JP5521243B2 - 研磨保持用パッド - Google Patents

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Description

本発明は、ハードディスク基板、シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用のガラス基板などを研磨する際に、研磨テーブルと研磨対象物との間に介在されて、前記研磨対象物を保持する研磨保持用パッドに関する。
コンピュータの記憶手段として用いられるハードディスク基板、シリコーン棒から切り出したシリコンウエハ、液晶ディスプレイ用のガラス基板などの研磨対象物を製造する場合には、高い精度での平坦性が求められる。このため、これらの基板の表面は研磨粒子を用いて研磨加工される。この研磨加工では研磨対象物を保持する必要があるが、研磨対象物と研磨テーブルを直接接触させると研磨対象物に傷が発生してしまう。この様な傷の発生を回避するために、従来から研磨対象物の保持に適する多孔質型のポリウレタン発泡体からなる研磨保持用パッドが広く用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
図4は、エアリークがあり、研磨砥粒を含むスラリーが浸透している状態の研磨保持用パッドの平面図であり、図5は、エアリークがあり、端面から研磨砥粒を含むスラリーが浸透している状態の研磨保持用パッドの断面図である。このように研磨保持用パッドにスラリーが侵入すると、パッド内でスラリーが固化しパッドの平坦度および厚み精度を阻害する。従って、研磨保持用パッドは、スラリーが侵入しないものが好ましい。
また、前記ポリウレタン発泡体は、研磨対象物の吸着面に緻密で、しかも内部より密度の高い発泡表面層(スキン層)を持つことが好ましく、従って、このポリウレタン発泡体は、水混和性の有機溶媒に溶解させた樹脂溶液をシート状の成膜基板に塗布した後、水系凝固液中で凝固再生させる、いわゆる湿式成膜法で製造されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、ポリエステルポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤、触媒および撥水付与剤を含むポリウレタン発泡体の原料を反応させ、発泡および硬化させるに際して、発泡時における温度を低く設定することにより、表面に密度の高い前記スキン層を形成する研磨保持用パッドが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、従来の連続気泡性の多孔質型研磨保持用パッド材では、パッド材端面からのスラリーの侵入防止機能が低く、そのためパッド材端面のフォーム層からスラリーの浸入を防ぐために端面をアイロンなどにより熱溶着させたり、パッド材周縁部に接着剤層でシールしたり、加熱圧縮したりすることによりスラリーの浸入を規制することも行われている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−062059号公報 特開2006−334745号公報 特開2006−305650号公報
しかしながら、前記従来の(例えば、引用文献1に記載のような)湿式成膜法は湿式であるため発泡層の密度が高いものしかできず、また厚み精度も悪いために研磨を行う必要があった。さらに、塗布された樹脂自体が熱可塑性のために圧縮した場合の復元回復性が悪く、この理由から低密度のものはできないという不都合があった。また、生産性が悪く、コストが高くなるという課題もあった。
また、前記従来の低温での(例えば、引用文献2に記載のような)スキン形成技術にあっては、連続気泡のため表面皮膜がポーラスとなるため研磨砥粒が皮膜の気孔内に入り込んでしまう。このため、皮膜の密度を上げるために整泡剤を用いない組成でパッド体を製造しているが、密度が600〜800kg/mと極めて高い製品となってしまい、重量大でしかも原料費が高くなるという課題があった。
