JP5530604B2 - 放射性廃棄物の処理容器および該処理容器を用いた放射性廃棄物の処理方法 - Google Patents

放射性廃棄物の処理容器および該処理容器を用いた放射性廃棄物の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射性廃棄物の処理容器および該処理容器を用いた放射性廃棄物の処理方法に関し、詳しくは、原子力発電所から排出される低レベル放射性雑固体廃棄物の収納時における処理容器内での該廃棄物の浮上を阻止する手段を備えた処理容器およびその処理容器を使用した放射性廃棄物の処理方法に関するものである。
一般に、原子力発電所で廃棄される古くなった作業着,手袋,交換した部品等の低レベル放射性雑固体廃棄物は、廃棄物処理容器に収納され、空隙部分をモルタル系材料等の充填固化材によって充填・固化された後、特定の施設内に保管される。
ところで、上記のように放射性廃棄物を充填固化材によって充填・固化させる場合に、作業着,手袋等の充填固化材よりも比重が小さいものは、廃棄物処理容器に静置しても、充填固化材を該容器に充填すると充填固化材の上面に浮力によって浮き上がってしまい、それらを充填固化材内に埋設することはできなくなる。
そこで、放射性廃棄物を処理容器内に収納する際には、浮上阻止治具を使用し、放射性廃棄物を処理容器内に収容した後に、浮上阻止治具を容器内周面に係止させてから充填固化材を充填し、放射性廃棄物の浮上を阻止している(例えば、特許文献1又は2)。
特開2005−227036号公報(図4乃至図7参照) 特開2004−226146号公報(図1乃至図3参照)
ところで、上記特許文献1,2に開示されている技術では、Cリング状の環状体を容器の内周面に形成された輪帯凹部に嵌合させることによって浮上阻止治具をドラム缶に係止しているが、いずれも別に用意した部材(円弧状体,楔治具等)を使用してCリング状の環状体を拡開させて、該環状体をドラム缶の輪帯凹部に係止させているので、その装着作業が煩雑であった。
上記に加えて、特許文献1のものは、金属製の支持体や抑制体を予めドラム缶の内面に溶接固定しておかなければならず、その作業がさらに煩雑となる上に、浮上防止装置も連結体や結束部などを有するため、製造コストが高くなる。また、特許文献2のものは、構造が複雑であり、製造コストが嵩むとともに、放射性廃棄物を加圧圧縮してなる圧縮体を収納するには不向きである。
本発明は、上記した背景技術が有する実情に鑑みてなされたものであって、収納した放射性廃棄物の充填固化材による浮上阻止が簡便にできる放射性廃棄物の処理容器、および該処理容器を用いた処理作業が容易な放射性廃棄物の処理方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、請求項1の放射性廃棄物の処理容器は、浮上阻止治具を備えてなる放射性廃棄物の処理容器において、前記処理容器は、少なくとも上部開口付近の容器側壁内面に環状溝を備えているとともに、前記浮上阻止治具は、前記環状溝に対応する位置で前記処理容器内に配置される治具本体と、前記治具本体を前記環状溝を利用して前記処理容器内に固定すべく前記環状溝に係合する係止手段と、前記治具本体に設けられた前記放射性廃棄物の浮上阻止手段とを備えている放射性廃棄物の処理容器であって、前記処理容器は、前記環状溝が上下方向に3本設けられた三本輪帯のドラム缶であることと、前記治具本体は、前記処理容器内に配置できる前記処理容器の内径に近い外径を有する環状枠体であることと、前記係止手段は、前記冶具本体の3箇所以上の部位に略等間隔で固定されたブラケットの雌ネジにそれぞれ螺合し、前記処理容器の環状溝にそれぞれ嵌入させるボルトであることと、前記浮上阻止手段は、前記治具本体の3箇所以上の部位に略等間隔で固定された、冶具本体の半径方向内方に突出し、下辺が内方ほど上方に位置する傾斜面に形成された板状片であることを特徴とする。
