JP5520539B2 - 茹で麺装置用酸性洗浄剤及び茹で麺装置の洗浄方法 - Google Patents

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本発明は、茹で麺装置用酸性洗浄剤及び茹で麺装置の洗浄方法に関する。
製麺工場において茹で麺を製造する製造工程には、小麦粉を主成分とする原料粉に練水を加えてミキサーで混練して調製された麺生地を、複合ロールに通し、さらに、段階的に圧延して所定の厚みにしてから、切刃に通して生麺を製造した後、製造した生麺をバケットに収容し、湯浴槽(茹で槽)内にて茹で揚げる茹で工程がある。
このような茹で麺の製造工程(以下、製麺ラインという)には、従来、図1に示すように、複数のバケット11と、これら複数のバケット11を移送するコンベア12と、底面部にスチーム配管14が設けられた茹で槽13とを備える茹で麺装置10が用いられており、この茹で麺装置10では、生麺を収容したバケット11が、スチーム配管14により熱せられた水が張られた茹で槽13内へコンベア12により移送されて、バケット11内の麺が茹で上げられる。そして、茹で上がった茹で麺は、冷却されpH調整された後、包装される。
このような茹で麺装置10を長時間使用すると、麺に含まれていた澱粉や小麦粉タンパク(グルテン)に由来する汚れや、カルシウム等を含むいわゆる「スケール汚れ」がバケット11、コンベア12、茹で槽13、及び、スチーム配管14に強固に付着する。
このため、定期的に茹で麺装置10の洗浄を行うことが必要である。例えば、この茹で麺装置10は、次に示すような方法により、洗浄される。
まず、茹で槽13内に、水を投入し、スチーム加熱する(お湯張り工程)。次に、茹で槽13内に洗浄剤を投入し(洗浄剤投入工程)、コンベア12によりバケットを移送させながら、約2時間放置した(洗浄工程)後、茹で槽13内の水(洗浄水)を排水する(排水工程)。そして、バケット11、コンベア12、茹で槽13、及び、スチーム配管14を高圧水ですすいだ(前すすぎ工程)後、再度、茹で槽13に水を投入し、100℃程度までスチーム加熱する(再お湯張り工程)。そして、コンベア12によりバケット11を移送させながら、約1〜2時間放置した後(本すすぎ工程)、茹で槽13内の水を排水し(排水工程)、バケット11、コンベア12、茹で槽13、及び、スチーム配管14を高圧水ですすぐ(後すすぎ工程)。
特許文献1には、茹で麺装置等の麺類調理装置の洗浄に用いる洗浄剤として酸素系漂白剤を含有する麺類調理装置用洗浄組成物が開示されている。
特許文献1には、このような洗浄組成物を用いることによって麺類調理装置に付着する汚れを除去することができることが記載されている。
除去対象となる汚れの成分としては、麺類自体の炭水化物やタンパク質等と、ゆで調理に利用する水の硬度成分に由来する無機物のスケール分とが複合的に混じり合ったものが想定されている。
また、特許文献1には、酸性洗浄剤がカルシウム塩やマグネシウム塩のスケール等の無機物に対し優れた洗浄作用を示し、麺類調理装置に生じる無機スケールを洗浄するのに有効であることが記載されている。特許文献1には、10%塩酸等の無機酸やクエン酸等の有機酸を主成分とする酸性洗浄剤と酸素系洗浄剤組成物とを交互に使用することにより優れた洗浄効果を発揮させることができることが記載されている。
特許文献2には、一般式R−SOH(式中のRは、メチル基、又は、炭素数が1〜9であって少なくとも1以上の水酸基を有する置換アルキル基を示す。)で表される少なくとも1種の有機スルホン酸を0.01g/l以上25g/l以下含有するアルミニウム系金属材料用酸性洗浄剤が開示されている。
特許文献2には、上記有機スルホン酸に加えて、硫酸、硝酸、及び、リン酸よりなる群から選択される少なくとも1種の無機酸を0.01g/l以上25g/l以下含有するアルミニウム系金属材料用酸性洗浄剤が開示されており、このような無機酸はエッチング促進剤としての機能を有するとされている。
また、特許文献2には、このような洗浄剤が飲料缶等のアルミニウム系金属材料の表面に付着したアルミニウム酸化物や、油分、スマット等を十分に除去して清浄化し、均一な化成被膜を形成することに適していることが記載されている。
しかしながら、特許文献2には、このような酸性洗浄剤が茹で麺装置に付着する汚れやスケール汚れの洗浄に適していることについては一切記載されていない。
特開2004−2734号公報 特開2007−197775号公報
特許文献1に記載されたような麺類調理装置用洗浄剤組成物を用いて茹で麺装置の洗浄を行う場合には、酸性洗浄剤として10%塩酸等の無機酸やクエン酸等の有機酸を用いる。
しかしながら、茹で槽の洗浄に塩酸を使用すると、茹で槽から塩酸ミストが発生することがあり、塩酸ミストが拡散して茹で槽以外の箇所のステンレスを腐食するという問題があった。
