JP5535981B2 - シリコン系薄膜の製膜装置及びそれを備える光電変換装置の製造装置、並びに、シリコン系薄膜の製膜方法及びそれを用いる光電変換装置の製造方法 - Google Patents
シリコン系薄膜の製膜装置及びそれを備える光電変換装置の製造装置、並びに、シリコン系薄膜の製膜方法及びそれを用いる光電変換装置の製造方法 Download PDFInfo
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Description
本発明は、シリコン系薄膜の製膜装置及び製膜方法、並びに、光電変換装置の製造装置及び製造方法に関し、特に発電層としてシリコンを用いる薄膜シリコン系太陽電池に関する。
プラズマを利用してシリコン系薄膜を製膜する際に、シランプラズマ中に発生するサイズが約10nm以下のSi微粒子(Siクラスター)がシリコン系薄膜の光劣化と密接に関係している可能性が示唆されている。詳細には、Siクラスターが膜中に取り込まれると、Si−Hx(x≧2)結合を作り、水素化アモルファスシリコン(以下、a−Si:H)の光劣化を誘起する。この問題を解決するために、クラスターフィルターによりクラスターを除去してシリコン系薄膜を製膜する方法が提案されている(特許文献1参照)。
図26に、特許文献1に記載のアモルファスシリコン系薄膜堆積装置を示す。該アモルファスシリコン系薄膜堆積装置では、基板101とメッシュ状の対向電極141とメッシュ状の高周波電極142とが対向配置されている。該アモルファスシリコン系薄膜堆積装置では、各電極表面にシランガスを垂直に流し、電極間にプラズマを発生させて、基板上にシリコン系薄膜を製膜する。基板101と対向電極141との間にはクラスター除去フィルター143が設置されている。Siクラスターのフィルターからの反射率0%であるため、Siクラスターはフィルター壁に衝突することで、プラズマ流中から除去される。これによって、プラズマ内に発生するSiラージクラスター145(径:1nm以上)が基板上に堆積されるシリコン系薄膜に混入することを防いでいる。
クラスター除去フィルターは、穴の開いたグリッド(薄板)144を2枚以上重ねた構造とされる。各グリッドは、隣接する他のグリッドと穴が重ならないように配置され、各グリッドの開口率は50%以下とされている。
特許文献1に記載のクラスター除去フィルターは、グリッドを2枚以上重ねる必要があるため、大面積化が困難である。
また、特許文献1に記載のクラスター除去フィルターを設置した場合、膜の基となるSiH3ラジカルは、基板側に配置されたグリッドで反射された後、電極側に配置されたグリッドで更に反射されてクラスター除去フィルター通過する。すなわち、SiH3ラジカルはフィルター通過の過程で、最低でも2回グリッドに衝突する。SiH3ラジカルのフィルターからの反射率は特許文献1によると約70%であるため、2回衝突によりフィルターを通過するSiH3ラジカルはほぼ半減する。また、グリッドを2枚以上重ねた際に他のグリッドと穴が重ならないようにするには、グリッドの開口率は50%より大きくできないことから、装置内への供給量に対して1/4以下のSiH3ラジカルしか製膜に関与しないこととなり、製膜速度が大幅に低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、製膜速度の低下を抑制しながら、クラスターフリーもしくはクラスター極少したシリコン系薄膜を製膜できるシリコン系薄膜の製造方法及びシリコン系薄膜の製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板が収容された真空容器内にSiを含む原料気体を供給し、プラズマ発生部に設けた放電電極に高周波電力を供給し、前記原料気体のプラズマを発生させて前記基板上にシリコン系薄膜を製膜するシリコン系薄膜の製膜装置であって、前記基板と前記放電電極との間にクラスター除去部が配置され、前記クラスター除去部は、開口率が50%以上となるよう複数の開口部を備え、前記開口部は前記プラズマ発生部側と前記基板側を連通させ、前記開口部の開口幅が、製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下であり、前記開口部の長さが、前記開口幅の2倍以上であるシリコン系薄膜の製膜装置を提供する。
上記発明によれば、クラスター除去部の開口部の長さ方向に側壁を構成する構造となる。このため開口率を50%以上とすることで、原料気体がクラスター除去部を通過しやすくなるため、製膜速度の低下を低減することができる。上記発明の製膜装置では、原料気体のプラズマ流が、開口部を経由して基板側へと供給される。クラスター除去部のプラズマ発生部側のプラズマ流にはラジカルやSiナノクラスターが含まれている。
Siナノクラスターは、開口部を通過する際に、直接開口部の側壁に衝突し、吸着する。あるいは、プラズマ流に含まれるラジカルなどに衝突して軌道転換させられ、開口部の側壁に衝突し、吸着する。開口の中央付近から開口部の長さ方向に沿った角度で開口部に入ったSiナノクラスターは、側壁から最も離れた位置を通ることになる。このような場合であっても、開口幅を平均自由行程の2倍以下とすることで、一度ラジカルに衝突したSiナノクラスターは、その後他のラジカルなどに衝突せずに開口部の側壁に衝突・吸着することが可能となる。また、開口部の長さを開口幅の2倍以上とすることで、ほとんどのSiナノクラスターを開口部の側壁に衝突させることができる。ラジカルも、開口部の側壁に衝突すると約30%が吸着されるが、上記構成とすることで、開口部を通過する際の衝突回数を1回とすることが可能となる。これにより、ラジカルは開口部を通過して基板表面に到達し易くなり、製膜速度の低下を抑制することができる。
Siナノクラスターは、開口部を通過する際に、直接開口部の側壁に衝突し、吸着する。あるいは、プラズマ流に含まれるラジカルなどに衝突して軌道転換させられ、開口部の側壁に衝突し、吸着する。開口の中央付近から開口部の長さ方向に沿った角度で開口部に入ったSiナノクラスターは、側壁から最も離れた位置を通ることになる。このような場合であっても、開口幅を平均自由行程の2倍以下とすることで、一度ラジカルに衝突したSiナノクラスターは、その後他のラジカルなどに衝突せずに開口部の側壁に衝突・吸着することが可能となる。また、開口部の長さを開口幅の2倍以上とすることで、ほとんどのSiナノクラスターを開口部の側壁に衝突させることができる。ラジカルも、開口部の側壁に衝突すると約30%が吸着されるが、上記構成とすることで、開口部を通過する際の衝突回数を1回とすることが可能となる。これにより、ラジカルは開口部を通過して基板表面に到達し易くなり、製膜速度の低下を抑制することができる。
上記発明の一態様において、前記クラスター除去部がハニカム状または格子状の構造とされても良い。
上記発明の一態様によれば、クラスター除去部の開口率を高めることが可能となる。このため、さらにラジカルは開口部を通過して基板表面に到達し易くなり、製膜速度の低下をより抑制することができる。
上記発明の一態様によれば、クラスター除去部の開口率を高めることが可能となる。このため、さらにラジカルは開口部を通過して基板表面に到達し易くなり、製膜速度の低下をより抑制することができる。
上記発明の一態様において、前記クラスター除去部が、複数の板状部材が開口幅をあけ、基板の法線方向から見たときに、一開口部のプラズマ発生部側の開口と基板側の開口とが重ならないようブラインド状に並べられた構造とされ、前記開口幅が、製膜時の圧力でのSiナノクラスターの平均自由行程以下であり、前記開口部の長さが、前記開口幅の2倍以上であっても良い。
上記発明の一態様によれば、隣り合う板状部材は開口幅をあけて配置され、且つ、開口部の長さを平均自由行程の2倍以上とすることで、ほとんどのSiナノクラスターを開口部の側壁に衝突させることができる。複数の板状部材は、基板に対して傾斜した状態で間隔をあけて並べられるため、プラズマ流に含まれるラジカルが板状部材(開口部の側壁)に2回以上衝突することになるが、開口部をさらに大きく取ることができるため、製膜速度の低下をより一層に抑制することができる。
上記発明の一態様において、前記プラズマ発生部が、前記放電電極に対向配置された対向電極を含み、前記クラスター除去部が導電性材料からなる前記対向電極であり、前記開口幅が、製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下で、かつ製膜圧力範囲における下限値の圧力で該開口部に前記プラズマを発生させないサイズであっても良い。
クラスター除去部が対向電極を兼ねることで、給電のアース電位が直接接続されるため、給電効率を高めることができる。その際、開口幅を上記範囲とすることで、開口部での放電を抑制することが可能となる。
上記発明の一態様において、前記放電電極が複数の棒状電極から構成され、前記棒状電極間の少なくとも一つの隙間に、前記放電電極と前記対向電極との間の空間に前記原料気体を供給する供給機構と、前記空間中の気体を前記真空容器外へ排気する排気機構と、
を備えることが好ましい。
を備えることが好ましい。
Siナノクラスターの動きは、原料気体の流れに影響されやすい。上記発明によれば、放電電極側に供給機構と排気機構とを備えるため、真空容器内に原料気体を供給する際にクラスター除去部、および基板方向へ流れるSiナノクラスターの量を減らすことができる。
上記発明の一態様において、前記放電電極と前記対向電極とが絶縁材を介して保持されることが好ましい。
対向電極は、開口率が50%以上であるが、絶縁材を介して放電電極と接続させることで、強度が補強される。これによって、基板の大型化に伴い対向電極が大面積化しても対向電極の変形を防止することが可能となる。
上記発明の一態様において、前記真空容器内で前記基板を保持する基板保持部を備え、前記基板保持部及び前記放電電極が、自身の温度を調整する温度調整機構を有しても良い。
上記発明によれば、真空容器内の温度分布を小さくすることができる。そのため、開口率が50%以上のクラスター除去部の熱変形を抑制することが可能となる。
また、本発明は、上記に記載のシリコン系薄膜の製膜装置を備える光電変換装置を提供する。本発明によれば、クラスターフリーもしくはクラスターが極少したシリコン系薄膜を製膜することができるため、光電変換層の光劣化を抑制することが可能となる。