また、前記従来の(引用文献3に記載のような)パッド材の端面のフォーム層からスラリーの浸入を防ぐために、端面をアイロンなどにより熱溶着させたり、パッド材周縁部を接着剤でシールしたり、加熱圧縮したりする方法では、製造に手数がかかるし、作業工程の複雑化と作業効率の低下を招いてしまう。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性が高く、低密度でありながら研磨砥粒を含むスラリーが気孔内に浸透することがなく、しかもパッド自体を研磨することなく実用できる研磨保持用パッドを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の請求項1にかかる研磨保持用パッドは、パッドが自己スキン層を有するエアリークの無い、つまり通気性がない独立気泡性ポリウレタン発泡体からなり、該エアリークの無い独立気泡性ポリウレタン発泡体が、ポリオールとしてダイマー酸系ポリオールを、整泡剤としてイソシアナート反応性のシリコーン整泡剤を、用いたものであり、水との接触角が90以上であることを特徴とする。
この構成の研磨保持用パッドによれば、水との接触角が90°以上の前記ポリウレタン発泡体は、撥水性(疎水性)が高く、通気性がなく、吸水率および水膨潤性が低い。従って、水(研磨砥粒を含むスラリー)の浸入を防止できる。また、ポリウレタン発泡体は、クッション材として初期圧縮時の応力分散性に優れる復帰特性を示し、研磨加工時の研磨対象物の平坦性を向上させることができる。また、前記ポリウレタン発泡体は、自己スキン層を形成しているため平滑度が高くなり、研磨対象物との吸着性も向上する。この自己スキン層はより緻密に形成された発泡層となるため、水や研磨砥粒の浸入を防ぐことができる。さらに、前記ポリウレタン発泡体が前述のように通気性を持たないので、研磨加工時に保持パッドが圧縮緩和を繰り返しても、パッド材内に水が浸入することはない。また、パッドの端面からの水(スラリー)の侵入もないので、パッド材の端面部(周面部)に熱溶着や接着剤層によってシールを施す必要もなくなる。
また、この構成により、ダイマー酸系ポリオールを用いることで、特に疎水性に優れ、水との接触角度が90°以上で、強度がありしかも長期使用に耐えるポリウレタン発泡体を得ることができる。
さらに、この構成により、イソシアナート反応性のシリコーン整泡剤を用いることで、吸水率が低下し、さらにフォームの通気性が低くなるためパッド材内部へ水が浸入しない。
また、本発明の請求項2に係る研磨保持用パッドは、前記エアリークの無い独立気泡性ポリウレタン発泡体の自己スキン層が、マット仕上げであることを特徴とする。
この構成により、ポリウレタン発泡体の表面におけるベタツキを抑えて、研磨終了後の研磨対象物の剥離を容易にすることができるとともに、その表面粗度によって見かけ上の接触角を高くでき、研磨対象物およびパッド材間の水が容易に広がり、このため研磨対象物の保持力が安定する。
また、本発明の請求項3に係る研磨保持用パッドは、前記エアリークの無い独立気泡性ポリウレタン発泡体の密度が100〜500kg/mであることを特徴とする。
この構成により研磨保持用パッドとして好適な圧縮硬さを得ることができる。密度が100kg/m未満の場合にはフォーム体の吸水量が増加し、被研磨物との吸着性が低下する。さらに、密度が低くなるほど単位面積当りの塗布量が少なくなり、また発泡倍率も増すため、厚み精度が悪くなる。また、密度が500kg/mを超えると、フォーム体が硬くなり、十分なクッション性を得ることができなくなる。結果として、研磨時の衝撃で研磨対象が外れる惧れがある。従って、密度は100〜500kg/mが好ましい。
本発明の研磨保持用パッドによれば、次のような効果を奏する。
(1)生産性が高く、低密度でありながら研磨砥粒を含むスラリーが気孔内に侵入することがなく、また、従来のような発泡時における温度を低くするなどの特殊な製造方法を施すことなく水の接触角を高くすることができるとともに、表面の平坦度、厚み精度が高く研磨しなくても研磨保持用パッドとして実用できる。
