JP5542126B2 - 固定具乾燥装置及び乾燥方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製造用固定具、好適には(限定はしないが)前方開戸型の一体化容器(FOUP)固定具を含んだウェハキャリアが洗浄された後、実質的に乾燥させ、その乾燥時間を短縮することができる装置並びに方法に関する。本発明は、急速乾燥または急速液体(流体)除去を必要とする製品、器具固定具あるいは他の構成部材に対しても利用できる。
本願は2008年5月28日に出願されたクリストファ・シュナイダ他の米国仮特許願61/056755「固定具乾燥方法及び装置」の優先権を主張する。本願はその全内容を援用する。
本発明は、製造用固定具、好適には(限定はしないが)前方開戸型の一体化容器(FOUP)固定具を含んだウェハキャリアが洗浄された後、実質的に乾燥させ、その乾燥時間を短縮することができる装置並びに方法を提供する。
本発明の1実施態様は、キャリアの洗浄および乾燥のための装置に関する。このキャリアは、キャリアを保持することができるチャンバを含む。このチャンバはキャリア外部噴射システムとチャンバ内部のキャリア内部噴射システムとを有する。このキャリア外部噴射システムは、キャリアの外面上に流体を噴射する少なくとも1つのスロット(開口部)を有しており、キャリア内部噴射システムは、キャリアの内部に流体を噴射する少なくとも1つのスロットを有している。キャリアは半導体ウェハキャリア及び/又は半導体ウェハキャリアのリッドでよい。この流体は液体または気体である。これら噴射システムは互いに直交方向に移動してキャリアの動きを防止できる。キャリア外部噴射システム及び/又はキャリア内部噴射システムは少なくとも部分的に回転できる。
1実施態様では、これらの一方または両方の噴射システムは弧を描くように振動する。さらに、キャリアの回転のためにモータが利用できる。少なくとも1つの加熱システムも利用できる。この加熱システムは少なくとも1つの加熱パッドを含むことができる。任意で、この装置を小規模のクリーン(清浄)環境内に配置することができる。1実施態様では複数の装置がキャビネット内に配置できる。
本発明の1実施態様はキャリアを洗浄および乾燥させる方法にも関する。この方法は、キャリアをチャンバ内に配置するステップと、キャリア外部噴射システムでキャリアの外部に液体を噴射するステップと、キャリア内部噴射システムで液体をキャリアの内部に噴射するステップと、キャリア外部噴射システムでガス(気体)をキャリアの外部に噴射するステップと、キャリア内部噴射システムでガスをキャリアの内部に噴射するステップとを含むことができる。任意で、キャリアの内部と外部には互いに直交する方向に噴射される。少なくとも1つの噴射ステップは弧を描くように噴射する動作を含む。
添付の図1から図39は本発明の実施例を図示しており、本明細書の記述内容と共に本発明の原理を説明する。しかしながら、図面は本発明の好適実施例を図示しているのみであって、本発明を限定するものではない。
ウェハキャリアが設置された洗浄/乾燥チャンバ本体の1実施例を図示する前方斜視図である。 ドアが閉じた状態である図1の実施例の前方斜視図である。 ドアが外された状態である図1の実施例の前方斜視図である。 ドアが閉じた状態である図1の実施例の正面図である。 図1の実施例の側面図である。 図1の実施例の後方斜視図である。 本発明の別実施例を図示する背面図である。 側部パネルが外されたチャンバ本体の1実施例の斜視図である。 本発明の1実施例によるウェハキャリアの前面を図示する正面図である。 本発明の別実施例によるキャリア内部噴射システムを図示する断面側面図である。 本発明の1実施例を図示する平面図である。 本発明の1実施例の部品を図示する分解図である。 本発明の1実施例の部品を図示する分解斜視図である。 ウェハキャリアの様々な図である。 ウェハキャリアの様々な図である。 ウェハキャリアの様々な図である。 ウェハキャリアの様々な図である。 ウェハキャリアの様々な図である。 ウェハキャリアの様々な図である。 ウェハキャリアの様々な図である。 ウェハキャリアの底面図である。 ウェハキャリアの平面図である。 エアナイフ構造体のそれぞれ正面図と分解図である。 エアナイフ構造体のそれぞれ正面図と分解図である。 エアナイフ構造体の一部分解図である。 フロント(前部)ドアを外した図1の実施例を図示する正面図である。 基部フレームの分解図である。 バタフライバルブ(蝶形弁)を図示する。 バタフライバルブ(蝶形弁)を図示する。 本発明の1実施例によるリッドチャンバの前方斜視図である。 ドアが開いた状態である図22の実施例を図示する前方斜視図である。 ドアがチャンバから外された状態である図22の実施例を図示する斜視図である。 ドアが閉じた状態である図22の実施例を図示する正面図である。 図22の実施例を図示する側面図である。 図22の実施例を図示する後方斜視図である。 図22の実施例を図示する背面図である。 後部パネルが外された状態である1実施例を図示する背面図である。 フロントドアが外され、ウェハキャリアリッドが示されている1実施例を図示する斜視図である。 フロントドアが外され、ウェハキャリアリッドが示されている1実施例を図示する正面図である。 リッドチャンバ構造体の1実施例を図示する断面図である。 リッドチャンバ構造体の1実施例を図示する平面図である。 リッドチャンバ構造体の1実施例を図示する分解平面図である。 リッドチャンバ構造体の1実施例の部品を図示する分解図である。 小規模のクリーン環境の1実施例を図示する斜視図である。 小規模のクリーン環境のチャンバキャビネットの1実施例を図示する斜視図である チャンバキャビネットの1実施例を図示する断面図である。 ロボットアームを備えた小規模のクリーン環境におけるチャンバキャビネットの1実施例を図示する。
図1から図21で図示するように、本発明の実施例は、好適にはウェハキャリアタイプの製造用固定具を洗浄および乾燥する固定具の洗浄/乾燥装置のチャンバを含む。図22から図35は本発明のリッドチャンバ実施例を図示する。図36から図39は小規模のクリーン環境およびチャンバキャビネットの実施例を図示する。
本発明の1実施例は、特にウェハキャリアに対して有用である固定具の洗浄と乾燥のための装置および方法に関する。ウェハキャリアは超クリーン環境において洗浄されなければならない。本発明の実施例はチャンバ本体構造体およびリッドチャンバ構造体を含む。ウェハキャリア装置のチャンバ本体10(図1)はウェハキャリアの本体の洗浄と乾燥のためのチャンバである。
