JP5538127B2 - ラジカル重合性組成物及び成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、注型成形材料をはじめとする各種成形材料、コーティング剤や接着剤等の様々な分野に使用可能な(メタ)アクロイル基含有ポリウレタン、その製造方法、及びそれを含むラジカル重合性組成物、並びに、該ラジカル重合性組成物からなる成形材料、及びそれを成形して得られる成形品に関する。
注型成形材料は、浴槽、キッチンカウンター、洗面ボウル等の建材住宅設備部材をはじめ、モーター等の封止部材や、LEDに代表される透明封止部材等に使用されている。特に建材住宅設備部材としては、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ(メタ)クリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂等のラジカル硬化性樹脂や、エポキシ樹脂が幅広く使用されている。
前記成形材料には、一般に、成形加工の際のひび割れ(クラック)等を防止する観点から高強度及び高伸び性を備えた機械的強度と、耐熱性とを両立した成形品が求められ、近年は、成形品の外観品質維持の観点から、熱および光に長時間暴露された際に変色しない、耐熱変色性や耐光変色性に優れた成形品および形成可能な成形材料が強く望まれている。
高い機械的強度を備えた成形品は、各種検討がなされており、例えばエポキシアクリレート(A)中に存在する水酸基の一部または全部に多塩基酸無水物を付加させてなる酸変性エポキシアクリレート(B)と、熱可塑性ポリマー(C)と、一分子中に少なくとも二個以上の二重結合を有する化合物(D)と、一分子中に一個の二重結合を有する反応性単量体(E)とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物(特許文献1)や、脂肪族或いは脂環式ジイソシアネートを用いて得られるウレタン(メタ)アクリレート含有の硬化性樹脂組成物等が知られている(特許文献2)。
しかし、特許文献1記載の組成物では、機械的強度が十分でないため、成形加工の際にクラックを引き起こす場合があり、光曝露による変色を引き起こす場合があった。
また、特許文献2記載の組成物であれば、良好な耐光変色性と、クラックの発生を防止可能なレベルの機械的強度とを有した成形品を形成できるものの、かかる成形品は耐熱性の点で十分でない場合があった。
特開2002−138121号公報 特開2001−288230号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた耐熱性と機械的強度とを両立でき、かつ、熱や光の影響による変色を引き起こしにくい成形品を形成可能な(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン、その製造方法、それを含むラジカル重合性組成物、成形材料及び成形品を提供することである。
本発明は、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と、ラジカル重合性不飽和単量体(B)とを含有するラジカル重合性組成物であって、前記ポリウレタン(A)が、下記一般式(I)で示される構造を有し、シクロヘキサンジメタノールである脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)と、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、またはノルボルネンジイソシアネートである脂肪族環式構造含有アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)と、活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)とを反応させて得られるものであり、前記ポリウレタン(A)と前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)との質量割合[(A)/(B)]が70/30〜30/70であるラジカル重合性組成物及び成形品に関するものである。
Figure 0005538127
(一般式(I)中のYは、脂肪族環式構造含有アルキレン基を表し、Tは脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基を表し、前記Xは、(メタ)アクリロイル基を含む原子団を表す。)
実施例1で得られたポリウレタン(I)のIRスペクトル図である。
本発明の(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)は、下記一般式(I)で示される構造を有するものである。
Figure 0005538127
(一般式(I)中のYは、脂肪族環式構造含有アルキレン基を表し、Tは脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基を表し、前記Xは、(メタ)アクリロイル基を含む原子団を表す。)
前記一般式(I)中のYは、前記したとおり脂肪族環式構造含有アルキレン基であり、脂肪族環式構造と鎖状脂肪族アルキレン構造とから構成される。
ここで、前記アルキレン基が脂肪族環式構造を有さず、直鎖または分岐した脂肪族構造や芳香族環構造である場合、耐熱性が十分でないため変形等を引き起こしやすく、また、熱や光の影響によって変色する場合がある。