また、本発明は、基板が収容された真空容器内にSiを含む原料気体を供給し、プラズマ発生部に設けた放電電極に高周波電力を供給し、前記原料気体のプラズマを発生させて前記基板上にシリコン系薄膜を製膜するシリコン系薄膜の製膜方法であって、開口率が50%以上となるよう複数の開口部を備え、前記開口部が前記プラズマ発生部側と前記基板側を連通させ、前記開口部の開口幅が製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下であり、前記開口部の長さが前記開口幅の2倍以上である
クラスター除去部を前記基板と前記放電電極との間に配置し、前記クラスター除去部の前記開口部を介して前記プラズマを基板側に供給するシリコン系薄膜の製膜方法を提供する。
クラスター除去部を前記基板と前記放電電極との間に配置し、前記クラスター除去部の前記開口部を介して前記プラズマを基板側に供給するシリコン系薄膜の製膜方法を提供する。
上記発明によれば、クラスター除去部の開口部の長さ方向に側壁を構成する構造となり、開口率を50%以上とすることで、原料気体がクラスター除去部を通過しやすくなるため、製膜速度の低下を低減することができる。上記発明の製膜装置では、原料気体のプラズマ流が、開口部を経由して基板側へと供給される。クラスター除去部のプラズマ発生部側のプラズマ流にはラジカルやSiナノクラスターが含まれている。
Siナノクラスターは、開口部を通過する際に、直接開口部の側壁に衝突し、吸着する。あるいは、プラズマ流に含まれるラジカルなどに衝突して軌道転換させられ、開口部の側壁に衝突し、吸着する。開口の中央付近から開口部の長さ方向に沿った角度で開口部に入ったSiナノクラスターは、側壁から最も離れた位置を通る。このような場合であっても、開口幅を平均自由行程の2倍以下とすることで、一度ラジカルに衝突したSiナノクラスターは、その後他のラジカルなどに衝突せずに開口部の側壁に衝突・吸着することが可能となる。また、開口部の長さを開口幅の2倍以上とすることで、ほとんどのSiナノクラスターを開口部の側壁に衝突させることができる。ラジカルも、開口部の側壁に衝突すると約30%が吸着されるが、上記構成とすることで、開口部を通過する際の衝突回数を1回とすることが可能となる。これにより、ラジカルは開口部を通過して基板表面に到達し易くなり、製膜速度の低下を抑制することができる。
Siナノクラスターは、開口部を通過する際に、直接開口部の側壁に衝突し、吸着する。あるいは、プラズマ流に含まれるラジカルなどに衝突して軌道転換させられ、開口部の側壁に衝突し、吸着する。開口の中央付近から開口部の長さ方向に沿った角度で開口部に入ったSiナノクラスターは、側壁から最も離れた位置を通る。このような場合であっても、開口幅を平均自由行程の2倍以下とすることで、一度ラジカルに衝突したSiナノクラスターは、その後他のラジカルなどに衝突せずに開口部の側壁に衝突・吸着することが可能となる。また、開口部の長さを開口幅の2倍以上とすることで、ほとんどのSiナノクラスターを開口部の側壁に衝突させることができる。ラジカルも、開口部の側壁に衝突すると約30%が吸着されるが、上記構成とすることで、開口部を通過する際の衝突回数を1回とすることが可能となる。これにより、ラジカルは開口部を通過して基板表面に到達し易くなり、製膜速度の低下を抑制することができる。
上記発明の一態様において、前記クラスター除去部をハニカム状または格子状の構造としても良い。
上記発明の一態様によれば、クラスター除去部の開口率を高めることが可能となる。
上記発明の一態様によれば、クラスター除去部の開口率を高めることが可能となる。
上記発明の一態様において、前記クラスター除去部を、複数の板状部材が開口幅をあけ、基板の法線方向から見たときに、一開口部のプラズマ発生部側の開口と基板側の開口とが重ならないようブラインド状に並べられた構造とし、前記開口幅が、製膜時の圧力でのSiナノクラスターの平均自由行程以下とし、前記開口部の長さが、前記開口幅の2倍以上としても良い。
上記発明の一態様によれば、隣り合う板状部材は開口幅をあけて配置され、且つ、開口部の長さを平均自由行程の2倍以上とすることで、ほとんどのSiナノクラスターを開口部の側壁に衝突させることができる。複数の板状部材は、基板に対して傾斜した状態で間隔をあけて並べられるため、プラズマ流に含まれるラジカルが板状部材(開口部の側壁)に2回以上衝突することになるが、開口部を大きく取ることができるため、さらに製膜速度の低下をより一層に抑制することができる。
上記発明の一態様において、前記クラスター除去部を導電性材料からなる対向電極とし、前記開口幅を、製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下で、かつ製膜圧力範囲における下限値の圧力で該開口部に前記プラズマを発生させないサイズとし、前記放電電極に前記対向電極を対向配置させて電極間にプラズマを発生させても良い。
クラスター除去部が対向電極を兼ねることで、給電のアース電位が直接接続されるため、給電効率を高めることができる。その際、開口幅を上記範囲とすることで、開口部での放電を抑制することが可能となる。
上記発明の一態様において、前記放電電極は複数の棒状電極から構成され、前記棒状電極間の少なくとも一つの隙間に設けた供給機構により前記放電電極と前記対向電極との間の空間に前記原料気体を供給する工程と、前記棒状電極間の少なくとも一つの隙間に設けた排気機構により前記空間から気体を排気する工程と、を備えても良い。
Siナノクラスターの動きは、原料気体の流れに影響されやすい。上記発明によれば、放電電極側に供給機構と排気機構とを備えるため、真空容器内に原料気体を供給する際にクラスター除去部、および基板方向へ流れるSiナノクラスターの量を減らすことができる。
上記発明の一態様において、供給機構により前記放電電極と前記対向電極との間の空間に前記原料気体を供給する工程と、排気機構により前記空間から気体を排気する工程と、
を備え、前記放電電極と前記対向電極とを絶縁材を介して保持させることが好ましい。
を備え、前記放電電極と前記対向電極とを絶縁材を介して保持させることが好ましい。
対向電極は、開口率が50%以上であるが、絶縁材を介して放電電極と接続させることで、強度が補強される。これによって、基板の大型化に伴い対向電極が大面積化しても対向電極の変形を防止することが可能となる。
上記発明の一態様において、基板保持部により前記基板を保持させ、前記基板保持部及び前記放電電極にそれぞれ温度調整機構を設け、自身の温度を調整しても良い。
上記発明によれば、真空容器内の温度分布を小さくすることができる。そのため、開口率が50%以上のクラスター除去部の熱変形を抑制することが可能となる。
また、本発明は上記に記載の製膜方法でシリコン系薄膜を製膜する光電変換装置の製造方法を提供する。本発明によれば、クラスターフリーもしくはクラスターが極少したシリコン系薄膜を製膜することができるため、光電変換層の光劣化を抑制することが可能となる。
本発明によれば、製膜速度の低下を抑制しながら、クラスターフリーもしくはクラスターが極少したシリコン系薄膜を製膜することができる。
以下に、本発明に係るシリコン系薄膜の製膜装置及び製膜方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1に、本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置の概略図を示す。製膜装置は、図示されない製膜室と、基板保持部102と、プラズマ発生部103と、クラスター除去部104と、を備えている。
ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。
図1に、本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置の概略図を示す。製膜装置は、図示されない製膜室と、基板保持部102と、プラズマ発生部103と、クラスター除去部104と、を備えている。
ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。
製膜室は、真空容器であり、容器内外の圧力差に耐え得る構造とされている。例えば、ステンレス鋼(JIS規格におけるSUS材)、アルミニウム合金鋼、または一般構造用圧延材(JIS規格におけるSS材)などから形成され、リブ材などで補強された構成を用いることができる。製膜室には、製膜室内にSiを含む原料気体(以下、原料ガスと称する)を供給する供給機構と、製膜室内から気体を排気する排気機構とが備えられている。排気機構は、たとえば公知の真空ポンプ、圧力調整弁と真空排気配管等を用いることができる。製膜室内は排気機構により0.1kPaから10kPa程度の真空状態とされ得る。
基板保持部102は、製膜室内に配置され、その上面で基板を保持することができる。基板保持部102は、自身の温度を調整する温度調整機構を有する。本実施形態において、温度調整機構は、外部から温度制御可能な熱源(ヒータ)が基板保持部102に埋め込まれたものとされる。温度調整機構は、上記に限定されず、内部に温度制御された熱媒体を循環させる熱媒循環法であっても良い。熱媒体は、非導電性媒体であり、水素やヘリウムなどの高熱伝導性ガス、フッ素系不活性液体、不活性オイル、及び純水等が使用でき、中でも150℃〜250℃の範囲でも圧力が上がらずに制御が容易であることから、フッ素系不活性液体(例えば商品名:ガルデン、F05など)の使用が好適である。
温度調整機構は、基板保持部102の上面全体を概ね均一な温度とし、且つ、上面で保持する基板の温度を所定温度に均一化する機能を有する。
温度調整機構は、基板保持部102の上面全体を概ね均一な温度とし、且つ、上面で保持する基板の温度を所定温度に均一化する機能を有する。
プラズマ発生部103は、対向電極105、放電電極106、高周波電源107、整合器108から構成されている。対向電極105及び放電電極106は、製膜室内で互いに平行に対向配置されている。
対向電極105は、導電性の平板からなり、接地部材に接続されている。対向電極105は、基板保持部102の上面と間隔をあけて平行に対向配置されている。
