JP2839669B2 - 場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法 - Google Patents
場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法に
係り、特に静的破砕剤の水和膨張作用によってコンクリ
ートの杭頭余盛り部分を破砕除去するようにした場所打
ちコンクリート杭の杭頭破砕工法に関する。
係り、特に静的破砕剤の水和膨張作用によってコンクリ
ートの杭頭余盛り部分を破砕除去するようにした場所打
ちコンクリート杭の杭頭破砕工法に関する。
[従来の技術] 一般に、ビルや橋などを建造する場合の基礎杭とし
て、現場において地中に杭孔を掘削し、この杭孔内に生
コンクリートを打設して杭を形成する、いわゆる場所打
ちコンクリート杭が採用されている。その場所に、場所
打ちコンクリート杭の杭頭余盛り部分を破砕除去する必
要がある。
て、現場において地中に杭孔を掘削し、この杭孔内に生
コンクリートを打設して杭を形成する、いわゆる場所打
ちコンクリート杭が採用されている。その場所に、場所
打ちコンクリート杭の杭頭余盛り部分を破砕除去する必
要がある。
従来より、このコンクリート杭の杭頭余盛り部分の破
砕除去に実施されている方法の一つとして、ブレーカー
等を使用する動的な破砕工法がある。ところが、このよ
うな動的破砕工法では、騒音や振動等が著しく近隣に与
える環境悪化が問題となる。
砕除去に実施されている方法の一つとして、ブレーカー
等を使用する動的な破砕工法がある。ところが、このよ
うな動的破砕工法では、騒音や振動等が著しく近隣に与
える環境悪化が問題となる。
そこで近年、安全かつ無公害な破砕が可能である工法
として、静的破壊を生じさせる静的破砕剤を用いる方法
が広く実施されるようになりつつある。この静的破砕剤
は、水和膨張性を有する破砕組成物からなるもので、使
用に際しては、例えば、所定量の水と混合して、コンク
リート杭の所定の位置、すなわち破砕を希望する部分に
注入されて用いられる。すると、水を含んだ破砕組成物
は膨張を起こし、これによって、コンクリート杭に亀裂
を発生させるのである。
として、静的破壊を生じさせる静的破砕剤を用いる方法
が広く実施されるようになりつつある。この静的破砕剤
は、水和膨張性を有する破砕組成物からなるもので、使
用に際しては、例えば、所定量の水と混合して、コンク
リート杭の所定の位置、すなわち破砕を希望する部分に
注入されて用いられる。すると、水を含んだ破砕組成物
は膨張を起こし、これによって、コンクリート杭に亀裂
を発生させるのである。
[発明が解決しようとする課題] ところが、このような従来の方法では、次に述べるよ
うな問題点があった。
うな問題点があった。
例えば、杭本体と杭頭余盛り部分との境界部に静的破
砕剤を注入した場合には、この境界部に水平輪切り状の
亀裂が発生するにすぎず、このため、第7図に示したよ
うに、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aは、この亀裂
によって、ほぼそのままの形状および大きさを保った状
態で、杭本体Bから大割り破砕されるにとどまってい
た。
砕剤を注入した場合には、この境界部に水平輪切り状の
亀裂が発生するにすぎず、このため、第7図に示したよ
うに、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aは、この亀裂
によって、ほぼそのままの形状および大きさを保った状
態で、杭本体Bから大割り破砕されるにとどまってい
た。
また、杭本体Bと杭頭余盛り部分Aとの境界部、およ
び杭頭余盛り部分AとかぶりコンクリートCとの境界部
に静的破砕剤を注入した場合には、やはりこれらの境界
部に亀裂が発生するにすぎない。したがって、第8図に
示したように、杭頭余盛り部分Aは、せいぜい中央部の
円柱状部分Dとその外周のかぶりコンクリート部分Cと
に中割り破砕されるにとどまっていた。
び杭頭余盛り部分AとかぶりコンクリートCとの境界部
に静的破砕剤を注入した場合には、やはりこれらの境界
部に亀裂が発生するにすぎない。したがって、第8図に
示したように、杭頭余盛り部分Aは、せいぜい中央部の
円柱状部分Dとその外周のかぶりコンクリート部分Cと
に中割り破砕されるにとどまっていた。
このように、これまでは、静的破砕剤によってコンク
リートの杭頭余盛り部分Aを細かく小割り破砕すること
ができなかったので、破砕後に改めて、前記中央円柱状
部分Dとかぶりコンクリート部分Cとを、それぞれ重機
により撤去し、産業廃棄物処理場へ運んで廃棄すること
が必要とされていた。
リートの杭頭余盛り部分Aを細かく小割り破砕すること
ができなかったので、破砕後に改めて、前記中央円柱状
部分Dとかぶりコンクリート部分Cとを、それぞれ重機
により撤去し、産業廃棄物処理場へ運んで廃棄すること
が必要とされていた。
しかしながら、近年では、産業廃棄物処理場の不足
や、はつり職人の減少に伴い、このような大型のコンク
リート物を廃棄する必要のないコンクリートの杭頭余盛
り部分Aの破砕工法の実施が切に望まれるようになって
きている。すなわち、建設現場における根切りの際にす
でに、杭頭余盛り部分Aが小割りに破砕され、バールや
チッパー等の工具によって簡単に現場で解体することが
できるような小割り破砕が可能で、かつ小割り破砕され
たコンクリート破砕片を現場内に埋めることのできるよ
うな破砕工法の開発が望まれている。
や、はつり職人の減少に伴い、このような大型のコンク
リート物を廃棄する必要のないコンクリートの杭頭余盛
