JP2011178876A - 防振ゴム組成物及び防振ゴム - Google Patents

防振ゴム組成物及び防振ゴム Download PDF

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正明 山本
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崇浩 齊藤
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Abstract

【課題】本発明では、耐熱性を維持しつつ、低動倍率、耐クリープ性及び引張り物性(伸び,強度)の全ての面に優れ、特に、自動車のエンジンルーム等の高温環境下において好適に使用できる防振ゴムを提供することを課題とする。
【解決手段】ゴム成分として天然ゴム(NR)とエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とブタジエンゴム(BR)とを、質量比でNR+BR/EPDM=70/30〜45/55の割合で含み、BRはゴム成分100質量部に対して10〜20質量部であると共に、加硫剤として過酸化物のみを含み、かつ共架橋剤としてアクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛を含むことを特徴とする防振ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、高温環境下において好適に使用できる耐熱防振ゴム組成物及び該組成物を硬化させてなる防振ゴムに関する。特に、自動車のトーショナルダンパー、エンジンマウント、マフラーハンガー等の高温になる部位で好適に使用できる防振ゴム組成物及び防振ゴムに関する。
従来、自動車等の各種車両では、搭乗者の快適性を向上させるために、振動や騒音の発生源となる部位に様々な防振材を配置し、室内への振動や騒音の侵入を低減する試みがなされてきた。例えば、振動や騒音の主たる発生源であるエンジンに対しては、トーショナルダンパー、エンジンマウント、マフラーハンガー等の構成部材に防振ゴムを用いることでエンジン駆動時の振動を吸収し、室内への振動及び騒音の侵入や、周辺環境への騒音の拡散を低減している。
このような防振ゴムの基本的な特性としては、エンジン等の重量物を支える強度特性や、その振動を吸収し抑制する防振性能が要求される。更に、エンジンルーム等の高温環境下で使用される場合には、強度特性に優れ、かつ動倍率が低く防振性能に優れるのは勿論のこと、耐熱性,耐オゾン性及び耐クリープ性が高いことが求められる。特に、近年では、エンジンの高出力化や、室内空間拡大等によるエンジンルームの省スペース化に伴い、エンジンルーム内の温度は上昇する傾向にあり、自動車用防振ゴムの耐熱性に対する要求もより厳しいものとなっている。
これまで、防振ゴムのゴム成分としては、破壊特性等の物性面に優れる天然ゴム(NR)が用いられることが多かった。しかしながら、NRは、破壊特性等に優れるものの、耐熱性や耐オゾン性が合成ゴムに比較して劣るため、高温環境下での使用においては耐熱性及び耐オゾン性等が不十分であった。
そのような中で、防振ゴムの耐熱性や耐オゾン性の特性を向上させるためにNRの一部もしくは全部をエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)に置換し、パーオキサイド架橋することが行われている。例えば、特開平4−246448号公報(特許文献1)には、EPDM単独配合に不飽和脂肪酸亜鉛を配合して耐熱性を改良する技術が開示され、特開平7−268147号公報(特許文献2)及び特開平7−268148号公報(特許文献3)には、特定のEPDMをパーオキサイド架橋することにより、耐久性を向上させた耐熱防振ゴムが得られる耐熱防振ゴム組成物が提案されている。しかしながら、これら手法では、引張り強度(常温、高温)、引裂き性等のゴム物性及び耐久性が大幅に低下してしまうおそれがある。更に、防振ゴムでは重要な特性である動倍率が上昇し、得られる硬化物が性能として劣ったものとなることが多い。
一方、他の手法で性能を向上させた防振ゴムとして、特定のクロロプレン系ゴムをベースとし、これに特定量のカーボンブラックと軟化剤を配合した、高硬度で低い動倍率を有するゴム成形品を得られるゴム組成物(特開平8−127673号公報:特許文献4)や、共役ジエンを含まないエチレン−α−オレフィン共重合ゴムを用いて、過酸化物で加硫した耐熱性及び動的ヘタリ性に優れた防振ゴム(特開平1−299806号公報:特許文献5)等も提案されているが、更なる改善が望まれる。また、優れた防振性能を得ることができる防振ゴム組成物を得るために、ジエン系ゴムに特定のビスマレイミド化合物のみを加硫剤として用いる技術(特開2006−273941号公報:特許文献6)も提案されているが、防振ゴムの諸性能を更に改良することも望まれる。
また、本出願人は、先に、NR/EPDMのゴム配合に、(メタ)アクリル酸亜鉛とビスマレイミド化合物とを併用することによりゴムの破壊特性、疲労特性及び耐熱性を低下させずに動倍率を下げ、且つ耐セット性を上げる提案をしている(特願2009−195021)。しかしながら、この提案でも、防振ゴムの引張物性の低下が若干見られ、改善の余地があった。
