JP5533349B2 - 屈曲振動片、屈曲振動子、発振器、および電子機器 - Google Patents

屈曲振動片、屈曲振動子、発振器、および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、屈曲する腕部を有する屈曲振動片、この屈曲振動片を有する屈曲振動子、発振器、および電子機器に関する。
従来、屈曲振動片は、例えば特許文献1に開示されているように、腕部に圧電膜および電極を備え、電極へ駆動電流を印加して、圧電膜を変形させることにより、腕部を所定方向へ屈曲させている。この場合、屈曲振動片は、2つの電極で圧電膜を挟みこんだ構成のものであり、一方の電極は、腕部の表面に形成され、他方の電極は、圧電膜を挟み一方の電極と対向するような配置で圧電膜表面に形成されている。これら2つの電極に対して駆動電流を印加すると、圧電膜を変形させることが可能である。このように、屈曲振動片は、圧電体素子を変形させて腕部を屈曲させているため、腕部が圧電材以外の基材であっても、腕部の基材特性を活かした屈曲振動を行える。さらに、圧電体素子を備えた屈曲振動片は、腕部の材種のみならず、腕部の形状および寸法精度等に対する制約も少なくすることが可能である。
特開2009−5022号公報
しかし、従来の技術では、基材に設けられた2つの電極パッドから、圧電膜を挟み込んだ各電極へ駆動電流を印加するための接続部がそれぞれ設けられていて、それら接続部の一方は、腕部を含む基材の同一平面に形成されているが、他方は、基材から圧電膜表面にかけて形成されている。つまり、他方の接続部は、圧電膜端部の側面において、段差をなす形状となっている。そのため、他方の接続部は、圧電膜表面に加え、該段差を生じさせている圧電膜の側面にまで、蒸着等で形成される必要がある。この場合、接続部の段差部分が生じている圧電膜の側面は、ほぼ一方向を向いている面であり、接続部を形成する蒸着等の方向によっては、側面に接続部の形成が確実に行えない、という課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る屈曲振動片は、基部と、前記基部から延長し、屈曲振動をする腕部と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の間に配置された圧電体層と、を含み、前記第1電極を前記腕部と前記圧電体層との間に配置した積層構造体と、前記第1電極に接続され、且つ、前記基部に配置された第1端子と、前記第2電極に接続され、且つ、前記基部に配置された第2端子と、を有し、前記圧電体層は、少なくとも前記第2端子の領域にまで設けられ、平面視で前記第2端子と重なり合うことを特徴とする。
この屈曲振動片によれば、腕部に形成された第1電極と、基部に形成された第1端子(背景技術の電極パッド)とは、腕部と基部とを構成する基材の一面に共に配置されており、相互に延伸して接続された状態である。また、第1電極との間に圧電体層(背景技術の圧電膜)を挟んで形成された第2電極と、基部との間に圧電体層を挟んで形成された第2端子(背景技術の電極パッド)とは、圧電体層の一面に共に配置されている。つまり、圧電体層は、第1電極および第2電極の間に形成され、さらに、少なくとも第2端子が形成される基部領域にまで延長して形成されている。このような形態で圧電体層が形成されていれば、屈曲振動片では、第2電極および第2端子が、例えば蒸着等の手段により、圧電体層の同一面に形成されることになる。従って、第2電極および第2端子は、従来のように段差部分が生じている圧電体層の側面へ不連続に形成されるような事態を回避でき、相互の確実な接続がなされる形態となっている。なお、第1電極および第1端子は、腕部と基部とを構成する基材における段差のない同一面に形成されており、相互の確実な接続がなされる。これにより、屈曲振動片は、第1端子と第1電極との確実な接続に加え、特に、第2端子と第2電極とを段差部分を介して確実に接続でき、第2端子から第2電極へ駆動電流を印加して確実な振動をすることが可能である。
[適用例2]上記適用例に係る屈曲振動片は、前記圧電体層は、貫通孔を有し、前記貫通孔を介して、前記第2電極と前記第2端子とを接続したことを特徴とする。
この構成によれば、第2電極と第2端子とを、簡便に且つ確実に、接続するために、屈曲振動片は、圧電体層に貫通孔を有している。この貫通孔を介して、第2端子と第2電極とを接続すれば、接続が複雑にならず容易に行える。この場合、貫通孔には、その孔壁に電気的な導通性を付与する処理が蒸着等でなされている。貫通孔は、蒸着方向等の偏りがあっても、孔壁のいずれかの面には蒸着処理がなされるため、貫通孔を介して、第2端子と第2電極とを確実に接続することが可能である。
[適用例3]本適用例に係る屈曲振動片は、基部と、屈曲振動し、且つ、前記基部から延長し並列に配列された複数本の腕部と、前記腕部の各々に設けられ、且つ、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の間に配置された圧電体層と、を含み、前記第1電極を前記腕部と前記圧電体層との間に配置した積層構造体と、前記腕部のうち、端から数えて奇数番目の前記腕部の前記第1電極と偶数番目の前記腕部の前記第2電極とに接続され、且つ、前記基部に設けられた第1端子と、前記偶数番目の前記腕部の前記第1電極と前記奇数番目の前記腕部の前記第2電極とに接続され、且つ、前記基部に設けられた第2端子と、を有し、前記圧電体層は、少なくとも前記第2端子の領域にまで設けられ、平面視で前記第2端子と重なり合うことを特徴とする。
