JP5530190B2 - 鉄・ニッケル・クロム合金めっき液及びめっき方法 - Google Patents

鉄・ニッケル・クロム合金めっき液及びめっき方法 Download PDF

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本発明は、金属材料の表面に鉄とニッケルとクロムの合金(ステンレス鋼)を電着するために用いる、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液及びこの鉄・ニッケル・クロム合金めっき液を用いてめっき処理を行うめっき方法に関するものである。
金属材料の表面に鉄とニッケルとクロムの合金を電着する技術としては、例えば、特許文献1に開示された鉄・ニッケル・クロム合金電着膜の製造方法が挙げられる。
特許文献1では、金属材料に、スルファミン酸クロムとスルファミン酸ニッケルとスルファミン酸第一鉄が15:1:40のモル比で含まれる電着液を用い、1.0〜2.5A/dmの電流密度で電気めっきを施すと、金属材料の表面に8〜10%のニッケルと17〜19%のクロムを含有するSUS303ステンレス鋼相当の鉄合金電着膜を形成させることができたとしている。
特公平3−22474号公報
しかしながら、本発明者が、特許文献1に開示された鉄・ニッケル・クロム合金電着膜の製造方法に従い、金属表面に電気めっきを何度も試みたが、いずれの場合も、金属材料の表面に析出した電着膜には鉄とニッケルのみが含まれており、クロムが析出した形跡は見当たらなかった。
また、本発明者が各種実験を行った結果、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液を用いて金属表面に電着膜を形成させる場合には、8.0A/dm以上の電流密度にしないと、電着膜中にクロムが析出してこないということがわかっている。
本発明の目的とするところは、金属材料の表面に形成された合金電着膜中に鉄とニッケルとクロムが均一に分布するようになる、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液及びめっき方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、スルファミン酸ニッケルと、スルファミン酸第一鉄と、スルファミン酸クロムと、クエン酸カリウムと、硫酸アンモニウムとを含んでなる、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液を用いてめっき処理を行うことにより、上記目的を達成することを見出した。
即ち、本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液は、スルファミン酸ニッケルと、スルファミン酸第一鉄と、スルファミン酸クロムとを含有してなる鉄・ニッケル・クロム合金めっき液であって、クエン酸カリウムと硫酸アンモニウムとを含み、クロムの含有量が鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり17〜28gであることを特徴とする。
本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液の好適形態としては、前記クエン酸カリウムは、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり3〜30g含まれ、前記硫酸アンモニウムは、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり6〜60g含まれ、前記鉄・ニッケル・クロム合金めっき液は、さらに、サッカリンを含む。
本発明のめっき方法は、上述した鉄・ニッケル・クロム合金めっき液を用いて金属材料の表面に鉄とニッケルとクロムの合金電着膜を形成させるめっき処理を行うめっき方法であって、前記めっき方法は、電流密度13〜35A/dmでめっき処理を行うことを特徴とする。
本発明を用いて金属材料の表面に鉄・ニッケル・クロム合金電着膜を形成させるめっき処理を行った場合には、電流が変動もなく一定に流れ、電着性が非常に良好なものとなり、得られた合金電着膜は、鉄とニッケルとクロムが均一に分布したものとなる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液は、スルファミン酸ニッケルと、スルファミン酸第一鉄と、スルファミン酸クロムと、クエン酸カリウムと、硫酸アンモニウムとを含み、クロムの含有量が鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり17〜28gである。
スルファミン酸クロムは、3価クロムの化合物であり、6価クロムの化合物に比べ毒性が少ない。スルファミン酸クロムを水に溶かしたスルファミン酸クロム溶液の入手は、現在困難な状況にある。
特許文献1では、「実施例の電着浴の調製に際して、スルファミン酸第一鉄Fe(SONH・5HO、スルファミン酸ニッケルNi(SONH・4HO、クエン酸カリウムK・HOは、いずれも市販の試薬特級品を用いたが、スルファミン酸クロムCr(SONHは、市販品が入手し得なかったため、試薬特級クロム酸とスルファミン酸のそれぞれ計算量を水に溶解して、その中に計算量により稍々過剰のメチルアルコールの蒸気を少しずつ吹き込んで6価のクロムを3価のクロムに還元し、次いで、窒素ガスを緩やかに吹き込み、液を攪拌・加熱しながら、液中に生成したホルムアルデヒドを追い出しつつ、充分に熟成させたものを用いた。」と記載されている。
なお、スルファミン酸クロム溶液の入手が困難であることは、(1)JISハンドブック2008−48試薬(日本規格協会編纂)、(2)Reagent Chemicals 9th Edition(Oxford University Press)、(3)McGraw Hill Dictionary of Chemistry(McGraw Hill著)(4)Merck Index 14th Editionのいずれにも記載されていないことからしても明らかである。