明細書を通して使用される用語“チャンバ”とは、(限定はしないが)“少なくとも実質的に閉じられた空間”のことである。
チャンバ本体10の実施例(図1参照)は、任意では奥行きが約25.5インチ(約65cm)、幅が約21インチ(約53cm)、高さが約26インチ(約66cm)であるポリビニリデンフルオリド(PVDF)シートまたはそれに類似した材料で製造できる。これら寸法は変更可能である。1実施例においては、本発明はモジュール式およびサイズ変更式である。図1で図示するように、好適にはチャンバ本体10はドア12と、外部噴射バー18の動作のためのベルト駆動式ドライブ(駆動装置)22とを有している(図12参照)。チャンバ本体12は好適にはベルト26で噴射バーのマニフォールド20に接続されているベルト式ドライブ22を含む。チャンバ本体10は好適には直結駆動されるウェハキャリアの内部を洗浄して乾燥させる内部噴射バー54(図10)も有している。好適にはウェハキャリア本体14はフレーム16に載置される。好適には角支持部が提供されており、最も好適には角支持部は少々傾斜されて、水滴の収集および粒子の凝集が防止される。フレーム16の全露出側部は上部で面取り加工されており、水滴の収集および粒子の凝集の防止が補助される。好適には外部噴射バー18は、パイプに面したウェハキャリア体14の側部およびチャンバ10の壁部に沿って配置された複数の穴及び/又はスロット(開口)19を含む。スロット19はいかなる公知方法によっても提供できるが、最も好適にはスロット19はレーザを利用して提供され、洗浄サイクル中には水ノズルとして作用し、エアナイフ/乾燥サイクル中には送風ノズルとして作用する。好適には内部噴射バー54は複数の穴と、ウェハキャリア14の本体の内部を担当する2本の送水ノズルとを含む。好適にはチャンバ本体10、外部噴射バー18および内部噴射バー54は、スロット19によって粒状物に作用して弧を描くように排出するために水を利用し、続いて空気または圧縮ガスで浄化し、及び/又は水滴を吹き飛ばして乾燥させる。好適にはチャンバ本体10はパネル24とバタフライバルブ23とを含む。他のバルブタイプをバタフライバルブ23の代わりに利用することもできる。好適にはチャンバ本体10は稼動中に多少の正圧を提供するように排出ポイントを備えて構築される。
図2で示す実施例においては、ベルト式ドライブ22は、空気と水の注入接続部をも含んだ外部噴射バーのマニフォールド20に接続する。この実施例は、圧力変化およびパイプ材料(PVDF、等々)の膨張並びに収縮による噴射バーのずれ防止を助ける。バタフライバルブ23は好適にはチャンバ10の内部の圧力を制御する。空気の高圧および高体積に対処するための大きな圧力解放の重要性は、エアナイフサイクル中ほど洗浄サイクル中には高くない。バタフライバルブ23は任意では空気によって開き、その後に圧力が解放されて閉じるように作動する。図21Aと図21Bでも図示されているように、仕切りのデザインは、閉じられたときに引っ張られるように最少の排気量とするものである。本発明の実施例にはクリーン環境を確実に提供するように粒状物のインライン式監視手段が含まれる。
図2は前部ドア12が閉じている状態のチャンバ本体10の実施例を図示する。ベルト式ドライブ22はベルト26によって外部噴射バーのマニフォールド20と接続されている。ドア12はヒンジ(蝶番)28とチャンバ圧力ロック30とを有している。最も好適にはパネル(板体)24がチャンバ10の上部、底部および側部の形成に使用される。
図3はチャンバ本体10の一部分解図を図示する。好適には外部噴射バー19はPVDF及び/又はテフロン(登録商標)、等々で製造された数々の部品を含む。チャンバ本体10はドア12を含む。好適にはドア12はドア構造部34を含んだ複数の部品を備える。図3はドアロック構造部36をも示す。1実施形態では、好適には水である流体の噴射は、好適には約130°Fから約150°Fに加熱され、噴射スロット19(図1参照)から噴射され、噴射によって少々冷却される。流体は回転継手を介して送られ、最好適には、超クリーン(清浄)であり、フィルタによって純化される。好適にはOリングと回転継手は、流体を汚染しないように設計され、汚染しない材料で製造される。
図4から図7は本発明の1実施例の様々な図面である。1実施例においては、好適にはチャンバ本体10は、ドア12、パネル24、水注入パイプ38、ドアロック36、ドア構造部34、空気注入パイプ42、およびバタフライバルブ23を含んでいる。任意で水パイプ38は汚染物の逆流を阻止するためにピートラップ(逆流防止部)を有する。図8は側部パネルを備えていない実施例を図示する。好適にはマニフォールド40はベルト式ドライブ22、空気注入パイプ38、水注入パイプ42、および噴射バー18を連結している。好適には3つの大きな穴122(図17Aと図17B参照)は回転による圧力を発生させずに外部噴射バー18に空気と水を供給する。好適には保持ブラケット46がパイプに溶接等で固定され、スロットの干渉を防止し、キャリア本体14に空気と水を十分に接触させる。好適にはベルト式ドライブ22の駆動側は、外部噴射バー18が過剰回転してパイプを傷めないようにリミットスイッチ44(図12では80)を利用する。好適には外部噴射バー18は弧を描くように前後に往復運動し、約270°回転する。あるいは、外部噴射バー19は固定式であっても振動式であってもよい。
図8はチャンバ本体10の斜視図である。好適にはマニフォールドドライブ40とスイッチマニフォールド46はシステムへの流体の制御を補助する。チャンバ本体10はチャンバフレーム50も含む。
図9は内部にウェハキャリア14を収納したチャンバ10を図示する。図10は断面側面図であり、チャンバ本体10はキャリア56、内部パネル58、内部噴射バー54、空気注入パイプ62および水注入パイプ60を含んでいる。
図11と図12はチャンバ本体の1実施例の平面図である。図11では空気注入パイプ64が図示されており、図12ではスタビライザ66、パイプコネクタ68およびパイプ70、ドライブ72、プレート74、スイッチ80、滑車ベルト88並びに外部噴射バー78が分解図で図示されている。
図13はチャンバ本体10と、分離された裏側部98とを図示する分解図である。図13は加熱ブランケット108も図示する。好適には加熱ブランケット108はチャンバ壁を加熱する。任意的に本発明の実施例は、チャンバ10のPVDFパネル24を加熱するために1以上の加熱ブランケットを利用する。パネル24は熱を吸収してチャンバ10内に熱を放射する。実施例によっては、限定はしないがパネルのための他の熱伝導材料を利用する。あるいは加熱要素を壁内に挟持するために他の熱伝達材を利用する。それらの組み合わせであってもよい。加熱ブランケット108は任意で目的物の加熱のために利用され、及び/又はチャンバを包囲するために使用される。それらの組み合わせであってもよい。洗浄プロセスの効率を増加させるため、好適にはチャンバ10は洗浄サイクルと乾燥サイクルとの間では冷却されない。
