JP5530876B2 - 高圧燃料供給ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射弁に高圧燃料を圧送する高圧燃料供給ポンプに関し、ことに吐出される燃料の量を調節する電磁駆動型の吸入弁を備えた高圧燃料供給ポンプに関する。
特許第3902388号公報に記載されている従来の高圧燃料供給ポンプの電磁駆動型の吸入弁は、コイルが無通電状態で、吸入弁がばねで付勢されて開弁状態にある。コイルに通電すると電磁駆動型の吸入弁に発生した磁気力により、ばねの付勢力に抗して吸入弁は閉弁可能となる。よって、コイルの通電有無によって吸入弁の開閉運動を制御することができ、これにより高圧燃料の供給量を制御することができる。
特許第3902388号公報
この従来の電磁駆動型の吸入弁では電磁駆動部と吸入弁とが別体で構成され、コイルに無通電時、電磁駆動部がばね力によって吸入弁を開弁状態に維持している。コイルに通電すると電磁駆動部に発生する磁気力によって電磁駆動部はばね力に逆らって移動し、吸入弁は閉弁可能な状態となる。高圧燃料の量を制御するには燃料を圧縮するプランジャの動きに合わせて電磁駆動型の吸入弁のコイルへの通電タイミングを制御しなければならない。プランジャはエンジンの吸気弁または排気弁の駆動カム軸に設けられたポンプ駆動用カムで機械的に駆動されている。
エンジン始動直後はカム位置を検出ができないため、電磁駆動型の吸入弁のコイル通電タイミングが制御できない。コイルが無通電のままでは吸入弁が開弁状態のままとなるので始動時にポンプの昇圧ができない。そこで、従来技術では、エンジン始動後カム位置を検出するまでの数秒間はコイルに連続通電し吸入弁が常に閉弁可能な状態(全吐出状態)にし、すばやく昇圧できるようにしている。
このため、コイルへの通電は電磁駆動型の吸入弁の駆動部に付勢されているばね力以上の力で、駆動部をストッパに押し付け保持させるだけの磁気力が必要であり、その磁気力発生に必要な電流を通電させているため、消費電流が大きいという問題があった。
本発明の目的は、エンジン始動時にコイルへの通電を少なくして消費電力を抑制することにある。
上記本発明は上記目的を達成するために、電磁駆動部と吸入弁とを一体に構成し、ばね力によって一体型の電磁駆動部と吸入弁とを開弁方向に付勢するよう構成し、エンジン始動時にはばね力キャンセルする程度の微弱電流を電磁駆動型の吸入弁のコイルに連続通電させた。
このように構成された本発明によれば、一体型の電磁駆動部と吸入弁がプランジャの往復運動により発生する燃料の流体力によって自開・自閉するので、カム位置の検出ができないエンジン始動直後にポンプの昇圧が可能となる。また、コイルへの通電は微弱なため消費電流が小さい。
本発明が実施された第1実施例による高圧燃料供給ポンプの縦断面図。 本発明が実施された第1実施例による電磁駆動型の吸入弁の開弁状態を表した縦断面図。 本発明が実施された第1実施例による電磁駆動型の吸入弁の閉弁状態を表した縦断面図。 本発明が実施された第1実施例による高圧燃料供給ポンプの縦断面図。 本発明が実施された第1実施例による高圧燃料供給ポンプのシステム図。 本発明が実施された第1実施例による電磁駆動型の吸入弁の動作説明図。 従来構成の電磁駆動型の吸入弁の動作説明図。 本発明が実施された第1実施例による電磁駆動型の吸入弁の動作説明図。
以下図面に示す実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
図1ないし図5に基づき第1の実施例を説明する。
ポンプハウジング1には加圧室11を形成するためのカップ型の凹所11aが設けられている。凹所11a(加圧室11)の開口部にはシリンダ6が嵌合されている。ホルダ7をねじ部1bにて螺合することによってシリンダ6の端部がホルダ7によってポンプハウジング1の加圧室11の開口部に設けた段付部16Aに押し付けられる。
シリンダ6とポンプハウジング1は段付部16Aで圧接され、金属接触による燃料シール部を形成する。シリンダ6には中心にビストンプランジャ2の貫通孔(摺動孔とも呼ぶ)が設けられている。ピストンプランジャ2はシリンダ6の貫通孔に往復動可能に遊嵌されている。ホルダ7の外周にはねじ部1bの反加圧室11側の位置にシールリング62が装着されている。シールリング62はホルダ7の外周とポンプハウジング1の凹所11aの内周壁との間を燃料が漏れないようにシール部を形成する。
ホルダ7の反シリンダ6側には内側筒状部71と外側筒状部72の二重の筒状部が形成されている。ホルダ7の内側筒状部71にはプランジャシール装置13が保持されており、プランジャシール装置13はホルダ7の内周とピストンプランジャ2の周面との間に環状低圧室10fを形成している。燃料溜り部67にはピストンプランジャ2とシリンダ6の摺動面から漏れる燃料が捕獲される。