り部分Aの破砕工法の実施が切に望まれるようになって
きている。すなわち、建設現場における根切りの際にす
でに、杭頭余盛り部分Aが小割りに破砕され、バールや
チッパー等の工具によって簡単に現場で解体することが
できるような小割り破砕が可能で、かつ小割り破砕され
たコンクリート破砕片を現場内に埋めることのできるよ
うな破砕工法の開発が望まれている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであっ
て、根切りと同時に、鉄筋篭の内側に位置する杭頭余盛
り部分の最大の円柱状部分を小割り破砕することが可能
な場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法を提供するこ
とを目的としている。
て、根切りと同時に、鉄筋篭の内側に位置する杭頭余盛
り部分の最大の円柱状部分を小割り破砕することが可能
な場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法を提供するこ
とを目的としている。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するために、請求項1に係る場所打ち
コンクリート杭の杭頭破砕工法は、鉄筋篭を挿入した杭
孔内に打設されたコンクリート杭の杭頭余盛り部分を、
鉄筋篭に局所的に偏ることなく取付けられた静的破砕剤
によって破砕除去するようにした場所打ちコンクリート
の杭の杭頭破砕工法であって、 前記静的破砕剤を、水和膨張性を有する破砕組成物を
顆粒状に成型して管状容器内に充填することによって形
成した後、複数本の静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の鉄
筋篭の内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を鉛直方向
に向けるようにして配置し、 さらに、前記静的破砕剤とは別に、種類の異なる管状
容器に充填された静的破砕剤の各複数本を、杭頭余盛り
部分の鉛直方向の少なくとも2以上の相異なる位置に、
鉄筋篭の主筋に沿って、静的破砕剤の長さ方向を水平方
向に向けるようにして水平輪状に追加して配置し、 次いで、現場において安定液の存在下で掘削された杭
孔内に、この鉄筋篭を挿入して前記静的破砕剤を安定液
中に沈漬することにより、この静的破砕剤の水和膨張作
用を発現せしめ、 次いで、この杭孔内にコンクリートを打設することを
解決手段とした。
コンクリート杭の杭頭破砕工法は、鉄筋篭を挿入した杭
孔内に打設されたコンクリート杭の杭頭余盛り部分を、
鉄筋篭に局所的に偏ることなく取付けられた静的破砕剤
によって破砕除去するようにした場所打ちコンクリート
の杭の杭頭破砕工法であって、 前記静的破砕剤を、水和膨張性を有する破砕組成物を
顆粒状に成型して管状容器内に充填することによって形
成した後、複数本の静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の鉄
筋篭の内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を鉛直方向
に向けるようにして配置し、 さらに、前記静的破砕剤とは別に、種類の異なる管状
容器に充填された静的破砕剤の各複数本を、杭頭余盛り
部分の鉛直方向の少なくとも2以上の相異なる位置に、
鉄筋篭の主筋に沿って、静的破砕剤の長さ方向を水平方
向に向けるようにして水平輪状に追加して配置し、 次いで、現場において安定液の存在下で掘削された杭
孔内に、この鉄筋篭を挿入して前記静的破砕剤を安定液
中に沈漬することにより、この静的破砕剤の水和膨張作
用を発現せしめ、 次いで、この杭孔内にコンクリートを打設することを
解決手段とした。
また、請求項2に係る場所打ちコンクリート杭の杭頭
破砕工法は、鉄筋篭を挿入した杭孔内に打設されたコン
クリート杭の杭頭余盛り部分を、鉄筋篭に局所的に偏る
ことなく取り付けられた静的破砕剤によって破砕除去す
るように場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法であっ
て、 前記静的破砕剤を、水和膨張性を有する破砕組成物を
顆粒状に成型して管状容器内に充填することによって形
成した後、 前記静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の上半分の鉄筋篭
の内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を鉛直方向に向
けるようにして複数本配置し、 さらに前記静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の下半分の
鉄筋篭の内側に沿って、静的破砕剤の厚さ方向を鉛直方
向に向けるように、かつ杭頭余盛り部分の上半分に配置
された静的破砕剤それぞれ中間に位置するように、位置
をずらして複数本配置し、 次いで、現場において安定液の存在下で掘削された杭
孔内に、この鉄筋篭を挿入して前記静的破砕剤を安定液
中に沈漬することにより、この静的破砕剤の水和膨張作
用を発現せしめ、 次いで、この杭孔内にコンクリートを打設することを
解決手段とした。
破砕工法は、鉄筋篭を挿入した杭孔内に打設されたコン
クリート杭の杭頭余盛り部分を、鉄筋篭に局所的に偏る
ことなく取り付けられた静的破砕剤によって破砕除去す
るように場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法であっ
て、 前記静的破砕剤を、水和膨張性を有する破砕組成物を
