に、タイヤ径方向の隙間が設けられている。
収納溝34は、取り付け体11の外周面におけるタイヤ幅方向Hの両端部11A、11Bに各別に形成されるとともに、タイヤ幅方向Hの外側に向けて開口している。そして、両連結板21、22の各他端部21b、22bは、収納溝34を画成する壁面のうちタイヤ幅方向Hの外側を向く内側壁面に、タイヤ幅方向Hの外側から対向若しくは当接した状態で、取り付け体11におけるタイヤ幅方向Hの両端部11A、11Bに各別に固定されている。
この非空気入りタイヤの製造装置40は、外周面部41がリング状体12をその内周面12b側から支持する円盤状の内側支持体42と、内周面部43が、複数の第1連結板21で取り付け体11に連結されたリング状体12をその外周面12c側から支持する環状の外側支持体44と、を備えている。なお以下では、内側支持体42の軸線を第1軸線O1といい、外側支持体44の軸線を第2軸線O2という。
内側支持体42の外周面部41には、前記多数個のリング分割体12aを第1軸線O1回りに各別に位置決めする位置決め凹溝45が、第1軸線O1回りに互いに間隔をあけて多数形成されている。
なお図示の例では、各位置決め凹溝45の底面45aは、第1軸線O1方向の一方側に位置する内底面45bと、第1軸線O1方向の他方側に位置し、かつ内底面45bよりも第1径方向の外側に張り出す外底面45cと、で構成されている。
また図示の例では、内側支持体42の外周面部41には、雌ねじ部48が形成されている。雌ねじ部48は、各位置決め凹溝45の外底面45cに、第1軸線O1方向に間隔をあけて2つ形成されている。さらに、内側支持体42において収納孔47と外周面部41との間に位置する部分には、この内側支持体42を第1軸線O1方向に貫通する肉抜き部が、第1軸線O1回りに等間隔をあけて複数形成されている。
外側支持体44の内周面部43には、この外側支持体44と、複数の第1連結板21で取り付け体11に連結されたリング状体12と、のタイヤ周方向の相対的な位置決めをする位置決め部49が形成されている。本実施形態では、位置決め部49は、外側支持体44の内周面部43に、第2軸線O2回りに間隔をあけて多数形成された凹溝となっている。
さらに、外側支持体44は、タイヤ周方向に沿って複数(図示の例では4つ)の分割支持体44aに分割可能に形成されている。
この工程では、まず、リング分割体12aを位置決め凹溝45内に配置する。ここで本実施形態では、内側支持体42の外周面部41は、リング状体12において第1端部12Aよりも第2端部12B側(タイヤ幅方向Hの一方側)に位置する部分を支持して該第1端部12Aを露出させるように構成されている。図9に示されるように、図示の例では、リング分割体12aを位置決め凹溝45内に配置する際に、リング分割体12aの第2端部12Bの裏面が位置決め凹溝45の外底面45cに当接し、かつリング分割体12aの前記中間部の裏面が位置決め凹溝45の内底面45bに当接するように配置することで、リング分割体12aの第1端部12Aが露出されるようになっている。またこの際、リング分割体12aの第2端部12Bに形成された前記挿通孔33と、内側支持体42の外周面部41に形成された雌ねじ部48と、が、互いに同軸に配置されるようになっている。
以上でリング状体支持工程が終了する。
この工程では、位置決め凹溝45における内底面45bが外底面45cに対して上側に位置するように、例えば図示されない作業台上に内側支持体42を載置するとともに、取り付け体11と内側支持体42とを同軸に合わせながら取り付け体11を収納孔47内に収納する。ここで本実施形態では、収納孔47の内周面部46は、取り付け体11において第1端部11Aよりも第2端部11B側に位置する部分を支持して該第1端部11Aを露出させるように構成されている。図示の例では、内側支持体42の第1軸線O1方向に沿った大きさが、取り付け体11のタイヤ幅方向Hに沿った大きさよりも小さくなっているので、取り付け体11を、その第2端部11Bが前記作業台に当接するまで収納孔47内に進入させると、取り付け体11において第1端部11Aよりも第2端部11B側に位置する部分が収納孔47の内周面部46によって支持された上で、取り付け体11の第1端部11Aが露出される。
この工程において、第1連結板21の一端部21aをリング状体12の第1端部12Aに固定する際には、リング状体12内におけるタイヤ幅方向Hの第1端部12Aに、弾性分割体16a、第1連結板21の一端部21aおよび雌ねじ部材32をタイヤ径方向の外側から内側にこの順に配設し、その後、リング状体12に形成された前記挿通孔33、弾性分割体16aに形成された前記第2貫通孔、および第1連結板21の一端部21aに形成された前記第1貫通孔にボルト31を差し込んだ後、雌ねじ部材32の雌ねじにねじ込んで固定する。
以上により、リング状体12および取り付け体11が第1連結板21で連結される。そして、この第1連結板21による連結をタイヤ周方向の全周にわたって行うことで、リング状体12と取り付け体11とが複数の第1連結板21で連結されてなる中間部材52が形成され、第1連結工程が終了する。