前記脂肪族環式構造含有アルキレン基の分子量は、比較的小さいことが好ましく、分子量65〜270であることがより好ましい。具体的には、前記脂肪族環式構造含有アルキレン基は、後述する脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)と、後述する脂肪族環式構造アルキレン基又は鎖状アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)とを反応させることによって式(I)中に導入される(a1)に由来する構造であって、その分子量は後述する(a1)から2つの水酸基を除いた分子量に相当する。例えば前記脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)として分子量100〜300の範囲のものを使用した場合、前記脂肪族環式構造含有アルキレン基の分子量は、前記100〜300の範囲と、2つの水酸基の式量34.016との差分となる。
なお、前記分子量は、脂肪族環式構造を含むアルキレン基を構成する元素の式量に基づいて算出した値を示す。
前記一般式(I)中のTは、脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基であり、具体的には例えば、後述する脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)由来の構造が挙げられる。
前記一般式(I)中のYが脂肪族環式構造含有アルキレン基であっても、前記Tが脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基でなく、例えば芳香族環構造を有する炭化水素基である場合には、やはり優れた機械的強度と耐熱性とを両立できない場合がある。
前記一般式(I)中のXは、(メタ)アクリロイル基を含む原子団である。具体的には例えば、後述する活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)由来の構造が挙げられ、該構造は本発明のポリウレタン(A)の分子中に(メタ)アクリロイル基を付与する。前記(メタ)アクリロイル基は、ポリウレタン(A)の分子末端にそれぞれ1〜10個存在することが好ましく、1個〜3個存在することがより好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)としては、500〜1500の分子量を有するものを使用することが好ましく、500〜1200のものを使用することがより好ましい。なお、前記分子量は、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を構成する原子の式量に基づき、その合計量から求められる値を指す。
前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)は、例えば、脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)と、脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)と、活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)とを用いて製造することができる。
より具体的には、例えば脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)と、脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)とを反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)を得、次いで前記ポリウレタン(A−1)と活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)とを反応させることによって製造することができる。
脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)としては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の脂環式ジオール等を使用することができる。
なかでも分子量が100〜300の範囲である脂肪族環式構造含有ポリオール(a1−1)を使用することが好ましく、1,4−シクロヘキサンジメタノールを使用することが、後述するラジカル重合性組成物を製造する際の、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)のラジカル重合性不飽和単量体(B)に対する溶解性を向上するとともに、得られる成形物により一層優れた機械的強度が付与されるためより好ましい。
本発明で使用する脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)としては、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートや、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチルシクロヘキサン)、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族環式構造含有ポリイソシアネートやこれらのヌレートを、単独または併用して使用することができる。
なかでも、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートを使用することにより、後述するラジカル重合性組成物を製造する際の、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)のラジカル重合性不飽和単量体(B)に対する溶解性を向上するとともに、得られる成形物により一層優れた機械的強度と耐光変色性とが付与されるため好ましく、ノルボルネンジイソシアネートを使用することにより、得られる成形物により一層優れた機械的強度と伸び率と耐熱性とが付与されるためより好ましい。
