JP2007285209A - 高圧燃料ポンプ - Google Patents

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真也 古澤
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Abstract

【課題】カムが接触するリフタの摩耗を抑制する。
【解決手段】リフタ24を往復摺動可能に案内するリフタガイド25の内周面25cに傾斜溝25bを形成するとともに、リフタ24及びリフタガイド25によって囲われる空間(オイル室28)内に潤滑油を供給するための潤滑油路51を形成する。このように傾斜溝25bと潤滑油路51を形成することで、リフタ24の下降によってオイル室28内に潤滑油を供給することができ、そのオイル室28内に供給された潤滑油をリフタ24の上昇によって、リフタガイド25の内周面25cの傾斜溝25bに流して外部に流出させることができる。そして、そのような潤滑油の強制的な流れにより発生する流体摩擦によってリフタ24が軸線を中心として確実に回転するようになる。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えば筒内直噴型エンジン等の内燃機関において、インジェクタ(燃料噴射弁)に高圧燃料を供給する高圧燃料ポンプに関する。
自動車等に搭載される筒内直噴型エンジンにおいては、燃料圧力を燃焼室内の圧力よりも高くして燃料噴射を行う必要があるため、燃料タンクから送られてきた燃料を高圧燃料ポンプで加圧してインジェクタに向けて供給している。
筒内直噴型エンジンの燃料供給系としては、例えば、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、高圧燃料ポンプによって加圧された燃料を貯留するデリバリパイプと、エンジンの各気筒毎に配置されたインジェクタとを備え、各インジェクタの開弁制御によりデリバリパイプ内に貯留されている高圧燃料をインジェクタから燃料室内に直接噴射する燃料供給系が知られている。
この種の燃料供給系に用いられる高圧燃料ポンプとしては、例えば、シリンダ内に往復摺動可能に挿入されたプランジャと、これらシリンダとプランジャとによって区画形成された加圧室と、円筒形状のリフタガイド内に往復摺動可能に配設されているとともに、プランジャに連結された円筒形状のリフタと、このリフタをカム側に押圧する圧縮コイルばねとを備え、前記カムの回転に伴ってカムノーズがリフタから退避するときにプランジャが下降して加圧室の容積が拡大する行程(吸入行程)と、カムのカムノーズによってリフタが押し上げられ、それに伴ってプランジャが上昇して加圧室の容積が縮小する行程(加圧行程)とを繰り返すことにより、燃料をデリバリパイプ等に加圧して供給する構造のものがある。
ところで、以上のような構造の高圧燃料ポンプにおいては、リフタの下面にカムの外周面が摺接しているため、リフタ下面にコーティングが施されている。しかしながら、リフタ下面へのカム外周面の摺接位置が常に同じであると、コーティングが摩耗することがある。このような摩耗を抑制する手法として、リフタをその軸線廻りに回転させることにより、カム外周面に対するリフタ下面の接触位置を変更する技術がある(例えば、特許公報1参照)。
この特許文献1に記載の技術では、リフタガイド内に円筒形状のリフタを往復摺動可能に配置した構造の高圧燃料ポンプにおいて、リフタの外側周囲にリフタ移動方向(リフタの軸線)に対して傾斜する傾斜溝を設けている。そして、このような傾斜溝を設けておくことにより、リフタとリフタガイドとの摺動面間に存在する潤滑油が、リフタの往復摺動に伴って流動する際にリフタ周囲の傾斜溝に沿って流れ、その潤滑油の流れによってリフタがその軸線を中心として回転する。
特開2002−31017号公報
ところで、前記した特許文献1に記載の高圧燃料ポンプでは、リフタとリフタガイドとの摺動面間に存在する潤滑油が、リフタの往復摺動に伴って流動する際にリフタ周囲の傾斜溝に沿って流れるようになり、その潤滑油の流れによってリフタが回転する構造となっている。しかしながら、このような構造では、リフタとリフタガイドとの摺動面間に存在する潤滑油のみが傾斜溝内で流動するだけであり、リフタに作用する回転力は小さい。このため、リフタをカムに押し付ける圧縮コイルばねの弾性力が大きい場合や燃圧が高い場合など、リフタ下面とカム外周面との接触面圧が高いときにはリフタが回転しない場合がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、カムが接触するリフタを確実に回転させることができ、リフタの摩耗を抑制することが可能な高圧燃料ポンプの提供を目的とする。
