JP5527248B2 - ショートアーク型放電ランプ - Google Patents

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Description

この発明は、ショートアーク型放電ランプに関するものであり、特に、電極本体の密閉空間に伝熱体が封入された電極を有するショートアーク型放電ランプに係わるものである。
従来、半導体基板、液晶ディスプレイ用の液晶基板、プリント基板などを露光する露光装置の紫外線照射光源として用いられるショートアーク型放電ランプにおいては、その大出力化が進んでいる。この大出力化により定格消費電力が大きくなると、ランプに流れる電流値は通常大きくなり、これにより電極は電子衝突を受ける量が大きくなって、容易に昇温して溶融してしまうという問題が生じる。
また、電極を構成する材料、例えばタングステンが蒸発して発光管の内表面に付着して黒化してしまい、ランプとしての放射能力が低下するという問題も生じている。
このような電極材料の溶融、蒸発といった問題を解決すべく、例えば、特開2004−6246号公報(特許文献1)に開示されるような電極構造をもったショートアーク型放電ランプが提案されている。
このショートアーク型放電ランプにおいては、電極本体に形成した密閉内部空間に、電極材料よりも熱伝達率が高く、ランプ点灯時に溶融する伝熱体が封入された電極を用いるものである。
この従来技術を図3、4に基づいて説明すると以下の通りである。
図3において、発光管2内に対向配置された一対の電極3、4を有するショートアーク型放電ランプ1が示されており、その電極のうちの少なくとも一方の電極(この例では陽極)4の電極本体5は、図4に示されるように、本体部材6と蓋部材7とからなり、その内部には密閉空間8が形成されている。
そして、該密閉空間8には、電極4を構成する材料、例えばタングステンよりも熱伝導率が高く、ランプ点灯時に溶融する材料、例えば、金、銀などからなる電熱体Mが封入されている。また、前記密閉空間8には不活性ガスが充填されている。
前記伝熱体Mは、ランプ点灯時に溶融して、密閉空間8内で対流し、電極本体5の先端の熱を該電極本体5の後端側に伝達することによって、電極本体5の軸方向での温度勾配を減少し、その結果、先端の温度を下げることができるものであって、これにより、電極先端の溶融や蒸発を抑えることができるという効果を奏するものである。
しかしながら、このような電極を用いたランプを長時間点灯させると、電極内壁の先端付近の一部に、大きな変形を生じる場合があることが経験的に分かってきた。
この変形がさらに進むと、最終的には電極先端部付近に穴が開き、電極内の伝熱物質が漏洩する。漏洩した伝熱体はランプ内に封入された水銀などと反応し、ランプ照度を著しく低下させる。さらに、ランプ内圧が前述の伝熱体蒸気圧により上昇し、ランプが破裂に至る場合もある。前述した電極先端の変形は、経験的に内部に密閉空間を有する電極構造に特有の現象である。
このような電極先端付近の変形は、高温下での永久変形であり、クリープ変形の一種に分類されると考えられる。つまり、変形場所付近にはランプ点灯時に周囲よりも大きな応力が継続的に作用していると考えられる。応力の原因となる荷重は、ランプ点灯時の(1)電極の内壁に作用する伝熱体と不活性ガスの蒸気圧、(2)電極外部、特に電極先端の動作温度と容器内面との温度差であると推測される。特に、点灯時のアークプラズマに接触する部位である電極先端付近は、動作温度が2000℃以上となり、熱応力に起因する変形、破壊が発生しやすい。
電極先端における変形は、電極先端近傍の内面から外面に向かい、すり鉢状の穴を形成させる。この変形が進行、拡大すると、前述したように電極先端に穴が開き、伝熱体の漏洩およびランプ破裂を発生させる。穴が生成するメカニズムは以下のように説明される。
図5は、電極先端に温度分布が発生している状態と、この温度分布に起因する応力の模式図を示す。(A)は、電極5の部分図、(B)は(A)のX部の拡大断面図、(C)はX部の拡大下面図である。図5(B)は電極の軸方向に温度勾配がある場合を示し、図5(C)は径方向に温度勾配がある場合を示している。
熱応力は、熱膨張に起因する変形を妨げる向きに作用する。したがって、(B)に示すように、電極先端の外面から内面にかけて、即ち、軸方向に温度差がある場合、温度が低い電極内面側には径方向に引張り方向の応力が、温度が高い外面側には圧縮方向の応力が作用する。
また、(C)に示すように、電極の径方向に温度差が生じる場合、高温部である中心部には電極の周方向に圧縮応力、低温部である外環部には同方向に引張り応力が作用する。
実際の電極においては、これらの応力が合成され、内面に引張り応力が生じ、前述したような変形が発生していると考えられる。また、実際の電極外部の温度を測定すると、伝熱物質Mの流れに伴うと推測される温度変化が発生しており、動作温度は周期的に変動している。したがって、電極材料には繰り返し熱負荷が作用しており、電極材料に疲労を発生させ、材料強度を低下させている可能性も考えられる。
