JP5534965B2 - ロープ溝アンダーカットの修正加工装置およびこの修正加工装置を用いたロープ溝アンダーカットの修正加工方法 - Google Patents
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Description
このように、それぞれのロープ溝の磨耗量が異なり、各ロープ溝の直径に違いを生じると、溝車1回転あたりに繰り出すロープの長さがロープ毎に変化する。そうすると、エレベータの動作中に、他のロープより多く繰り出されたロープは弛んだ状態となり、ロープ溝でスリップを生じる。
このようなスリップが起こると振動が発生し、この振動がエレベータのカゴに伝わり、エレベータの乗り心地が悪化する。
この問題を解決した、ロープを外すことなく加工でき、めっき等の付加加工行わず、短期間にロープ溝を修正加工するものとして、溝車のロープ溝内で研削砥石を回転させてロープ溝を加工する加工部と、この加工部を溝車の半径方向に移動し得るように支持する半径方向可動器とを備えたロープ溝加工装置での、ロープ溝の修正加工がある(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献2における溝車のロープ溝の修正加工では、ロープ溝加工装置に使用される球状の研削砥石が、ロープ溝の径と同じ径であり、ロープ溝に形成されたアンダーカットまたはV溝の幅より大きく、アンダーカットやV溝の修正加工ができないとの問題があった。
またロープ溝の磨耗量が少ない場合でも、特許文献2のロープ溝加工装置により、ロープ溝の修正加工を繰り返すと、ロープ溝に形成されたアンダーカットの深さが浅くなり、やはり、ロープ溝とロープとの間に十分な摩擦力が得られないとの問題があった。
図1は、本発明の実施の形態1に係わるロープ溝アンダーカットの修正加工装置で修正加工される溝車を備えたエレベータシステムの側面模式図である。
図1に示すように、エレベータのカゴ28は、駆動綱車22側から垂れ下がったロープ25の一端に接続されており、釣合い重り29は、ソラセ車23側から垂れ下がったロープ25の一端に接続されている。また、ロープ25は、駆動綱車22およびソラセ車23の各円周面に形成されたロープ溝(後述する)に嵌まっている。
図2に示すように、駆動綱車22は、駆動機26と接続しているとともに、その円周面に、複数のロープ溝24が形成されている。また、ロープ溝24の底部には、ロープ25との摩擦力を大きくするためのアンダーカット27が形成されている。図2では、ロープ溝24にアンダーカット27が形成されているが、アンダーカット27に替えてV溝であっても良い。
また、図2は、駆動綱車22について示しているが、ソラセ車23は、アンダーカットが無いだけで、他は同様である。
図4は、本発明の実施の形態1に係わるロープ溝アンダーカットの修正加工装置の側面模式図である。
図3と図4とに示すように、本実施の形態のロープ溝アンダーカットの修正加工装置(アンダーカットの修正加工装置と記す)100は、加工工具である、溝車のアンダーカット27と同じ形状を有するヘールバイト14と、ヘールバイト14を固定するヘールバイトホルダ15と、ヘールバイト14を溝車の径方向(径方向と記す)に移動させる径方向駆動部10と、径方向駆動部10を溝車の軸方向(軸方向と記す)に移動させる軸方向駆動部5と、軸方向駆動部5を搭載する固定部材6と、径方向駆動部10および軸方向駆動部5の移動量を制御する制御装置18とを備えている。
そして、軸方向駆動部5の、第1のガイド7と第1のボールネジ9と第1のモータ8と第1のエンコーダ16とは、固定部材6に設けられている。
そして、径方向駆動部10の、第2のガイド11と第2のボールネジ13と第2のモータ12と第2のエンコーダ17とは、軸方向可動台5aに設けられている。
すなわち、制御装置18で制御された第1のモータ8に基づき、軸方向駆動部5の移動量が決まる。また、制御装置18で制御された第2のモータ12に基づき、径方向駆動部10の移動量が決まる。
最初に、加工工具として、回転砥石を用いる場合について説明する。
回転砥石はスピンドルに取り付けられて用いられるが、その周速度(=砥石直径×π×回転数)が1000m/minを下回ると、研削効率が極端に低下することが知られている。しかし、溝車を取り外すことなく修正加工ができる、溝車が設置された巻上機の内部に設置できるサイズのスピンドルでは、回転速度は、最大でも2万rpmである。そして、アンダーカットの幅は2〜6mm程度であるので、この溝幅に適した研削砥石を2万rpmで回転させても周速度は125〜377m/minにしかならず、研削効率が悪い。