本発明は、シリンダ内に往復摺動可能に挿入されたプランジャと、前記シリンダと前記プランジャとによって区画形成された加圧室と、リフタガイド内に往復摺動可能に配設された円筒形状のリフタと、前記リフタを前記カム側に押圧する圧縮コイルばねとを備え、前記カムの回転に伴って前記リフタが移動して前記プランジャが往復移動し、そのプランジャの往復移動によって前記加圧室内への燃料吸入と当該加圧室内の燃料の加圧・吐出とを繰り返して行う高圧燃料ポンプにおいて、前記リフタガイドの内周面または前記リフタの外周面のいずれか一方の面に、前記リフタの軸線に対して傾斜する傾斜溝が形成されているとともに、前記リフタ及び前記リフタガイドによって囲われる空間内に潤滑油を供給するための潤滑油路が形成されており、前記傾斜溝が前記空間内に連通し、かつ当該傾斜溝の前記カム側の端部が外部に開放されていることを特徴としている。
以上の構成の高圧燃料ポンプにおいて、内燃機関のオイルポンプから潤滑油路に潤滑油を供給しておくと、カムの回転により、加圧室の容積が増大する方向にプランジャが移動するとき(吸入行程)には、リフタの移動(下降)によってリフタ及びリフタガイド内の空間の容積が増大して、空間内に潤滑油が潤滑油路を通じて供給される。一方、加圧室の容積が収縮する方向にプランジャが移動するとき(吐出行程)には、リフタの移動(上昇)によってリフタ及びリフタガイド内の空間が圧縮されて油圧が発生する。この油圧の発生により、リフタガイドの内周面(またはリフタの外周面)の傾斜溝に沿って潤滑油が強制的に流れ、その潤滑油が傾斜溝の下端部から外部に流出する。このような潤滑油の強制的な流れにより発生する流体摩擦によってリフタが軸線を中心として回転する。
このように、本発明の高圧燃料ポンプによれば、リフタガイドに対するリフタの往復移動によるポンプ作用により、リフタの移動(下降)によりリフタ及びリフタガイド内の空間に潤滑油を供給し、その空間内に供給した潤滑油をリフタの移動(上昇)によってリフタガイド内周面の傾斜溝に流して外部に流出させているので、リフタに大きな回転力を与えることができ、リフタを確実に回転させることができる。これによってリフタとカム外周面との接触位置が変更され、リフタの摩耗(コーティングの摩耗)を抑制することができる。
なお、本発明の高圧燃料ポンプにおいて、リフタ及びリフタガイドに囲われる空間内に潤滑油を供給するための潤滑油路に、前記空間への潤滑油の流入を許容し、その逆向きの潤滑油流れを阻止する逆止弁を設けておくことが好ましい。
ここで、この種の高圧燃料ポンプにおいては、例えば図11に示すように、エンジンのシリンダヘッド300にオイルバス301を設け、そのオイルバス301内の潤滑油をカム211にて掻き揚げることにより、高圧燃料ポンプ201のリフタ224の下面とカム211の外周面との間に潤滑油を供給している。これに対し、本発明の高圧燃料ポンプでは、上記したように、リフタガイドの内周面(またはリフタの外周面)に形成した傾斜溝の端部(下端)から潤滑油がカム側に流出するので、リフタ下面とカム外周面との間に潤滑油を十分に供給することができる。従って、図11に示したようなオイルバス301をエンジンのシリンダヘッド300に設ける必要がなくなる。
さらに、本発明の高圧燃料ポンプでは、リフタ下面への潤滑油の量が多くなるので、リフタ下面とカム外周面との間に形成される油膜の厚さを、オイルバス301から潤滑油を掻き揚げ場合と比較して増加させることが可能になる。これによってリフタ下面とカム外周面との間の接触抵抗が小さくなってリフタが回転しやすくなる。
本発明の高圧燃料ポンプにおいて、カムの外周面の中心位置を、リフタの軸線に対し、当該軸線と直交する方向にオフセットしておいてもよい。このようにカムの位置をオフセットすることにより、カムの回転力(カムシャフトの回転力)をリフタの回転方向に作用させることが可能になるので、リフタが更に回転しやすくなる。
本発明によれば、リフタガイドの内周面またはリフタの外周面のいずれか一方の面に傾斜溝を形成するとともに、リフタ及びリフタガイドによって囲まれる空間内に潤滑油を供給するための潤滑油路を形成しているので、リフタの往復移動によるポンプ作用によってリフタに大きな回転力を与えることができ、リフタを確実に回転させることができる。これによってリフタの摩耗を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動車に搭載される筒内直噴型多気筒(例えば4気筒)ガソリンエンジンに用いられる高圧燃料ポンプに本発明を適用した場合について説明する。