(2)撥水性(疎水性)が高く、通気性がなく、吸水率および水膨潤性が低く、水(研磨砥粒を含むスラリー)の侵入がない。
(3)パッドの端面からの水(スラリー)の侵入もないので、パッドの端面に熱溶着や接着剤層によってシールを施す必要もない。
(4)パッドは、自己スキン層を形成してあるため平坦度が高くなり、研磨対象物との吸着性も向上する。また、自己スキン層は、マット仕上げしてあるため、表面のベタツキを押さえ、見かけ上の接触角を高くでき、研磨対象物との吸着力(保持力)が向上、安定する。
(5)パッドは低密度のポリウレタン発泡体でよいので、安価に提供できる。
(6)パッドはポリウレタン発泡体で形成してあるので、クッション材として初期圧縮時の応力分散性に優れる復帰特性を示し、ポリウレタン発泡体はエアリークがないので、使用時に圧縮・復帰(緩和)を繰り返しても、パッド内に水(研磨スラリー)が侵入することもない。
(7)研磨対象物をパッドに吸着させるための研磨対象物とパッド間の水が容易に広がり、研磨対象物の吸着力(保持力)がよく、かつ安定する。
(8)水との接触角が90°以上で疎水性に優れると共に、パッドとしての伸びと強度を有し、長期使用に耐える。
本発明に係る研磨保持用パッドを使用しての研磨装置の一例を示す要部断面図である。 エアリークがなく、スラリーが浸透していない状態の研磨保持用パッドの平面図である。 エアリークがなく、端面からスラリーが浸透していない状態の研磨保持用パッドの断面図である。 エアリークがあり、スラリーが浸透している状態の研磨保持用パッドの平面図である。 エアリークがあり、端面からスラリーが浸透している状態の研磨保持用パッドの断面図である。 エアリークの測定方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る研磨保持用パッドについて、図面を参照して詳細に説明する。
まず、研磨対象物として液晶ディスプレイ用のガラス基板(以下、単にガラス基板と略称す)の研磨装置について説明する。図1は、この研磨装置の要部断面図であり、研磨テーブル1上には研磨保持用パッド2が粘着剤層3を介して固着されている。この研磨保持用パッド2上には水(図示しない)を介して研磨対象物としてガラス基板4が吸着されている。このガラス基板4は、水の表面張力により研磨保持用パッド2上に吸着される。ガラス基板4は、コンピュータのハードディスクや画面、テレビの画面、携帯電話の画面等に用いられるものである。ガラス基板4の上方位置には、回転軸5に支持された円盤状の回転治具6が所定の回転速度で回転可能に配設されている。回転治具6の下面には研磨パッド7が固着され、前記ガラス基板4の表面に摺接されるようになっている。
かかる研磨装置では、回転治具6が下降して研磨パッド7がガラス基板4の表面に接触する状態で、ガラス基板4表面に研磨用スラリー8が供給され、ガラス基板4の表面が研磨されるようになっている。研磨用スラリー8としては、例えば研磨砥粒としての酸化セリウムが水に分散されたものが用いられる。この研磨により、ガラス基板4の表面の平坦度と厚さ精度が高められる。
前記研磨保持用パッド2は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤、触媒および必要に応じ架橋剤、着色剤、樹脂改質剤、難然剤、紫外線吸収剤、耐久性改良剤から選択される添加剤、等の配合物を混合撹拌して得られた反応原料を、剥離処理を施した工程紙の剥離面に均一に塗布した後、この塗布原料の上面に剥離面がくるように工程紙を被せて加熱発泡して硬化させ、自己スキン層を形成したエアリークの無い独立気泡性ポリウレタン発泡体を形成することで製造できる。
このようにして得られた研磨保持用パッド2は、ポリオールとポリイソシアネート、発泡材、触媒からなるポリウレタン発泡体であり、水との接触角が90°以上のポリウレタン発泡体である。このように水との接触角が90°以上のポリウレタン発泡体は、撥水性が高く、従って吸水率および水膨潤性が低くなる。また、ポリオールとポリイソシアネートとの反応で得られるポリウレタン発泡体は、クッション材の初期圧縮時の応力分散性に優れる復帰特性を示し、研磨加工時の研磨対象物の平坦性を向上させることができる。