顆粒状に成型して管状容器内に充填することによって形
成した後、 前記静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の上半分の鉄筋篭
の内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を鉛直方向に向
けるようにして複数本配置し、 さらに前記静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の下半分の
鉄筋篭の内側に沿って、静的破砕剤の厚さ方向を鉛直方
向に向けるように、かつ杭頭余盛り部分の上半分に配置
された静的破砕剤それぞれ中間に位置するように、位置
をずらして複数本配置し、 次いで、現場において安定液の存在下で掘削された杭
孔内に、この鉄筋篭を挿入して前記静的破砕剤を安定液
中に沈漬することにより、この静的破砕剤の水和膨張作
用を発現せしめ、 次いで、この杭孔内にコンクリートを打設することを
解決手段とした。
[作用] 本発明の場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法によ
れば、複数の静的破砕剤を、鉄筋篭の内側空間でかつ杭
頭余盛り部分に相当する位置に、局所的な偏りなく取り
付けるので、この静的破砕剤が給水膨潤した際には、該
鉄筋篭の内側に位置する杭頭余盛り部分の中央の最大円
柱状部分が、この静的破砕剤により小割り破砕される。
れば、複数の静的破砕剤を、鉄筋篭の内側空間でかつ杭
頭余盛り部分に相当する位置に、局所的な偏りなく取り
付けるので、この静的破砕剤が給水膨潤した際には、該
鉄筋篭の内側に位置する杭頭余盛り部分の中央の最大円
柱状部分が、この静的破砕剤により小割り破砕される。
[実施例] 以下、実施例を示して、第1図ないし第3図を参照し
ながら、本発明の場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工
法を、工程順に詳しく説明する。
ながら、本発明の場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工
法を、工程順に詳しく説明する。
まず、建設現場の所定の位置に杭孔1を掘削する。こ
の杭孔1の掘削時には、杭孔1の周壁の崩壊を防止する
ために、安定液を使用する。安定液としては、例えば、
ベントナイト溶液あるいはベントナイト溶液にCMCや適
宜の分散剤等を添加したものが好適に用いられる。
の杭孔1の掘削時には、杭孔1の周壁の崩壊を防止する
ために、安定液を使用する。安定液としては、例えば、
ベントナイト溶液あるいはベントナイト溶液にCMCや適
宜の分散剤等を添加したものが好適に用いられる。
また、この杭孔1内に挿入するべき鉄筋篭2を用意す
る。鉄筋篭2は、第2図に示すように、概略、杭孔1内
の内壁面に所定間隔をあけて沿うように、所定の間隔毎
に鉛直に並べられた複数本の主筋3,3…を有してなる略
円筒状の篭状のもので、これらの主筋3,3…の杭頭余り
盛り部分Aに相当する部位の外周面には、後述するコン
クリートの付着を防止するために、主筋縁切材3a,3a…
を取り付けておく。
る。鉄筋篭2は、第2図に示すように、概略、杭孔1内
の内壁面に所定間隔をあけて沿うように、所定の間隔毎
に鉛直に並べられた複数本の主筋3,3…を有してなる略
円筒状の篭状のもので、これらの主筋3,3…の杭頭余り
盛り部分Aに相当する部位の外周面には、後述するコン
クリートの付着を防止するために、主筋縁切材3a,3a…
を取り付けておく。
そして、この鉄筋篭2の内側の空間に、静的破砕剤5
を取り付ける。
を取り付ける。
静的破砕剤5の形成に際しては、まず、カルシウム・
アミノ・フェライト〔(CaO)4・Al2O3・Fe2O3〕と遊
離酸化カルシウム(CaO)および酸化マグネシウム(Mg
O)を基本成分とし、これに遅延剤としてホウ酸塩等を
添加して、破壊用組成物を作製する。
アミノ・フェライト〔(CaO)4・Al2O3・Fe2O3〕と遊
離酸化カルシウム(CaO)および酸化マグネシウム(Mg
O)を基本成分とし、これに遅延剤としてホウ酸塩等を
添加して、破壊用組成物を作製する。
そして、この破壊用組成物を顆粒状に成型する。この
破砕組成物中の遅延剤の種類および添加量を適宜変える
ことで、水和膨張圧の発現時間を調整することができ
る。また、破砕組成物を顆粒状に成型する手段として
は、ブリケッティングマシンによりこの組成物の乾粉に
高い圧力で連続的に強固なアーモンド状のブリケットに
造粒する方法や、コンパクティングマシンによりこの組
成物の乾粉をスムースロールで板状に圧縮した後、破砕
して造粒する方法、その他の乾式圧縮成型方法などが挙
げられる。顆粒の大きさは、少なくとも各粒子間に空隙
を形成することができる程度以上であればよく、例え
ば、下記表−1の粒度分布をとることが好ましい。
破砕組成物中の遅延剤の種類および添加量を適宜変える
ことで、水和膨張圧の発現時間を調整することができ
る。また、破砕組成物を顆粒状に成型する手段として
は、ブリケッティングマシンによりこの組成物の乾粉に
高い圧力で連続的に強固なアーモンド状のブリケットに
造粒する方法や、コンパクティングマシンによりこの組
成物の乾粉をスムースロールで板状に圧縮した後、破砕
して造粒する方法、その他の乾式圧縮成型方法などが挙
げられる。顆粒の大きさは、少なくとも各粒子間に空隙
を形成することができる程度以上であればよく、例え
ば、下記表−1の粒度分布をとることが好ましい。
このように破砕組成物を顆粒状に成型するのは、各粒
子間に空隙を保つことにより、前記安定液が各粒子を十