プランジャシール装置13は後述するカム5側から燃料溜りとしての環状低圧室10fに潤滑オイルが侵入することも防止している。
ホルダ7の反シリンダ6側に形成された外側筒状部72はエンジンブロック100に形成された取付け孔100Aに挿入される。ポンプハウジング1の環状突起11Bの外周にはシールリング61が取付けられている。シールリング61は取付け孔100Aから潤滑オイルが大気中に漏れるのを防止し、また大気から水が浸入するのを防止する。
ホルダ7の直径はシールリング62の部分よりもシールリング61の部分の方が大きく構成されている。これは、ポンプハウジング1をエンジンブロックに取付ける際の取付け面積を大きくしてポンプ本体の首振り現象を小さくすることに効果がある。
ポンプハウジング1の下端面101Aはエンジンブロックの取付け孔100Aの周囲の取付け面に当接している。ポンプハウジング1の下端面101Aの中心部には環状突起11Bが形成されている。
環状突起11Bはエンジンブロック100の取付け孔100Aに遊嵌しており、ホルダ7の外側筒状部72の外径とほぼ同じ外径を有するが、ポンプ本体の首振りは環状突起11Bと下端面101Aとで受けるよう配慮される。
ピストンプランジャ2はシリンダ6に滑合する大径部2aの直径よりもシリンダから反加圧室側に延びる小径部2bの直径の方が小さく形成されている。その結果プランジャシール装置13の外径を小さくでき、この部分でホルダ7に二重の筒状部71,72を形成するスペースが確保できる。直径が細くなっているピストンプランジャ2の小径部2bの先端部にはばね受け15が固定されている。ホルダ7とばね受け15との間にはばね4が設けられている。
ばね4の一端はホルダ7の内周側筒状部71の周りで外周筒状部72の内側に装着されている。ばね4の他端は有底筒状の金属で構成されるばね受け15の外側に配置される。
タペット3の筒状部31Aは取付け穴100Aの内周部に遊嵌されている。タペット3の底部31Bの内表面にはピストンプランジャ2の下端部21Aが当接している。タペット3の底部31Bの中央部には回転ローラ3Aが取付けられている。ローラ3Aはカム5の表面にばね4の力を受けて押し付けられている。その結果カム5が回転するとカム5のプロフィールに沿ってタペット3とピストンプランジャ2が上下に往復動する。ピストンプランジャ2が往復動するとピストンプランジャ2の加圧室側端部2Bは加圧室11に入ったり出たりする。ピストンプランジャ2の加圧室側端部2Bが加圧室11に進入するとき加圧室11内の燃料が高圧に加圧されて高圧通路に吐出される。またピストンプランジャ2の加圧室側端部2Bが加圧室11から後退するとき加圧室11内に吸入通路30aから燃料が吸入される。カム5はエンジンのクランクシャフトあるいはオーバヘッドカムシャフトによって回転される。
カム5が図1に示す3葉カム(カム山が3つ)の場合、クランクシャフトあるいはオーバヘッドカムシャフトが1回転するとピストンプランジャ2は3往復する。4サイクルエンジンの場合、1燃焼行程でクランクシャフトは2回転する。3葉カムの場合、クランクシャフトでカム5を回転する場合、1燃焼サイクルの間(基本的には燃料噴射弁がシリンダに1回燃料を噴射する)にカムは6往復して燃料を6回加圧し吐出する。
ポンプハウジング1の頭部にはダンパカバー14が固定されている。ダンパカバー14にはジョイント101が設けられており、低圧燃料口10aを形成している。ジョイント101の内側にはフィルター102が装着されている。ダンパカバー14とポンプハウジング1との間に区画形成される低圧室10c,10dには、燃料圧力脈動を低減するための圧力脈動低減機構9が収容されている。圧力脈動低減機構9はその上下両面にはそれぞれ低圧室10b,10cが設けられている。
吐出口12は、ポンプハウジング1にねじ止若しくは溶接によって固定されたジョイント103で形成されている。
燃料は、ジョイント101の低圧燃料口10a−低圧室10b−低圧室10c−吸入通路30a−加圧室11−吐出口12に至る燃料通路と、低圧室10c−低圧燃料通路10e−環状低圧通路10h−ホルダ7に設けられた溝7a−環状低圧室10fも連通されている。この結果、ピストンプランジャ2が往復動すると環状低圧室10fの容積が増減して、低圧室10cと環状低圧室10fとの間で燃料が行き来する。これによりピストンプランジャ2とシリンダ6の摺動熱で暖められた環状低圧室10fの燃料の熱は、低圧室10cの燃料と熱交換され、冷却される。