この屈曲振動片によれば、複数の腕部を有していて、各腕部に形成された第1電極と、基部に形成された第1端子とは、腕部と基部とを構成する基材の一面に共に配置されている。また、各腕部の第1電極との間に圧電体層を挟んでそれぞれ形成された第2電極と、基部との間に圧電体層を挟んで形成された第2端子とは、圧電体層の一面に共に配置されている。つまり、圧電体層は、第1電極および第2電極の間にそれぞれ形成され、さらに、少なくとも第2端子が形成される基部領域にまで延長して形成されている。そして、第1端子および第2端子は、駆動電流が印加されると、隣り合う腕部が異なる方向へ屈曲するように、各腕部の第1電極または第2電極のいずれかと接続されている。ここで、屈曲振動片においては、圧電体層が少なくとも第2端子が形成される基部領域にまで延長して形成されているため、第2電極および第2端子が、例えば蒸着等の手段により、圧電体層の同一面に形成されることになる。従って、第2端子と、第2端子に接続する第2電極と、は、従来のように段差部分が生じている圧電体層の側面へ不連続に形成されるような事態を回避でき、相互の確実な接続がなされる形態となっている。なお、第1電極および第1端子は、腕部と基部とを構成する基材における段差のない同一面に形成されており、相互の確実な接続がなされる。これにより、屈曲振動片は、第1端子と第1電極との確実な接続に加え、特に、第2端子と第2電極とを段差部分を介して確実に接続でき、第2端子から第2電極へ駆動電流を印加して確実な振動をすることが可能である。
[適用例4]上記適用例に係る屈曲振動片において、前記圧電体層は、複数の貫通孔を有し、前記貫通孔を介して、前記奇数番目の前記腕部の前記第1電極と前記偶数番目の前記腕部の前記第2電極との接続、および、前記偶数番目の前記腕部の前記第1電極と前記奇数番目の前記腕部の前記第2電極との接続をすることが好ましい。
この構成によれば、屈曲振動片は、隣り合う腕部が異なる方向へ屈曲するように、隣り合う腕部の第1電極と第2電極とが接続されている。そこで、圧電体層を挟む第1電極と第2電極とを、簡便に且つ確実に、接続するために、屈曲振動片は、圧電体層に貫通孔を有している。この貫通孔を介して、第1電極と第2電極とを接続すれば、接続が複雑にならず容易に行える。この場合、貫通孔には、その孔壁に電気的な導通性を付与する処理が蒸着等でなされている。貫通孔は、蒸着方向等の偏りがあっても、孔壁のいずれかの面には蒸着処理がなされるため、貫通孔を介して、第1電極と第2電極とを確実に接続することが可能である。
[適用例5]上記適用例に係る屈曲振動片は、前記第1電極と前記第2電極との間に絶縁膜をさらに有していることが好ましい。
この構成によれば、腕部における積層構造体は、第1電極、圧電体層および第2電極に加え、圧電体層と第2電極との間に絶縁層を有している。この絶縁層は、圧電体層を保護すると共に、圧電体層を薄く形成した場合においても、第1電極と第2電極との短絡を防止する機能を果たす。これにより、屈曲振動片は、第1電極と第2電極とに確実に駆動電流を印加でき、安定した振動を確実に行うことが可能である。また、圧電体層を薄化して屈曲振動片の小型化も図れる。
[適用例6]本適用例に係る屈曲振動子は、前記屈曲振動片と、前記屈曲振動片を収容したパッケージと、を備えたことを特徴とする。
この屈曲振動子によれば、第1端子および第2端子と、第1電極および第2電極と、が確実に接続された状態で形成されている屈曲振動片を、パッケージ内に備えている。この屈曲振動片を備えた屈曲振動子は、精度の高い振動を安定して維持することが可能である。
[適用例7]本適用例に係る発振器は、前記屈曲振動片と、前記屈曲振動片に接続された発振回路と、を備えたことを特徴とする。
この発振器によれば、第1端子および第2端子と、第1電極および第2電極と、が確実に接続された状態で形成されている屈曲振動片を、発振器に備えている。この屈曲振動片を備えた発振器は、精度の高い振動を安定して維持することが可能である。
[適用例8]本適用例に係る電子機器は、上記屈曲振動片を備えたこと特徴とする。
この電子機器によれば、精度の高い振動を安定して維持することが可能な屈曲振動片をタイミングデバイス等として備え、屈曲振動片を搭載した電子機器は、確実で安定した動作を保障することが可能である。電子機器としては、携帯電話、モバイルコンピューター、電子時計、ビデオレコーダー、テレビ等が挙げられる。
本実施形態に係る水晶振動片の表面側から見た外観を示す斜視図。 (a)基部および腕部への電極形成を示す斜視図、(b)圧電体層の形成を示す斜視図。 (c)圧電体層への電極形成を示す斜視図。 (a)水晶振動片の構成を示す断面図、(b)水晶振動片の屈曲原理を示す模式図。 (a)屈曲振動子の蓋体を開けた状態を示す平面図、(b)屈曲振動子を示す断面図。 屈曲振動子の製造工程を示すフローチャート。 (a)および(b)水晶振動片の変形例を示す斜視図。 絶縁層を有する水晶振動片を示す斜視図。 (a)携帯電話を示す斜視図、(b)モバイルコンピューターを示す斜視図。