分に包み込むことができるようにするためである。これ
により、この破砕組成物を容器に充填してなる静的破砕
剤5を前記杭孔1内の安定液の中に単に浸けた時に、各
粒子が十分に水和し、膨張圧を発現するようになる。
子間に空隙を保つことにより、前記安定液が各粒子を十
分に包み込むことができるようにするためである。これ
により、この破砕組成物を容器に充填してなる静的破砕
剤5を前記杭孔1内の安定液の中に単に浸けた時に、各
粒子が十分に水和し、膨張圧を発現するようになる。
そして、この顆粒状に成型された破砕組成物を、管状
の容器に充填して、静的破砕剤5を形成する。この容器
としては、径30〜50mm、長さ400〜600mm程度のシース管
などが好適に用いられるが、十分な破砕効果を発現し得
るものであれば、これ以外のものであっても構わない。
また、この容器としては、容器内に充填されている破砕
組成物が十分に吸水し得るように、容器自体を、水浸透
性の材料から形成してなるものが好適に用いられる。あ
るいは、容器自体を水不透過性の材料から形成するとと
もに、その両端部を、容器内の破砕組成物の粒子が抜け
落ちない程度の大きさのメッシュが設けられているネッ
トから形成してなるものを用いてもよい。
の容器に充填して、静的破砕剤5を形成する。この容器
としては、径30〜50mm、長さ400〜600mm程度のシース管
などが好適に用いられるが、十分な破砕効果を発現し得
るものであれば、これ以外のものであっても構わない。
また、この容器としては、容器内に充填されている破砕
組成物が十分に吸水し得るように、容器自体を、水浸透
性の材料から形成してなるものが好適に用いられる。あ
るいは、容器自体を水不透過性の材料から形成するとと
もに、その両端部を、容器内の破砕組成物の粒子が抜け
落ちない程度の大きさのメッシュが設けられているネッ
トから形成してなるものを用いてもよい。
次に、このようにして破砕組成物を容器内に充填する
ことにより形成された静的破砕剤4を、前記鉄筋篭2の
内側空間でかつ杭頭余盛り部分Aに当する位置に取り付
ける。取り付けに際しては、静的破砕剤5,5…が局所的
に偏ることのないようにすることが必要で、静的破砕剤
5,5…の取り付け位置および数を、この静的破砕剤5,5…
が吸水膨潤した時に、後述のコンクリート杭の杭頭余盛
り部分Aを均等にかつ十分に小さく小割り破砕すること
ができるような位置および数とすることが好ましい。た
だし、後述のコンクリート打設の際に、鉄筋篭2の中心
部にはトレミー管(図示せず)を入れて打設するため、
中心部から半径30cm以内に静的破砕剤5,5…を取り付け
ることは避けるようにする。
ことにより形成された静的破砕剤4を、前記鉄筋篭2の
内側空間でかつ杭頭余盛り部分Aに当する位置に取り付
ける。取り付けに際しては、静的破砕剤5,5…が局所的
に偏ることのないようにすることが必要で、静的破砕剤
5,5…の取り付け位置および数を、この静的破砕剤5,5…
が吸水膨潤した時に、後述のコンクリート杭の杭頭余盛
り部分Aを均等にかつ十分に小さく小割り破砕すること
ができるような位置および数とすることが好ましい。た
だし、後述のコンクリート打設の際に、鉄筋篭2の中心
部にはトレミー管(図示せず)を入れて打設するため、
中心部から半径30cm以内に静的破砕剤5,5…を取り付け
ることは避けるようにする。
本実施例では、第2図および第3図に示すように、中
心部から半径30cmの円より外側の部分に、次のようにし
て4本の静的破砕剤5a,5b,5c,5dを取り付ける。第2図
および第3図は、鉄筋篭2への静的破砕剤5a,5b,5c,5d
の取り付け状態を概念的に示すもので、図中2点鎖線
は、鉄筋篭2の外形を示している。そして、この図に示
したように、鉄筋篭2の内側空間の杭頭余盛り部分Aに
相当する部分の上半分には、直径方向の両端部付近の2
箇所にそれぞれ1本づつ5aと5bを、その長さ方向を鉛直
方向に向けるようにして縦に取り付け、また鉄筋篭2の
該部分の下半分には、先の直径方向とは直交する直径方
向の両端部付近の2箇所に、それぞれ1本づつ5cと5dを
縦に取り付ける。ここで、前記のように4本の静的破砕
剤5a,5b,5c,5dを上下2段に分けて取り付けるのは、一
般に、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aの高さが60cm
〜1000cmと、静的破砕剤1本の長さに比べて2倍あるい
はそれ以上であるために、静的破砕剤5a,5b,5c,5dの1
段の取り付けでは、該コンクリート杭の杭頭余盛り部分
Aの全体を小割り破砕することができないからである。
ここで言う小割り破砕とは、コンクリート杭の杭頭余盛
り部分Aをバール、チッパー等で容易に解体できる程度
の亀裂発生状況を言うものである。
心部から半径30cmの円より外側の部分に、次のようにし
て4本の静的破砕剤5a,5b,5c,5dを取り付ける。第2図
および第3図は、鉄筋篭2への静的破砕剤5a,5b,5c,5d
の取り付け状態を概念的に示すもので、図中2点鎖線
は、鉄筋篭2の外形を示している。そして、この図に示
したように、鉄筋篭2の内側空間の杭頭余盛り部分Aに
相当する部分の上半分には、直径方向の両端部付近の2
箇所にそれぞれ1本づつ5aと5bを、その長さ方向を鉛直
方向に向けるようにして縦に取り付け、また鉄筋篭2の
該部分の下半分には、先の直径方向とは直交する直径方
向の両端部付近の2箇所に、それぞれ1本づつ5cと5dを
縦に取り付ける。ここで、前記のように4本の静的破砕
剤5a,5b,5c,5dを上下2段に分けて取り付けるのは、一
