JP2002145154A - 自動二輪車のオーディオ装置配置構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーディオ装置を車体内に一体的に配置して
コンパクトに組み込むことにより、走行毎にオーディオ
装置の積み込みや積み下ろし等の手間を伴うことなく、
自動二輪車に乗って走行する楽しみに加えて音楽を聴く
楽しみが得られる自動二輪車のオーディオ装置配置構造
を提供する。 【解決手段】 車体１中央部の上側にシート１７を備
え、シート１７はその前端のヒンジ１８を介して開閉可
能であって、シート１７の下側の車体１内に荷物収納部
２０を有する自動二輪車において、シート１７の裏面側
にオーディオ装置本体２５を搭載する支持枠２６を枢着
し、シート１７を閉じた状態で支持枠２６上のオーディ
オ装置本体２５が荷物収納部２０内に所定の水平状態で
収納され、シート１７を開くことにより支持枠２６が水
平状態のまま車体１上方に引出される構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ装置を
搭載した自動二輪車に関する。ここで自動二輪車はスク
ータを含む。

【０００２】

【従来の技術】自動二輪車によるツーリング中に、走行
の楽しみの他に途中で音楽を聴く楽しみが求められる場
合がある。このような場合、オーディオ装置を車体の荷
物収納部に積み込んで走行し、途中でこれを取出して音
楽を聴くことが考えられる。しかしながら、小さなスピ
ーカの小型オーディオ機器であれば単に荷物収納部に収
納して容易にこれを取出して使用後に収納することもで
きるが、ある程度以上の音響機能を備えたオーディオ装
置、例えばオーディオ装置本体となるデッキユニットに
音域の異なる複数のスピーカ、例えば高音用のツイー
タ、中音用のスコーカおよび低音用のウーファを備え、
これらをパワーアンプを介してデッキユニットに接続し
たオーディオ装置を収納しようとすれば、狭い車体内に
コンパクトに収納配置することができず、本格的な音楽
を聴く楽しみが得られない。また、このようなオーディ
オ装置を走行する度に車体に積み込むことは面倒であ
り、取出して聴く場合にもスピーカのセット等が面倒に
なって停車して手軽に音楽を楽しむことができない。

【０００３】従来の自動二輪車では、このようなオーデ
ィオ装置を車体内に予めコンパクトに一体的に組み込ん
で、走行中に車体内に収納したままあるいは停車時等に
取出して、面倒なセッティング等の作業や聴き終わった
後の収納作業等の煩わしさを伴うことなく、手軽に音楽
を聴けるようにした高機能オーディオ装置付き自動二輪
車は実現されていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
を考慮したものであって、オーディオ装置を車体内に一
体的に配置してコンパクトに組み込むことにより、走行
毎にオーディオ装置の積み込みや積み下ろし等の手間を
伴うことなく、自動二輪車に乗って走行する楽しみに加
えて音楽を聴く楽しみが得られる自動二輪車のオーディ
オ装置配置構造の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、車体中央部の上側にシートを備え、該
シートはその前端のヒンジを介して開閉可能であって、
該シートの下側の車体内に荷物収納部を有する自動二輪
車において、前記シートの裏面側にオーディオ装置本体
を搭載する支持枠を枢着し、該シートを閉じた状態で前
記支持枠上のオーディオ装置本体が前記荷物収納部内に
所定の水平状態で収納され、前記シートを開くことによ
り前記支持枠が前記水平状態のまま車体上方に引出され
ることを特徴とする自動二輪車のオーディオ装置配置構
造を提供する。

【０００６】この構成によれば、前端のヒンジ廻りに回
転して開閉可能なシートを備え、その下側に荷物収納部
を有するスクータ等の自動二輪車において、シート裏面
側から吊下げるように回転可能に取り付けた支持枠上に
オーディオ装置本体が水平に搭載され、シートの後部側
を持ち上げて開くと、その回転動作に追従してシート裏
面に取付けた支持枠がシートに対して自由回転し、オー
ディオ装置の重量により水平状態を保ったまま荷物収納
部から上方に引出される。これにより、シートを開放す
ることによりそのままオーディオ装置を操作して音楽を
聴くことができ、聴き終わった後はシートを閉じること
によりオーディオ装置はそのまま水平を保って車体内に
収納される。