加圧室11の入口の吸入通路30aには電磁駆動型の吸入弁30が設けられている。電磁駆動型の吸入弁30内には吸入弁31が設けられている。吸入弁ばね33によって吸入口30Aを開く方向に付勢力されている。これにより電磁駆動型の吸入弁30は無通電状態では吸入通路30aと加圧室11を連通している。
加圧室11の出口には吐出弁ユニット8が設けられている。吐出弁ユニット8は吐出弁シート8a,吐出弁シート8aと接離する吐出弁8b,吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8c,吐出弁8bと吐出弁シート8aとを収容する吐出弁ホルダ8dから構成され、吐出弁シート8aと吐出弁ホルダ8dとは当接部で溶接8eにより接合されて一体のユニットを形成している。
なお、吐出弁ホルダ8dの内部には、吐出弁8bのストロークを規制するスットパーを形成する段付部8fが設けられている。
加圧室11と吐出口12に燃料差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出口12の燃料圧力よりも大きくなった時に始めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁し、加圧室11内の燃料は吐出口12を経て高圧燃料容積室23としてのコモンレールへと高圧吐出される。吐出弁8bは開弁した際、吐出弁ストッパ8fと接触し、ストロークが制限される。したがって、吐出弁8bのストロークは吐出弁ストッパ8dによって適切に決定される。これによりストロークが大きすぎて、吐出弁8bの閉じ遅れにより、吐出口12へ高圧吐出された燃料が、再び加圧室11内に逆流してしまうのを防止でき、高圧ポンプの効率低下が抑制できる。また、吐出弁8bが開弁および閉弁運動を繰り返す時に、吐出弁8bがストローク方向にのみ運動するように、吐出弁ホルダ8dの内周面にてガイドしている。以上のようにすることで、吐出弁ユニット8は燃料の流通方向を制限する逆止弁となる。
シリンダ6は外周がホルダ7で保持され、ホルダ7の外周に螺刻されたねじを、ポンプ本体に螺刻されたねじにねじ込むことによってねじ部1bにおいてポンプハウジング1に固定される。ピストンプランジャ2は大径部2aと小径部2bからなる。シリンダ6は加圧部材であるピストンプランジャ2を大径部2aにて上下に摺動可能に保持する。ピストンプランジャ2の下端には、カム5の回転運動を上下運動に変換し、ピストンプランジャ2に伝達するリテーナ15が圧入によってピストンプランジャ2に固定されており、ピストンプランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット3の底部内面に押し付けられている。これによりカム5の回転運動に伴い、ピストンプランジャ2を上下に運動させることができる。また、ピストンプランジャ2の小径部2bはシリンダ6の図中下側でプランジャシール装置13によりシールされ、ガソリン(燃料)が高圧燃料供給ポンプから内燃機関の内部に漏れることを防止する。同時に内燃機関の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルでも良い)がポンプハウジング1の内部に流入するのを防止する。
これらの構成により、加圧室11は、電磁駆動型の吸入弁30,吐出弁ユニット8,ピストンプランジャ2,シリンダ6,ポンプハウジング1にて構成される。
燃料は燃料タンク20から低圧燃料供給ポンプ21にて、吸入配管28を通してポンプの低圧燃料口10aに導かれる。低圧燃料供給ポンプ21は、エンジンコントロールユニット27(以後、ECUと称す)からの信号によって低圧燃料口10aへの吸入燃料を一定の圧力に調圧する。
また、高圧燃料供給ポンプの加圧室11で加圧された高圧燃料が吐出口12から高圧燃料容積室23へ供給される。高圧燃料容積室23には、高圧燃料噴射弁24,圧力センサ26が装着されている。高圧燃料噴射弁24は、内燃機関の気筒数に合わせて装着されており、ECU27の信号に基づいて内燃機関の燃焼室に燃料を噴射する。
次に、高圧吐出される燃料の量を調整する電磁駆動型の吸入弁30について図2,図3を用いて説明する。
