JPH0798078B2 - ゴルフクラブヘッドおよびその製法 - Google Patents

ゴルフクラブヘッドおよびその製法

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JPH0798078B2
JPH0798078B2 JP2023909A JP2390990A JPH0798078B2 JP H0798078 B2 JPH0798078 B2 JP H0798078B2 JP 2023909 A JP2023909 A JP 2023909A JP 2390990 A JP2390990 A JP 2390990A JP H0798078 B2 JPH0798078 B2 JP H0798078B2
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睦 原田
高志 飯島
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ゴルフクラブヘッド、特にドライバー、ス
プーン等のクラブヘッドおよびその製法に関し、中空状
のクラブヘッド外殻を電解析出によって製造することに
より、薄肉で高精度の構造のヘッドを得るようにし、飛
距離の増大と方向安定性の向上を計れるようにしたもの
である。
[従来技術とその課題] 近時、ドライバーやスプーンなどのウッドクラブにおい
ては、そのクラブヘッドを従来のパーシモン製から金属
製に替えたいわゆるメタルウッドクラブがもてはやされ
ている。
このメタルウッドクラブのクラブヘッドとしては、ステ
ンレス鋼やアルミニウム合金を素材とし、ロストワック
ス法などの鋳造法により作られたものがほとんどであ
る。
しかしながら、このようなクラブヘッドにあっては、鋳
造法を用いている限り、鋳造欠陥を皆無にすることは不
可能であり、この鋳造欠陥の存在のためにヘッドの肉厚
を薄くした薄肉構造とすることができず、軽量化が困難
である。
さらに飛距離と方向安定性とを向上させるためにはゴル
フクラブの各部位、すなわちソール、クラウン、フェー
スのそれぞれの肉厚を異ならしめることが好ましいが、
鋳造法では肉厚の差異が誤差範囲となり、設計どうりの
ヘッドを製造できないという不都合があった。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであ
って、金属基複合材料または金属を電解析出させること
により薄肉構造を採用可能とし、部位によってその肉厚
を異ならしめて飛距離と方向安定性とを向上できるクラ
ブヘッドおよびその製法を提供することを目的としてい
る。
[課題を解決するための手段] 本発明のゴルフクラブヘッドは、金属中に非金属微粒子
を分散させてなる金属基複合材料または金属を電解析出
させてなる中空状外殻を有し、部位によって中空状外殻
の肉厚が異なることを特徴とするものである。
また、本発明のゴルフクラブヘッドの製法は、クラブヘ
ッドと類似の形状を有する外側電極体と内側電極体とを
用い、外側電極体の内部に内側電極体を間隔を介して配
し、この間隔に電解液を満たして電解し、外側電極体ま
たは内側電極体に、金属中に非金属微粒子を分散させて
なる金属基複合材料または金属を電解析出させて中空状
のヘッド外殻を形成することを特徴とするものである。
[作用] 電解析出法を採用することにより、構造欠陥が少なく、
薄肉化が可能となる。
また電極間距離、電解液供給量、電流密度を、各部位で
異ならしめることにより、単位時間あたりの金属または
金属基複合材料の析出量を変化させることができる。よ
って部位により肉厚が異なるヘッド外殻を得ることがで
きる。
以下、この発明を詳しく説明する。
まず請求項3記載の製法の具体例について説明する。
初めに、目的とするクラブヘッド(以下、ヘッドと略称
する。)と同一寸法、同一外形を有するモデルを作成す
る。このモデルはたとえばエポキシ樹脂固化物の削り出
しなどによって作られる。
次にこのモデルからモデルの外表面全体をそのままネガ
ティブに転写した内面を有する外側電極体を作成する。
これには、モデルの外表面全体にうすく離型剤を塗布し
たのち、この上にアクリルシロップ、未硬化液状のエポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を
塗布して、硬化せしめ、硬化物を2つに切断して割型
し、内部のモデルを取り出したのち、該硬化物のモデル