対向電極105は、例えば、SUS304等、または熱伝達率が格段に大きいアルミニウム系金属を用いることができる。対向電極105は、メッシュ状の構造とされ、複数の通気孔を備えている。通気孔の径は、2mm〜5mmとされると良い。対向電極105の開口率は60%〜80%とされると良い。対向電極105の板厚は、電極板の表裏温度差によるソリ量が小さくなるように、0.5mm以上で3mm以下とされると良い。そうすることで、製膜時の電極板の表裏温度差が発生し難くなるため、対向電極105の熱変形を抑制す、平面度を維持することが可能となる。対向電極105の板厚は薄いながらも構造的な取扱強度を確保するために、1mm以上で2mm以下が更に好ましい。
対向電極105は、例えば、SUS304等、または熱伝達率が格段に大きいアルミニウム系金属を用いることができる。対向電極105は、メッシュ状の構造とされ、複数の通気孔を備えている。通気孔の径は、2mm〜5mmとされると良い。対向電極105の開口率は60%〜80%とされると良い。対向電極105の板厚は、電極板の表裏温度差によるソリ量が小さくなるように、0.5mm以上で3mm以下とされると良い。そうすることで、製膜時の電極板の表裏温度差が発生し難くなるため、対向電極105の熱変形を抑制す、平面度を維持することが可能となる。対向電極105の板厚は薄いながらも構造的な取扱強度を確保するために、1mm以上で2mm以下が更に好ましい。
放電電極106は、導電性の平板からなり、対向電極105の上方(基板と反対側)に、対向電極105と間隔をあけて平行に対向配置されている。放電電極106には給電線109a,109bを介して整合器108及び高周波電源107が接続されている。製膜室内に原料ガスを供給した状態で、放電電極106に高周波電力を供給することで、放電電極106と対向電極105との間にプラズマを発生させることができる。放電電極106と対向電極105との間隔は、高周波電源107の周波数、基板の大きさなどに応じて適宜設定される。例えば、放電電極106と対向電極105との間隔は、10mm〜30mm程度の範囲に設定される。
放電電極106は、例えば、SUS304等の非磁性金属、または熱伝達率が格段に大きいために温度差による変形を生じにくいアルミニウムやアルミニウム合金系金属を用いることができる。
放電電極106は、例えば、SUS304等の非磁性金属、または熱伝達率が格段に大きいために温度差による変形を生じにくいアルミニウムやアルミニウム合金系金属を用いることができる。
整合器108は、出力側のインピーダンスを整合し、高周波電源107からの高周波電力を放電電極106へと送電する。
クラスター除去部104は、製膜時に基板101の直上に位置するよう基板保持部102と対向電極105との間に互いに間隔をあけて配置されている。対向電極105とクラスター除去部104との間隔は、2mm〜10mmとすると良い。クラスター除去部104と基板101との間隔は、5mm〜20mmとすると良い。
クラスター除去部104は、プラズマ発生部により発生させたプラズマ流からSiナノクラスターを除去する機能を有する。クラスター除去部104は、対向電極105と同等またはそれ以上の大きさとされる。クラスター除去部104の材料は特に限定されないが、導電性材料からなることが好ましい。それによってクラスター除去部104が帯電し難くなる。また、クラスター除去部104は、正に帯電可能な材料からなっても良い。それによって、負に帯電したSiナノクラスターが壁面に吸着しやすくなる。クラスター除去部104は、例えば、SUS304等の非磁性金属、または熱伝達率が格段に大きいために温度差による変形を生じにくいアルミニウムやアルミニウム合金系金属を用いることができる。
クラスター除去部104は、対向電極105側から基板保持部102側へと連通する複数の開口部と開口部を構成する壁面を備えている。クラスター除去部104の開口率は50%以上とされる。クラスター除去部104は、ハニカム状または格子状の構造とされると良い。開口部の形状は適宜設定されると良い。クラスター除去部104は、ハニカム状構造とすることで、軽量で高強度となり変形しにくくすることができる。図2に、ハニカム状構造を有するクラスター除去部104を例示する。開口部の開口幅wは、製膜時の圧力でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下とされ、ハニカム状構造材の板厚以上とされる。「開口幅」は、開口の最大長を示し、開口形状が円形である場合には円の直径とされる。「開口幅」は、開口形状が多角形である場合には、対向する頂点同士を結ぶ長さとされる。開口部の長さlは、開口幅wの2倍以上とされる。「開口部の長さ」とは、一開口部を構成する壁面の対向電極105側端部から基板保持部102側端部までの長さを意味する。
ここで、開口部の開口幅wの絶対値をより小さく設定した場合に、その2倍以上とされる開口部の長さlの絶対値も短く設定されるが、開口幅w:開口部長さlで規定される開口部の立体角を考慮すると、開口部を構成する壁面に衝突せずに開口部を通り抜けるSiナノクラスターの数は極めて少なく、クラスター除去効果が十分に発揮される。
一方、開口部の長さは、製膜時の圧力でのSiH3ラジカルなどの製膜ラジカルの平均自由行程の2倍程度以下とすることが望ましい。このときラジカルが壁に2回ぶつかることになり、ラジカル数量が半減して製膜速度が凡そ半減することになり、実用的な製膜速度を得られなくなるためである。
本実施形態においてクラスター除去部104は、アルミニウム合金の薄板に複数の貫通孔が穿設されたパンチングメタルとする。その場合、開口幅wは貫通孔の径、開口部の長さは薄板の厚さとなる。
ここで、開口部の開口幅wの絶対値をより小さく設定した場合に、その2倍以上とされる開口部の長さlの絶対値も短く設定されるが、開口幅w:開口部長さlで規定される開口部の立体角を考慮すると、開口部を構成する壁面に衝突せずに開口部を通り抜けるSiナノクラスターの数は極めて少なく、クラスター除去効果が十分に発揮される。
一方、開口部の長さは、製膜時の圧力でのSiH3ラジカルなどの製膜ラジカルの平均自由行程の2倍程度以下とすることが望ましい。このときラジカルが壁に2回ぶつかることになり、ラジカル数量が半減して製膜速度が凡そ半減することになり、実用的な製膜速度を得られなくなるためである。
本実施形態においてクラスター除去部104は、アルミニウム合金の薄板に複数の貫通孔が穿設されたパンチングメタルとする。その場合、開口幅wは貫通孔の径、開口部の長さは薄板の厚さとなる。
次に、上記製膜装置を用いて、基板上にシリコン薄膜を製膜する方法を説明する。
まず、排気機構により空気を排気し、製膜室内を真空とした後、基板保持部102の上面に基板を載置する。次に、高周波電源107からの高周波電力を、整合器108を介して放電電極106へと供給するとともに、供給機構により原料ガスを製膜室内に供給する。原料ガスは、例えば、SiH4ガスなどを用いることができる。このとき、製膜室内が所望の真空状態に保たれるよう排気機構の排気量が制御される。
まず、排気機構により空気を排気し、製膜室内を真空とした後、基板保持部102の上面に基板を載置する。次に、高周波電源107からの高周波電力を、整合器108を介して放電電極106へと供給するとともに、供給機構により原料ガスを製膜室内に供給する。原料ガスは、例えば、SiH4ガスなどを用いることができる。このとき、製膜室内が所望の真空状態に保たれるよう排気機構の排気量が制御される。
高周波電力が供給されると、放電電極106と対向電極105との間にプラズマが発生する。高周波電力は大型の放電電極への均一なプラズマ形成を考慮すると、例えば10MHz〜100MHzが好適である。プラズマは、拡散によりクラスター除去部104の開口部を経由して対向電極105側から基板側へと移動する。プラズマにはSiH3、SiH2、SiHなどのラジカルが含まれており、このSiH3ラジカルが拡散現象により拡散し、基板表面に吸着することにより、アモルファスシリコン膜あるいは結晶質シリコン膜などのシリコン薄膜が形成される。なお、シリコン薄膜は、製膜条件の中のSiH4、H2の流量比、圧力及び供給する高周波電力を適正化することにより選択的にアモルファスシリコン膜あるいは結晶質シリコン膜として製膜され得る。
なお、結晶質シリコン系とは、アモルファスシリコン系すなわち非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコン系や多結晶シリコン系も含まれる。
なお、結晶質シリコン系とは、アモルファスシリコン系すなわち非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコン系や多結晶シリコン系も含まれる。
図3に、プラズマがクラスター除去部104の開口部を通過する際のイメージ図を示す。プラズマ中には、SiH3ラジカルの他、SiH4のガス分子110やSiナノクラスター111が含まれている。任意の見込み角で開口部に入射したSiナノクラスター111の一部は、直接開口部の内壁(壁面)に衝突して吸着される。また、Siナノクラスターの一部は、開口部内に存在するSiH4のガス分子などに衝突し、軌道転換させられた後に、開口部の内壁に衝突して吸着される。開口幅wをSiナノクラスター111の平均自由行程の2倍以下、開口部の長さlを開口幅wの2倍以上とすることで、開口部の内壁面に沿った角度で入射したSiナノクラスター111であっても、高い確率で開口部の内壁に衝突させることが可能となる。これにより、プラズマ流に含まれる大部分のSiナノクラスター111を開口部の内壁に吸着させて除去することができる。また、SiH3ラジカルも開口部の内壁に衝突するが、クラスター除去部104を上記構成とすることで、SiH3ラジカルが内壁に多重衝突するのを低減させることが可能となる。また、クラスター除去部104は、1層構成とされるため、開口率を50%以上と大きくすることができ、製膜速度の低下を抑制することが可能となる。
なお、図1に示した製膜室内のプラズマ発生部103は、基板保持台102が水平方向に設置した形態で記載されているが、特に水平方向に限定されるものではなく、鉛直方向や、また鉛直方向や鉛直方向から5°〜15°傾斜させた方向でも良いことは言うまでもない。
なお、図1に示した製膜室内のプラズマ発生部103は、基板保持台102が水平方向に設置した形態で記載されているが、特に水平方向に限定されるものではなく、鉛直方向や、また鉛直方向や鉛直方向から5°〜15°傾斜させた方向でも良いことは言うまでもない。
〔第2実施形態〕
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、クラスター除去部がブラインド状とされる以外は、第1実施形態と同様の構成とされる。
