JP5519604B2 - 棒材供給機 - Google Patents
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Description
材料収容部が箱状に形成されているため、内部に複数の棒材を収容可能であるから、材料収容部に多量の棒材を収容しておけば棒材供給機及び棒材加工機の長時間の自動運転が可能となる。ここで、箱状の材料収容部の底部の開口部から棒材を1本ずつ取り出すと、棒材自体の重みで、材料収容部の下部に収容された棒材同士が噛み合って材料収容部の途中で固定され、底部の開口部まで移動せず棒材が取り出されないという不具合が生じる可能性が考えられる。そこで本発明では、切欠の形成位置における割出板の回動中心から割出板の外縁までの距離は、回動中心を挟んで切欠とは反対側の所定位置における回動中心から割出板の外縁までの距離より小さく設定されている。このような構成の本発明では、割出板が棒材受渡位置に回動する際に、回動中心を挟んで切欠とは反対側の所定位置の外縁が、材料収容部の開口部に到達する。このとき、割出板の回動中心からこの所定位置の外縁までの距離が、切欠の形成位置における回動中心からの距離よりも大きくなっているため、この所定位置における割出板の外縁が、開口部を通して材料収容部内の棒材を上方へ押し上げる。この動作により、材料収容部内の棒材の噛み合いが防止され、棒材が最後の1本まで確実に割出板に供給される。
このように構成された本発明においては、割出板の回動軸が切欠が形成された位置寄りに偏心した位置に設けられているので、切欠が形成された位置における回動中心から割出板の外縁までの距離よりも、その反対側の所定位置における回動中心から割出板の外縁までの距離の方が大きくなる。したがって、割出板の所定位置における割出板の外縁が、材料収容部内の棒材を上方へ押し上げるので、材料収容部内の棒材の噛み合いが防止される。
このように構成された本発明においては、割出板の回動軸が、切欠が形成された位置寄りに偏心していることに加えて、割出板が略楕円形に形成されているので、割出板の短軸上の位置における回動中心から外縁までの距離と、割出板の長軸上の位置における回動中心から外縁までの距離との間の差が大きくなる。したがって、割出板が回動するときに、割出板の外縁によって材料収容部内の棒材を大きく上方に押し上げることが可能となり、棒材の噛み合いの発生がより効果的に防止される。
このように構成された本発明においては、棒材受入位置において切欠が棒材収容部の開口部の開口範囲内で往復するので、棒材収容部内の棒材が切欠の往復動の間に切欠内に受け入れられる。棒材収容部内の棒材が互いに重なり合っている場合に、1本の棒材の全体が切欠に受け入れられなくても、割出板が往復動している間にその棒材の全体が切欠内に受け入れられるので、割出板による棒材の取出ミスが防止される。したがって棒材が確実にガイドレールに供給される。
このように構成された本発明においては、割出板が回動軸の軸方向に沿ってスライド可能に設けられているので、扱う棒材の長さ寸法に合わせて、回動軸における割出板の取付位置を調整可能となる。したがって、棒材の長さ寸法が変わっても、棒材が安定して支持され、確実な棒材取出が可能となる。
このように構成された本発明においては、割出板の挿通部が断面多角形状に形成され、回動軸の少なくとも割出板が取り付けられる部分が挿通部の断面形状に応じた形状に形成されているので、割出板を回動軸に沿って軸方向に移動させる場合に、割出板の回動軸に対する回動位置(位相)が固定されたままとなり、したがって、回動軸に対する割出板の切欠の位置がずれない。よって割出板を回動軸に沿って移動させる際に、切欠の位置合わせ等の作業が不要となるから、割出板の移動の作業が容易になる。