外表面に接した内表面にニッケルなどの金属を無電解メ
ッキ法によりメッキして金属膜を形成することによって
作ることができる。このような外側電極体は、その内表
面に形成された金属膜が電極面として機能し、この電極
面は目的のヘッドの外表面の形状をそのまま正確に反転
したネガティブの内表面を有するものとなる。
またこの外側電極体は1本以上のパーチングラインで分
割される割型となっており、その内側の空間に後述する
内側電極体を収容しうるようになっている。
一方、目的のヘッドよりも小型でその形状が相似の内側
電極体を作成する。これにはプラスチック、金属などの
素材を使用し、注型法、、鋳造法等を用い、その外表面
全体に電極面となる白金などの金属膜をメッキ法などに
よって形成することで行なわれる。この内側電極体の電
極面の形状は、したがってヘッドの外形を正確に写した
ものではない。
ついで内側電極体および外側電極体を第1図に示したよ
うにセットする。第1図中符号1は外側電極体、2は外
側電極体1の電極面、3は内側電極体、4は内側電極体
3の電極面、5はパーチングラインである。内側電極体
3の支持と給電はホーゼルに対応する部分に図示しない
金属製支持用治具を取付け、この治具を利用して行なわ
れ、外側電極体1の支持と給電は、同様に適宜に治具
(図示せず)を取付けて行なわれる。これら治具の表面
はテフロンなどの樹脂を被覆して絶縁表面とし、その表
面への金属または金属基複合材料の析出を防止するよう
になっている。
外側電極体1と内側電極体3との間隔6は、通常10mm以
下とされる。一般に間隔6を狭くするとメッキ厚は厚く
なる。
次にこの状態において、外側電極体1を陰極とし、内側
電極体3を陽極として直流電源に接続し、電解液を間隔
6に流して電解を行う。この電解によって析出可能な金
属または金属基複合材料としては、Ni、Ni−Co合金、Ni
−P合金、Fe、FeCrNi合金のほか、Ni中にSiC微粒子等
の非金属微粒子を分散させてなるNi基複合材料等が挙げ
られる。電解液としては、析出すべき金属基複合材料お
よび金属の種類によって適宜選択され、たとえば厚付け
に好適なスルファミン酸浴等を利用することができる。
また金属基複合材料を析出させる場合には、非金属微粒
子を分散させてなる電解液を用いればよく、たとえばNi
−SiCを析出させる場合には、SiC微粒子を分散させたス
ルファミン酸浴等を利用することができる。浴温は30〜
60℃程度とされ、電流密度は1〜20A/dm2の範囲が好ま
しい。電解液の注入は、ホーゼルに対応する部分の間隔
6の開口から行うことができ、またソールに対応する部
分の外側電極体1に貫通孔を穿設し、ここから注入して
ホーゼル側に流す方法などを適宜採用可能である。
これにより金属基複合材料または金属が外側電極体1の
電極面2に析出してゆく。
所定時間の通電後、電解液を間隔6から除去し、外側電
極体1および内側電極体3を取り去り、電解析出物すな
わち目的の金属基複合材料または金属からなるヘッドを
取り出す。外側電極体1の除去には、これを加熱して樹
脂を熱分解する方法などが用いられ、内側電極体3の除
去には金属製のものであれば硝酸などの酸を用いて溶解
し、樹脂製のものであれば熱分解するなどの方法が用い
られる。
このようにして得られた金属製ヘッドは、中空状の殻体
であって、その表面は外側電極体1の電極面2をなす金
属膜で被覆されている。
このような製法によれば、外側電極体1の電極面2に金
属基複合材料または金属が電解析出して堆積してゆき、
この電極面2の形状が正確に転写されるので、予めこの
電極面2上にスコアーラインなどに相当する凹凸部を形
成しておけば得られるヘッドに同時にスコアーラインな
どを形成することができ、さらにフェースやバルジやロ
ールをも正確に出すこともでき、後加工が少なくて済む
という利点もある。
第2図は、請求項3記載の製法の他の例を示したもので
ある。この例では外側電極体1のソールに対応する部分
には貫通孔7が形成され、内側電極体3のソールに対応
する部分には内側電極体3の支持と給電とを兼ねる金属
製の棒状治具8が取り付けられている。そして外側電極
体1と内側電極体3とをセットする際、第2図に示した
ように貫通孔7を治具8が貫通し、かつ治具8が貫通孔
7の周囲に接しないような位置に両者が設けられてい
る。このものでは、貫通孔7を利用しての電解液の流入
あるいは排出が可能となる。