クラスター除去部は、複数の板状部材が開口幅wをあけ、ブラインド状に並べられた構造とされる。図4に、ブラインド状構造を有するクラスター除去部114の断面図を例示する。図4に示すように、複数の板状部材115が基板保持部102(基板)に対して傾斜した状態で開口幅wをあけて互いに平行に並べられる。各板状部材115は、基板101の法線方向から見たときに、一開口部の対向電極105側の開口p1と基板側の開口p2とが重ならないように傾斜させる。開口部の開口幅wは、製膜時の圧力でのSiナノクラスター111の平均自由行程以下とされる。開口部の長さlは、開口幅wの2倍以上とされる。また一方、開口部の長さlは、製膜時の圧力での製膜ラジカルの平均自由行程の2倍程度以下とされることが好ましい。クラスター除去部104の開口率は50%以上とされる。
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、クラスター除去部がブラインド状とされる以外は、第1実施形態と同様の構成とされる。
クラスター除去部は、複数の板状部材が開口幅wをあけ、ブラインド状に並べられた構造とされる。図4に、ブラインド状構造を有するクラスター除去部114の断面図を例示する。図4に示すように、複数の板状部材115が基板保持部102(基板)に対して傾斜した状態で開口幅wをあけて互いに平行に並べられる。各板状部材115は、基板101の法線方向から見たときに、一開口部の対向電極105側の開口p1と基板側の開口p2とが重ならないように傾斜させる。開口部の開口幅wは、製膜時の圧力でのSiナノクラスター111の平均自由行程以下とされる。開口部の長さlは、開口幅wの2倍以上とされる。また一方、開口部の長さlは、製膜時の圧力での製膜ラジカルの平均自由行程の2倍程度以下とされることが好ましい。クラスター除去部104の開口率は50%以上とされる。
本実施形態によれば、電極側から基板に垂直に見ても基板を直接見ることはできない。このため開口部を構成する壁面に衝突せずに開口部を通り抜けるSiナノクラスターを無くする、もしくは極めて少なくし、クラスター除去効果が十分に発揮される。また、開口部を上記構成とすることで、開口部を大きく取ることができるため、得られる製膜速度の低下抑制の効果が大きくなる。
〔第3実施形態〕
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、クラスター除去部が対向電極を兼ねる。特に説明がない限り、他の構成は第1実施形態と同様とされる。
クラスター除去部は、プラズマ発生部により発生させたプラズマ流からSiナノクラスターを除去する機能に加え、対向電極としての機能を有する。クラスター除去部は、導電性材料からなる。クラスター除去部は、放電電極側から基板保持部側へと連通する複数の開口部を備えている。クラスター除去部の開口率は50%以上とされる。クラスター除去部は、ハニカム状または格子状の構造とされると良い。開口部の形状は適宜設定されると良い。開口部の開口幅は、製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下であり、さらに製膜圧力範囲における下限値の圧力で開口部にプラズマの放電を発生させないサイズである。開口部にプラズマの放電を発生させないためには、開口部の形状にも影響されるが、製膜圧力範囲における下限値の圧力での電子の平均自由行程の数倍以下とされ、実質的にはこの電子の平均自由行程の1倍〜5倍とすることが好ましい。開口部の長さは、開口幅の2倍以上とされる。上記構成とすることで、プラズマが開口部と通過する際の開口部での放電を抑制することができるとともに、開口部を構成する壁面に衝突せずに開口部を通り抜けるSiナノクラスターを無くする、もしくは極めて少なくし、クラスター除去効果が十分に発揮される。
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、クラスター除去部が対向電極を兼ねる。特に説明がない限り、他の構成は第1実施形態と同様とされる。
クラスター除去部は、プラズマ発生部により発生させたプラズマ流からSiナノクラスターを除去する機能に加え、対向電極としての機能を有する。クラスター除去部は、導電性材料からなる。クラスター除去部は、放電電極側から基板保持部側へと連通する複数の開口部を備えている。クラスター除去部の開口率は50%以上とされる。クラスター除去部は、ハニカム状または格子状の構造とされると良い。開口部の形状は適宜設定されると良い。開口部の開口幅は、製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下であり、さらに製膜圧力範囲における下限値の圧力で開口部にプラズマの放電を発生させないサイズである。開口部にプラズマの放電を発生させないためには、開口部の形状にも影響されるが、製膜圧力範囲における下限値の圧力での電子の平均自由行程の数倍以下とされ、実質的にはこの電子の平均自由行程の1倍〜5倍とすることが好ましい。開口部の長さは、開口幅の2倍以上とされる。上記構成とすることで、プラズマが開口部と通過する際の開口部での放電を抑制することができるとともに、開口部を構成する壁面に衝突せずに開口部を通り抜けるSiナノクラスターを無くする、もしくは極めて少なくし、クラスター除去効果が十分に発揮される。
図5及び図6に、本実施形態に係る製膜装置の構成を例示する。クラスター除去部124は、製膜時に基板101の直上に位置するよう基板保持部102と放電電極106との間に互いに間隔をあけて配置されている。放電電極106とクラスター除去部124との間隔は、10mm〜30mmとすると良い。クラスター除去部124と基板101との間隔は、5mm〜20mmとすると良い。
図5において、高周波電源107は電力供給線(同軸ケーブル)116を介して整合器に接続されている。高周波電源107からの高周波電力は大型の放電電極への均一なプラズマ形成を考慮すると、例えば10MHz〜100MHzが好適である。整合器は、電力供給線(同軸ケーブル)116を介して製膜室117に設けられた電流導入端子118に接続されている。同軸ケーブル116の芯線119は放電電極106へ、シールド線120は対向電極105を兼ねたクラスター除去部124へと接続されている。クラスター除去部124に直接電力給電系統のアースを接続することで、給電系統の芯線119とシールド線120間の電位の伝送を放電電極106までスムーズに導いて、給電効率を高めることができる。
また、図6に示すように、対向電極を兼ねたクラスター除去部124は、同軸ケーブル116のシールド線120ではなく、製膜室117の壁面を経由して電力給電系統のアースへ接続されても良い。
また、同軸ケーブル116から放電電極106への高周波電力の供給は、バラン給電法によって行われても良い。バラン(Balun、平衡−不平衡変換器)とは、同軸ケーブル(不平衡モード)と2線フィーダー(平衡モード)の間などに設置して、平衡及び不平衡の状態にある伝送モードを変換する素子である。すなわち、同軸ケーブルから放電電極への高周波電力の供給は、不平衡及び平衡の状態にあるとしてバラン回路を設定し、伝送モードの違いを補正しても良い。
〔第4実施形態〕
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、プラズマ発生部が異なる以外、特に説明がない限り、第3実施形態と同様の構成とされる。図7に、本実施形態に係るプラズマ発生部を放電電極側から見た平面図を示す。図8に、本実施形態に係るプラズマ発生部の断面図を示す。
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、プラズマ発生部が異なる以外、特に説明がない限り、第3実施形態と同様の構成とされる。図7に、本実施形態に係るプラズマ発生部を放電電極側から見た平面図を示す。図8に、本実施形態に係るプラズマ発生部の断面図を示す。
放電電極126は棒状部材が略平行に組み合わされたはしご型構造を有する。放電電極126は棒状部材の断面形状は製膜条件に合わせて適宜選定が可能であり、四角形、長四角形、台形、多角形、円形、楕円形などでもよく、特定するものではない。本実施形態において、放電電極126は、電流導入端子118の数に合わせて複数の電極単位に分割構成されている。放電電極126は給電線を介して対応する電流導入端子118にそれぞれ接続されている。各電流導入端子118には、それぞれ整合器108及び高周波電源107が接続されている。
対向電極は第3実施形態と同様の構成とされ、放電電極126の基板保持部側に対向配置されている。対向電力の両端部は給電系統のアースに接続されている。対向電極は、クラスター除去部124を兼ねている。対向電極124は、セラミックスなどの絶縁材からなる保持部材(フィルター保持用絶縁物)121により、放電電極126に物理的に接続されて保持されている。保持部材121は、対向電極124の任意の複数箇所に配置され、対向電極124を保持している。これにより、平面を保ちやすくなるため、開口率が高く、薄板からなる対向電極を兼ねたクラスター除去部124の熱変形を抑制することができる。
対向電極を兼ねたクラスター除去部124は、図9に示すように基板の大きさよりも少し大きなサイズで1枚構造とされる。また、対向電極を兼ねたクラスター除去部124は、図10に示すように分割された放電電極126と同等の大きさに分割された構造とされても良い。
図11に、本実施形態に係る製膜原料ガスの供給機構、及び製膜残留ガスの排気機構を説明する図を示す。本実施形態では、供給機構122及び排気機構123は、放電電極126の棒状部材同士の各隙間に交互に接続されている。排気機構123は、棒状部材同士の隙間から放電電極126と対向電極124との間の空間から製膜に寄与しなかった気体を製膜室外へと排気することができる。供給機構122は、棒状部材同士の隙間から放電電極126と対向電極124との間の空間に、原料ガスを供給することができる。図12に、本実施形態に係る供給機構の詳細を示す。本実施形態にかかる供給機構122は、放電電極126の棒状部材の長手方向に沿って延在するガス供給管とされる。ガス供給管は、内管127と外管128とから構成されている。内管127は、棒状部材同士の間に交互に接続されている。内管127は、基板101と反対側に複数の孔129が設けられている。複数の孔129は、ガス供給管の長手方向に沿って並んでいる。これによって、均等にガスを配分して噴出することができる。外管128は、内管127よりも大きな径を有し、基板101と対向する位置に、ガス供給管の長手方向に沿って延びるスリット130が形成されている。これによって、内管127の複数の孔129から噴出した噴流が直接に基板101へ噴き付けることを抑制し、基板101へ極力均一なガス流れを形成することができる。