そのため、溝車が配設された巻上機の内部に設置できるサイズのアンダーカットの修正加工装置であって、加工工具に回転砥石を用いたものは、修正加工に多くの加工時間が必要になる。
総型バイトを用いた場合、切込量が0.15mmより小さいと、安定した切削が行えず振動が発生する。そこで、切込量を0.15mmとし、幅広のアンダーカットと等しい6mmの幅を切削した時の加工負荷を測定すると、約4,000N程度になる。
そのため、溝車が配設された巻上機の内部に設置できるサイズのアンダーカットの修正加工装置であって、加工工具に総型バイトを用いたものは、加工負荷4,000Nに耐えるだけの剛性を得ることができず、耐久性が不十分で破損を生じる場合がある。
ヘールバイトは、それ自身にバネ要素を含んでいるため、切込量が0.01〜0.02mm程度でも安定した切削ができる。そこで、切込量を0.02mmとし、幅広のアンダーカットと等しい6mmの幅を切削した時の加工負荷を測定すると250N程度である。
すなわち、溝車が配設された巻上機の内部(例えば、駆動綱車とソセラ車との間)に設置できるサイズのアンダーカットの修正加工装置であっても、加工工具にアンダーカットの形状と等しい形状のヘールバイトを用いたものは、装置に加わる負荷が小さいので、アンダーカットの修正加工時の負荷に耐えることができ、耐久性が優れている。それと、アンダーカットを修正加工する速度が速いので、修正加工時間を短くできる。
すなわち、本実施の形態のアンダーカットの修正加工装置100は、溝車が配設された巻上機の内部に設置可能なサイズであり、溝車にロープ25を掛けたままでのアンダーカット27の修正加工を、短時間にできるので、利用者の利便性を損なわず、アンダーカット27を容易に修正加工できるものである。
また、本実施の形態のアンダーカットの修正加工装置100は、溝車が配設された巻上機の内部に設置可能なコンパクトなサイズであっても、耐久性に優れており、高い信頼性を有している。
このことより、アンダーカット27とヘールバイト14との位置合わせは、ヘールバイト14が切削しない方向に溝車を回転させながらヘールバイト14を接近させ、実際に溝車へヘールバイト14を接触させることでできるので、後述するアンダーカット27の修正加工における基準位置を、容易に決めることができる。
本実施の形態のアンダーカットの修正加工装置100は、アンダーカットと同様の目的でロープ溝の底部に形成されたV溝の修正加工にも用いることができる。
径方向駆動部10は、第2のモータ12により第2のボールネジ13が回転すると、第2のボールネジ13に螺合しているナットが移動する。このナットは径方向可動台10aの裏面に接合されているので、径方向可動台10a、すなわち径方向可動台10aに設置されたヘールバイト14が溝車の径方向に移動する。この移動量は第2のエンコーダ16の信号に基づき、制御装置18で制御され、適正なアンダーカットの修正加工を行う。
図5は、本発明の実施の形態2に係わるロープ溝アンダーカットの修正加工装置の側面模式図である。
図5に示すように、本実施の形態のロープ溝アンダーカットの修正加工装置(アンダーカットの修正加工装置と記す)200は、へールバイト14のたわみ量を計測する変位センサ19が設けられている以外、実施の形態1のアンダーカットの修正加工装置100と、同様である。
変位センサ19は、径方向可動台10aの、へールバイト14側の端部に設けられた変位センサホルダ20に固定されている。
また、変位センサ19からの信号は、制御装置18(図示せず)に入力される。
そこで、ヘールバイト14に加工負荷が加わらず、ヘールバイト14がたわんでない間は、径方向駆動部10を速く動かし、ヘールバイト14のたわみを検出後は、径方向駆動部10をヘールバイト14が金属を加工する速度で駆動すれば良く、アンダーカットの修正加工時間を短縮できる。
つまり、本実施の形態のアンダーカットの修正加工装置を用いた、アンダーカットの修正加工では、径方向駆動部の駆動速度Vdが規定速度の最大値より速い速度である工程と、径方向駆動部の駆動速度Vdが規定速度である工程とを備えている。
ヘールバイト14がアンダーカット27に食い込むと、たわみ量が通常加工時より大きくなる。
本実施の形態のアンダーカットの修正加工装置200は、変位センサ19を備えており、たわみ量が通常加工時より大きくなるのを検出できるので、ヘールバイト14がアンダーカット27に食い込み、たわみ量が通常加工時より大きくなった場合、径方向駆動部10を退避させることができる。そのため、ヘールバイト14の食い込みや折損を防ぐことができる。
実施の形態3のロープ溝アンダーカットの修正加工装置(アンダーカットの修正加工装置と記す)は、図示しないが、径方向駆動部10の第2のモータ12の消費電流を検出する計測部(消費電流計測部と記す)を制御装置18に備えた以外、実施の形態1のアンダーカットの修正加工装置100と同様である。
