JP2015069912A - 高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】高い発光効率を維持するとともにさらにランプ寿命を延長できる高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供する。【解決手段】この高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプは、少なくとも水銀及び金属ハロゲン化物が封入された発光管を備え、前記発光管は、太管部及び該太管部の両端に形成された一対の細管部を有し、前記細管部の内径L6に対する金属コイル棒の外径L14は、0.96≰L14/L6≰0.98の範囲にあり、前記細管部と前記電流導入体の間は、封止領域と非封止領域に分けられ、非封止部領域の空隙GAは、5.0mm3≰GA≰17.5mm3、導電性サーメット棒の外径は1.7mmからL6の0.87倍の範囲にある。【選択図】図2B
Description
本発明は、高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプに関する。更に具体的には、発光管内の細管部に侵入する金属ハロゲン化物による電流導入体の断線を減少させ、長いランプ寿命を実現した高ワットタイプのメタルハライドランプに関する。なお「高ワットタイプ」とは一般に定格ランプ電力が450W以上のランプを称し、低ワット及び中ワットタイプと称される定格ランプ電力400W以下のランプと区別している。本明細書においてもこのクラス分けに準じる。
高輝度放電ランプ(HIDランプ)は、電極間の放電を利用して発光するため、白熱電球と比べて、光束が大きく大規模な空間の照明に適し、エネルギー効率が良いといった種々の特徴を備えている。HIDランプにおいて、発光物質として水銀に加えて金属ハロゲン化物を採用したメタルハライドランプは、水銀ランプに比較して自然光に近く優れた演色性と、高い発光効率とを有している。
従来、メタルハライドランプの発光管として石英製発光管が使用されていた。最近では、これに代わって透光性セラミックス製発光管が使用されている。透光性セラミックス製発光管は、石英製発光管に比較して、耐熱性が良好であるため長寿命化が図れ、更に、発光管内に封入された金属ハロゲン化物との反応がすくないため、種々の金属ハロゲン化物を使用できる長所を有している。
特許文献1は、150Wを超える定格電力を有するセラミックメタルハライドランプを対象としている。そこでは定格電力400Wのランプが実施例として記載されている。このようなセラミックメタルハライドランプでは、大きな電極電流が必要となるため大きな寸法の電極が要求され、結果として発光管細管部の内径がより大きくなって、電極の破損又は細管部の亀裂などの初期不良のリスクが増加するという課題があり、解決手段として導電性サーメット棒による封止部分と電極部との間に電極心棒より太い金属部分を設け、導電性サーメット棒の外径を前記金属部分の径と同じにするという技術が開示されている。特許文献2は、ガラスフリットによる封止部において、電流供給体の外径と発光管細管部外径及び内径の関係を規定することにより、ランプ製造工程で発光管細管部からクラックが生じることを防止するためにフリットの封止厚さを規定する技術を開示している。特許文献3は、450W以上のセラミックハライドランプを対象にする。問題点として、アークが不安定によるちらつきを挙げている(段落0010)。これを解決するため、本管の内径D(mm)、電極突出長L(mm)、電極間距離E(mm)の関係を、G=W/(3.14×D×E×0.01)で表される管壁負荷G(ワット/cm3)が15≦G≦の範囲であるとともに、0.32≦L/D≦0.003×W+0.465と規定している(クレーム1)。
従来、セラミックメタルハライドランプは、35〜150Wクラスの低ワットランプ及び150〜400Wクラスの中ワットランプが主流であった。このような状況の中で、発明者等は、更に光束が大きく大規模な空間の照明に適した450W以上の高ワットのランプの開発を目指している。
高ワットセラミックメタルハライドランプにおいても、低ワットランプおよび中ワットランプと同様に、ランプ寿命2万時間を越える仕様が要求されており、発明者等も目標定格寿命を2万時間として開発を進めていた。定格寿命とは、不慮の原因で早期に不点となるランプや暗くなってしまうランプを含めて、点灯本数の半数が正常な点灯状態(例えば定格光束の70%以上の明るさを保持している)から外れてしまうまでの時間として定義されている。
発明者等はランプの定格寿命を超えて限界寿命を確認するためにライフテストを継続していたが、発明者等は不点となったランプの中に、電極マウントの中間が切断されたために不点となったランプが複数あることに気づいた。この種の不良は、従来の低及び中ワットのランプでは見られなかった現象である。
そこで本発明の目的は、電極マウント中間部すなわち電流導入体切断の原因を突きとめこれを解決して、定格ランプ寿命をさらに延長できる高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することである。