供給機構を上記構成とすることで、基板101への噴流による局所的な膜分布を抑制することができる。
供給機構を上記構成とすることで、基板101への噴流による局所的な膜分布を抑制することができる。
〔第5実施形態〕
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、プラズマ発生部が異なる以外、特に説明がない限り、第3実施形態と同様の構成とされる。図13に、本実施形態に係るプラズマ発生部を放電電極側から見た平面図を示す。図14に、本実施形態に係るプラズマ発生部の断面図を示す。
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、プラズマ発生部が異なる以外、特に説明がない限り、第3実施形態と同様の構成とされる。図13に、本実施形態に係るプラズマ発生部を放電電極側から見た平面図を示す。図14に、本実施形態に係るプラズマ発生部の断面図を示す。
放電電極126は棒状部材が略平行に組み合わされたはしご型構造を有する。本実施形態において、放電電極126は、放電電極126用の電流導入端子118の数に合わせて複数の電極単位に分割構成されている。放電電極126は、対応する電流導入端子118にそれぞれ接続されている。
対向電極124は第3実施形態と同様の構成とされ、放電電極の基板保持部側に対向配置されている。製膜室には、対向電極124用の電流導入端子131が設けられている。対向電極124は、対応する電流導入端子131にそれぞれ接続されている。
対向電極124は第3実施形態と同様の構成とされ、放電電極の基板保持部側に対向配置されている。製膜室には、対向電極124用の電流導入端子131が設けられている。対向電極124は、対応する電流導入端子131にそれぞれ接続されている。
放電電極126用の電流導入端子118、及び、対向電極124用の電流導入端子131は、対応する電極単位毎に1つのバラン回路132に接続されている。バラン回路132は、それぞれ給電線を介して整合器108及び高周波電源107が接続されている。
対向電極124は、クラスター除去部を兼ねている。対向電極124は、セラミックスなどの絶縁材からなる保持部材により、放電電極126に物理的に接続され保持されている。保持部材121は、対向電極124の任意の複数箇所に配置され、対向電極124を保持している。これにより、平面を保ちやすくなるため、開口率が高く、薄板からなる対向電極を兼ねたクラスター除去部124の熱変形を抑制することができる。
対向電極を兼ねたクラスター除去部124は、図15に示すように基板の大きさに対応した1枚構造とされる。また、対向電極を兼ねたクラスター除去部124は、図16に示すように分割された放電電極126と同等の大きさに分割された構造とされても良い。
本実施形態において、供給機構及び排気機構は、第4実施形態と同様とする。
〔第6実施形態〕
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、放電電極が温度調整機構と供給機構とを備えること以外、特に説明がない限り、第4実施形態と同様の構成とされる。図17に、本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置の断面概略図を示す。
本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置は、放電電極が温度調整機構と供給機構とを備えること以外、特に説明がない限り、第4実施形態と同様の構成とされる。図17に、本実施形態に係るシリコン系薄膜の製膜装置の断面概略図を示す。
放電電極136は、対向電極を兼ねたクラスター除去部124と間隔をあけて略平行に対向配置されている。放電電極136と対向電極124とは保持部材(絶縁材)121で物理的に接続され保持されている。保持部材121の配置は適宜設定される。
放電電極136は、棒状部材が略平行に組み合わされたはしご型構造を有する。各棒状部材同士の間には間隙が存在する。この間隙には、放電電極136と対向電極124との間の空間から気体を排気できるよう排気機構123が接続されている。
放電電極136は、棒状部材が略平行に組み合わされたはしご型構造を有する。各棒状部材同士の間には間隙が存在する。この間隙には、放電電極136と対向電極124との間の空間から気体を排気できるよう排気機構123が接続されている。
各棒状部材は、内部に供給機構133及び温度調整機構134を備えている。
供給機構133は、第4実施形態と同様に、内管と外管とから構成されるガス供給管とされる。ガス供給管は、棒状部材の長手方向に沿って延在し、棒状部材の断面中央部から対向電極124と離れる側に配置されている。内管の複数の孔は、対向電極124と反対側を向いて形成されている。外管のスリットは、対向電極124と対向する位置に形成されている。棒状部材の対向電極124と対向する面の断面中央部には、棒状部材の長手方向に沿って延在し、外管のスリットと連通する凹部が形成されている。
供給機構133は、第4実施形態と同様に、内管と外管とから構成されるガス供給管とされる。ガス供給管は、棒状部材の長手方向に沿って延在し、棒状部材の断面中央部から対向電極124と離れる側に配置されている。内管の複数の孔は、対向電極124と反対側を向いて形成されている。外管のスリットは、対向電極124と対向する位置に形成されている。棒状部材の対向電極124と対向する面の断面中央部には、棒状部材の長手方向に沿って延在し、外管のスリットと連通する凹部が形成されている。
棒状部材に設けられる温度調整機構134は、放電電極136自身の温度を調整することができる機構であれば良い。温度調整機構134は、熱媒循環法であることが好ましいが、これに限定されず、外部から温度制御可能な熱源を埋め込んだものとしても良い。本実施形態では、棒状部材に設けられる温度調整機構(温度調節用媒体導入孔)134は、内部に温度制御された熱媒体を循環させる熱媒循環法を採用する。本実施形態では、基板保持部102にも、熱媒循環法の温度調整機構134が設けられている。
棒状部材の内部には、熱媒循環路が形成されている。熱媒循環路は、棒状部材の断面中央部を挟むよう両側に、棒状部材の長手方向に沿って延在するよう配置されている。上記構成の熱媒循環路内に温度制御された熱媒を供給すると、棒状部材全体を概ね均一な温度とすることができる。熱媒循環路内に供給される熱媒体は、非導電性媒体であり、水素やヘリウムなどの高熱伝導性ガス、フッ素系不活性液体、不活性オイル、及び純水等を使用することができる。中でも150℃〜250℃の範囲でも圧力が上がらずに制御が容易であることから、フッ素系不活性液体(例えば商品名:ガルデン、F05など)の使用が好適である。
本実施形態によれば、放電電極136の温度調整機構134により放電電極136を所望の温度に制御することで、製膜室内のヒートバランスを適切に保つことが可能となる。これにより基板の表裏温度差、及び対向電極を兼ねたクラスター除去部124の表裏温度差に伴うそり変形を抑制することができる
〔第7実施形態〕
本実施形態では、第1実施形態乃至第6実施形態のシリコン系薄膜の製膜装置を用いて製造した光電変換装置及びその製造方法を説明する。
本実施形態では、第1実施形態乃至第6実施形態のシリコン系薄膜の製膜装置を用いて製造した光電変換装置及びその製造方法を説明する。
まず、本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成について説明する。
図18は、本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置90は、シリコン系太陽電池であり、基板1、透明電極層2、太陽電池光電変換層3、及び裏面電極層4を具備する。なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。
図18は、本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置90は、シリコン系太陽電池であり、基板1、透明電極層2、太陽電池光電変換層3、及び裏面電極層4を具備する。なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。
次に、本実施形態の太陽電池パネルの製造方法の実施の形態について説明する。ここでは、基板1としてのガラス基板上に太陽電池光電変換層3として単層アモルファスシリコン薄膜太陽電池を用いた例について説明する。図19〜図23は、本発明の太陽電池パネルの製造方法の実施の形態を示す概略図である。
(1)図19(a)
本実施形態では、基板1は面積が1m2を越える大型の基板として、ソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.0mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
本実施形態では、基板1は面積が1m2を越える大型の基板として、ソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.0mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
(2)図19(b)
透明導電層2として酸化錫膜(SnO2)を主成分とする透明電極膜を約500nm〜800nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明導電層2として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
透明導電層2として酸化錫膜(SnO2)を主成分とする透明電極膜を約500nm〜800nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明導電層2として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