従って、低動倍率、耐クリープ性及び引張り物性(伸び,強度)の全ての面で優れた防振ゴムの開発が望まれていた。
特開平4−246448号公報 特開平7−268147号公報 特開平7−268148号公報 特開平8−127673号公報 特開平1−299806号公報 特開2006−273941号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、特に、自動車のエンジンルーム等の高温環境下で使用される場合においても、低動倍率、耐クリープ性及び引張り物性(伸び,強度)に優れるゴム硬化物が得られる防振ゴム組成物、及び該ゴム組成物を硬化させてなる防振ゴムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ゴム成分として天然ゴム(NR)とエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とブタジエンゴム(BR)とを、質量比でNR+BR/EPDM=70/30〜45/55の割合で含み、BRはゴム成分100質量部に対して10〜20質量部であると共に、加硫剤として過酸化物のみを含み、かつ共架橋剤としてアクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛を含むことを特徴とするゴム組成物を硬化させた防振ゴムが、低動倍率、耐クリープ性及び引張り物性(伸び,強度)の全ての面で優れていることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、従来より提案されている防振ゴム組成物の中には、共架橋剤であるアクリル酸亜鉛やメタクリル酸亜鉛を採用することにより、引張り物性,疲労性等の機械的特性に優れると共に、低動倍率及び耐熱性に優れる反面、防振ゴムの重要な性能評価である耐クリープ性が悪いという傾向があった。このため、耐クリープ性を改善させるために、その解決手段として、アクリル酸亜鉛又はメタクリル酸亜鉛と、その他の架橋剤(例えば、ビスマレイミド,トリメチロールプロパントリメタクリレート及びジメタクリル酸エチレングリコール等)とを併用することにより、架橋系で解決した方法を本出願人は先に特許出願し、提案している。しかしながら、本発明では、架橋系ではなく基材ゴム・ポリマー系に着目したものであり、解決課題である耐クリープ性を改善し、動倍率の更なる改良を行おうとするものである。具体的には、防振ゴム用のゴム配合において、NR及びEPDMを特定の割合で配合したメインポリマーのNRの一部を、耐クリープ性及び動倍率に優れるポリブタジエン(BR)に置換したところ、BRがシス含量の多少に拘わらず、耐熱性を維持しつつ、動倍率及び耐クリープ性を改善し得たものである。また、NRとEPDMとは、一般的にはパーオキサイド架橋を行わないが、本発明では、パーオキサイドと、アクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛とを併用することにより、基材ゴムのメインポリマーを共架橋させ、上記の所望の効果を十分に発揮させるものである。
従って、本発明は下記の防振ゴム組成物及び防振ゴムを提供する。
[1]ゴム成分として天然ゴム(NR)とエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とブタジエンゴム(BR)とを、質量比でNR+BR/EPDM=70/30〜45/55の割合で含み、BRはゴム成分100質量部に対して10〜20質量部であると共に、加硫剤として過酸化物のみを含み、かつ共架橋剤としてアクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛を含むことを特徴とする防振ゴム組成物。
[2]アクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛の配合量がゴム成分100質量部に対して2〜6質量部、且つ過酸化物の配合量が1〜10質量部である[1]記載の防振ゴム組成物。
[3][1]又は[2]記載のゴム組成物を硬化させてなる防振ゴム。
本発明の防振ゴム組成物は、耐熱性を維持しつつ、低動倍率、耐クリープ性及び引張り物性(伸び,強度)の全ての面に優れるものであり、特に、自動車のエンジンルーム等の高温環境下において好適に使用できる防振ゴムを得ることができる。
本発明の防振ゴム組成物は、ゴム成分として天然ゴム(NR)とエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とブタジエンゴム(BR)とを併用した3元系ゴム配合である。そして、上記の基材ゴムに対し、加硫剤として過酸化物、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛とを配合するものである。
ゴム成分としては、NRとBRとEPDMとを含む。その際、NR+BRとEPDMとの配合割合は、質量比で、通常NR+BR/EPDM=70/30〜45/55の範囲とすることが好ましい。EPDMの割合が上記範囲より少なすぎると、耐熱性が低下するおそれがあり、逆に多すぎると、動倍率が上がり、耐久性や強度が低下するおそれがある。
上記のNR及びEPDMは、公知のものを適宜選択使用すればよく、特に制限されるものではない。
