JP5520436B2 - 半導体膜の結晶化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体膜の結晶化方法に係り、特に液晶表示装置、半導体装置および有機エレクトロルミネッセンスの製造過程においてガラス基板上に形成されるシリコン薄膜に適用して好適な結晶化方法に関する。
液晶表示装置(Liquid-Crystal-Display:LCD)の表示画素を選択するスイッチング素子に用いられるポリシリコン薄膜トランジスタ(poly-Silicon Thin-Film-Transistor)の高移動度特性を得ることおよびしきい電圧のばらつき低減のために、ポリシリコン膜の大粒径化、大粒径結晶粒の位置制御性の良いアレイ化、および面方位制御に関する研究開発が、各企業、大学、研究機関等でなされている。その中で、電子または正孔の移動度を向上させ、かつチャネル部における結晶粒界数のバラツキを少なくするために、少なくとも1個のチャネル領域を形成できる大きさの大粒径結晶粒の結晶化シリコンを生成する結晶化方法として位相制御ELA(Excimer Laser Annealing)法が特許文献1や非特許文献1などにおいて提案されている。位相制御ELA法では、結晶化の前駆体となる結晶化対象膜に対して所望の光強度分布をもつパルスレーザー光を照射し、結晶化対象膜を部分的に溶融させ、その凝固過程で大サイズのSi結晶粒を得ることができる。
特開2000−306859号公報 表面科学Vol.21,No.5,pp278−287,2000
従来の位相制御ELA法では、半導体膜としてプラズマCVD法等により基板上に成膜したa-Si:H膜(水素化非晶質シリコン膜)を用いることが一般的である。上記プラズマCVD法等により成膜されたa-Si:H膜にレーザー光を照射すると、この膜中の水素が突沸して、膜そのものが破壊される。この膜破壊の発生を防ぐために、従来の方法ではレーザー照射前のa-Si:H膜を約600℃の高温に加熱する脱水素処理を行っている。
しかし、汎用ガラス(例えばソーダガラス)を用いた上記基板は、物理的・化学的に不安定であるため高温加熱により変形や変質を生じやすく、LCD用基板に用いることができない。このため、現状では高価な特殊耐熱ガラスを採用しているので、製造コストが増大する。汎用ガラスをLCD用基板に採用するためには、薄膜トランジッスタの製造プロセスを500℃以下の低温処理プロセスで行う技術の確立が必須条件となる。
また、低温処理プロセス技術の確立は、大画面LCDで軽量化の要望が強いことから基板の板厚(例えば0.7mm)をさらに薄くしたい傾向にある。ガラス基板の薄肉化は、加熱によりガラス基板が変形を生じやすい。薄肉ガラス基板の平坦度を確保するためにも、低温処理プロセスの確立が必須条件となる。
ところで、脱水素処理工程を回避するために、スパッタ法のような物理蒸着法により非晶質シリコン膜を形成する方法もあるが、物理蒸着法は成膜時の動作圧が低いため、成膜中に膜の汚染(例えば炭素のコンタミネーション)が問題となり、通常は結晶化用前駆体には物理蒸着膜を利用できない。
このように従来方法においては、基板を高温加熱する脱水素処理が必須であるため、耐熱性の低い安価なガラス板を基板として用いることができないという問題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、半導体薄膜形成後の高温脱水素工程を省略した低温処理プロセスにより結晶化を行うことができる半導体膜の結晶化方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体膜の結晶化方法は、ガラス基板上の半導体膜にパルスレーザー光を照射して照射領域を溶融して半導体膜を結晶化する半導体膜の結晶化方法であって、(a)表面波プラズマを生成する化学気相成長法を用いて500℃以下の温度で前記ガラス基板上に平均粒径が5nm以上50nm以下の結晶粒を堆積させることにより、前記半導体膜として5原子%以下の水素を含む非単結晶半導体膜を成膜し、(b)結晶化のための条件としてパルス幅、パルス強度比、非単結晶半導体膜の膜厚、目標ずれ量値および目標光強度を含む装置パラメータを求め、求めた装置パラメータを読み出し可能に記録部に記録・保存しておき、(c)ハイトセンサからの検出信号を用いて基板ステージと前記ガラス基板とのずれ量を求め、(d)前記記録部から前記目標ずれ量値を読み出し、前記工程(c)で求めた基板ステージと前記ガラス基板とのずれ量が読み出した前記目標ずれ量値に一致するように前記基板ステージの動作を制御し、また前記記録部から前記目標光強度を読み出し、ビームプロファイラで測定した光強度と前記目標光強度とを比較して、前記ビームプロファイラで測定した光強度が前記目標光強度になるように、かつ光強度分布の最小光強度値が前記非単結晶半導体膜の融点以下の温度になるように前記アッテネータを制御し、前記結晶化装置の光源から前記光強度分布のレーザー光を出射し、該レーザー光を前記非単結晶半導体膜に照射して結晶化させることを特徴とする。
「結晶化」とは、レーザー照射により結晶化対象膜が溶融し、この融液が凝固する過程において結晶核を起点として結晶成長することをいう。
本発明によれば、半導体薄膜形成後の高温脱水素工程を省略した低温プロセスにより、結晶化を行うことができ、この結晶化領域に薄膜トランジスタを作製することができる。
次に、本発明に係る半導体膜の結晶化方法の実施形態を具体的に説明する。この実施形態の半導体膜の結晶化方法では、半導体膜は、化学気相成長法により前記基板上に500℃以下の温度で平均膜厚100nm以下に成膜され、かつ、5原子%以下の水素を含むものである。
半導体膜(結晶化対象膜)の膜厚は、目的に応じて所望の膜厚を選ぶことができるが、薄膜トランジスタを製造する目的のためには数10nmから数100nmまでの範囲の膜厚が好適である。このように結晶化対象膜の膜厚が極めて薄いことから、膜中の結晶粒径が50nmよりも大きくなると、組織の不均一性が増大して結晶成長させるときに問題となるばかりでなく、また、粒界部に存在するSi-H結合比率が高くなり、膜中の水素含有量が増大する。
結晶粒径が5nm未満になると、半導体膜全体からみて非晶質部分の比率が増加して、Si-H結合比率が高くなる。Si-H結合比率が高くなると、膜中の水素含有量が増大して、レーザー照射時に急激な水素の脱ガス現象(レーザーアブレーション)により半導体膜が損傷する。
これに対して、微結晶膜またはナノ結晶の半導体膜(平均粒径が5nm以上50nm以下の範囲にある半導体膜)では、成膜条件の最適化により結晶化度を70%以上とすることができ、また、半導体膜中の水素含有量を5原子%以下に抑えることが可能になる。半導体膜の成膜条件の最適化により結晶化度が70%以上に引き上げられると、高いSi-H結合比率をもつ非晶質が減少するので、膜全体としてみたときに水素の含有量が少なくなる。
なお、レーザーアブレーションの発生を防止するためには、レーザー結晶化の前駆体として用いるために成膜された半導体膜中の水素含有量は、5原子%以下とする必要があることが判った。これを2原子%以下とすることが好ましく、1原子%以下とすることが更に好ましい。ここで1原子%以下の水素含有量とは、Si-H結合が5×1020個/cm3の密度で膜中に存在することに相当する。
レーザー結晶化の前駆体として用いる水素含有量が5原子%以下の半導体膜(結晶化対象膜)は、例えば高電子密度のプラズマCVD法により500℃以下の温度域で基板上に成膜することができることが判った。より好ましくは400℃以下の温度域で成膜することができることが判った。
