JP5520748B2 - ゴム組成物およびそれを用いた自動車用燃料タンクパッキン - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた自動車用燃料タンクパッキン Download PDF

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Description

本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた自動車用燃料タンクパッキンに関するものであり、詳しくは、自動車用燃料タンクパッキン等に使用される、ゴム組成物およびそれを用いた自動車用燃料タンクパッキンに関するものである。
自動車用エンジンに燃料を供給するため組み付けられる燃料ポンプとタンク間には、これらをシールするために、燃料タンクパッキン(ゴムパッキン)が使用されている。例えば、北米でのP−ZEV(Partial-Credit Zero Emission Vehicle)規制に対応した燃料タンクパッキンとしては、フッ素濃度含有量が66重量%程度のフッ素ゴム(FKM)材料が使用されることが多い。しかし、近年、環境問題より、より燃料透過量の少ない燃料タンクパッキンの開発が要求されており、上記フッ素濃度含有量が66重量%程度のフッ素ゴムを使用した場合でも、この要求特性にこたえることができない。そこで、この問題を解決するため、例えば、高フッ素濃度含有量のフッ素ゴムを使用した、含フッ素エラストマー組成物が提案されている(特許文献1参照)。
特開平6−157686号公報
上記特許文献1に記載の含フッ素エラストマー組成物は、高フッ素濃度含有量のフッ素ゴムを使用するため、耐燃料透過性(燃料バリア性)には効果があるが、低温脆化性と、ソルベントクラック性(亀裂進展性)が劣り、両者の向上を図ることができないという難点がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐燃料透過性に優れ、低温脆化性とソルベントクラック性の向上を図ることができる、ゴム組成物およびそれを用いた自動車用燃料タンクパッキンの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、フッ素濃度含有量が70〜71重量%のフッ素ゴムを主成分とするとともに、架橋系薬品を含有し、さらに下記の(A)および(B)成分を含有するゴム組成物であって、上記(A)成分と(B)成分との総含有量〔(A)+(B)〕が、上記フッ素ゴム100重量部に対して、17〜25重量部の範囲であり、上記(A)成分の含有量と、(B)成分の含有量との重量比が、(A)/(B)=2.0/1〜3.0/1の範囲であり、かつ、上記架橋系薬品が下記の(C)および(D)成分であり、上記(B)成分と(C)成分と(D)成分との総含有量〔(B)+(C)+(D)〕が、上記フッ素ゴム100重量部に対して、10〜14重量部の範囲であり、上記(B)成分の含有量と、(C)成分と(D)成分との総含有量〔(C)+(D)〕との重量比が、〔(B)/(C)+(D)〕=0.9/1〜1.5/1の範囲であり、上記(C)成分の含有量と、(D)成分の含有量との重量比が、(C)/(D)=1.8/1〜2.0/1の範囲であるゴム組成物を第1の要旨とする。
(A)硫酸バリウム。
(B)中性シリカ。
(C)有機過酸化物。
(D)イソシアヌレート化合物。
また、本発明は、上記ゴム組成物を加硫してなる自動車用燃料タンクパッキンを第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、耐燃料透過性に優れ、低温脆化性とソルベントクラック性(亀裂進展性)の向上を図ることができる、ゴム組成物を得るため、鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、充填材として汎用される硫酸バリウムを多量に使用すると、フッ素ゴムと硫酸バリウムとの分散性が悪く、ゴム物性が低下するとともに、低温時のクラック起点や、燃料浸漬時の破断起点となりやすく、低温脆化性とソルベントクラック性の向上を図ることができないということを突き止めた。そこで、この問題を解決するため、本発明者らは、高フッ素濃度のフッ素ゴムと、硫酸バリウム〔(A)成分〕と、中性シリカ〔(B)成分〕との組み合わせに着目し、各成分の適切な含有量について実験を行ったところ、フッ素濃度含有量が70〜71重量%の高フッ素濃度のフッ素ゴムを主成分とし、硫酸バリウム〔(A)成分〕と、中性シリカ〔(B)成分〕と、架橋系薬品とを含有するゴム組成物であって、上記(A)成分と(B)成分との総含有量〔(A)+(B)〕が、上記フッ素ゴム100重量部に対して、17〜25重量部の範囲であり、上記(A)成分の含有量と、(B)成分の含有量との重量比が、(A)/(B)=2.0/1〜3.0/1の範囲であり、かつ、上記架橋系薬品が有機過酸化物〔(C)成分〕およびイソシアヌレート化合物〔(D)成分〕であり、上記(B)成分と(C)成分と(D)成分との総含有量〔(B)+(C)+(D)〕が、上記フッ素ゴム100重量部に対して、10〜14重量部の範囲であり、上記(B)成分の含有量と、(C)成分と(D)成分との総含有量〔(C)+(D)〕との重量比が、〔(B)/(C)+(D)〕=0.9/1〜1.5/1の範囲であり、上記(C)成分の含有量と、(D)成分の含有量との重量比が、(C)/(D)=1.8/1〜2.0/1の範囲であると、所期の目的を達成できることを見いだし、本発明に到達した。