上記目的に鑑みて、本発明に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプは、高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプであって、少なくとも水銀及び金属ハロゲン化物が封入された発光管を備え、前記発光管は、太管部及び該太管部の両端に形成された一対の細管部を有し、各々の該細管部の内部には電極マウントが通されており、前記電極マウントはタングステン心棒の端部にタングステンコイルが巻き付けられた電極部と、その電極部に接続された電流導入体とその電流導入体に接続された外部リードからなり、前記電流導入体は金属コイル棒または金属棒(電極部側)と導電性サーメット棒(外部リード側)とを突合せ溶接して形成され、前記細管部の内径L6に対する前記金属コイル棒または金属棒の外径L14は、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲にあり、前記細管部と前記電流導入体の間は、封止領域と非封止領域に分けられ、非封止部領域の空隙GAは、5.0mm3≦GA≦17.5mm3の範囲にあり、前記導電性サーメット棒の外径は少なくとも1.7mmであり且つ前記封止領域における前記導電性サーメット棒は前記細管部内径の0.87倍以下の外径を有する。
更に、上記高ワットタイプのメタルハライドランプでは、前記メタルハライドランプは、定格ランプ電力が450〜1000Wの範囲にあってよい。
更に、上記高ワットタイプのメタルハライドランプでは、前記金属コイル棒または金属棒は、金属製の無垢棒であってよいが、より好ましくは金属製の棒状体の周囲に金属製コイルが巻き付けられたコイル棒であってよい。
更に、上記高ワットタイプのメタルハライドランプでは、前記細管部の内径は、2〜3mmの範囲であってよい。
更に好ましくは、上記高ワットタイプのメタルハライドランプでは、前記外部リードとしてニオブ(Nb)ワイヤを使用した電極マウントを使用する。
本発明によれば、高い発光効率を維持するとともにさらに定格寿命を延長できる高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプを提供することができる。
以下、本発明に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの実施形態に付いて、添附の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同じ要素に対しては同じ符号を付与して、重複した説明を省略する。なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であって、本発明の範囲を何等限定するものではないことを承知されたい。
[高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプ]
図1は、本実施形態に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの構造を説明する図である。高ワットタイプとは、500〜1000Wクラスのランプであり、代表的には700Wクラスのランプである。ランプ10は、外球2の内部に、発光部となる発光管6を内封し、発光管6の周囲を内管(「スリーブ」ともいう。)8が取り囲んでいる。外球2の端部には、E形口金12が接合されている。発光管6は、金属の線材や板を組み合わせた構造物に内管8を取り付けたマウント14により、所定の位置に支持され、給電される。
図1は、本実施形態に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの構造を説明する図である。高ワットタイプとは、500〜1000Wクラスのランプであり、代表的には700Wクラスのランプである。ランプ10は、外球2の内部に、発光部となる発光管6を内封し、発光管6の周囲を内管(「スリーブ」ともいう。)8が取り囲んでいる。外球2の端部には、E形口金12が接合されている。発光管6は、金属の線材や板を組み合わせた構造物に内管8を取り付けたマウント14により、所定の位置に支持され、給電される。
これらの各要素について簡単に説明する。発光管6に関しては、後で、図2から図4に関連して詳しく説明する。
マウント14は、一対の導入線が気密封着されたステム管16と、概して逆U字形に整形された支柱18とを主要部品として構成されている。
内管8は、透明石英ガラス管から成り、発光管6が破裂したときに外球2の損傷を防止するために発光管の周囲を囲むように配設されている。内管8には、その機械的強度を補強するため、周囲にワイヤ20が螺旋状に巻かれている。
外球2は、例えば、ホウケイ酸ガラス等の透光性の硬質ガラスからなる。外球2は、最大口径の中央部2a、図で見て上部側の閉塞されたトップ部2b及び下部側のネック部2cを有するBT形をなしている。ネック部2cには、ステム管16のフレア部が封止された封止部(図示せず。)がある。封止後、ステム管16に設けられた排気管(図示せず。)を通じて外球内は排気され、アルゴン(Ar),窒素(N2)等の不活性ガスが封入され、或いは真空雰囲気となっている。