半導体膜の成膜には、シランと水素とを質量流量比で1:20〜1:100の割合でマイクロ波プラズマ処理装置の成膜室に供給することが望ましい。水素希釈が1:20を下回り、成膜ガスのシラン含有率が2%を超えると、Si-H結合比率を下げる効果(微結晶化の効果)が得られ難くなる。一方、水素希釈が1:100を上回り、成膜ガスのシラン含有率が1%未満になると、成膜レートが小さくなり、成膜に要する時間が長くなりすぎてスループットが低下する。
「マイクロ波プラズマ処理」とは、圧力1〜10-3Pa程度のガスにマイクロ波を印加することにより電子密度1×1012〜1×1013cm-3程度のガスプラズマを生成し、この高電子密度プラズマ中に生じる各種の成分を被処理体に作用させる処理をいう。
上述したように本発明では、結晶化前駆体として微結晶膜またはナノ結晶膜を用いることにより、600℃を超える高温の脱水素処理を行うことなく、成膜したままの状態の膜に直接レーザー照射を行うことが可能になる。
「微結晶」とは、平均粒径が10nm以上100nm未満の結晶粒をいう。また、「ナノ結晶」とは、平均粒径が10nm未満の結晶粒をいう。結晶質の物質を構成する最小の単位を「単位格子(unit lattice)」または「単位胞(unit cell)」という。多数の単位格子が凝集した集合体から「結晶粒子(crystal grain)」が形成される。この結晶粒子を一般に「結晶(crystal)」または「結晶粒(crystal grain)」と呼んでいる。結晶は、一次粒子および二次粒子(さらに複数の一次粒子が凝集した集合体)を含む広い概念である。なお、結晶粒の平均粒径は、一般的には光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などの顕微鏡視野内で二次元的に測定した最大径と最小径を総和平均して求めるが、このような二次元的な測定・算出方法の他に三次元的な測定・算出方法を用いて求めることも可能である。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための実施の形態を詳細に説明する。
結晶化対象膜の膜厚がミクロンオーダーの比較的厚い場合は、ハロゲン化物などを原料とした直接成膜により、ある程度の多結晶膜を成膜することができる。しかし、薄膜トランジスタに適する膜厚は、数百nm以下のナノメーターオーダーである。位相制御ELA法では、薄膜トランジスタを製造するために、数百nm以下の膜厚の結晶化前駆体膜(非晶質シリコン薄膜)にレーザー光を照射して、結晶粒の横方向結晶成長(ラテラル成長)を行っている。位相制御ELA法において大粒径結晶を得るためには大出力密度のレーザーを用いる必要がある。しかし、半導体膜中の水素含有量が5%を超えると、Si-H結合の熱分解により水素がガス化して膜が破壊される(レーザーアブレーション)。
そこで、膜中の水素含有量を減らすために、例えば電子ビーム蒸着法やスパッタリング法のような物理蒸着法を用いて結晶化対象膜としての半導体膜を成膜することが考えられる。しかし、物理蒸着法では、LCD基板の場合例えば2m角の大きさの基板が搬入される成膜室内を高真空(10-6Torr)にする必要があるため、成膜前の到達真空度を高くしたとしても、成膜室に残留する不純物(炭素など)の相対比率が高くなり、半導体膜中への不純物の混入が避けられない。このため、物理蒸着法により成膜した半導体膜は、炭素などの不純物で汚染される所謂コンタミネーションが生じる。以上の理由から、結晶化対象膜の成膜に物理蒸着法を用いることができない。
次に、上記事情に対処した成膜の実施形態を説明する。先ず図1〜図4を参照して結晶化前駆体である水素含有量が5原子%以下の半導体膜の成膜に用いられるプラズマ処理装置について説明する。プラズマ処理装置10は、マイクロ波プラズマの発生空間又は生成空間11を取り囲む気密容器12と、この気密容器12の一部壁面を形成するように設けられ、マイクロ波を通過させ、プラズマ生成空間11を大気から隔離する誘電性部材14と、誘電性部材14上に配置されたプラズマを生成するための電磁波としてマイクロ波を伝送するための複数(図示の例では4つ)の導波管16と、プロセスガス供給源2,3と、排気ポンプ5とを備えている。
さらに、プラズマ処理装置10は、電源ユニット6と、制御器8と、図示しないマイクロ波発振器と、図示しない多種多様の補機およびセンサとを備えている。プラズマ処理装置10は、プロセスコンピュータを内蔵する制御器8によって全体が統括的に制御されるようになっている。すなわち、制御器8の入力部には図示しない温度センサ、圧力センサ、流量センサ、電流計、電圧計、タイマー、ガス検知器などから検出信号が入力され、制御器8のCPUはそれらの検出信号に基づいて各種の制御量をそれぞれ算出し、制御器8の出力部からはガス供給源2,3、バルブV1,V2、ポンプ5、電源ユニット6の各々に制御信号が出力される。
気密容器12は、その横断面形状が矩形を成し、気密容器12の一部例えば上面が上方に向けて開放する矩形状の開口17を有する。なお、気密容器12は、図示の矩形の形状の例に代えて、円筒形状のような他の横断面形状であってもよい。
気密容器12の側壁には、複数のプロセスガス供給源2,3に連通するガス導入口18が開口している。また、気密容器12の底部には、排気ポンプ5の吸い込み側に連通する排気口20が開口している。一方のプロセスガス供給源2にはモノシランガス(SiH4)が収容され、他方のプロセスガス供給源3には水素ガス(H2)が収容されている。各ガス供給ラインL1,L2には流量調整バルブV1,V2がそれぞれ設けられ、流量が種々変えられるように各バルブV1,V2の開度がそれぞれ調整されるようになっている。
2つのガス供給ラインL1とL2は、ミキサー4にて合流した後にラインL3を通ってガス導入口18から気密容器12のプラズマ生成空間11に導入される。ミキサー4は、例えばスタティックミキサー(静止流路のみを持ち駆動部分を持たない)であり、ここでモノシランガスと水素ガスとが混合されることにより所望の水素希釈率のモノシランガスとなる。バルブV1,V2の開度をそれぞれ調整することにより、水素希釈率(SiH4:H2)は1:50〜1:100の範囲に制御される。
なお、本実施の形態においては第1のプロセスガス供給源2からモノシランガス(SiH4)を供給するようにしたが、ジシランガス(Si26)などの他のシラン系ガスを単体または混合(Si26+SiH4)して供給するようにしてもよい。
排気ポンプ5は、例えばターボ分子ポンプからなり、気密容器12の内部を高真空状態(例えば最高1×10-6Torr)に排気する性能を備えている。なお、排気ラインに設ける排気ポンプは1つのみに限られず、粗引き用の第1ポンプと精引き用の第2ポンプを組み合わせて排気するようにしてもよい。
気密容器12の内部には基板載置台としてのサセプタ24が設けられている。サセプタ24の上には、被処理基板50として例えば液晶パネル用の1m×1m角のガラス基板が位置決めされて載置されるようになっている。被処理基板50は、ガラス基板51の上に絶縁性の下地保護膜52を積層形成したものである(図6参照)。この上に本装置10を用いて結晶化対象膜としての半導体膜53を成膜し、その後さらに半導体膜53の上にキャップ膜54が成膜される。
電源ユニット6は、高周波(例えば60MHz)電力を供給するためのVHF電源を内蔵しており、給電端子側が導波管16に接続され、接地端子側がサセプタ24に接続されている。複数の導波管16の下面には誘電性部材14が取り付けられている。