以上のように、本発明のゴム組成物は、フッ素濃度含有量が70〜71重量%の高フッ素濃度のフッ素ゴムと、硫酸バリウム〔(A)成分〕と、中性シリカ〔(B)成分〕とを組み合わせ、各成分を適切な含有量で使用するものである。本発明のゴム組成物は、中性シリカ〔(B)成分〕を所定量配合することにより、上記高フッ素濃度のフッ素ゴムとの均一分散性が良好となり、低温時のクラック発生源や、燃料浸漬時の破断起点が大幅に減少し、低温脆化性と、ソルベントクラック性の向上を図ることができる。また、上記のように中性シリカ〔(B)成分〕を使用することにより、架橋阻害や架橋過多の発生を抑制することができ、架橋密度を適切に調整でき、応力集中を抑制することができる。そして、フッ素濃度含有量が70〜71重量%のフッ素ゴムを使用することにより、耐燃料透過性が良好となる。
また、上記架橋系薬品として、有機過酸化物〔(C)成分〕と、イソシアヌレート化合物〔(D)成分〕とを併用し、各成分の含有割合等を適切に調整する場合には、架橋密度のより最適化を図ることができ、低温脆化性およびソルベントクラック性がさらに向上する。
なお、本発明において、架橋系薬品とは、狭義の加硫剤(架橋剤)に限定されず、架橋助剤等を含む広義の架橋系薬品を意味する。
耐燃料透過性(カップ法)の評価方法を示す説明図である。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明のゴム組成物は、フッ素濃度含有量が70〜71重量%のフッ素ゴムと、硫酸バリウム(A成分)と、中性シリカ(B成分)とを用いて得ることができる。本発明においては、A成分とB成分との総含有量(A+B)が、上記特定のフッ素ゴム100重量部に対して、17〜25重量部の範囲であり、上記A成分の含有量と、B成分の含有量との重量比が、A/B=2.0/1〜3.0/1の範囲に調整されている。また、上記架橋系薬品が有機過酸化物(C成分)およびイソシアヌレート化合物(D成分)であり、上記B成分とC成分とD成分との総含有量〔(B)+(C)+(D)〕が、上記フッ素ゴム100重量部に対して、10〜14重量部の範囲であり、上記B成分の含有量と、C成分とD成分との総含有量〔(C)+(D)〕との重量比が、〔(B)/(C)+(D)〕=0.9/1〜1.5/1の範囲であり、上記C成分の含有量と、D成分の含有量との重量比が、(C)/(D)=1.8/1〜2.0/1の範囲である。これが本発明の最大の特徴である。
なお、本発明のゴム組成物において、フッ素ゴムを主成分とするとは、フッ素ゴムがゴム組成物の過半を占めることをいう。
つぎに、これらの成分について説明する。
《特定のフッ素ゴム》
上記特定のフッ素ゴムとしては、フッ素濃度含有量(以下、単に「フッ素濃度」という場合もある。)が70〜71重量%のものが使用され、好ましくはフッ素濃度が71重量%のものである。すなわち、フッ素濃度が低すぎると、耐燃料透過性が悪くなり、逆にフッ素濃度が高すぎると、ゴムの特性よりも樹脂の特性が大きくなり、圧縮永久歪み性が悪くなり、シール性能に影響があるからである。
上記特定のフッ素ゴムとしては、有機過酸化物(C成分)により架橋するものが好ましく、例えば、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、耐燃料透過性の点から、三元系フッ素ゴムが好ましく、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン−4フッ化エチレン共重合体が、耐燃料透過性に優れるため、特に好ましい。
《硫酸バリウム(A成分)》
硫酸バリウム(A成分)としては、例えば、天然の重晶石と呼ばれるバライト鉱物の粉砕品(バライト粉)、化学反応で製造した沈降性硫酸バリウム等があげられ、単独でもしくは併用することができる。沈降性硫酸バリウムは、合成時の条件により粒子の大きさを制御することができ、極めて微細な硫酸バリウムを製造することができる点で好ましい。なお、SiO2−Al23等により表面処理した表面処理硫酸バリウムを使用しても差し支えない。
