JP5534956B2 - 屋根の断熱防水構造及び施工方法及び縁取り用金具 - Google Patents

屋根の断熱防水構造及び施工方法及び縁取り用金具 Download PDF

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Description

本発明は、屋根の立上り際における断熱防水構造及びその断熱防水構造の施工方法、並びに断熱防水構造で使用する縁取り用金具に関する。
建築物における外断熱の効果が認知され、今日では、建築物の屋根等においても下地に断熱層を敷設し、さらにその上面に防水層を敷設した断熱防水構造及びその施工方法が広く採用されている。従来の施工方法で形成された、屋根の断熱防水構造の一例を図7(a)に示す。図7(a)は、屋根7の端部を示す部分断面図であり、立上り部14が形成された下地12の上面に、断熱層16と防水層18とが順に積層され、それらが断熱層用接着剤24や防水層用接着剤26を用いて接着されている。このような断熱防水構造の施工方法のうち、防水層18に塩化ビニル樹脂を含む防水シートを用いるものは、断熱塩ビ接着工法と呼ばれている。このような施工方法では、防水層18は、立上り部14との境界である立上り際において、防水層18を縁取るよう配置された金具21(以下、縁取り用金具と称する)を介して、ビス40により、断熱層16及び下地12に固定されている。そして、立上り部14の側部に、立上りシート22の垂直部分22aが立上りシート用接着剤29により貼付けられ、立上りシート22の水平部分22bが縁取り用金具21を覆い被さっている。しかしながら、この施工方法ではビス40を通す貫通孔を防水層18に形成せざるを得ないため、屋根の防水性が低下するおそれがあった。
そのため、このような施工方法に替えて、図7(b)に示すように、断熱層16と防水層18との間に縁取り用金具21を配置し、縁取り用金具21を介してビス40により断熱層16を固定する施工方法が提案されている。縁取り用金具21とその上面に接する防水層18とは接着により固定されている。特に、縁取り用金具21が塩化ビニル樹脂を塗装又は被覆した塩化ビニル鋼板であり、防水層18が塩化ビニル樹脂を含む防水シートである場合は、互いに接する部分において塩化ビニル樹脂を熱風や溶剤により溶融させることで、防水層18と縁取り用金具21とを接着することができる。この施工方法は、防水層18に貫通孔を形成せず、防水性を低下させないため、多くの施工現場で実施されるようになった。また、特許文献1には、隅部を形成する隣接躯体において、それぞれの躯体をまたがるように貼着部材を固定具で躯体に固定し、その貼着部材の表面に連続して防水シートを貼着固定する方法が開示されている。
特開平10−238028号公報
しかしながら、上述した施工方法や特許文献1に記載された方法においても、縁取り用金具21や貼着部材を固定するために、下地に孔を形成する必要があるので、下地が損傷するという課題があった。また、下地及び断熱層にドリルで孔を形成し、ビスで固定するという煩雑な工程を要することから、工事全体の作業効率が悪くなり、施工コストが上昇するという課題があった。
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、屋根の立上り際において、防水性を低下させず下地を損傷しない良好な施工効率をもたらす断熱防水構造及びその施工方法、並びに断熱防水構造に用いる縁取り用金具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、1番目の発明は、下地と、該下地から立ち上がる立上り部と、前記下地の上面に積層され、少なくとも断熱層及び防水層を含む複数の層と、を備える屋根の断熱防水構造であって、前記立上り部と前記複数の層との境界に沿って延びると共に、前記複数の層の何れか一つの層の端部上面に配置される縁取り用金具を備えており、前記縁取り用金具は、前記縁取り用金具が配置された層に接着剤を用いて固定されていることを特徴とする、屋根の断熱防水構造を提供する。
2番目の発明は、1番目の発明において、前記縁取り用金具を固定する前記接着剤は、テープ状の接着材である、屋根の断熱防水構造を提供する。
3番目の発明は、下地と、該下地から立ち上がる立上り部と、前記下地の上面に積層され、少なくとも断熱層及び防水層を含む複数の層と、前記立上り部と前記複数の層との境界に沿って延びると共に前記複数の層のうち何れか一つの層の端部上面に配置される縁取り用金具と、を備える屋根の断熱防水構造の施工方法であって、前記縁取り用金具が配置される層を前記下地の上方に配置した後、前記縁取り用金具を、前記縁取り用金具が配置される層の端部上面に、接着剤を用いて固定すること、を特徴とする施工方法を特徴とする施工方法を提供する。