以下、屈曲振動片について、具体的な実施形態を図面に従って説明する。本実施形態の屈曲振動片は、圧電体層および電極の構成に特徴を有するものであり、その具体的な一例として、これら特徴ある構成を適用し3本の腕部を有する水晶振動片の場合について説明する。なお、図面において、描かれている屈曲振動片の各部の縮尺は、部分的に異ならせてあり、分かりやすいように一部を強調してある。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る水晶振動片の表面側から見た外観を示す斜視図である。この水晶振動片(屈曲振動片)1においては、図1に示すように、同一平面である側を表面側とし、段差をなしている側を裏面側とする。また、図2(a)は、基部および腕部への電極形成を示す斜視図、図2(b)は、圧電体層の形成を示す斜視図であり、図3(c)は、圧電体層への電極形成を示す斜視図である。これら図2および図3は、電極および圧電膜の形成を順に示している。
最初に、水晶振動片1を形成する水晶について、簡単に説明する。水晶振動片1は、六角柱の水晶柱から切り出され、水晶柱は、柱の長手方向に光軸であるz軸と、z軸に垂直な六角形面のx−y平面において六角形の辺に平行な電気軸であるx軸と、x軸に垂直な機械軸であるy軸とを有している。また、六角形の辺に平行なx軸は、それぞれ120度の等角度で3本あって、これらのx軸によりx−y平面に形成される3つの面は、エッチング方向によるエッチング進行速度の違い等がそれぞれの面で同一である、という三方晶の性質を有している。このような水晶柱において、水晶振動片1は、x−y平面を、x軸とy軸との交点(座標原点)からみてx軸回りに角度5度傾けた平面に沿う水晶z板から切り出されたものである。この水晶z板は、x軸と、y’軸およびz’軸と、により表される。
水晶振動片1は、図1に示すように、x軸方向を幅方向とし本体部2aと支持部2bとからなる基部2と、基部2の支持部2bからy’軸方向へそれぞれ延長している3本の腕部3(3a,3b,3c)と、を有している。腕部3は、腕部3bを中央にして、3本がx軸に沿って順に並んでいて、この場合、腕部3aおよび腕部3cが奇数番目に該当し、腕部3bが偶数番目に該当する。また、基部2の支持部2bは、z’軸方向の厚さが腕部3と同じであり、支持部2bに対し腕部3と反対側に位置する本体部2aは、支持部2bより厚く設定されている。
次に、図2も参照して、駆動電流を印加し腕部3を屈曲させるための電極および圧電体層について説明する。ここでいう電極とは、腕部3に形成された第1電極および第2電極と、基部2に形成された第1端子および第2端子と、を含めたものである。まず、水晶振動片1の腕部3の表面側に形成された第1電極、および基部2の表面側に形成された第1端子について説明する。図1および図2(a)に示すように、腕部3aには、第1電極としての励振電極12aが形成され、腕部3bには、第1電極としての励振電極12bが形成され、腕部3cには、第1電極としての励振電極12cが形成されている。なお、腕部3に設けられたこれら励振電極12a,12b,12cは、腕部3の各先端部分には形成されていない。また、基部2の本体部2aには、腕部3a寄りの端部に第1端子としての電極端子10が形成されている。
そして、電極端子10と励振電極12aとを電気的に接続するための電極配線11aが、本体部2aから支持部2bにかけて形成され、電極配線11aから分岐し電極配線11aと励振電極12aとを電気的に接続するための電極配線11bが、支持部2bに形成されている。電極配線11aおよび電極配線11bは、励振電極12aと励振電極12cとを接続するように、U字状をなしている。さらに、支持部2bには、腕部3bの励振電極12bから延伸した電極配線11cが形成されている。この電極配線11cは、電極配線11a,11bとは接続されておらず、支持部2bに単独で存している。これら電極端子10、電極配線11a,11b,11c、および励振電極12a,12b,12cは、Cr膜とAu膜との2層からなる金属膜であって、スパッタリング等の蒸着により形成されている。
また、水晶振動片1において、図1および図2(b)に示すように、本体部2aの電極端子10の領域とその近辺および腕部3の先端を除いた表面側には、励振電極12a,12b,12cと、支持部2bの電極配線11aおよび電極配線11b,11cと、を覆って、圧電体層6が形成されている。圧電体層6は、この場合、圧電性を有する酸化亜鉛(ZnO)で形成されていて、2つの貫通孔4,5を有している。貫通孔4は、電極端子10と、腕部3aの励振電極12aと、腕部3cの励振電極12cと、にそれぞれ電気的に接続している、電極配線11aに対向して設けられ、貫通孔5は、腕部3bの励振電極12bと導通している、電極配線11cに対向して設けられている。