ここで、上記本発明に係る処理容器に収納する放射性廃棄物は、上述した原子力発電所で廃棄される古くなった作業着,手袋,交換した部品等の低レベル放射性雑固体廃棄物が望ましいが、これに限定されるものではない。また、減容化の観点、浮上を抑制する観点等から、加圧圧縮した圧縮体であることが好ましい。また、上記処理容器である三本輪帯のドラム缶は、JIS A 1600に定められるドラム缶であり、上部開口付近に輪帯(環状溝)を有するものである。また、上記冶具本体である環状枠体の外径は、ドラム缶の内径は566mm程度であるため、それよりも20〜50mm程度小さい、520〜545mm程度が好ましい。また、上記係止手段であるボルトの寸法は、30〜60mm程度のもが好ましい。また、上記浮上阻止手段である板状片の固定箇所は、3〜6箇所が好ましい。板状片の材質は、剛性・耐久性のあるものであれば特に限定されないが、通常は鉄や鋼である。
また、請求項の放射性廃棄物の処理容器は、上記請求項に記載の発明において、上記浮上阻止手段は、更に、上記板状片の上方に固定された円形の網状体あるいは多孔状体を備えてなることを特徴とする。
ここで、上記網状体としては、金網,メッシュメタル等が挙げられ、網目の寸法は、5〜50mm程度が好ましい。多孔状体としては、パンチングメタル,エキスパンドメタル等が挙げられる。この多孔状体の孔の寸法は、5〜50mm程度が好ましい。
また、上記した目的を達成するため、請求項の放射性廃棄物の処理方法は、上記請求項1又は2に記載の放射性廃棄物の処理容器を用いた放射性廃棄物の処理方法であって、放射性廃棄物を加圧圧縮してなる圧縮体を上記処理容器内に投入し、上記浮上阻止治具を上記処理容器の上部開口付近の容器側壁内面に設けられている上記環状溝を利用して固定し、セメントモルタルやセメントペースト等の充填固化材を前記固定した浮上阻止治具が埋設される位置まで充填し、その後蓋をして密閉化することを特徴とする。
ここで、上記圧縮体は、例えば高圧プレスにより30〜600kg/cm2で加圧し、処理容器に収められる寸法で圧縮成形してなるものである。充填固化材は、従来から用いられているものを従来の方法で用いればよい。
上記した請求項1の本発明によれば、予め処理容器の内面にコンクリートライニング層を形成したり、浮上阻止装置を取り付けるための金具を設ける必要がなく、処理容器の上部開口付近の容器側壁内面に環状溝が設けられた処理容器を用いる必要はあるが、該処理容器を用いれば、該処理容器の環状溝に、浮上阻止治具を、該浮上阻止治具の治具本体に設けられた簡単な係止手段を利用して係止させるだけでよいので、浮上阻止治具の装着作業が極めて容易なものになり、簡便に放射性廃棄物の浮上防止が図れるとともに、浮上阻止治具の装着位置は、処理容器の上部開口付近となるため、放射性廃棄物を効率的に収納し得るものとなる。
特に、上記した請求項の本発明によれば、処理容器として、JIS規格の既存の三本輪帯のドラム缶を使用するので、入手が容易であるとともに、ドラム缶の形状を活かしつつ処理コストの低減が図れる。また、品質・性能の安定した処理が可能となる。
また、上記した請求項の本発明によれば、治具本体が環状枠体であり、外面が処理容器の内面に沿った寸法・形状を成しているので、浮上阻止治具を装填する作業が容易であり、かつ、処理容器内面に近接するので、係止作業も容易になる。また、単純な構造のため、製造コストが安く、大量生産もできる。
更に、上記した請求項1の本発明によれば、治具本体がボルトによって容器に係止されるので、浮上阻止治具の設置作業が極めて容易であり、処理コストも安く済む。
また、上記した請求項の本発明によれば、浮上阻止手段が治具本体の周方向に略等間隔に設置された板状片によって構成されているので、簡易な構成にもかかわらず、収納した放射性廃棄物を片寄ることなく処理容器内に押さえ込むことができる。特に、放射性廃棄物を加圧圧縮した圧縮体の浮上阻止には好適である。また、モルタル等の充填固化材を処理容器内に充填し易いものとなる。