この封止部を覆って、ねじ込み形口金12が、耐熱性の接着剤を用いて接合され、或いはモールドにより形成された螺旋状のねじ溝に螺合されている。
図1に示すランプは、口金12をソケット(図示せず。)に装着して、電源から所定の点灯回路装置(図示せず。)を介して通電され、発光管6の内部にある主電極間の放電により安定した点灯が持続される。
[発光管]
(発光管の構造)
図2A及び図2Bは、発光管6の詳細を説明する図であり、ここで、図2Aは、発光管全体を説明する図であり、図2Bは、図2Aにおいて破線の矩形で囲んだ細管部6bの拡大図である。図2Aに示すように、発光管6は、中央の回転楕円形状の太管部(「発光部」ともいう。)6a及び両端の細管部(「キャピラリー」ともいう。)6b,6cが一体に形成された透光性セラミックス製の容器である。尚、発光管6の形状は、これに限られず、円筒形状等の太管部6aの両端に、太管部とは別の部材から成る細管部6b,6cを夫々形成したものでもよい。
(発光管の構造)
図2A及び図2Bは、発光管6の詳細を説明する図であり、ここで、図2Aは、発光管全体を説明する図であり、図2Bは、図2Aにおいて破線の矩形で囲んだ細管部6bの拡大図である。図2Aに示すように、発光管6は、中央の回転楕円形状の太管部(「発光部」ともいう。)6a及び両端の細管部(「キャピラリー」ともいう。)6b,6cが一体に形成された透光性セラミックス製の容器である。尚、発光管6の形状は、これに限られず、円筒形状等の太管部6aの両端に、太管部とは別の部材から成る細管部6b,6cを夫々形成したものでもよい。
左右の細管部6b、6cは同じ構造であり、これら細管部を、1対の電極マウント22−1,22−2が夫々通って太管部6aの領域まで延びて、1対のタングステン(W)製の主電極24−1,24−2を形成している。太管部6aの容器内には、発光及び放電媒体として、例えば、最大100mg(好ましくは、約85mg)の水銀と、最大12mg(好ましくは、約7mg)の希土類金属ハロゲン化物を含む金属ハロゲン化物と、希ガスとして所定圧力のアルゴン(Ar)等とが封入され、発光効率、演色性,色温度等の特性の向上が図られている。
図2Bに示すように、太管部6aに繋がる細管部6bの先端から、発光管の軸線に沿って、電極マウント22−1が挿入され、これが導電性サーメット棒(モリブデンとアルミナの合金)26に繋がり、更に金属コイル棒30に繋がり、その先にタングステン電極棒24−1が形成されている。導電性サーメット棒と金属コイル棒30とはあらかじめ突合せ溶接され、この状態の部材を本明細書では電流導入体という。この電流導入体については後で詳しく説明する。
金属コイル棒30は、代表的には、芯棒となるモリブデン製の棒状体30−1の周囲にモリブデン製コイル30−2が巻き付けられて形成されている。しかし、これに限定されない。例えば、金属コイル棒30は、タングステン(W)若しくはその他の金属又はモリブデン、タングステン、その他の金属の組み合わせ又は合金から形成してもよい。細管部6bの内部の先端部分は、ガラスフリット(シール材)28によって封止され、更に電極マウント22−1に固定されたニオブ(Nb)製ストッパ部材32を介して、リング部材34により補強されている。リング部材34は例えばアルミナセラミックス製であってよい。
ランプ製造時には、このモリブデンコイル棒30を細管部6bに挿入し、細管部端部にガラスフリット28、ニオブ製ストッパ部材32及びリング部材34を載せる。この状態で、細管部端部の周囲をヒータ(図示せず。)で加熱してガラスフリットを溶融する。溶融したガラスフリットは、細管部の内部に毛細管現象により浸透して固化し、発光管6の内部を外部から封止する。細管部6cも細管部6bと同様の構造である。
(発光効率低下の原因と対策)
図3は、図2BのIII−III(IIIはローマ数字の3)方向断面図である。なお、図面の参照符号に関しては、適時、図4Aを参照されたい。細管部6bの内部にモリブデンコイル棒30が挿入されている。モリブデンコイル棒30を形成するモリブデン棒状体30−1の周囲にモリブデンコイル30−2がある。
図3は、図2BのIII−III(IIIはローマ数字の3)方向断面図である。なお、図面の参照符号に関しては、適時、図4Aを参照されたい。細管部6bの内部にモリブデンコイル棒30が挿入されている。モリブデンコイル棒30を形成するモリブデン棒状体30−1の周囲にモリブデンコイル30−2がある。
金属ハロゲン化物は、発光管製作時には固体状態(粉末,ペレット等)で太管部6aの内部に封入される。ランプ点灯中、発光管の内部は高温・高圧状態になるため、金属ハロゲン化物は液体と気体の混合状態となる。低及び中ワットタイプのメタルハライドランプでは、気化された金属ハロゲン化物が、僅かではあるが細管部先端に向かって細管部内部の空隙に浸透し、比較的低温のモリブデンコイル棒30付近に液化されて集積する傾向がある。この液化された金属ハロゲン化物が、細管部6b,6cを形成する多結晶アルミナを浸食する。
この対策として、発光管の細管部6bとモリブデンコイル棒30との隙間は、断面で見て、即ち二次元的に非常に小さくし、細管部内部の隙間は非常に狭い状態にしてある。更に、モリブデンコイル棒30は、太管部の熱の伝達を減少し、且つ金属ハロゲン化物の侵入を阻止するため、棒状体30−1の周囲にコイル30−2を巻き付けた構造を採用している。
