JP5520733B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
上方に開口をもつ収納ボックスに盗難対策装置を配置する技術を、車両側方に開口をもつ収納ボックスに適用する場合について以下に検討する。
側方に開口をもつ収納ボックスでは、収納ボックスの底や奥壁に盗難対策装置を設けることが考えられる。収納ボックスの底に配置する場合、金属性の物品等電波を通さない材質の収納物が収納されると、盗難対策装置の作動に影響がでる可能性がある。奥壁に配置する場合は、電波の問題は解消されるが、収納物が盗難対策装置に当たらないように丈夫なプロテクタを被せる必要があり、コストアップの要因となる。
そこで、電波受信が良好で且つコストの低減が可能な盗難対策装置の配置が求められる。
車両にはサイドスタンドが備えられ、収納ボックスは、車幅方向左右に配置されている左の収納ボックスと右の収納ボックスとからなり、盗難対策装置は、サイドスタンドが設けられている側と反対側の収納ボックスに配置されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、盗難対策装置は、収納ボックスの天井の下面にヒンジを介して回動可能に取付けられていることを特徴とする。
盗難対策装置が、収納ボックスの天井の下面に取付けられているので、電波受信は良好なものとなる。
また、収納ボックスに物品を収納すると、必然的に物品の上方に空間が出来る。この空間に盗難対策装置を設けるので、物品が盗難対策装置に当たり難くなり、プロテクタ等の保護部材は不要になる。従って、車両のコスト低減を図ることができる。
盗難対策装置は、その上面に、バーコード読み取り部を有している。検査工程において、バーコード読み取り部に、当該車両の車体番号に対応する所定のバーコード情報を読み取らせる必要がある。
組立工程では、盗難対策装置をヒンジから吊り下げるようにして収納ボックスに垂直姿勢にして取付け、検査工程で上面のバーコード読み取り部にバーコード情報を読み取らせた後、盗難対策装置を回動させて、水平姿勢にして、ヒンジから遠い方の盗難対策装置の一端を天井に固定させた。
サイドスタンドが設けられている側の収納ボックスは、サイドスタンドが設けられていない側の収納ボックスに較べて、使用頻度が高い。
使用頻度の低い側の収納ボックスに盗難対策装置を配置したので、使用頻度の高い側の収納ボックスの収納スペースを十分に確保し、このような十分に確保されたスペースを有効に活用することができ、収納ボックス全体として収納スペースを効率良く利用することができる。
請求項4に係る発明では、収納ボックスの天井にヒンジを介してトレー部材を回動可能に取付け、このトレー部材に盗難対策装置が取付けられている。盗難対策装置は、トレー部材に取付けられているので、盗難対策装置を直接天井に取付ける場合に較べて、盗難対策装置のトレー部材への取付作業は容易なものとなる。加えて、盗難対策装置を取付けたトレー部材と天井の間に、ヒンジ部材を介在させたので、盗難対策装置を取付けたトレー部材を天井へ容易に取付けることができる。
盗難対策装置前部にヒンジが設けられ、盗難対策装置が垂直姿勢にあるときは、盗難対策装置の上面に設けた検査対象部が車両前方に向くことになる。車両前方から検査対象部を容易に視認することができるので、盗難対策装置の検査を行い易くすることができる。
図1に示されているように、自動二輪車10は、車体フレーム11と、この車体フレーム11に懸架されているエンジン12と、このエンジン12の前方及び後方に各々設けられている前輪13及び後輪14と、これらの前輪13と後輪14の間にて車体フレーム11に載置されるシート15とを有し、このシート15に乗員が跨って座る形態の鞍乗り型車両である。
燃料タンク41の下方にメインフレーム22L、22Rとダウンフレーム23L、23Rとにエンジン12が懸架されている。
車体カバー46は、車体前部を覆う前部車体カバー47と、車体中央部を側方から覆う中央部サイドカバー48と、この中央部サイドカバー48に連なって車両後方へ延ばされる後部サイドカバー49とを有する。前部車体カバー47にヘッドライト51が取付けられている。
図2に示されているように、中央部サイドカバー48の車両後方に後部サイドカバー49が設けられている。後部サイドカバー49は、中央部サイドカバー48の後部から滑らかに連なるようにして後方へ延ばされている。
なお、目隠し部材85はトレー部材82と一体に設けられていても、別体に設けられていても良いものとする。
すなわち、盗難対策装置83は、サイドスタンド28が設けられていると反対側である右側の収納ボックス61R(右収納ボックス61R)に配置されている。
図4に示されているように、盗難対策装置83は、鞍乗り型車両(自動二輪車10)の車体に加えられた振動を検知する加速度センサ91と、複数の人工衛星から軌道情報を受信することにより車両の現在位置を検出する全地球測位システム(Global Positioning System)92と、加速度センサ91からの加速度信号SA及び全地球測位システム92からの位置情報JPを受けて盗難対策を指令する制御部93と、制御部93からの交信指令SCに基づいて携帯電話基地局94へ位置情報JPを送信する携帯電話通信部95と、制御部93からのエンジン制御信号SECに基づきエンジン12の点火装置96に点火停止信号SSSを送って点火装置96の作動を停止させる、すなわち、エンジン12を停止させるエンジン制御部97と、制御部93からの警報制御信号SACに基づき警報装置98(ヘッドライト51、ウインカ等の灯火器99、ホーンに警報信号SAを送って灯火器99、ホーンを作動させる警報発生部101と、内部電源102と、からなる。内部電源102としては、例えば、リチウム電池が利用される。
次に、盗難対策装置が取付けられるトレー部材について説明する。
図5に示されているように、トレー部材82は、底板110と、この底板110の縁から各々上方に延ばされている第1壁111〜第3壁113と、底板110に付設され上方に延ばされ盗難対策装置(図3、符号83)が止められる第1突設部114〜第3突設部116を有する。
第1壁111〜第3壁113のうちの車両後方側に位置する第3壁113の外方にトレーヒンジ121が付設されている。