また、上記した請求項の本発明によれば、さらに網状体あるいは多孔状体で治具本体の中央部が覆われるので、板状片による浮上阻止手段では阻止できない、例えば、作業着,手袋等の小さい処理物をも捕捉することができるので、処理物を加圧圧縮した圧縮体とすることなく、そのまま処理することもできる。
また、上記した請求項の本発明によれば、放射性廃棄物を加圧圧縮した圧縮体とするとともに、本発明の上記した効果を奏する処理容器を使用するので、簡便かつ効率よく、また効果的に浮上阻止を図りつつ、放射性廃棄物を処理容器内に収納できる。
以下に、本発明に係る放射性廃棄物の処理容器および該処理容器を用いた放射性廃棄物の処理方法の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、図1は、本発明に係る放射性廃棄物の処理容器の第1の実施の形態を示した斜視図、図2は、図1における要部拡大断面図である。
図1に示した放射性廃棄物の処理容器10は、浮上阻止治具20を備えている。
上記処理容器10は、容器本体11と蓋体12とによって構成されている。容器本体11は、上部開口付近の側壁内面に環状溝11aが形成されている。なお、本実施の形態では、処理容器10として、鋼製オープンヘッドドラム(JIS規格)で、3段の輪帯(三本輪帯)を備えたものを採用し、最上段の輪帯の内面に形成された環状溝を、上記環状溝11aとして利用している。
上記浮上阻止治具20は、治具本体(環状枠体)21と、該治具本体21を容器本体11に係止する係止手段22と、容器本体11内に収容した放射性廃棄物を容器本体内に拘束する(浮上阻止治具20の位置以上の放射性廃棄物の浮上を阻止する)浮上阻止手段23とによって構成されている。
上記治具本体21は、鋼製帯板21aを環状にし、両端部を互いに溶接等によって結合させて環状枠体を形成したもので、該治具本体21の外径は、治具本体21を容器本体11内に挿入させるに支障がない程度に、容器本体11の内径よりも僅かに(20〜50mm程度)小さく形成されている。また枠体の高さ(帯巾)は、20〜40mm程度に形成されている。
上記係止手段22は、図2に示すように、互いに直交する2つの片24a,24bを有する鋼製のブラケット24と、該ブラケット24に螺合させるボルト25とによって構成されている。そして、4個のブラケット24を、治具本体21の内面に等間隔に配置し、一方の片24aの基部を治具本体21の内面に溶接等によって固定させている。そして、この一方の片24aには、雌ねじ孔24cが形成され、該雄ねじ孔24cに上記ボルト25が螺合される。
上記浮上阻止手段23は、長方形の鋼製板状片26によって構成され、該板状片26は、長手方向端部が処理容器10の中心方向に延設するよう、その一辺26aを上記ブラケット24の他方の片24bの下面に溶接等によって結合させている。そして、この板状片26は、好ましくは他方の辺(下辺)26bが傾斜面に形成され、処理容器10の中心に向かって上方に傾斜するように設置されている。このように傾斜させれば、収納した放射性廃棄物のセンタリングが図れるために好ましい。板状片26の延設長さは、特に限定されないが、処理容器10の半径の1/3〜1/2程度が好ましい。
また、この実施の形態では、浮上阻止手段23として、さらに、エキスパンドメタルによって形成された円形の多孔板27が、ブラケット24に内接する形で、該ブラケット24の片24bの上面に溶接等によって接合されている。この多孔板27は、金網等の網板であってもよい。
上記した放射性廃棄物の処理容器10には、好ましくは、原子力発電所で廃棄される古くなった作業着,手袋,交換した部品等の低レベル放射性雑固体廃棄物を加圧圧縮して減容化してなる圧縮体Aを収容し、次いで、容器本体11内に上記浮上阻止治具20を挿入し、スパナ等によってボルト25を回して先端を容器本体11の環状溝11a内に挿嵌させる。この状態における浮上阻止治具20は、容器本体11に係止される(図3参照)。