−燃料供給装置100−
高圧燃料ポンプの具体構成について説明する前に、この高圧ポンプが適用される燃料供給装置100の概略構成について図1を参照して説明する。
この例の燃料供給装置100は、燃料タンク101から燃料を送り出すフィードポンプ102と、そのフィードポンプ102によって送り出された燃料を加圧して各気筒(4気筒)のインジェクタ4・・4に向けて吐出する高圧燃料ポンプ1とを備えている。
高圧燃料ポンプ1は、シリンダ21、プランジャ23、加圧室22及び電磁スピル弁30を備えている。
プランジャ23は、エンジンの吸気カムシャフト110に取り付けられたカム111の回転によって駆動され、シリンダ21内を往復移動する。このプランジャ23の往復移動により加圧室22の容積が拡大または縮小する。この例では、吸気カムシャフト110の回転軸廻りに180°の角度間隔をもって2つのカム山(カムノーズ)112,112がカム111に形成されている。そして、これら2つのカムノーズ112,112によってプランジャ23が押し上げられて、このプランジャ23がシリンダ21内で移動するようになっている。なお、この例においてエンジンは4気筒型であるので、エンジンの1サイクル中、つまりクランクシャフトが2回転する間に、気筒毎に設けられたインジェクタ4から各1回ずつ、合計4回の燃料噴射が行われることになる。また、この例のエンジンでは、クランクシャフトが2回転する毎に吸気カムシャフト110が1回転する。従って、エンジンの1サイクル毎に、インジェクタ4からの燃料噴射が4回ずつ行われ、高圧燃料ポンプ1からの吐出動作が2回ずつ行われる。
高圧燃料ポンプ1の加圧室22はプランジャ23及びシリンダ21によって区画されている。この加圧室22は、低圧燃料配管104を介してフィードポンプ102に連通している。また、加圧室22は、高圧燃料配管105を介してデリバリパイプ(蓄圧容器)106内に連通している。
デリバリパイプ106には、インジェクタ4・・4が接続されている。また、デリバリパイプ106にはパイプ内部の燃料圧力(実燃圧)を検出する燃圧センサ161が配設されている。さらに、デリバリパイプ106には、リリーフバルブ171を介してリターン配管172が接続されている。リリーフバルブ171は、デリバリパイプ106内の燃料圧力が所定圧(例えば13MPa)を超えたときに開弁する。このリリーフバルブ171の開弁により、デリバリパイプ106に蓄えられた燃料の一部をリターン配管172を介して燃料タンク101に戻すようになっている。これにより、デリバリパイプ106内の燃料圧力の過上昇が防止される。また、リターン配管172と高圧燃料ポンプ1とは、燃料排出配管108(図1では破線で示している)によって接続されており、高圧燃料ポンプ1のプランジャ23とシリンダ21との間隙から漏出した燃料がシールユニット5の上部の燃料収容室6に蓄積され、その後、この燃料収容室6に接続された燃料排出配管108に戻されるようになっている。
なお、低圧燃料配管104には、フィルタ141及びプレッシャレギュレータ142が設けられている。プレッシャレギュレータ142は、低圧燃料配管104内の燃料圧力が所定圧(例えば0.4MPa)を超えたときに低圧燃料配管104内の燃料を燃料タンク101に戻すことによって、この低圧燃料配管104内の燃料圧力を所定圧以下に維持している。
また、低圧燃料配管104にはパルセーションダンパ107が設けられており、このパルセーションダンパ107によって高圧燃料ポンプ1の作動時における低圧燃料配管104内の燃圧脈動が抑制されるようになっている。さらに、高圧燃料配管105には、高圧燃料ポンプ1から吐出された燃料が逆流することを阻止するための逆止弁151が設けられている。
高圧燃料ポンプ1には、低圧燃料配管104と加圧室22との間を連通または遮断するための電磁スピル弁30が設けられている。電磁スピル弁30は、電磁ソレノイド31を備えており、その電磁ソレノイド31への通電を制御することにより開閉動作する。電磁スピル弁30は、電磁ソレノイド31への通電が停止されているときには圧縮コイルばね37の弾性力によって開弁する。以下、この電磁スピル弁30の開閉動作について図2を参照しながら説明する。