吸入弁体31は吸入弁31a,プランジャロッド31b,開弁運動制限部材31c,アンカー31d,固定子31e,溶接固定部31fからなる。吸入弁31aはプランジャロッド31bに一体に成形されており、開弁運動制限部材31c、およびアンカー31dはプランジャロッド31bに圧入固定されている。固定子31eはプランジャロッド31bに圧入したのち、レーザー溶接にて溶接固定されている。開弁運動制限部材31c,アンカー31d,固定子31eの3つの部材はそれぞれプランジャロッド31bに固定されているが、開弁運動制限部材31cとアンカー31d,アンカー31dと固定子31eは接触している。吸入弁ばね33は固定子31eを付勢力にて押し、開弁運動制限部材31cはプランジャロッドのガイド34と接触している。この時、吸入弁31aとバルブシート32との間には隙間が存在し電磁駆動型の吸入弁30は開弁状態となっている。端子37を介してコイル36にECUからの入力電圧が印加されていない無通電状態では、この吸入弁ばね33の付勢力により、吸入弁体31は図1、または図2に示すように図面右の開弁方向に付勢され開弁状態となっている。吸入弁31aとバルブシート32の間に存在する隙間は、吸入弁31aの可動範囲であり、これがストロークとなる。
カム5の回転により、ピストンプランジャ2が吸入行程(上死点位置から下死点位置に移動する間)にある時は、ECUからの入力電圧は印加されていない。吸入弁31aは開弁しているので、加圧室11の容積増加に伴い、燃料は加圧室11に流入する。吸入弁体31の開弁方向の変位量はプランジャロッドのガイド34にて規制されており、これ以上開弁することはない。
この状態で、ピストンプランジャ2は吸入行程を終了し、圧縮行程(下死点から上死点に移動する間)へと移行する。ピストンプランジャ2が圧縮行程に移ると、吸入弁ばね33の付勢力のため、依然として吸入弁31aは開弁したままである。従ってこの状態では、加圧室11の容積がピストンプランジャ2の圧縮運動に伴って減少しても、加圧室11内の燃料が再び開弁状態の吸入弁31aを通して吸入通路30a(低圧室10c)へと戻されるので、加圧室の圧力が上昇することはない。この行程を戻し行程(スピル行程とも称す)と呼ぶ。このとき、吸入弁31aには、吸入弁ばね33の付勢力による開弁方向の力と、燃料が加圧室11から低圧室10cへ逆流する時に発生する流体力による閉弁方向の力が働く。戻し工程中に吸入弁31aが開弁状態を維持する為に、吸入弁ばね33の付勢力は流体力よりも大きく設定されている。
この状態で、端子37を介してECU27からの入力電圧がコイル36に印加されると、コイル36には電流が流れる。流れる電流の波形はコイル36の抵抗値とインダクタンスの値によって決まる。この電流によって、アンカー31dと、コア35の間には互いに引き合う磁気力が発生する。この磁気力が吸入弁ばね33の付勢力よりも大きくなると、吸入弁体31は図中の左側に閉弁運動を開始する。そして、吸入弁31aとバルブシート32が接触するとその運動を停止し、吸入弁31aは閉弁状態となるが、アンカー31dとコア35の間にはクリアランスが存在し、互いに接触することがないように設定されている。吸入弁31aが閉弁してから加圧室11の燃料圧力はピストンプランジャ2の上昇運動と共に上昇する。そして、吐出口12の圧力以上になると、吐出弁ユニット8を介して加圧室11に残っている燃料の高圧吐出が行われ、高圧燃料容積室23へ加圧燃料が供給される。この行程を吐出行程と称す。すなわち、ピストンプランジャ2による圧縮行程は、戻し行程と吐出行程からなる。
吐出行程において、加圧燃料の供給が開始されればECU27からの入力電圧を解除できる。これは、加圧室11内の圧力が吐出口12の圧力以上になると、吸入弁31aには加圧室11内の圧力により閉弁方向に力が働き、この吸入弁ばね33の付勢力よりも大きくなるためである。これにより、コイル36での消費電力を抑制することができる。
そして、コイル36への入力電圧を印加するタイミング(閉弁タイミング)を制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。入力電圧を印加するタイミング(閉弁タイミング)を早くすれば、圧縮行程中の、戻し行程の割合が小さく、吐出行程の割合が大きい。すなわち、吸入通路30a(低圧室10c)に戻される燃料が少なく、高圧吐出される燃料は多くなる。一方、入力電圧を印加するタイミングを遅くすれば、圧縮行程中の、戻し行程の割合が大きく、吐出行程の割合が小さい。すなわち、吸入通路30a(低圧室10c)に戻される燃料が多く、高圧吐出される燃料は少なくなる。入力電圧を解除するタイミングは、ECUからの指令による。
ピストンプランジャ2が吸入行程を終了し圧縮行程を開始すると加圧室11の体積は再び増加を開始し、加圧室11内の圧力は低下する。吸入弁31aは吸入弁ばね33の付勢力によって図中の右側へ開弁運動を開始し、ストローク分だけ移動した後、開弁運動制限部材31cがプランジャロッドのガイド34と接触し開弁運動を停止する。そして加圧室11に低圧室10cから30aを通って燃料が流入する。