本実施の形態のアンダーカットの修正加工装置は、制御装置18に第2のモータ12の消費電流計測部を備えているので、ヘールバイト14に加わる加工負荷に応じて変化する、第2のモータ12の消費電流をモニタできる。
そして、ヘールバイト14に加わる加工負荷が増加すると、第2のモータ12の消費電流が増加する。
この動作を、制御装置18が判別して、自動で行っても良い。
つまり、本実施の形態のアンダーカットの修正加工装置を用いた、アンダーカットの修正加工では、径方向駆動部の駆動速度Vdが規定速度の最大値より速い速度である工程と、径方向駆動部の駆動速度Vdが規定速度である工程とを備えている。
本実施の形態のアンダーカットの修正加工装置は、第2のモータ12の消費電流Idを計測する装置を備えているので、溝車の振動によりヘールバイト14がアンダーカット27に食い込むことによる第2のモータ12の消費電流Idが増加するのを検出できる。
この動作も、制御装置18が判別して、自動で行っても良い。
本実施の形態の、制御装置18に第2のモータ12の消費電流計測部を設けることは、実施の形態2のアンダーカットの修正加工装置にも適用できる。
図6は、本発明の実施の形態4に係わるロープ溝アンダーカットの修正加工装置の側面模式図である。
図6に示すように、本実施の形態のロープ溝アンダーカットの修正加工装置(アンダーカットの修正加工装置と記す)400は、削りカス回収機構30が設けられている以外、実施の形態1のアンダーカットの修正加工装置100と、同様である。
削りカス回収機構30は、ヘールバイト14の先端近くに配置されたダクトトレー31と、ダクトトレー31に落ちた削りカスを吸引する吸引器33と、ダクトトレー31と吸引器33とに接続され、ダクトトレー31から吸引器33に削りカスを送る、ダクト32とで形成されている。
そのため、アンダーカットの修正加工時にエレベータのカゴ28内部に入たり、ロープ溝24に付着した削りカスを、修正加工後に掃除する手間が省け、アンダーカットの修正加工作業の効率が向上する。
本実施の形態の、削りカス回収機構30を設けることは、実施の形態2〜実施の形態3のアンダーカットの修正加工装置にも適用できる。
本実施の形態では、ロープ溝アンダーカットの修正加工方法(アンダーカットの修正加工方法と記す)について説明する。
図7は、本発明の実施の形態5に係わるロープ溝アンダーカットの修正加工方法の工程を示す図である。
第1の工程では、アンダーカットの修正加工量を決める基準位置を溝車のロープ溝間の外周に設定する。
第2の工程では、基準位置を元にして、溝車の全てのロープ溝において、全周にわたりロープ溝の深さを測定する。
第4の工程では、最大磨耗ロープ溝とロープとの間に必要な摩擦力が得られるかどうかを判定する。すなわち、最大磨耗ロープ溝における磨耗後ロープ溝のアンダーカット(磨耗後アンダーカットと記す)の修正加工の要否を判定する。
第6の工程では、全てのロープ溝のアンダーカットを、基準位置からアンダーカットの底部までの距離が、B+Dになるまで、実施の形態1のアンダーカットの修正加工装置100を用いて、全周にわたって修正加工する。
すなわち、全てのロープ溝のアンダーカットの段差が、必要な摩擦力が得られるアンダーカットの段差であるD以上となる。
本実施の形態のロープ溝アンダーカットの修正加工方法では、この後に、全てのロープ溝の深さが同じになるように加工しても、全てのロープ溝において、ロープとの間に必要な摩擦力が得られる。
例えば、エレベータでは、溝車のロープ溝にかけられたロープは、カゴと釣合い重りとの重さにより、アンダーカットに食い込んだ状態となっており、ロープ溝が磨耗していない時は、アンダーカットの側面にロープが接し、ロープ溝とロープとの間に必要な摩擦力が得られる。
しかし、ロープ溝の磨耗が多くなり、アンダーカットの段差が小さくなると、アンダーカットの側面にロープが接しなくなり、ロープ溝とロープとの間に必要な摩擦力が得られなくなる。
また、第5の工程における、最大磨耗ロープ溝の、ロープ溝磨耗前の必要な摩擦力が得られていた初期状態のアンダーカットの段差Dは、例えば、溝車の図面から求めることができる。
まず、駆動機26により、ヘールバイト14が切削しない方向に溝車を回転させる。
次に、径方向駆動部10を駆動させてヘールバイト14を溝車に接近させ、実際に、ヘールバイト14を溝車のロープ溝間の外周に接触させることで、アンダーカット27の修正加工における径方向の基準位置にヘールバイト14を位置合わせする。
次に、駆動機26により、ヘールバイト14が切削する方向に溝車を回転させる。