般に、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aの高さが60cm
〜1000cmと、静的破砕剤1本の長さに比べて2倍あるい
はそれ以上であるために、静的破砕剤5a,5b,5c,5dの1
段の取り付けでは、該コンクリート杭の杭頭余盛り部分
Aの全体を小割り破砕することができないからである。
ここで言う小割り破砕とは、コンクリート杭の杭頭余盛
り部分Aをバール、チッパー等で容易に解体できる程度
の亀裂発生状況を言うものである。
また、前記のように上段の静的破砕剤5a,5bと下弾の
静的破砕剤5c,5dとの取り付け位置を互いにずらすよう
にしたのは、引っ張り応力の他に、第2図中符号f1,f2,
f3,f4で示されるような水平断面の4方向の応力を作用
させて、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aに輪切り状
の亀裂を発生させるためである。
静的破砕剤5c,5dとの取り付け位置を互いにずらすよう
にしたのは、引っ張り応力の他に、第2図中符号f1,f2,
f3,f4で示されるような水平断面の4方向の応力を作用
させて、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aに輪切り状
の亀裂を発生させるためである。
次に、このような静的破砕剤5a,5b,5c,5dを取り付け
た鉄筋篭2を、先に掘削された杭孔1内に挿入する。
た鉄筋篭2を、先に掘削された杭孔1内に挿入する。
杭孔1内には、先に安定液が貯留されているので、鉄
筋篭2の挿入に伴って、静的破砕剤5a,5b,5c,5dがこの
安定液に沈漬されることとなり、静的破砕剤5a,5b,5c,5
dがこの安定液によって吸水膨潤を起こす。この時、安
定液が杭孔1内に十分に満たされている場合には、静的
破砕剤5a,5b,5c,5dは安定液内に十分に沈漬されること
となるので完全な吸水膨潤を起こすが、安定液が杭孔1
内に十分に満たされていない場合には、後述のコンクリ
ート打設時に、静的破砕剤5a,5b,5c,5dがこの安定液中
に完全に没して安定液を十分に吸水できるように、安定
液のかさの増量を図るようにする。
筋篭2の挿入に伴って、静的破砕剤5a,5b,5c,5dがこの
安定液に沈漬されることとなり、静的破砕剤5a,5b,5c,5
dがこの安定液によって吸水膨潤を起こす。この時、安
定液が杭孔1内に十分に満たされている場合には、静的
破砕剤5a,5b,5c,5dは安定液内に十分に沈漬されること
となるので完全な吸水膨潤を起こすが、安定液が杭孔1
内に十分に満たされていない場合には、後述のコンクリ
ート打設時に、静的破砕剤5a,5b,5c,5dがこの安定液中
に完全に没して安定液を十分に吸水できるように、安定
液のかさの増量を図るようにする。
次に、この安定液をコンクリート6で置換するように
しながら、杭孔1内にコンクリート6を打設する。打設
完了後、コンクリート6の強度が発現するまで約14〜28
日間、養成する。
しながら、杭孔1内にコンクリート6を打設する。打設
完了後、コンクリート6の強度が発現するまで約14〜28
日間、養成する。
十分に養生、硬化した後、土を掘り起こして根切りを
行う。
行う。
この時、前記コンクリート6の養生中に前記静的破砕
剤5a,5b,5c,5dが十分に吸水して膨張したことによっ
て、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aには、小割り破
砕が可能な程度に亀裂が発生しているので、バール、チ
ップ等の適当な工具で簡単に解体することができる。
剤5a,5b,5c,5dが十分に吸水して膨張したことによっ
て、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aには、小割り破
砕が可能な程度に亀裂が発生しているので、バール、チ
ップ等の適当な工具で簡単に解体することができる。
なお、本実施例では、4本の静的破砕剤5a,5b,5c,5d
を鉄筋篭2の内側空間に上下2段に分けてそれぞれ互い
に位置をずらすようにして縦に取り付けた例を示した
が、またこれとは別に、他の静的破砕剤を、その長さ方
向を水平方向に向けた状態に、鉄筋篭2の主筋3,3…に
沿って水平輪状に取り付けることが望ましい。特に、コ
ンクリート杭の杭本体Bと杭頭余盛り部分Aの境界部に
近い位置に、このようにして静的破砕剤を取り付けれ
ば、静的破砕剤が膨潤した後には、杭本体Bと杭頭余盛
り部分Aとを分割する水平輪切り状の亀裂が発生するこ
ととなり、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aを容易に
杭本体Bから分割、撤去することができるようになる。
を鉄筋篭2の内側空間に上下2段に分けてそれぞれ互い
に位置をずらすようにして縦に取り付けた例を示した
が、またこれとは別に、他の静的破砕剤を、その長さ方
向を水平方向に向けた状態に、鉄筋篭2の主筋3,3…に
沿って水平輪状に取り付けることが望ましい。特に、コ
ンクリート杭の杭本体Bと杭頭余盛り部分Aの境界部に
近い位置に、このようにして静的破砕剤を取り付けれ
ば、静的破砕剤が膨潤した後には、杭本体Bと杭頭余盛
り部分Aとを分割する水平輪切り状の亀裂が発生するこ
ととなり、コンクリート杭の杭頭余盛り部分Aを容易に
杭本体Bから分割、撤去することができるようになる。
次に、実験例を示し、第4図および第5図を参照し
て、本発明をさらに具体的に説明する。
て、本発明をさらに具体的に説明する。
[実験例] この実験例では、杭径1500mm、杭頭余盛り部分900m
m、かぶりコンクリート150mmの場所打ちコンクリート杭