このように構成された本発明においては、割出板は、メンテナンスや棒材の種類の変更時等に取り外される場合がある。このとき、割出板が材料収容部の下方で且つ開口部に近接して配置されているので、割出板にアクセスする際に材料収容部が邪魔になる。本発明では、材料収容部が割出板の回動軸を中心に下方に回動可能となっているので、材料収容部を下方に回動させることにより、材料収容部が割出板上方の領域から遠ざかる。したがって、割出板近傍の領域にアクセスしやすくなるので、メンテナンスや部品交換等の作業がし易くなる。
なお、棒材供給機1は、棒材加工機に向かって棒材Wを供給するから、本実施形態では、棒材供給機1において棒材加工機から遠い側(図1において左側)を上流側、棒材加工機に近い側(図1において右側)を下流側と称する。また、棒材供給機1の手前側(図1において紙面に垂直に手前に延びる方向)を前方側、棒材供給機1の後方側(図1において紙面から垂直に遠ざかる方向)を後方側と称する。
また、回動軸24は、割出板組立体22が取り付けられる部分は断面略矩形状に形成され、その他の部分は断面円形に形成されている。回転軸24は、ガイドレール4の鉛直方向上方に配置されるとともに、その端部が、シリンダ、サーボモータ等の駆動装置25に連結されている。
割出板32は、略楕円形の板状部材に形成され、短軸に平行な方向に沿って略矩形状の凹部36が形成されており、全体として略C字形に形成されている。割出板32の長軸上の外縁には、棒材Wの直径に対応した寸法の切欠40が形成されている。
取付用カラー34は、割出板32と平行に配置された一対の面34Aと、これらの面34Aの間に面34Aと垂直な方向に延びる面34Bとを有し、面34Aは、面34Bによって互いに所定間隔だけ隔てられている。面34Aは、割出板32よりも小さな長軸及び短軸を有する略楕円形に形成され、割出板32の凹部36に対応する位置に略矩形状の凹部34Cが形成されている。
割出板部品28は、割出板32と取付用カラー34の面34Aとを合わせて、ボルトで止めることにより組み立てられる。組み立てられた状態では、割出板部品28は、一対の割出板32が、取付用カラー34の面34Bの幅寸法だけ離間して配置される。
なお、本実施形態では、図5に示すように割出板組立体22は、回動軸24に2組設けられているが、扱う棒材Wの長さに応じて任意の個数設けることができる。
防止板27は、ガイドレール4を挟んで案内板26とは反対側に取り付けられ、鉛直方向に延びる板状部材である。この防止部材27は、給送軸線Aに沿って延びている。
したがって、本実施形態では、割出板組立体22は、回動軸24の回動により、初期位置、取出停止位置、及び供給位置の間を回動可能となっている。ここで、初期位置及び取出停止位置は、共に、切欠40が材料収容部8の開口部18内に臨む位置であり、本発明において材料収容部8から切欠40内に棒材Wを1本受け取る棒材受入位置である。また、棒材受渡位置は、本発明において切欠40内に受け入れられた棒材Wをガイドレール4に受け渡す位置である。
図12〜図16は、本発明の一実施形態に係る棒材供給機1の動作を示す図である。まず、図12に示すように、棒材供給機1の材料収容部8内部には、多数の棒材Wが収容されている。割出板32は、初期位置にあり、したがって切欠40が材料収容部8の開口部18内に開口した状態となっている。この状態では、棒材Wが自重により下方に移動し、1本の棒材Wが切欠40内に受け入れられる。この初期位置では、リミットスイッチ52がONとなっており、コントローラは、割出板32が初期位置にあることを判断する。
このように、割出板32を初期位置から取出停止位置へ、そして再び初期位置へ戻して、切欠40を開口部18の開口範囲内で往復動させることにより、材料収容部8内の棒材Wが互いに絡まって棒材Wの全体が切欠40に入りにくい場合でも、絡まりがほぐれて切欠40に棒材Wが1本だけ収容される。