従来の低及び中ワットのランプでは、一般に、細管部の内径L6に対してモリブデンコイル棒30の外径L14は、L14/L6=0.90〜0.95としていた。L14/L6の比を小さくして細管部内部の隙間を大きくすると、製造時に細管部にモリブデンコイル棒30を挿入しやすい等の利点がある反面、金属ハロゲン化物の侵入を招きやすい。反対に、L14/L6の比を大きくして細管部内部の隙間を小さくすると、ランプ点灯時に太管部からの熱で加熱され熱膨張したモリブデンコイル棒30が細管部6bの内壁に接触し、これを損傷する。例えば、低及び中ワットのランプでは、内径L6=1.28mmの細管部の中に、外径1.2mmのモリブデンコイル棒を挿入している。L14/L6=0.938である。
高ワットタイプのランプの設計では、発光管6に流す電流が大きくなるため主電極24の先端部径を太くする必要があり、これを挿入する細管部6b,6cの内部空間も太くしなければならない。当初、必要とする電流容量から主電極24の先端部の太さを決定し、前記先端部径に対応させてモリブデンコイル棒外径L14を決定し、低及び中ワットのランプと同じL14/L6の比から細管部の内径L6を定めていた。
しかし、前述した通り、高ワットのセラミックメタルハライドランプでは、何らかの原因により発光効率が低下する現象が発生した。この発光効率の低下は、従来の低及び中ワットのランプでは見られなかった現象である。高ワットタイプのメタルハライドランプに関しては、低及び中ワットのランプと同じL14/L6の比では、細管部内部の空隙に金属ハロゲン化物が侵入し、発光効率を大きく低下させることが疑われた。
そこで、発明者等は、金属ハロゲン化物が細管部内部の空隙に浸透するのを防止するため、次の2つの方策を講じた。
第1の方策として、二次元的に図3に示す細管部断面で見て、細管部内径に対してモリブデンコイル棒30の外径を出来るだけ大きくして、隙間を狭くして、金属ハロゲン化物の侵入を阻止する。
そのため、細管部の内径L6に対するモリブデンコイル棒30の外径L14を、少なくとも低及び中ワットのランプにおけるL14/L6=0.90〜0.95を超える0.96以上とした。ランプ点灯時のモリブデンコイル棒30の熱膨張を考慮すると、0.98以下であることが必要である。従って、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲とした。
第2の方策として、三次元的に細管部内部の空隙(細管部内部の空間からモリブデンコイル棒が占める空間を除いた残余の空間)を小さくし、添加物の侵入に供される空間を減少する。
細管部6bは、太管部6aとの境界CBから端部6beまでの部分である。細管部6bと太管部6aとの境界CBは、太管部に向かって細管部の内部口径が拡がり始める箇所である。細管部6b、6cの内径は、2〜3mmの範囲内にある。ここで、細管部6bの内部空間を細管部内部空間CAとし、細管部内部空間CAの内、固化したガラスフリット28が占める空間を封止部領域SAとし、残余の空間を非封止部領域NSAとする。CA=SA+NSAの関係にある。更に、非封止部領域NSAの内、モリブデンコイル棒30が占める空間をモリブデンコイル棒領域MAとし、残余の空間を細管部内部の空隙GAとする。NSA=MA+GAの関係にある。
高ワットタイプのランプに関し、第1の方策である0.96≦L14/L6≦0.98の範囲内で、細管部内部の空隙GAを変えた発光管を試作して、細管部内部の空隙GAと発光効率ηの関係を調査した。発光効率ηは、光源の効率を表し、単位電力当たりの全光束(ルーメン毎ワットlm/W)である。表1はその実験データであり、図6はこれを図示したグラフである。
図6に示すように、非封止部領域の空隙GAが17.5mm3付近までは発光効率は100(lm/W)以上を維持するが、これを超えると発光効率ηは急激に低下して、空隙GAが25.0mm3付近になると50〜60(lm/W)と約半分に低下した。
この結果より、発光効率が急激に低下した原因の1つは、高ワットタイプのランプでは、細管部内部の間隙GAが大きく、この間隙GAに金属ハロゲン化物が侵入し易くなって、発光効率に大きく影響することが判明した。即ち、本発明者等は、当初、低及び中ワットのランプと同じL14/L6の比のモリブデンコイル棒を採用すれば、金属ハロゲン化物の細管部内部への浸透は防止できると予想していた。しかし、高ワットタイプのランプでは、この予想を超えて、金属ハロゲン化物が侵入して発光効率を低下させることが判明した。
間隙GAに金属ハロゲン化物が入り込むと、太管部内の発光に寄与する金属ハロゲン化物の量が減少して光束が低下する。更に、太管部内の発光物質の割合が水銀リッチの状態となりアーク温度が上昇して、発光管6を形成するアルミナの温度を一層上昇させる。その結果、発光管6を形成するアルミナの還元により発光管6の周囲を取り囲む内管8を黒化して、ランプ照度が低下する。