さらに、各腕部3には、図1および図3(c)に示すように、腕部3aの励振電極12aに対し圧電体層6を挟んで対向する位置に、第2電極として形成された励振電極22aと、腕部3bの励振電極12bに対し圧電体層6を挟んで対向する位置に、第2電極として形成された励振電極22bと、腕部3cの励振電極12cに対し圧電体層6を挟んで対向する位置に、第2電極として形成された励振電極22cと、がそれぞれ配置されている。ここで、図4(a)の水晶振動片の構成を示す断面図に示すように、腕部3cにおける、励振電極12cと、圧電体層6と、励振電極22cとは、積層構造体9を構成している。この積層構造体9は、腕部3aにおいては、励振電極12aと、圧電体層6と、励振電極22aとで構成され、腕部3bにおいては、励振電極12bと、圧電体層6と、励振電極22bとで構成されている。即ち、積層構造体9は、第1電極(励振電極12a,12b,12c)を腕部3の側にした構成となっている。
また、基部2において、電極端子10とその近辺を除いた領域に形成されている圧電体層6には、第2端子としての電極端子20が形成され、電極端子20と励振電極22cとを電気的に接続するために、電極配線21aが形成されている。そして、電極配線21aから分岐し電極配線21aと励振電極22aとを電気的に接続するための電極配線21bが、圧電体層6に形成されている。電極配線21aおよび電極配線21bは、励振電極22aと励振電極22cとを接続するように、U字状をなしている。さらに、圧電体層6には、腕部3bの励振電極22bから延伸した電極配線21cが形成されている。この電極配線21cは、電極配線21a,21bとは接続されておらず、圧電体層6に単独で存している。このことから、圧電体層6は、基部2の電極配線11a、電極配線11b、電極配線11cを覆い、少なくとも第2端子である電極端子20が形成される領域にまで延長して形成されている状態であるといえる。ここで言う領域とは、平面視で見たときに、圧電体層6と電極端子20とが重なり合っている領域とも言える。なお、電極端子20、電極配線21a,21b,21c、および励振電極22a,22b,22cは、Cr膜とAu膜との2層からなり、蒸着により形成された金属膜である。
この金属膜は、励振電極22bおよび電極配線21cを形成する際に、貫通孔4の孔壁にまで形成されていて、この貫通孔4を介して、電極配線21cと電極配線11aとが接続されている。これにより、電極端子10と、腕部3aの励振電極12a、腕部3bの励振電極22b、および腕部3cの励振電極12cと、が接続される。同様に、金属膜は、励振電極22cおよび電極配線21aを形成する際に、貫通孔5の孔壁にまで形成されていて、この貫通孔5を介して、電極配線21aと電極配線11cとが接続されている。これにより、電極端子20と、腕部3aの励振電極22a、腕部3bの励振電極12b、および腕部3cの励振電極22cと、が接続される。
貫通孔4,5は、この場合、平面視すると四角形の形状であり、孔壁が4方向を向いている。そのため、金属膜を蒸着させる時に、蒸着方向が偏っていたとしても、いずれかの孔壁には、金属膜が形成でき、電気的な接続の役目を果たすことができる。また、圧電体層6が、電極端子20および電極配線21a,21b,21cの形成されるべき領域にまで延長して形成されているため、これら電極端子20および電極配線21a,21b,21cは、圧電体層6の同じ平面に金属膜で形成されれば良く、段差部分にまで金属膜を形成しなければならない従来の方法と比べ、より確実に相互の電気的接続を確保することができる。
そして、金属膜により基部2および腕部3に形成された電極端子10、電極配線11a,11b、11c、および励振電極12a,12b,12cと、金属膜により圧電体層6に形成された電極端子20、電極配線21a,21b、21c、および励振電極22a,22b,22cと、は、水晶振動片1を平面視した場合、腕部3bを中心線とした線対称の形状をなしている。即ち、第1電極および第1端子と、第2電極および第2端子とは、平面視して対称な形状となるように配置されている、状態である。また、水晶振動片1では、電極配線11も含め、対称な形状をなしていて、水晶振動片1は、全体のバランスが良くとれ、安定して振動することができる。
以上説明したような構成を有する水晶振動片1が、屈曲して振動する原理について説明する。図4(b)は、水晶振動片の屈曲原理を示す模式図である。水晶振動片1には、電極端子10または電極端子20から駆動電流が印加される。例えば、電極端子10から電極端子20へ駆動電流が印加されると、腕部3aにおける駆動電流は、励振電極12aから励振電極22aを経て電極端子20へ至る方向となる。同様に、腕部3cにおける駆動電流は、励振電極12cから励振電極22cを経て電極端子20へ至る方向となる。つまり、腕部3aおよび腕部3cでは、腕部3a,3bの裏面側から表面側の方向へ駆動電流が印加されるため、共に、同一方向へ向いた電界が生じる。一方、腕部3bにおける駆動電流は、励振電極22bから励振電極12bを経て電極端子20へ至る方向となる。つまり、腕部3bでは、腕部3bの表面側から裏面側の方向へ駆動電流が印加されるため、腕部3aおよび腕部3cとは異なる方向の電界が生じる。
従って、腕部3aおよび腕部3cは、z’軸に沿って表面側の方向へ屈曲する際、腕部3bは、z’軸に沿って裏面側の方向へ屈曲することになる。そして、電極端子10および電極端子20へ印加する駆動電流の方向を変えると、各腕部3は、それぞれ逆方向へ屈曲する。つまり、腕部3へ印加する駆動電流の方向を交互に変えることにより、腕部3は、屈曲を繰り返して振動し、その振動は、隣り合って位置する腕部3が互いに逆の位相で屈曲する、いわゆる面外振動である。