この工程では、まず、内側支持体42の外周面部41に形成された雌ねじ部48から内側支持体用ボルト51をはずすことで、リング状体12の前記外周面部41への固定を解除する。そして、内側支持体42をリング状体12および取り付け体11の第2端部11B、12B側から抜き出すように、中間部材52に対して内側支持体42をタイヤ幅方向Hの一方側に向けて相対的に移動させ、内側支持体42の外周面部41によるリング状体12の支持、および収納孔47の内周面部46による取り付け体11の支持を解除する。
この工程では、まず、分割支持体44aの内周面部43に形成された複数の位置決め部49内に複数のリング分割体12aが各別に配置されるように、分割支持体44aを中間部材52に対してタイヤ周方向に位置決めして配置する。ここで本実施形態では、外側支持体44の内周面部43は、リング状体12において第2端部12Bよりも第1端部12A側(タイヤ幅方向Hの他方側)に位置する部分を支持して該第2端部12Bを露出させるように構成されている。図示の例では、分割支持体44aの第2軸線O2方向に沿った大きさは、リング状体12の前記中間部のタイヤ幅方向Hに沿った大きさと等しくなっているので、分割支持体44aのタイヤ幅方向Hの位置をリング状体12の前記中間部に一致させることで、リング状体12の第2端部12Bが露出される。またこの際、リング状体12に形成された第1ボルト挿通孔12dと、分割支持体44aに形成された第4ボルト挿通孔50と、が、互いに同軸に配置されるようになっている。
なおこの際、例えば前記第1ボルト挿通孔12dの内周面に雌ねじが形成されていない場合等には、外側支持体用ボルト53と図示されないナットとを用い、分割支持体44aおよびリング状体12を外側支持体用ボルト53の頭部および前記ナットで第2径方向に挟み込むことで、分割支持体44aの内周面部43にリング状体12を固定しても良い。
以上で中間部材支持工程が終了する。
この工程では、まず、中間部材52を、この中間部材52のリング状体12および取り付け体11それぞれの第2端部11B、12Bが第1端部11A、12Aの上側に位置するように前記作業台上に載置する。
以上により、リング状体12および取り付け体11が第2連結板22で連結される。そして、この第2連結板22による連結をタイヤ周方向の全周にわたって行うことで、第2連結工程が終了する。
そしてその後、トレッド部材14を、リング状体12の外周面12c側にその全周にわたって配設するとともに、補強層15を、リング状体12とトレッド部材14との間に配設することで、非空気入りタイヤ1を形成することができる。
しかも、内側支持体42の外周面部41が、リング状体12において第1端部12Aよりも第2端部12B側に位置する部分を支持して該第1端部12Aを露出させるように構成され、収納孔47の内周面部46が、取り付け体11において第1端部11Aよりも第2端部11B側に位置する部分を支持して該第1端部11Aを露出させるように構成されていることから、第1連結板21の両端部21a、21bを、各々の軸線Oが一致した状態で固定されているリング状体12および取り付け体11にそれぞれ容易に固定することができる。
以上より、取り付け体11およびリング状体12それぞれの軸線Oを一致させ、タイヤ周方向の全周にわたって複数の第1連結板21の各変形状態を均等にして非空気入りタイヤ1を形成することが可能になり、ユニフォミティや乗り心地性の向上を図ることができるとともに、製造過程における取り付け体11とリング状体12との第1連結板21による連結を、全ての第1連結板21について容易に行うことができる。したがって、非空気入りタイヤ1を高精度かつ高効率に形成することができる。
したがって、接地面内での接地圧のばらつきを確実に抑えることができるとともに、リング状体12を多数個のリング分割体12aに分割したことによって、非空気入りタイヤ1の転がり抵抗が増大したり、あるいは両連結板21、22にかかる負荷が高くなったりするのを抑制することができる。
さらに本実施形態では、非空気入りタイヤ1に外力が作用して取り付け体11とリング状体12とが相対的にタイヤ幅方向に大きく変位し、両連結板21、22のうちの一方の他端部21b、22bが、収納溝34からタイヤ幅方向Hの外側に向けて位置ずれして外れようとしても、他方の他端部22b、21bが収納溝34の内側壁面に当接することにより、該一方の他端部21b、22bが収納溝34から外れるのを防ぐことができる。
さらに本実施形態では、弾性部材16が、タイヤ周方向に沿って多数個の弾性分割体16aに分割されているので、前述の作用効果を奏する弾性部材16を容易に形成することができるとともに、容易に装着することができる。
さらにまた、本実施形態では、リング状体12の外周面側に、その全周にわたってトレッド部材14が配設されているので、乗り心地性、グリップ性、および非空気入りタイヤ1の耐久性を確実に向上させることができる。
さらに、ボルト31の頭部が挿通孔33のザグリ孔33a内に収納されているので、ボルト31の頭部がリング状体12の外周面12cから突出するのを防ぐことが可能になり、このボルト31の頭部と補強層15の内周面とが干渉するのを防ぐことができる。