前述した陽極中の伝熱体Mは、ランプ点灯時に液体となっており、液体中の温度分布に起因する浮力と重力を支配因子とする対流が発生している。一般に、伝熱体M中においては、容器底部が高温、上部が低温であるため、底部から上側に移動する高温の伝熱体塊と、下降する低温の伝熱体塊が存在する。低温の伝熱体塊が高速で下降し、電極内部先端付近まで達すると、この付近の熱がこの伝熱体塊に伝わり、陽極内部と陽極外部の温度差が大きくなる。この温度差が大きいほど電極先端付近の熱応力が大きくなり、前述したクリープ変形が短時間に大きく発生しやすい。
特開2004−6246号公報
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、電極の密閉空間に伝熱体が封入されてなるショートアーク型放電ランプにおいて、ランプ点灯時に溶融した伝熱体が対流するときに、低温の伝熱体塊と電極内面のうち、最も高温となっている先端部付近が直接接することがなく、長時間点灯しても、電極先端が変形しにくく、電極先端で穴が開くことのないようにして、伝熱体が漏洩しないようにした構造を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明では、伝熱体を封入した電極の密閉空間の底面に、前記伝熱体よりも融点が高く、さらに、伝熱体よりも密度の大きい物質から構成される板状断片からなる緩衝体が敷設されていることを特徴とする。
また、前記緩衝体がタングステン、モリブデン、タンタルのうちの1種類以上からなることを特徴とする。
本発明によれば、電極の密閉空間内の底面に板状断片からなる緩衝体を敷設したから、点灯時に溶融した溶融伝熱体の前記密閉空間内での対流により、低温の伝熱体塊が、電極内面のうち最も高温となっている前記底面付近に直接接することを防止でき、その部分でのクリープ変形を抑制して、電極先端で穴が開いてしまうようなことがない。
本発明に係るショートアーク型放電ランプの電極の断面図。 図1の電極の密閉空間底面の斜視図。 従来のショートアーク型放電ランプ。 従来の電極の断面図。 電極の温度分布と応力の説明図。
図1に示すように、電極4を構成する電極本体5の密閉空間8には伝熱体Mと共に緩衝体10が封入されている。
緩衝体10は例えば図2に示すように、板状断片であり、前記伝熱体よりも融点が高く、ランプ点灯中に伝熱体と合金を作ることなく、さらに、伝熱体よりも密度の大きい物質、例えばタングステン、モリブデン、タンタルなどの高融点金属から構成される。
そして、該板状の緩衝体10は、電極4の密閉空間8内の底面に敷き詰められるように敷設されている。なお、緩衝体10は必ずしも決まった形状に限定されるものではなく、寸法にある程度の差異を有する板状の緩衝体を複数組み合わせて封入するようにしても良い。
なお、その他の構成は図4に示すものと同様である。
ランプ点灯中、電極本体5の密閉空間8内で、溶融した伝熱体Mは温度差に起因する浮力と重力により対流が生じる。電極本体下部(先端)の温度はより熱源に近く、上部と比較してより高温になるため、密閉空間8内で下降する流れを形成する伝熱体Mの塊はそれよりも低い温度になる。
本発明に係る電極によれば、緩衝体10が電極本体5の密閉空間8の底面に敷設されているので、この低温の伝熱体塊が電極の底部内面に直接接触することを防ぐことができる。しかも緩衝体10は、板状の部材からなるので、伝熱体Mの対流の流れが妨げられることがない。このため、陽極4先端から伝熱体Mへの熱伝達が損なわれることなしに、電極本体5内部を保護することができる。
本発明の効果を実証するために、以下の仕様のショートアーク型放電ランプを作製して、下記要領の実験を行った。
ランプの仕様は以下の通り。
(実験例1)
材料:石英ガラス
内容積:550cm
電極間距離:6mm
封入物:水銀2.0mg/cc、アルゴン100kPa
<陽極>
材料:タングステン
胴部(容器部材)の外径:25mm
電極本体容積:6cm
胴部厚さ:5.5mm
伝熱体:銀4.7cm
封入ガス:アルゴン100kPa
<陰極>
材料:酸化トリウム含有タングステン(トリエーテッドタングステン)
酸化トリウム含有量:2重量%
<定格>
定格電流:150A
定格電力:5kW
実験時の変動因子として、陽極内部に(1)銀のみを挿入した従来の場合、(2)緩衝体(a)を挿入した場合、(3)緩衝体(b)を挿入した場合、の各々について、各条件のランプを5本ずつ、計15本を製作した。
<緩衝体>
緩衝体(a)
材料:タングステン
寸法:厚さ200μm、最大長さ7mm、最少長さ5mm、4枚
緩衝体(b)
材料:タングステン
寸法:厚さ500μm、最大長さ7mm、最少長さ5mm、4枚