4番目の発明は、3番目の発明において、前記縁取り用金具を固定する前記接着剤はテープ状の接着材である施工方法を提供する。
5番目の発明は、下地と、該下地から立ち上がる立上り部と、前記下地の上面に積層され、少なくとも断熱層及び防水層を含む複数の層と、を備える屋根の断熱防水構造であって、前記立上り部と前記複数の層との境界に沿って延びる縁取り用金具を備えおり、前記縁取り用金具は、前記複数の層のうち何れか一つの層の端部上面に配置される押え板部と、前記立上り部に面する前記押え板部の側端から前記下地の上面まで延びる支持部と、前記支持部の下端から、前記押え板部と同じ方向に延びるフランジ部と、を備えており、前記縁取り用金具は、前記押え板部が配置される層から下地の上面に配置される層までの層の端部を、前記押え板部と前記フランジ部との間に配置することで、前記層の端部に固定されている、ことを特徴とする屋根の断熱防水構造を提供する。
6番目の発明は、5番目の発明において、前記縁取り用金具の前記フランジ部の幅は、前記縁取り用金具の前記押え板部の幅より大きい、屋根の断熱防水構造を提供する。
7番目の発明は、屋根の断熱防水構造において、下地の上面に配置された層の端部に配置される縁取り用金具であって、前記層の端部上面に配置される押え板部と、前記層の側部側に位置する前記押え板部の側端から前記下地の上面まで延びる支持部と、前記支持部の下端から、前記押え板部と同じ方向に延びるフランジ部と、を備えることを特徴とする縁取り用金具を提供する。
本発明によれば、屋根の断熱防水構造の立上り際において、縁取り用金具を接着剤を用いて固定するか、縁取り用金具の押え板部とフランジ部との間に層の端部を配置することで縁取り用金具を固定している。そのため、防水層に貫通孔を形成する必要がなくなり、屋根の防水性を低下させることがない。また、下地に孔を形成する必要がないので、下地を損傷することもない。さらに、孔を形成するのに伴う繁雑な作業がなくなり、作業が軽減され良好な施工効率をもたらし、延いては低コストな屋根を実現することが可能になる。
本発明の第一実施形態による断熱防水構造を示す斜視図である。 図1のII−II線に沿った、部分断面図である。 本発明の第一実施形態による屋根の断熱防水構造の別例を示す図である。 本発明の第二実施形態による屋根の断熱防水構造を示す断面図である。 本発明の第二実施形態による縁取り用金具を示す斜視図であり、図5(a)は、長手方向の全範囲に支持部及びフランジ部を有する縁取り用金具を示す図であり、図5(b)は、部分的に支持部及びフランジ部を有する縁取り用金具を示す図である。 本発明の第二実施形態による屋根の断熱防水構造の別例を示す図である。 従来の断熱防水構造を示す断面図であり、図7(a)は、ビスを用いて縁取り用金具を防水層の上面に固定した場合を示す図であり、図7(b)は、防水層と断熱層との間に配置された縁取り用金具をビスを用いて固定した場合を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。また、以下の実施形態において同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付して示している。
図1は、本発明の第一実施形態による屋根1の断熱防水構造を示す斜視図であり、積層された構造が判るよう一部を切り欠いて示している。図2は、図1のII−II線に沿った部分断面図である。図に示す屋根1は、鉄筋コンクリート構造による建築物の屋上部分であり、その端部が示されている。屋根1の断熱防水構造は、コンクリートによる下地12、下地12の端部から略垂直方向に立ち上がる立上り部14、下地12の上面である平場に積層された断熱層16及び防水層18により構成されている。図に示すよう、断熱層16及び防水層18の側部は、立上り部14の側部に接するよう配置されている。また、断熱層16は、断熱層用接着剤24により下地12の上面に接着されており、防水層18は、防水層用接着剤26により断熱層16の上面に接着されている。また、縁取り用金具20が立上り部14と断熱層16との境界に沿って延びるよう、断熱層16の端部上面に配置されており、後述する方法により固定されている。そして、立上りシート22が、立上り部14の側部に立上りシート用接着剤29により接着されている。