誘電性部材14は、前記プラズマの発生に用いられるマイクロ波のような電磁波(符号28を付して示す図2の矢印参照)を高効率で例えば90%以上透過させる石英、アルミナ、窒化アルミニウム等からなるものである。誘電性部材14は、全体に矩形状のプレートからなり、気密容器12の上端部においてその開口17に気密に嵌合され、かつ、周縁部を気密容器12の壁に支持されている。気密容器12の壁と誘電性部材14との間には図示しないシール部材(例えばOリング)が装着され、気密なプラズマ生成空間11が形成されている。
複数の導波管16は、誘電性部材14に接して、また等間隔で配置され、気密容器12の前記横断面形状である矩形の一辺、したがって誘電性部材14の1側縁と平行に伸びている。導波管16は、その長手方向に互いに接触又は間隔をおいて設けられた複数(図示の例では5つ)の開口26を有する。各開口26は、誘電性部材14に向けて開放している。導波管16は、これに接続された電磁波発振器のような電磁波源(図示せず)から発信された電磁波28例えばマイクロ波を低損失で伝送する機能を有し、アルミニウムのような金属からなる。
導波管16を伝送されたマイクロ波28(例えば周波数60MHz)は、導波管16に設けられた複数の開口(スロット)26を経て誘電性部材14内に放され、この誘電性部材14を伝播し、気密容器12のプラズマ生成空間11内に至る。誘電性部材14の全面から電磁波28が放出され、誘電性部材14近傍に高密度プラズマが生成される。
前記プラズマは、気密容器12のプラズマ生成空間11内への前記原料ガスの供給及び電磁波28の導入により生成される。このとき隣のスロット26から放出された電磁波が流入し、図3に示すように帰置電磁波Mとなって電磁波源に大電力の電磁波が入射し、電磁波源が破壊されるおそれがある。この破壊を防止するために隣り合うスロット26間に電磁波流入量制限手段が設けられている。
この電磁波流入量制限手段は、例えば誘電性部材14に設けられた溝30であり、他の例は導電体である。この溝30は、各隣り合うスロット26間に設けられる。溝30の深さは、電磁波の帰置流量によって電磁波源を破壊しない流量となる深さが選択される。溝30の幅は、プラズマが侵入する幅であり、例えば、プラズマ表皮深さの2倍より大きい幅である。この溝30により電磁波源に帰還されない電磁波は誘電性部材14内を伝播し、均一なプラズマの発生に寄与する。
プラズマ処理装置10にあっては、誘電性部材14に複数(図示の例では3つ)の溝30が設けられている。各溝30は、互いに隣接する両導波管16間であって、両導波管16に平行な方向における下方の高さ位置にあって、導波管16に沿って伸びている。より詳細には、図示の例では4つの導波管16が一体に形成されているところ、各溝30は、隣り合う両導波管16を仕切る壁32の下方に位置し、誘電性部材14の内壁面に設けられている。
図示の各溝30は矩形の横断面形状を有し、誘電性部材14の下方の面上で下方に向けて開放している。このことから、溝30は容器のプラズマ生成空間11に連なっている。
次に、この溝30の作用について図3を参照して具体的に説明する。溝30は、下方のプラズマ生成空間11内に向けて開放している。このため、プラズマ生成空間11に前記プラズマが生じると、各溝30内に前記プラズマが進入し、溝30は前記プラズマで満たされる。このとき、溝30は、マイクロ波(電磁波)の伝播を遮断する作用を有するものである。マイクロ波の伝播を遮断する作用を有する溝30の幅は、プラズマの表皮深さの2倍より大きい幅寸法a(2倍は含まず)を有し、溝30の深さは伝播するマイクロ波Mの電力制限量によって定められる。
プラズマの表皮深さδは、式δ=c/ωpで求めることができる。
上記式においてcは光速、ωpは電子プラズマ周波数(ωp=(e/εme)1/2)、eは素電荷、nはプラズマ密度(プローブ法で測定)、εは真空の誘電率、meは電子の質量である。
また、各溝30は、プラズマ生成空間11で生成されるプラズマの表皮深さの2倍より大きい幅寸法a(2倍を含まず)を有する。従って、電磁波、特にマイクロ波は、導電性を有するプラズマ中においてその表皮深さ以上のプラズマ空間を伝播することができない。このため、互いに隣接する2つの導波管16の開口26から放射され、誘電性部材14中を両導波管16下の溝30に向けてそれぞれ伝播する2つのマイクロ波があるとき、各マイクロ波は溝30内のプラズマ中を溝幅aの半分の距離を進むことができずに消滅する。このようにして、これらのマイクロ波の相互干渉が防止され、生成される前記プラズマの安定化を図ることができる。また、両マイクロ波の一方の導波管16から伝播されたマイクロ波が他方の導波管16に導入されてこの導波管16に接続されたマイクロ波源を破壊しないマイクロ波量に制限する必要がある。この制限量は、溝30の深さによって行う。
各導波管16からの電磁波であるマイクロ波は、各スロット26を介して、誘電性部材14からなる窓に伝播される。伝播されたマイクロ波の一部は、気密容器12内に伝播し、他の一部のマイクロ波は誘電性部材14を伝播する。気密容器12内に伝播されたマイクロ波は原料ガスを励起してプラズマを発生させる。誘電性部材14内を伝播するマイクロ波の一部は、溝30により遮断され、残部のマイクロ波は、誘電性部材14内を伝播し、気密容器12内に供給される原料ガスを励起して発生した高密度プラズマを均一化させる。この高密度プラズマは、被処理基板22の表面に絶縁膜、例えばSiO膜を成長させる。原料ガスがエッチングガスであれば、プラズマエッチングプロセスである。
各導波管16から気密容器12内に1kWのマイクロ波を供給し、電子密度が1×1012cm−3の電子密度を有するプラズマを生成する場合における溝30の幅寸法及び深さ寸法は、例えば15mm及び3mmに設定する。なお、前記プラズマの表皮深さは、プラズマの電子密度の大きさによって異なるが、前記電子密度の値の下では約5mmである。また、溝30が形成される板状の誘電性部材14の厚さ寸法を40mmに設定する。
誘電性部材14に溝30を設けることに代えて、図4に示すように、気密容器12内において誘電性部材(第1の誘電性部材)14の下方に配置され、かつ気密容器12に支持された他の誘電性部材(第2の誘電性部材)33に溝34を設けることができる。
第2の誘電性部材33は、第1の誘電性部材14と同じ材質のものでもあっても、また異なる材質のものであってもよい。図示の例では、第2の誘電性部材33は第1の誘電性部材14と同じ材料で形成された、第1の誘電性部材14より小さい厚さ寸法を有するプレートからなる。
第2の誘電性部材33の溝34は、図1に示す例における溝30と同じ大きさの横断面形状を有し、互いに隣り合う両導波管16を仕切る壁32の下方に位置し、また気密容器12のプラズマ生成空間11に開放し、これと連なっている。したがって、溝34も、溝30と同様の機能を有する。すなわち、溝34は、その内部に前記マイクロ波のような電磁波の遮断壁が形成されるように、プラズマ生成空間11で生じたプラズマの一部を受け入れる。
第2の誘電性部材33と第1の誘電性部材14との間には、気密容器12のプラズマ生成空間11に供給される前記原料ガス(図4中にて符号Gを付した矢印)を通すためのわずかな隙間36が設けられている。また、第2の誘電性部材33には、これを上下に貫通する複数の孔38が設けられている。これらの孔38は、隙間36と気密容器12のプラズマ生成空間11とに連通している。したがって、隙間36に通された前記原料ガスは、第2の誘電性部材33の個々の孔38を経て、孔38からプラズマ生成空間11内にシャワーのように降り注ぐ。これにより、プラズマ生成空間11に前記原料ガスを比較的均一に供給することができる。