次いで、セメントモルタルやセメントペースト等の充填固化材スラリーBを容器本体11の開口から、上記浮上阻止治具20が埋没するまで注入する。その際、放射性廃棄物の圧縮体Aは、場合によっては浮力によって充填固化材スラリーB内を浮上しようとするが、図3に示すように、浮上阻止手段23の板状片26によってその浮上が阻止され、充填固化材スラリーB内に留まる。また、充填固化材スラリーBの注入時に圧縮体Aから剥がれた処理物の小片等が浮上してきたとしても、多孔板27によりその浮上が阻止される。そして、放射性廃棄物の圧縮体Aは、板状片26の傾斜した辺26bによって容器本体11の中心に位置決めされ、その状態で充填固化材スラリーBが固化し、固定化される。そして、容器本体11には、蓋12が施されて密閉される。
また、上記した放射性廃棄物の処理容器10には、上記放射性廃棄物の圧縮体A以外に、放射性廃棄物を加圧圧縮していない状態、すなわち、バラバラの状態の放射性廃棄物A’を収納してもよい。この場合においても、図4に示すように、収納したバラバラの状態の放射性廃棄物A’は、浮上阻止手段23、特に多孔板27によりその浮上が阻止され、充填固化材スラリーB内に留まるため、有効に放射性廃棄物A’を固定化処理することができる。
本発明の上記浮上阻止治具20の、充填固化材の浮力に対する安全性の確認試験を行った。
〔浮力の計算〕
放射性廃棄物の圧縮体Aをセメントモルタルによる充填固化材スラリーBを用いて固化する場合に、放射性廃棄物の圧縮体Aに働く浮力により浮上阻止治具20に発生する力Fを求める。なお、放射性廃棄物は、上記低レベル放射性雑固体廃棄物とした。

(1) 放射性廃棄物の圧縮体Aの最大収容高さ:69.5cmに想定
(2) 放射性廃棄物の圧縮体Aの最大外径:φ56.0cmに想定
(3) 放射性廃棄物の圧縮体Aの体積:
φ562π/4×69.5=171,179cm3
(4) セメントモルタルのかさ密度:2.2g/cm3
(5) 放射性廃棄物の圧縮体Aの浮力:
2.2×171,179≒377kg
(6) 放射性廃棄物の圧縮体Aの収納重量:280kgに想定
(7) 浮上阻止治具20に発生する力F:
377−280=97kg

〔確認試験〕
200リットルの鋼製オープンヘッドドラム缶(JIS規格)で、3段の輪帯(三本輪帯)を備えたもの(容器本体11)を使用した。
図5に示すように、本発明の浮上阻止治具20の4個の板状片26に亘ってそれらの下面に吊り円盤28を溶接等によって接合するとともに、該吊り円盤28の中心にアイボルト29を連結した。
本試験方法で使用したブラケット24,板状片26,ボルト25は、以下の通りである。

鉄製ブラケット:50×50×6×25mm
鉄製板状片:50×100×4.5mm
鉄製ボルト:M10

(1) 上記浮上阻止治具20をボルト25によってドラム缶11の環状溝11aに係止させた。
(2) ドラム缶11に、ドラム缶重量+水=210kg(安全率:210/97=2.2)となるように水Wを注入した。
(3) アイボルト29を介して吊り円盤28をクレーンによって静かに引き上げた。

〔結 果〕
浮上阻止治具20は環状溝11aに係止されたままであり、ドラム缶11からの脱落、変形,破壊等がないことが確認された。
次に、図6および図7は、放射性廃棄物の処理容器の第1の参考例を示している。
この参考例の放射性廃棄物の処理容器30では、上記第1の実施の形態の処理容器10と同じ容器本体11と、蓋体12が採用されている。また、放射性廃棄物は、前記同様、放射性廃棄物の圧縮体Aである。
この処理容器30の浮上阻止治具40は、弾力性を有するCリング状の治具本体(環状枠体)41を容器本体11に係止する係止手段42と、容器本体11内に収容した放射性廃棄物の圧縮体Aを容器本体内に拘束する浮上阻止手段43とによって構成されている。