【０００７】好ましい構成例では、ハンドルの中央部を
覆って計器類が装着されたハンドルカバーを備え、該ハ
ンドルカバーの下側に前側車体カバーを備え、前記シー
トの後方にヒンジを介して開閉可能な蓋を有するリヤボ
ックスを備えた自動二輪車において、前記オーディオ装
置は低音用、中音用および高音用のスピーカを備え、前
記ハンドルカバーに高音用スピーカを装着し、前記前側
車体カバーに中音用スピーカを装着し、前記リヤボック
ス内に低音用スピーカを装着したことを特徴としてい
る。

【０００８】この構成によれば、シート下の荷物収納部
に収納したオーディオ装置本体（ヘッドユニット等）に
接続する高音用スピーカ（ツイータ）をハンドルカバー
内に装着し、中音用スピーカ（スコーカ）を前側車体カ
バー内に装着し、低音用スピーカ（ウーファ）をリヤボ
ックス内に装着することにより、オーディオ装置全体が
電気配線した状態で車体内スペースを有効に利用してコ
ンパクトに車体内に分散して組込まれる。この場合、シ
ートに乗った状態の運転者に対し最も近い位置のハンド
ルカバーに、比較的音が伝播しにくい高音用のツイータ
が装着され、これより少し遠い位置の前側車体カバーに
中音用スピーカが装着され、最も遠い位置のリヤボック
スに比較的音が伝播しやすい低音用ウーファが装着され
る。このような配置構成により、音高全域に対し聴き取
りやすい位置に各音域のスピーカを設けることができ、
バランスよく自動二輪車の車体全体を利用して全音域を
聴き取って充分に音楽を楽しむことができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図１は、本発明が適用される
スクータの構成図である。このスクータはその車体１の
前部にハンドル２を備え、ハンドル２の中央部のステア
リング軸３がハンドルカバー４で覆われる。ハンドルカ
バー４にはサイドミラー５および計器類（不図示）が装
着される。ステアリング軸３はヘッドパイプ６を挿通し
てこれに回転可能に軸支され、前輪８を保持するフロン
トフォーク７に連結される。

【００１０】ヘッドパイプ６の後側に車体メインフレー
ムを構成するダウンチューブ９が固着される。ダウンチ
ューブ９は、車体ほぼ中央下部まで延び、その端部９ａ
に左右のリヤフレーム１０が接合される。リヤフレーム
１０は、エンジン１１を支持するとともに、エンジン１
１と一体の駆動伝達系１２に連結された後輪１３をショ
ックアブソーバ１４を介して揺動可能に支持する。

【００１１】ハンドルカバー４の下側の車体フレームは
前側車体カバー１５で覆われる。この前側車体カバー１
５の後面側（運転者側）に小物収納用グローブボックス
１６が矢印Ａのように開閉可能に設けられる。

【００１２】車体中央部の上側にシート１７がその前端
部のヒンジ１８（×印）を中心に矢印Ｂのように開閉可
能に設けられる。このシート１７の下側の車体カバー１
９内に荷物収納部２０が形成される。シート１７の後方
には、ブラケット２１を介してリヤフレーム１０に連結
された荷台フレーム２２が設けられる。この荷台フレー
ム２２上に、リヤボックス２３が固定される。リヤボッ
クス２３は、ボックス本体３８と蓋２４とからなる。蓋
２４はその前端のヒンジ４９（図４）を介してボックス
本体３８に対し回動して開閉可能である。