塩酸ミストによる腐食の問題は、容量の小さい(例えば20〜40リットル)茹で槽を使用する小規模な飲食店等では茹で槽の直上に排気フード等を設けることによって軽減することができるため、大きな問題となることは少ない。
しかしながら、大容量(例えば4トン)の茹で槽を用いる製麺工場において塩酸を用いた場合には塩酸ミストによる腐食の問題を避けることが困難となっていた。
また、茹で槽の洗浄にスルファミン酸を用いた場合にもミストによるステンレスの腐食が生じることがあった。
従って、ミストによるステンレスの腐食が生じることがなく、製麺工場で用いる大容量の茹で麺槽の洗浄に適した洗浄剤が望まれていた。
一方、酸性洗浄剤としてクエン酸を用いた場合には、茹で槽に付着したスケール汚れを除去できる場合と、スケール汚れを除去できない場合があった。
スケール汚れを除去できる場合、できない場合の差異について本発明者らが詳細に検討したところ、中華麺の茹で麺の製造に使用した茹で槽に付着したスケール汚れの除去が困難となることが多いことが判明した。この理由について本発明者らがさらに詳細に検討したところ、中華麺の茹で麺の製造に用いた茹で槽に付着したスケール汚れには、中華麺に含まれるリンに由来するリン酸カルシウムやリン酸マグネシウム等のリン酸塩が含まれており、通常、水の硬度成分に由来するスケール汚れとして想定される炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムとはスケール汚れの成分が異なることが判明した。
また、うどんやそば等の茹で麺の製造に用いた茹で槽においても、リン酸塩を含むスケールが付着していることがあった。
そのため、クエン酸を用いた場合には除去できない、リン酸塩を含むスケール汚れを除去することのできる洗浄剤が望まれていた。
本発明者らは、ミストによるステンレスの腐食が生じることなく、茹で槽に付着したリン酸塩を含むスケール汚れを除去することができる洗浄剤の組成について検討した。
本発明者らは、ミストによるステンレスの腐食の原因となる塩酸やスルファミン酸を使用しないことを前提として、酸性洗浄剤の組成を種々変更して酸性洗浄剤の組成とリン酸を含むスケール汚れの除去性の関係を調べた。
その結果、リン酸及び硝酸を含む酸性洗浄剤を用いるとリン酸塩を含むスケール汚れを除去することができることを見出した。
しかしながら、リン酸及び硝酸を含む酸性洗浄剤を用いた場合には、硝酸の含有割合が20重量%以下であるとリン酸塩を含むスケール汚れの除去性が低下することが判明した。
すなわち、リン酸及び硝酸を含む酸性洗浄剤を用いてリン酸塩を含むスケール汚れを除去するためには酸性洗浄剤中に含まれる硝酸の含有割合が高いことが必要である。
しかしながら、酸性洗浄剤に含まれる硝酸の含有割合が20重量%を超えると、酸性洗浄剤から発煙することがある。また、酸性洗浄剤の希釈時(酸性洗浄剤を茹で槽に投入する時)に発煙することもある。
このことから、製麺工場等で使用する酸性洗浄剤の組成として、硝酸の含有割合が20重量%を超えて高い組成は不適当であると考えられた。
そこで、本発明者らは、リン酸塩を含むスケール汚れを除去することができ、かつ、硝酸の含有割合を低くした酸性洗浄剤の組成についてさらに検討した。
その結果、リン酸及び硝酸に加えてメタンスルホン酸をさらに配合することによって、硝酸の含有割合を20重量%以下とした場合であってもリン酸塩を含むスケール汚れを好適に除去することができることを初めて見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤は、製麺工場で用いられるステンレス製茹で麺装置に付着したスケール汚れを除去するための茹で麺装置用酸性洗浄剤であって、
メタンスルホン酸と、硝酸と、リン酸とを含み、上記硝酸の含有割合が1〜20重量%であることを特徴とする。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤には、塩酸やスルファミン酸が含まれていないため、ミストによるステンレス製茹で麺装置の腐食を避けることができる。そのため、本発明の酸性洗浄剤は、製麺工場のような大容量の茹で麺槽の洗浄に適している。
また、本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤はメタンスルホン酸と、硝酸と、リン酸とを含んでいるため、茹で槽に付着したリン酸塩を含むスケール汚れを良好に除去することができる。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤がリン酸塩からなるスケール汚れを除去することができる機構は明確ではないが、硝酸やメタンスルホン酸等の強酸とリン酸をともに含むことがリン酸塩からなるスケール汚れの除去に対して有効ではないかと考えられる。