を施工することとする。
m、かぶりコンクリート150mmの場所打ちコンクリート杭
を施工することとする。
まず、安定液の存在下で、現場に杭孔1を掘削した。
鉄骨篭2として、主筋18本3,3…を互いに平行に立て
て円形に並べるとともに、これらの主筋3,3…の杭頭余
盛り部分Aに相当する部分に主筋縁切材3a,3a…を取り
付けてなるものを用意した。
て円形に並べるとともに、これらの主筋3,3…の杭頭余
盛り部分Aに相当する部分に主筋縁切材3a,3a…を取り
付けてなるものを用意した。
その鉄筋篭2の主筋3,3…に、第4図および第5図に
示すようにして、NEW−CAB(住友セメント社製のB管5B
およびM管5Mを取り付けた。M管4本5M,5M,5M,5Mを、
鉄骨篭2の主筋3,3…の内側に沿って、該鉄骨篭2の比
較的上部に相当する水平に配設し、結束線7,7…によっ
てこれらM管5M,5M,5M,5Mを主筋3,3…に強固に取り付け
た。また、鉄骨篭2のほぼ中央部付近に相当する位置に
も、同じようにしてM管4本5M,5M,5M,5Mを取り付け、
さらに鉄骨篭2の下端部に近い位置には、B管4本5B,5
B,5B,5Bを同じようにして取り付けた。
示すようにして、NEW−CAB(住友セメント社製のB管5B
およびM管5Mを取り付けた。M管4本5M,5M,5M,5Mを、
鉄骨篭2の主筋3,3…の内側に沿って、該鉄骨篭2の比
較的上部に相当する水平に配設し、結束線7,7…によっ
てこれらM管5M,5M,5M,5Mを主筋3,3…に強固に取り付け
た。また、鉄骨篭2のほぼ中央部付近に相当する位置に
も、同じようにしてM管4本5M,5M,5M,5Mを取り付け、
さらに鉄骨篭2の下端部に近い位置には、B管4本5B,5
B,5B,5Bを同じようにして取り付けた。
また、この鉄骨篭2の主筋3,3…によって囲まれ空間
の内部で、前記主筋3,3…からほぼ100mm離れた位置に
は、静的破砕剤5のS管5S,5S…6本を、第4図および
第5図に示すように取り付けた。S管5Sは、CAB(商品
名;住友セメント社製)を最大径28mm、長さ400mmの断
面円形のスパイラルシース管に充填することによって形
成したもので、S管3本5S1,5S2,5S3を、鉄骨篭2内の
杭頭余盛り部分Aに相当する部の上半分の空間内に、そ
れぞれが互いに均等な距離をあけて互いに平行に並ぶよ
うに、鉛直方向に立てて配設し、結束線8,8…によって
主筋3,3…に取り付けた。また、他のS管3本5S4,5S5,5
S6を、鉄骨篭2内の杭頭余盛り部分Aに相当する部分下
半分の空間内にも、同じようにして取り付けた。ただ
し、下半分のS管3本5S4,5S5,5S6は、上半分のS管3
本5S1,5S2,5S3のそれぞれ中間に位置するように、互い
に位置をずらせて取り付けるようにした。
の内部で、前記主筋3,3…からほぼ100mm離れた位置に
は、静的破砕剤5のS管5S,5S…6本を、第4図および
第5図に示すように取り付けた。S管5Sは、CAB(商品
名;住友セメント社製)を最大径28mm、長さ400mmの断
面円形のスパイラルシース管に充填することによって形
成したもので、S管3本5S1,5S2,5S3を、鉄骨篭2内の
杭頭余盛り部分Aに相当する部の上半分の空間内に、そ
れぞれが互いに均等な距離をあけて互いに平行に並ぶよ
うに、鉛直方向に立てて配設し、結束線8,8…によって
主筋3,3…に取り付けた。また、他のS管3本5S4,5S5,5
S6を、鉄骨篭2内の杭頭余盛り部分Aに相当する部分下
半分の空間内にも、同じようにして取り付けた。ただ
し、下半分のS管3本5S4,5S5,5S6は、上半分のS管3
本5S1,5S2,5S3のそれぞれ中間に位置するように、互い
に位置をずらせて取り付けるようにした。
次に、このようにして静的破砕剤5,5…を取り付けた
鉄骨篭2を杭孔1内に挿入して、静的破砕剤5,5…を安
定液中に沈漬した。
鉄骨篭2を杭孔1内に挿入して、静的破砕剤5,5…を安
定液中に沈漬した。
その後、この安定液を置換するようにしながら、コン
クリート6を打設し、養生硬化して、目的の現場打ちコ
ンクリート杭を形成した。
クリート6を打設し、養生硬化して、目的の現場打ちコ
ンクリート杭を形成した。
10日間経過後に、このコンクリート杭を掘り起こした
ところ、第6図に示したように、B管5B,5B…およびM
管5M,5M…の取り付け位置に沿う切断予定線に沿って、
0.8cm〜2.5cmkの幅の亀裂が発生していた。また、この
ような亀裂の発生により、杭頭余盛り部分Aを簡単に水
平に輪切りすることができ、またかぶりコンクリートC,
Cを除去することもできた。さらに、杭頭余盛り部分A
の主筋3,3…内側に位置する最大円柱状部分Dにも、S
管5S,5S…の取り付け位置から多数本の亀裂が全体に及
んで発生し、この亀裂を基にして、バールで簡単に小割
り、除去することができた。
ところ、第6図に示したように、B管5B,5B…およびM
管5M,5M…の取り付け位置に沿う切断予定線に沿って、
0.8cm〜2.5cmkの幅の亀裂が発生していた。また、この
ような亀裂の発生により、杭頭余盛り部分Aを簡単に水
平に輪切りすることができ、またかぶりコンクリートC,
Cを除去することもできた。さらに、杭頭余盛り部分A
の主筋3,3…内側に位置する最大円柱状部分Dにも、S
管5S,5S…の取り付け位置から多数本の亀裂が全体に及
んで発生し、この亀裂を基にして、バールで簡単に小割
り、除去することができた。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の現場打ちコンクリート
杭の杭頭破砕工法によれば、静的破砕剤を、杭頭余盛り