【００１３】本実施形態においては、シート１７の裏面
に、オーディオ装置本体（デッキユニット）２５を搭載
する支持枠２６が軸２７廻りに回転可能に枢着される。
この支持枠２６の下面に、軸２９廻りに回転可能な支持
棒２８が軸５０廻りに回転可能に連結される。オーディ
オ装置本体２５は、支持枠２６上に水平状態で固定保持
され、荷物収納部２０内に収納される。シート１７を開
くと、このシート１７に対し回転可能な支持枠２６は、
支持棒２８により下側から支持されて回転移動し、図の
一点鎖線で示すように、オーディオ装置本体２５を水平
状態に保ちながら荷物収納部２０から引出す。この荷物
収納部２０の底面には床板（不図示）が設けられ、その
上（又は下側）にオーディオ装置本体とスピーカ等を接
続する電気ケーブル（後述のコード）が配設される。

【００１４】ハンドルカバー４には、オーディオ装置本
体２５に接続された高音域用スピーカ（ツイータ）３０
が装着される。前側車体カバー１５のグローブボックス
１６には中音域用スピーカ（スコーカ）３１が装着され
る。リヤボックス２３内には低音域用スピーカ（ウーフ
ァ）３２が装着される。また、このリヤボックス２３の
蓋２４にはパワーアンプ３３が装着される。

【００１５】オーディオ装置本体２５には高音域用スピ
ーカ３０及び中音域用スピーカ３１の音質を上げるため
のクロスオーバーネットワーク３９が備わり、それぞれ
のスピーカ３０，３１とコード４１、４２で接続され
る。また、車体１中央下部（ダウンチューブ９とリヤフ
レーム１０の接続部付近）にはエンジン始動やライト用
の車載バッテリ４３が備わる。このバッテリ４３は、コ
ード４４を介してオーディオ装置本体２５にも接続され
電源を供給する。なお、バッテリ４３はオーディオ装置
専用のバッテリであってもよい。また停車時に、図示し
ない外部電源端子を介して例えば家庭用１００Ｖの外部
電源に接続してオーディオ装置本体２５を作動させるこ
とができるようにしてもよい。

【００１６】荷物収納部２０の下部には低音域用スピー
カ３２の音質を上げるためのクロスオーバーネットワー
ク４５が備わり、コード４６を介してパワーアンプ３３
と接続される。パワーアンプ３３はコード４７を介して
低音域用スピーカ３２と接続される。上記構成配置した
オーディオ装置は、走行中に作動させて聴くことがで
き、又停車してシートを開いて引出してから聴くことも
できる。

【００１７】図２は、ハンドルカバー４および前側車体
カバー１５の運転者側から見た外観図である。

【００１８】図示したように、ハンドルカバー４の計器
装着部３４の両側にツイータ３０が放音面を露出させて
装着される。グローブボックス１６はヒンジ３５を介し
て開閉可能であり、上部にロック３６が備わる。このグ
ローブボックス１６に２個のスピーカ３１が、その放音
面を露出させて並べて設けられる。なお、グローブボッ
クス１６は、スコーカ３１を収納すると、他の小物を入
れるスペースがほとんどないため、通常時は開かないよ
うに、このグローブボックス１６は、ネジ等により、前
側車体フレーム１５に固定してもよい。

【００１９】図３は、シート１７を開放した状態の概略
図である。図示したように、シート１７を開放した状態
で、支持枠２６上に搭載固定されたオーディオ装置本体
２５は、前述のように両端が軸２９，５０で回動可能に
枢支された支持棒２８により下側から支えられて、水平
状態のまま荷物収納部２０から引出される。