上記治具本体41は、図7に示すように、断面中央部が外方に向けて屈曲突出した突出部41aを有した鋼製帯板(寸法は第1の実施の形態と同じ)によって構成されている。そして、この治具本体41の両端部に、互いに雄ねじの巻き方向が異なるスクリューロッド42a,42bを溶接等によって固設させ、それらのスクリューロッド42a,42bに、ターンバックル42cを螺合させることによって係止手段42を構成している。
また、浮上阻止手段43は、上記実施の形態と同様に、長方形の鋼製板状片44によって構成され、その端辺44aを治具本体41の内面に溶接等によって結合させている。そして、板状片44は、長手方向端部が処理容器30の中心方向に延設され、好ましくは、下辺44bが傾斜面に形成され、処理容器30の中心に向かって上方に傾斜するように設置されている。
上記した放射性廃棄物の処理容器30に、原子力発電所で廃棄される古くなった作業着,手袋,交換した部品等の低レベル放射性雑固体廃棄物を加圧圧縮して減容化してなる圧縮体Aを収容し、次いで、容器本体11内に上記浮上阻止治具40を挿入し、スパナ等によってターンバックル42cを回して治具本体41を拡開させ、突出部41aを容器本体11の環状溝11a内に挿嵌させる。この状態における浮上阻止治具40は、容器本体11に係止される(図7参照)。
次いで、セメントモルタルやセメントペースト等の充填固化材スラリーBを容器本体11の開口から、上記浮上阻止治具40が埋没するまで注入する。その際、放射性廃棄物の圧縮体Aは、浮力によって充填固化材スラリーB内を浮上しようとするが、浮上阻止手段43の板状片44によってその浮上が阻止され、充填固化材スラリーB内に留まる。また、放射性廃棄物の圧縮体Aは、板状片44の傾斜した辺44bによって容器本体11の中心に位置決めされ、その状態で充填固化材スラリーBが固化し、固定化される。そして、容器本体11には、蓋12が施されて密閉される。なお、図6では、多孔板は設けていないが、第1の実施の形態と同様、網状体あるいは多孔状体を設けてもよい。
次に、図8および図9は、放射性廃棄物の処理容器の第2の参考例を示している。
この参考例の放射性廃棄物の処理容器50では、やはり、上記第1の実施の形態の処理容器10と同じ容器本体11と、蓋体12が採用されている。また、放射性廃棄物も、前記同様、放射性廃棄物の圧縮体Aである。
この処理容器50の浮上阻止治具60は、弾力性を有するCリング状の治具本体(環状枠体)61を容器本体11に係止する係止手段62と、容器本体11内に収容した放射性廃棄物の圧縮体Aを容器本体内に拘束する浮上阻止手段63とによって構成されている。
上記治具本体61は、図9に示すように、断面中央部が外方に向けて屈曲突出した突出部61aを有した鋼製帯板(寸法は第1の実施の形態と同じ)によって構成されている。そして、この治具本体61の両端部に、互いにスプリング62aを介在させることによって係止手段62を構成している。
また、浮上阻止手段63は、上記実施の形態と同様に、長方形の鋼製板状片64によって構成され、その端辺64aを治具本体61の内面に溶接等によって結合させている。そして、板状片64は、長手方向端部が処理容器50の中心方向に延設され、好ましくは、下辺64bが傾斜面に形成され、処理容器50の中心に向かって上方に傾斜するように設置されている。
この放射性廃棄物の処理容器50に、上記の実施の形態と同様に、原子力発電所で廃棄される古くなった作業着,手袋,交換した部品等の低レベル放射性雑固体廃棄物を加圧圧縮して減容化してなる圧縮体Aを収容し、次いで、容器本体11内に、スプリング62aを撓め、浮上阻止治具60の径を小さくした状態で、浮上阻止治具60を挿入し、スプリング62aの外力を開放することによって、治具本体61を拡開させ、それによって突出部61aを容器本体11の環状溝11a内に挿嵌させる。この状態における浮上阻止治具60は、容器本体11に係止される(図9参照)。