まず、電磁ソレノイド31に対する通電が停止された状態のときには、電磁スピル弁30が圧縮コイルばね37の弾性力によって開弁し、低圧燃料配管104と加圧室22とが連通した状態になる。この状態において、加圧室22の容積が増大する方向にプランジャ23が移動するとき(吸入行程)には、フィードポンプ102から送り出された燃料が低圧燃料配管104を経て加圧室22内に吸入される。
一方、加圧室22の容積が収縮する方向にプランジャ23が移動するとき(加圧行程)において、電磁ソレノイド31への通電により電磁スピル弁30が圧縮コイルばね37の弾性力に抗して閉弁すると、低圧燃料配管104と加圧室22との間が遮断され、加圧室22内の燃料圧力が所定値に達した時点で逆止弁40が開放して、高圧の燃料が高圧燃料配管105を通じてデリバリパイプ106に向けて吐出される。
そして、高圧燃料ポンプ1における燃料吐出量の調整は、加圧行程での電磁スピル弁30の閉弁期間を制御することによって行われる。すなわち、電磁スピル弁30の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料吐出量が増加し、電磁スピル弁30の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすると燃料吐出量が減少するようになる。このように、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量を調整することにより、デリバリパイプ106内の燃料圧力が制御される。
ここで、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量(電磁スピル弁30の閉弁開始時期)を制御するための制御量であるポンプデューティDTについて説明する。
このポンプデューティDTは、0〜100%という値の間で変化するものであって、電磁スピル弁30の閉弁期間に対応する吸気カムシャフト110のカム111のカム角度に関係した値である。
具体的には、カム111のカム角度に関して、図2に示すように、電磁スピル弁30の最大閉弁期間に対応したカム角度(最大カム角度)をθ0とし、その最大閉弁期間の目標燃圧に対応するカム角度(目標カム角度)をθとすると、ポンプデューティDTは、最大カム角度θ0に対する目標カム角度θの割合(DT=θ/θ0)で表される。従ってポンプデューティDTは、目標とする電磁スピル弁30の閉弁期間(閉弁開始時期)が最大閉弁期間に近づくほど100%に近い値となり、目標とする閉弁期間が「0」に近づくほど0%に近い値となる。
そして、ポンプデューティDTが100%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁30の閉弁開始時期は早められ、電磁スピル弁30の閉弁期間は長くなる。その結果、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量が増加して実燃圧が上昇するようになる。また、ポンプデューティDTが0%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁30の閉弁開始時期は遅らされ、電磁スピル弁30の閉弁期間は短くなる。その結果、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量が減少して実燃圧が低下するようになる。なお、上記ポンプデューティDTの算出手順の詳細についてはここでは説明を省略する。
−高圧燃料ポンプ1の具体構成−
次に、高圧燃料ポンプ1の具体構成について図3を参照して説明する。図3は高圧燃料ポンプ1の縦断面図である。
この例の高圧燃料ポンプ1は、ハウジング10内に設けられたポンプ部20、電磁スピル弁30及び逆止弁40と、当該高圧燃料ポンプ1の全体をエンジンのヘッドカバーに取り付けるためのフランジ50を備えている。
ポンプ部20は、シリンダ21、加圧室22、プランジャ23、リフタ24及びリフタガイド25を備えている。シリンダ21はハウジング10の中央部に形成され、その先端側(図3における上端側)に加圧室22が形成される。プランジャ23は略円柱形状の部材であって、シリンダ21内にその軸線方向の摺動が可能に挿入されている。
リフタ24は有底円筒形状の部材であって、内部にプランジャ23の基端部、リテーナ26及び圧縮コイルばね27等が収容されている。リフタガイド25は、ハウジング10の下側に取り付けられた円筒形状の部材であって、内部にリフタ24が軸線方向へ摺動可能に収納されている。