図4に示す例では、さらに、第1の誘電性部材14に金属製(例えばステンレス製)の複数の梁40が埋め込まれている。より詳細には、複数の梁40により第1の誘電性部材14が複数の部分に分割されている。各梁40は、互いに隣接する両導波管16相互間の下方位置、具体的には両導波管16の仕切り壁32の下方にあってこれに接しており、また第2の誘電性部材33の孔38の上方に位置する。梁40は、仕切り壁32にしたがって導波管16に沿って伸びている。この例によれば、梁40により、第1の誘電性部材14の曲げに対する補強を図ることができる。
第2の誘電性部材33の厚さは、例えば20mmであり、また孔38の横断面における幅寸法及び深さ寸法の大きさはそれぞれ15mm及び13mmとすることができる。また、誘電性部材14の厚さ寸法は例えば40mmとし、壁42の幅寸法及び高さ寸法をそれぞれ5mmおよび30mmに設定することができる。
次に、図5を参照して本発明の結晶化対象膜(結晶化前駆体)としての微結晶またはナノ結晶シリコン膜を形成するときの脱水素のメカニズムについて簡単に説明する。なお、以下の説明は本発明者らの推察に基づく不確定・蓋然的なものであり、実験等によって実証された理論ではない。
マイクロ波プラズマCVDにより表面波モードのマイクロ波ガスプラズマを生成し、生成したガスプラズマを被処理基板に作用させると、プラズマ中のSiイオンが被処理基板上に堆積し、これによりシリコン堆積層、すなわちシリコン膜が形成される。このようにしてCVD成膜されたシリコン膜は、膜中にSi-H結合を少なからず含んでいる。シリコン膜中においてSi-H結合は、微結晶(またはナノ結晶)の粒界、あるいは膜中に少量含まれる非晶質シリコン膜に偏在する。
大量水素希釈で生じた水素原子は次の2つの役割(1)(2)を果たす。
(1)一つ目は成膜過程でのシリコン原子の上に水素原子が結合することで新たに気相中で生じたSiHx種の表面での拡散を大きくする。これによりSiHxはエネルギー的により安定なサイトに移動出来る確率が高くなる。
(2)もうひとつはプラズマ中で生じた水素ラジカルによる表面Si-H結合のエッチングである。大量水素希釈により生じた高濃度水素ラジカルは表面のSiH結合の水素を引き抜く反応、すなわちエッチング反応も協奏的に起こす。これにより表面のシリコン原子はダングリングボンドが生じ、(1)で降ってきたSiHxラジカルは(1)の効果で表面拡散をして、ダングリングボンドのサイトまで移動し、ここでSi-Si結合を作る。
このようにして(1)の表面拡散距離増大と(2)のエッチングにより生じたダングリングボンドでのSi-Si結合によりシリコン膜中に水素が少ない微結晶膜が形成される。
この効果は高電子密度を実現できるマイクロ波プラズマによってより効率よく分解反応を促進することができる。
次に、図7〜図10を参照して結晶化装置について説明する。
本実施形態の結晶化装置60は、プロジェクション方式の照射装置であり、照明系61〜63、位相シフタ64、結像光学系65および基板ステージ66を備えている。基板ステージ66の上には被処理基板50が載置され、パルスレーザー光が照明系61〜63→位相シフタ64→結像光学系65の順に通って被処理基板50に照射されるようになっている。被処理基板50の被照射面には、結晶化対象膜として上述の非単結晶半導体膜51が形成されている。この非単結晶半導体膜51は、図示しないキャップ膜(例えば酸化シリコン膜)により覆われている。
位相シフタ64は、照明系61〜63と結像光学系65との間に設けられ、所定の段差を有し、段差のところでレーザー光線群にフレネル回折を起こさせ、入射光束の位相を変調するものである。これによりパルスレーザー光は、結晶化対象膜を最適に溶融・結晶化させるための所望のプロファイルを有するものとなる。
照明系は、被処理基板50上に形成された結晶化対象膜53を溶融させるためのエネルギ光を出力する光源61としてXeClエキシマレーザー発振器を備えている。この光源61は、波長が308nm、パルス幅(半値幅)が30nsecのパルスレーザー光を発振する固有の特性を有している。なお、本実施形態では、光源61として、XeClエキシマレーザー発振器の例について説明するが、これ以外の他の光源としてKrFエキシマレーザー発振器、ArFエキシマレーザー発振器またはYAGレーザー発振器などを用いることもできる。さらに、照明系は、光源61に続いて、アッテネータ62および照明光学系63を備えている。
次に、図8を参照して照明光学系63の詳細について説明する。
照明光学系63に入射したレーザー光は、ビームエキスパンダ63aを介して拡大された後、第1フライアイレンズ63bに入射する。こうして、第1フライアイレンズ63bの後側焦点面には複数の小光源が形成され、これらの複数の小光源からの光束は、第1コンデンサー光学系63cを介して、第2フライアイレンズ63dの入射面を重畳的に照明する。その結果、第2フライアイレンズ63dの後側焦点面には、第1フライアイレンズ63bの後側焦点面よりも多くの複数の小光源が形成される。
第2フライアイレンズ63dの後側焦点面に形成された複数の小光源からの光束は、第2コンデンサー光学系63eを介して、位相シフタ64を重畳的に照明する。ここで、第1フライアイレンズ63bおよび第1コンデンサー光学系63cは、第1ホモジナイザを構成し、この第1ホモジナイザにより光源61から出射されたレーザー光について位相シフタ64上での入射角度に関する均一化が図られる。
第2フライアイレンズ63dおよび第2コンデンサー光学系63eは、第2ホモジナイザを構成し、この第2ホモジナイザにより第1ホモジナイザからの入射角度が均一化されたレーザー光について位相シフタ64上での面内各位置での光強度に関する均一化が図られる。こうして、照明光学系63からの均一な光強度分布を有するレーザー光が位相シフタ64を照明する。
図9の(a)に示すように、位相シフタ64は、平行に並ぶ複数の直線状の段差64aを有するラインアンドスペース型(In-plane-cross-coupled型)である。位相シフタ64は、透明体からなり、段差64aにおいてレーザー光に位相差を生じさせる。位相シフタ64は、上記位相差によりレーザー光にフレネル回折を生じさせ、レーザー光を光強度変調する。その結果、位相シフタ64は、図9の(b),(c)に示すように、単調増加と単調減少を繰り返す繰り返しパターンの光強度分布BPを照射部に形成する。すなわち、光強度分布BPは、強度傾斜角θ、ピッチ幅PWおよびバイアス強度PH(谷での強度)をもつ繰り返し逆ピークパターンを呈する。逆ピークパターンの光強度分布とは、1ショットのレーザー光のビーム径内において最小光強度値と最大光強度値を連続して光強度が変化する分布である。最小光強度値は、被処理基板上の結晶化対象膜53の融点以下の温度に設定される。ここで、結像光学系65は、位相シフタ64のパターン面と被処理基板50(厳密には非単結晶半導体膜の上面)とを光学的に共役に配置している。換言すれば、被処理基板50は、位相シフタ64のパターン面と光学的に共役な面(結像光学系65の像面)に設定されている。このような位相シフタ64によりレーザー光は位相変調される。