部分の鉄筋篭の内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を
鉛直方向に向けるようにして複数本配置し、さらに、前
記静的破砕剤とは別に、種類の異なる管状容器に充填さ
れた静的破砕剤の各複数本を、杭頭余盛り部分の鉛直方
向の少なくとも2以上の相異なる位置に、鉄筋篭の主筋
に沿って、静的破砕剤の長さ方向を水平方向に向けるよ
うにして水平輪状に追加して配置し、次いで、この鉄筋
篭を杭孔内に挿入して杭孔内の安定液に沈漬し、次いで
杭孔内にコンクリートを打設するので、静的破砕剤が安
定液を吸水して膨張し、コンクリート杭の杭頭余盛り部
分の中央部の最大円柱部分に多数の亀裂が随所に発生
し、簡単に小割り破砕することができる。さらに、コン
クリート杭の杭頭余盛り部分を簡単に水平に輪切りする
ことができ、またかぶりコンクリートを除去でき、なお
一層効率よく小割り破砕することができる。
杭の杭頭破砕工法によれば、静的破砕剤を、杭頭余盛り
部分の鉄筋篭の内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を
鉛直方向に向けるようにして複数本配置し、さらに、前
記静的破砕剤とは別に、種類の異なる管状容器に充填さ
れた静的破砕剤の各複数本を、杭頭余盛り部分の鉛直方
向の少なくとも2以上の相異なる位置に、鉄筋篭の主筋
に沿って、静的破砕剤の長さ方向を水平方向に向けるよ
うにして水平輪状に追加して配置し、次いで、この鉄筋
篭を杭孔内に挿入して杭孔内の安定液に沈漬し、次いで
杭孔内にコンクリートを打設するので、静的破砕剤が安
定液を吸水して膨張し、コンクリート杭の杭頭余盛り部
分の中央部の最大円柱部分に多数の亀裂が随所に発生
し、簡単に小割り破砕することができる。さらに、コン
クリート杭の杭頭余盛り部分を簡単に水平に輪切りする
ことができ、またかぶりコンクリートを除去でき、なお
一層効率よく小割り破砕することができる。
また、静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の上半分の鉄筋
篭の内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を鉛直方向に
向けるようにして複数本配置し、さらに静的破砕剤を、
杭頭余盛り部分の下半分の鉄筋篭の内側に沿って、静的
破砕剤の長さ方向を鉛直方向に向けるように、かつ杭頭
余盛り部分の上半分に配置された静的破砕剤のそれぞれ
中間に位置するように、位置をずらして複数本配置し、
次いで、この鉄筋篭を杭孔内に挿入して杭孔内の安定液
に沈漬し、次いで杭孔内にコンクリートを打設するの
で、杭頭余盛り部分に輪切り状の亀裂を発生させて、よ
り効率よく小割り破砕することができる。こうして破砕
された破砕片は、現場内に埋めて廃棄することができる
程度に小サイズのものであるので、産業廃棄物処理場へ
運ぶ手間が省けるうえに、この処理場のスペースを無駄
に使うことがなく、環境保全の観点からも有意義な破砕
工法である。また、従来の動的破砕工法に比べて安全性
が高く、騒音や振動の無い無公害な工法である。
篭の内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を鉛直方向に
向けるようにして複数本配置し、さらに静的破砕剤を、
杭頭余盛り部分の下半分の鉄筋篭の内側に沿って、静的
破砕剤の長さ方向を鉛直方向に向けるように、かつ杭頭
余盛り部分の上半分に配置された静的破砕剤のそれぞれ
中間に位置するように、位置をずらして複数本配置し、
次いで、この鉄筋篭を杭孔内に挿入して杭孔内の安定液
に沈漬し、次いで杭孔内にコンクリートを打設するの
で、杭頭余盛り部分に輪切り状の亀裂を発生させて、よ
り効率よく小割り破砕することができる。こうして破砕
された破砕片は、現場内に埋めて廃棄することができる
程度に小サイズのものであるので、産業廃棄物処理場へ
運ぶ手間が省けるうえに、この処理場のスペースを無駄
に使うことがなく、環境保全の観点からも有意義な破砕
工法である。また、従来の動的破砕工法に比べて安全性
が高く、騒音や振動の無い無公害な工法である。
第1図ないし第3図は、本発明の現場打ちコンクリート
杭の杭頭破砕工法の一実施例を示すもので、第1図は杭
孔内に鉄筋篭を挿入しコンクリートを打設した状態を示
す側断面図、第2図および第3図は鉄筋篭に静的破砕剤
を取り付けた状態を示すそれぞれ平面図および斜視図で
あり、第4図ないし第6図は、本発明の杭頭破砕工法に
したがってコンクリート杭の杭頭を破砕した実験例を示
すもので、第4図および第5図は杭孔内に鉄筋篭を挿入
しコンクリートを打設した状態を示すそれぞれ平面図お
よび側断面図、第6図は破砕後のコンクリート杭の状態
を示す概念図であり、第7図および第8図は、従来の現
場打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法を説明するための
もので、破砕後のコンクリート杭の状態のそれぞれ異な
る例を示す概念図である。 A……コンクリート杭の杭頭余盛り部分、 1……杭孔、2……鉄筋篭、 5,5a,5b,5c,5d,5B,5M,5S……静的破砕剤、 6……コンクリート。
杭の杭頭破砕工法の一実施例を示すもので、第1図は杭
孔内に鉄筋篭を挿入しコンクリートを打設した状態を示
す側断面図、第2図および第3図は鉄筋篭に静的破砕剤
を取り付けた状態を示すそれぞれ平面図および斜視図で
あり、第4図ないし第6図は、本発明の杭頭破砕工法に
したがってコンクリート杭の杭頭を破砕した実験例を示
すもので、第4図および第5図は杭孔内に鉄筋篭を挿入