また、ブタジエンゴム(BR)については、各種の市販品を使用することができ、そのシス含量やトランス含量については特に制限はなく、シス含量35%以下の低シス・ポリブタジエンゴムやシス含量95%以上の高シス・ポリブタジエンゴム等を使用することができる。ブタジエンゴム(BR)は、1種単独で用いることができるほか、異種のポリブタジエンを2種以上混合して使用することができる。ポリブタジエンゴムの配合量(2種以上の場合にはその全量)については、BRはゴム成分全量100質量部に対して、10〜20質量部である。BRの配合量が上記範囲よりも小さすぎると、耐クリ−プ性の改善が見られなくなるおそれがあり、また、BRの配合量が上記範囲よりも大きすぎると、引張り物性(伸び,強度)等が悪くなるおそれがある。
なお、本発明では上記のようにNR及びEPDMを含むゴム成分を用いるが、その目的を逸脱しない範囲であれば、必要に応じて上記ゴム成分のほかに、公知の合成ゴム等の他のゴムを併用してもよい。その具体例としては、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン・イソプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、エポキシ化天然ゴム、アクリレートブタジエンゴム等の合成ゴム及びこれら合成ゴムまたは天然ゴムの分子鎖末端が変性されたもの等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して使用すればよい。上記ゴムを配合する場合は、ゴム成分全量の通常20質量%以下(0〜20質量%)とすることが好ましい。
加硫剤としては、本発明においては過酸化物のみを用いる。本発明では、過酸化物のみを加硫剤として用いて上記ゴム成分をパーオキサイド架橋することにより、硫黄を用いて架橋した場合と比較して、耐熱性や高温下での耐クリープ性に優れるため、防振ゴムの耐熱性及び耐久性を高めることができる。過酸化物は、この分野において通常使用されるものを配合することができ、その具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロへキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられ、本発明においては、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイドを好適に用いることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これら加硫剤の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、通常1〜10質量部、好ましくは2〜8質量部である。配合量が10質量部を超えると、ゴムが硬化しすぎて、破断伸びの低下及び耐久性の低下等を招くおそれがあり、1質量部未満の場合は、架橋密度が低下し、破断強度の低下、動倍率の悪化、圧縮永久歪みの悪化及び耐久性の低下等を招くおそれがある。
なお、本発明の目的を逸脱しない範囲において、架橋助剤として硫黄を配合することもできる。該架橋助剤を配合する場合、その配合量はゴム成分100質量部に対して0.1〜0.5質量部の範囲とすることが好ましい。
共架橋剤は、それ自体で架橋点の生成能力はないが、ゴム中の架橋反応を起こす添加剤である。本発明では、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛を使用し、これと上記過酸化物と併用することにより、基材ゴムのメインポリマーを共架橋させ、低動倍率及び耐クリープ性等の上記の所望の効果を十分に発揮させるものである。
共架橋剤は、アクリル酸亜鉛またはメタクリル酸亜鉛を単独で1種のみを使用するほか、2種以上を併用することもできる。また、アクリル酸亜鉛とメタクリル酸亜鉛とを混合して使用することもできる。(上記アクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛(以下、便宜上「(メタ)アクリル酸亜鉛」と言う。)の配合量については、特に制限はないが、上記ゴム成分100質量部に対し、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、上限値として、好ましくは6質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは4.5質量部以下である。配合量が上記範囲を超えると、ゴムが硬化しすぎ、破断伸びの低下等を招くおそれがあり、また、上記範囲を下回ると、ゴムの架橋が十分になされず、破断強力の低下、動倍率の上昇、圧縮永久歪みの上昇等を招くおそれがある。