(3)図19(c)
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セル5の直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mm〜15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セル5の直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mm〜15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
(4)図19(d)
第1実施形態乃至第6実施形態のクラスター除去部104を備えた製膜装置により、減圧雰囲気:30〜1000Pa、基板温度:約200℃にて光電変換層3としてのアモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜する。本実施形態における製膜装置は、プラズマCVD装置とされる。光電変換層3は、SiH4ガスとH2ガスとを主原料に、透明導電層2の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層41、i層42、n層43がこの順で積層される。光電変換層3は本実施形態では、p層41:BドープしたアモルファスSiCを主とし膜厚10nm〜30nm、i層42:アモルファスSiを主とし膜厚200nm〜350nm、n層43:アモルファスSiに微結晶Siを含有するpドープしたSi層を主とし膜厚30nm〜50nmである。またp層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
第1実施形態乃至第6実施形態のクラスター除去部104を備えた製膜装置により、減圧雰囲気:30〜1000Pa、基板温度:約200℃にて光電変換層3としてのアモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜する。本実施形態における製膜装置は、プラズマCVD装置とされる。光電変換層3は、SiH4ガスとH2ガスとを主原料に、透明導電層2の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層41、i層42、n層43がこの順で積層される。光電変換層3は本実施形態では、p層41:BドープしたアモルファスSiCを主とし膜厚10nm〜30nm、i層42:アモルファスSiを主とし膜厚200nm〜350nm、n層43:アモルファスSiに微結晶Siを含有するpドープしたSi層を主とし膜厚30nm〜50nmである。またp層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
(5)図19(e)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層3の膜面側から照射する。パルス発振:10〜20kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明導電層2のレーザーエッチングラインの約100〜150μmの横側を、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板1側から照射しても良く、この場合は光電変換層3のアモルファスシリコン層で吸収されたエネルギーで発生する高い蒸気圧を利用して光電変換層3をエッチングできるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め公差を考慮して選定する。
(6)図20(a)
裏面電極層4としてAg膜/Ti膜をスパッタリング装置により減圧雰囲気、約150〜200℃にて順次製膜する。裏面電極層4は本実施形態では、Ag膜:約150〜500nm、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10〜20nmをこの順に積層する。あるいは約25nm〜100nmの膜厚を有するAg膜と、約15nm〜500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。また、タンデム型太陽電池など600nm以上の長波長側反射光が必要なものにおいては、約100nm〜450nmの膜厚を有するCu膜と、約5nm〜150nmの膜厚を有するTi膜との積層構造としても良い。
裏面電極層4としてAg膜/Ti膜をスパッタリング装置により減圧雰囲気、約150〜200℃にて順次製膜する。裏面電極層4は本実施形態では、Ag膜:約150〜500nm、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10〜20nmをこの順に積層する。あるいは約25nm〜100nmの膜厚を有するAg膜と、約15nm〜500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。また、タンデム型太陽電池など600nm以上の長波長側反射光が必要なものにおいては、約100nm〜450nmの膜厚を有するCu膜と、約5nm〜150nmの膜厚を有するTi膜との積層構造としても良い。
n層と裏面電極層4との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層3と裏面電極層4との間にZnO(GaまたはALドープZnO)膜を膜厚:50〜100nm、スパッタリング装置により製膜して設けても良い。
(7)図20(b)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から照射する。レーザー光が光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して除去される。パルス発振:1〜50kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明導電層2のレーザーエッチングラインの約250〜400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から照射する。レーザー光が光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して除去される。パルス発振:1〜50kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明導電層2のレーザーエッチングラインの約250〜400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
(8)図20(c)と図21(a)
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部においてレーザーエッチングによる直列接続部分が短絡し易い影響を除去する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から照射する。レーザー光が透明導電層2と光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して、裏面電極層4/光電変換層3/透明導電層2が除去される。パルス発振:1〜50kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5〜20mmの位置を、図20(c)に示すように、X方向絶縁溝15を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図20(c)では、光電変換層3が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝15位置には裏面電極層4/光電変換層3/透明導電層2の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14相当領域がある状態(図21(a)参照)が表れるべきであるが、基板1の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝15として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲膜除去領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部においてレーザーエッチングによる直列接続部分が短絡し易い影響を除去する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から照射する。レーザー光が透明導電層2と光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して、裏面電極層4/光電変換層3/透明導電層2が除去される。パルス発振:1〜50kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5〜20mmの位置を、図20(c)に示すように、X方向絶縁溝15を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図20(c)では、光電変換層3が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝15位置には裏面電極層4/光電変換層3/透明導電層2の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14相当領域がある状態(図21(a)参照)が表れるべきであるが、基板1の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝15として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲膜除去領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
絶縁溝15は基板1の端より5〜15mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール6内部への外部からの水分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
(9)図21(a:太陽電池膜面側から見た図、b:受光面の基板側から見た図)