本発明で使用する活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)としては、例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他に、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の様な水酸基を2個有するアルコールのモノ(メタ)アクリレート類;α−オレフィンエポキサイドと(メタ)アクリル酸の付加物;カルボン酸グリシジルエステルと(メタ)アクリル酸の付加物;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等;
アミノメチル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランを含むブチレンオキサイド付加物、上記水酸基含有(メタ)アクリレートの酸無水物付加物;
等が挙げられる。これらは単独で使用しても、発明の効果を妨げない範囲で併用して使用しても良い。
なかでも、水酸基含有(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、水酸基含有メタクリレートを使用することがより好ましい。水酸基含有メタクリレートを使用することにより、得られる成形品を耐熱性に特に優れたものとすることができる。
前記脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)と前記脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)との反応は、例えば脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)のイソシアネート基と、前記脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)の水酸基との当量比[(a2)のイソシアネート基/(a1)の水酸基]が1.3/1〜2.5/1、好ましくは1.5/1〜2/1の範囲になるような条件で行うことができる。これにより、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)を製造することができる。
前記脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)と前記脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)との反応は、50〜110℃、より好ましくは60〜90℃の温度範囲で行うことが好ましい。
また、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)の数平均分子量は、400〜1300であることが好ましく、400〜1000であることがより好ましい。上記範囲内の数平均分子量とするため、反応条件は適宜決定することができる。反応条件としては、例えば、上記反応温度範囲にて行い、必要に応じ反応触媒を併用することが好ましい。
また、前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)を製造する際には、重合禁止剤を用いることができる。重合禁止剤としては、後述するものが挙げられ、例えば、ポリウレタン(A−1)に対して10〜1500ppmで用いることができる。
また、前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)と活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)との反応は、前記活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)が有する水酸基、アミノ基、又はカルボキシル基と、前記ポリウレタン(A−1)中に残存するイソシアネート基との当量割合が、活性水素当量/イソシアネート当量=1/1〜1.3/1となる条件で行うことができる。これにより、(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン(A)を製造することができる。
前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(A−1)と活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)との反応は、50〜100℃の温度範囲で行うことが好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を製造する際には、オクチル錫系化合物などの公知の触媒を使用することができる。
また、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を製造する際には、重合禁止剤を用いることができる。重合禁止剤としては、後述するものが挙げられ、例えば、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)に対して10〜1500ppmで用いることができる。
前記触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラエチルチタネート等の有機チタン化合物、オクチル酸錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ジバーサテート等の有機錫化合物、ジルコニウム系化合物、鉄系化合物さらには、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等の酸やアルカリ等が挙げられる。これらの触媒の添加量は、全仕込み量に対して5〜10000ppmであることが好ましい。