上記硫酸バリウム(A成分)の平均粒子径は、0.01〜50μmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜20μmの範囲である。また、上記硫酸バリウム(A成分)の比表面積は、0.1〜150m2/gの範囲が好ましく、特に好ましくは1〜100m2/gの範囲である。さらに、上記硫酸バリウム(A成分)の吸油量は、1〜50ml/100gの範囲が好ましく、特に好ましくは5〜25ml/100gの範囲である。
《中性シリカ(B成分)》
中性シリカ(B成分)としては、酸性シリカや塩基性シリカ以外のシリカが使用され、pH5.0〜9.0の中性シリカが好ましく、特に好ましくはpH5.5〜8.5の中性シリカである。なお、上記シリカのpHは、例えば、つぎのようにして測定することができる。すなわち、まず、試料(シリカ)をビーカーに採り、蒸留水を加え、ミキサーで均一な懸濁液になるように攪拌する。つぎに、均一な懸濁状態を維持できる低速度で攪拌しながら、pHメーターの数値を読み取ることにより、シリカのpHを測定することができる。
上記中性シリカ(B成分)としては、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカ等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが特に好ましい。
また、上記中性シリカ(B成分)の比表面積としては、窒素吸着比表面積(BET法)で、通常30〜350m2 /g、好ましくは50〜280m2 /g、さらに好ましくは60〜260m2 /gの範囲である。なお、上記BET法による窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じて測定することができる。
本発明においては、上記硫酸バリウム(A成分)と、中性シリカ(B成分)との総含有量〔(A)+(B)〕が、上記特定のフッ素ゴム100重量部に対して、17〜25重量部の範囲であり、好ましくは18.5〜23.5重量部、特に好ましくは20〜22重量部である。すわなち、総含有量〔(A)+(B)〕が少なすぎると、硬度が低く、ソルベントクラック性やロバスト性が劣るからであり、逆に総含有量〔(A)+(B)〕が多すぎると、硬度が高く、ソルベントクラック性が劣るからである。
また、本発明において、上記硫酸バリウム(A成分)の含有量(A)と、中性シリカ(B成分)の含有量(B)との重量比〔(A)/(B)〕は、(A)/(B)=2.0/1〜3.0/1の範囲であり、好ましくは(A)/(B)=2.15/1〜2.85/1の範囲であり、特に好ましくは(A)/(B)=2.3/1〜2.7/1の範囲である。すなわち、重量比〔(A)/(B)〕が低すぎると、中性シリカ(B成分)の添加量が多量なため、硫酸バリウム(A成分)の分散性が悪化し、硬度が高く、ソルベントクラック性、ロバスト性が低下し、逆に重量比〔(A)/(B)〕が高すぎると、中性シリカ(B成分)の添加量が少量なため、硫酸バリウム(A成分)の分散性が悪化し、硬度が低く、低温脆化性、ソルベントクラック性が劣るからである。
本発明における上記硫酸バリウム(A成分)および中性シリカ(B成分)の各含有量は、上記総含有量〔(A)+(B)〕および重量比〔(A)/(B)〕の関係を満たす必要があるが、具体的には、上記硫酸バリウム(A成分)の含有量は、上記特定のフッ素ゴム100重量部に対して、10〜20重量部の範囲であり、好ましくは12〜18重量部、特に好ましくは14〜16重量部である。また、上記中性シリカ(B成分)の含有量は、上記特定のフッ素ゴム100重量部に対して、5〜7重量部の範囲であり、好ましくは5.5〜6.5重量部、特に好ましくは5.75〜6.25重量部である。なお、本発明においては、ロバスト性の点から、硫酸バリウム(A成分)の含有量(A)は、中性シリカ(B成分)の含有量(B)よりも多いことが好ましい。
《架橋系薬品》
本発明で使用する架橋系薬品は、先に述べたように、狭義の加硫剤(架橋剤)に限定されず、架橋助剤等を含めた広義の架橋系薬品を意味するが、具体的には、架橋剤である有機過酸化物(C成分)と、架橋助剤であるイソシアヌレート化合物(D成分)とを併用したものが使用される
《有機過酸化物(C成分)》
有機過酸化物(C成分)としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類や、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類や、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類や、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類や、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、貯蔵安定性等の加工性が良好な点で、ジアルキルパーオキサイド類が好適に用いられる。
《イソシアヌレート化合物(D成分)》