次に、上記した水晶振動片1を用いた水晶振動子について説明する。図5(a)は、屈曲振動子の蓋体を開けた状態を示す平面図である。図5(b)は、屈曲振動子を示す断面図であり、図5(a)のE−E’における断面図である。
図5において、水晶振動子(屈曲振動子)100は、水晶振動片1と、水晶振動片1を収容したパッケージ70を備えている。パッケージ70は、一方に開口を有する箱状のパッケージベース71と、パッケージベース71の開口を閉鎖するための蓋体73と、パッケージベース71と蓋体73とを接合するためのシームリング72と、により構成されている。また、パッケージベース71は、その箱状内部に形成され水晶振動片1を載置するための段部77と、段部77に設けられ水晶振動片1の電極端子10,20と接続するための2つの振動片接続端子76と、パッケージベース71の外周部に設けられ振動片接続端子76から配線により電気的に接続されている外部接続端子75と、を有している。この場合、パッケージベース71および蓋体73は、セラミックにより形成され、シームリング72は、コパール合金で形成されている。なお、形成材は、これらに限定されるものではない。
そして、段部77には、水晶振動片1の基部2の本体部2aが、接着剤79を介して、接着固定され、腕部3a,3b,3cが自由端として片持ち支持されている。また、水晶振動片1の電極端子10,20は、ボンディングワイヤー78によって、振動片接続端子76にそれぞれ接続されている。そして、水晶振動子100は、パッケージベース71と蓋体73とを、減圧状態下において、シームリング72で接合することにより、水晶振動片1を収容した空間を減圧雰囲気にしている。なお、水晶振動片1を収容した空間は、減圧雰囲気ではなく、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを封入した雰囲気等でも良い。
このような構成の水晶振動子100は、外部接続端子75を介して外部から駆動電流が印加されることにより、水晶振動片1が励振され、所定の周波数で振動して発振することができる。また、水晶振動子100は、水晶振動片1の電極端子20、電極配線21a,21b,21cが、圧電体層6の同じ平面に形成されており、段差部分等により不連続な形成となるようなことを回避して、相互の接続が確実に補償されている。これにより、水晶振動子100は、長期にわたり安定した振動特性を維持することができる。
次に、水晶振動片1の製造工程を含む水晶振動子100の製造工程について説明する。図6は、屈曲振動子の製造工程を示すフローチャートである。本製造工程では、ウエハー状の基材をベースにして、水晶振動片1を製造するため、ウエハー状の基材として水晶ウエハーを用意する。水晶ウエハーは、既述した水晶z板の表面を研磨して平坦な平板形状としたものである。
まず、ステップS1において、基部2および腕部3のエッチングを行う。水晶振動片1においては、基部2の支持部2bおよび腕部3となるべき部位の裏面側が、本体部2aより薄くなっている。そのため、まず、水晶ウエハーにレジスト膜を塗布し、基部2の支持部2bおよび腕部3の裏面を、エッチングで除去できるように、レジスト膜のパターニングを行う。こうして露出した水晶面は、本体部2aより厚さの薄くなる支持部2bおよび腕部3の裏面側に対応していて、他面には、レジスト膜が残っている。この状態で、水晶ウエハーの露出した部分をフッ酸で所定時間だけエッチングし、支持部2bおよび腕部3を所定厚になるまで薄く形成する。そして、レジスト膜を除去してステップS2へ進む。
ステップS2において、腕部3の形状を含む外形のエッチングを行う。まず、水晶ウエハーにレジスト膜を塗布してから、フォトリソグラフィーにより、レジスト膜を、水晶振動片1の腕部3形状を含む外形形状、および外形形状同士を接続する連結部形状となるように、パターニングする。この状態で、水晶ウエハーの露出した部分をフッ酸でエッチングして、水晶振動片1の外形および連結部を形成する。これにより、水晶ウエハーに対し、それぞれ細い連結部で接続された、水晶振動片1となるべき多数の外形完成状態のものが得られる。エッチング後、レジスト膜を剥離してステップS3へ進む。
ステップS3において、水晶面に電極形成を行う。まず、水晶ウエハーの表面全体に、この場合、Cr膜とAu膜との金属膜からなる電極を形成する。そして、電極にレジスト膜を形成し、このレジスト膜には、電極端子10と、電極端子10と接続する電極配線11a,11cおよび励振電極12a,12b,12cと、励振電極12bと接続する電極配線11cと、に対応したパターニングがなされる。レジスト膜の形成後、レジスト膜のない電極の部分をエッチングして電極端子10、電極配線11a,11b,11cおよび励振電極12a,12b,12cを形成する。この場合、腕部3の先端に錘金属膜(不図示)として金属膜を残しておく。電極の形成後、レジスト膜を剥離してステップS4へ進む。
ステップS4において、圧電体層6を形成する。圧電体層6は、スパッタリングにより、腕部3の励振電極12a,12b,12cを覆って、基部2および腕部3に形成される。この圧電体層6は、電極端子20および電極配線21a,21b,21cの形成されるべき領域にまで延長して形成されていて、既述した貫通孔4,5を有している。この場合、圧電体層6は、圧電性を有する酸化亜鉛(ZnO)である。圧電体層6の形成後、レジスト膜を剥離してステップS5へ進む。