プランジャ23の基端部にはリテーナ26が一体に係合されている。また、リフタガイド25の上部にはスプリングシート部材25aが嵌め込まれている。これらスプリングシート部材25aの下面とリテーナ26との間に圧縮コイルばね27が挟み込まれており、この圧縮コイルばね27の弾性力によって、プランジャ23に下方への付勢力が付与されているとともに、リフタ24がカム111に向けて押圧されている。
電磁スピル弁30は加圧室22に対向して配置されている。電磁スピル弁30は、電磁ソレノイド31、ボビン32、コア33、アーマチャ34、ポペット弁35、及び、シート体36を備えている。電磁ソレノイド31は、ボビン32にリング状に巻装されたコイルからなり、コア33はボビン32の中心貫通孔に嵌合固定されている。アーマチャ34は、ポペット弁35の一端に固定された状態で、その一部がコア33と同軸上でボビン32の中心貫通孔に進入可能に配置されている。コア33及びアーマチャ34の各対向面にはそれぞれ凹部が形成されており、それら凹部間には圧縮コイルばね37が圧縮状態で収容されている。そして、この圧縮コイルばね37の弾性力により、アーマチャ34が加圧室22側に向けて付勢されている。ポペット弁35はシート体36内の貫通孔に摺動可能に挿入されている。ポペット弁35の下端部には円板状の弁体35aが形成されている。
以上の構成において、電磁ソレノイド31の非通電時には、圧縮コイルばね37の弾性力により、弁体35aがシート体36のシート部36aから離間されて、電磁スピル弁30が開弁状態となる。一方、端子38への電力供給により電磁ソレノイド31が通電状態になると、コア33、アーマチャ34及び電磁スピル弁30全体を支持する支持部材39により磁気回路が形成され、圧縮コイルばね37の弾性力に抗して、アーマチャ34がコア33側に移動する。これにより、ポペット弁35が加圧室22と反対側に移動し、その弁体35aがシート体36のシート部36aに当接して、電磁スピル弁30は閉弁状態となる(図3に示す状態)。
一方、電磁スピル弁30が開弁状態にあるときには、シート体36に形成された複数の供給通路36bと加圧室22との間で燃料が流通可能となっている。
上記供給通路36bと連通するように、ハウジング10には低圧燃料通路11が形成されている。そして、電磁スピル弁30の開弁状態で、プランジャ23が下降するとき、フィードポンプ102の作動により燃料タンク101から汲み上げられた低圧燃料が、フィルタ141、プレッシャレギュレータ142、低圧燃料通路11及び供給通路36bを経て加圧室22に吸入されるようになっている。
シリンダ21の先端側に形成された加圧室22は、シリンダ21の内周面よりも大径に形成されている。そして、プランジャ23は電磁スピル弁30の閉タイミング前に加圧室22に進入し、電磁スピル弁30が閉弁した後にプランジャ23が上死点に到達するようになっている。また、プランジャ23の先端部が加圧室22内に進入した状態で、加圧室22の内周面とプランジャ23の外周面との間に隙間が形成されるようになっている。ハウジング10には高圧燃料通路12が形成されており、加圧室22がこの高圧燃料通路12を介して逆止弁40に連通するようになっている。
逆止弁40は、高圧燃料通路12に接続されたケーシング41と、そのケーシング41内に配置されたシート体42及びスプリングベース体45と、シート体42に接離可能に対向するバルブ体(弁体)43と、このバルブ体43をシート体42に対する当接位置に向けて付勢する圧縮コイルばね44とを備えている。また、逆止弁40は高圧燃料配管105に接続されている。そして、加圧室22内から高圧燃料通路12を介して圧送される燃料の圧力が所定値を超えたとき、バルブ体43が圧縮コイルばね44の付勢力に抗してシート体42から離間する位置に移動される。これにより、逆止弁40が開弁状態になって、高圧燃料通路12から圧送される高圧燃料が高圧燃料配管105を経てデリバリパイプ106に供給されるようになっている。
−リフタ回転機構−
次に、この例の特徴部分であるリフタ回転機構について説明する。
まず、図3〜図6に示すように、高圧燃料ポンプ1のリフタガイド25の内周面(リフタ24との摺動面)25cには、このリフタガイド25の軸線(リフタ24の軸線)に対して傾斜する複数本のスリット状の傾斜溝25b・・25bが形成されている。各傾斜溝25bの上部は、リフタ24、リフタガイド25及びスプリングシート部材25aの各内面によって囲われる空間28(以下、オイル室28という)内に連通しており、各傾斜溝25bの下端は外部(リフタ24の下面側)に開放されている。