本実施形態では、断熱層16として、発泡系の断熱材であるポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム又はポリエチレンフォーム等が用いられている。また、防水層18には、施工性、耐候性に優れる等多くの長所を有する観点から、塩化ビニル樹脂による防水シートが用いられている。しかしながら、断熱層16及び防水層18は、これらの材質に限定されず、従来の断熱防水構造に常用されているものであれば、どのような材質のものを用いてもよい。なお、断熱層の厚みT1は、通常、25mm〜100mm程度であり、防水層の厚みT2は、1.0mm〜3.0mm程度である。断熱層の厚みT1、防水層の厚みT2は、必要とされる断熱性能、防水性能に応じて定められる。
本実施形態の断熱防水構造では、前述のように、縁取り用金具20が、断熱層16と防水層18との間に、立上り部14と断熱層16との境界に沿って延びるよう、断熱層16の端部上面に配置されている。本実施形態の縁取り用金具20は、金属製の細長い板状の部材であって、塩化ビニル樹脂によって被覆されている。また、通常、縁取り用金具20の側部には防水層18を傷付けないために折返しが形成されており(図示しない)、縁取り用金具20と断熱層16との間には若干ではあるが、折返しによる空間が形成される。従来の断熱防水構造では、ピンを用いて縁取り用金具を防水層又は断熱層の上面に固定していた。本実施形態の断熱防水構造では、縁取り用金具20を、テープ状の接着材28を使用して、断熱層16の端部上面に接着固定している。テープ状の接着材28を用いて、縁取り用金具20を断熱層16の上面に接着固定することで、下地12や断熱層16に孔を形成することなく縁取り用金具20を固定することができる。下地12に孔を形成する必要がないので、それに伴う繁雑な作業、例えば、ハンマードリル等で下地12等に孔を形成し、その孔にビスを差し込み、ドライバでビスを締め付けて縁取り用金具20を取付ける作業の必要がなくなる。また、テープ状の接着材28を、縁取り用金具20の接着固定に用いれば、接着剤が硬化するまでの待ち時間が不要になり、施工直後から縁取り用金具20が固定され、すぐに次の作業を進めることができる。
テープ状の接着材28として、ブチルゴム、アクリル、フッ素樹脂、非加硫ゴムによるテープを使用することができる。本実施形態では、縁取り用金具20が屋外に直接露出しないので、耐候性を考慮する必要がない。そのため、耐熱性、耐久性及びコストの面から、接着材28としてブチルゴムによるテープを使用している。また、本実施形態ではテープ状の接着材28を使用しているが、液状の充填シール材を使用してもよい。しかしながら、上述したように、縁取り用金具20と断熱層16との間には、折返しによる空間があり、接着固定のためには、その空間を液状の充填シール材で埋める必要がある。そのような目的に適した液状の充填シール材としては、例えばシリコーン系、変形シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系等のものを使用することができる。なお、断熱層16を下地12に接着する断熱層用接着剤24として、シリコーン系、変形シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、アクリル系、エポキシ樹脂系、アクリロニトリルブタジエンゴム系等が使用可能である。一方、防水層18を断熱層16に接着する防水層用接着剤26として、コストや施工作業性の面から、有機溶剤を含むアクリルニトリルブタジエンゴムが多用されている。このアクリルニトリルブタジエンゴムを、縁取り用金具20の固定に使用することは難しい。なぜならば、縁取り用金具20との断熱層16との間の空間にある有機溶剤が完全に揮発硬化する前に、防水層18を貼付けて成形する場合があり、防水層18の成形後、未揮発の有機溶剤が揮発して防水層18の内部、例えば防水層18と断熱層16との間に膨れが発生する危険性があるからである。
本実施形態の縁取り用金具20は、塩化ビニル樹脂により被覆された塩化ビニル鋼板を用いている。そのため、縁取り用金具20の上面と塩ビシートの防水層との固定は、互いに接する部分に熱風を当てるか、溶剤を塗布することで、塩化ビニル樹脂を溶融して接着することが可能になっている。溶融接着することで、防水層18の端部を縁取り用金具20の上面に容易かつ強固に固定することができる。