ステップS5において、圧電体層6に電極を形成する。ここで形成される電極は、電極端子20と、電極端子20と電気的に接続し、腕部3aの励振電極12aと圧電体層6を挟んで対向する励振電極22aと、および腕部3cの励振電極12cと圧電体層6を挟んで対向する励振電極22cと、腕部3bの励振電極12bと圧電体層6を挟んで対向し電極端子20と導通せず単独で設けられる励振電極22bと、である。これら電極は、ステップS3における、金属膜による電極形成と同様の方法で形成される。なお、電極は、貫通孔4の孔壁にも形成され、電極端子10と接続している電極配線11aと、圧電体層6に形成されている電極配線21cと、を接続している。これにより、電極端子10と、励振電極12a、励振電極22bおよび励振電極12cと、が接続される。また、電極は、貫通孔5の孔壁にも形成され、圧電体層6に形成されている電極端子20と導通している電極配線21aと、支持部2bに形成されている電極配線11cと、を接続している。これにより、電極端子20と、励振電極22a、励振電極12bおよび励振電極22cと、が接続される。これら電極端子20、電極配線21a,21b,21cおよび励振電極22a,22b,22cは、圧電体層6の平面状をなす同一面に設けられるため、蒸着方向の偏り等の影響を受けることを抑制でき、電気的な接続が確実にとれた状態に形成される。また、貫通孔4,5は、金属膜が偏った方向で蒸着されても、四角形の孔壁を構成するいずれかの面に、金属膜が確実に形成される。圧電体層6へ電極を形成後、ステップS6へ進む。
ステップS6において、水晶振動片の個片化を行う。即ち、水晶ウエハーにおける細い連結部を折り取り、連結状態であった水晶振動片1を個片にする。ここまでが、水晶振動片1の製造工程である。個片化の後、水晶振動子100を製造するためには、ステップS7へ進む。
ステップS7において、パッケージに装着を行う。つまり、水晶振動片1をパッケージベース71へ装着する。装着は、図5(a)に示すように、水晶振動片1をパッケージベース71の段部77へ接着剤79で固定する。水晶振動片1の装着後、ステップS8へ進む。
ステップS8において、周波数の調整を行う。この調整は、水晶振動片1に駆動電流を印加して、その周波数を見ながら、イオンビーム、レーザー光等を各腕部3の先端の錘金属膜へ照射し、腕部3の質量をそれぞれ調整する。これにより、水晶振動片1の腕部3は、所定の周波数で正確に振動するように調整される。調整の後、ステップS9へ進む。
ステップS9において、パッケージを封止する。図5(b)に示すように、パッケージベース71へ蓋体73を接合して、水晶振動片1をパッケージ70内へ封止する。以上で、水晶振動片1を備えた水晶振動子100が完成する。
以上述べたように、水晶振動片1は、電極が確実に形成されていて、安定した精度の高い振動を維持することができ、搭載される発振器、電子機器等の精度向上を図ることができる。例えば、図9(a)は、携帯電話200を示す斜視図であり、図9(b)は、モバイルコンピューター300を示す斜視図である。一例である携帯電話200およびモバイルコンピューター300に、水晶振動片1を搭載することにより、これら電子機器の確実で安定した動作を保障することが可能である。
以上、水晶振動片1の一実施形態について説明した。この水晶振動片1の主要な効果についてまとめて述べる。水晶振動片1が有する励振電極22a,22b,22c、電極端子20、および電極配線21a,21b,21cは、圧電体層6の同一面に金属膜で形成されており、基部2および腕部3の同一面に形成されている励振電極12a,12b,12c、電極端子10、および電極配線11a,11b,11cと同様に、段差等のない平面へ金属膜を形成すれば良いため、確実に電気的接続を確保することができる。即ち、従来のように、段差部分に金属膜が形成されず電気的接続が不十分になることを、確実に回避できる。
そして、圧電体層6に貫通孔4,5を設けることにより、電極端子10,20と励振電極12a,12b,12c,22a,22b,22cとは、それぞれの接続が複雑な形態にならず、且つ、平面視で対称な形状となるように配置でき、全体のバランスが良くとれた配置とすることができる。また、四角形をなす貫通孔4,5の孔壁には、金属膜が偏った方向から蒸着されても、いずれかの面には金属膜が形成され、圧電体層6を挟んでの相互接続も確保される。従って、水晶振動片1は、安定した確実な振動をすることができる。
また、水晶振動片1および水晶振動子100は、上記の実施形態に限定されるものではなく、次に挙げる変形例のような形態であっても、実施形態と同様な効果が得られる。