この例で得られる金属製ヘッドは治具8が存在した部分
が貫通孔として残ることになるが、この貫通孔はヘッド
バランス用錘などの取付用穴などとして利用できる。
次に請求項4記載の製法の具体例について説明する。
まず目的のヘッドと外形が同一であり、かつヘッドの肉
厚分だけ小さい寸法を有する内側電極体を作成する。こ
れいはエポキシ樹脂固化物を削り出して成形し、その表
面にニッケルなどの電極面となる金属膜を無電解メッキ
法などによって形成する方法などが用いられる。この内
側電極体は、したがってヘッドの外形と相似の形状を有
するものとなる。
一方、外側電極体を作成する。この外側電極体はヘッド
の外形に類似したネガティブな電極面を有しているもの
であるが、一体物である必要はなく、むしろ2以上の部
分に分割できるものが好ましい。この外側電極体は、白
金板などの金属板をプレス加工などにより成形する方法
や樹脂硬化物の内面にニッケルなどの無電解メッキを施
し、さらに白金メッキを施す方法などで作ることができ
る。
ついで第3図に示したように外側電極体1と内側電極体
3とをセットする。ここでの外側電極体1には支持およ
び給電を兼ねる金属製の治具(図示せず)が取り付けら
れている。この治具には、たとえばAlの表面にフッ素樹
脂等を塗布して絶縁処理したもの等を利用することがで
きる。また内側電極体3の支持と給電は、ホーゼルに対
応する部分に金属製の治具8を取り付けることで行なわ
れる。
外側電極体1と内側電極体3との間隔6は先の例と同様
に10mm以下でよい。
ついでこの状態において、外側電極体1を陽極に、内側
電極体3を陰極となるように直流電源に接続し、電解液
を間隔6に流して電解析出を行い、金属基複合材料また
は金属を内側電極体3の電極面4上に析出させる。
所定時間の通電後、外側電極体1を取り外し、内側電極
体3を熱分解するなどして取り除けば目的とする金属製
ヘッドが得られる。
この例の製法では、外側電極体1を繰り返し使用できる
利点がある。さらに内側電極体3をポリウレタン発泡
体、ポリスチロール発泡体などのプラスチック発泡体で
作成すれば、軽量となって改めて内側電極体3を取り除
く必要がなく、さらに金属製ヘッドの内部空間をプラス
チック発泡体で充填することになって、打球音の改善に
も役立つことにもなる。もち論、これを取り除く場合に
は除去作業を簡単に行えることにもなる。
第4図は、請求項4記載の製法の他の例を示すもので、
この例は、ヘッドのフェースとクラウンとの一体物をこ
の方法で作成し、ソールを別に作成して、後工程でソー
ルを電気溶接などによって取り付けて仕上げるものであ
る。
したがってこの例で用いられる外側電極体1は、ソール
に対応する部分を欠くものである。また内側電極体3の
支持および給電は、内側電極体3のソールに対応する部
分に金属製の治具8を取り付けることで行なわれる。こ
の方法ではソールに別素材を使用することが可能とな
り、その選択によってヘッドバランスを微妙に調整する
ことができる利点がある。
このようにして得られた金属製のヘッドは、その肉厚を
精度よく調整することができ、薄肉構造とすることがで
きる。
次にこの発明の請求項5ないし請求項8記載の製法の具
体例について説明する。
まず外側電極体1もしくは内側電極体3のどちらか一方
を複数個の電極体片に分割する。第5図は、外側電極体
1をクラウン部、フェース部、ソール部にそれぞれ対応
させて、3つの電極体片1a、1b、1cに分割した例を示し
たものである。各電極体片1a、1b、1cは、いずれも図示
せぬ治具によって支持されるとともに、各々独立して電
流を印加できるように設計されている。
そして外側電極体1を構成する各電極体片1a,1b,1cに独
立して電流を流し、それぞれの電極体片1a,1b,1cにおけ
る電流密度を変える方法、各電極体片1a,1b,1cと内側電
極体3との間隔6を個別に変えて設定する方法、各電極
体片1a,1b,1cにおける電解液の送給量を適宜変化させる
方法などを、単独あるいは組み合わせて採用することに
より、金属または金属基複合材料の析出量を変化せし
め、ヘッドの各部位にて肉厚を異ならしめることができ
る。
各電極体片1a,1b,1cへ印加する電流密度を異ならしめる
には、各電極体片1a,1b,1cにそれぞれ独立した電気系を
接続し、これら電気系を制御する方法がある。また電解
液の送給量を違える方法としては、第6図に示したよう
に、各電極体片1a,1b,1cの間の隙間にそれぞれ電解液送