図14Aから図14Gは本発明の実施例で利用できるウェハキャリアを図示する。産業基準によりウェハキャリア14のサイズは定められているが、製造業者によってデザインと複雑性において相違が存在する。多くのウェハキャリアは、内部や外部に溶接された追加物を有するが、ポリカーボネート製の1回の射出成型で提供される容器である(図14Aから図14G参照)。少なくとも3つの明確な追加物/ウェハキャリア特徴部であるロボット(自動)フランジ(図14G)、ウェハコム、および可動フランジ(図14E)が存在する。ロボットフランジ(図14G)は、あちこちにウェハキャリアを移動させる操作に自動運搬装置と器具が利用できるフランジである。ウェハコムはウェハを容器に間隔を開けて配置し、運搬時の損傷を防止するものである。典型的なウェハキャリアは25個のウェハを収容できる。可動フランジ(図14Eと図15)はウェハキャリアを安定させる基部として使用される。可動フランジはウェハキャリアの性能およびに製造に関する情報並びにロッキングマニフォールド118(図14G)を保持する。
図17Bと図18は乾燥プロセス中にエアナイフとしても使用される外部噴射バー126の分解図である。好適にはマニフォールド128はベルト式ドライブ130、132、134および136に接続する。好適には3つの大きな穴122が空気を通流させ、ブラケット120が全面的な水との接触を提供するためにスロットの干渉を防止する。
図19は内部にキャリア14を内蔵したチャンバ本体10の正面図である。
好適にはチャンバ本体内噴射バー144(図20)は、これも好適にはリミットスイッチを使用する直結駆動である。好適には内部噴射バー144は単に溶接されたパイプおよび上部に小形穴が設けられ、側部に大形穴が設けられたL字パイプである。好適には噴射バー144は基部フレーム146の前部スカート140の穴138内で回転自在である。好適には内部噴射バー144は側部から側部へと約180°弧を描くように回転する。好適には2つの異なる掃動作(弧を描くような回転動作)が利用され、ウェハキャリアは無理に実行されれば縁部を破損しかねない一方向へ移動するようには押されない。好適にはウェハキャリア本体による動作は角支持部142の使用でも防止される。そこでは両側部のタブがウェハキャリアをその場に保持する。容量センサ143は任意で動作の検出を補助する。センサ143は接近してもいいが、キャリアが角支持部142からずれているか否かを検出するためにはキャリアには接触しない。接触すればウェハキャリア本体のみならず、内部噴射バーおよび外部噴射バーにも損傷が及び得る。
図21Aと図21Bはバタフライバルブ150の正面図と斜視図を図示する。好適にはこのバルブは圧力バルブとして作用する。
ウェハキャリア本体を所定時間内で乾燥させるため、好適にはチャンバ10は保温される。1実施例においては、好適にはウェハキャリア14は運搬中のキャリアへの損傷を防止する一助となるようにポリカーボネート上にコーティングが施される。このコーティングは60℃(140°F)を超えて熱してはならない。さもないと歪みが発生する。従って、好適な温度を維持するために加熱ブランケット108(図13参照)を任意でチャンバの外側に取り付ける必要がある。好適には加熱ブランケット108は約180°Fに設定され、加熱チャンバ10は約160°Fに設定される。チャンバ10の側部には赤外線センサが提供される。このセンサは、キャリアが最も高温になる最上部に接近した箇所のウェハキャリア14の温度を監視する。洗浄サイクル後の浄化およびエアナイフサイクル中のチャンバ10の加熱は非常に重要である。ここではウェハキャリア14とチャンバ10の温度は大きく降下する。好適には両方の噴射バーからの噴射は双方向的である。従って、乾燥サイクルを併せて加熱することで望ましいチャンバ内部温度に戻り、所定処理時間が維持される。本発明の1実施例では、ウェハキャリア本体の好適な洗浄方法と処理タイミングは以下のようになる。

1.チャンバ本体のドアを開く(T=0秒)
2.ロボットがウェハキャリア本体をフレームに載せる(T=40秒)
3.チャンバ本体のドアを閉じてロックする(T=60秒)
4.洗浄サイクルを開始する(T=61秒)
5.浄化サイクルを開始する(T=121秒)
6.エアナイフサイクルを開始する(T=131秒)
7.加熱CDA乾燥サイクルを開始する(T=371秒)
8.噴射バーをホームポジション(本体位置)に戻す(T=731秒)
9.チャンバ本体のドアを開く(T=732秒)
積荷ポートから積荷ポートへと、洗浄プロセスを含む全処理時間は約10分から約21分である。さらに好適には、約10分から約17分であり、最好適には約12分から約14分である(洗浄処理時間は約12分)。この処理サイクルで、最適には開始時に1時間あたり約21個のウェハキャリア並びに継続的に1時間あたり約25個のウェハキャリアの処理が可能である。本発明の実施例は好適にはモジュール形態であり、スケール調整が可能であり、どのような利用形態にも適応する。あるいは、処理量は状況に応じた必要量によって変動させることができる。
洗浄サイクルと乾燥サイクル中に、リッド158(図22参照)は異なる速度と方向で回転される。リッド158の複雑性のため、好適には洗浄と乾燥には固定具の全区域に到達するために回転作用が活用される。洗浄サイクルを通じて、好適にはリッド158は緩やかに回転し、ウェハをドアから内部に進入させ、閉じ込められた粒子を洗浄排出する。1実施例では、乾燥サイクル中に、好適にはドアは300回転/分の速度で時計回り(CW)に5分間回転し、乾燥サイクルの残り時間を反時計回り(CCW)に回転する。リッド158の高速回転は、洗浄サイクル中にドア内に閉じ込められる水滴の排出除去を助ける。1実施例では、好適には使用されるモータは減速することができるが、適切なホームポジションでは停止できない。従って、モータを適正なホームポジションでロックするように空気で作動する停止装置が存在する。
乾燥サイクル中に、圧縮ガス(最好適には圧縮空気)が固定具上または固定具内部を目掛けて噴射され、あるいはその方向に噴射され(内部への侵入が許す限り)、残留洗浄液の除去を促す。圧縮ガスは任意で加熱され、少なくとも1回転する供給パイプ、管、マニフォールドまたは他の知られたガス供給部材を通じて方向付けられる。圧縮空気の供給システムの一部は回転する代わりにピストン運動することもできる。