(変形例1)実施形態では、3本の腕部3および貫通孔4,5により接続された電極配線11,21を有する水晶振動片1について説明したが、水晶振動片1の腕部3は、3本に限定されるものではなく、貫通孔4,5も必須の構成ではない。例えば、図7(a)および(b)に表されている、水晶振動片の変形例を示す斜視図を参照して説明する。まず、図7(a)に示すように、基部2から延長する1本の腕部3を有し貫通孔を有しない水晶振動片(屈曲振動片)30の場合について説明する。水晶振動片30は、腕部3に積層構造体9が蒸着で形成されていて、積層構造体9は、腕部3の側に位置する励振電極12dと、励振電極22dと、励振電極12dと励振電極22dとの間に配置された圧電体層6と、を有している。そして、基部2には、励振電極12dから延伸して電極端子10が形成され、この電極端子10を除く領域に圧電体層6が延長して形成されている。また、基部2の圧電体層6には、励振電極22dから延伸して電極端子20が形成されている。このような構成の水晶振動片30は、電極端子20および励振電極22dが圧電体層6の同一面に設けられているため、蒸着方向の偏り等の影響を受けることを抑制でき、電気的な接続が確実にとれる状態に形成されている。また、貫通孔を用いていないため、簡便な構成となっている。この水晶振動片30を複数並べて水晶振動片1のような形態にすることも可能であり、即ち、腕部3のそれぞれに駆動電流を印加するための電極端子10,20を配置した水晶振動片を構成することも可能である。
(変形例2)さらに、図7(b)に示すように、貫通孔45を有する水晶振動片40も考えられる。水晶振動片(屈曲振動片)40は、腕部3に積層構造体9が形成されていて、積層構造体9は、腕部3の側に位置する励振電極12eと、励振電極22eと、励振電極12eと励振電極22eとの間に配置された圧電体層6と、を有している。そして、基部2には、単独で存し電極端子10とほぼ同形状の補助端子20aと、励振電極12eから延伸した電極端子10と、が形成されている。そして、補助端子20aの一部および電極端子10を除いた領域には、圧電体層6が延長して形成されており、補助端子20aの一部にかかっている圧電体層6には、励振電極22eから延伸して電極端子20が形成されている。圧電体層6において、補助端子20aと補助端子20aとに挟まれた領域には、孔壁に金属膜が形成された貫通孔45が形成されている。これにより、補助端子20aと、電極端子20および励振電極22eと、が接続され、補助端子20aが電極端子20の機能を有することになる。この構成の水晶振動片40は、基部2の表面側同一面に設けられた電極端子10と補助端子20aとから駆動電流を印加でき、図5に示すパッケージ70の段部77に基部2の表面側を固定する場合、圧電体層6の段差を回避して固定できるため、安定した装着ができる。この水晶振動片40においても、水晶振動片40を複数並べて水晶振動片1のような形態にして、腕部3のそれぞれに駆動電流を印加するための電極端子10および電極端子20の機能を有する補助端子20aを配置した構成も可能である。
(変形例3)水晶振動片1の積層構造体9は、励振電極12と、圧電体層6と、励振電極22と、の積層構造であるが、これに限定されるものではない。例えば、図8は、絶縁層を有する水晶振動片を示す斜視図である。この水晶振動片(屈曲振動片)50は、積層構造体90が絶縁層60を有している。この場合、腕部3aにおける積層構造体90は、励振電極12aと圧電体層6と絶縁層60と励振電極22aとで構成されている。つまり、腕部3aにおいて、腕部3aに形成された励振電極12aと圧電体層6とを覆って絶縁層60が形成され、圧電体層6および絶縁層60を挟んで、励振電極12aと対向する位置に励振電極22aが形成されている。同様に、腕部3bにおける積層構造体90は、励振電極12bと圧電体層6と絶縁層60と励振電極22bとで構成され、腕部3cにおける積層構造体90は、励振電極12cと圧電体層6と絶縁層60と励振電極22cとで構成されている。この絶縁層60は、圧電体層6を保護すると共に、水晶振動片50の小型化等のために圧電体層6を薄く形成した場合においては、励振電極12と励振電極22との短絡を防止する機能を果たしている。そのため、水晶振動片50は、励振電極12と励振電極22とに確実に駆動電流を印加でき、安定した振動を確実に行うことができる。
(変形例4)貫通孔4,5は、四角形状であるが、四角以外の矩形状や円形、楕円形等の形状をなしていても良い。
(変形例5)水晶振動片1は、積層構造体9が基部2および腕部3の表面側に設けられている構成を一例として示すものであって、基部2および腕部3の裏面側にも積層構造体9が設けられた構成であっても良い。これにより、水晶振動片は、より安定して振動することができる。
(変形例6)屈曲振動片は、水晶を用いた水晶振動片1に限定されることなく、水晶以外のニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン鉛(PZT)等の圧電体を用いたものであっても良い。更に、屈曲振動片は、腕部3等が水晶のような圧電性材料を用いることに限定されるものではなく、シリコンやゲルマニウムなどの非圧電材料であっても良い。これにより、屈曲振動片において、要求特性や用途等に応じて、適切な材料を選ぶことができ選択肢が拡大する。
(変形例7)水晶振動片1の圧電体層6は、スパッタリングにより形成された酸化亜鉛(ZnO)であるが、これに限定されるものではなく、例えば、圧電性を有する窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸ジルコン鉛(PZT)等であっても良い。