また、ポリウレタン発泡体は自己スキン層を形成しているため平滑度が高くなり、研磨対象物に対する吸着性を向上する。また、自己スキン層はより緻密に形成された表面発泡層となるため、水や研磨砥粒の進入を防ぐことができる。また、エアリークのない(通気性のない)ポリウレタン発泡体であることにより、研磨加工時にパッド内に水(研磨用スラリー)が浸入することはない。
また、本実施形態では、独立気泡性ポリウレタン発泡体の密度を、100〜500kg/mの範囲にすることで、研磨保持用パッドとして好適な圧縮硬さや低吸水性となる。密度が100kg/m未満の場合にはフォーム体の吸水量が増加し、被研磨物との吸着性が低下する。さらに、密度が低くなるほど単位面積当りの塗布量が少なくなり、また発泡倍率も増すため、厚み精度が悪くなる。また、密度が500kg/mを超えると、フォーム体が硬くなり、十分なクッション性を得ることができなくなる。結果として、研磨時の衝撃で研磨対象のガラス基板4が外れる惧れがある。従って、密度は100〜500g/mの範囲が好ましい。
前記ポリオール類としては、ポリエステルポリオールあるいはポリエーテルポリオールがあるが、疎水性のポリオールを用いることで、水との接触角が90°以上のポリウレタン発泡体を得ることができ好ましい。例えば、ポリブタジエン系ポリオール、ダイマー酸系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール或いはポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。この中でも、ポリテトラメチレングリコールは強度が出て、長期使用に耐えるため好ましい。また、ダイマー酸系ポリオールは特に疎水性が高くなり好ましい。
また、多官能性イソシアナートとしては、分子中にイソシアナート基を2個以上含有する芳香族イソシアナートおよび脂肪酸族イソシアナートそれらの変成物を用いることができる。具体的には、トルエンジイソシアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)キシレンジイソシアナート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアナート(TMXDI)等、およびこれらの混合物等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらをプレポリマーにすることで伸びおよび強度、耐久性が向上し、長期の使用が可能になる。
前記発泡剤として、水、常圧で気体の窒素ガス、炭酸ガスおよび空気等の不活性ガス、モノフッ化トリ塩化メタンや塩化メタン等のハロゲン化アルカン、ブタンやペンタン等の低沸点アルカン、分解窒素ガス等を発生するアゾビスイソブチルニトリル等およびこれらの混合物が用いられるが、これらに限定されるものではない。
前記整泡剤としては、有機シリコーン整泡剤や界面活性剤等およびこれらの混合物が用いられる。多官能性イソシアナートと反応する水酸基、アミノ基等の活性基を有するシリコーン整泡剤を用いることが、特に好ましい。このシリコーン整泡剤を用いると、吸水率が低下し、さらにフォームの通気性が低くなるためパッド材内部へ水が浸入しない。その他の添加剤としては、触媒、架橋剤、着色剤、樹脂改質剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐久性改良剤等を必要に応じて使用することができる。
この発明の研磨保持用パッドとしてのポリウレタン発泡体は、前記実施の形態に示した製造方法だけでなく、前記のような諸原料を使用して、従来から知られているワンショット法、部分プレポリマー法等の方法によって製造してもよい。製造されるポリウレタン発泡体は、モールド成形、連続シート成形等によってシート状に成形すると、研磨保持用パッドのクッション材に使用するのに好都合となるので好ましい。特に、前記実施の形態で示した上下面の離型紙にポリウレタン原液を挟み込んで発泡させる「シート状発泡法」が最も適する方法である。