イソシアヌレート化合物(D成分)は、架橋助剤として使用され、例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメタリルイソシアヌレート(TMAIC)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
本発明においては、中性シリカ(B成分)と、有機過酸化物(C成分)と、イソシアヌレート化合物(D成分)との総含有量〔(B)+(C)+(D)〕は、上記特定のフッ素ゴム100重量部に対して、10〜14重量部の範囲であり、好ましくは11〜13重量部の範囲である。すなわち、総含有量〔(B)+(C)+(D)〕が少なすぎると、分散性が悪く、硬度、脆化温度、ソルベントクラック性が悪化するからである。
また、本発明においては、上記中性シリカ(B成分)の含有量(B)と、有機過酸化物(C成分)と、イソシアヌレート化合物(D成分)との総含有量〔(C)+(D)〕との重量比〔(B)/(C)+(D)〕は、(B)/(C)+(D)=0.9/1〜1.5/1の範囲であり、好ましくは(B)/(C)+(D)=1.0/1〜1.4/1の範囲である。すなわち、重量比〔(B)/(C)+(D)〕が上記範囲から外れると、分散性が悪く、脆化温度、ソルベントクラック性が悪化するからである。
さらに、本発明においては、上記有機過酸化物(C成分)の含有量(C)と、イソシアヌレート化合物(D成分)の含有量(D)との重量比〔(C)/(D)〕は、(C)/(D)=1.8/1〜2.0/1の範囲であり、好ましくは〔(C)/(D)〕=1.85/1〜1.95/1の範囲である。すなわち、重量比〔(C)/(D)〕が上記範囲から外れると、架橋が過多・緩慢になり、脆化温度、ソルベントクラック性の向上が困難になるからである。
なお、本発明のゴム組成物には、特定のフッ素ゴム、硫酸バリウム(A成分)、中性シリカ(B成分)、有機過酸化物(C成分)、イソシアヌレート化合物(D成分)に加えて、必要に応じて、カーボンブラック、可塑剤、加工助剤、スコーチ防止剤、着色剤等を配合しても差し支えない。
本発明のゴム組成物は、例えば、特定のフッ素ゴムと、硫酸バリウム(A成分)と、中性シリカ(B成分)と、有機過酸化物(C成分)と、イソシアヌレート化合物(D成分)等を配合し、これらをオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等で混練することにより得ることができる。
本発明の自動車用燃料タンクパッキンは、上記で調製した本発明のゴム組成物を、射出成形、圧縮成形、注入成形等した後、所定の条件で加硫することにより得ることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〈高フッ素濃度フッ素ゴム(実施例用)〉
フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン−4フッ化エチレン共重合体(ダイキン工業社製、ダイエルG902、フッ素濃度含有量:71重量%)
〈高フッ素濃度フッ素ゴム(実施例用)〉
フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン−4フッ化エチレン共重合体(デュポンエラストマー社製、VITON GF200S、フッ素濃度含有量:70重量%)
〈低フッ素濃度フッ素ゴム(比較例用)〉
フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体(デュポンエラストマー社製、VITON GAL200S、フッ素濃度含有量:66重量%)
〈硫酸バリウム(A成分)〉
堺化学工業社製、沈降性硫酸バリウム100
〈中性シリカ(B成分)〉
東ソー・シリカ社製、ニプシールER(pH:7.0〜8.5)
〈有機過酸化物(C成分)〉
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(日油社製、パーヘキサ25B−40)
〈イソシアヌレート化合物(D成分)〉
トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製、TAIC)
〈無機顔料(酸化鉄)〉
森下弁柄工業社製、弁柄MR−120
〔実施例1〜7、比較例1〜5〕
下記の表1および表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、これらをロールで混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0005520748
Figure 0005520748
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を用いて、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。これらの結果を、上記表1および表2に併せて示した。
〔硬度〕