【００２０】図４はリヤボックス２３の蓋２４が開いた
状態の斜視図である。ボックス本体３８の上面がシール
ド膜３７で覆われる。このシールド膜３７から放音面を
露出させてウーファ３２が装着される。蓋２４の裏面側
に取付板４０が設けられ、この取付板４０にパワーアン
プ３３の背面が接着剤またはネジ等により固定される。
蓋２４は紐（又はワイヤ）４８によりボックス本体３８
に繋がれ蓋２４が開きすぎて倒れることを防止する。パ
ワーアンプ３３はコード４７を介して低音域用スピーカ
３２に接続される。このパワーアンプ３３を介してオー
ディオ装置本体２５と各スピーカが接続されている。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では、スク
ータ等の自動二輪車において、シート裏面側から吊下げ
るように回転可能に取り付けた支持枠上にオーディオ装
置本体が水平に搭載され、シートの後部側を持ち上げて
開くと、その回転動作に追従してシート裏面に取付けた
支持枠がシートに対して自由回転し、オーディオ装置の
重量により水平状態を保ったまま荷物収納部から上方に
引出される。これにより、コンパクトにオーディオ装置
を車体内に配設できるとともにシートの開閉動作によ
り、容易に装置本体を収納、取出しができ、シートを開
放することによりそのままオーディオ装置を操作して音
楽を聴くことができ、聴き終わった後はシートを閉じる
ことによりオーディオ装置はそのまま水平を保って車体
内に収納される。このようにオーディオ装置を車体内に
予めコンパクトに一体的に組み込んで、走行中に車体内
に収納したままあるいは停車時等に取出して、面倒なセ
ッティング等の作業や聴き終わった後の収納作業等の煩
わしさを伴うことなく、手軽に音楽を聴くことができ、
走行毎にオーディオ装置の積み込みや積み下ろし等の手
間を伴うことなく、自動二輪車に乗って走行する楽しみ
に加えて手軽に音楽を聴く楽しみが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明が適用されるスクータの構成図。

【図２】 図１のスクータの運転者側から見たハンドル
カバーおよび前側車体カバーの外観図。

【図３】 シートを開いてオーディオ装置を引出した状
態の斜視図。

【図４】 リヤボックスを開いた状態の斜視図。

【符号の説明】

１：車体、２：ハンドル、３：ステアリング軸、４：ハ
ンドルカバー、５：サイドミラー、６：ヘッドパイプ、
７：フロントフォーク、８：前輪、９：ダウンチュー
ブ、９Ａ：ダウンチューブの端部、１０：リヤフレー
ム、１１：エンジン、１２：駆動伝達系、１３：後輪、
１４：ショックアブソーバ、１５：前側車体カバー、１
６：グローブボックス、１７：シート、１８：ヒンジ、
１９：車体カバー、２０：荷物収納部、２１：ブラケッ
ト、２２：荷台フレーム、２３：リヤボックス、２４：
蓋、２５：オーディオ装置本体、２６：支持枠、２７：
軸、２８：支持棒、２９：軸、３０：高音域用スピー
カ、３１：中音域用スピーカ、３２：低音域用スピー
カ、３３：パワーアンプ、３４：計器装着部、３５：ヒ
ンジ、３６：ロック、３７：シールド膜、３８：ボック
ス本体、３９：クロスオーバーネットワーク、４０：取
付板、４１：コード、４２：コード、４３：バッテリ、
４４：コード、４５：クロスオーバーネットワーク、４
６：コード、４７：コード、４８：紐、４９：ヒンジ、
５０：軸。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ６２Ｊ 23/00 Ｂ６２Ｊ 23/00 Ｂ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体中央部の上側にシートを備え、該シー
   トはその前端のヒンジを介して開閉可能であって、該シ
   ートの下側の車体内に荷物収納部を有する自動二輪車に
   おいて、 前記シートの裏面側にオーディオ装置本体を搭載する支
   持枠を枢着し、該シートを閉じた状態で前記支持枠上の
   オーディオ装置本体が前記荷物収納部内に所定の水平状
   態で収納され、前記シートを開くことにより前記支持枠
   が前記水平状態のまま車体上方に引出されることを特徴
   とする自動二輪車のオーディオ装置配置構造。
2. 【請求項２】ハンドルの中央部を覆って計器類が装着さ
   れたハンドルカバーを備え、該ハンドルカバーの下側に
   前側車体カバーを備え、前記シートの後方にヒンジを介
   して開閉可能な蓋を有するリヤボックスを備えた自動二
   輪車において、前記オーディオ装置は低音用、中音用お
   よび高音用のスピーカを備え、前記ハンドルカバーに高
   音用スピーカを装着し、前記前側車体カバーに中音用ス
   ピーカを装着し、前記リヤボックス内に低音用スピーカ
   を装着したことを特徴とする請求項１に記載の自動二輪
   車のオーディオ装置配置構造。