JP5542083B2 - 車両用フード - Google Patents

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Description

本発明は、歩行者頭部衝突性能に優れた車両用フードに関し、特に、ストライカ直上の耐デント性を低コストで確保できる車両用フードに関する。
車体前部にフードを備えた自動車等の車両において、このフードは、アウタパネルと、アウタパネルの下面側に配置されたインナパネルと、アウタパネルとインナパネルとの間に配置された補強材とを備えている。そして、フード自体の剛性及び強度を確保するために、アウタパネルとインナパネルとが空間を介した閉断面構造をとるようにして接合されており、その内部に、複数個の補強材が設置されている。
近年、フードパネルについては、フード剛性、耐デント性及び張り剛性などに加えて、歩行者頭部が衝突したときの傷害値を低減できる構造も要求されるようになってきた。この歩行者保護性能を評価するために、衝突時の加速度−時間波形から算出されるHIC値が一般的に用いられており、HIC値が小さいほど、歩行者頭部の傷害が生じにくいとされている。つまり、フードとしての強度的な必要要件を確保した上で、HIC値が低くなるフード構造が求められている。また、フード下側に配置されるエンジン等の各種機能部品のレイアウト自由度を確保するために、これらの部品とフード下面との隙間を小さくすることができるフード構造も望まれている。
頭部がフードに衝突したときの加速度波形は、頭部がフードのアウタパネルに接触したときに第1波が生じ、その後、フード下に配置される部品との接触により加速度第2波が生じる形態が一般的である。そして、HIC値低減のためには、加速度第2波を小さくすることが最も有効であり、フード底面とその下部に配置される部品との隙間を十分に確保することが理想的である。しかし、前述のごとく、この隙間を小さくしたいという要望を考えれば、加速度第1波を大きくして、エネルギ吸収ストローク自体を小さくすることも必要となっている。
フードのインナパネルの外周部は、インナパネル自体の剛性を確保するために、略環状に凹部が設けられる。近年では、歩行者保護に対する要求はさらに厳しくなってきており、フード外周部に当たるインナパネルの凹部近傍に歩行者頭部が衝突した場合でも、所定の歩行者保護性能を確保することが必要になってきている。
特に、フードのフロント側では、ロック部直上の耐デント性に関する要求性能も他部位に比べて厳しいため、インナパネルのフード前側凹部に設けられているロック部近傍に、デント補強材と呼ばれる補強材をアウタパネルに近接して設け、アウタパネルの張り剛性及び耐デント性確保と歩行者保護性能向上の両立を図ることが一般的に行われている(特許文献1,2)。
上記構造は、デント補強材とアウタパネルをマスチック接合することで、アウタパネルの支持点間隔を短縮し、アウタパネル単体での変形を抑制することにより、耐デント性及び張り剛性の低下を図ると共に、頭部衝突における変形抵抗減少による加速度第1波の低下の防止を図ることができる。そして、これらの構造では、インナパネルの下面側にストライカが接合されるロック補強材を設けて、ロック部の強度及び剛性を確保するようになっていることが多い。
しかしながら、上記構造は、2つの補強材を使用することになり、部品点数が増加し、コストが上昇するという問題点がある。
そこで、部品点数削減を目的に、フード下面側に配置されるロック補強材を車両上方に延長してデント補強材を廃止し、ロック補強材とアウタパネルをマスチック接合することにより、耐デント性を確保しようとする構造も提案されている(特許文献3,4,5)。
しかし、ロック補強材には、ロック部の強度及び剛性を確保する必要があり、インナパネル及び前述のデント補強材等に比べて板厚を厚くする必要がある。このため、歩行者頭部衝突時には、アウタとの接合面とストライカが接合されるインナパネル下面をつなぐ脚部が折れにくく、頭部衝突時の加速度が高くなることで、頭部障害値(HIC値)が悪化するという問題点があった。
そこで、ロック部の強度及び剛性確保と、歩行者保護性能の両立のために、歩行者頭部が衝突する車両後方側のスティフナ部に薄肉材を使用し、ストライカが接合されるインナパネルの部分及びストライカ支持部に厚肉材を使用するという構造も提案されている(特許文献6,7,8)。