後工程のEVA等を介したバックシート24との健全な接着・シール面を確保するために、基板1周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板1の端から5〜20mmで基板1の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図20(c)工程で設けた絶縁溝15よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝10よりも基板端側において、裏面電極層4/光電変換層3/透明導電層2を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。
研磨屑や砥粒は基板1を洗浄処理して除去した。
後工程のEVA等を介したバックシート24との健全な接着・シール面を確保するために、基板1周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板1の端から5〜20mmで基板1の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図20(c)工程で設けた絶縁溝15よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝10よりも基板端側において、裏面電極層4/光電変換層3/透明導電層2を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。
研磨屑や砥粒は基板1を洗浄処理して除去した。
(10)図21(a,b)
端子箱23の取付け部分はバックシート24に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層で設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の太陽電池発電セル5の裏面電極層4と、他方端部の太陽電池発電セル5に接続した集電用セルの裏面電極層4を、銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23の部分から電力が取出せるように処理する。集電用銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
端子箱23の取付け部分はバックシート24に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層で設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の太陽電池発電セル5の裏面電極層4と、他方端部の太陽電池発電セル5に接続した集電用セルの裏面電極層4を、銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23の部分から電力が取出せるように処理する。集電用銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール6の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートを配置する。
接着充填材シートの上に、防水効果の高いバックシート24を設置する。バックシート24は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/AL箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート24の端子箱23の取付け部分には、開口貫通窓を設けて集電用銅箔を取出す。この開口貫通窓部分では、バックシート24と裏面電極層4の間に絶縁材を複数層で設置して外部からの水分などの侵入を抑制する。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータ装置により減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、接着充填材シート(EVA)を架橋させて密着し、密封処理をする。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータ装置により減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、接着充填材シート(EVA)を架橋させて密着し、密封処理をする。
なお、接着充填材シートはEVAに限定されるものではなく、PVB(ポリビニルブチラール)など類似の機能を保有する接着充填材を利用することが可能である。この場合は、圧着する手順、温度や時間など条件を適正化して処理を行う。
(11)図22(a)
太陽電池モジュール6の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
太陽電池モジュール6の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
(12)図22(b)
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。
(13)図22(c)
図22(b)までの工程で形成された太陽電池パネル100について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m2)のソーラシミュレータを用いて行う。なお、発電検査は、太陽電池パネル100が完全に完成した後に行ってもよいし、アルミフレーム枠の取り付け前に行ってもよく、特に限定するものではない。
図22(b)までの工程で形成された太陽電池パネル100について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m2)のソーラシミュレータを用いて行う。なお、発電検査は、太陽電池パネル100が完全に完成した後に行ってもよいし、アルミフレーム枠の取り付け前に行ってもよく、特に限定するものではない。
(14)図22(d)
発電検査(図22(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
発電検査(図22(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
(15)図23
太陽電池モジュール6の周囲において、太陽電池モジュール6へ強度を付加するとともに、取付け座となるアルミフレーム枠を取り付ける。太陽電池モジュール6とアルミフレーム枠33L,33Sとの間にはゴム製のガスケット等を介して、弾力性を保持しながら確実に保持することが好ましい。
これで太陽電池パネル100が完成する。
太陽電池モジュール6の周囲において、太陽電池モジュール6へ強度を付加するとともに、取付け座となるアルミフレーム枠を取り付ける。太陽電池モジュール6とアルミフレーム枠33L,33Sとの間にはゴム製のガスケット等を介して、弾力性を保持しながら確実に保持することが好ましい。
これで太陽電池パネル100が完成する。
上記実施の形態では太陽電池として、単層アモルファスシリコン太陽電池を用いたものについて説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。
例えば、太陽電池として微結晶シリコンをはじめとする結晶質シリコン太陽電池や、シリコンゲルマニウム太陽電池、また、アモルファスシリコン太陽電池と結晶質シリコン太陽電池やシリコンゲルマニウム太陽電池とを各1〜複数層に積層させた多接合型(タンデム型)太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。
更に本発明は、金属基板などのような非透光性基板上に製造された、基板とは反対の側から光が入射するタイプの太陽電池にも同様に適用可能である。
例えば、太陽電池として微結晶シリコンをはじめとする結晶質シリコン太陽電池や、シリコンゲルマニウム太陽電池、また、アモルファスシリコン太陽電池と結晶質シリコン太陽電池やシリコンゲルマニウム太陽電池とを各1〜複数層に積層させた多接合型(タンデム型)太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。
更に本発明は、金属基板などのような非透光性基板上に製造された、基板とは反対の側から光が入射するタイプの太陽電池にも同様に適用可能である。
(実施例)
第1実施形態の製膜装置を用いて、基板(30cm×40cm×板厚:2mm)上にアモルファスシリコン系薄膜を製膜した。
クラスター除去部104は、アルミニウム合金からなる(35cm×45cm×板厚:10mm)。クラスター除去部104は、六角形の開口部(開口幅:3mm)を複数有し、開口率は78%とした。クラスター除去部104は、基板の直上に5mmの間隔をあけて配置した。クラスター除去部104の上には、対向電極105及び放電電極106を、間隔をあけて配置した。クラスター除去部104と対向電極105との間は、20mmあけた。
第1実施形態の製膜装置を用いて、基板(30cm×40cm×板厚:2mm)上にアモルファスシリコン系薄膜を製膜した。
クラスター除去部104は、アルミニウム合金からなる(35cm×45cm×板厚:10mm)。クラスター除去部104は、六角形の開口部(開口幅:3mm)を複数有し、開口率は78%とした。クラスター除去部104は、基板の直上に5mmの間隔をあけて配置した。クラスター除去部104の上には、対向電極105及び放電電極106を、間隔をあけて配置した。クラスター除去部104と対向電極105との間は、20mmあけた。
基板上に、アモルファスシリコン薄膜を以下の条件で製膜したものを試験片1とした。
製膜条件:
反応ガス:モノシランガス(SiH4)(100%)
ガス流量:200sccm
圧力:5Pa
基板温度:200℃
電源周波数:60MHz
電力:0.08W/cm2〜0.23W/cm2
製膜条件:
反応ガス:モノシランガス(SiH4)(100%)
ガス流量:200sccm
圧力:5Pa
基板温度:200℃
電源周波数:60MHz
電力:0.08W/cm2〜0.23W/cm2
比較例として、クラスター除去部104を設けずに、基板上にアモルファスシリコン薄膜を製膜し、試験片2とした。製膜条件は、試験片1と同様とした。