位相変調されたレーザー光は、次いで結像光学系65に入射する。結像光学系65は、前正レンズ群65aと後正レンズ群65bとの間に開口絞り65cを備えている。開口絞り65cは、たとえば開口部(光透過部)の大きさの異なる複数の開口絞りからなり、これらの複数の開口絞り65cは光路に対して交換可能に構成されていてもよい。あるいは、開口絞り65cとして、開口部の大きさを連続的に変化させることのできる虹彩絞りを用いてもよい。いずれにしても、開口絞り65cの開口部の大きさ(結像光学系65の像側開口数NA)は、後述するように、結晶化対象膜53上において所要の光強度分布を発生させるように設定されている。この結像光学系65は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。
最終的に、レーザー光は、被処理基板の水素含有量が5原子%以下の結晶化対象膜53上に結像される。これにより、結晶化対象膜53が溶融され、凝固する過程で結晶化される。
図6に示すように、被処理基板50は、ガラス基板51上に下地膜52、非単結晶半導体膜53、キャップ膜54が順次積層されたものである。下地絶縁膜52は、絶縁材、例えばSiO2で形成されており、結晶化対象膜53とガラス基板51が直接接触してガラス基板内のNaなどの異物が結晶化対象膜53に混入するのを防止すると共に、結晶化対象膜53の溶融温度が直接ガラス基板51に伝熱されるのを防止する。
水素含有量が5原子%以下の結晶化対象膜53上には、キャップ膜54として絶縁膜例えばSiO2膜が、好ましくは、成膜されている。キャップ膜54は、結晶化対象膜53に入射する光ビームの一部により加熱され、この加熱された温度を蓄熱する。この蓄熱効果は、キャップ膜54がなければ光ビームの入射が遮断されたとき、結晶化対象膜53の被照射面において高温部が相対的に急速に降温するが、この降温勾配を緩和させ、大粒径の横方向の結晶成長を促進させる。被処理基板50は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ66上において予め定められた所定の位置に位置決めされて保持される。
本発明の結晶化装置60では、基板ステージ66の上に被処理基板50と図示しないビームプロファイラ(図10の符号77を参照)とが置換可能に並設されている。ビームプロファイラは、その光軸が結像光学系65のレーザー光軸と平行となるように位置合せされている。ビームプロファイラと結像光学系65との位置合せは、基板ステージ66とアライメント機構(図示せず)とを用いてなされる。
ビームプロファイラ77は、逆ピークパターンの光強度分布をモニターし、表示する装置である。
アッテネータ62は、誘電体の多層膜コーティングフィルタの角度を調節してレーザー光の光強度(レーザフルエンス)を光学的に変調するものであり、図示しないコンピュータにより動作制御されるセンサ、モータ、制御系を備えている。
図示しない偏光素子がアッテネータ62の直後に設けられている。偏光素子は、レーザー光を所定の幅となるようにシグマ値を調整する絞り機能を有する。この偏光素子によってレーザー光の偏光角(S偏光とP偏光)が変えられて、後続の位相シフタ64に入射するレーザー光が所望の入射幅に調整されるようになっている。
次に、図10を参照して本結晶化装置の制御系について説明する。
パルスレーザー照射装置60は制御手段および記録手段としてコンピュータ80を備えている。コンピュータ80は、入力インターフェース81、システムバス82、CPU83、メモリ(記録装置)84および出力インターフェース85を備えている。
入力インターフェース81にはビームプロファイラ77、ハイトセンサ78および入力装置79が接続され、出力インターフェース85にはレーザー光源61、アッテネータ62、位相シフタ64用の位置合せ機構(図示せず)、基板ステージ66および表示装置68がそれぞれ接続されている。入力インターフェース81および出力インターフェース85は、システムバス82を介してCPU83およびメモリ84にそれぞれ接続されている。
ハイトセンサ78は、結像光学系65から被処理基板50までの距離を測定し、予め定められた距離に位置合わせされているか検出する装置である。
メモリ84は、キイボード等の入力装置79から入力される装置パラメータを記憶し、保有するための記録装置である。CPU83は、入力装置79から入力されるレシピに応じて、またビームプロファイラ77およびハイトセンサ78から直接入力される各検出データに応じてメモリ84から装置パラメータを随時読み出し、演算処理し、所定の指令信号を装置各部に出力インターフェース85を介して送る制御手段である。
表示装置68は、コンピュータ80から出力されてくる各種データを表示するものであり、その第1表示部にはテーブル化された装置パラメータが列記して表示され、第2表示部には被処理基板50上のレーザー照射位置を示す基板マップ図形が表示され、第3表示部には照射レーザー光のビームプロファイル波形が表示されるようになっている。
次に、上記の結晶化装置、すなわちプロジェクション型エキシマレーザー結晶化装置(PJELA装置)を用いて実際に基板上の非単結晶半導体膜を結晶化する場合について図10を参照しながら説明する。
PJELA装置60の主スイッチをONすると、自動的にコンピュータ80が装置パラメータのデータ読み出しを行い、種々の装置パラメータが一覧表となって表示装置68の画面上に表示される(工程K1)。ここで読み出される装置パラメータは、パルス幅、パルス強度比、光の分割数非単結晶半導体膜の膜厚、目標ずれ量値および目標光強度を少なくとも含むものである。また、読み出される装置パラメータは、前回の結晶化に使用したパルス幅、パルス強度比、光の分割数および非単結晶半導体膜の膜厚を含むものであってもよい。
基板ステージ66が被処理基板50を保持した状態で照射位置(レーザー光軸と一致)に自動的に進入する(工程K2)。このとき被処理基板50上の結晶化対象膜53の入射面を結晶化したい位置に移動させ、光源側のレーザー光軸とアライメントした(工程K3)。読み出した装置パラメータに含まれる目標ずれ量値に基づいて、コンピュータ80がハイトセンサ78からの検出信号を用いて基板ステージ66のZ方向動作を制御して、基板ステージ66と被処理基板50とのずれ量を目標ずれ量値に一致させる(工程K4)。このとき使用される装置パラメータは、前回使用したときに最適であった装置パラメータであっても良いし、シミュレーションによって理想的と想定される値であってもよい。この工程K4において、被処理基板50上でのZ方向の位置精度を±0.1μmとした。
次に、読み出した装置パラメータに基づいてアッテネータ62が自動調整される(工程K5)。すなわち、ビームプロファイラ77で測定した光強度と予め設定した目標の光強度とを比較してアッテネータ操作量を計算し、アッテネータ62に操作信号を出力して測定した強度が目標の強度になるようにフィードバックしながらアッテネータ62の角度を高精度に調整する。例えば、厚さ0.5μmの非晶質半導体膜を溶融するためのエキシマレーザー光の光強度は例えば500mJ/cm以上の照明光である。
基板ステージ66はX-Y面内で所定間隔ごとにステップ移動して位置を変えることができるようになっているので、被処理基板50の所望の部位を照射位置に位置させることができ、X−Yステップ移動工程K6と結晶化(アニール)工程K7を繰り返すことにより、大面積の非晶質シリコン膜を結晶化することができる(工程K6〜K7)。この様子は表示装置68の画面上に表示されるので、オペレータは被処理基板50上のどの部位がレーザー照射されているのかをリアルタイムに知ることができる。また、照射中のレーザー光の光強度分布波形も表示装置68の画面上に表示されるので、オペレータはどのような光強度分布波形の変調レーザーが照射されているのかをリアルタイムに知ることができる。なお、ステップ移動工程K6において、被処理基板5上でのX方向とY方向の位置精度を±0.5μmとした。