さらに、雌ねじ部材32が、複数の雌ねじが形成された板体とされるとともに、ボルト31が複数設けられているので、両連結板21、22の各一端部21a、22aとリング状体12の内周面12b側との固定強度を高めるためにボルト31を複数用いたことによる雌ねじ部材32の個数の増大を防ぐことが可能になる。
さらに、外側支持体44の内周面部43には、リング状体12に形成された第1ボルト挿通孔12d内に差し込まれた外側支持体用ボルト53によって中間部材52のリング状体12が固定されるものとしたが、リング状体12は外側支持体44の内周面部43に固定されなくても良い。この場合、例えば外側支持体44を第2軸線O2回りに非分割に形成し、外側支持体44の内周面部43内にリング状体12を嵌合させても良い。
また、前記実施形態では、第1連結板21の両端部21a、21bが固定される第1固定部が、リング状体12および取り付け体11それぞれにおける第1端部11A、12Aとされ、第2連結板22の両端部22a、22bが固定される第2固定部が、リング状体12および取り付け体11それぞれにおける第2端部11B、12Bとされるものとしたが、前記第2固定部が、前記第1固定部よりもタイヤ幅方向Hの一方側に位置していれば、これに限られるものではない。例えば、前記第1固定部が、リング状体12および取り付け体11それぞれにおけるタイヤ幅方向Hの中央部であっても良い。
さらに、第1連結板21および第2連結板22を形成する材質は前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
また、前記実施形態に代えて、両連結板21、22の各一端部21a、22aを、リング状体12の内周面12b側にタイヤ周方向位置を互いに異ならせて固定してもよい。
また、前記実施形態で示した弾性部材16の配設位置は、リング状体12内において多数個のリング分割体12aをタイヤ周方向に連結することが可能な位置であれば、例えばリング状体12の内周面12bにおけるタイヤ幅方向Hの中央部にする等、適宜変更してもよい。
また、弾性部材16は、タイヤ周方向に沿って全周にわたって連続して延在させてもよい。
さらにまた、前記実施形態に代えて、補強層15を、接着剤等を介してその内周面をリング状体12の外周面12cに接着し外周面をトレッド部材14の内周面に接着して固定してもよい。また、補強層15は設けなくてもよい。
また、ザグリ孔33aを有しない挿通孔33を採用してもよく、ボルト31は皿ボルトに限らず適宜選択してもよい。
さらに、雌ねじ部材32は前記実施形態に限らず例えばナットにする等適宜選択してもよい。また、雌ねじ部材32を設けずに、両連結板21、22の各一端部21a、22aに雌ねじを形成し、この雌ねじにボルト31をねじ込んで、両連結板21、22の各一端部21a、22aをリング状体12の内周面12b側に固定してもよい。
また、前記実施形態では、取り付け体11に雌ねじ部11cを形成し、この雌ねじ部11cに固定ボルト35を螺着したが、雌ねじ部11cおよび固定ボルト35を有しない構成を採用してもよい。
また、前記実施形態では、収納溝34を前記切り込み方向の前方に非貫通としたが、貫通させてもよい。さらに収納溝34をタイヤ幅方向Hの外側に向けて開口させたが閉塞させてもよいし、また収納溝34は、取り付け体11の外周面であればタイヤ幅方向Hの両端部11A、11Bに限らずその形成位置は適宜変更してもよい。
なお、図12および図13に示されるように、タイヤ周方向に沿って分割されていないリング状体63を備える非空気入りタイヤを製造する非空気入りタイヤの製造装置60においては、内側支持体61の外周面部62に、前記位置決め凹溝が形成されていなくても良い。図示の例では、この内側支持体61の外径は、リング状体63の内径に等しくなっている。
さらに、リング状体12の外周面12c側にトレッド部材14を設けなくてもよい。
また、連結部材13の前記タイヤ側面視の形状は、前記仮想線Lに対して非対称としてもよい。
実施例1として、内側支持体42および外側支持体44を備える非空気入りタイヤの製造装置40を用いた非空気入りタイヤの製造方法によって製造した非空気入りタイヤを採用し、実施例2として、内側支持体42のみを備える非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法によって製造した非空気入りタイヤを採用し、比較例として、非空気入りタイヤの製造装置を用いずに製造した非空気入りタイヤを採用した。なお、これらの実施例1、2、および比較例のタイヤはいずれも、タイヤ幅を145mm、タイヤ外径を562mmとした。
結果を表1に示す。
この表において、RFVおよびLFVは数値が小さいほど良好であることを示している。
11 取り付け体
11A 取り付け体の第1端部(取り付け体の第1固定部)
11B 取り付け体の第2端部(取り付け体の第2固定部)
12、63 リング状体
12A リング状体の第1端部(リング状体の第1固定部)
12B リング状体の第2端部(リング状体の第2固定部)
12a リング分割体