縁取り用金具20は、前述のように塩化ビニル樹脂により被覆された塩化ビニル鋼板であり、一枚の細長い鋼板又は鋼帯を切断加工することにより作製されている。具体的な、鋼板又は鋼帯として、例えば溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯、塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯、電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯、溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯、塗装溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯、塗装ステンレス鋼板、溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯、塗装溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯、熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯、冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯が挙げられる。また、本実施形態では、塩化ビニル樹脂により被覆されているが、これに限定されず、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂により被覆された鋼板を用いて縁取り用金具20を作製してもよい。
縁取り用金具20の長さは、約200mmで形成され、施工現場にて、複数の縁取り用金具20を接合して配置する。屋根一辺の長さに対して縁取り用金具20の長さに過不足が生じる場合は、金切りばさみ等で縁取り用金具20を適当な長さに切断して配置する。縁取り用金具20の幅D1は40〜60mmであり、通常、約50mmで形成されている。また、縁取り用金具20の厚みは、強度を考慮して0.27mm以上で形成されている。これらの数値は最も好適な例を示すものであって、その値は、配置される断熱層や防水層の厚み等によって多様に変更され得るものであり、前記数値に限定されないことは当然である。
本実施形態で使用される立上りシート22は、防水層18と同様、塩化ビニル樹脂による防水シートである。立上り部14と防水層18との境界をまたいで貼付けられることで、立上り部14と防水層18との隙間に雨水等が浸入することを防止している。立上りシート22の垂直部分22aは、立上り部14の側部に立上りシート用接着剤29により接着固定されている。一方、立上りシート22の水平部分22bと防水層18とは、両部材とも塩化ビニル樹脂を用いているため、熱風又は溶剤により接合部分の塩化ビニル樹脂を溶融することで接着できる。本実施形態では防水層18の下方端部に、縁取り用金具20が配置されており、断熱層16の端部が変形し難く、防水層18の形状が安定している。そのため、立上りシート22の水平部分22bを、防水層18の上面に接着する作業が容易になる。本実施形態において、立上りシート22の水平部分22bは、縁取り用金具20を覆い隠す必要が無いので、縁取り用金具20の幅D1より狭い約40mmの幅D2で防水層18に接着されている。
屋根の断熱防水構造の施工方法の一例について説明する。下地12及び立上り部14を形成した後、断熱層用接着剤24を下地12の上面に塗布し断熱層16を敷設する。次に、予め裏面にテープ状の接着材28が設けられた縁取り用金具20を、立上り部14と断熱層16との境界に沿って配置し、断熱層16の端部上面に固定する。続いて、断熱層16の上面に防水層用接着剤26を塗布し、防水層18を敷設する。防水層18の端部を敷設する際、縁取り用金具20の上面とそれに接する防水層18の裏面に熱風をあてるか、溶剤を塗布することで塩化ビニル樹脂を溶融する。溶融した後、防水層18の端部を縁取り用金具20に載せて固定する。次に、立上りシート22の垂直部分22aを立上り部14の側部に立上りシート用接着剤29を用いて接着する。そして、立上りシート22の水平部分22bの裏面及びそれに接触する防水層18の上面の塩化ビニル樹脂を溶融して、立上りシート22の水平部分22bを防水層18に接着する。
本実施形態の別例を図3に示す。図3に示す屋根3の断熱防水構造は、図2に示すものと比較すると、縁取り用金具20が防水層18の上面に接着材28により接着されていることが異なる。この場合、縁取り用金具20が曝露しないよう、立上りシート22の水平部分22bの幅D5を、縁取り用金具20の幅D1より大きくしており、水平部分22bが縁取り用金具20を覆い被るように、水平部分22bを接着している。このように、縁取り用金具20の配置箇所は、断熱層16と防水層18との間に限らず、防水層18の上面であってもよい。