図22と図23はリッドチャンバ156の実施例を図示する。リッド158は複雑な内部形態を有しており、複雑なロック機構と、運搬時に個々のウェハを分離して支持するウェハコム(櫛体)を備えている。リッド158の前部には、ロボットエンドエフェクタをキーホールに導くのに利用される2つの穴が存在する(図15と図16参照)。リッド158を確実にウェハキャリアに固定させるため、内部にはガスケットが存在する。チャンバ156の実施例はチャンバ156に適用されたチャンバ本体と類似する構造を有することができる。
図22はドア160、ウェハキャリアリッド158、パネル162、空気注入パイプおよび水注入パイプ164を備えたリッドチャンバ156を図示する。図23はまた、ドアボルト168とドアヒンジ166も図示する。洗浄リッド158は空気(非限定)を噴入する穴(前述)と貫通開口部とを含む。図23は加熱ブランケット163を図示する。
図24はドア構造部170とドアロック172を備えたリッドチャンバ156を図示する。図25はリッドチャンバ156と水注入パイプ174の1実施例の正面図である。
図26は空気注入パイプ176と水注入パイプ174を含むリッドチャンバ156を図示する。図27は設置されたドアロック構造部172、バタフライバルブ178、および支持部180を備えたリッドチャンバ156を図示する。図28はリッドチャンバ156の1実施例の背面図であり、図29はパネルが取り外されて空気注入部材182が現れている背面図を図示する。
図30はリッドチャンバ156の1実施例を図示する。ウェハキャリア本体から分離されると、ドア158は、ブラケットが取り付けられた固定具157を装備された洗浄/乾燥チャンバ156内に配置される。固定具157(図35)は、処理サイクル中に回転しながらドア158を安定的にその場に保持するのに使用される挟持装置を含む。好適には固定具157は粉末コーティングされたアルミ製であり、好適には挟持装置159はPVDF製である。挟持装置159(図35)は、リッド158のロック機構のためのスロットを含んだ複雑な構造を有したリッド158を挟持する。ロック機構が起動すると、好適には空気をドア158の内部に送り込むように通路が開かれる。洗浄サイクル中に水がドアの内部に入り、吹き飛ばして排除することが必要となる水滴を閉じ込めるため、この機構が利用される。従って、ブラケットを備えた固定具は、好適には図32から図34にかけて図示するようにモータシャフト184と190を介してモータ188に接続されるように装着される。好適には空気はモータ内の接続部を通って進入する。好適にはこの接続部はウルテム(Ultem)製であり、図33から図35で図示するように管を介して挟持機構に接続する。
ウェハキャリアリッドチャンバ156はチャンバ本体と同一材料により製造できる。チャンバ本体と類似した形態で、リッドチャンバ156は好適にはドア158とチャンバ156を洗浄して乾燥させる4つの噴射バー186と189(図32から図35参照)を含む。好適には2つの下方噴射バー189はノズル187を使用してドアを洗浄および乾燥する。1実施例ではノズルは好適にはリッドチャンバ内で使用される。なぜならドアは高圧によって容易に損傷を受ける薄いポリカーボネート材料によって製造されているからである。従ってノズルを使用することで圧力を調節することができる。好適には2つの上方噴射バーはチャンバ壁の乾燥を助ける。チャンバ本体と同様に、リッドチャンバは任意にて外壁に直に取り付けられた加熱ブランケットを有し、チャンバを保温状態に保ち、乾燥プロセスを助ける。
図36は小規模のクリーン環境の1実施例を図示する。このプロセスをできるだけクリーンな状態に維持するため、空気中の粒子数をISO基準3またはクラス1の近辺に維持する小規模のクリーン環境を有することが望ましい。好適には小規模の環境194は天井から床部にまで流れる超クリーン積層流を発生させる極低通過空気(ULPA)フィルタ195を含んでいる。この積層流は格子状の小規模の環境床部の下方での粒子凝集の防止に役立ち、個別のチャンバ内に収集される代わりに小規模の環境からウェハキャリアに接着するであろう大型粒子を送り出す。1実施例では、小規模の環境は好適には粉末コーティングされた約2インチ(約5cm)四方のステンレス鋼梁体で作製され、床部は格子状ポリプロピレン製平面で成る。1実施例においては、小規模の環境は好適には6軸クリーンルームロボット198を収容する。ロボット198はウェハキャリア本体196とドアを洗浄のために適したチャンバ200内に運搬する。
本明細書中で使用される用語“積層流”とは非乱流のことであるが、限定はされない。
図37から図39はリッド/キャビネット本体202の実施例を図示する。リッド/キャビネット本体202は、好適にはコルザン(Corzan)G2及び/又はその類似品によって全体的に封入された約2インチ(約5cm)四方のステンレス鋼フレームで成る。好適にはそれぞれのリッド/キャビネット本体はそれぞれ約6のリッド/チャンバ本体204を保持する。これら設備はキャビネット202に任意で上部から入れられ、排気ダクト脇の器具の中央から下方へ取り出される。好適にはキャビネットはポイント206にて完全に枯渇し、加熱ブランケットおよびクリーン乾燥空気(CDA)ヒータによる過熱を防止する。好適にはキャビネットは内面の底部に格子状排水装置208を有しており、チャンバから漏れ出る水を捕獲する。1実施例では、好適にはキャビネット202は漏水センサを備えた排水装置を有する。この排水装置は、もし6つ全部のチャンバが同時的に漏水しても全ての漏水を排水できる(図38参照)。あるいは、リッド/チャンバキャビネット本体はいかなる数のリッド及び/又はチャンバ本体でも保持できる。
好適にはキャビネット202はモジュール式である。図38はキャビネット202の1実施例を図示する。ここでは各チャンバ210は、保守管理および交換のために取り外せるバルブと電気部品に関係する。好適には個々のチャンバ210は保守管理および交換のために必要に応じて取り外すことができる。1実施例では、好適にはチャンバ210はドアが開くようになっている左右いずれかの側部以外は全て同一である。必要であればチャンバ210のドア方向を変えて、チャンバ210をキャビネット202内で移動させることができる。任意でチャンバ210は回転成型され、部分的に滑らかな角部が提供され、継目を減少させ、継目の配置を考慮し、汚染の可能性を減少させることができる。図39はロボット214、チャンバ216、およびウェハキャリア218を含んだ小規模の環境の断面図である。