本発明では、脂肪酸エステルを上記(メタ)アクリル酸亜鉛と共にゴム成分に対して配合することもでき、これにより、混練時のゴム成分に対する上記(メタ)アクリル酸亜鉛の分散性を改善し、加硫後のゴムの力学的特性を向上させることができる。ここで、上記脂肪酸エステルを構成する脂肪酸及びアルコールは、共に直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のいずれであってもよく、また炭素数も特に制限されない。なお、本発明においては、通常、炭素数1〜30の鎖長を有する脂肪酸と炭素数1〜30の鎖長を有するアルコールとで構成される公知の脂肪酸エステルを用いることができ、具体的には、ステアリン酸エチルエステル、ステアリン酸プロピルエステル、ステアリン酸ブチルエステル、パルミチン酸エチルエステル、パルミチン酸プロピルエステル、パルミチン酸ブチルエステル等を使用することができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記脂肪酸エステルの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対し、好ましくは0.02〜1.2質量部、より好ましくは0.2〜0.6質量部である。配合量が1.2質量部超えると、ゴムの軟化、作業性の悪化及び動倍率の悪化等を招くおそれがあり、0.02質量部未満になると、分散性改善効果を得られないおそれがある。
なお、この脂肪酸エステルは、ゴム成分との混練時に上記(メタ)アクリル酸亜鉛と別個に配合しても分散性向上の効果を発揮するが、ゴム成分との混練前に予め(メタ)アクリル酸亜鉛とプレミックスすることにより、(メタ)アクリル酸亜鉛のゴム成分に対する分散性を更に向上させることができる。
また、上記ゴム成分に対して、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、ゴム工業で通常使用されている加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、カーボン、亜鉛華(ZnO)、ワックス類、酸化防止剤、充填剤、発泡剤、可塑剤、オイル、滑剤、粘着付与剤、石油系樹脂、紫外線吸収剤、分散剤、相溶化剤、均質化剤等の添加剤を適宜配合することができる。
オイルとしては、公知のものを使用することができ、特に制限されないが、具体的には、アロマティック油、ナフテニック油、パラフィン油等のプロセスオイルや、やし油等の植物油、アルキルベンゼンオイル等の合成油、ヒマシ油等を使用することができる。本発明においては、パラフィン油を好適に用いることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらオイルの配合量は、特に制限されるものではないが、上記ゴム成分100質量部に対し、概ね15〜45質量部とすることができる。配合量が上記範囲を逸脱すると、混練作業性が悪化するおそれがある。なお、油展されたゴムを上記ゴム成分に用いる場合は、該ゴムに含有されるオイルと、混合時に別途添加されるオイルとの合計量が上記範囲となるように調整すればよい。
カーボンとしては、公知のものを使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラックを挙げることができ、本発明においては、FEFを好適に用いることができる。また、これらのカーボンブラックは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらカーボンブラックの配合量は上記ゴム成分100質量部に対し、通常15〜60質量部、好ましくは20〜50質量部である。配合量が60質量部を超えると、作業性が悪化するおそれがあり、15質量部未満になると、接着性の悪化を招くおそれがある。
本発明においては、加硫を促進する観点から、亜鉛華(ZnO)や脂肪酸等の加硫促進助剤を配合することができる。脂肪酸としては飽和,不飽和あるいは直鎖状、分岐状のいずれの脂肪酸であってもよく、脂肪酸の炭素数としても特に制限されるものではないが、例えば炭素数1〜30、好ましくは15〜30の脂肪酸、より具体的にはシクロヘキサン酸(シクロヘキサンカルボン酸)、側鎖を有するアルキルシクロペンタン等のナフテン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸(ネオデカン酸等の分岐状カルボン酸を含む)、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)等の飽和脂肪酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸、ロジン、トール油酸、アビエチン酸等の樹脂酸などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明においては、亜鉛華及びステアリン酸を好適に用いることができる。これら加硫促進助剤の配合量は上記ゴム成分100質量部に対し、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜7質量部である。配合量が10質量部を超えると、作業性の悪化及び動倍率の悪化等を招くおそれがあり、1質量部未満になると、加硫遅延等のおそれがある。
老化防止剤としては、公知のものを用いることができ、特に制限されないが、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤等を挙げることができる。これら老化防止剤の配合量は上記ゴム成分100質量部に対し、通常2〜10質量部、好ましくは3〜7質量部である。
本発明のゴム組成物を得る際、上記各成分の配合方法に特に制限はなく、全ての成分原料を一度に配合して混練しても良いし、2段階あるいは3段階に分けて各成分を配合して混練を行ってもよい。その際、(メタ)アクリル酸亜鉛をゴム成分と混練する前に予め脂肪酸エステルとプレミックスすることにより、上記(メタ)アクリル酸亜鉛の上記ゴム成分に対する分散性が更に向上し、得られるゴムの力学的特性を更に向上させることができる。なお、混練に際してはロール、インターナルミキサー、バンバリーローター等の混練機を用いることができる。更に、シート状や帯状等に成形する際には、押出成形機、プレス機等の公知の成形機を用いればよい。