給用チューブの開口部を臨ませて、それぞれのチューブ
からの送給量を変える方法がある。
このような手法を採用することにより、各電極体片1a,1
b,1cに対応する部分での金属基複合材料または金属の析
出量をそれぞれ変化させることができ、得られたヘッド
の各部位の肉厚を要求に応じてそれぞれ独立して自由に
調節することが可能となる。
このようにして得られた金属製のヘッドは、その肉厚を
精度よく、かつ各部位にて所望の肉厚で調整することが
できる。たとえばフェースおよびソールでは肉厚を2〜
3mm、クラウンでは肉厚を0.4〜0.8mmとすることが可能
となる。特に、クラウンをこのように薄肉にできること
は電解析出法の採用によるものであり、クラウンを薄肉
とし得ることで、打球時のインパクトに際し、クラウン
がわずかに撓み、これによって飛距離が増大し、打球の
方向性も安定する。
この発明のヘッドは、ドライバー、ブラッシィー、スプ
ーン、バッフィー、クリークなどのいわゆるウッドヘッ
ドに限らず、中空構造のアイアンヘッドにも適用でき
る。
[実施例] (実施例1) 第5図に示すように、ヘッドをクラウン部、フェース
部、ソール部に分割した3枚の電極体片からなる外側電
極体と内側電極体を使用してドライバー(1番)のヘッ
ドを作成した。外側電極体となる各電極体片はいずれも
Niとし、内側電極体はエポキシ樹脂で作り、その電極面
は無電解メッキによるニッケル膜とした。内側電極体の
支持は、ホーゼル部に接続した支持部により支持し、こ
の部分より給電をも行うようにした。また各電極体片
は、それぞれAlの表面にフッ素樹脂を塗布して絶縁処理
した支持部(図示せず)により支持するとともに、各電
極体片に独立して電流を印加できるように電気系に接続
した後に、第5図に示したようにセットした。なお各電
極体片と内側電極体との間隔は一定に保った。
一方、スルファミン酸ニッケル500g/、塩化ニッケル1
0g/、ホウ酸30g/の濃度で溶解し、pHを4.0に調整し
たスルファミン酸浴を調整した。ついでこの電解液中に
上記両電極体を浸漬し、浴温50℃にて、フェース部およ
びソール部に対応する電極体片には20A/dm2、クラウン
部に対応する電極体片に5A/dm2の電流密度で通電してメ
ッキを行った。
メッキ終了後、外側電極体となった各電極体片をそれぞ
れ取り外し、内側電極体は400℃で3時間加熱して分解
除去した。
得られたニッケル製ヘッドの各部位の肉厚を測定したと
ころ、フェースとソール部では2.0〜2.5mm、クラウンで
は0.5〜0.7mmであった。
(実施例2) 上記実施例1と全く同様のスルファミン酸浴を用いて引
っ張り試験用のサンプルを作成した。電極体は、陽極お
よび陰極共に平板とし、電極体の材質およびその除去方
法は実施例1と全く同様にした。
このようにして得られた電解析出品と、圧延法によって
得られた圧延品とに引っ張り試験を行い、それぞれの特
性を調べた。この結果を第1表に示した。
上記結果から電解析出法によって製造された板材は高強
度で、かつ硬度も十分であることから、ゴルフクラブヘ
ッドに好適な材質であることが確認できた。
(実施例3) 作成するヘッドと同一形状、同一外形のモデルを樹脂に
よって作製した。次はこのモデルからモデルの外表面を
そのままネガティブに転写した内面を有する外側電極体
を作製した。この外側電極体の内表面には、無電解メッ
キによってNi膜を形成した。なおこの外側電極体はソー
ル部に対応する部分を欠いたものとした。
一方、作製するヘッドと同一形状で、一回り小さい型の
内側電極をAlによって作製し、その表面を白金メッキし
た。なおこの内側電極体と外側電極体との間隙は、フェ
ースとなる部分では5mm、クラウンとなる部分では10mm
となるように設計した。
ついでスルファミン酸ニッケル500g/、スルファミン
酸コバルト30g/、塩化コバルト15g/、ホウ酸30g/
の濃度で溶解し、pHを3.5に調整したスルファミン酸浴
中に、上記両電極体を浸漬し、浴温50℃にて、20A/dm2
の電流密度でメッキを行い、外側電極体上にNi−Co合金
を析出させた。
メッキ終了後、外側電極体は400℃で3時間加熱して分
解除去した。また内側電極体のAlは硝酸により化学分解
し、薄膜化した白金はピンセットで取り出した。
得られたNi−Co合金製ヘッドの各部位の肉厚を測定した
ところ、フェース部では2.2〜2.6mm、クラウン部では0.