次に、径方向駆動部10を溝車側に駆動させ、ヘールバイト14をアンダーカット27に接触させることで、アンダーカット27を切削し、修正加工する。
次に、ヘールバイト14の先端の、2番目のアンダーカット27に対する回転軸方向の位置決めと径方向の位置決めとが完了すると、径方向駆動部10によりヘールバイト14を溝車側に移動させ、アンダーカット27を修正加工する。
以後、この動作を繰り返すことで全てのアンダーカット27を修正加工する。
アンダーカット27の修正加工工程から外れるが、ロープ溝本体の修正加工は、アンダーカット27を修正加工後に行われる。
また、本実施の形態のアンダーカットの修正加工方法は、アンダーカットの修正加工がロープ溝24の修正加工前に行われるので、ロープ溝24の修正加工中であっても、ロープ25とロープ溝24との間の必要な摩擦力が維持できる。
本実施の形態では、アンダーカットの修正加工に、実施の形態1のアンダーカットの修正加工装置を用いているが、実施の形態2〜実施の形態4のアンダーカットの修正加工装置を用いても同様な効果が得られる。
8 第1のモータ、9 第1のボールネジ、10 径方向駆動部、
10a 径方向可動台、11 第2のガイド、12 第2のモータ、
13 第2のボールネジ、14 ヘールバイト、15 バイトホルダ、
16 第1のエンコーダ、17 第2のエンコーダ、18 制御装置、
19 変位センサ、20 変位センサホルダ、21 エレベータシステム、
22 駆動綱車、23 ソラセ車、24 ロープ溝、25 ロープ、26 駆動機、
27 アンダーカット、28 カゴ、29 釣合い重り、30 削りカス回収機構、
31 ダクトトレー、32 ダクト、33 吸引器、
100,200,400 アンダーカットの修正加工装置。
Claims (12)
- エレベータの溝車である駆動綱車とソセラ車との間に設置され、且つロープが架けられたままの上記溝車のアンダーカットを修正加工するロープ溝アンダーカットの修正加工装置であって、加工工具であるヘールバイトと、上記ヘールバイトを固定するヘールバイトホルダと、上記ヘールバイトを上記溝車の径方向に移動させる径方向駆動部と、上記径方向駆動部を上記溝車の軸方向に移動させる軸方向駆動部と、上記軸方向駆動部を搭載する固定部材と、上記径方向駆動部の移動量および上記軸方向駆動部の移動量を制御する制御装置とを備えており、上記径方向駆動部が、上記ヘールバイトを、上記ヘールバイトが切削しない方向に回転している上記溝車のロープ溝間の外周に接触させて、上記アンダーカットの修正加工における上記径方向の基準位置に上記ヘールバイトを位置合わせするロープ溝アンダーカットの修正加工装置
- 上記軸方向駆動部が、上記径方向駆動部を搭載し、且つ上記軸方向に可動する軸方向可動台と、上記軸方向可動台を上記固定部材に形成された第1のガイドに沿って上記軸方向に移動させる第1のボールネジと、上記第1のボールネジに接続された第1のモータと、上記第1のモータに付属した、上記軸方向駆動部が移動した距離を把握する第1のエンコーダとで形成されており、
上記径方向駆動部が、上記ヘールバイトホルダが取り付けられ、且つ上記径方向に可動する径方向可動台と、上記径方向可動台を上記軸方向可動台に設けられた第2のガイドに沿って上記径方向に移動させる第2のボールネジと、上記第2のボールネジに接続された第2のモータと、上記第2のモータに付属した、上記径方向駆動部が移動した距離を把握する第2のエンコーダとで形成されており、
上記制御装置が、上記第1のエンコーダの信号に基づき上記軸方向可動台の移動を制御し、上記第2のエンコーダの信号に基づき上記径方向可動台の移動を制御することを特徴とする請求項1に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工装置。 - 上記ヘールバイトの形状が、上記溝車のロープ溝に形成された上記アンダーカットと同じ形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工装置。
- 上記ヘールバイトのたわみ量を計測する変位センサを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工装置。
- 上記制御装置に、上記第2のモータの消費電流計測部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工装置。
- 上記ヘールバイトの先端近くに配置されたダクトトレーと、上記ダクトトレーに落ちた削りカスを吸引する吸引器と、上記ダクトトレーと上記吸引器とに接続され、且つ上記ダクトトレーから上記吸引器に上記削りカスを送るダクトとで形成された削りカス回収機構を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工装置。