次いで、セメントモルタルやセメントペースト等の充填固化材スラリーBを容器本体11の開口から、上記浮上阻止治具60が埋没するまで注入する。その際、放射性廃棄物の圧縮体Aは、浮力によって充填固化材スラリーB内を浮上しようとするが、浮上阻止手段63の板状片64によってその浮上は阻止され、充填固化材スラリーB内に留まる。なお、図8では、多孔板は設けていないが、第1の実施の形態と同様、網状体あるいは多孔状体を設け、圧縮体Aから剥がれた処理物の小片等が浮上してきたとしても、該網状体あるいは多孔状体によりその浮上が阻止されるようにしてもよい。放射性廃棄物の圧縮体Aは、板状片64の傾斜した辺64bによって容器本体11の中心に位置決めされ、その状態で充填固化材スラリーBが固化し、固定化される。そして、容器本体11には、蓋12が施されて密閉される。
次に、図10および図11は、放射性廃棄物の処理容器の第3の参考例を示している。
この参考例の放射性廃棄物の処理容器70では、上記第1の実施の形態の処理容器10と同じ容器本体11と、蓋体12が採用されている。また、放射性廃棄物も、前記同様、放射性廃棄物の圧縮体Aである。
この処理容器70の浮上阻止治具80は、2組の治具81,82とによって構成されている。治具81は、外端に係止片83aを備え、内端に雄ねじ83bを形成した長尺のロッド部分83と、外端に係止片84aを備え、内端に雄ねじ84bを形成した短尺のロッド部分84と、両雄ねじ83b,84bに螺合するターンバックル85とによって構成されている。
また、治具82は、上記治具81と同様に、外端に係止片86aを備え、内端に雄ねじ86bを形成した長尺のロッド部分86と、外端に係止片87aを備え、内端に雄ねじ87bを形成した短尺のロッド部分87と、両雄ねじ86b,87bに螺合するターンバックル88とによって構成されている。
なお、治具82の長尺のロッド部分86は、一部が湾曲され、その湾曲部86cで治具81の長尺のロッド部分83との干渉を避けている。
この放射性廃棄物の処理容器70に、原子力発電所で廃棄される古くなった作業着,手袋,交換した部品等の低レベル放射性雑固体廃棄物を加圧圧縮して減容化してなる圧縮体Aを収容する。
次いで、容器本体11内に、浮上阻止治具80の治具81を挿入し、ターンバックル85を回転させることによって、係止片83a,84aを容器本体11の環状溝11a内に挿嵌させ、続いて、容器本体11内に、浮上阻止治具80の治具82を挿入し、ターンバックル88を回転させることによって、係止片86a,87aを容器本体11の環状溝11a内に挿嵌させる。この状態における浮上阻止治具80は、容器本体11に係止される(図11参照)。
次いで、上記した実施の形態と同様に、セメントモルタルやセメントペースト等の充填固化材スラリーを容器本体11の開口から、上記浮上阻止治具80が埋没するまで注入する。その際、放射性廃棄物の圧縮体Aは、浮力によって充填固化材スラリー内を浮上しようとするが、各治具81,82のロッド部分83,84,86,87、およびターンバックル85,88によってその浮上が阻止され、充填固化材スラリー内に留まる。そして、容器本体11には、蓋12が施されて密閉される。
この参考例では、係止手段は、ロッド部分83,84,86,87、ターンバックル85,88、係止片83a,84a,86a,87aとによって構成され、また、浮上阻止手段は、ロッド部分83,84,86,87、ターンバックル85,88によって構成される。すなわち、この参考例においては、各ロッド部分とターンバックルは、浮上阻止治具における治具本体であると同時に、係止手段の一部、浮上阻止手段でもある。 なお、上記参考例の治具81,82は、ロッド部分86の湾曲部86cとロッド部分83とを互いに溶接等によって接合してもよい。また、治具本体、係止手段、浮上阻止手段が各々別々に設けられているのではなく、この参考例ように、共用する部分を有するものであってもよい。
以上、本発明に係る放射性廃棄物の処理容器および該処理容器を用いた放射性廃棄物の処理方法実施の形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