また、高圧燃料ポンプ1のフランジ50には潤滑油路(オイルポート)51が設けられている。潤滑油路51はオイル室28内に潤滑油を供給するための油路であって、エンジンのオイルポンプからの潤滑油が導かれる。なお、潤滑油路51は、リフタガイド25の壁体を貫通する貫通孔25dを通じてオイル室28に連通している。また、オイル室28は閉空間であって潤滑油路51及び傾斜溝25b・・25bのみが連通している。
潤滑油路51内には逆止弁52が配置されている。逆止弁52は、潤滑油路51を通じてオイル室28内に流入した潤滑油がオイルポンプ側に逆流することを阻止するために設けられている。逆止弁52は、潤滑油路51内に挿入された弁座シート52bと、この弁座シート52bに対向して配置された弁体52aと、弁体52aを弁座シート52bに向けて押圧する圧縮コイルばね52cとを備え、オイル室28内の圧力が低下したときに圧縮コイルばね52cの弾性力に抗して弁座シート52bから弁体52aが離間して逆止弁52が開弁状態となり、オイル室28内に潤滑油が供給される。一方、オイル室28内の圧力が高くなったときに、弁体52aが弁座シート52bに着座して逆止弁52が閉弁状態となる。
次に、リフタ回転機構の動作について図3、図7及び図8を参照して説明する。
まず、図7に示すように、カム111の回転により、加圧室22の容積が増大する方向にプランジャ23が移動するとき(吸入行程)には、リフタ24が下方に移動し、オイル室28の容積が増大する。このようにオイル室28の容積が増大すると、オイル室28内の圧力が低下し、逆止弁52が開弁状態となって、潤滑油が潤滑油路51及び貫通孔25dを通じてオイル室28内に流入してオイル室28内が潤滑油で満たされる。
次に、カム111の回転により、加圧室22の容積が収縮する方向にプランジャ23が移動した時点つまりリフタ24が上方に移動(上昇)した時点で潤滑油路51の逆止弁52が閉弁状態となり(図8)、リフタ24の上昇に伴ってオイル室28内に油圧が発生する。この油圧の発生により、リフタガイド25の内周面25cの各傾斜溝25bに沿って潤滑油が強制的に流れ、その潤滑油が各傾斜溝25bの下端から外部に流出する。このような潤滑油の強制的な流れにより発生する流体摩擦によってリフタ24が軸線を中心として回転する。このような油圧の発生にて生じる潤滑油の強制的な流れは、プランジャ23が上死点に達するまで継続される。そして、プランジャ23が上死点を通過した後、リフタ24の下降によりオイル室28内の圧力が低下し、潤滑油路51の逆止弁52が開弁状態となると、リフタ24の下降に伴ってオイル室28内に潤滑油が供給される。
以上のように、この例では、リフタ24の下降・上昇の往復移動によるポンプ作用により、リフタ24の下降時にオイル室28内に潤滑油を供給し、そのオイル室28内に供給した潤滑油をリフタ24の上昇によってリフタガイド25の内周面25cの傾斜溝25bに流して外部に流出させているので、リフタ24に大きな回転力を与えることができ、リフタ24を確実に回転させることができる。これによってリフタ24の下面とカム111の外周面との接触位置が変更され、リフタ24の下面の摩耗(コーティングの摩耗)を抑制することができる。
しかも、リフタガイド25の内周面25cの各傾斜溝25bの下端から潤滑油を下方に流出させているので、リフタ24の下面とカム111の外周面との間に潤滑油を十分に供給することができる。これにより、図11に示したようなオイルバス301をエンジンのシリンダヘッド300に設ける必要がなくなる。さらに、リフタ24の下面への潤滑油の量が多くなるので、リフタ24の下面とカム111の外周面との間に形成される油膜の厚さを、オイルバスから潤滑油を掻き揚げた場合と比較して増加させることが可能になる。これにより、リフタ24の下面とカム111の外周面との間の接触抵抗が小さくなってリフタ24が回転しやすくなる。
なお、リフタガイド25に形成する傾斜溝25bの本数及び幅(スリット幅)は、リフタ24を回転させたい量、オイル室28への潤滑油の流入量、及び、リフタ24の上昇に伴うオイル室28内の圧力上昇と潤滑油の逃がし量(外部への流出量)などのパラメータを考慮して、実験・シミュレーション計算等により経験的に決定すればよい。