しかし、このような構成では、部品点数が増加してしまい、コスト上昇の問題は解決しない。
このため、逆に、ロック補強材をインナパネルの車両下側の部分に接合し、ロック補強材に比べて薄肉のインナパネルをストライカ上に配置し、このインナパネルをアウタパネルとマスチック接合することにより、耐デント性能及び歩行者保護性能を確保しようとする構造も一部に使用されている(特許文献9,10,11,12)。
図8はこの従来の車両用フードを示す下面図である。アウタパネル1とインナパネル2とが重ねあわされて相互に固定されているが、インナパネル2には車両幅方向に延びるビード31が形成されており、これらのビード31の間に、アウタパネル1との接合面であるマスチック座面32が設けられている。ストライカ6を支持するロック補強材5が、車両前端部にて、インナパネル2の下面に接合されて固定されている。
特許第4292549号公報 特開2007−98963号公報 特開2007−185996号公報 特開2008−296793号公報 特許第3956833号公報 特開2007−69643号公報 特開2008−68795号公報 特許第4479844号公報 特許第3800601号公報 特開2005−75176号公報 特開2008−247394号公報 特許第4395597号公報
しかしながら、特許文献9乃至12に記載された従来技術においても、ストライカ6の直上の耐デント性が十分ではなく、フード剛性が不足するという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、歩行者の保護性能が優れていると共に、ストライカ直上の耐デント性が優れており、フード剛性も高い車両用フードを提供することを目的とする。
本発明に係る車両用フードは、アウタパネルと、このアウタパネルの下面側に配置されたインナパネルと、このインナパネルの下面に接合されストライカを前記インナパネルの下面側にて支持するロック補強材と、を有し、
前記インナパネルは、底部と側部とからなる複数個のビードと、このビードの前記側部の上端縁を取り囲むように設けられたマスチック座面とを有し、
このマスチック座面で前記インナパネルが前記アウタパネルに接合され、
前記マスチック座面は、その一部が、平面視で、前記ロック補強材又は前記ストライカにおける車両幅方向の側方を通って前記ロック補強材よりも車両後方に設けられた部分に連なるように形成されていることを特徴とする。
この場合に、例えば、前記マスチック座面は、前記インナパネルの縁部に沿う環状の部分を有し、前記ロック補強材の側方を通る部分が、前記環状の部分に連なるものである。
更に、例えば、前記マスチック座面の前記環状の部分に取り囲まれた領域に、前記ビードが配置されている。
更にまた、例えば、前記ロック補強材における車両後方側の前記インナパネルへの接合部は、前記ビードの底部における車両前方方向の端部に接合されており、更に、前記ロック補強材における車両前方側の前記インナパネルへの接合部は、前記マスチック座面を間に挟んで前記インナパネルの下面に接合されている。
本発明によれば、インナパネルとアウタパネルとのマスチック接合部を、車両前端部に配置されたストライカの近傍に設けたので、デント補強材を設定しなくても、耐デント性を容易に確保できる。また、ストライカの車両幅方向の外側に前記マスチック接合部に連なるビードの側部が存在するので、ストライカを取り囲むようにビード側部を設けることになり、ストライカの直上の部分のパネルの耐デント性及び剛性を容易に確保できる。更に、本発明においては、ロック補強材の近傍に歩行者頭部が衝突した場合、マスチック接合面を介して、車両前後方向に応力伝播が生じやすくなるので、衝突初期の変形面積を増やすことが可能になり、慣性質量の増加に従って、加速度の一次ピークを向上させことができ、これにより、衝突前半のエネルギ吸収量を増加させることが可能になり、HIC値を低減し、歩行者保護性能を向上させることができる。