各ゴム組成物を170℃で15分間プレス加硫して、厚み2mmの加硫ゴムシートを作製した。ついで、JIS 5号ダンベルを用い、JIS K 6251に準じて、硬度を測定した。
〈評価〉
○:65〜75
△:60を超えて65未満、75を超えて81未満
×:60以下、81以上
〔脆化温度(低温脆化性)〕
各ゴム組成物を用い、JIS K 6261に準じて、脆化温度(℃)を測定した。
〈評価〉
◎:−35℃未満
○:−35℃以上、−30℃以下
×:−30℃を超える
〔ソルベントクラック性(亀裂進展性)〕
各ゴム組成物を170℃で15分間プレス加硫して、厚み2mmの加硫ゴムシートを作製した。ついで、この加硫ゴムシートから切り出したJIS1号ダンベルの中心にノッチ傷を入れ、このダンベルを50%伸張して、そのまま、40℃のFuel C(エタノール10%)に浸漬し、切断するまでの時間(秒)を測定した。
〈評価〉
◎:45秒を超える
○:30秒〜45秒
×:30秒未満
〔ロバスト性〕
各ゴム組成物を170℃で15分間プレス加硫して、厚み2mmの加硫ゴムシートを作製した。ついで、JIS 5号ダンベルを用い、JIS K 6251に準じて、引張破断伸び(%)をN=10回測定し、その標準偏差を導き出した。
〈評価〉
◎:標準偏差が20より小さい
○:標準偏差が20〜25
×:標準偏差が25より大きい
〔耐燃料透過性(カップ法)〕
まず、各ゴム組成物を170℃で15分間プレス加硫して、厚み0.5mmの加硫ゴムシート(サンプルシート)を作製した。そして、このサンプルシートを用いて、以下のようにして、耐燃料透過性(カップ法)の評価を行った。すなわち、図1に示すように、フランジ付きのSUS製カップ(内径φ:66mm、カップ内高さD:40mm)20を準備し、この中に試験燃料としてFUEL C(トルエン/イソオクタン=50/50重量%)を100cc入れた。つぎに、上記SUS製カップ20のフランジ部21に、上記サンプルシート(試料)10を載せ、さらに金網(16メッシュ)11を介してパッキン12で押さえボルト13で固定した。このようにして組立てられたものを逆さまにし、40℃オーブンに投入した。そして、1日毎にカップ重量を測定し、その減少量(透過量Q)を算出した。この値をもとに、下記の式(1)に従い、透過係数(mg・mm/cm2 ・day)を算出した。
〈評価〉
○:1.0以下
×:1.0を超える
Figure 0005520748
上記表1および表2の結果から、実施例品はいずれも、硬度が適正で、低温脆化性、ソルベントクラック性、ロバスト性、耐燃料透過性に優れていた。
これに対して、比較例1品は、硫酸バリウム(A成分)と、中性シリカ(B成分)との総含有量〔(A)+(B)〕が少なすぎるため、硬度が低く、ソルベントクラック性、ロバスト性が劣っていた。比較例2品は、総含有量〔(A)+(B)〕が多すぎるため、硬度が高く、ソルベントクラック性が劣っていた。硫酸バリウム(A成分)の含有量(A)と、中性シリカ(B成分)の含有量(B)との重量比〔(A)/(B)〕が高すぎる比較例3品は、分散性が悪く、低温脆化性、ソルベントクラック性が劣っていた。重量比〔(A)/(B)〕が低すぎる比較例4品は、分散性が悪く、ソルベントクラック性、ロバスト性が低下した。比較例5品は、フッ素濃度含有量が低いフッ素ゴムを使用していため、耐燃料透過性が劣っていた。
本発明のゴム組成物は、自動車用燃料タンクパッキンに使用することが好ましいが、その他、自動車用燃料システムの各種O−リングのようなシール部品等にも使用することができる。

Claims (2)

  1. フッ素濃度含有量が70〜71重量%のフッ素ゴムを主成分とするとともに、架橋系薬品を含有し、さらに下記の(A)および(B)成分を含有するゴム組成物であって、上記(A)成分と(B)成分との総含有量〔(A)+(B)〕が、上記フッ素ゴム100重量部に対して、17〜25重量部の範囲であり、上記(A)成分の含有量と、(B)成分の含有量との重量比が、(A)/(B)=2.0/1〜3.0/1の範囲であり、かつ、上記架橋系薬品が下記の(C)および(D)成分であり、上記(B)成分と(C)成分と(D)成分との総含有量〔(B)+(C)+(D)〕が、上記フッ素ゴム100重量部に対して、10〜14重量部の範囲であり、上記(B)成分の含有量と、(C)成分と(D)成分との総含有量〔(C)+(D)〕との重量比が、〔(B)/(C)+(D)〕=0.9/1〜1.5/1の範囲であり、上記(C)成分の含有量と、(D)成分の含有量との重量比が、(C)/(D)=1.8/1〜2.0/1の範囲であることを特徴とするゴム組成物。
    (A)硫酸バリウム。
    (B)中性シリカ。
    (C)有機過酸化物。
    (D)イソシアヌレート化合物。
  2. 請求項1記載のゴム組成物を加硫してなることを特徴とする自動車用燃料タンクパッキン。
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