5〜0.7mmであった。
なお、この方法を用いると外側電極体の内表面に金属ま
たは金属基複合材料を析出させることができるので、ス
コアーライン等も同時に形成することが可能となる。
(実施例4) 各電極体片および内側電極体を白金製にした以外は、実
施例1と全く同様にフェース部、クラウン部、ソール部
にそれぞれ対応する3つの電極体片と内側電極体とを用
意した。そしてこれらを第6図に示したようにセット
し、フェース部に対応する電極体片1bとソール部に対応
する電極体片1cとの間に、電極液送給用チューブの開口
部を臨ませて、電極体片1aよりも電極体片1b、1cとに多
く電解液を供給できるようにした。
スルファミン酸クロム0.15M、スルファミン酸ニッケル
0.01M、スルファミン酸第1鉄0.40M、スルファミン酸銅
0.01M、塩化ニオブ0.10M、クエン酸カリウム0.25M、ふ
っ化カリウム0.06Mの濃度で溶解し、pHを4に調整した
スルファミン酸浴中に、上記両電極体を浸漬し、浴温50
℃にて、2.5A/dm2電流密度でステンレス鋼メッキを行っ
た。
メッキ終了後、実施例1と全く同様にして各電極体を除
去した。
得られたステンレス鋼製ヘッドの各部位の肉厚を測定し
たところ、フェース部とソール部では1.7〜3.0mm、クラ
ウン部では0.5〜0.8mmであった。
この方法によると、各電極体片へ印加する電流密度を変
化させる必要がないので、実施例1に比較して電気系が
単純となるという利点がある。
(実施例5) 上記実施例4で用いたスルファミン酸浴中で実施例2と
全く同様に電解析出を行い、引っ張り試験用のサンプル
を製造した。
このようにして得られたサンプルを、このサンプルと同
組成品であるSUS630の鋳造品と共に引っ張り試験を行
い、特性評価を行った。この結果を第2表に示した。
上記結果から電解析出法によって製造された板材は、高
強度で硬度の十分な、ゴルフクラブヘッドに好適な材質
であることが確認できた。
(実施例6) 実施例4で得られたヘッドと鋳造法による従来のステン
レス鋼製ヘッドの各部位での肉厚分布を調べた。
各ヘッドの切断は、フェース面の中央にて垂直になるよ
うに行った。
実施例4のヘッドの肉厚分布を第7図に、従来法による
鋳造ヘッドの肉厚分布を第8図にそれぞれ示した。
第7図および第8図から、この発明の製造方法によれ
ば、従来の鋳造ヘッドに比べて薄肉構造となることが確
認できた。
(試験1) 実施例4にて得られたステンレス鋼製ヘッドを加工し、
ドライバーとした。
このドライバーをゴルフロボットに取り付けて打球し、
飛距離を測定した。ボールは市販ツーピースボールを使
用し、ヘッドスピードは40m/秒とした。打球数は10個で
ある。
比較のため、ステンレス鋼の鋳造法によって得られたヘ
ッドを同一のシャフトに装着したドライバーについても
同一の条件で打球し、その飛距離を測定した。
結果を第3表に示す。
上記結果より、本発明の電解析出法によるヘッドを用い
たクラブは従来品に比べ、キャリーおよびキャリー+ラ
ン共に上回っていることが分かる。これはクラウン部が
薄く、打球時にたわむことによるメタルウッドの特性が
十分に発揮されたためと考えられる。
(試験2) 上記試験例1で製造した本発明のヘッドを用いたドライ
バーと、従来の鋳造ヘッドを用いたドライバーとを使用
してアマチュアのゴルファーがゴルフボールをそれぞれ
10球ずつ打ち、その飛距離Xの平均値と、フェアウェイ
の中心線からの距離Yの平均値とを測定した。
結果を第4表に示した。
上記結果より、本発明の電解析出法によるヘッドを用い
たクラブは飛距離の増加のみならず、Y値が小さく、方
向安定性が良好であることが分かる。
これは電解析出法により製造したヘッドが薄肉構造であ
るために、ヘッド外容積が150ccの従来品に比較して170
ccと大きく、スイートスポットを広くできるためと考え
られる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明のゴルフクラブヘッド
は、構造欠陥が生じることの少ない電解析出法によって