(a)は本発明の第1実施形態に係る車両用フードの断面構造を示す模式図、(b)は同じくその下面図(車両幅方向の半分のみ示す)である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る車両用フードの断面構造を示す模式図、(b)は同じくその下面図(車両幅方向の半分のみ示す)である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る車両用フードの断面構造を示す模式図、(b)は同じくその下面図(車両幅方向の半分のみ示す)である。 (a)は本発明の第4実施形態に係る車両用フードの断面構造を示す模式図、(b)は同じくその下面図(車両幅方向の半分のみ示す)である。 (a)は本発明の第5実施形態に係る車両用フードの断面構造を示す模式図、(b)は同じくその下面図(車両幅方向の半分のみ示す)である。 (a)は本発明の第6実施形態に係る車両用フードの断面構造を示す模式図、(b)は同じくその下面図(車両幅方向の半分のみ示す)である。 (a)は本発明の第7実施形態に係る車両用フードの断面構造を示す模式図、(b)は同じくその下面図(車両幅方向の半分のみ示す)である。 (a)は従来の車両用フードの断面構造を示す模式図、(b)は同じくその下面図(車両幅方向の半分のみ示す)である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1(b)は本発明の第1実施形態に係る車両用フードの下面図であり、図1(a)はその車両幅方向の中央における断面構造の模式図である。本実施形態の車両用フードは、アウタパネル1と、このアウタパネルの下方、即ちフード内部側に配置されたインナパネル2とを有する。このインナパネル2は、アウタパネル1の縁部を折り返し、この折り返し部1a、1bにインナパネル2の縁部を嵌合し、接合して、アウタパネル1に固定されている。
インナパネル2には、車両幅方向に延びる複数個のビード3が形成されている。このビード3は車両幅方向に延びる帯状の底部3aと、この底部3aの縁部から立ち上がる側部3bとから構成され、隣接して平行に延びるビード3間の側部3bの上縁部間の部分は、マスチック座面4となっている。このマスチック座面4は、アウタパネル1の下面にマスチック接合される。
マスチック座面4は、前述のごとく、ビード3の上縁間を連結するようにして形成されるが、図1に示すように、例えば、インナパネル2における車両前後方向の後方の略半分の領域に車両幅方向に延びる2本のビード3と、これらのビード3を取り囲むマスチック座面4とが形成されており、車両前後方向の前方の略半分の領域に車両幅方向に延びる3本のビード3と、これらのビード3を取り囲むマスチック座面4とが形成されている。
そして、パネルを車両本体に固定するストライカ6が、ロック補強材5に固定されて支持されており、このロック補強材5はインナパネルの車両前端部のビードの下面と、車両前端部から2番目のビードの車両後方の側部の外面とに掛け渡されて、接合により固定されている。そして、図1では、ロック補強材5は図示するように車輌側面視で略ハット型形状として示しているが、ストライカ接合部を最下部とする略角錐台形状などでも良く、フード下方の部品により受ける形状の制約、また、部品としての要求仕様に応じて適宜選択される。
このとき、車両前端部近傍のビード3(最前方のビード)は、マスチック座面4に取り囲まれているが、この最前方のビード3の車両前方側のマスチィック座面4の部分4aは、最前方のビード3の側部を通って、ロック補強材5よりも車両後方側に設けられたマスチック座面4の部分4cに連なっている。即ち、平面視で、マスチック座面4における最前方のビード3の側方を通る部分4bは、最前方のビード3の車両前方の部分4aから、ロック補強材5の車両幅方向の側方を通って、ロック補強材よりも車両後方に設けられた部分4cに連なっている。
なお、車両前後方向の中央部の車両幅方向端部のインナパネル2の底面には、上方向に凸形状となる凸ビード7が設けられている。この凸ビード7は、車両前突の際にフードパネルが側面視でくの字に折れ変形するための起点として設けられている所謂クラッシュビードである。
次に、本実施形態の車両用フードの動作について説明する。本実施形態においては、アウタパネル1と接合されるマスチック座面4が、パネルを車両本体に連結して固定するストライカ6を支持するロック補強材5の側方に配置される部分4bを含むので、デント補強材を設けなくても、インナパネル1とアウタペンル2とのマスチック接合部を、車両前端部のストライカ6の近傍にまで設けることが可能となり、耐デント性を十分に得ることができる。つまり、部品点数の増加なしに、耐デント性を向上させることができる。