これに対して、金属ハロゲン化物が間隙GAに侵入しても太管部内に発光に十分な金属ハロゲン化物が残るように、予め発光管の金属ハロゲン化物を増量することも試みた。しかし、金属ハロゲン化物の増量は、放電時のアーク不安定を招き、ちらつきが発生する結果となった。
図6に示す結果より、100[lm/W]以上の高い発光効率ηを維持するためには、非封止部領域の空隙GAの上限値は17.5mm3以下にする必要がある。空隙GAの下限値は、点灯時にモリブデンコイル棒30の熱膨張による細管部6b,6cへの接触を回避し、且つランプ製造上の要請から5.0mm3以上とした。従って、空隙GAを、5.0mm3≦GA≦17.5mm3の範囲とすることとした。
この結果、第1の方策及び第2の方策により、高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプにおいて、発光効率を高く維持することが出来た。
(電流導入体切断の原因と対策)
上記2つの方策により発光効率を高めることに成功した高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプをライフテストにかけたところ、2万時間以上の点灯時間に亘って良好な特性を維持できることを確認した。
上記2つの方策により発光効率を高めることに成功した高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプをライフテストにかけたところ、2万時間以上の点灯時間に亘って良好な特性を維持できることを確認した。
一般にランプの定格寿命とは、不良品が50%を超えるまでの点灯時間を意味している。不良内容はランプ品種ごとにさまざまだが、発光効率が下がって定格発光光束値を下回る、またはランプが不点灯となるなどが主原因となることが多い。
本発明者らはライフテストを進めて不良ランプが発生するごとにその原因を解析した。その結果、不良原因の一つとして電流導電体が切断することによる不点灯が一定数含まれていることが判明した。
図8は、ライフテストに使用したランプの発光管端部形状の説明図である。図2Bに記載された発光管端部形状に対応するものであり、同じ役割を有する部材には図2Bに付した符号の番号に200を加算した番号を付している。図2Bの発光管端部と異なる点は、導電性サーメット棒26の外径が比較的細く、封止部にアルミナセラミック製の嵌挿部材36が挿入されている点である。
ランプ点灯中に流れる通電電流値を考慮すれば、導電性サーメット棒の径は細くても問題ないが、主電極24を挿入する都合上発光管細管部の内径が大きくなっているため、封止部の空隙が大きくなる。そのため封止に必要なフリットが多くなって大量生産時に封止長ばらつきが大きくなる、封止部リークが生じ易くなるなどの問題が生じる。図8に記載された発光管においては、このような問題を避けるために、封止部にアルミナセラミック製の嵌挿部材を挿入することで、封止に必要なフリット量を削減し、同時に導電性サーメット棒外壁面と嵌挿部材内壁面との間、ならびに嵌挿部材外壁面と細管部内壁面との間にあるフリットが充填された封止層の厚さを薄くしている。
しかし、本発明の課題となっている電流導入体の切断は、封止層あるいは固化フリットと細管部などの界面ではなく、電流導入体を構成する導電性サーメット棒と金属コイル棒との突合せ溶接部が破断することによって生じていた。この破断は金属ハロゲン化物によって、モリブデンおよびアルミナが侵食されたことによって生じたものであった。
一般にセラミックメタルハライドランプに使用しているフリットは、アルミナとニオブまたは導電性サーメット(アルミナ+モリブデンかアルミナ+タングステン)とを気密封止するための部材であり、モリブデン金属に封止用フリットが付着しても熱膨張率の差異が大きいために付着面にクラックや剥離が生じて気密封止することはできない。もちろん本明細書に上述したように金属コイル棒と細管部内壁との間にフリットを充填固化して「封止領域」とすれば、空隙が激減するため金属ハロゲン化物が発光管端部側に侵入することを抑制できる。しかし金属コイル棒の部分では気密状態にすることは不可能なので、ライフテスト中にはわずかながらも前記突合せ溶接部に金属ハロゲン化物が侵入し、ゆっくりと溶接部を侵食していったと考えられる。
この種の不良は低及び中ワットのセラミックメタルハライドランプでは生じていなかった。本発明の図8に示す発光管と比較して、低及び中ワットランプでは金属コイル棒外径と細管部内径との比率が小さく、金属ハロゲン化物が金属コイル棒を越えて前記突合せ溶接部に侵入しやすいはずである。しかし、少なくとも2万4千時間のライフテスト内で、低及び中ワットランプでは前記突合せ溶接部の破断という不良は見られなかった。
この違いについては、高ワットランプは発光管発光部から電極を経て電流導入体に伝わる熱量が比較的大きくなるという要因が考えられる。一般にセラミックメタルハライドランプ設計の段階では、金属ハロゲン化物によるフリットの侵食を抑制するために封止領域SAの境界位置ではフリットと金属ハロゲン化物との反応速度が十分遅くなるような温度になるように、細管部長さや封止領域SAの境界位置が決定される。本発明に係る高ワットセラミックメタルハライドランプも、細管部外壁で測定した細管部温度が、従来の低及び中ワットセラミックメタルハライドランプと同等になるような細管部長さに設計されていた。