さらに、本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤は、硝酸の含有割合が1〜20重量%と低いため、酸性洗浄剤からの発煙が起こらず、酸性洗浄剤の投入時に発煙が生じることもない。そのため、製麺工場等で使用する酸性洗浄剤の組成として適しているといえる。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤は、上記メタンスルホン酸を1〜98重量%含むことが望ましい。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤は、さらに強酸及び酸化剤に安定な界面活性剤を含むことが望ましい。
本発明の茹で麺装置の洗浄方法は、製麺工場で用いられるステンレス製茹で麺装置を、本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤を用いて洗浄することを特徴とする。
本発明の茹で麺装置の洗浄方法では、ステンレス製茹で麺装置を腐食させることなく茹で麺装置に付着した汚れの洗浄を行うことができる。
本発明の茹で麺装置の洗浄方法では、上記茹で麺装置に付着したリン酸塩を含むスケール汚れを除去することが望ましい。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤を用いて洗浄することによって、リン酸塩を含むスケール汚れを好適に除去することができる。
本発明の茹で麺装置の洗浄方法では、上記茹で麺装置を本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤を用いて洗浄した後に、アルカリ性洗剤を用いてさらに上記茹で麺装置を洗浄することが望ましい。
アルカリ性洗剤を用いてさらに洗浄を行うと、茹で麺装置に付着した炭水化物やタンパク質等の有機物汚れも好適に除去することができる。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤は、ミストによるステンレス製茹で麺装置の腐食を避けることができ、茹で槽に付着したリン酸塩を含むスケール汚れを良好に除去することができる。
また、酸性洗浄剤からの発煙が起こらず、酸性洗浄剤の投入時に発煙が生じることもないため、製麺工場等で茹で麺装置の洗浄に好適に使用することができる。
また、本発明の茹で麺装置の洗浄方法によると、ステンレス製茹で麺装置を腐食させることなく茹で麺装置に付着した汚れの洗浄を行うことができる。
図1は、茹で麺の製造工程を説明するための説明図である。
以下、本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤の各成分について説明する。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤は、製麺工場で用いられるステンレス製茹で麺装置に付着したスケール汚れを除去するための茹で麺装置用酸性洗浄剤であって、
メタンスルホン酸と、硝酸と、リン酸とを含み、上記硝酸の含有割合が1〜20重量%であることを特徴とする。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤に含まれるメタンスルホン酸の含有割合は、特に限定されるものではないが、1〜98重量%であることが望ましく、5〜50重量%であることが特に望ましい。
また、リン酸の含有割合は特に限定されるものではないが、1〜80重量%であることが望ましく、5〜50重量%であることが特に望ましい。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤に含まれる硝酸の含有割合は1〜20重量%である。硝酸の含有割合が20重量%以下であると、酸性洗浄剤から発煙することがなく、酸性洗浄剤の投入時に発煙が生じることもない。
硝酸の含有割合は、5〜15重量%であることが特に望ましい。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤は、さらに強酸及び酸化剤に安定な界面活性剤を含むことが望ましい。界面活性剤の種類としては、アルキルアミンオキシド(例えば、clariant社製、Genaminox)、アルキルエーテルカルボン酸(例えば、clariant社製、EMULSOGEN)や、非イオン性の界面活性剤であるBASF社製、Plurafac(プルラファック)等が挙げられる。