(変形例8)励振電極12a,12b,12cと励振電極22a,22b,22cとは、圧電体層6を挟んでそれぞれ対向するように配置されているが、圧電体層6が屈曲可能であれば、直接対向せずに圧電体層6を挟むような構成であっても良い。
(変形例9)水晶振動子100は、本体部2aの裏面側がパッケージベース71の段部77に接着固定されているが、本体部2aの表面側がパッケージベース71の段部77に接着固定されている構成であっても良い。この場合、段部77の振動片接続端子76が水晶振動片1の電極端子10,20と導電性接着剤で接続される。
(変形例10)水晶振動子100は、パッケージ70内に、水晶振動片1に加え、発振回路等を備えたものであっても良い。
屈曲振動片としての水晶振動片1をパッケージ化した水晶振動子100は、電極相互の接続が確実になされており、記述した携帯電話200やモバイルコンピューター300に限らず、電子時計、ビデオレコーダー、テレビ、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯情報端末、GPS(Global Positioning System)通信機器等の電子機器に広く用いることができ、これら電子機器のタイミングデバイスなどとして、確実で安定した動作を保障することが可能である。
1…屈曲振動片としての水晶振動片、2…基部、3…腕部、4,5…貫通孔、6…圧電体層、9…積層構造体、10…第1端子としての電極端子、11…電極配線、12…第1電極としての励振電極、20…第2端子としての電極端子、21…電極配線、22…第2電極としての励振電極、30,40…屈曲振動片としての水晶振動片、45…貫通孔、50…屈曲振動片としての水晶振動片、60…絶縁層、90…積層構造体、100…屈曲振動子としての水晶振動子、200…電子機器としての携帯電話、300…電子機器としてのモバイルコンピューター。

Claims (8)

  1. 基部と、
    前記基部から延長し、屈曲振動をする腕部と、
    第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の間に配置された第1の圧
    電体層と、を含み、前記第1電極を前記腕部と前記第1の圧電体層との間に配置した積層
    構造体と、
    前記第1電極に接続され、且つ、前記基部に配置された第1端子と、
    前記第2電極に接続され、且つ、前記基部に配置された第2端子と、
    前記第1の圧電体層から延出し、且つ、少なくとも前記第2端子の領域にまで設けられ
    、平面視で前記第2端子と重なり合っている第2の圧電体層を有していることを特徴とす
    る屈曲振動片。
  2. 請求項1に記載の屈曲振動片において
    記第2の圧電体層は、貫通孔を有し、
    前記貫通孔を介して、前記第2電極と前記第2端子とを接続したことを特徴とする屈曲
    振動片。
  3. 基部と、
    屈曲振動し、且つ、前記基部から延長し並列に配列された複数本の腕部と、
    前記腕部の各々に設けられ、且つ、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記
    第2電極の間に配置された第1の圧電体層と、を含み、前記第1電極を前記腕部と前記第1の圧電体層との間に配置した積層構造体と、
    前記腕部のうち、端から数えて奇数番目の前記腕部の前記第1電極と偶数番目の前記腕
    部の前記第2電極とに接続され、且つ、前記基部に配置された第1端子と、
    前記偶数番目の前記腕部の前記第1電極と前記奇数番目の前記腕部の前記第2電極とに
    接続され、且つ、前記基部に配置された第2端子と、
    前記第1の圧電体層から延出し、且つ、少なくとも前記第2端子の領域にまで設けられ
    、平面視で前記第2端子と重なり合っている第2の圧電体層を有していることを特徴とす
    る屈曲振動片。
  4. 請求項3に記載の屈曲振動片において
    記第2の圧電体層は、複数の貫通孔を有し、
    前記貫通孔を介して、前記奇数番目の前記腕部の前記第1電極と前記偶数番目の前記腕
    部の前記第2電極との接続、および前記偶数番目の前記腕部の前記第1電極と前記奇数番
    目の前記腕部の前記第2電極との接続をしたことを特徴とする屈曲振動片。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の屈曲振動片において、
    前記第1電極と前記第2電極との間に絶縁膜をさらに有したことを特徴とする屈曲振動
    片。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の屈曲振動片と、
    前記屈曲振動片を収容したパッケージと、を備えたことを特徴とする屈曲振動子。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の屈曲振動片と、
    前記屈曲振動片に接続された発振回路と、を備えたことを特徴とする発振器。
  8. 請求項1から5のいずれか一項に記載の屈曲振動片を備えたこと特徴とする電子機器。
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