- 上記アンダーカットの修正加工量を決める基準位置を上記溝車のロープ溝間の外周に設定する第1の工程と、
上記基準位置を元にして、上記溝車の全ての上記ロープ溝において、全周にわたり上記ロープ溝の深さを測定する第2の工程と、
上記全てのロープ溝において上記ロープ溝の深さが最も深い最大磨耗ロープ溝を検出し、上記最大磨耗ロープ溝の深さBを測定する第3の工程と、
上記最大磨耗ロープ溝における磨耗後アンダーカットの側面が上記ロープと接しているか否かで、上記最大磨耗ロープ溝と上記ロープとの間に必要な摩擦力が得られるかどうかを判定する、すなわち、上記最大磨耗ロープ溝の上記アンダーカットの修正加工の要否を判定する第4の工程と、
上記最大磨耗ロープ溝の上記磨耗後アンダーカットの側面が上記ロープと接しておらず、上記ロープとの間に必要な摩擦力が得られていないと判定された上記最大磨耗ロープ溝において、ロープ溝磨耗前の必要な摩擦力が得られていた初期状態の上記アンダーカットの段差Dを求める第5の工程と、
上記全てのロープ溝の上記アンダーカットを、上記基準位置から上記アンダーカットの底部までの距離がB+Dになるまで、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のアンダーカットの修正加工装置を用いて、全周にわたって修正加工する第6の工程とが、上記工程順に従って行われることを特徴とするロープ溝アンダーカットの修正加工方法。 - 上記第6の工程が、
上記ヘールバイトが切削しない方向に上記溝車を回転させる工程と、
上記径方向駆動部を駆動させて上記溝車へ上記ヘールバイトを接触させ、上記アンダーカットの修正加工における上記径方向の基準位置に上記ヘールバイトを位置合わせする工程と、
上記軸方向駆動部を駆動させて、右端もしくは左端のいずれか一端にある上記アンダーカットと上記ヘールバイトの先端との回転軸方向の位置合わせを行う工程と、
上記ヘールバイトが切削する方向に上記溝車を回転させる工程と、
上記径方向駆動部を上記溝車側に駆動させ、上記ヘールバイトを上記一端にある上記アンダーカットに接触させて上記アンダーカットを切削し修正加工する工程と、
上記一端にあるアンダーカットの修正加工が完了すると、上記径方向駆動部を上記溝車の反対側に駆動し、上記ヘールバイトを上記一端にあるアンダーカットから退避させた後、上記軸方向駆動部により、上記ヘールバイトを、上記一端にあるアンダーカットの隣にある2番目の上記アンダーカットの位置合わせ位置まで移動させる工程と、
上記2番目のアンダーカットを、上記一端にあるアンダーカットと同様にして修正加工する工程と、
上記2番目のアンダーカットの修正加工と同様にして、その他の上記アンダーカットを修正加工する工程とを、順に従って行われることを特徴とする請求項7に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工方法。 - 上記第6の工程において、請求項4に記載のアンダーカットの修正加工装置が用いられ、上記ヘールバイトのたわみが検出される前の上記径方向駆動部の駆動速度Vdを、上記ヘールバイトが金属を修正加工する際の切込量から規定される速度である規定速度の最大値より速い速度とすることを特徴とする請求項7に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工方法。
- 上記第6の工程において、請求項4に記載のアンダーカットの修正加工装置が用いられ、上記ヘールバイトのたわみ量が通常加工時より大きくなった場合に、上記径方向駆動部を退避させる工程を有することを特徴とする請求項7に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工方法。
- 上記第6の工程において、請求項5に記載のアンダーカットの修正加工装置が用いられ、上記第2のモータの消費電流Idが切削電流値である場合は、上記径方向駆動部の駆動速度Vdを規定速度とし、上記第2のモータの消費電流Idが上記切削電流値より小さい場合は、上記径方向駆動部の駆動速度Vdを上記規定速度の最大値より速い速度とすることを特徴とする請求項7に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工方法。
- 上記第6の工程において、請求項5に記載のアンダーカットの修正加工装置が用いられ、上記第2のモータの消費電流Idが通常の切削電流値より大きくなった場合、上記径方向駆動部を退避させる工程を有することを特徴とする請求項7に記載のロープ溝アンダーカットの修正加工方法。
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