上記の3種類、計15本のショートアーク型放電ランプについて、陽極を上方とした垂直点灯で1000時間の点灯を行い、陽極先端が変形し、伝熱体が漏洩するかを調べた。
さらに、点灯評価後、陽極をその中心軸を通る断面で切断し、その先端中央部の厚さをデプスバーにより測定した。
表1は、上記実験結果として、評価後の陽極先端部の厚さの平均値(N=5)と初期厚さに対する変動比を示す。
<表1>
Figure 0005527248
この結果、本実験の条件下では陽極先端からの伝熱体漏洩は発生しなかった。
また、評価後の陽極先端部の厚さを調べたところ、銀のみを封入した場合(1)と比較して、緩衝体を使用した場合(2)(3)に厚さの減少が明らかに小さくなった。
以上の結果より、電極の密閉空間内に伝熱体を封入した電極を有するショートアーク型放電ランプにおいて、前記電極の密閉空間の底面に板状の緩衝体を敷設した場合、点灯時に電極先端の変形が抑制され、電極先端が大きく変形することに起因する伝熱体の漏洩を防止することができると判明した。
また、今回は緩衝体がタングステンでのみでの実験を行ったが、モリブデンやタンタルなどの金属も要件を満たしているので同様に使用可能である。
以上のように、本発明によれば、電極本体の密閉空間に伝熱体を封入した電極を有するショートアーク型放電ランプにおいて、前記電極の密閉空間の底面に板状断片からなる緩衝体を敷設したので、溶融伝熱体が対流したとき、該溶融伝熱体における低温の伝熱体塊が電極の密閉空間の底面に直接接触することを防ぐことができ、電極先端がクリープ変形して穴が開いて伝熱体が漏洩するといった不測の事態が回避される。
1 ショートアーク型放電ランプ
2 発光管
3、4 電極
5 電極本体
6 容器部材
7 蓋部材
8 密閉空間
10 緩衝体(板状断片)
M 伝熱体


Claims (2)

  1. 発光管の内部に一対の電極を有し、少なくとも一方の電極の密閉空間に伝熱体が封入されてなるショートアーク型放電ランプにおいて、
    前記密閉空間の底面には、前記伝熱体よりも融点が高く、さらに、伝熱体よりも密度の大きい物質から構成される板状断片からなる緩衝体が敷設されていることを特徴とするショートアーク型放電ランプ。
  2. 前記緩衝体はタングステンよりなることを特徴とする請求項1のショートアーク型放電ランプ。


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