また、上記ゴム組成物を硬化させる際の加硫条件としては、特に限定されるものはないが、通常140〜180℃で、5〜120分間の加硫条件を採用することができる。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1〜4]
下記表1に示す配合組成で混練し加硫して、実施例1〜7及び比較例1〜4の各々の防振ゴム組成物を所定の条件で加硫硬化させ、長さ120mm×幅120mm×厚さ2mmのシート成型物を作製した。このシートを本発明の防振ゴムの評価体とした。得られたゴムシートについて、硬度(Hd)、引張伸び(Eb)、引張強さ(Tb)、耐熱性、圧縮永久歪、及び動倍率(Kd/Ks)を下記JIS規格に準拠して測定を行い評価した。その結果も表1に併記する。
[硬度(Hd)]
JIS K 6253(タイプA)に準拠
[引張伸び(Eb)]
JIS K 6251に準拠した。Ebが500%以上であると「良好」と判断した。
[引張強さ(Tb)]
JIS K 6251に準拠した。Tbが15MPa以上であると「良好」と判断した。
[耐熱性(熱老化試験)]
JIS K 6257に準拠し、「熱老化1」100℃,96時間、及び「熱老化2」120℃,96時間の2種の異なる熱老化条件下で行い、それぞれ試験片を放置した後、上記硬度(Hd)、引張伸び(Eb)、引張強さ(Tb)をそれぞれ測定した。
[圧縮永久歪み]
JIS K 6262に準拠した。圧縮永久歪み(CS)30%以内を目標値とした。
[静バネ定数(Ks)及び動倍率(Kd/Ks)]
JIS K 6385に準拠し、Kdは100Hzで測定した。動倍率(Kd/Ks)は1.50以内を目標値とした。
上記の配合についての詳細は下記の通りである。
ゴム成分
(1)天然ゴム(NR)、「RSS#1」
(2)高シス・ブタジエンゴム(BR)JSR社製「BR01」(シス含量95%以上)
(3)低シス・ブタジエンゴム(BR)旭化成社製「ジエンNF35R」(シス含量35%)
(4)EPDM:JSR社製の「EP96」、ENB含量 6.0質量%、エチレン含量 66質量%(ゴム成分を「100」としたとき、オイルが50質量部含まれる。)
カーボンブラック
FET級のカーボンブラックを使用した。旭カーボン(株)製「N550」、ヨウ素吸収量43g/kg、DBP吸収量(A法)121ml/100g
老化防止剤
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業(株)製の「ノクラック224」
オイル
パラフィンオイル
過酸化物
ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、日油社製「ペロキシモンF−40」
共架橋剤
(1)ジアクリル酸亜鉛(ZAA)、サートマー社製の「SR633」
(2)ジメタアクリル酸亜鉛(ZMA)、サートマー社製の「SR634」
(3)ジメタアクリル酸マグネシウム、精工化学社製の「ハイクロスGT」
Figure 2011178876
表1の結果から分かるように、本発明にかかる実施例1〜7のゴム組成物は、NR及びEPDMを特定の割合で配合し、NRの一部をBRに置換した3元系のゴム成分とし、これに加硫剤として過酸化物のみを配合するとともに共架橋剤としてアクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛を組み合わせて配合したものである。その結果、これら実施例1〜7のゴム組成物は、比較例1〜4と比べると、優れた低動倍、耐クリープ性、及び引張り物性(伸び及び強度)を改善し得たものである。
比較例3では、NRの一部をBRに置換して使用したものの、その配合量がゴム成分に対して少量であり、その結果、圧縮永久歪みが大きくなり、耐クリープ性の改善は見られなかった。また、比較例4では、NRの一部をBRに置換して使用したものの、その配合量がゴム成分に対して多量であり、その結果、引張伸び及び引張強さの物性の改善は見られなかった。

Claims (3)

  1. ゴム成分として天然ゴム(NR)とエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とブタジエンゴム(BR)とを、質量比でNR+BR/EPDM=70/30〜45/55の割合で含み、BRはゴム成分100質量部に対して10〜20質量部であると共に、加硫剤として過酸化物のみを含み、かつ共架橋剤としてアクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛を含むことを特徴とする防振ゴム組成物。
  2. アクリル酸亜鉛及び/又はメタクリル酸亜鉛の配合量がゴム成分100質量部に対して2〜6質量部、且つ過酸化物の配合量が1〜10質量部である請求項1記載の防振ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載のゴム組成物を硬化させてなる防振ゴム。
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