得られたものであるので、その肉厚を十分に薄くした薄
肉構造とすることができ、しかもその厚さを高精度とす
ることができる。このため、飛距離が増大し、打球の方
向安定性も高くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は、いずれもこの発明の製法におけ
る外側電極体と内側電極体との組み合わせ状態を示す概
略断面図、 第7図は本発明の製法によって得られたヘッドの肉厚を
示す概略断面図、 第8図は鍛造法によって得られた従来のヘッドの肉厚を
示す概略断面図である。 1……外側電極体、 1a,1b,1c……電極体片、 2……外側電極体の電極面、 3……内側電極体、 4……内側電極体の電極面、 6……間隙、 9……電解液送給チューブ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属中に非金属微粒子を分散させてなる金
    属基複合材料または金属を電解析出させてなる中空状外
    殻を有し、部位によって中空状外殻の肉厚が異なること
    を特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 【請求項2】クラブヘッドと類似の形状を有する外側電
    極体と内側電極体とを用い、外側電極体の内部に内側電
    極体を間隔を介して配し、 この間隔に電解液を満たして電解し、 外側電極体または内側電極体に、金属中に非金属微粒子
    を分散させてなる金属基複合材料または金属を電解析出
    させて中空状のヘッド外殻を形成するゴルフクラブヘッ
    ドの製法。
  3. 【請求項3】外側電極体が、クラブヘッドの外形の形状
    を転写したネガ形状の電極面を有し、この電極面に金属
    基複合材料または金属を電解析出させる請求項2記載の
    ゴルフクラブヘッドの製法。
  4. 【請求項4】内側電極体が、クラブヘッドの外殻の外周
    形状よりもその肉厚分だけ小さい相似の形状の電極面を
    有し、この電極面に金属基複合材料または金属を電解析
    出させる請求項2記載のゴルフクラブヘッドの製法。
  5. 【請求項5】外側電極体もしくは内側電極体のどちらか
    一方を複数個の電極体片に分割し、これら各電極体片に
    印加する電流密度をそれぞれ異ならしめて、電極体片に
    分割されない外側電極体または内側電極体の電極面に金
    属基複合材料または金属を電解析出させて、部位によっ
    て肉厚の異なる中空状のヘッド外殻を形成する請求項3
    または請求項4記載のゴルフクラブヘッドの製法。
  6. 【請求項6】外側電極体と内側電極体との間隔を部位に
    より異ならしめて、外側電極体または内側電極体の電極
    面に金属基複合材料または金属を電解析出させて、部位
    によって肉厚の異なる中空状のヘッド外殻を形成する請
    求項3または請求項4記載のゴルフクラブヘッドの製
    法。
  7. 【請求項7】外側電極体と内側電極体との間隙に満たさ
    れる電解液の流量を異ならしめて、外側電極体または内
    側電極体の電極面に金属基複合材料または金属を電解析
    出させて、部位によって肉厚の異なる中空状のヘッド外
    殻を形成する請求項3または請求項4記載のゴルフクラ
    ブヘッドの製法。
  8. 【請求項8】外側電極体もしくは内側電極体のどちらか
    一方を複数個の電極体片に分割し、これら各電極体片に
    印加する電流密度をそれぞれ異ならしめるとともに、間
    隔が部位によって異ならしめられた外側電極体と内側電
    極体との間に満たされる電解液の流量を異ならしめ、外
    側電極体または内側電極体の電極面に金属基複合材料ま
    たは金属を電解析出させて、部位によって肉厚の異なる
    中空状のヘッド外殻を形成する請求項3または請求項4
    記載のゴルフクラブヘッドの製法。
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