また、このストライカ6の上方に位置するインナパネル1のアウタパネル2とのマスチック接合部(インナパネル2のマスチック座面4)を、ストライカ6の車両幅方向外側を経由してロック補強材5の車両後方側に設けられたインナパネル2との接合部(マスチック座面4の部分4c)まで延在させているので、ストライカ6の車両幅方向外側に車両前後方向に延在する縦壁(ビード3の側部3b)を配置することができる。即ち、ストライカ6を囲むように縦壁としてのビード3の側部3bを設けたことになり、ストライカ6の直上の耐デント性及び剛性を容易に確保することができる。
更に、本実施形態においては、ロック補強材5の近傍に歩行者頭部が衝突した場合、マスチック接合部(マスチック座面4とアウタパネル1との接合部)を介して、車両前後方向に応力伝播が生じやすくなるので、衝突初期の変形面積を増やすことが可能になり、慣性質量の増加に従って、加速度の一次ピークを向上させことができる。これにより、衝突前半のエネルギ吸収量を増加させることが可能になり、HIC値を低減し、歩行者保護性能を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図2を参照して説明する。本実施形態においては、インナパネル2の車両前方の略半分に、車両前後方向に延びるビード8と、このビード8の側部上縁間を連絡するマスチック座面9を設けた点が、図1に示す実施形態と異なる。
本実施形態においては、ストライカ6を支持するロック補強材5が車両前端のインナパネル2の下面と、ビード8の車両前方側の端部の下面とに接合されており、これにより、ロック補強材5は、車両前方側の端部のマスチック座面9の部分9aをまたぐようにして、インナパネル2の下面に設置されている。
本実施形態においても、ロック補強材5の近傍のマスチック座面9は、平面視で、車両前端部の部分9aから、ロック補強材5の側方の部分9bをとおり、ロック補強材5よりも車両後方の部分9cに至るように、配置されている。
これにより、本実施形態においても、マスチック座面9は、ロック補強材5の近傍を通るように形成されているので、デント補強材を設けなくても、インナパネル1とアウタペンル2とのマスチック接合部を、車両前端部のストライカ6の近傍にまで設けることが可能となり、耐デント性を十分に得ることができる。また、ストライカ6の近傍にビード8の側部8bが縦壁として設けられているので、ストライカ直上の耐デント性及び剛性を高めることができる。更に、本実施形態においても、ロック補強材5の近傍に歩行者頭部が衝突した場合、マスチック接合部(マスチック座面9とアウタパネル1との接合部)を介して、車両前後方向に応力伝播が生じやすくなるので、加速度の一次ピークを向上させことができるため、衝突前半のエネルギ吸収量を増加させることが可能になり、HIC値を低減し、歩行者保護性能を向上させることができる。
なお、ロック補強材5は、その車両後方側部分で、インナパネル2の中央部に設けられたビード8の底部における車両前方側の部分の下面に接合され、かつ、その車両前方側の部分で、インナパネル2の車両前方側の下面に接合されていて、両接合部の間に、ストライカ6及びマスチック座面9a(インナパネル2の前端部におけるアウタパネル1との接合部)が設けられていることが最も望ましい。これにより、歩行者頭部がフードパネルに衝突した際に、最前側のビード8の底部8aをロック補強材5で支持することになり、衝突後の過剰な加速度の落ち込みを防止でき、HIC値は確保したまま、衝突ストロークを短くすることが可能になる。
次に、本発明の第3実施形態について、図3を参照して説明する。本実施形態においては、インナパネル2に、車両前後方向に延びる複数本のビード8が相互に略平行に設けられている。そして、これらのビード8の側部8bの上縁部間を連結するようにして、アウタパネル1に接合されるマスチック座面9が形成されている。このマスチック座面9は、車両前方側の端部の部分9aから、ロック補強材5の側方を通過する部分9bに連なり、この部分9bから、車両後方の部分9cに連なるように設けられている。更に、本実施形態においては、これらのビード8の全体を取り囲むように、マスチック座面9がインナパネル2の縁部に沿って輪状に配置されている。本実施形態においては、クラッシュビード7が車両前後方向の中央部における車両幅方向の両端部の他に、この車両前後方向に延在する複数のビード8の底面にも配置されている。これにより、車両前突時(車両の前方からの衝突時)に容易に折れ変形し、前突性能を確保できる。