本発明者は、スルファミン酸クロム溶液を入手すべく、日本、欧州、米国の市場等を調査したが、発見することができなかったため、粉末のクロム金属をスルファミン酸水溶液に反応させ、水素ガスを放出して、スルファミン酸クロム溶液を製造する方法を開発した。
スルファミン酸水溶液にクロム金属粉を加えると、液温40℃以上で5分程度は変化がないが、その後、6NHSOH+2Cr→2Cr(NHSO+3H↑という反応が急激に進行し(発熱反応)、スルファミン酸クロムが生成すると共に、水素ガスが発生する。ここで、そのまま何もしないと、溶液の温度が70〜80℃位まで上昇して、生成したスルファミン酸クロムが分解してしまうだけでなく、発熱反応が過剰に進み過ぎて、多量の水素ガスが一気に発生し、最悪の場合には爆発する。それ故、スルファミン酸とクロム金属を反応させる際の溶液の温度は、反応を適切に進める点などから、攪拌しながら35〜65℃に保持する必要がある。
例えば、スルファミン酸1.68kgを水5リットルに溶かしたスルファミン酸水溶液にクロム金属の粉体300gを加えて、攪拌し、溶液の温度を40〜60℃にして反応を完結させると、スルファミン酸クロムが1リットル当たり392g(クロムは1リットル当たり60g)含有されたスルファミン酸クロム溶液ができる。
なお、スルファミン酸水溶液に加えるクロム金属の粉体の粒径は0.001mm以上5mm以下とするのが望ましい。粒径0.001mm未満のクロム金属粉は作成困難だからであり、逆に、粒径5mmを超えるクロム金属粉は反応することなく固まりとして残ってしまうため、想定する量のスルファミン酸クロムを含有するスルファミン酸クロム溶液が得られないからである。
本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液において、クロムの含有量は鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり17〜28gであるのは、クロムの含有量が鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり17g未満であると、加水分解が起こり、液が二層に分かれ、電流がうまく流れず、両端や角にコゲ・ビリが発生するからであり、逆にクロムの含有量が鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり28gを超えると、めっき液がゲル化し、例えば、10A/dm以上の電流密度にすることができないなどの現象が発生して、適切に電流が流れなくなり、クロムを析出させることが困難となるからである。
本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液において、クエン酸カリウムは、安定剤として機能するが、pH緩衝作用としての働きも果たす。クエン酸カリウムは鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり3〜30gが好ましい。クエン酸カリウムが鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり3g未満であると、電着安定性を損なうことがあるため、好ましくなく、逆にクエン酸カリウムが鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり30gを超えると、密着性が悪くなって、めっきが剥離したり、めっき用焼けやコゲが生じる場合があるため、好ましくないからである。
本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液において、硫酸アンモニウムは、促進剤として機能するが、pH緩衝作用としての働きも果たす。硫酸アンモニウムは、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり6〜60gが好ましい。硫酸アンモニウムが鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり6g未満であると、電流が流れにくくなることがあるため、好ましくなく、逆に硫酸アンモニウムが鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり60gを超えると、クロム金属の濃度と比べて、促進剤である硫酸アンモニウムの含有量が多くなりすぎ、電着性が悪化するおそれがあるため、好ましくないからである。
本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液において、光沢安定剤として、サッカリンを、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり、0.1〜1g含有するのが好ましい。
なお、本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液には、特許文献1と異なり、ホウ酸を一切含有させない方が望ましい。めっき液には、pH緩衝作用によりpHを安定させると共に、めっき被膜の品質を改善させるため、所要量のホウ酸を含有させることが一般的であるが、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液にホウ酸が含まれていると、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液中にスルファミン酸クロムを溶解させにくくなるため、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液に含まれるスルファミン酸クロムの濃度は必然的に薄くならざるを得ず、被めっき物に十分な厚みのクロムめっきを施すためには、高い電流密度で電気めっきを行う必要があるだけでなく、めっき後の洗浄水からホウ酸成分を除去することは容易でないため、特別な設備を付加する必要があり、クロムめっきの製造コストが増大するからである。