12b リング状体の内周面
12c リング状体の外周面
13 連結部材
21 第1連結板
22 第2連結板
21a、21b 第1連結板の端部
22a、22b 第2連結板の端部
40、60 非空気入りタイヤの製造装置
41、62 内側支持体の外周面部
42、61 内側支持体
43 外側支持体の内周面部
44 外側支持体
45 位置決め凹溝
46 収納孔の内周面部
47 収納孔
52 中間部材
H タイヤ幅方向
O1 第1軸線(内側支持体の軸線)
Claims (6)
- 車軸に取り付けられる取り付け体と、
該取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、
タイヤ周方向に沿って複数設けられ前記取り付け体と前記リング状体とを連結する連結部材と、が備えられ、
前記連結部材は、両端部が、前記取り付け体および前記リング状体それぞれの第1固定部に各別に固定された第1連結板を備える非空気入りタイヤを製造する非空気入りタイヤの製造装置であって、
外周面部が前記リング状体をその内周面側から支持する円盤状の内側支持体を備え、
この内側支持体には、該内側支持体と同軸に配置されるとともに内周面部が前記取り付け体をその外周面側から支持する収納孔が形成され、
前記内側支持体の外周面部は、前記リング状体において前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成され、
前記収納孔の内周面部は、前記取り付け体において前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する部分を支持して該第1固定部を露出させるように構成されていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造装置。 - 請求項1記載の非空気入りタイヤの製造装置であって、
前記内側支持体の外周面部には、前記リング状体がタイヤ周方向に沿って分割されてなる多数個のリング分割体を該内側支持体の軸線回りに各別に位置決めする位置決め凹溝が、前記軸線回りに互いに間隔をあけて多数形成されていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造装置。 - 請求項1又は2記載の非空気入りタイヤの製造装置であって、
前記連結部材は、両端部が、前記取り付け体および前記リング状体それぞれにおいて前記第1固定部よりもタイヤ幅方向の一方側に位置する第2固定部に各別に固定された第2連結板を備え、
内周面部が、複数の前記第1連結板で前記取り付け体に連結されたリング状体をその外周面側から支持する環状の外側支持体を備えていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造装置。 - 請求項3記載の非空気入りタイヤの製造装置であって、
前記外側支持体の内周面部は、前記リング状体において前記第2固定部よりもタイヤ幅方向の他方側に位置する部分を支持して該第2固定部を露出させるように構成されていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造装置。 - 請求項1又は2記載の非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法であって、
前記内側支持体の外周面部によって前記リング状体をその内周面側から支持するリング状体支持工程と、
前記収納孔の内周面部によって前記取り付け体をその外周面側から支持する取り付け体支持工程と、
前記リング状体および前記取り付け体それぞれの第1固定部に前記第1連結板の両端部を各別に固定し、リング状体および取り付け体を第1連結板で連結する第1連結工程と、を備えていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造方法。 - 請求項3又は4記載の非空気入りタイヤの製造装置を用いた非空気入りタイヤの製造方法であって、
前記内側支持体の外周面部によって前記リング状体をその内周面側から支持するリング状体支持工程と、
前記収納孔の内周面部によって前記取り付け体をその外周面側から支持する取り付け体支持工程と、
前記リング状体および前記取り付け体それぞれの第1固定部に前記第1連結板の両端部を各別に固定し、リング状体および取り付け体を第1連結板で連結し中間部材を形成する第1連結工程と、
前記内側支持体の外周面部による前記中間部材におけるリング状体の支持、および前記収納孔の内周面部による前記中間部材における取り付け体の支持を解除する支持解除工程と、
前記外側支持体の内周面部によって前記中間部材におけるリング状体を外周面側から支持する中間部材支持工程と、
前記中間部材におけるリング状体および取り付け体それぞれの第2固定部に前記第2連結板の両端部を各別に固定し、リング状体および取り付け体を第2連結板で連結する第2連結工程と、を備えていることを特徴とする非空気入りタイヤの製造方法。
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