圧縮ガスの供給システムは供給部材内で規制されたオリフィス(開口)を利用することもできる。好適にはオリフィスは様々なサイズの標準ノズルと組み合わされる。好適にはオリフィスは適した圧力すなわち作用力を維持するようにサイズ化されており、固定具から残留洗浄液を移動させて蒸発を助ける。ノズルを有する供給システムの部材は任意で様々な噴射パターン形状化の特徴を採用する。
必要であれば圧縮空気供給システムあるいは類似した別体のガス供給システムを任意で使用して、冷却された空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、アンモニアあるいは他の知られた冷却ガスを利用して固定具を冷却できる。最も好適な冷却ガスは窒素ガスである。図1から図35で図示するように、二つの目的を持つ洗浄/乾燥チャンバを利用して、乾燥中の固定具の本体温度を冷却できる。加熱要素のスイッチを切り、前述のように非加熱状態及び/又は冷却されたガスを使用することで、固定具の本体温度は乾燥チャンバから取り外す以前に冷却できる。冷却、非加熱または加熱ガスを、圧縮ガス乾燥供給システム、類似しているが別体のガス供給システム、または浄化された洗浄流体供給システムを通じて乾燥チャンバ内に導入することができる。
本発明の1実施例では、洗浄処理済みのキャリアまたはリッドが手動あるいは好適には自動で洗浄チャンバから取り出される。任意により、残留洗浄流体を排除するために固定具を傾斜、回転および揺動動作させることができる。
好適にはキャリアまたはリッドは乾燥のためにチャンバ内に配置される。このチャンバは、乾燥のための少なくとも二つ目的のチャンバであるなら、洗浄のために使用されるチャンバでよい。あるいは、キャリアまたはリッドは分離可能な乾燥チャンバ内に配置される。好適には加熱した空気を循環させる専用乾燥チャンバ内に置かれる。好適には本発明の実施例は全自動である。しかし、別実施例では手動および半自動形態を含む。
本発明の実施例は一体型の洗浄/乾燥チャンバを含むことができる。あるいは、洗浄と乾燥は図1から図35に関して解説するものに類似した別々のチャンバ内で実行することができる。別実施例では、好適にはウェハキャリアの定格の洗浄/乾燥サイクル時間は約5分から約1時間であり、さらに好適には約10分から約40分であり、最好適には約15分から約30分である。1実施例では、本発明はウェハキャリア洗浄装置を利用する。ここでは乾燥プロセス時間は最短化され、プロセスの効率は以下の別方法によって向上されている。
洗浄サイクル後に、ウェハキャリアは洗浄チャンバから自動的に取り出され、任意でロボットがウェハキャリアの一連の操作を実行する。これらには、傾斜、回転、振動および揺動が含まれる。残留した洗浄流体はウェハキャリアから排除される。好適には操作の速度、時間および程度はプログラムされた自動コマンドによって制御される。好適にはその後、同じ自動装置によって、ウェハキャリアは乾燥のために同一チャンバまたは別チャンバに移される。
手動または自動のこのような操作の1例は、固定具乾燥時間を短縮するために以下の動作を行うことができる。これら一連の操作は時計回り(CW)に開始されるが、回転方向は当然に反転が可能であり、反時計回り(CCW)の回転で開始することも可能である。以下では乾燥方法の別実施例を解説する。

1.チャンバドアを開く(T=0秒)
2.ウェハキャリア本体を取り出す(T=4秒)
3.アームを回転させ、挟持装置を約30°下方に向ける(T=5秒)
4.ウェハキャリア本体を約120°/秒の速度で反転するまで(約180°)ゆっくりと時計回りに回転させる(T=6秒)
5.ウェハキャリア本体を約120°/秒の速度でゆっくりと約360°反時計回りに回転させる(T=9秒)
6.ウェハキャリア本体を約120°/秒の速度でゆっくりと約360°時計回りに回転させる(T=12秒)
7.ウェハキャリア本体を約120°/秒の速度でゆっくりと約360°反時計回りに回転させる(T=15秒)
8.ウェハキャリア本体を振動させ、液滴を振い落とす
9.ウェハキャリア本体を約120°/秒の速度でゆっくりと時計回りに回転させて水平にする(T=17秒)
10.アームを回転させ、挟持装置を約30°上方に向ける(T=18秒)
11.ウェハキャリア本体を約120°/秒の速度で反転(約180°)するまでゆっくりと時計回りに回転させる(T=20秒)
12.ウェハキャリア本体を約120°/秒の速度で約360°ゆっくりと反時計回りに回転させる(T=23秒)
13.ウェハキャリア本体を振動させ、液滴を振い落す
14.ウェハキャリア本体をチャンバの外側で通常の水平位置に戻す(T=24秒)
15.ウェハキャリア本体をチャンバ内に戻し、ドアを閉じる(T=30秒)
別な洗浄/乾燥チャンバを図1から図35のごとく使用すると、典型的には30分の乾燥サイクルを、ウェハキャリアから余剰の液体を物理的に除去する上述の一連の操作または他の操作を適用することで短縮することができる。
洗浄サイクル後、好適には前述の一連の自動操作後に、ウェハキャリアを、典型的な二つの目的を持つ洗浄/乾燥チャンバとは異なって当初に乾燥している内部を備えた専用乾燥チャンバに入れることができる。
冷却空気または他のガス(気体)が選択された間隔で乾燥チャンバに導入され、乾燥サイクルの冷却段階を促進し、ウェハキャリアの温度を低下させる。
カムドライブまたは他の駆動システムが使用され、単純な回転動作と共に、またはその代わりに圧縮空気または圧縮ガスの供給システムの圧縮動作を駆動させる。
導入された圧縮ガスの分量、圧力、温度および方向を調節するために噴射ノズルが利用できる。ノズルは任意で圧縮ガス供給のための単純ドリル穴並びに圧力、分量、温度および方向付け特性に対して実質的な調節を提供する。
1実施例では、ウェハキャリアの洗浄/乾燥サイクルはウェハキャリアの2部材(本体およびカセット)を分離するステップと、ウェハキャリアを二つの目的を持つ洗浄/乾燥チャンバ内に配置するステップ(好適には自動)と、ウェハキャリアを洗浄するステップと、乾燥させるステップと、チャンバから取り出すステップと、カセットと本体とを再結合するステップとを含む。
直結駆動モータまたは他のシステムを使用して空気を供給するバー、パイプ、マニフォールドまたは他の空気供給部材を回転させることで、圧縮ガスを乾燥されている固定具および内部の乾燥チャンバ壁に向けて流すことができる。
振動カム駆動モータシステムを使用すると、チャンバ壁に直接的に吹き付けることなく、さらに多量の圧縮空気を乾燥処理中の固定具本体に供給できる。約70°から110°の範囲の往復回転で圧縮ガスを固定具本体に効率的に方向付けることができる。