前記方法で得られた本発明の(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)は、コーティング剤や接着剤、成形材料などの様々な用途に使用可能である。なかでも、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)やラジカル重合性不飽和単量体(B)等を含有するラジカル重合性組成物は、もっぱら成形材料、好ましくは注型成形材料に使用することができる。
前記ラジカル重合性組成物からなる成形材料は、例えば前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)とともに、例えばラジカル重合性不飽和単量体(B)等を含有するものである。
前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレート、トリアリール(イソ)シアヌレート;さらにアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等として、(メタ)アクリル酸メチル(メチルメタクリレート)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)のジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(EO)変性(n=2)ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド(EO)変性(n=3)ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド(EO)変性(n=3)トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノエステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の、樹脂と架橋可能な重合性不飽和化合物を使用することができる。なかでもスチレン、メチルメタクリレートを使用することが好ましい。
前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)は、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)との質量割合[(A)/(B)]が70/30〜30/70となる範囲で使用することが好ましい。
前記ラジカル重合性組成物は、加熱等によって(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)が有する(メタ)アクリロイル基と、前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)が有する不飽和基とのラジカル重合を進行させ、機械的強度や耐熱性等に優れた成形品を得るうえで、熱によって硬化反応を進行させる有機過酸化物(C)を使用することがより好ましい。
前記有機過酸化物(C)としては、例えばジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の公知のものを使用することができる。
前記有機過酸化物(C)は、前記ラジカル重合性組成物を構成する(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で使用することが好ましく、0.5〜3質量部がより好ましい。
なお、本発明のラジカル重合性組成物には、前記有機過酸化物(C)の他に紫外線硬化剤や電子線硬化剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で併用してもよい。
前記紫外線硬化剤としては、例えば、アシルホスフィンオキサイド系、ベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系化合物等を使用することができる。また、電子線硬化剤としては、例えば、ハロゲン化アルキルベンゼン、ジスルファイド系化合物等を使用することができる。
本発明のラジカル重合性組成物は、例えば前記した方法で(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)を製造し、次いで、該(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)とを混合、攪拌することによって製造することができる。前記有機過酸化物(C)を使用する場合、有機過酸化物(C)は、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)とを混合する際に使用してもよいが、予め(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)とを混合して得られたラジカル重合性組成物に対して、混合し使用することが好ましい。前記混合は、例えば攪拌機、ニーダー、ロールミル、スクリュー押出式混練機等の装置を使用して行ってもよい。
本発明のラジカル重合性組成物の粘度は、2.0〜150dPa・sの範囲にあることが好ましく、特に好ましくは3.5〜100dPa・sの範囲にあることが好ましい。ラジカル重合性組成物の粘度は、JIS−K−6901に準じて、公知の装置等を用いて測定することができる。
本発明のラジカル重合性組成物には、必要に応じて重合禁止剤や硬化促進剤等を使用することができる。
前記重合禁止剤としては、例えば、トルハイドロキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、トルハイドロノン、p−tert−ブチルカテコール、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノール等を使用することができる。重合禁止剤の使用量は、ラジカル重合性組成物中10〜1500ppmが好ましい。