割出板32が略楕円形に形成され、回動軸24が切欠40寄りに偏心しているので、割出板32を回動させると、切欠40とは反対側の位置Pの周辺の領域が材料収容部8内の棒材Wを押し上げて棒材Wを揺する。したがって、棒材Wが材料収容部8内で互いにかみ合ってしまって下方に落ちてこないという不具合を解消することができる。これにより、棒材Wを多量に材料収容部8に収容しても、棒材Wを1本ずつ、最後の1本まで良好に取り出すことができ、棒材Wを頻繁に補充することなく、長時間の自動運転をすることができる。
また、割出板は、円形等の対称的な形状に限らず、異形状に形成されていても良く、要するに、割出板が棒材受渡位置にあるときに材料収容部内に位置する領域の外縁が、切欠が形成された位置における外縁よりも外側に出っ張っていればよい。このような異形の割出板の場合には、必ずしも回動中心が切欠寄りに偏心しているとはいえない場合もあるが、割出板により材料収容部内の棒材を押し上げることができるような形状寸法に形成されていればよい。
また、棒材が材料収容部で互いに絡まりやすい場合には、前述の実施形態のように割出板が1往復するものに限らず、任意の回数だけ往復動するように構成してもよい。
回動軸も、割出板が取り付けられる部分の断面形状は、略矩形状に限らず、例えば三角形状、五角形状、六角形状等、多角形状であっても良く、また例えば円形断面の外周にキー溝に係合する突起を形成したような、異形状であってもよい。要するに、回動軸の断面形状は、割出板の挿通部の断面形状に対応した形状であればよい。また、回動軸の断面形状は、全長にわたって割出板の挿通部の断面形状に対応した形状である必要はなく、少なくとも割出板が取り付けられる部分の断面形状が、割出板の挿通部の断面形状に対応した形状であればよい。
材料収容部は、回動軸を中心に回動可能に設けられていたが、必ずしも回動可能に設けられていなくてもよい。
4 ガイドレール
8 材料収容部
14 底部
18 開口部
22 割出板組立体
24 回動軸
32 割出板
40 切欠
W 棒材
Claims (7)
- 棒材加工機に棒材を1本ずつ供給する棒材供給機であって、
内部に複数の棒材を収容可能であるとともに、底部に開口部を有する箱状の材料収容部と、
材料収容部から取り出された棒材を受け入れ、前記棒材加工機に供給するガイドレールと、
前記材料収容部の下方に配置され、前記材料収容部の前記開口部から前記材料収容部内の棒材を1本受け取る切欠を有するとともに、前記材料収容部から前記切欠内に棒材を1本受け取る棒材受入位置と、前記切欠内に受け入れられた棒材を前記ガイドレールに受け渡す棒材受渡位置との間で回動軸を中心に回動可能な割出板と、を備え、
前記切欠の形成位置における前記割出板の回動中心から前記割出板の外縁までの距離は、前記回動中心を挟んで前記切欠とは反対側の所定位置における回動中心から前記割出板の外縁までの距離より小さく設定されている、
ことを特徴とする棒材供給機。 - 前記割出板の回動軸は、前記切欠が形成された位置寄りに偏心した位置に設けられている、
請求項1に記載の棒材供給機。 - 前記割出板は、略楕円形に形成されている、
請求項2に記載の棒材供給機。 - 前記割出板は、前記材料収容部の前記開口部の開口範囲内で前記切欠が往復動するように構成されている
請求項1から3のいずれか1項に記載の棒材供給機。 - 前記割出板は、前記回動軸の軸方向に沿ってスライド可能に設けられている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の棒材供給機。 - 前記割出板は、前記回動軸が挿通される断面多角形状の挿通部を有し、前記回動軸の少なくとも前記割出板が取り付けられる部分は、前記挿通部の断面形状に応じた断面形状に形成されている、
請求項5に記載の棒材供給機 - 前記材料収容部は、前記割出板の前記回動軸を中心に下方に回動可能に設けられている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の棒材供給機。
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