図6に示されているように、盗難対策装置83は、外側が箱状のケース体122で覆われ、このケース体122の周囲が弾性部材123によって縦横に囲われ、この弾性部材123に第1凸部124〜第3凸部126が設けられている。これらの第1凸部124〜第3凸部126に、前記第1突設部114〜第3突設部116が各々係合可能な位置に第1係合穴131〜第3係合穴133が設けられている。
第1壁111〜第3壁113のうちの車両幅方向外側に位置する第2壁112に複数のリベット135を介して目隠し部材85が取付けられている。
図7(a)に、盗難対策装置83の平面図が示されており、図7(b)において、図7(a)の(b)矢視図が示されている。
図7(c)において、図7(b)の(c)−(c)線断面図が示されており、盗難対策装置83の後面には、コネクタ147、148が接続される端子部151、152が備えられている。
図8に示されているように、中間部材81は、水平方向で車両長手方向に延び曲面を有する板状部材であり、プレート部161と、このプレート部161の上面161aでその前部及び後部には、上方に突設され収納ボックス(図3、符号61R)の天井下面(図3、符号74u)に取付けられる前後の座部163、164が形成されている。
中間部材81と収納ボックスの天井下面74uとの間には、収納ボックス61Rの開閉蓋(図2、符号64)をロック可能にするロックユニット(不図示)が配置されている。つまり、中間部材81は、ロックユニットカバーといえる。
図9に示されているように、中間部材の下面161bに、上ヒンジ172がボルト173によって締結されている。この上ヒンジ172は、車両前面視で断面L字状を呈しウエルドナット174を固着したヒンジ片175が下方に突設されており、トレー部材(図6、符号82)の後部を回動可能に支持するものである。
図11に、盗難対策装置を取付けたトレー部材はヒンジに取付けられているが、第1固定部及び第2固定部には取付けられておらず、垂直姿勢にある状態が示されている。
盗難対策装置83は、その上面84に検査対象部192を備えており、ヒンジ190にトレー部材82の後部が回動可能に支持され、トレー部材82の前部が締結されていない状態では、盗難対策装置83は、垂直姿勢をとる。
盗難対策装置83が、収納ボックスの天井の下面74uに取付けられている場合と、収納ボックスの底面に取付けられている場合とを較べたときに、配置が異なっているだけで両者の物品収納スペースに大きな差異はない。しかし、収納ボックス内において盗難対策装置の配置が異なっているときに、収納される物品は、いずれの場合においても通常収納ボックスの底面から上方に向け順に収納されていくため、収納ボックスの天井の下面に盗難対策装置を取付けた方が、物品を収納し易く、収納ボックスの使い勝手は良好なものとなる。
サイドスタンド28が設けられている側の左側の収納ボックス61Lは、サイドスタンド28が設けられていない側の右側の収納ボックス61Rに較べて、使用頻度が高い。
使用頻度の低い側の右側の収納ボックス61Rに盗難対策装置83を配置したので、使用頻度の高い側の左側の収納ボックス61Lの収納スペースを十分に確保することができ、収納ボックス全体として収納スペースを効率良く利用することができる。
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、鞍乗り型車両としての不整地走行車(三輪バギー、四輪バギー)等にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
請求項2では、盗難対策装置は、皿状のトレー部材でなく、例えば、枠部材に取付けることは差し支えない。
請求項4では、トレー部材が天井の下面に取付けられたときに、盗難対策装置の上面より上方に延びる目隠し部材を省き、壁部の高さを上方に延ばすことは差し支えない。
Claims (6)
- 車両の位置情報を測定すると共にこの位置情報を無線送信する盗難対策装置(83)が備えられている鞍乗り型車両(10)において、
この車両(10)は、車両水平方向に開口する収納ボックス(61R)を備え、
前記盗難対策装置(83)は、前記収納ボックス(61R)の天井の下面(74u)にヒンジ(190)を介して回動可能に取付けられていることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 車両の位置情報を測定すると共にこの位置情報を無線送信する盗難対策装置(83)が備えられている鞍乗り型車両(10)において、
この車両(10)は、車両水平方向に開口する収納ボックス(61R)を備え、
前記盗難対策装置(83)は、前記収納ボックスの天井の下面(74u)に取付けられ、
前記車両(10)にはサイドスタンド(28)が備えられ、
前記収納ボックス(61)は、車幅方向左右に配置されている左の収納ボックス(61L)と右の収納ボックス(61R)とからなり、
前記盗難対策装置(83)は、前記サイドスタンド(28)が設けられている側と反対側の収納ボックス(61R)に配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記盗難対策装置(83)は、前記収納ボックスの天井の下面(74u)にヒンジ(190)を介して回動可能に取付けられていることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。
- 前記収納ボックス(61R)の天井の下面(74u)に前記ヒンジ(190)を介して皿状のトレー部材(82)を回動可能に取付け、このトレー部材(82)に前記盗難対策装置(83)が取付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項3記載の鞍乗り型車両。
- 水平姿勢の前記盗難対策装置(83)は、上面に検査対象部(192)を備えており、車両長手方向で前記盗難対策装置(83)の後部に前記ヒンジ(190)が設けられ、このヒンジ(190)の回動軸が車幅方向に延びていることを特徴とする請求項1、3又は請求項4のいずれか1項記載の鞍乗り型車両。
- 前記トレー部材(82)は、前記天井の下面(74u)に取付けられたときに、前記盗難対策装置(83)の上面よりも車両上方に延びる目隠し部材(85)を備えていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の鞍乗り型車両。
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