結晶化工程K7では、光源61となるXeClエキシマレーザー装置から波長308nm、パルス幅30ナノ秒のレーザー光を出射する。レーザー光は、アッテネータ62、照明光学系63、位相シフタ64、結像光学系65を通って光学的に調整され、所望の逆ピークパターンのプロファイル波形となって、最終的に被処理基板上の結晶化対象膜である非単結晶半導体膜53に照射される。これにより半導体膜53の受光領域が部分的に溶融し、パルスレーザー光の遮断時にその融液が降温し凝固する過程において、結晶粒の成長が膜面に沿って横方向に進行し結晶化される。
前の照射領域が最後であったか否かを判定し(工程K8)、工程K8の判定結果がNOの場合は、工程K6〜K7の動作を繰り返し実施し、非単結晶半導体膜53の他の領域を次々に結晶化した。このように照射領域をずらして結晶化を繰り返すことにより、大面積を結晶化することができる。工程K8の判定結果がYESの場合は、エンドポイントが検出されたものとして、基板ステージ66をホーム位置に戻し、結晶化処理を終了する。
上記実施例では光強度分布の検出、確認工程を、結晶化工程の前に1回実行した例について説明したが、光強度分布の検出と確認は一連の処理の最初に実施し、1枚の被処理基板50の全面を結晶化してもよいし、結晶化領域数箇所毎に1回、数十、数百、数千箇所毎に1回実施してもよい。なお、光強度分布の検出、確認工程は、多ければ多いほど均一な結晶化を実施することができる。これにより再現性の高いレーザー照射を実現でき、非単結晶半導体膜53の結晶化を安定して行うことができる。
次に、本発明の種々の実施例を比較例と比べて説明する。
(実施例1)
図示しないマイクロ波発振器によって生成されたマイクロ波はスロット導波管26から誘電性部材30を介して気密容器12内のプラズマ生成空間11に伝搬される。ガス導入口18から成膜ガスとして水素で希釈したモノシランガスを導入するとともに、排気口20を介してポンプ5により容器12内を排気する。容器12の内圧と印加マイクロ波出力とを調整し、表面波プラズマモードになるように動作を制御することによりプラズマ中の電子密度を増大させる。モノシランガス5sccmと水素ガス150sccmとの混合ガスをガス導入口18から容器12内に導入し、1.2kWの出力でマイクロ波を印加し、表面波モードのプラズマを生成した。このときの電子密度をプローブにより測定したところ8×108cm-3であった。水素ガスで大量希釈することにより表面でのSi-H結合の水素を気相中の水素ラジカルが引き抜くことで、結果的に水素含有量の少ないシリコン膜が形成可能となる。
このような条件下で成膜した微結晶シリコン膜の水素含有量をラザフォード前方散乱により定量したところ、約4.5%であった。また、この微結晶シリコン膜を上記の方法で膜厚50nmに成膜した上に、蓄熱層としてSiOx(1.5<x<2.0)のキャップ膜を300nmの膜厚に成膜して、被結晶化基板(実施例試料)を作成した。このようにして形成された実施例試料を上記した図7に示す結晶化装置に搬入して結晶化工程を実施した。
この実施例試料にレーザー照射し、微結晶シリコン膜を結晶化した。従来の方法で形成した非晶質シリコン膜(膜中水素含有量:約17%)の上に上記SiOxキャップ膜を形成したものを比較例試料として準備し、この比較例試料にもレーザー照射し、非晶質シリコン膜を結晶化した。照射条件はいずれの場合も波長308nmのXeClエキシマレーザー、出力密度750mJ/cm2で1パルス照射した。顕微鏡観察結果によれば、比較例試料では膜が溶融剥離していたが、実施例試料では膜の剥離例えばアブレーションは見られなかった。
(実施例2)
次に実施例2を説明する。実施例1で形成した膜中水素含有量が約4.5%の微結晶シリコン膜をガラス基板上に形成し、その微結晶シリコン膜上に蓄熱層としてSiOx(1.5<x<2.0)のキャップ膜をシランガスとN2Oガスの混合ガスから通常のプラズマCVD法にて形成して、被結晶化基板(実施例試料)を作成した。
この被結晶化基板を上記した図7に示す結晶化装置に搬入し、実施例1のレーザ光照射条件で結晶化工程を実行した。その結果、パルスレーザー光を500発発射させ、異なる位置に照射した結果、実施例試料では膜の剥離例えばアブレーションは見られなかった。
(実施例3)
次に実施例3を説明する。上記した図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置10にガラス基板を搬入して形成した膜中水素含有量が約3%の微結晶シリコン膜をガラス基板上に形成した。その微結晶シリコン膜上に蓄熱層としてSiOx(1.5<x<2.0)のキャップ膜をシランガスとN2Oガスの混合ガスから通常のプラズマCVD法にて形成して、被結晶化基板(実施例試料)を作成した。
この被結晶化基板を上記した図7に示す結晶化装置に搬入し、実施例1のレーザ光照射条件で結晶化工程を実行した。その結果、パルスレーザー光を500発発射させ、異なる位置に照射した結果、実施例試料では膜の剥離例えばアブレーションは見られなかった。
(実施例4)
次に実施例4を説明する。上記した図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置10にガラス基板を搬入して形成した膜中水素含有量が約2%の微結晶シリコン膜をガラス基板上に形成した。その微結晶シリコン膜上に蓄熱層としてSiOx(1.5<x<2.0)のキャップ膜をシランガスとN2Oガスの混合ガスから通常のプラズマCVD法にて形成して、被結晶化基板(実施例試料)を作成した。
この被結晶化基板を上記した図7に示す結晶化装置に搬入し、実施例1のレーザ光照射条件で結晶化工程を実行した。その結果、パルスレーザー光を500発発射させ、異なる位置に照射した結果、実施例試料では膜の剥離例えばアブレーションは見られなかった。
(実施例5)
次に実施例5を説明する。上記した図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置10にガラス基板を搬入して形成した膜中水素含有量が約1%の微結晶シリコン膜をガラス基板上に形成した。その微結晶シリコン膜上に蓄熱層としてSiOx(1.5<x<2.0)のキャップ膜をシランガスとN2Oガスの混合ガスから通常のプラズマCVD法にて形成して、被結晶化基板(実施例試料)を作成した。
この被結晶化基板を上記した図7に示す結晶化装置に搬入し、実施例1のレーザ光照射条件で結晶化工程を実行した。その結果、パルスレーザー光を500発発射させ、異なる位置に照射した結果、実施例試料では膜の剥離例えばアブレーションは見られなかった。
(比較例1)
次に比較例1を説明する。図14に示すCVD成膜装置200にガラス基板を搬入し、膜中水素含有量が約6%の微結晶シリコン膜をガラス基板上に形成した。その微結晶シリコン膜上に蓄熱層としてSiOx(1.5<x<2.0)のキャップ膜をシランガスとN2Oガスの混合ガスから通常のプラズマCVD法にて形成して、被結晶化基板(比較例試料)を作成した。
この被結晶化基板を上記した図7に示す結晶化装置に搬入し、実施例1のレーザ光照射条件で結晶化工程を実行した。その結果、比較例試料ではパルスレーザー光を500発発射させ、異なる位置に照射した結果、数箇所に膜の剥離が発生した。