本発明のめっき方法は、本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液を用いて金属材料の表面に鉄とニッケルとクロムの合金電着膜を形成させるめっき処理を行うめっき方法であって、電流密度13〜35A/dmでめっき処理を行う。電流密度が13A/dm未満であると、クロムが均一に析出しないからであり、逆に電流密度が35A/dmを超えると、めっき液の温度が高くなりすぎて、液組成の分解等が発生するからである。
(実施例1)
反応槽1aに、日本化学産業株式会社製の40%スルファミン酸第一鉄溶液を33リットル投入し、その後、日本化学産業株式会社製の60%スルファミン酸ニッケル溶液を少しずつ加え、温度を40〜50℃に保ちながら攪拌し、合計17リットル投入して、半日熟成させ、混合第1溶液1bを作成した。
これとは別に、反応槽1cに、水10リットルと硫酸アンモニウム1kgを投入し、温度を40〜50℃に保ちながら硫酸アンモニウムを水に溶解させて、硫酸アンモニウム水溶液1dを作成した。硫酸アンモニウム水溶液1dにおいて硫酸アンモニウムが水に完全に溶解していることを確認した後、硫酸アンモニウム水溶液1dの入った反応槽1cにクエン酸カリウム500gを投入して溶解させ、混合第2溶液1eを作成した。
これとは別に、反応槽1fに、スルファミン酸26.88kgを80リットルの水に投入し、40℃に加熱して、スルファミン酸を溶かし、スルファミン酸水溶液1gを得た。得られたスルファミン酸水溶液1gに、粒径0.01mm以上2mm以下のクロム金属の粉体4.8kgを加え、攪拌しながら液温を40〜60℃に維持して反応を完結させ、適宜水を加えるなどして液量を調整して、スルファミン酸クロム溶液1hを100リットル得た。
そして、混合第1溶液1bが入った反応槽1aに、混合第2溶液1eと40リットルのスルファミン酸クロム溶液1hを投入した。その後、適宜水を加えるなどして液量を調整して、本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1を100リットル(クロム24g/リットル、ニッケル28g/リットル、鉄28g/リットル、硫酸アンモニウム10g/リットル、クエン酸カリウム5g/リットル含有)得た。
(実施例2)
40リットルのスルファミン酸クロム溶液1hを、33.3リットルのスルファミン酸クロム溶液1hに代えた以外は、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1の作成と同様の操作を繰り返し、本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液2を100リットル(クロム20g/リットル、ニッケル28g/リットル、鉄28g/リットル、硫酸アンモニウム10g/リットル、クエン酸カリウム5g/リットル含有)得た。
(実施例3)
40%スルファミン酸第一鉄溶液を33リットル投入する代わりに、40%スルファミン酸第一鉄溶液を40.8リットル投入した以外は、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1の作成と同様の操作を繰り返し、本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液3を100リットル(クロム24g/リットル、ニッケル28g/リットル、鉄35g/リットル、硫酸アンモニウム10g/リットル、クエン酸カリウム5g/リットル含有)得た。
(実施例4)
40%スルファミン酸第一鉄溶液を33リットル投入する代わりに、40%スルファミン酸第一鉄溶液を47リットル投入し、60%スルファミン酸ニッケル溶液を合計17リットル投入する代わりに、60%スルファミン酸ニッケル溶液を合計12リットル投入した以外は、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液2の作成と同様の操作を繰り返し、本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液4を100リットル(クロム20g/リットル、ニッケル20g/リットル、鉄40g/リットル、硫酸アンモニウム10g/リットル、クエン酸カリウム5g/リットル含有)得た。
(実施例5)
硫酸アンモニウム1kgを硫酸アンモニウム2kgに代え、クエン酸カリウム500gをクエン酸カリウム1kgに代えた以外は、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1の作成と同様の操作を繰り返し、本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液5を(クロム24g/リットル、ニッケル28g/リットル、鉄28g/リットル、硫酸アンモニウム20g/リットル、クエン酸カリウム10g/リットル含有)100リットル得た。
(実施例6)
サッカリン50g(0.5g/リットル)を加えた以外は、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1の作成と同様の操作を繰り返し、本発明の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液6を100リットル(クロム24g/リットル、ニッケル28g/リットル、鉄28g/リットル、硫酸アンモニウム10g/リットル、クエン酸カリウム5g/リットル含有)得た。
(比較例1)
40リットルのスルファミン酸クロム溶液1hを、50リットルのスルファミン酸クロム溶液1hに代えた以外は、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1の作成と同様の操作を繰り返し、クロム金属を重量%含有する、比較例となる鉄・ニッケル・クロム合金めっき液R1を100リットル(クロム30g/リットル、ニッケル28g/リットル、鉄28g/リットル、硫酸アンモニウム10g/リットル、クエン酸カリウム5g/リットル含有)得た。
(比較例2)
40リットルのスルファミン酸クロム溶液1hを、25リットルのスルファミン酸クロム溶液1hに代えた以外は、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1の作成と同様の操作を繰り返し、比較例となる鉄・ニッケル・クロム合金めっき液R2を100リットル(クロム15g/リットル、ニッケル28g/リットル、鉄28g/リットル、硫酸アンモニウム10g/リットル、クエン酸カリウム5g/リットル含有)得た。