次にポンプ駆動カム5とコイル36の電流波形,電磁駆動型の吸入弁31aの動作の関係について図6〜図8に基付き説明する。
図6はポンプの流量制御を表した図でカム5T.D.CからB.D.Cは吸入工程でポンプの吸入弁31から加圧室11に燃料が流入する。次にカム5B.D.CからT.D.Cは吐出工程となり燃料が圧縮され、所定の圧力に達すると燃料は吐出弁ユニット8より吐出される。本構造ではコイル36無通電状態では吸入弁31aは開弁しているため、吐出工程に入っても吸入弁31から燃料が低圧室10c側へ戻されるので加圧室11の圧力は昇圧しない。吐出工程でソレノイド信号をONにするとコイル36に通電され吸入弁31aが閉弁し昇圧が始まる。このカム5B.D.Cから吸入弁31aが閉弁し昇圧が始まるまでが前述の戻し工程である。このようにソレノイド信号のONタイミングを制御することでポンプの吐出量を制御している。尚、ソレノイド信号のON時間は、前述のように電磁駆動型の吸入弁30の駆動部に開弁方向に付勢される吸入弁ばね33のばね力を、吐出工程での閉弁方向に作用する燃料の流体力が上回った後にOFFできる。この状態では、コイル36の通電を切っても、ばね力が流体力より小さいので吸入弁31aが開弁することはなく吐出工程が維持でき昇圧できる。
一方、エンジン始動直後はカム5位置の検出ができないため、前述の電磁駆動型の吸入弁30のタイミング制御ができない。このため、従来の電磁駆動型の吸入弁30の駆動部と吸入弁31aが別体で構成されているものは、図7のようにソレノイド信号を始動直後からONにし、コイル36に連続通電することにより駆動部を閉弁方向に移動させて吸入弁を閉弁可能な状態に維持している。これにより、吸入弁は吸入工程で開弁し、吐出工程で閉弁するので燃料の昇圧が可能となっている。
本構造では、電磁駆動型の吸入弁30の駆動部と吸入弁31aが一体に構成され、開弁方向に吸入弁ばね33のばね力が付勢されているが、電磁駆動型の吸入弁30の制御ができないエンジン始動時は、閉弁方向にばね力と同程度の弱い磁気力を発生させて力の釣り合いを取ることにより、吸入弁31aをピストンプランジャ2の往復運動による燃料の流体力のみで開閉させることができる。これは図8のように、電磁駆動型の吸入弁30のコイル36に微弱電流を連続通電することで可能となり、従来構成のもの同様に燃料を昇圧することができる。
また、本構造では微弱な電流を通電しているため、消費電流を小さくすることができる。
上記の吸入行程,戻し行程、および吐出行程の3つの行程中、吸入通路30a(低圧室10c)には常に燃料が出入りするため、燃料圧力に周期的な脈動が生じる。この圧力脈動は圧力脈動低減機構9にて吸収低減され、低圧燃料供給ポンプ21からポンプハウジング1へ至る吸入配管28への圧力脈動の伝播を遮断し、吸入配管28の破損等を防止すると同時に、安定した燃料圧力で加圧室11に燃料を供給することを可能としている。低圧室10bは低圧室10cと接続しているので、圧力脈動低減機構9の両面に燃料は行き渡り効果的に燃料の圧力脈動を抑える。
シリンダ6の下端とプランジャシール装置13の間には環状低圧室10fが存在し、低圧室10c−低圧燃料通路10e−環状低圧通路10h−ホルダ7に設けられた溝7、と低圧室10cと接続されている。ピストンプランジャ2がシリンダ6内で摺動運動を繰り返すと、大径部2aと小径部2bとの結合部は環状低圧室10f内で上下運動を繰り返し、環状低圧室10fは容積変化する。吸入行程では環状低圧室10fの容積は減少し、環状低圧室10f内の燃料は低圧通路11eを通って低圧室10cへと流れる。戻し行程、および吐出行程では環状低圧室10fの容積は増加し、低圧室10d内の燃料は低圧通路11eを通って環状低圧室10cへと流れる。
低圧室10cに着目すると、吸入行程では低圧室10cから加圧室11に燃料は流入する一方、環状低圧室10fから低圧室10cに燃料が流入する。戻し行程では、加圧室11から低圧室10cに燃料は流入する一方、低圧室10cから環状低圧室10fに燃料が流入する。吐出行程では、低圧室10cから環状低圧室10fに燃料は流入する。このように、環状低圧室10fは低圧室10cへの燃料の出入りを助ける作用があるので、低圧室10cで発生する燃料の圧力脈動を低減する効果がある。
1 ポンプハウジング
2 ピストンプランジャ
2a 大径部
2b 小径部
3 タペット
5 カム
6 シリンダ
7 ホルダ
8 吐出弁ユニット
9 圧力脈動低減機構
10a 低圧燃料口
10b,10c 低圧室
10e 低圧燃料通路
10f 環状低圧室
11 加圧室
12 吐出口
13 プランジャシール装置