しコンクリートを打設した状態を示すそれぞれ平面図お
よび側断面図、第6図は破砕後のコンクリート杭の状態
を示す概念図であり、第7図および第8図は、従来の現
場打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法を説明するための
もので、破砕後のコンクリート杭の状態のそれぞれ異な
る例を示す概念図である。 A……コンクリート杭の杭頭余盛り部分、 1……杭孔、2……鉄筋篭、 5,5a,5b,5c,5d,5B,5M,5S……静的破砕剤、 6……コンクリート。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−21924(JP,A) 特開 昭62−258019(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 5/34
Claims (2)
- 【請求項1】鉄筋篭を挿入した杭孔内に打設されたコン
クリート杭の杭頭余盛り部分を、鉄筋篭に局所的に偏る
ことなく取付けられた静的破砕剤によって破砕除去する
ようにした場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法であ
って、 前記静的破砕剤を、水和膨張性を有する破砕組成物を顆
粒状に成型して管状容器内に充填することによって形成
した後、複数本の静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の鉄筋
篭の内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を鉛直方向に
向けるようにして配置し、 さらに、前記静的破砕剤とは別に、種類の異なる管状容
器に充填された静的破砕剤の各複数本を、杭頭余盛り部
分の鉛直方向の少なくとも2以上の相異なる位置に、鉄
筋篭の主筋に沿って、静的破砕剤の長さ方向を水平方向
に向けるようにして水平輪状に追加して配置し、 次いで、現場において安定液の存在下で掘削された杭孔
内に、この鉄筋篭を挿入して前記静的破砕剤を安定液中
に沈漬することにより、この静的破砕剤の水和膨張作用
を発現せしめ、 次いで、この杭孔内にコンクリートを打設することを特
徴とする場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法。 - 【請求項2】鉄筋篭を挿入した杭孔内に打設されたコン
クリート杭の杭頭余盛り部分を、鉄筋篭に局所的に偏る
ことなく取り付けられた静的破砕剤によって破砕除去す
るようにした場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法で
あって、 前記静的破砕剤を、水和膨張性を有する破砕組成物を顆
粒状に成型して管状容器内に充填することによって形成
した後、 前記静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の上半分の鉄筋篭の
内側に沿って、静的破砕剤の長さ方向を鉛直方向に向け
るようにして複数本配置し、 さらに前記静的破砕剤を、杭頭余盛り部分の下半分の鉄
筋篭の内側に沿って、静的破砕剤の厚さ方向を鉛直方向
に向けるように、かつ杭頭余盛り部分の上半分に配置さ
れた静的破砕剤のそれぞれ中間に位置するように、位置
をずらして複数本配置し、 次いで、現場において安定液の存在下で掘削された杭孔
内に、この鉄筋篭を挿入して前記静的破砕剤を安定液中
に沈漬することにより、この静的破砕剤の水和膨張作用
を発現せしめ、 次いで、この杭孔内にコンクリートを打設することを特
徴とする場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21617490A JP2839669B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21617490A JP2839669B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04102617A JPH04102617A (ja) | 1992-04-03 |
JP2839669B2 true JP2839669B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=16684449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21617490A Expired - Lifetime JP2839669B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 場所打ちコンクリート杭の杭頭破砕工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2839669B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110185037B (zh) * | 2019-06-27 | 2024-07-26 | 中铁五局集团建筑工程有限责任公司 | 一种灌注桩无机械破桩头方法及结构 |
-
1990
- 1990-08-16 JP JP21617490A patent/JP2839669B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04102617A (ja) | 1992-04-03 |
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