(比較例3)
40リットルのスルファミン酸クロム溶液1hを、16.7リットルのスルファミン酸クロム溶液1hに代えた以外は、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1の作成と同様の操作を繰り返し、比較例となる鉄・ニッケル・クロム合金めっき液R3を100リットル(クロム10g/リットル、ニッケル28g/リットル、鉄28g/リットル、硫酸アンモニウム10g/リットル、クエン酸カリウム5g/リットル含有)得た。
(試験例1)めっき電着試験
A.熟成電着
長方形の小型浴槽を9個用意し、小型浴槽1〜小型浴槽6、小型浴槽R1〜小型浴槽R3とした。小型浴槽1〜小型浴槽6、小型浴槽R1〜小型浴槽R3のそれぞれに、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1〜鉄・ニッケル・クロム合金めっき液6、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液R1〜鉄・ニッケル・クロム合金めっき液R3を100リットル投入した後、それぞれの小型浴槽中で、以下の方法により熟成電解を行った。陰極には100mm×650mm×1mmの鉄板を使用し、陽極にはクロム金属板を使用した。40℃の温度、電流密度1〜2.5A/dmで、弱電気分解を10時間〜24時間行った。
B.めっき電着試験
小型浴槽1〜小型浴槽6、小型浴槽R1〜小型浴槽R3の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1〜鉄・ニッケル・クロム合金めっき液6、鉄・ニッケル・クロム合金めっき液R1〜鉄・ニッケル・クロム合金めっき液R3の中に、それぞれ、陽極として作用するクロム板2枚を配置し、陰極として作用する100mm×650mm×1mmの鉄SPC板1枚と100mm×650mm×1mmの真鍮BS板1枚を設置した。pH1.5〜3.5の条件の下、小型浴槽1については、10A/dm、15A/dm、20A/dm、25A/dm、30A/dm、40A/dm(6通り)、小型浴槽2〜小型浴槽6、小型浴槽R1〜小型浴槽R3については、15A/dm、20A/dm、25A/dm、30A/dm(4通り)の電流密度で、各々30分間めっき処理を行った。
鉄・ニッケル・クロム合金めっき液の温度は、電流密度が10A/dm、15A/dm、20A/dm、25A/dm、30A/dmの場合には、試験中いずれも50±10℃であり、良好であったが、電流密度が40A/dmの場合には、めっき液の温度が上昇して、80℃以上になったため、試験を中止した。試験を中止した後、めっき液を分析したところ、液組成の分解が起こっていた。
小型浴槽2〜小型浴槽6と小型浴槽1(電流密度10A/dmを除く。)については、いずれの場合も、電流が変動もなく一定に流れて、配置した鉄SPC板の表面の電着性は非常に良好であった。なお、小型浴槽2〜小型浴槽6と小型浴槽1(電流密度10A/dmを除く。)において得られた合金電着膜を分析したところ、いずれも、鉄とニッケルとクロムが均一に分布していた。真鍮BS板も鉄SPC板と同様であった。
一方、小型浴槽1(電流密度10A/dm)は、電流が変動もなく一定に流れていたが、配置した鉄SPC板と真鍮BS板の表面に得られた合金電着膜を分析したところ、いずれも、クロムは多少析出していた程度で、均一に分布していなかった。
また、小型浴槽R1については、いずれの場合も、電流の変動があって、適切に電流が流れなくなり、電着性も非常に悪く、カブリも多かった。小型浴槽R2と小型浴槽R3については、いずれの場合も、電着性が不均一で、めっき液が不安定であると感じ、配置した鉄SPC板と真鍮BS板の表面の両端や角にコゲ、ビリが発生し、電流密度が30A/dmの場合には限界点に近かった。
以上の結果より、本発明を用いて金属材料の表面に鉄・ニッケル・クロム合金電着膜を形成させるめっき処理を行った場合には、電流が変動もなく一定に流れ、電着性が非常に良好であり、得られた合金電着膜は鉄とニッケルとクロムが均一に分布していることが証明された。

Claims (5)

  1. スルファミン酸ニッケルと、スルファミン酸第一鉄と、スルファミン酸クロムとを含有してなる鉄・ニッケル・クロム合金めっき液であって、
    前記鉄・ニッケル・クロム合金めっき液は、クエン酸カリウムと硫酸アンモニウムとを含み、クロムの含有量が鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり17〜28gであることを特徴とする鉄・ニッケル・クロム合金めっき液。
  2. 前記クエン酸カリウムは、前記鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり3〜30g含まれていることを特徴とする請求項1に記載の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液。
  3. 前記硫酸アンモニウムは、前記鉄・ニッケル・クロム合金めっき液1リットル当たり6〜60g含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液。
  4. 前記鉄・ニッケル・クロム合金めっき液は、さらに、サッカリンを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つの項に記載の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つの項に記載の鉄・ニッケル・クロム合金めっき液を用いて金属材料の表面に鉄とニッケルとクロムの合金電着膜を形成させるめっき処理を行うめっき方法であって、
    前記めっき方法は、電流密度が13〜35A/dmでめっき処理を行うことを特徴とするめっき方法。
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