この方法によると、低密度であるが、フォームの表裏面にポーラスな自己スキン面を有するシート状発泡体が得られ、表面の平坦度、厚み精度が良好であるため、フォームの研磨を行わなくてもガラス基板吸着用の研磨保持用パッドとして実用可能である。
さらに、研磨対象物との吸着面側の自己スキン層をマット仕上げにすることが好ましい。自己スキン層をマット仕上げにする方法は、マット状の剥離紙の表面をポリウレタン発泡体に転写させる方法、また出来上がったポリウレタン発泡体をマット調表面型にプレスしてその面を転写する方法などがある。
前記実施の形態に示す製造方法によれば、工程紙として剥離面がマット調のものを使用することでマット仕上げのポリウレタン発泡体を製造できる。
ここで、マット仕上げとは、例えば光沢度20%以下のマット調の剥離紙を用いて生産されたポリウレタン発泡体の表面仕上げである。一般に、被加工材の表面を荒して光沢をなくした加工状態にすることを指し、例えば砂を吹き付けて表面を荒し加工する物理的方法(サンドブラストまたはサンドマット)や薬品を使って表面を腐食させる科学的方法(エンボスまたはケミカルマット)がある。また、これらの処理を施した剥離フィルム上にウレタンを塗布し、ポリウレタン発泡体にマット仕上げを転写させたり、それらの処理を施した熱ローラでウレタン表面を熱処理することで、ポリウレタン発泡体表面をマット仕上げすることができる。
自己スキン層がマット仕上げされたポリウレタン発泡体は、つや消しされた表面状態となり、ミラー状の表面状態の同一ウレタン処方の製品と比べて、表面のべたつきが抑えられ、ガラスの剥離性が低く抑えられるのは勿論のこと、その表面疎度により見かけの接触角が高くなり、ガラス基板4と前記パッド2との間の水が容易に広がり、そのためガラス基板に対する保持力が安定する。
自己スキン層をマット仕上げにするメリットは、同一材料でもマット仕上げすることにより見かけの接触角が高くなり、ガラス吸着時の水分を殆ど吸わないため、吸着力が安定する。さらに、水分を殆ど吸わないために研磨砥粒の浸入も抑えられる。また、ポリウレタン発泡体のベタツキがマット仕上げにすることにより抑えられるため、研磨完了後にガラス基板4がより剥しやすくなる。
図2は、エアリークが無く、スラリーが浸透していない状態の研磨保持用パッドの平面図、図3は、エアリークが無く、端面からスラリーが浸透していない状態の研磨保持用パッドの断面図である。このように本実施の形態の研磨保持用パッドによれば、使用中に研磨砥粒を含むスラリーの侵入(含浸)がないパッドとなる。
次に、実施例および比較例により具体的に説明する。以下では、「部」および「%」は重量基準の単位とする。この実施例および比較例におけるポリウレタン発泡体の硬化性組成物で得られる発泡体の作成は、まず、ポリオール、ポリイソシアネート、触媒、その他添加剤等からなる配合物を混合攪拌する。次に、この配合物の混合攪拌によって得られた反応原料を、塗布バーを用いて剥離処理を施したPETフィルム等の工程紙の剥離面に均一に塗布する。この反応原料の塗布後、上面にも剥離処理面がくるように工程紙を被せる。そして、工程紙を被せた反応原料を加熱オーブンで発泡硬化させることによって、自己スキン層を持つシート状のポリウレタン発泡体を得ることができる。そして、このポリウレタン発泡体の諸特性を下記に示す方法で評価し、それらの結果を表1に示した。
(実施例1)
ポリエステルポリオールであるダイマー酸エステル(OH価=80)100部と鎖延長剤(1,4−ブタンジオール)3.0部、整泡剤(ポリジメチルシロキサン‐ポリアルキレンエーテルグラフト共重合体であり、ポリエーテル末端が−OH基となったもの)0.2部、アミン触媒(SA.102サンアボット製)0.3部、水0.2部を加えてよく攪拌した。この混合物にジフェニルメタンジイソシアネートとポリプロピレングリコールからなるプレポリマー(NCO%=13)をNCO/OH比1.1となるように添加し、速やかに攪拌し、剥離処理をしたマット調フィルムに均一に塗布することで,密度300kg/m、厚さ約1mmのポリウレタン樹脂からなるシート材のポリウレタン発泡体を得た。