各試験片に対して、光劣化の状況を確認できる評価条件として、48℃に保った状態で、各試験片に310時間、光を照射(AM1.5、125mW/cm2)した。光照射初期及び光照射後の試験片について、電子スピン共鳴(ESR)法により欠陥密度を測定した。
各試験片に対して、光劣化の状況を確認できる評価条件として、48℃に保った状態で、各試験片に310時間、光を照射(AM1.5、125mW/cm2)した。光照射初期及び光照射後の試験片について、電子スピン共鳴(ESR)法により欠陥密度を測定した。
図24に、ESR測定の結果を示す。同図において、横軸が製膜速度、横軸が欠陥密度である。試験片1及び試験片2では、いずれも製膜速度の上昇に伴い、欠陥密度も増大した。試験片1の製膜速度は、試験片2と比較して略50%程度しか減少しなかった。これによって、従来よりもクラスター除去部104を設けたことによる製膜速度が大きく低下することを抑制でき、実用レベルの製膜速度を得ることができることが確認された。
試験片1の光照射初期の欠陥密度と、試験片2の光照射初期の欠陥密度とは、略同じであった。試験片1の光照射後の欠陥密度は、1016個/ccレベルであった。一方、試験片2の光照射後の欠陥密度は、1017個/ccレベルであった。これにより、クラスター除去部104を設けることで、大幅にアモルファスシリコン薄膜の光劣化を抑制できることが確認された。
試験片1の光照射初期の欠陥密度と、試験片2の光照射初期の欠陥密度とは、略同じであった。試験片1の光照射後の欠陥密度は、1016個/ccレベルであった。一方、試験片2の光照射後の欠陥密度は、1017個/ccレベルであった。これにより、クラスター除去部104を設けることで、大幅にアモルファスシリコン薄膜の光劣化を抑制できることが確認された。
次に、第1実施形態の製膜装置を用いてアモルファスシリコン薄膜を製膜した光電変換装置を製造し、試験片3とした。光電変換装置は、単層のアモルファスシリコン系の光電変換層を備えている。光電変換装置の他の構成は、第7実施形態に従って形成した。アモルファスシリコン薄膜のi層の膜厚は250nmとした。アモルファスシリコン薄膜の製膜条件は、製膜速度を0.5nm/sとした以外は、試験片1と同様とした。
比較例として、クラスター除去部104を設けずに、光電変換装置を製造し、試験片4とした。製造条件は、試験片3と同様とした。
各試験片を48℃に保った状態で、各試験片に310時間、光を照射(AM1.5、125mW/cm2)した。光照射初期及び光照射後の試験片3,試験片4について、発電検査を行った。
各試験片を48℃に保った状態で、各試験片に310時間、光を照射(AM1.5、125mW/cm2)した。光照射初期及び光照射後の試験片3,試験片4について、発電検査を行った。
図25に、発電検査の結果を示す。同図において、横軸の紙面左側のバーが試験片4、横軸の紙面右側が試験片3、縦軸が変換効率である。試験片3及び試験片4では、いずれも光照射後の変換効率は、光照射初期よりも低下した。試験片3及び試験片4の光照射初期の変換効率は、それぞれ10.5%,10.7%となり、両者は略同じ値であった。試験片3の光照射後の変換効率は、9.8%であった。一方、試験片4の光照射後の変換効率は、7.1%であった。これにより、クラスター除去部104を設けることで、光劣化による変換効率の低下を大幅に抑制できることが確認された。
1,101 基板
2 透明電極層
3 光電変換層
4 裏面電極層
41 p層
42 i層
43 n層
102 基板保持部
103 プラズマ発生部
104 クラスター除去部
105 対向電極
106,126,136 放電電極
107 高周波電源
108 整合器
109a,109b 給電線
110 SiH4のガス分子
111 Siナノクラスター
116 電力供給線(同軸ケーブル)
117 製膜室
118 電流導入端子
119 芯線
120 シールド線
121 保持部材(フィルター保持用絶縁物)
122 供給機構
123 排気機構
124 クラスター除去部(ナノクラスター除去フィルター兼電極)
127 内管
128 外管
129 孔
130 スリット
131 電流導入端子(対向電極用)
132 バラン回路
134 温度調整機構(温度調節用媒体導入孔)
2 透明電極層
3 光電変換層
4 裏面電極層
41 p層
42 i層
43 n層
102 基板保持部
103 プラズマ発生部
104 クラスター除去部
105 対向電極
106,126,136 放電電極
107 高周波電源
108 整合器
109a,109b 給電線
110 SiH4のガス分子
111 Siナノクラスター
116 電力供給線(同軸ケーブル)
117 製膜室
118 電流導入端子
119 芯線
120 シールド線
121 保持部材(フィルター保持用絶縁物)
122 供給機構
123 排気機構
124 クラスター除去部(ナノクラスター除去フィルター兼電極)
127 内管
128 外管
129 孔
130 スリット
131 電流導入端子(対向電極用)
132 バラン回路
134 温度調整機構(温度調節用媒体導入孔)
Claims (16)
- 基板が収容された真空容器内にSiを含む原料気体を供給し、プラズマ発生部に設けた放電電極に高周波電力を供給し、前記原料気体のプラズマを発生させて前記基板上にシリコン系薄膜を製膜するシリコン系薄膜の製膜装置であって、
前記基板と前記放電電極との間にクラスター除去部が配置され、
前記クラスター除去部は、開口率が50%以上となるよう複数の開口部を備え、
前記開口部は前記プラズマ発生部側と前記基板側を連通させ、
前記開口部の開口幅が、製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下であり、
前記開口部の長さが、前記開口幅の2倍以上であるシリコン系薄膜の製膜装置。 - 前記クラスター除去部がハニカム状または格子状の構造とされる請求項1に記載のシリコン系薄膜の製膜装置。
- 前記クラスター除去部が、
複数の板状部材が開口幅をあけ、基板の法線方向から見たときに、一開口部のプラズマ発生部側の開口と基板側の開口とが重ならないようブラインド状に並べられた構造とされ、
前記開口幅が、製膜時の圧力でのSiナノクラスターの平均自由行程以下であり、
前記開口部の長さが、前記開口幅の2倍以上である請求項1に記載のシリコン系薄膜の製膜装置。 - 前記プラズマ発生部が、前記放電電極に対向配置された対向電極を含み、
前記クラスター除去部が導電性材料からなる前記対向電極であり、
前記開口幅が、製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下で、かつ製膜圧力範囲における下限値の圧力で該開口部に前記プラズマを発生させないサイズである請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシリコン系薄膜の製膜装置。 - 前記放電電極が複数の棒状電極から構成され、前記棒状電極間の少なくとも一つの隙間に、
前記放電電極と前記対向電極との間の空間に前記原料気体を供給する供給機構と、
前記空間中の気体を前記真空容器外へ排気する排気機構と、
を備える請求項4に記載のシリコン系薄膜の製膜装置。 - 前記放電電極と前記対向電極とが絶縁材を介して保持される請求項4または請求項5に記載のシリコン系薄膜の製膜装置。
- 前記真空容器内で前記基板を保持する基板保持部を備え、
前記基板保持部及び前記放電電極が、自身の温度を調整する温度調整機構を有する請求項5または請求項6に記載のシリコン系薄膜の製膜装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のシリコン系薄膜の製膜装置を備える光電変換装置の製造装置。
- 基板が収容された真空容器内にSiを含む原料気体を供給し、プラズマ発生部に設けた放電電極に高周波電力を供給し、前記原料気体のプラズマを発生させて前記基板上にシリコン系薄膜を製膜するシリコン系薄膜の製膜方法であって、
開口率が50%以上となるよう複数の開口部を備え、
前記開口部が前記プラズマ発生部側と前記基板側を連通させ、
前記開口部の開口幅が製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下であり、
前記開口部の長さが前記開口幅の2倍以上であるクラスター除去部を前記基板と前記放電電極との間に配置し、
前記クラスター除去部の前記開口部を介して前記プラズマを基板側に供給するシリコン系薄膜の製膜方法。 - 前記クラスター除去部をハニカム状または格子状の構造とする請求項9に記載のシリコン系薄膜の製膜方法。
- 前記クラスター除去部を、
複数の板状部材が開口幅をあけ、基板の法線方向から見たときに、一開口部のプラズマ発生部側の開口と基板側の開口とが重ならないようブラインド状に並べられた構造とし、
前記開口幅が、製膜時の圧力でのSiナノクラスターの平均自由行程以下とし、
前記開口部の長さが、前記開口幅の2倍以上とする請求項9に記載のシリコン系薄膜の製膜方法。 - 前記クラスター除去部を導電性材料からなる対向電極とし、
前記開口幅を、製膜時の圧力下でのSiナノクラスターの平均自由行程の2倍以下で、かつ製膜圧力範囲における下限値の圧力で該開口部に前記プラズマを発生させないサイズとし、
前記放電電極に前記対向電極を対向配置させて電極間にプラズマを発生させる請求項9乃至請求項11のいずれかに記載のシリコン系薄膜の製膜方法。 - 前記放電電極は複数の棒状電極から構成され、前記棒状電極間の少なくとも一つの隙間に設けた供給機構により前記放電電極と前記対向電極との間の空間に前記原料気体を供給する工程と、
前記棒状電極間の少なくとも一つの隙間に設けた排気機構により前記空間から気体を排気する工程と、
を備える請求項12に記載のシリコン系薄膜の製膜方法。 - 供給機構により前記放電電極と前記対向電極との間の空間に前記原料気体を供給する工程と、
排気機構により前記空間から気体を排気する工程と、
を備え、
前記放電電極と前記対向電極とを絶縁材を介して保持させる請求項12または請求項13に記載のシリコン系薄膜の製膜方法。 - 基板保持部により前記基板を保持させ、
前記基板保持部及び前記放電電極にそれぞれ温度調整機構を設け、自身の温度を調整する請求項12または請求項13に記載のシリコン系薄膜の製膜方法。 - 請求項9乃至請求項15のいずれかに記載のシリコン系薄膜の製膜方法でシリコン系薄膜を製膜する光電変換装置の製造方法。
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