本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤で洗浄を行う対象は、製麺工場で用いられるステンレス製茹で麺装置であり、本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤は、ステンレス製茹で麺装置に付着したリン酸カルシウムやリン酸マグネシウムといったリン酸塩を含むスケール汚れを除去することに適している。
また、塩酸やスルファミン酸が含まれていないため、ミストによりステンレス製茹で麺装置を腐食させることがない。
なお、ステンレスの種類は特に限定されるものではないが、SUS304、SUS316、SUS430等に好適に使用することができる。
続いて、本発明の茹で麺装置の洗浄方法について説明する。
本発明の茹で麺装置の洗浄方法は、製麺工場で用いられるステンレス製茹で麺装置を、本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤を用いて洗浄することを特徴とする。
以下、図1に示した茹で麺装置に付着した汚れを洗浄する方法を例にして、本発明の洗浄方法を説明する。
最初に、茹で槽13内に水を張り、スチーム加熱する(お湯張り工程)。
次に、茹で槽13内のお湯に本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤を投入する。
茹で麺装置用酸性洗浄剤の投入量は、お湯の量1リットルあたり10〜50ml程度が好ましい(酸性洗浄剤投入工程)。
続いて、スチーム加熱により煮沸し、コンベア12によりバケットを移送させながら30分〜2時間煮沸洗浄を行う(酸洗浄工程)。
続いて、アルカリ剤を加えて茹で槽内の液を中和し、pHを中性付近に調整した後に排水する(中和、排水工程)。
アルカリ剤としては、48%水酸化ナトリウム水溶液を好適に使用することができる。
その後、コンベア12によりバケットを移送させながら茹で槽13をすすぐ工程(すすぎ工程)を行うことによって本発明の茹で麺装置の洗浄方法を終了する。
なお、すすぎ工程は、茹で槽内に付着した汚れ、酸性洗浄剤、アルカリ剤等をすすぎ除去することができればその具体的な方法は特に限定されるものではない。例えば、高圧水ですすぐ工程(前すすぎ工程)、茹で槽13内に水を張りスチーム加熱により煮沸して30分〜2時間程度煮沸洗浄し、排水する工程(本すすぎ工程)、及び、高圧水ですすぐ工程(後すすぎ工程)を含むすすぎ工程を行うことが望ましい。
また、本発明の茹で麺装置の洗浄方法では、茹で麺装置を本発明の茹で麺装置用酸性洗浄剤を用いて洗浄した後に、アルカリ性洗剤を用いてさらに上記茹で麺装置を洗浄することが望ましい。
アルカリ性洗剤による洗浄方法としては、例えば上記した中和、排水工程及び高圧水によるすすぎ工程を行った後に、茹で槽13内に水を張り、アルカリ性洗剤を所定量投入し、スチーム加熱により所定時間煮沸洗浄する方法を用いることができる。
アルカリ性洗剤の種類は、茹で槽の洗浄剤として知られているものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ成分として水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含み、さらにケイ酸塩、非イオン性界面活性剤、キレート剤を含むアルカリ性洗剤(商品名としては、例えば、サニプラン ゆで麺槽洗浄剤EX(株式会社ニイタカ製))を用いることが望ましい。
アルカリ性洗剤としてサニプラン ゆで麺槽洗浄剤EXを用いる場合、お湯の量1リットルあたり5〜20g程度を投入して、30分〜2時間程度煮沸洗浄することが望ましい。
このような本発明の茹で麺装置の洗浄方法によると、ステンレス製茹で麺装置を腐食させることなく茹で麺装置に付着した汚れの洗浄を行うことができる。
また、酸性洗浄剤による洗浄によりリン酸塩を含むスケール汚れを良好に除去することができる。さらにアルカリ性洗剤を用いてさらに洗浄を行うと、茹で麺装置に付着した炭水化物やタンパク質等の有機物汚れも好適に除去することができる。
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
純分67.5%の硝酸を14.67重量%、純分85%のリン酸を23.53重量%、純分100%のクエン酸を7.50重量%、純分70%のメタンスルホン酸を14.29重量%と、合計が100重量%となる水(40.01重量%)を混合して酸性洗浄剤を調製した。
この酸性洗浄剤における硝酸の含有割合は、14.67(重量%)×0.675(純分)=9.90重量%である。
酸性洗浄剤の組成は表1にまとめて示した。なお、合計が100重量%となる水の量は「バランス」と示した。
(実施例2〜4)
酸性洗浄剤の組成をそれぞれ表1に示すように変更した他は実施例1と同様にして酸性洗浄剤を調製した。