前記硬化促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等の金属石鹸類;バナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物;N,N−ジメチルアミノ−p−ベンズアルデヒド、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノベンズアルデヒド、4−メチルヒドロキシエチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリン、ピペリジン、ジエタノールアニリン等の化合物を少量添加して用いることも可能である。
また、前記ラジカル重合性組成物には、必要に応じて従来から一般的に知られている不飽和ポリエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、アクリル樹脂類、アルキッド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類;ニトロセルローズ、セルローズアセテートブチレートなどのセルローズ誘導体;アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油、エポキシ化油等の油脂類;等、他の慣用の天然および合成高分子化合物を添加できる。また、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維等の有機繊維、金属繊維、ジュートやマニラ麻等の天然植物繊維、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉、ガラスビーズ、砕砂等の充填剤を配合して用いることもできる。さらにステアリン酸亜鉛、チタン白、亜鉛華、その他各種顔料安定剤、難燃剤、消泡剤、カップリング剤、内部離型剤、熱可塑性樹脂等の低収縮剤、低収縮剤がラジカル重合性樹脂と非相溶の場合は相溶化剤、老化防止剤、可塑剤、骨材、難燃剤、光安定剤、熱安定剤等の他の添加剤を使用することができる。
本発明のラジカル重合性組成物は、前記したとおり、もっぱら成形材料に使用することができる。
前記成形材料は、例えばハンドレイアップ、スプレーアップ成形、RTM(レジントランスファーモールディング)成形、連続成形、引き抜き成形、射出成形等の各種成形法によって成形し成形品を得ることができる。また、塗料として薄膜で塗工硬化させて用いることも可能である。なかでも、本発明の成形材料であれば、他の材料と組み合わせ使用しない場合であっても比較的透明な成形品を得ることができるため、注型成形法であっても好適に成形品を製造することができる。前記注型成形法は、具体的には、成形型に本発明の成形材料を流し込み、加熱硬化させる方法を適用することができる。
前記硬化反応は、使用する有機過酸化物(C)の種類等によって異なるが、概ね50〜150℃で加熱し行うことが好ましい。
本発明の成形材料を用いてなる成形品は、成形加工の際のクラックの発生を防止できるレベルの機械的強度を備え、耐熱性に優れ、かつ熱や光の影響による変色を引き起こしにくいことから、例えば、室内成形品、電気電子部品、ボート部材、自動車部材、自動2輪車部材、屋内部材、バスタブ、防水パン、キッチンカウンター、洗面カウンター、洗面化粧台、各種人造大理石成形品、セパレート板、波板、平板、ライニング材、土木建築材、電気注型、LED封止材料等に使用することができる。
以下、本発明を具体的実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、以下において、「部」「%」は断りのない限り質量基準であるものとする。
(実施例1)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジメタノール202部、イソホロンジイソシアネートを622部、トルハイドロキノンを50ppm仕込み、90℃で約2時間加熱攪拌して分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンを得た。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート382部と錫系触媒50ppmを添加し、90℃で約7時間反応させることで、分子量848のポリウレタン(I)を得た(NCO%:0.3以下)。なお、前記分子量は、前記ポリウレタン(I)を構成する原子の式量に基づき計算して求めた値である。
更に、得られた該ポリウレタン(I)を、不揮発成分が60%となるようにスチレンモノマーにて希釈し、ラジカル重合性組成物を得た。得られた該ラジカル重合性組成物300部にラジカル硬化剤パーキュアーHO(N)(日油株式会社製;有機過酸化物)3部を添加して均一になる様混合し、下記注型板作成法に従い、混合物を流し込み、中温硬化させ、得られた注型板からなる成形品の機械的物性及び、耐熱・耐光性の評価を行った。
また、下記条件におけるIRスペクトルの測定により、実施例1にて得られたポリウレタン(I)を同定した。IRスペクトルを図1に示す。なお、図1中、横軸は波長(cm−1)を表し、スペクトル中のピークの帰属はそれぞれ以下のとおりである。
(IRスペクトル測定条件)
測定機器:赤外分光光度計FT/IR−460(日本分光(株)製)。
測定法:KBrプレート使用による透過法。
積算回数:16回。
(ピークの帰属)
[シクロヘキサンジメタノール由来のピーク]
2920cm−1、2860cm−1、1450cm−1:C−H振動。
1030cm−1:C−O吸収。