本発明に係る放射性廃棄物の処理容器の第1の実施の形態を示した斜視図である。 図1における要部拡大断面図である。 図1に示した本発明に係る処理容器を用いた本発明に係る放射性廃棄物の処理方法を示した概念的な断面図である。 図1に示した本発明に係る処理容器を用いた本発明に係る放射性廃棄物の処理方法の他の例を示した概念的な断面図である。 本発明の浮上阻止治具の浮力に対する安全性確認試験を実施するための装置を示した概念的な断面図である。 放射性廃棄物の処理容器の第1の参考例を示した斜視図である。 図6における要部拡大断面図である。 放射性廃棄物の処理容器の第2の参考例を示した斜視図である。 図8における要部拡大断面図である。 放射性廃棄物の処理容器の第3の参考例を示した斜視図である。 図10における浮上阻止治具を容器本体内に装着させた状態の横断面図である。
符号の説明
10 処理容器
11 容器本体(ドラム缶)
11a 環状溝
12 蓋体
20 浮上阻止治具
21 治具本体
21a 鋼製帯板
22 係止手段
23 浮上阻止手段
24 ブラケット
24a,24b ブラケットの片
25 ボルト
26 板状片
26a,26b 板状片の辺
27 多孔板
30 処理容器
40 浮上阻止治具
41 治具本体
41a 突出部
42 係止手段
42a,42b スクリューロッド
42c ターンバックル
43 浮上阻止手段
44 板状片
44a,44b 板状片の辺
50 処理容器
60 浮上阻止治具
61 治具本体
61a 突出部
62 係止手段
62a スプリング
63 浮上阻止手段
64 板状片
64a,64b 板状片の辺
70 処理容器
80 浮上阻止治具
81,82 治具
83 長尺のロッド部分
83a 係止片
83b 雄ねじ
84 短尺のロッド部分
84a 係止片
84b 雄ねじ
85 ターンバックル
86 長尺のロッド部分
86a 係止片
86b 雄ねじ
86c 湾曲部
87 短尺のロッド部分
87a 係止片
87b 雄ねじ
88 ターンバックル
A 放射性廃棄物の圧縮体
A’ バラバラの状態の放射性廃棄物
B 充填固化材スラリー
W 水

Claims (3)

  1. 浮上阻止治具を備えてなる放射性廃棄物の処理容器において、前記処理容器は、少なくとも上部開口付近の容器側壁内面に環状溝を備えているとともに、前記浮上阻止治具は、前記環状溝に対応する位置で前記処理容器内に配置される治具本体と、前記治具本体を前記環状溝を利用して前記処理容器内に固定すべく前記環状溝に係合する係止手段と、前記治具本体に設けられた前記放射性廃棄物の浮上阻止手段とを備えている放射性廃棄物の処理容器であって、前記処理容器は、前記環状溝が上下方向に3本設けられた三本輪帯のドラム缶であることと、前記治具本体は、前記処理容器内に配置できる前記処理容器の内径に近い外径を有する環状枠体であることと、前記係止手段は、前記冶具本体の3箇所以上の部位に略等間隔で固定されたブラケットの雌ネジにそれぞれ螺合し、前記処理容器の環状溝にそれぞれ嵌入させるボルトであることと、前記浮上阻止手段は、前記治具本体の3箇所以上の部位に略等間隔で固定された、冶具本体の半径方向内方に突出し、下辺が内方ほど上方に位置する傾斜面に形成された板状片であることを特徴とする、放射性廃棄物の処理容器。
  2. 前記浮上阻止手段は、更に前記板状片の上方に固定された円形の網状体あるいは多孔状体を備えてなることを特徴とする、請求項1に記載の放射性廃棄物の処理容器。
  3. 前記請求項1又は2に記載の放射性廃棄物の処理容器を用いた放射性廃棄物の処理方法であって、放射性廃棄物を加圧圧縮してなる圧縮体を前記処理容器内に投入し、前記浮上阻止治具を前記処理容器の上部開口付近の容器側壁内面に設けられている前記環状溝を利用して固定し、セメントモルタルやセメントペースト等の充填固化材を前記固定した浮上阻止治具が埋設される位置まで充填し、その後蓋をして密閉化することを特徴とする、放射性廃棄物の処理方法。
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