しかし本発明に係る高ワットセラミックメタルハライドランプでは導電性サーメット棒と金属コイル棒との溶接面における温度が比較的高くなり、そこへ侵入した金属ハロゲン化物との反応速度が比較的速くなったと考えられる。
そこで、発明者等は、電流導入体の切断を防止するため、第3の方策を講じた。すなわち、電流導入体を構成する導電性サーメットと金属コイル棒との突合せ溶接部に注目し、前記金属コイル棒との溶接面における導電性サーメット棒の外径をより大きくする。ただし導電性サーメット棒の径を大きくすると、アルミナセラミック製の嵌挿部材の肉厚が比較的薄くなって製造工程中の取り扱いが難しくなるため、嵌挿部材無しで安定した封止が可能な程度の導電性サーメット棒外径を確保するとともに、ランプ製造中の封止工程において冷却後の発光管細管部割れが生じない程度のフリット層厚さを確保する。
最初にセラミックメタルハライドランプ封止部に関する先行文献に記載されている技術を適用できるか検討した。長時間点灯後の電流導入体突合せ溶接部に金属ハロゲン化物が侵入して電流導入体を切断するという現象及び対策については発見できなかった。サーメットの外径と細管部内径とに言及している文献については背景技術の項で挙げた先行文献のうち、特許文献1および特許文献2が見つかった。
ただし本発明に係る高ワットセラミックメタルハライドランプでは、空隙GAを従来のセラミックメタルハライドランプより小さい範囲で厳格に規定する必要がある。電流導入体の先行技術である特許文献1に開示された技術を本発明が対象とする高ワットセラミックメタルハライドランプに適用しようとすると、導電性サーメット棒の外径を金属線コイル棒の外径とほぼ同じ径まで大きくしなければいけないが、金属線コイル棒の外径が金属線コイル棒の外径とほぼ同じ径であるため、導電性サーメット棒の外径を細管部内径とほぼ同じ径まで大きくしなければならないことになる。このような構造にした場合、特許文献2に記載されているように、発光管封止工程後の冷却時に細管部クラックが発生するという不具合が発生することとなる。また特許文献2には導電性サーメット外径の下限値についてどのように定めれば良いかは記載されていない。そこで発明者等は以下の実験により導電性サーメット棒の外径下限値および上限値を求めた。
高ワットタイプのランプに関し、第1および第2の方策を実施したうえで、導電性サーメット棒の外径を変え、ライフテストを行なった。電流導入体の切断による不点が発生する確率は比較的低いので、各仕様20本の試作を行ない、外部モニターの協力を得て、同時にライフテストを実施した。表2はその実験データであり、図7はこれを図示したグラフである。
表2は、各仕様のランプのうち、電流導入体切断による不点が発生した時点の点灯時間を記載している。ただし比較例1は先行するライフテストのデータであり、実際には他のデータと同時に点灯したものではない。
例えば比較例1の仕様のランプは、2万時間で1本不点が発生し、2万2千時間でもう1本、2万5千時間でさらに1本の不点が発生したということを意味する。つまり3万時間点灯後には電流導入体切断による不良が3本発生し、他のランプは3万時間点灯を続けているか、他の原因で不良となっている。比較例2のランプは3万時間点灯後の電流導入体切断による不良は2本であり、比較例1より少ないが、比較例1と同等の2万1千時間点灯時に同種の不良が1本発生しており、良好なランプ仕様であるとは言えない。さらに比較例2の仕様では細管部内径2.3mmに対して導電性サーメット棒外径1.4mmであり、フリット層の厚さが比較的厚いため、封止部リークによる不良が1本だけ発生した。また、比較例3は製造工程中に発光管細管部にクラックが生じたランプが3本発生したため、実施できる仕様ではないと判断し、ライフテストは行なっていない。なお、導電性サーメット棒の外径が0.95mmである比較例1では3万時間点灯時点で3本の電流導入体切断が発生したのに対し、導電性サーメット棒の外径が1.7mmから2.0mmまでの仕様では切断が発生したランプは1本以下にすぎない。特に導電性サーメット棒の外径が1.8mmである実施例8では3万時間までの点灯で電流導入体切断による不点は1本も無かった。これは導電性サーメット棒の外径が1.8mmである仕様が最適値であることを表すわけではないが、導電性サーメット棒の外径が1.7mmから2.0mmまでの仕様では電流導入体切断が3万時間以内の点灯で発生する確率は20分の1以下であると推測できる。
図7を参照すると電流導入体切断が発生するまでの平均点灯時間は導電性サーメット棒外径が太くなるほど長くなる。しかし導電性サーメット棒外径が最も太い比較例3はライフテスト前に不良が多発した。比較例3の不良は特許文献2に記載されているものと類似の、フリット層が薄すぎたために封止工程冷却時における細管部の歪が大きくなったためと考えられる。比較例3では細管部内径L6に対する導電性サーメット棒外径L15の比は(2.1/2.3)=0.91であり、金属コイル棒の外径(許容範囲は0.96≦L14/L6≦0.98)よりも導電性サーメット棒外径の方が細くなっているが、それでも封止工程で許容できる寸法仕様ではないことが分かった。