[ウレタン結合生成確認のピーク]
1710cm−1:C=O基
1530cm−1:〜N(H)−C=O〜。
[イソシアネート基が消失していることを確認するピーク]
2260〜2270cm−1:NCO基。
(実施例2)
実施例1と全く同一の反応装置に、シクロヘキサンジメタノール216部、ノルボルネンジイソシアネートを618部仕込み、80℃で約2時間加熱攪拌して分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンを得た。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート410部と錫系触媒50ppm、トルハイドロキノンを50ppm添加し、90℃で約7時間反応させることで分子量816のポリウレタン(II)を得た(NCO%:0.3以下)。なお、前記分子量は、前記ポリウレタン(II)を構成する原子の式量に基づき計算して求めた値である。
更に、得られた該ウレタンメタクリレート(II)を、不揮発成分が65%となるようにスチレンモノマーにて希釈し、ラジカル重合性組成物を得た。実施例1で得られたラジカル重合性組成物を用いる代わりに、実施例2で得られたラジカル重合性組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして注型板を得、該注型板の機械的物性および耐熱・耐光評価を行った。
(実施例3)
実施例1で得られたポリウレタン(I)のスチレンモノマーの代わりにメチルメタクリレートを使用し、不揮発分を65%にしたこと以外は実施例1と同様に行い、ラジカル重合性組成物を得た。実施例1と同様に成形品を作成し、該成形品の機械的物性および耐熱・耐光評価を行った。
(実施例4)
実施例1で得られたポリウレタン(I)において、不揮発分が80%となるようにスチレンモノマーにて希釈したこと以外は実施例1と同様に行い、ラジカル重合性組成物を得た。実施例1と同様に注型板を作成し、該注型板の機械的物性および耐熱・耐光評価を行った。
(実施例5)
実施例1で得られた、不揮発成分が60%となるようにスチレンモノマーにて希釈したラジカル重合性組成物300部に促進剤として6%オクテン酸コバルト0.09部を添加して均一になる様混合し、更にラジカル硬化剤328E(化薬アクゾ社製;有機過酸化物)を3部添加して混合し、30cm×30cm大の2枚のガラス板に離型剤を塗布し、合成ゴム製チューブをガラス板の間に挟み、スペーサーを用い隙間3mmとなる様調整した型に該ラジカル重合性組成物を流し込み、室温条件下で一日間置いてレドックス硬化させ、硬化後、ガラス板ごと乾燥機に入れ、120℃、2時間で完全硬化を行い、冷却後、ガラス板を外して、平滑な厚さ3mmの注型板を得た。得られた注型板から試験片を切削し、該試験片を用いて順次JIS−K−7113の試験方法で引張試験を行い、物性を測定した。また、約4cm×4cmの試験片も切削し、耐熱・耐光性評価を行った。
(比較例1)
実施例1と全く同一の反応装置に、プロピレングリコール263部、エチレングリコール190部、無水フタル酸533部、無水マレイン酸235部を仕込み、窒素雰囲気中で220℃まで昇温し、約7時間反応させ、ソリッド酸価18.4になったところで、ハイドロキノン100ppmを170℃まで冷却した後に添加し、不飽和ポリエステルを得た。更に、得られた該不飽和ポリエステルを、不揮発成分が65%となるようにスチレンモノマーにて希釈し、ラジカル重合性組成物を得た。実施例1で得られたラジカル重合性組成物を用いる代わりに、比較例1で得られたラジカル重合性組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして注型板を得、該注型板の機械的物性および耐熱・耐光評価を行った。
(比較例2)
実施例1と全く同一の反応装置に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂(エポキシ当量187)830部、メタクリル酸365部、ジブチルヒドロキシトルエン350ppm、2−メチルイミダゾールを1000ppm添加し、110℃で約5時間反応させ、酸価が4に達したところで反応を終了し、エポキシメタクリレート樹脂を得た。更に、得られた該樹脂を、不揮発成分が75%となるようにスチレンモノマーにて希釈し、ラジカル重合性組成物を得た。実施例1で得られたラジカル重合性組成物を用いる代わりに、比較例2で得られたラジカル重合性組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして注型板を得、該注型板の機械的物性および耐熱・耐光評価を行った。
(比較例3)
適当な大きさの容器に、脂環式エポキシ樹脂YX8000(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を160部、脂環式酸無水物リカシッドMH−700G(新日本理化株式会社製)を140部、硬化触媒ニッサンカチオンM2−100R(日油株式会社製)2.4部添加して混合し、エポキシ樹脂混合物を得た。得られた該エポキシ樹脂を30cm×30cm大の2枚のガラス板に離型剤を塗布し、合成ゴム製チューブをガラス板の間に挟み、スペーサーを用い隙間3mmとなる様調整した型に流し込み、80℃/3時間、100℃/2時間、120℃/5時間の順に徐々に温度を上昇させながら硬化させることで注型板を得た。得られた注型板から試験片を切削し、該試験片を用いて順次JIS−K−7113の試験方法で引張試験を行い、物性を測定した。また、約4cm×4cmの試験片も切削し、耐熱・耐光性評価を行った。
(比較例4)