(実施例2)
実施例1の水を1.3部とした以外は実施例1と同様にして、密度90kg/m、厚さ約1mmのシート状のポリウレタン発泡体を得た。
(実施例3)
実施例1の水を0.08部とした以外は実施例1と同様にして密度600kg/m、厚さ約1mmのシート状のポリウレタン発泡体を得た。
(実施例4)
実施例1の剥離フィルムを光沢(ミラー)調とした以外は実施例1と同様にして密度300kg/m、厚さ約1mmのシート状ポリウレタン発泡体を得た。
(実施例5)
実施例1の鎖延長剤を1、1、1‐トリメチロールプロパンにエチレンオキシドを付加したIR‐94(OH価920、三井化学社製)3部として、剥離フィルムを光沢調とした以外は実施例1と同様にして密度300kg/m、厚さ約1mmのシート状のポリウレタン発泡体を得た。
(実施例6)
実施例1のダイマー酸ポリエステルに代えて、グリセリンにプロピレンオキシドを付加したポリエーテルポリオール(平均分子量3000、水酸基価57)を使用した以外は、前記実施例1と同様にして密度300kg/m、厚さ約1mmのシート状のポリウレタン発泡体を得た。
(比較例1)
実施例1にてシリコーン整泡剤をF242T(信越化学社製)0.1部を用い連通化させ、密度300kg/m、厚さ約1mmのシート状のポリウレタン発泡体を得た。
(比較例2)
実施例1の製品をロールにて圧縮して連通化させ、密度300kg/m、厚さ1mmのシート状のポリウレタン発泡体を得た。
(比較例3)
実施例1のダイマー酸ポリエステルに代えてグリセリンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(平均分子量3000、水酸基価57)を使用した以外は、前記実施例1と同様にして密度300kg/m、厚さ約1mmのシート状のポリウレタン発泡体を得た。
表1における各用語の意味を以下に示す。
エアリーク:シート状のウレタン発泡体をφ40×36mmで幅2mmのドーナツ状に打ち抜き評価サンプルとし、図6に示すようにこのドーナツ状のウレタン発泡体の評価サンプル9を、アクリル板10、10で25%圧縮となるように挟み、内側より1kgf/cmの圧力をかけ、安定した流量時の空気漏れ量を測定した。安定した流量及び1kgf/cmの圧力は、流量計および圧力計で測定した。
独立気泡率:レミングトンパーラザイ法により、0.1気圧(ASTMD1940‐62T)減圧により測定した。なお、独立気泡率の測定にはASTMD2856による方法もあるが、その方法は本発明のような軟質発泡体では体積の変化やセル膜の開口などが起こりあまり好ましくない。
接触角:液滴投影測定によりシート表面に滴下した約5μccの水滴の接触角を、接触角測定器にて、計測した。
密度:JISのK6401に準ずる。
吸水率:試料を50×50mm角に採取し、水深10cm下で24時間浸漬した後に取り出し、試料が吸水した水の重量を測定し、次式より吸水率を求める。
吸水率(%)=〔(試験後重量)−(試験前重量)〕/(試験前重量)×100
圧縮硬さ:自動記録装置を有し、圧縮速度を一定に保つことのできる万能試験機の中央に試験片を置き、圧縮速度1mm/minで試験片をもと厚みの25%圧縮したときの荷重をそれぞれ読み取った。
ガラス保持性:50×50mm角に採取したパッド材を表面が平坦な約200gおもりに貼付し、パッド材上に吹き付けワイパで軽く水を除いた後、ガラス板上に静置する。ガラス板と水平方向にパッド材の付いたおもりを100mm/minの速度で引張り、パッド材がずれるときの引張力のピーク値を測定した。
ガラス剥離性:プローブタック力にて測定を行った。平坦な30×30mm角のガラス板をサンプルの表面に荷重500gで20秒静置後、引張り試験機にて垂直方向に200mm/minのスピードで引張り、その荷重を測定した。