好適に乾燥されたウェハキャリアの1つの確認方法は、乾燥サイクル直後の密封ウェハキャリアの湿度と、約2時間の安定期間後のウェハキャリア内部の湿度との比較である。約10%未満、好適には約7%未満、最好適には約5%未満の湿度増加は、好適に乾燥されたウェハキャリアであると見做せる。例えば、もし乾燥直後にウェハキャリアが31%の内部湿度を有しており、約2時間後に36%以下の湿気を有していれば、そのウェハキャリアは十分に乾燥している。もし乾燥プロセスがウェハキャリア内部に目視できる程度の洗浄液を残していれば、測定された湿度の増加は典型的には約10%から約22%の範囲であり、乾燥プロセスが失敗または不完全であると見做される。外側の目視による洗浄液滴の確認も乾燥プロセスの不成功の証拠であり、追加のガスノズルの必要性または別乾燥方法の利用の必要性を示す。
圧縮ガス供給部材は、ドリル加工された直径を増大させることで拡大オリフィスを有することができる。オリフィスの直径を増大させると固定具本体に送られるガス量を増加させることができるが、供給ガスの変動がなければ当初の供給形態に応じて、そのような改変はガス流速度を低下させ、乾燥システムの効率を減じ、乾燥時間を引き伸ばす。例えば、固定具の外側に向けられた乾燥バー穴の直径を約1/32インチ(0.08cm)から約1/16インチ(0.16cm)にまで倍増し、固定具の内部乾燥部材オリフィスの直径を約1/16インチから約3/32インチ(0.24cm)にまで増加させると、小さな寸法の場合の乾燥時間よりも必要な乾燥時間は増加する。
組み合わせ洗浄/乾燥チャンバに対しては、好適には外面(上方)洗浄噴射バーを浄化し、液滴がウェハキャリア上に落下しないようにする。バルブと噴射バーとの間のパイプの短縮も、洗浄プロセス後にウェハキャリア上に滴下する液量の減少を助ける。ウェハキャリア本体の内面および外面は好適には同時的に洗浄され、約1分から1/2分を節約する。1例として、回転システムを使用した洗浄サイクルは約2分の内部洗浄と、その後の約1分の外部洗浄を有することができる。
乾燥チャンバの急冷は、処理後の湿気測定においてチャンバ内の湿気を低下させることができる。単体型装置の非回転チャンバでは、ウェハキャリア本体ホルダは壁に取り付けなくてもよい。よって、好適なことに高価なコーティングされた機械部品は単純で安価なウェハキャリア本体ホルダに置換される。
洗浄後でウェハキャリアが洗浄チャンバから取り出される前に約12秒の遅延が導入できる。この猶予で内部噴射バーはその休止位置に戻ることができる。ウェハキャリアの一部の特殊モデルは、堆積した液滴を除去するために本体の下方前方畝部に沿って方向付けられた1以上ガスノズルの恩恵を受ける。
ウェハキャリアの予備加熱はプロセスの精度を向上させる。このプロセスは、ウェハキャリア本体の処理待機中に、ウェハキャリア本体を熱湯で洗浄すること、及び/又は汚染されたウェハキャリア本体に熱ガスを循環させることを含む。フレキシブルなシャフトカップラはモータの問題を低減できる。
オリフィスの直径の拡大と同様に、他の変更を伴わず、当初の供給形態に応じた乾燥バーの穴の拡大は、速度を減速させ、よって供給部材オリフィスから送られてくるガス圧を低下させることでウェハキャリア本体の乾燥効率を低下させる。標準ノズルを採用することによるオリフィスサイズの制御は、供給部材にドリル加工された穴よりも望ましい。
乾燥プロセスの開始に先立って1以上の熱流体(特にガスあるいは揮発性流体)を使用してウェハキャリアを予め加熱すると乾燥プロセス時間が短縮される。例えば、もし熱湯が洗浄サイクル中にウェハキャリアの暖房に使用されたら、室温の水で暖める場合よりもウェハキャリアが適切に乾燥される可能性が高まる。
乾燥チャンバ及び/又はウェハキャリア本体の冷却は処理後の湿度の制御に大きな効果を有する。乾燥サイクルを通過することが重要な場合には、冷却方法は乾燥結果を向上させるであろう。触れて少々暖かいと感じるだけの乾燥ウェハキャリア本体は、普通は2時間の処理後、湿気試験を通過する。
典型的には、乾燥サイクルの冷却処理後のウェハキャリア乾燥チャンバの予めの加熱は有効である。ウェハキャリア乾燥チャンバは使用後にしばしば約30℃から35℃の温度である。次のサイクルが開始する前にチャンバを再び急加熱する目的で、吸引ガスを切断することはチャンバ加熱時間の短縮につながる。例えば、チャンバの加熱に約8分から10分かける代わりに、吸引ガスの切断により予備加熱時間を5分から6分に短縮することができる。
チャンバサイズは乾燥時間に影響を及ぼす。チャンバが分離している洗浄サイクルと乾燥サイクルを有しているか、あるいは共通の洗浄/乾燥サイクルを有しているかに関係なく、小型チャンバは小さな容積であり、大型チャンバと同一の作用力が与えられれば小型チャンバは乾燥を迅速化させることができる。小型チャンバの小さな容積は空気をウェハキャリア本体表面のさらに近くに流させる。小型チャンバの別な利点は、小型のフットプリントがそのような器具の製造バージョンを必要とする販売者にとって望ましいことである。
ウェハキャリアの保持特性は、不都合な残留した洗浄液の捕獲要因であるため、デザインの改良で対処できる。いくつかの可能な全体的デザインの改良は以下を含むが、限定はしない。
1)ウェハキャリアホルダを、加工して特殊コーティングされたアルミ構造物の代わりにプラスチック製にする。
2)ウェハキャリアホルダの脚部を単ウェハキャリア試験電池の脚部に類似させるとウェハキャリアの湿気捕獲要因を減少させることができる。この改良はウェハキャリア本体保持システムの改良と組み合わせることができる。
3)好適には乾燥された装置に対して洗浄液滴の目視検査および続く湿気試験を実施する。1実施例ではウェハキャリア本体内部のいななる洗浄液滴も不都合であると見做す。すなわち目視可能な流体は典型的には湿気を約10%押し上げる。
本発明の別実施例は、限定はしないが、専用乾燥チャンバを使用するか、乾燥させる固定具をチャンバ内へ配置することに先立って二つの目的を持つ洗浄/乾燥チャンバの内部を乾燥状態とするが、乾燥サイクル時間を短縮させることができる。乾燥チャンバとして使用する前にチャンバ壁から洗浄流体を除去することで乾燥プロセスの効率が高まる。チャンバ内面から余剰液を除去することで固定具の乾燥状態が改善する。二つの目的を持つチャンバの寸法を小さくすることで流体の適用面積が減少し、乾燥効率が高まる。さらに乾燥チャンバの寸法の減少でガス循環速度が増加し、作業効率が高まる。