実施例1と全く同一の反応装置に、ポリプロピレングリコール(数平均分子量700)を701部、トリレンジイソシアネートを296部、イソホロンジイソシアネートを67部仕込み、80℃で約5時間後加熱攪拌して分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(イソシアネート当量532)を得た。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート273部を仕込み、窒素雰囲気中において80℃で約4時間反応し、ポリウレタン(III)を得た(NCO%:0.3以下)。更に、得られた該ポリウレタン(III)を、不揮発成分が70%となるようにスチレンモノマーにて希釈し、ラジカル重合性組成物を得た。実施例1で得られたラジカル重合性組成物を用いる代わりに、比較例4で得られたラジカル重合性組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして注型板を得、該注型板の機械的物性および耐熱・耐光評価を行った。
(比較例5)
合成例1と全く同一の反応装置に、ビスフェノールA:EO8mol付加物624部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物(МDI)を450部仕込み、80℃で約2時間加熱攪拌して分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(イソシアネート当量597)を得た。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート246部、錫系触媒50ppm、トルハイドロキノン20ppmを添加し90℃で約3時間反応させることでポリウレタン(IV)を得た(NCO%:0.3以下)。更に、得られた該ポリウレタン(IV)を、不揮発成分が65%となるようにスチレンモノマーにて希釈し、ラジカル重合性組成物を得た。実施例1で得られたラジカル重合性組成物を用いる代わりに、比較例5で得られたラジカル重合性組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして注型板を得、該注型板の機械的物性および耐熱・耐光評価を行った。
(比較例6)
合成例1と全く同一の反応装置に、シクロヘキサンポリカーボネートジオール(水酸基価:109.4)574部、イソホロンジイソシアネートを249部仕込み、80℃で約3時間加熱攪拌して分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(イソシアネート当量735)を得た。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート153部と錫系触媒を100ppm、トルハイドロキノンを50ppm添加し、90℃で約3時間反応させることでポリウレタン(V)を得た(NCO%:0.3以下)。更に、得られた該ポリウレタン(V)を、不揮発成分が65%となるようにスチレンモノマーにて希釈し、ラジカル重合性組成物を得た。実施例1で得られたラジカル重合性組成物を用いる代わりに、比較例6で得られたラジカル重合性組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして注型板を得、該注型板の機械的物性および耐熱・耐光評価を行った。得られた樹脂注型板の熱変形温度が100℃以下で低い値であった。
(比較例7)
合成例1と全く同一の反応装置に、ジプロピレングリコール214部、トリレンジイソシアネート418部、イソホロンジイソシアネート178部を仕込み、80℃で約3時間加熱攪拌して分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(イソシアネート当量253)を得た。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート437部と錫系触媒を100ppm、トルハイドロキノンを50ppm添加し、90℃で約3時間反応させることでポリウレタン(VI)を得た(NCO%:0.3以下)。更に、得られた該ポリウレタン(VI)を、不揮発成分が60%となるようにスチレンモノマーにて希釈し、ラジカル重合性組成物を得た。実施例1で得られたラジカル重合性組成物を用いる代わりに、比較例7で得られたラジカル重合性組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして注型板を得、該注型板の機械的物性および耐熱・耐光評価を行った。
(比較例8)
合成例1と全く同一の反応装置に、ネオペンチルグリコール313部、ヘキサメチレンジイソシアネート648部を仕込み、80℃で約3時間加熱攪拌して分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン(イソシアネート当量160)を得た。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート819部と錫系触媒を100ppm、トルハイドロキノンを50ppm添加し、90℃で約3時間反応させることでポリウレタン(VII)を得た(NCO%:0.3以下)。得られた該ポリウレタン(VII)をスチレンモノマーに希釈しようと試みたが、溶解しなかったために注型板を作成できず、該ポリウレタン(VII)の機械的物性および耐熱・耐光性の評価を行えなかった。
(注型板作成法)
実施例1〜4及び比較例1〜2、4〜8における注型板の作成は以下のように行った。
すなわち、30cm×30cm大の2枚のガラス板に離型剤を塗布し、合成ゴム製チューブをガラス板の間に挟み、スペーサーを用い隙間3mmとなる様調整し、実施例1〜4及び比較例1〜2、4〜8で示された各樹脂組成物を流し込み、湯浴にて常温から80℃まで4時間掛けて昇温、硬化させ、硬化後、ガラス板ごと乾燥機に入れ、120℃、1時間で完全硬化を行い、冷却後、ガラス板を外して、平滑な厚さ3mmの注型板を得た。