次に、本発明の第二実施形態について、図を用いて説明する。図4は、本実施形態の屋根4の断熱防水構造を示す部分断面図であり、屋根4の端部が示されている。図1及び図2に示す屋根1の断熱防水構造と同様、本実施形態の断熱防水構造は、コンクリートによる下地12、下地12から略垂直方向に立ち上がる立上り部14、下地12の上面に積層された断熱層16及び防水層18により構成されている。また、立上り部14の側部と防水層18の端部をまたぐ部分については、立上りシート22が貼付けられている。これらは、図1及び図2に示す第一実施形態の断熱防水構造と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
第一実施形態の縁取り用金具20は、テープ状の接着材28を用いることで、断熱層16に接着固定されていた。それに対し、本実施形態では、機械的な手段によって縁取り用金具30が断熱層16に固定されている。具体的には、図4に示すように、縁取り用金具30は、断熱層16の端部上面に配置される押え板部32と、立上り部14に面する押え板部32の側端から下地12の上面まで延びる支持部34と、支持部34の下端から押え板部32と同じ方向に延びるフランジ部36とを備えている。従って、縁取り用金具30は、その断面形状が概ねコの字形に形成されるようになる。支持部34の高さH1は、断熱層16の厚みと実質的に同じ大きさで形成されており、縁取り用金具30は、押え板部32とフランジ部36との間に断熱層16の端部を挿入して挟み込むことが可能になっている。そのため、縁取り用金具30を断熱層16の端部に固定するために、断熱層16や下地12に孔を形成する必要がない。
従来の施工方法では断熱層16を敷設した後、縁取り用金具を立上り際に固定していた。しかしながら、縁取り用金具30の断面形状をコの字形にすることで、断熱層16を敷設する前に、縁取り用金具30を立上り際に配置して、断熱層16の端部を縁取り用金具30に挿入しながら敷設することができる。すなわち、縁取り用金具30を立上り際の下地12上に自立するよう配置し、その後、断熱層16の端部を、縁取り用金具30の押え板部32とフランジ部36との間に挿入して、断熱層16の本体部分を下地12の上面に敷設する。敷設された断熱層16の上面において縁取り用金具を取付ける作業がなくなるので、例えば施工時の不注意等により断熱層16を破損する危険性が減少する。
縁取り用金具30は、図5(a)に示すように、第一実施形態の縁取り用金具20と同様、立上り部14と断熱層16との境界に沿って配置するよう細長の部材として形成されている。その長さL1に制限はないが、可搬性や現場での取扱いを考慮すると、縁取り用金具30の長さL1は約2m程度で製造するのが望ましい。また、押え板部32の幅D3は、第一実施形態の縁取り用金具20の幅D1と同じであり、約50mmで形成されている。縁取り用金具30の高さH1は、縁取り用金具30が挟み込む層の厚みに応じて定められており、本実施形態では断熱層16の厚みと実質的に同じ大きさで形成されている。また、本実施形態において、フランジ部36の幅D4は、押え板部32の幅D3よりも大きく、約75mmで形成されている。そのため、縁取り用金具30を立上り際に配置するとき、縁取り用金具30をより安定して自立させることができる。また、フランジ部36の幅D4を、押え板部32の幅D3より大きくすることで、断熱層16を縁取り用金具30に挿入する際、断熱層16の端部をフランジ部36の自由端36aの上面に当て、若干斜め上方から押し込んで挿入することができる。そのため、挿入時に断熱層16の端部がフランジ部36に引っ掛かることがなく、断熱層16の敷設作業が容易になる。
縁取り用金具30は、第一実施形態の縁取り用金具20と同様、金属製の細長い部材であり、細長い鋼板又は鋼帯を折り曲げて加工することにより作製される。また、縁取り用金具30、特に押え板部32の上面が塩化ビニル樹脂により被覆されていれば、塩化ビニル樹脂の防水層18に対して、接触する部分の塩化ビニル樹脂を熱風や溶剤を用いて溶融接着することができる。
図5(a)に示す縁取り用金具30は、支持部34及びフランジ部36が、押え板部32の側端に沿って全域にわたり形成されていたが、支持部34及びフランジ部36は、図5(b)に示すように、所定の間隔を空けて部分的に形成されてもよい。このように形成することで、縁取り用金具30の軽量化を図ることができる共に資材コストの削減が可能になる。また、縁取り用金具30の長さを調整するのに、押え板部32を金切りばさみで切断するだけでよく、縁取り用金具30の長さを調整する作業が容易になる。