本実施形態においても、第1及び第2実施形態と同様の効果を奏するのに加え、マスチック座面9がストライカ6の上方の位置(部分9a)から、ストライカ6の車両幅方向外側の部分9bを経由し、インナパネル1の中央部を略輪状に囲むように連続的に形成されているので、車両各部を打撃した場合にも、この略輪状に設けられたアウタパネル1とのマスチック接合部(マスチック座面9)を介して、車両前後方向又は車両幅方向に広く応力を伝播させることが可能になり、加速度一次ピークを確保しやすくなるという効果がある。
図4は、本発明の第4実施形態を示すインナパネル2の下面図である。本実施形態においては、図1と同様に、車両幅方向に延びる複数個のビード3が設けられており、これらのビード3の側部3bの上縁間を連結するようにして、マスチック座面4が形成されていると共に、このマスチック座面4は、図1とは異なり、これらのビード3の全体を取り囲むようにして、インナパネル2の縁部に沿って輪状に配置されている。また、本実施形態においては、ロック補強材5が、インナパネル2の車両前端部の下面と、この車両前端部からマスチック座面4の車両前方側の部分4aを挟んでこの部分4aの後方に位置するビード3の底部下面とに接合されて固定されている。
本実施形態においても、図1と同様の効果を奏すると共に、図3と同様に、車両前後方向又は車両幅方向に広く応力を伝播させることが可能となり、加速度一次ピークを確保しやすくなる。また、本実施形態においては、ロック補強材5がインナパネル2の前端部の下面に接合固定されていると共に、車両前方側の端部のビード3の底部下面に接合固定されているので、これらの接合部間に、ストライカ6とマスチック座面4の前方部分4aが配置されることになり、歩行者頭部がフードパネルに衝突した際に、最前側のビード3の底部3aをロック補強材5で支持することになり、衝突後の過剰な加速度の落ち込みを防止でき、HIC値は確保したまま、衝突ストロークを短くすることが可能になる。
図5は、本発明の第5実施形態を示すインナパネル2の下面図である。本実施形態においては、ビード10が基本的には車両幅方向に延びているが、このビード10は車両幅方向の中央から端部に向かうにつれて、若干車両後方に湾曲している。また、このビード10の側部の上端間を連結するように設けられたマスチック座面11も、同様に、基本的には車両幅方向に延びるが、若干湾曲している。また、このマスチック座面11は、全てのビード11を取り囲むようにして、インナパネル1の縁部に沿って輪状に延びている。更に、車両前方側の端部のビード12は、その底部の幅方向の中央部が車両前方に広がっており、幅広のビードとなっている。
本実施形態においても、マスチック座面11は、ロック補強材5の上方の部分11aから、ロック補強材5の側方の部分11bを経て、ロック補強材5の車両後方側の部分11cまで延びており、このマスチック座面11、即ちアウタパネル1とインナパネル2との接合部はロック補強材5の近傍に位置する。
図6は本発明の第6実施形態を示すインナパネル2の下面図である。本実施形態は、比較的車両前後方向の長さが短い小型のフードに本発明を適用したものである。本実施形態においては、ロック補強材5がインナパネル2の前端部とその後方のビード13の底部下面との間に掛け渡されて接合固定されており、マスチック座面14は、このロック補強材5の上方の部分からロック補強材5の側方の部分を通ってロック補強材5の車両後方の部分まで延びている。
図7は本発明の第7実施形態を示すインナパネル2の下面図である。本実施形態においても、図4と同様に、ロック補強材5が、インナパネル2の前端部下面に接合されていると共に、車両前方側のマスチック座面4の部分4aを挟んで車両前方側に位置するビード3の底部下面に接合されているが、更に、本実施形態においては、ロック補強材5が、ストライカ6の側方を通るマスチック座面4の部分4bを超えて、インナパネル2の周辺部分の下面にも接合固定されている。本実施形態では、図7の平面図に示すように、マスチック座面4は部分4bにて車両幅方向におけるストライカ6の側方を通って、ロック補強材5よりも車両後方に設けられた部分4cに連なっている。