(比較例2)
次に比較例2を説明する。図14に示すCVD成膜装置200にガラス基板を搬入し、膜中水素含有量が約10%の微結晶シリコン膜をガラス基板上に形成した。その微結晶シリコン膜上に蓄熱層としてSiOx(1.5<x<2.0)のキャップ膜をシランガスとN2Oガスの混合ガスから通常のプラズマCVD法にて形成して、被結晶化基板(比較例試料)を作成した。
この被結晶化基板を上記した図7に示す結晶化装置に搬入し、実施例1のレーザ光照射条件で結晶化工程を実行した。その結果、比較例試料ではパルスレーザー光を500発発射させ、異なる位置に照射した結果、20箇所に膜の剥離が発生した。
基板上への半導体膜の成法は、コンタミネーションの少ない化学気相成長(CVD)法、例えばプラズマCVD法を用いて結晶化対象膜を成膜することが考えられる。しかし、プラズマCVD法によりシランガスを原料として非晶質シリコン膜を成膜すると、通常の場合は半導体膜中の含有水素量が10%以上になる。このように多量の水素を含む膜にレーザー光を照射すると、上述したようにレーザーアブレーションにより膜が破壊されてしまう。
この膜破壊の発生を回避するために、レーザー照射(結晶化)前に予め非晶質シリコン膜を高温に加熱して、非晶質シリコン膜から水素を取り除く脱水素処理を行う必要がある。ところが脱水素処理はガラス基板を600℃程度の高温に加熱するため、熱損傷を受けやすい低価格の汎用ガラス(例えばソーダガラス)を結晶化用基板として用いることができない。
そこで、本発明者らは、種々のCVD法を利用する成膜技術について鋭意研究した結果、微結晶またはナノ結晶(平均粒径が5nmから50nmまでの結晶粒)シリコン膜が水素含有量を少なくできるという知見を得た。
(実施例6)
ガラス基板上に下地絶縁膜を介してプラズマCVDにより平均粒径が5nmの結晶粒からなる非単結晶シリコン膜を成膜した。この非単結晶シリコン膜にPMELA法により逆ピークパターン状の光強度分布を有するパルスレーザー光を照射して照射領域を溶融し、溶融領域を結晶化した。この工程を順次照射領域を移動させて500回照射した。この結果、照射領域にアブレーションの発生を見出すことができなかった。このような実施例を平均結晶粒が微結晶からナノ結晶までの非単結晶シリコン膜についておこなった。
(実施例7)
平均粒径が4nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが2箇所発見された。
(実施例8)
平均粒径が6nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが発見されなかった。
(実施例9)
平均粒径が7nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが発見されなかった。
(実施例10)
平均粒径が10nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが発見されなかった。
(実施例11)
平均粒径が20nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが発見されなかった。
(実施例12)
平均粒径が30nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが発見されなかった。
(実施例13)
平均粒径が40nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが発見されなかった。
(実施例14)
平均粒径が50nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが発見されなかった。
(比較例3)
平均粒径が52nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが2箇所発見された。
(比較例4)
平均粒径が55nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが10箇所発見された。
この結果、平均粒径が5nmから50nmまでの結晶粒からなる非単結晶シリコン膜レーザー照射により結晶化工程を実施してもアブレーションを発生しないことが判った。
(比較例5)
平均粒径が2nmの非単結晶シリコン膜では、500回の照射でアブレーションが2箇所発見された。
(薄膜トランジスタの作製)
次に、図12と図6を参照して本発明の薄膜トランジスタ(TFT)の構成およびその製造方法について説明する。上述の結晶化方法により大結晶粒化した半導体膜をもつ基板を利用して薄膜トランジスタを作製した。
絶縁体又は半導体から成る基板51には、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板などの絶縁基板の他に、表面に絶縁被膜が形成された金属基板、シリコン基板、或いはセラミック基板などを適用することが可能である。ガラス基板として、例えばコーニング社の#1737基板に代表されるような、低アルカリガラス基板を用いることが望ましい。下地保護膜52は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコンを主成分として含む絶縁膜、例えば膜厚300nmの酸化シリコン膜であり、さらに、ガラス基板51に密接して形成されていると好ましい。上記下地保護膜52は、ガラス基板から上記非単結晶半導体膜に不純物が拡散しないように阻止する作用をする膜である。
下地保護膜52の上に結晶化対象膜53(膜厚200nmの非単結晶Si膜)を成膜する。この成膜には、上記の装置を用いてマイクロ波プラズマ化学気相成長法によって成膜することができる。
非単結晶半導体膜53の上にレーザー光の一部を吸収する光吸収性の絶縁膜(キャップ膜)54を被覆形成する。これにより下地保護膜52、半導体膜53、キャップ膜54を有する被処理基板50が得られる。この被処理基板50は、図7と図8に示す光学系によってホモジナイズされたレーザー光を位相シフタ64に入射させ、位相変調したレーザー光により結晶化を行う。
結晶化した単結晶半導体膜上のキャップ膜54をエッチングにより除去する。次に、非単結晶半導体膜53の結晶化された領域に位置合わせして半導体回路例えば図12に示す薄膜トランジスタを次のようにして製造する。まず活性領域の形状を規定するためにフォトリソグラフィを用いてパターニングし、平面視野内でチャネル領域53aおよびソース領域53bおよびドレイン領域53cに略対応する所定パターンのSiアイランドを形成した。
次に、チャネル領域53a、ソース領域53bおよびドレイン領域53c上にゲート絶縁膜55を形成する。ゲート絶縁膜55は、酸化シリコン(SiO2)あるいは酸窒化シリコン(SiON)を主成分とする材料で、厚さ30〜120nmの酸化シリコン膜を形成する。ゲート絶縁膜55の形成は、例えば、プラズマCVD法で、SiH4とN2Oを原料とした酸化シリコン膜を50nmの厚さで形成してゲート絶縁膜55とした。
次に、ゲート絶縁層55上にゲート電極56を形成するための導電層を形成した。導電層は、Ta、Ti、W、Mo、Al等の元素を主成分とする材料を用い、スパッタ法や真空蒸着法などの公知の成膜法を用いて形成した。例えばAl−Ti合金とした。フォトリソグラフィを用いてゲート電極用金属層をパターニングし、所定パターンのゲート電極56を形成した。