なお、実施例5、比較例3のエポキシ樹脂混合物については、前記実施例5、比較例3の欄でそれぞれ説明した方法により注型板を作製した。
(評価方法1.粘度)
粘度は、上記実施例1〜5及び比較例1〜8における硬化前の樹脂を用いて、JIS−K−6901に順じて測定した。
(評価方法2.注型板外観)
得られた該注型板の外観を目視にて評価した。
(評価方法3.機械的物性)
得られた該注型板の引張り測定は、JIS−K−7113に順じて測定した。
(評価方法4.熱変形温度)
得られた該注型板の熱変形温度は、JIS−K−7207に順じて測定した。100℃以上の値を有するものを耐熱性が優れると判断した。
(評価方法5.成形クラック性)
実施例1〜4及び比較例1〜2、4〜8で得られたラジカル重合性組成物の成形クラック性は以下のようにして評価した。
すなわち、直径7cm×高さ8cmのポリプロピレン製200mlデスカップ中で、実施例、比較例で得たラジカル重合性組成物100部と、硬化剤としてパーカドックス16(化薬アクゾ社製)を1部とを混合、攪拌し、乾燥機にて60℃/30分、80℃/30分の順に徐々に温度を上昇させ硬化させることによって得られた硬化物の外観を観察した。
実施例5及び比較例3で得た注型板の成形クラック性は以下のようにして評価した。
すなわち、直径7cm×高さ8cmのポリプロピレン製200mlデスカップ中に、比較例3に記載のエポキシ樹脂混合物を100部加え、乾燥機にて80℃/1時間、100℃/2時間、120℃/1時間の順に徐々に温度を上昇させて硬化させることによって得られた硬化物の外観を観察した。
評価基準: 良 (○):クラックなし
不良(×):クラックあり
(評価方法6.耐光変色)
得られた該注型板から約4cm×4cmの試験片を切削し、該試験片を用い、試験機:促進耐光性試験機(スガ試験機株式会社製)を使用して下記条件にて紫外線を照射し、100時間経過後の試験片の着色の度合いを測定機器:紫外可視分光光度計を使用して評価した。着色の度合いは色差(ΔE)にて評価し、測定によって得られた測定前後の試験片の明るさの差(ΔL)、赤みの差(Δa)、黄みの差(Δb)の値を下記の算出式に代入することで求めた。評価基準として下記値にて判定した。
条件 光源:メタルハライドランプ
紫外線強度:90mW/cm
ブラックパネル温度:63℃
湿度:50%
Figure 0005538127
判定評価基準: 優 (○):ΔE=15未満
良 (△):ΔE=15以上25未満
不良(×):ΔE=25以上
(評価方法7.耐熱変色)
得られた該注型板から約4cm×4cmの試験片を切削し、該試験片を用い、試験機器:高温恒温機(エスペック株式会社製)を使用して150℃にて試験片を加熱し、100時間経過後の試験片の着色の度合いを測定機器:紫外可視分光光度計を使用して評価した。ΔEの算出法は上記の通りである。
判定評価基準: 優 (○):ΔE=10未満
良 (△):ΔE=10以上20未満
不良(×):ΔE=20以上
Figure 0005538127
Figure 0005538127
Figure 0005538127
上表から判るように、本発明の樹脂組成物から得られる注型板は、引張強度、引張伸び率等の機械的物性、及び耐熱・耐光性、成形性のバランスに優れていることが確認された。
本発明は、高靱性及び耐熱・耐光性成形品を必要とする医療分野、電気電子分野、機械分野、土木建築等幅広い分野で利用可能である。

Claims (6)

  1. (メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン(A)と、ラジカル重合性不飽和単量体(B)とを含有するラジカル重合性組成物であって、
    前記ポリウレタン(A)が、下記一般式(I)で示される構造を有し、シクロヘキサンジメタノールである脂肪族環式構造含有ポリオール(a1)と、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、またはノルボルネンジイソシアネートである脂肪族環式構造含有アルキレン基含有ポリイソシアネート(a2)と、活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)とを反応させて得られるものであり、
    前記ポリウレタン(A)と前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)との質量割合[(A)/(B)]が70/30〜30/70であることを特徴とするラジカル重合性組成物。
    Figure 0005538127
    (一般式(I)中のYは、脂肪族環式構造含有アルキレン基を表し、Tは脂肪族環式構造含有アルキレン基又は鎖状アルキレン基を表し、前記Xは、(メタ)アクリロイル基を含む原子団を表す。)
  2. 前記活性水素原子含有(メタ)アクリレート(a3)が水酸基含有(メタ)アクリレートである、請求項1に記載のラジカル重合性組成物
  3. 前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)がスチレンまたはメチルメタクリレートである、請求項1又は2に記載のラジカル重合性組成物。
  4. 更に有機過酸化物(C)を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のラジカル重合性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のラジカル重合性組成物の硬化物のみからなる成形品。
  6. 50〜150℃の温度条件下で注型成形法によって成形して得られたものである請求項に記載の成形品。
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