スラリー浸透性:パッド材表面に研磨用スラリーを1cc滴下し、押圧板でパッド材表面に30秒間圧縮した後、流水でスラリーを洗い落とす。パッド材表面にスラリー(研摩砥粒)を70倍の顕微鏡で確認できなければ○(丸印)、スラリーを70倍の顕微鏡で確認できた場合を×(バツ印)とした。
表1に示した結果から、実施例1は、エアリークが0(ゼロ)で、接触角が105°となり、ガラス保持性が高く、スラリー浸透性が低く、それぞれ合格となる。このエアリークが0の状態とスラリー浸透性なしの状態のパッド材表面を、それぞれ図2のパッド材の平面図および図3のパッド材の断面図に示す。実施例2は、密度が90kg/m と低いため、吸水率はやや高目となった。このため、ガラス保持性は低下した。実施例3は、密度が600kg/m と高いため、硬さが高めとなってクッション性は低下するものの、ガラス保持性、スラリー浸透性は合格である。実施例4は、表面が光沢面となり、ガラスの剥離性が高くなるが、実用上問題ない範囲である。実施例5は、表面が光沢面であるが、3官能架橋剤を用いたため、ガラス剥離性は実施例1に比べて大幅に改良される。実施例6は、PPG系ポリオールを用いた例で、吸水率がやや高いため、ガラス保持性は低下するが、実用レベルである。
また、独立気泡率は、レミングトンパーライザ法により、0.1気圧(ASTMD1940−62T)減圧により測定したとき、2〜70%の範囲であると、パッド材のエアリークがなくなり好ましく、10〜40%の範囲がさらに好ましい。独立気泡率が70%を超えるとポリウレタン発泡体の収縮が起こり、正常な発泡体の作成が困難となる。実施例1乃至6のポリウレタン発泡体の独立気泡率は、いずれも好ましい範囲を示している。
比較例1は、エアリークが100になっており、パッド材は図4の平面図に示すようになる。この場合には、吸水率が高く、ガラス保持性、スラリー浸透性が共に悪い。この場合のスラリー浸透状態は、図5のパッド材の断面図に示すようになる。比較例2は、実施例1の製品のエアリークの高いものであるが、ガラス保持性は良い。一方、スラリー浸透性は図5に示すように悪化する。比較例3は、親水性の高いPPG系ポリオールを用いたため、吸水率が高くなって、ガラス保持性、スラリー浸透性が共に悪い。
このように、比較例1および比較例2はいずれもマット仕上げであるものの、独立気泡率がいずれも0(ゼロ)であり、エアリークが大きいので、スラリー浸透性が極めて好ましくない(大きい)状態になった。比較例3はマット仕上げであり、エアリークが0(ゼロ)であるにも拘らず、吸水率が高く、スラリー浸透性が極めて悪いことが判明した。これらの点から、実施例1〜4では、独立気泡率が11〜31と高く、エアリークがゼロであり、吸水率が低い。従って、自己スキンおよび端面から密度の低い内部のポーラス部分へのスラリー浸透性が抑制される。従って、研摩対象物の支持状態を安定化でき、また、研摩しなくても実用可能になる。
1 研磨テーブル
2 研磨保持用パッド
3 粘着剤層
4 ガラス基板(研磨対象物)
5 回転軸
6 回転治具
7 研磨パッド
9 評価サンプル
10 アクリル板

Claims (3)

  1. パッドが自己スキン層を有するエアリークの無い独立気泡性ポリウレタン発泡体からなり、該エアリークの無い独立気泡性ポリウレタン発泡体が、ポリオールとしてダイマー酸系ポリオールを、整泡剤としてイソシアナート反応性のシリコーン整泡剤を、用いたものであり、水との接触角が90以上であることを特徴とする研磨保持用パッド。
  2. 前記エアリークの無い独立気泡性ポリウレタン発泡体の自己スキン層が、マット仕上げであることを特徴とする請求項1記載の研磨保持用パッド。
  3. 前記エアリークの無い独立気泡性ポリウレタン発泡体の密度が100〜500kg/mであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の研磨保持用パッド。
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