次に、ゲート電極56をマスクとして不純物を注入することによりソース領域53bおよびドレイン領域53cを形成した。例えば、Pチャネル型TFTを形成する場合、イオン注入法を用いて例えばボロンイオン等のP型不純物の注入を行う。この領域のボロン濃度は、例えば1.5×1020〜3×1021となるようにした。このようにしてPチャネル型TFTのソース領域53bおよびドレイン領域53cを構成する高濃度p型不純物領域を形成する。このとき、n型不純物の注入を行えばnチャネル型TFTが形成されることはいうまでもない。
次いで、イオン注入法により注入した不純物元素を活性化するために熱処理工程を行う。この工程は、ファーネスアニール法、レーザアニール法、ラピッドサーマルアニール法などの方法で行うことができる。本実施の形態では、ファーネスアニール化法で活性化工程を行った。加熱処理は、窒素雰囲気中において300〜650℃の温度域で行うことが望ましく、本実施例では500℃で4時間の熱処理を行った。
次に、ゲート絶縁膜55およびゲート電極56上に層間絶縁膜57を形成した。層間絶縁膜57は窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜またはそれらを組み合せた積層膜で形成すれば良い。また、膜厚は200〜600nmとすれば良く、本実施例では400nmとした。
次に、層間絶縁膜57における予め定められた所定の位置にコンタクトホールを開口する。そして、コンタクトホールの内部および層間絶縁層57の表面上に導電層を形成し、所定の形状にパターニングする。本実施例ではこのソース・ドレイン電極58,59を、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成した3層構造の積層膜とした。このようにして図12に示す薄膜トランジスタを得た。
次に、上述の実施形態で得られるような薄膜トランジスタを実際にアクティブマトリクス型液晶表示装置に適用した例について説明する。図13は薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型表示装置の一例を示す図である。表示装置90は一対の絶縁基板91,92と両者の間に保持された電気光学物質93とを備えたパネル構造を有する。電気光学物質93としては液晶材料が広く用いられている。下側の絶縁基板91には画素アレイ部94と駆動回路部とが集積形成されている。駆動回路部は垂直駆動回路95と水平駆動回路96とに分かれている。
また、絶縁基板91の周辺部上端には外部接続用の端子部97が形成されている。端子部97は配線98を介して垂直駆動回路95及び水平駆動回路96に接続している。画素アレイ部94には行状のゲート配線99と列状の信号配線100が形成されている。両配線の交差部には画素電極101とこれを駆動する薄膜トランジスタ102が形成されている。薄膜トランジスタ102のゲート電極は対応するゲート配線99に接続され、ドレイン領域は対応する画素電極101に接続され、ソース領域は対応する信号配線100に接続されている。ゲート配線99は垂直駆動回路95に接続する一方、信号配線100は水平駆動回路96に接続している。
画素電極101をスイッチング駆動する薄膜トランジスタ102及び垂直駆動回路95と水平駆動回路96に含まれる薄膜トランジスタは、本発明に従って作製されたものであり、従来に比較して移動度が高くなっている。従って、駆動回路ばかりでなく更に高性能な処理回路を集積形成することも可能である。
以上、種々の実施の形態を挙げて説明したが、本発明は上記各実施の形態のみに限定されるものではなく、種々変形および組み合わせることが可能である。
本発明は、液晶表示装置(LCD)の表示画素を選択するスイッチング素子などに用いられる薄膜トランジスタ(TFT)の結晶化に利用できる。
結晶化対象膜を成膜するために用いられるマイクロ波プラズマ処理装置の概要を示す内部透視ブロック断面図。 図1のA−A線に沿って切断したマイクロ波プラズマ処理装置を示す横断面図。 マイクロ波プラズマ処理装置において溝の作用を説明するための模式図。 他のマイクロ波プラズマ処理装置の要部を示す部分拡大断面図。 結晶化対象膜からの脱水素の作用を説明するための模式図。 結晶化対象膜を有する被処理基板を示す断面図。 結晶化装置の全体の概要を示す構成ブロック図。 結晶化装置の照明光学系を示す構成ブロック図。 (a)は位相シフタの平面図と側面図、(b)は照射レーザー光の光強度分布(ビームプロファイル)の特性線図、(c)は光強度分布の斜視図。 結晶化装置の制御系を示す制御ブロック図。 結晶化装置を用いるELA結晶化方法のフローチャート。 薄膜トランジスタの断面図。 表示装置の概要を示す斜視図。 結晶化対象膜を成膜するために用いられる他の成膜装置の概要を示す内部透視ブロック断面図。
符号の説明
2,3…ガス供給源、4…ミキサー、5…排気ポンプ、
6…電源ユニット、8…制御器、
10…マイクロ波プラズマ処理装置、
11…プラズマ生成空間、12…気密容器、
14,33…誘電性部材、16…導波管、
18…ガス導入口、20…排気口、24…サセプタ(基板載置台)、
26…スロット(開口)、28…電磁波、30,34…溝、
32…壁、34…間隙、38…孔、
50…被処理基板、51…ガラス基板、52…下地保護膜、
53…結晶化対象膜(非単結晶半導体膜)、54…キャップ膜、
60…結晶化装置、
61…レーザー光源、62…アッテネータ、63…照明光学系、64…位相シフタ、
65…結像光学系、66…基板ステージ、68…表示装置、
80…制御部。

Claims (3)

  1. ガラス基板上の半導体膜にパルスレーザー光を照射して照射領域を溶融して半導体膜を結晶化する半導体膜の結晶化方法であって、
    (a)表面波プラズマを生成する化学気相成長法を用いて500℃以下の温度で前記ガラス基板上に平均粒径が5nm以上50nm以下の結晶粒を堆積させることにより、前記半導体膜として5原子%以下の水素を含む非単結晶半導体膜を成膜し、
    (b)結晶化のための条件としてパルス幅、パルス強度比、非単結晶半導体膜の膜厚、目標ずれ量値および目標光強度を含む装置パラメータを求め、求めた装置パラメータを読み出し可能に記録部に記録・保存しておき、
    (c)ハイトセンサからの検出信号を用いて基板ステージと前記ガラス基板とのずれ量を求め、
    (d)前記記録部から前記目標ずれ量値を読み出し、前記工程(c)で求めた基板ステージと前記ガラス基板とのずれ量が読み出した前記目標ずれ量値に一致するように前記基板ステージの動作を制御し、また前記記録部から前記目標光強度を読み出し、ビームプロファイラで測定した光強度と前記目標光強度とを比較して、前記ビームプロファイラで測定した光強度が前記目標光強度になるように、かつ光強度分布の最小光強度値が前記非単結晶半導体膜の融点以下の温度になるように前記アッテネータを制御し、前記結晶化装置の光源から前記光強度分布のレーザー光を出射し、該レーザー光を前記非単結晶半導体膜に照射して結晶化させることを特徴とする半導体膜の結晶化方法。
  2. 前記工程(a)において、シラン系ガスと水素ガスを質量流量比で1:20〜1:100の割合で供給する化学気相成長法を用いて前記ガラス基板上に非単結晶半導体膜を成膜することを特徴とする請求項1に記載の半導体膜の結晶化方法。
  3. 前記工程(a)において、前記半導体膜の成膜ガスは、ハロゲン化珪素ガスであることを特徴とする請求項1に記載の半導体膜の結晶化方法。
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