20 燃料タンク
21 低圧燃料供給ポンプ
23 高圧燃料容積室
24 高圧燃料噴射弁
26 センサ
27 エンジンコントロールユニット(ECU)
30 電磁駆動型の吸入弁
31a 吸入弁
31b プランジャロッド
31c 開弁運動制限部材
31d アンカー
31e 固定子
31f 溶接固定部
32 バルブシート
33 吸入弁ばね
34 プランジャロッドのガイド
35 コア
36 コイル
37 端子
38 ヨーク

Claims (8)

  1. 加圧室に燃料を吸入する吸入通路と、前記加圧室から前記燃料を吐出する吐出通路とを有し前記加圧室内を往復動するピストンプランジャによって燃料の吸入・吐出を行うものであって、前記吸入通路に電磁駆動型の吸入弁、前記吐出通路に吐出弁を備え、前記電磁駆動型の吸入弁のコイルへの通電タイミングを制御して前記吸入通路と前記加圧室との連通および非連通を切換えることにより、吐出される燃料の量を制御する可変流量式高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記電磁駆動型の吸入弁の電磁駆動部と吸入弁部とを一体に構成し、
    前記一体型の電磁駆動部と吸入弁部は、ばねにより開弁方向へ付勢されることにより、前記コイルへの通電が無いときに開弁しており、
    エンジン始動時には、前記電磁駆動型の吸入弁の前記コイルが、前記ばねの付勢力と釣り合う電磁力を得るために連続通電されることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  2. 請求項1に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記電磁駆動部は前記吸入弁の弁部が先端部に一体に設けられたプランジャロッドと、前記弁部とは反対側の端部に設けられたアンカーと、磁気吸引空隙を挟んでこのアンカーに対面する固定コアと、当該アンカーと固定コアとに磁束を供給する前記コイルと、前記プランジャロッドを開弁方向に付勢する前記ばねとを備えることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  3. 請求項2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記プランジャロッドは前記吸入通路の加圧室側に延びており、その先端部に前記弁部が形成されており、前記吸入通路を形成する部材には前記吸入通路の回りに前記吸入弁の弁座が形成されていることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  4. 請求項3に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記電磁駆動部はさらに前記弁部と前記アンカーとの間に前記プランジャロッドの往復動を支承するガイドを備えることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  5. 請求項4に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記電磁駆動部はさらに前記アンカーと前記ガイドとの間に前記プランジャロッドに固定された開弁運動制限部材を備えることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  6. 請求項5に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記電磁駆動部はさらに前記アンカーの前記開弁運動制限部材とは反対側において前記プランジャロッドに固定される固定子を備えることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  7. 請求項6に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記電磁駆動部はさらに前記固定子と前記固定コアとの間に前記ばねを備えることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  8. 請求項1に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記連続通電時の電流波形がパルス波形であることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
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