ここで、以上の例の高圧燃料ポンプ1において、図9及び図10に示すように、カム111の外周面の中心位置を、リフタ24の軸線に対し、当該軸線と直交する方向にオフセットするとともに、そのオフセット位置を、カム111の回転力(吸気カムシャフト110の回転力)がリフタ24の回転方向に作用するような位置に設定しておいてもよい。このようにカム111をオフセットしておくと、上記した潤滑油の強制的な流れによる流体摩擦力に加えて、カム111の外周面とリフタ24の下面との間の摩擦力を利用してリフタ24を軸線廻りに回転させることができるので、リフタ24が更に回転しやすくなり、リフタ24をより確実に回転させることができる。
−他の実施形態−
以上の例では、リフタガイド25の内周面25cに傾斜溝25bを形成しているが、リフタ24の外周面に複数のスリット状の傾斜溝を形成してもよい。この場合も、リフタ24の下降・上昇によるポンプ作用によってリフタ24の外周面の傾斜溝に潤滑油が強制的に流れるので、リフタ24を確実に回転させることができる。なお、この場合も傾斜溝の上部がオイル室28内に連通し、傾斜溝の下端が外部に開放される構造とする。
以上の例の高圧燃料ポンプ1では、吸気カムシャフト110に取り付けられたカム111の回転によってプランジャ23が駆動される構成としたが、排気カムシャフトに取り付けられたカムの回転によってプランジャ23が駆動される構成としてもよい。
また、本発明は、2つのカムノーズ112,112を有するカム111を備えたものに限らず、その他の個数のカムノーズを有するカムを備えたものにも適用可能である。
以上の例では、自動車に搭載される筒内直噴型4気筒ガソリンエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限られることなく、例えば筒内直噴型6気筒ガソリンエンジンなどの他の任意の気筒数のガソリンエンジンに適用可能である。また、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジン等の他の内燃機関にも本発明は適用可能である。さらに、本発明が適用可能なエンジンは、自動車用のエンジンに限るものでもない。
本発明の高圧燃料ポンプを適用する燃料供給装置の一例を模式的に示す図である。 電磁スピル弁の開閉動作を説明するための図である。 本発明の高圧燃料ポンプの一例を示す縦断面図である。 図3の高圧燃料ポンプのリフタガイドのみを抽出して示す縦断面図である。 図4のX−X断面図である。 図3の高圧燃料ポンプのリフタガイドのみを抽出して示す斜視図である。 リフタ回転機構の動作説明図である。 リグタ回転機構の動作説明図である。 本発明の高圧燃料ポンプの他の例の要部縦断面図である。 図9のY矢視図である。 エンジンのシリンダヘッドに設けるオイルバスの一例を示す図である。
符号の説明
1 高圧燃料ポンプ
21 シリンダ
22 加圧室
23 プランジャ
24 リフタ
25 リフタガイド
25a スプリングシート部材
25b 傾斜溝
25c 貫通孔
27 圧縮コイルばね
28 オイル室(空間)
50 フランジ
51 潤滑油路
52 逆止弁
52a 弁体
52b 弁座シート
52c 圧縮コイルばね
110 吸気カムシャフト
111 カム

Claims (2)

  1. シリンダ内に往復摺動可能に挿入されたプランジャと、前記シリンダと前記プランジャとによって区画形成された加圧室と、リフタガイド内に往復摺動可能に配設された円筒形状のリフタと、前記リフタを前記カム側に押圧する圧縮コイルばねとを備え、前記カムの回転に伴って前記リフタが移動して前記プランジャが往復移動し、そのプランジャの往復移動によって前記加圧室内への燃料吸入と当該加圧室内の燃料の加圧・吐出とを繰り返して行う高圧燃料ポンプにおいて、
    前記リフタガイドの内周面または前記リフタの外周面のいずれか一方の面に、前記リフタの軸線に対して傾斜する傾斜溝が形成されているとともに、前記リフタ及び前記リフタガイドによって囲われる空間内に潤滑油を供給するための潤滑油路が形成されており、前記傾斜溝が前記空間内に連通し、かつ当該傾斜溝の前記カム側の端部が外部に開放されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  2. 前記カムの外周面の中心位置が、前記リフタの軸線に対し、当該軸線と直交する方向にオフセットされていることを特徴とする請求項1記載の高圧燃料ポンプ。
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