このように、ロック補強材5とインナパネル2の車両前端部下面との接合部を、車両幅方向の可及的に端部側の位置にまで設け、平面視で、この最外側の接合部とストライカ6との間に、マスチック座面4の部分4bを設けることにより、ストライカ6近傍のフード下面側をロック補強材5が車両幅方向につなぐことになる。これにより、ストライカ近傍をロック補強材5とインナパネル2により略閉断面化することが可能になり、かつ、車輌下側に厚肉のロック補強材5を配置することで、フードとしての剛性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限らないことは勿論である。例えば、ビードの断面形状及び延伸する方向は、フード形状に応じて適宜選択されるものである。しかし、ビードを車両幅方向に延在させることが最も望ましい。このようにすることにより、車両同士の衝突時(車両前端部での衝突時)に、フードパネルは側面視でクの字状の変形が生じやすくなり、フードパネル自体の車両後方への変位を抑制しやすいからである。これにより、優れた前端衝突性能が得られる。
しかし、この車両幅方向に延在するビードは、必ずしも車両幅方向の端部近傍まで相互に平行に延在する必要はない。このようにすると、フードのデザインによっては、頭部衝突における一次ピーク後の加速度が低くなりすぎる場合もあり、このような場合には、ビードの平面視形状において湾曲する形状を設けたり、波状の形状を設けて、所定の加速度が得られるように調整しても良い。また、フードの平面視形状の制約に応じて、ビードの車両前後方向の幅を車両幅方向で変化させるなど、フード形状に応じて便宜設定することができる。
本発明は、特にアルミニウム製のフード構造に好適である。アルミニウム製のフード構造の場合、鋼板に比べて剛性及び疲労限が低いために、板厚が厚くなる。しかし、アルミニウム製パネルは、変形強度が、軟鋼板と同等以上あるために、板厚増加の分、変形強度が過剰に高くなり、歩行者頭部衝突時には変形しにくく、歩行者保護の点で不利という問題点がある。しかしながら、本発明の構造は、厚肉で変形しにくいロック補強材をインナパネル下面側に配置し、歩行者頭部衝突時に変形するストライカ上部のアウタパネルとの接着領域には、比較的薄肉のインナパネルを配置したことで、アルミニウム製のパネルにおいても頭部衝突時には変形がしやすくなり、歩行者保護性能が優れている。
1:アウタパネル
2:インナパネル
3、8、10:ビード
3a,8a:ビード底部
3b、8b:ビード側部
4、9、11:マスチック座面
4a、4b,4c、9a、9b、9c,11a,11b、11c:部分
5:ロック補強材
6:ストライカ
7:補強材
31:ビード
32、33:マスチック座面

Claims (5)

  1. アウタパネルと、このアウタパネルの下面側に配置されたインナパネルと、このインナパネルの下面に接合されストライカを前記インナパネルの下面側にて支持するロック補強材と、を有し、
    前記インナパネルは、底部と側部とからなる複数個のビードと、このビードの前記側部の上端縁を取り囲むように設けられたマスチック座面とを有し、
    このマスチック座面で前記インナパネルが前記アウタパネルに接合され、
    前記マスチック座面は、その一部が、平面視で、前記ロック補強材又は前記ストライカにおける車両幅方向の側方を通って前記ロック補強材よりも車両後方に設けられた部分に連なるように形成されていることを特徴とする車両用フード。
  2. 前記マスチック座面は、前記インナパネルの縁部に沿う環状の部分を有し、前記ロック補強材の側方を通る部分が、前記環状の部分に連なることを特徴とする請求項1に記載の車両用フード。
  3. 前記マスチック座面の前記環状の部分に取り囲まれた領域に、前記ビードが配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用フード。
  4. 前記ロック補強材における車両後方側の前記インナパネルへの接合部は、前記ビードの底部における車両前方方向の端部に接合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用フード。
  5. 前記ロック補強材における車両前方側の前記インナパネルへの接合部は、前記マスチック座面を間に挟んで前記インナパネルの下面に接合されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用フード。
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