これらの結果から、金属コイル棒との溶接面における導電性サーメット棒の外径は少なくとも1.7mmであり且つ前記封止領域における前記導電性サーメット棒は前記細管部内径の0.87倍以下の外径を有する仕様であればランプを長時間点灯した場合の電流導入体切断による不点を激減することが可能となり、ランプ定格寿命をさらに延長することが可能となる。
また、導電性サーメット棒26の長さは、図4Aに示すとおりL20の長さを有し細管部6bの端面より外側に突き出しているが、図4Bに示すように、導電性サーメット棒126の長さがL21のようであり、導電性サーメット棒126の末端が細管部6bの端面より内側でニオブ(Nb)製の外部リード135と接続されていてもよい。
なお、導電性サーメット棒と金属コイル棒との溶接面における金属コイル棒の端面は、軸に垂直な平面となるように切断されている。従って金属コイル棒端面の形状は、図3に記載された断面と同じく、コイル30−2が部分的に切断された面が見えており、導電性サーメット棒の端面全てが接触面になるわけではない。しかし、次の理由で、導電性サーメット棒端面全てを基準として考えても実用的な解が得られるということができる。
図5は、電流導入体を構成する導電性サーメット棒26と金属コイル棒30とを突合せ溶接した状態を示す図である。図5において左側の導電性サーメット棒26はアルミナの粒子とモリブデンの粒子を混合して焼結したものであるが、突合せ溶接時に発生した熱により導電性サーメット棒のほうが主に溶融し、特にアルミナ成分が溶融して突合せ溶接部の周囲に流れていく。そして導電性サーメット棒の溶接側端面付近はアルミナが抜けてモリブデン成分が多くなっており、そのモリブデン成分も多少変形してモリブデンコイルの断面形状に合わせて変形する。このように突合せ溶接部ではモリブデンコイル全周がほとんど導電性サーメットに覆われているとみなすことができる。従って突合せ溶接部の侵食耐性に関しては、電流導入体の電極側部材として金属コイル棒を使用しても、金属無垢棒を使用した場合と同等と考えられる。
(発光管の形状例)
本実施形態に係る発光管の形状例は図2A、図2B、図3、および図4Aに示す形状であり、以下に実施例に用いた発光管の仕様を記載する。発光管6の太管部6aの外径寸法はL1=φ24mm、内径寸法はL2=φ21.8mm、電極間距離(「アーク長」に相当する。)はL3=34mm、両側の細管部6b,6cの端部間距離はL4=107mmである。
本実施形態に係る発光管の形状例は図2A、図2B、図3、および図4Aに示す形状であり、以下に実施例に用いた発光管の仕様を記載する。発光管6の太管部6aの外径寸法はL1=φ24mm、内径寸法はL2=φ21.8mm、電極間距離(「アーク長」に相当する。)はL3=34mm、両側の細管部6b,6cの端部間距離はL4=107mmである。
細管部の外形寸法はL5=φ4.5mm、内径寸法はL6=φ2.3mmである。細管部6b,6cと太管部6aとの境界CBは、太管部に向かう細管部の内径が拡がり始める箇所と規定した。各細管部6b又は6cの軸線方向寸法はL7=21.5mm、細管部の端部内側に溶着して封止領域を形成する各ガラスフリット28の軸線方向寸法はL8=4.5mmである。モリブデンコイル棒30に関しては、芯棒であるモリブデン棒状体30−1の外径はL12=φ1.0mm、モリブデンコイル棒30の軸線方向寸法はL11=16mm、モリブデン製コイル30−2の外径寸法はL13=φ0.62mm、モリブデン棒状体30−1の周囲に巻回されたコイルの外径寸法は、最大L14max=φ2.24mmである。この例では、L14/L6=0.974となり、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲にある。導電性サーメット棒の外径はL15=φ1.7mmであり、L15/L6=0.74となっている。
[まとめ]
以上、本発明に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。当業者がように成し得る本実施形態に対する追加・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
以上、本発明に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。当業者がように成し得る本実施形態に対する追加・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
2:外球、 2a:中央部、 2b:トップ部、 2c:ネック部、 6:発光管,放電管、 6a:太管部,発光部、 6b,6c:細管部、 8:内管,スリーブ、 10:メタルハライドランプ,ランプ、 12:E形口金、 14:マウント、 16:ステム管、 18:支柱、 20:ワイヤ、 22:電極マウント、 24:タングステン電極棒,主電極、 26:導電性サーメット棒、 28:ガラスフリット、 30:金属コイル棒,モリブデンコイル棒、 30−1:金属製棒状体,モリブデン棒状体、 30−2:金属製コイル,モリブデン製コイル、 32:ニオブ製ストッパ部材、 34:リング部材、35:外部リード、36:嵌挿部材