なお、実施例4における硝酸の含有割合は、26.67(重量%)×0.675(純分)=18.00重量%である。
(実施例5〜7)
酸性洗浄剤の組成をそれぞれ表1に示すように変更した他は実施例1と同様にして酸性洗浄剤を調製した。
なお、これらの実施例では界面活性剤を添加した。Genaminox K−10(clariant社製)、EMULSOGEN COL 100(clariant社製)、プルラファックLF600(BASF社製)は、硝酸の存在下でも使用可能な界面活性剤として選択した。
(比較例1〜6)
酸性洗浄剤の組成をそれぞれ表2に示すように変更した他は実施例1と同様にして酸性洗浄剤を調製した。
(比較例7〜9)
酸性洗浄剤の組成をそれぞれ表2に示すように変更した他は実施例1と同様にして酸性洗浄剤を調製した。
なお、これらの比較例では腐食防止剤を添加した。Korantin PM(BASF社製)は、酸全般に用いられる腐食防止剤であり、イビットNo.155K(朝日化学社製)はスルファミン酸に用いられる腐食防止剤である。
(スケール汚れ除去性の評価)
各実施例及び各比較例で調製した各酸性洗浄剤を用いて、スケール汚れ溶解試験を以下のようにして行い、スケール汚れ除去性を評価した。
(1)内容積4トンの中華麺用茹で麺槽に付着した、リン酸塩を含むスケール汚れ(ほぼ球状、直径約1mm、大まかな組成比率はリン酸塩:炭酸カルシウム=4:1)を試験用汚れとした。
(2)200mlビーカーに水を150ml、酸性洗浄剤を2.25ml入れて、ウォーターバスを用いて加熱した。
(3)水温が90℃となったら、スケール汚れを5個入れて、煮沸し、スケール汚れが溶解するまでの時間を計測した。スケール汚れの溶解は目視観察にて判定した。
スケール汚れが90分以内で溶解した場合を評価結果が良好と判断し、表1及び表2には○で示した。スケール汚れが90分以内で溶解しなかった場合を表1及び表2には×で示した。なお、600分経過後もスケール汚れが溶解しなかった場合は「溶解せず」とした。
(腐食性の評価)
酸性洗浄剤のステンレス製茹で麺装置に対する腐食性を以下のようにして評価した。
(1)500mlのSUS304製ビーカーに水を300ml、酸性洗浄剤を4.5ml入れて、ウォーターバスを用いて3時間煮沸した。
(2)SUS304製ビーカーを水洗し、乾燥後に喫水面の光沢が変化していないか目視観察にて判定した。その結果、光沢が変わっていないものを評価結果が良好として表1及び表2には○で示した。光沢が落ちていたものを表1及び表2には×で示した。
Figure 0005520539
Figure 0005520539
各実施例に示すように、メタンスルホン酸、硝酸及びリン酸を含む酸性洗浄剤を用いると、汚れ溶解時間が短く、SUS304喫水面の腐食も生じなかった。
比較例1〜6の酸性洗浄剤は、メタンスルホン酸、硝酸又はリン酸のいずれかを含んでいないためスケール汚れの除去性が不充分であった。
また、比較例7〜9の酸性洗浄剤は、硝酸に代えてスルファミン酸、硫酸、塩酸といった酸を含んでいるため、腐食防止剤を配合したにも関わらずSUS304喫水面の腐食が生じていた。
このように、各実施例に示すようなメタンスルホン酸、硝酸及びリン酸を含む酸性洗浄剤を用いると、ステンレス製茹で麺装置の腐食を避けることができ、茹で槽に付着したリン酸塩を含むスケール汚れを良好に除去することができる。
10 茹で麺装置
11 バケット
12 コンベア
13 茹で槽
14 スチーム配管

Claims (6)

  1. 製麺工場で用いられるステンレス製茹で麺装置に付着したスケール汚れを除去するための茹で麺装置用酸性洗浄剤であって、
    メタンスルホン酸と、硝酸と、リン酸とを含み、
    塩酸、硫酸及びスルファミン酸を含まず、
    前記硝酸の含有割合が1〜20重量%であることを特徴とする茹で麺装置用酸性洗浄剤。
  2. 前記メタンスルホン酸を1〜98重量%含む請求項1に記載の茹で麺装置用酸性洗浄剤。
  3. さらに強酸及び酸化剤に安定な界面活性剤としてアルキルアミンオキシド又はアルキルエーテルカルボン酸を含む請求項1又は2に記載の茹で麺装置用酸性洗浄剤。
  4. 製麺工場で用いられるステンレス製茹で麺装置を、請求項1〜3のいずれかに記載の茹で麺装置用酸性洗浄剤を用いて洗浄することを特徴とする茹で麺装置の洗浄方法。
  5. 前記茹で麺装置に付着したリン酸塩を含むスケール汚れを除去する請求項4に記載の茹で麺装置の洗浄方法。
  6. 前記茹で麺装置を請求項1〜3のいずれかに記載の茹で麺装置用酸性洗浄剤を用いて洗浄した後に、アルカリ性洗剤を用いてさらに前記茹で麺装置を洗浄する請求項4又は5に記載の茹で麺装置の洗浄方法。
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