本発明を以下の非限定的な実施例でさらに詳細に解説する。以下の実施例は乾燥サイクルがその後に続く洗浄サイクルを含む。チャンバ内に設置されるウェハキャリアとウェハキャリアリッドは図1から図35で示すものに類似する。さらに、チャンバキャビネットと小規模のクリーン環境は図36から図39で示すものに類似して構築されている。
実施例1:
チャンバ本体はポリビニリデンフルオリド(PVDF)のシートで製造された。寸法は奥行き25.5インチ(65cm)、幅21インチ(53cm)、高さ26インチ(66cm)であった。チャンバ本体はチャンバ右側の外部噴射バーのための側開ドアと、ベルト駆動式ドライブを有していた。ウェハキャリア本体は、内部噴射バーによって洗浄されるチャンバ内部にアクセスさせるフレームに設置されていた。角支持部が多少傾斜しており、水滴の収集と粒子の凝集が防止された。フレームの全露出側部は上部で面取り加工されており、水の収集と粒子の凝集が防止された。外部噴射バーは幅0.010インチ(0.025cm)、長さ0.080インチ(0.20cm)のスロットを含んだ。スロットはウェハキャリア本体とチャンバ壁に面したパイプの側部に沿って配置された。スロットはレーザを使用して提供され、洗浄サイクル中は水ノズルとして利用され、エアナイフサイクルと乾燥サイクル中にはエアノズルとして利用された。内部噴射バーは0.03125インチ(0.08cm)と0.0625インチ(0.16cm)の穴と、ウェハキャリア本体の内部を対象とする2つの扇状の水ノズルを含んだ。
べルト式ドライブは、空気と水の吸入接続部を含んだ外部噴射バーマニフォールドに接続された。圧力変動とパイプ材料(PVDF)の膨張および収縮による噴射バーのずれ防止に役立つため、これはチャンバ本体の重要な特徴であった。チャンバ本体の別な重要な特徴はチャンバ内部の圧力を制御するバタフライ排気バルブであった。空気の高圧および量の多さによって、洗浄サイクル中にはエアナイフサイクル中ほどには大きな圧力解放を提供することは重要ではなかった。バタフライバルブは空気で作動して開き、圧力が解放されて閉じた。ダイヤフラムのデザインは閉じる際に最小量の排気を吸引した。
チャンバ本体の外部放射バーは独自性のある装置であった。外部放射バーはPVDFとテフロン(登録商標)で成る多数の部品を含んでいた。マニフォールドはベルト式ドライブ、空気と水の吸入部、および噴射バーを連接した。3つの大きな穴は回転による圧力を発生させることなく空気と水を放射バー内に流入させた。保持ブラケットはパイプに溶接され、スロットの妨害を防止し、空気と水をキャリア本体と完全に接触させた。ベルト式ドライブの駆動側はリミットスイッチを利用して外部放射バーの回転を防止してパイプを損傷から保護した。外部噴射バーは前後方向に弧を描くように約270°反復回転した。
チャンバ本体の内部噴射バーは、これもリミットスイッチを使用する直結駆動として構築された。内部噴射バーは単純に溶接されたパイプとL型継手であり、上部に小さな複数穴が設けられ、側部に大きな複数穴が設けられていた。噴射バーは基部フレームの前部スカートの穴内で回転自在であった。内部噴射バーは約180°外部噴射バーと直交するように側部間で弧を描くように回転した。2つの異なる弧を描くような回転動作が利用され、ウェハキャリアは一方側には押されなかった。ウェハキャリア本体の動作は角支持部の利用によって防止された。この場合、両側のタブはウェハキャリアをその位置に保持した。容量センサーが動作の検出を助けるために利用された。キャリアが角支持部からずれたか否かを検出するため、これらセンサーはキャリアに非常に接近していたが接触はしていなかった。もし接触すれば損傷がウェハキャリア本体だけではなく内部噴射バーと外部噴射バーにも発生したであろう。
所定時間内にウェハキャリア本体を乾燥させるため、チャンバを可能な限り暖かく保温することが求められた。ウェハキャリアは60℃(140°F)を超えてはならない運搬中および使用中に、キャリアへのダメージを防止するのに役立つよう、ポリカルボン酸塩上にコーティングを有していた。さもないと歪みが発生する。従って、適した温度にて必要な温度を維持するために加熱ブランケットがチャンバの外部に必要であった。これらブランケットは180°Fにセットされ、約160°Fにチャンバを加熱した。チャンバの側部の赤外線センサーが、キャリアが最も熱せられる上部付近でウェハキャリアの温度を監視した。チャンバの加熱は、洗浄サイクル後の清浄およびエアナイフサイクル中に重要になった。そこではウェハキャリアとチャンバの温度は大きく降下した。従って、乾燥サイクルを加熱させることでチャンバの望む内部温度に戻り、所定の処理時間が維持された。ウェハキャリア本体の洗浄プロセスは以下の通りである。

10.チャンバ本体のドアを開いた(T=0秒)
11.ロボットがウェハキャリア本体をフレーム上に設置した(T=40秒)
12.チャンバ本体のドアが閉じてロックされた(T=60秒)
13.洗浄サイクル(T=61秒)
14.浄化サイクル(T=121秒)
15.エアナイフサイクル(T=131秒)
16.加熱CDA乾燥サイクル(371秒)
17.噴射バーが本来の位置に戻った(T=731秒)
18.チャンバ本体のドアが開いた(T=732秒)
積荷ポートから積荷ポートへの全プロセス時間は14分であり、洗浄プロセス時間は12分であった。このプロセスサイクルで、スタート時における出力である21体ウェハキャリア/時間と、継続時の出力である25体ウェハキャリア/時間が得られた。
小規模の環境:
このプロセスを可能な限りクリーンな状態に維持するため、空気中の微粒子数をISO基準3またはクラス1のレベルに維持する小規模の環境を有することが必要であった。小規模の環境は超低粒子空気(ULPA)フィルタを収容した。このフィルタは天井から床までの超清浄(クリーン)層流を発生させた。この層流は格子構造の小規模の環境床下での粒子凝集を防止し、個々のチャンバ内に収集される代わりに、ウェハキャリアに取り付いている大粒子を環境から排出させた。小規模の環境は粉末コーティングされた2インチ(5.1cm)四方のステンレス鋼ビームにより製造された。床は格子状ポリプロピレン平面であった。小規模の環境はスタウブリ(Staubli)製の6軸クリーンルームロボットを収容した。このロボットはウェハキャリア本体とドアとが洗浄に適したチャンバ内に設置されるように操作した。
リッドおよびキャビネット本体:
リッドとキャビネット本体は、コルザン(Corzan)G2に全体的に封入された2インチ四方の304ステンレス鋼フレームで構築された。それぞれのキャビネットで寸法は高さ108インチ(274cm)、奥行き60インチ(152cm)、幅82.5インチ(210cm)であった。各リッドとキャビネット本体は6つのリッドとチャンバ本体をそれぞれ保持した。設備は排気ダクト脇の器具中央部を上から下へ通過してキャビネットに入った。キャビネットは全面的に排気され、加熱ブランケットとクリーン乾燥空気(CDA)ヒータによる過熱が防止された。キャビネットは内面の底部に格子状排水部を有しており、チャンバから漏水を捕獲した。キャビネットはまた、6チャンバが全て同時的に漏水しても全部の水を排水することができるように漏水センサーを備えた排水部も有した。
各チャンバは維持管理や交換のために取り外すことができるバルブと電気部品のセットと関係した。保守管理や交換に必要であれば個々のチャンバも取り外し可能であった。キャビネットを示す図で図示するようにドアが左方向または右方向に開く側部以外は、チャンバ本体は全て同じであった。このことはリッドチャンバの場合でも同じであった。従って、必要であればチャンバはキャビネット内でドアの開く方向を変えて移動が自由であった。
分離式の洗浄チャンバおよび乾燥チャンバと組み合わせチャンバとの対比:
1実験では、図2で示すような約135°F(57℃)に予備加熱された二つの目的を持つ洗浄/乾燥チャンバを使用して、前述した一連の操作が手動により実施された。全乾燥時間は4分間短縮された。チャンバの予備加熱は、ウェハキャリアの挿入に先立ってチャンバ壁からの残留する流体を減少させた。
実施例2
チャンバ内冷却ガスが乾燥プロセス中に供給された。:
チャンバ熱源を切断すると最初の1分でチャンバ温度が約10℃降下したが、その後は影響が弱まった。固定具本体の内外へ冷却ガスを同時的に供給すると、固定具本体の温度が急降下した。清浄乾燥空気を室温で噴射する1/4インチ(0.64cm)ノズルと2つの18インチ(46cm)エアナイフが使用され、約2分でウェハキャリアが冷却することが確認された。
前述の実施例において、一般的または特殊形態で説明された部品を他の部品と置換し、及び/又は本発明の特定操作条件を他の実施例のものと置換しても同様な結果が得られるであろう。
本発明をいくつかの実施例および実施態様を利用して詳細に解説したが、他の実施態様であっても同様な結果をもたらすことができる。本発明の改変は専門家には自明であり、「請求の範囲」によってそれらはカバーされている。明細書で言及した全ての参考文献の内容は本願に援用されている。

Claims (17)

  1. キャリアを洗浄および乾燥させる装置であって、
    チャンバは壁を含んでおり、
    キャリアを保持する該チャンバを含んでおり、
    該チャンバはその内部にキャリア外部噴射システムとキャリア内部噴射システムとを含んでおり、
    該キャリア外部噴射システムは、流体を前記キャリアの外面上に噴射する少なくとも1つのスロットを含んでおり、
    前記キャリア内部噴射システムは、流体を前記キャリア内部に噴射する少なくとも1つのスロットを含んでおり、
    前記装置は、さらに前記チャンバの1つ以上の壁を加熱する、少なくとも1つの加熱システムを含み、
    当該少なくとも1つの加熱システムは、少なくとも1つの加熱ブランケット、加熱パッド又は加熱要素を、前記チャンバの前記1つ以上の壁の内部に又は前記チャンバの外側の前記1つ以上の壁上に含んでおり、
    さらに、前記キャリアは半導体ウェハキャリアを含むことを特徴とする装置。
  2. 前記キャリアはキャリアリッドを含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記流体は液体であることを特徴とする請求項1記載の装置。
  4. 前記流体は気体であることを特徴とする請求項1記載の装置。
  5. 前記キャリア外部噴射システムと前記キャリア内部噴射システムは互いに直交方向に移動してキャリアの移動を防止することを特徴とする請求項1記載の装置。
  6. 前記キャリア外部噴射システムと前記キャリア内部噴射システムは弧を描くように振動することを特徴とする請求項1記載の装置。
  7. 前記キャリアを回転させるモータをさらに含んでいることを特徴とする請求項1記載の装置。
  8. 前記加熱システムは少なくとも1つの加熱パッドを含んでいることを特徴とする請求項1記載の装置。
  9. 本装置は小規模のクリーン環境内に設置されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
  10. 複数のキャリア洗浄/乾燥装置がキャビネット内に収容されることを特徴とする請求項1記載の装置。
  11. 前記キャリア外部噴射システムは少なくとも部分的に回転できることを特徴とする請求項1記載の装置。
  12. 前記キャリア内部噴射システムは少なくとも部分的に回転できることを特徴とする請求項1記載の装置。
  13. キャリアを洗浄および乾燥させる方法であって、
    キャリアをチャンバ内に配置するステップと、
    該チャンバは壁を含むことと、
    外部噴射システムにより該キャリアの外部に液体を噴射するステップと、
    内部噴射システムにより該キャリアの内部に液体を噴射するステップと、
    前記外部噴射システムにより該キャリアの外部に気体を噴射するステップと、前記内部噴射システムにより該キャリアの内部に気体を噴射するステップと、
    前記チャンバの1つ以上の壁を加熱する、少なくとも1つの加熱システムによって前記チャンバを加熱するステップと、を含み、
    前記少なくとも1つの加熱システムは、少なくとも1つの加熱ブランケット、加熱パッド又は加熱要素を、前記チャンバの前記1つ以上の壁の内部に又は前記チャンバの外側の前記1つ以上の壁上に含んでおり、
    さらに、前記キャリアの配置ステップは、半導体ウェハキャリアの配置を含むことを特徴とする方法。
  14. 前記キャリアの配置ステップは、キャリアリッドの配置を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. チャンバの外部を加熱するステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項13記載の方法。
  16. 前記キャリアの外部と内部は互いに直交する動作を介して噴射されることを特徴とする請求項13記載の方法。
  17. 少なくとも1つの噴射ステップは弧を描くように噴射することを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
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