CA:細管部内部空間、 CB:境界、 CB:境界、 SA:封止部領域、 NSA:非封止部領域
CA:細管部内部空間、 CB:境界、 CB:境界、 SA:封止部領域、 NSA:非封止部領域
特許文献1は、150Wを超える定格電力を有するセラミックメタルハライドランプを対象としている。そこでは定格電力400Wのランプが実施例として記載されている。このようなセラミックメタルハライドランプでは、大きな電極電流が必要となるため大きな寸法の電極が要求され、結果として発光管細管部の内径がより大きくなって、電極の破損又は細管部の亀裂などの初期不良のリスクが増加するという課題があり、解決手段として導電性サーメット棒による封止部分と電極部との間に電極心棒より太い金属部分を設け、導電性サーメット棒の外径を前記金属部分の径と同じにするという技術が開示されている。特許文献2は、ガラスフリットによる封止部において、電流供給体の外径と発光管細管部外径及び内径との関係を規定することにより、ランプ製造工程で発光管細管部からクラックが生じることを防止するためにフリットの封止厚さを規定する技術を開示している。特許文献3は、450W以上のセラミックハライドランプを対象にする。問題点として、アークが不安定によるちらつきを挙げている(段落0010)。これを解決するため、本管の内径D(mm)、電極突出長L(mm)、電極間距離E(mm)の関係を、G=W/(3.14×D×E×0.01)で表される管壁負荷G(ワット/cm3)が15≦G≦40の範囲であるとともに、0.32≦L/D≦0.003×W+0.465と規定している(クレーム1)。
[高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプ]
図1は、本実施形態に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの構造を説明する図である。高ワットタイプとは、450〜1000Wクラスのランプであり、代表的には700Wクラスのランプである。ランプ10は、外球2の内部に、発光部となる発光管6を内封し、発光管6の周囲を内管(「スリーブ」ともいう。)8が取り囲んでいる。外球2の端部には、E形口金12が接合されている。発光管6は、金属の線材や板を組み合わせた構造物に内管8を取り付けたマウント14により、所定の位置に支持され、給電される。
図1は、本実施形態に係る高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの構造を説明する図である。高ワットタイプとは、450〜1000Wクラスのランプであり、代表的には700Wクラスのランプである。ランプ10は、外球2の内部に、発光部となる発光管6を内封し、発光管6の周囲を内管(「スリーブ」ともいう。)8が取り囲んでいる。外球2の端部には、E形口金12が接合されている。発光管6は、金属の線材や板を組み合わせた構造物に内管8を取り付けたマウント14により、所定の位置に支持され、給電される。
Claims (4)
- 高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプにおいて、
少なくとも水銀及び金属ハロゲン化物が封入された発光管を備え、
前記発光管は、太管部及び該太管部の両端に形成された一対の細管部を有し、各々の該細管部の内部には電極マウントが通されており、
前記電極マウントはタングステン心棒の端部にタングステンコイルが巻き付けられた電極部と、その電極部に接続された電流導入体とその電流導入体に接続された外部リードからなり、
前記電流導入体は金属コイル棒または金属棒(電極部側)と導電性サーメット棒(外部リード側)とを突合せ溶接して形成され、
前記細管部の内径L6に対する金属コイル棒または金属棒の外径L14は、0.96≦L14/L6≦0.98の範囲にあり、
前記細管部と前記電流導入体の間は、封止領域と非封止領域に分けられ、非封止部領域の空隙GAは、5.0mm3≦GA≦17.5mm3の範囲にあり、
前記導電性サーメット棒の外径は少なくとも1.7mmであり且つ前記封止領域における前記導電性サーメット棒は前記細管部内径の0.87倍以下の外径を有するセラミックメタルハライドランプ。 - 請求項1に記載の高ワットタイプのメタルハライドランプにおいて、
前記メタルハライドランプは、定格ランプ電力が450〜1000Wの範囲にある、セラミックメタルハライドランプ。 - 請求項1に記載の高ワットタイプのメタルハライドランプにおいて、
前記細管部の内径は、2〜3mmの範囲にある、セラミックメタルハライドランプ。 - 請求項1に記載の高ワットタイプのメタルハライドランプにおいて、
前記発光管に封入された水銀は最大100mgであり、希土類金属ハロゲン化物は最大12mgである、セラミックメタルハライドランプ。
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JP2004179006A (ja) * | 2002-11-27 | 2004-06-24 | Iwasaki Electric Co Ltd | 金属蒸気放電灯 |
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