本実施形態では、断熱層16のみを挟み込む縁取り用金具30について説明したが、図6に示す屋根6の断熱防水構造のように、縁取り用金具30は、断熱層16と防水層18とを挟み込むようにしてもよい。但し、図3の屋根3の断熱防水構造と同様、押え板部32が曝露しないよう、立上りシート22の水平部分22bの幅D5を、縁取り用金具30の押え板部32の幅D3よりも大きくし、水平部分22bが押え板部32を覆い被るようにする必要がある。
以上、本発明の実施形態について添付図を用いて説明した。なお、本実施形態では、二つの層、すなわち断熱層と防水層とからなる屋根の断熱防水構造について説明したが、さらに他の層を含めた三層以上からなる屋根の断熱防水構造に本発明を適用してもよい。
1、3、4、6、7、8 屋根
12 下地
14 立上り部
16 断熱層
18 防水層
20、30 縁取り用金具
22 立上りシート
24 断熱層用接着剤
26 防水層用接着剤
28 接着材
29 立上りシート用接着剤
32 押え板部
34 支持部
36 フランジ部
40 ピン

Claims (6)

  1. 下地と、該下地から立ち上がる立上り部と、前記下地の上面に積層され、少なくとも断熱層及び防水層を含む複数の層と、を備える屋根の断熱防水構造であって、
    細長い板状の縁取り用金具であって、前記縁取り用金具の長手方向の一方の側部が前記立上り部と前記複数の層との境界に沿って延びると共に、前記複数の層の何れか一つの層の端部上面に配置される縁取り用金具を備えており、
    前記縁取り用金具は、前記縁取り用金具が配置された層に接着剤を用いて固定されていることを特徴とする、屋根の断熱防水構造。
  2. 前記縁取り用金具を固定する前記接着剤は、ブチルゴム、アクリル、フッ素樹脂、非加硫ゴムから成る群から選択される接着剤を用いた、テープ状の接着材である、請求項1に記載の屋根の断熱防水構造。
  3. 下地と、該下地から立ち上がる立上り部と、前記下地の上面に積層され、少なくとも断熱層及び防水層を含む複数の層と、細長い板状の縁取り用金具であって前記立上り部と前記複数の層との境界に沿って延びると共に前記複数の層のうち何れか一つの層の端部上面に配置される縁取り用金具と、を備える屋根の断熱防水構造の施工方法であって、
    前記縁取り用金具が配置される層を前記下地の上方に配置した後、前記縁取り用金具が配置される層の端部上面に、前記縁取り用金具の長手方向の一方の側部が、前記立上り部と前記縁取り用金具が配置される層との境界に沿って延びるように、前記縁取り用金具を、接着剤を用いて固定すること、を特徴とする施工方法。
  4. 前記縁取り用金具を固定する前記接着剤は、ブチルゴム、アクリル、フッ素樹脂、非加硫ゴムから成る群から選択される接着剤を用いた、テープ状の接着材である、請求項3に記載の施工方法。
  5. 下地と、該下地から立ち上がる立上り部と、前記下地の上面に積層され、少なくとも断熱層及び防水層を含む複数の層と、を備える屋根の断熱防水構造であって、
    前記立上り部と前記複数の層との境界に沿って延びる縁取り用金具を備えおり、
    前記縁取り用金具は、
    前記複数の層のうち何れか一つの層の端部上面に配置される押え板部と、
    前記立上り部に面する前記押え板部の側端から前記下地の上面まで延びる支持部と、
    前記支持部の下端から、前記押え板部と同じ方向に延びるフランジ部と、を備えており、
    前記縁取り用金具の前記フランジ部の幅は、前記縁取り用金具の前記押え板部の幅より大きく、
    前記縁取り用金具は、前記押え板部が配置される層から下地の上面に配置される層までの層の端部を、前記押え板部と前記フランジ部との間に配置することで、前記層の端部に固定されている、ことを特徴とする屋根の断熱防水構造。
  6. 屋根の断熱防水構造において、下地の上面に配置された層の端部に配置される縁取り用金具であって、
    前記層の端部上面に配置される押え板部と、
    前記層の側部側に位置する前記押え板部の側端から前記下地の上面まで延びる支持部と、
    前記支持部の下端から、前記押え板部と同じ方向に延びるフランジ部と、
    を備え、
    前記縁取り用金具の前記フランジ部の幅は、前記縁取り用金具の前記押え板部の幅より大きいことを特徴とする、縁取り用金具。
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