JP5519228B2 - カウルトップカバー - Google Patents

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本発明は、歩行者保護性能に優れた、自動車における衝撃吸収構造を備えたカウルトップカバーに関する。尚、本願発明で用いている車体の前後方向、上下方向、幅方向に関しては、車両が直進する前進方向を基準として、車体の後方から車両の前進方向を向いたときの方向としている。
車両走行時に障害物などが衝突した拍子に、ボンネット上に衝突物などが乗り上げると、衝突物からの衝撃によってボンネットは下方に撓むことになる。このとき、ボンネットの下方に剛性の高い車両搭載部品等が配置されていると、衝突物はボンネットを撓ませながら車両搭載部品等に強く衝突してしまうことになる。これを防止するため、衝突物からの衝撃力を緩和できる衝撃吸収構造を、カウルパネルやカウルトップカバーに構成しておくことが求められている。
衝撃吸収構造を備えたカウルトップカバーとしては、特許文献1に記載された車体構造や特許文献2に記載された車両用カウルルーバ構造などが提案されている。特許文献1に記載された車体構造を、本願発明における従来例1として、図8には、カウルトップカバー(特許文献1では、デッキガーニッシュとして記載されている。)の前部付近の断面図を示している。また、特許文献2に記載された車両用カウルルーバ構造を、本願発明における従来例2として、図9には、目隠し部材に堆積物の荷重が加わったときのカウルトップカバーの前部付近における断面図を示している。
図8に示すように、カウルトップカバー41は、カウルトップパネル43(特許文献1では、艤装デッキとして記載されている。)とボンネット44との間で、車体上下方向に延在している第1部位46と、この第1部位46の上端からフロントウインド42に向かって延在している第2部位47とを備えた構成となっている。
第1部位46には、車幅方向全域に渡って薄肉部48,49,50が形成されており、第2部位47にも、車幅方向全域に渡って薄肉部52が形成されている。薄肉部48,49,50は、第1脆弱部として構成されており、薄肉部52は、第2脆弱部として構成されている。カウルトップカバー41には第1脆弱部及び第2脆弱部が形成されているが、ある荷重(例えば、0.3kN)以下においては、第1脆弱部及び第2脆弱部が変形しないように設定されている。
衝突により歩行者の頭部等がボンネット44の後端部に当接して、ボンネット44に対して上方からの衝撃力Gが加わると、荷重力Gは、シール部材45を介してカウルトップカバー41に伝達されることになる。そして、衝撃力Gが加わったカウルトップカバー41は、最初に、第1脆弱部として構成された薄肉部48,49,50が変形して、衝撃エネルギーを吸収する構成となっている。薄肉部48,49,50の変形によって吸収しきれなかった衝撃エネルギーは、第2脆弱部として構成されている薄肉部52が変形すること、あるいは破断することにより吸収できる構成となっている。
即ち、特許文献1の発明では、カウルトップカバー41における肉厚の一部を、実用上、剛性に問題ない程度まで局所的に薄肉化した構成になっており、薄肉化した第1脆弱部及び第2脆弱部が変形することで、歩行者が衝突した際の衝撃エネルギーを吸収する構成となっている。
特許文献2に記載された車両用カウルルーバ構造では、図9に示すように、フード61及びエンジンルーム60の後方側には、カウル62が車両幅方向に沿って配置されている。そして、カウル62の車体前方側における上面を構成するカウルルーバ65、車体後側の上面を構成するカウルアッパーパネル64、下面を構成するカウルインナパネル63を備えた構成となっている。カウルインナパネル63の開放された車両前側部分をカウルルーバ65によって覆い、車両後側部分をカウルアッパーパネル64が覆っている。
フード61の車両後方側端部とカウルルーバ65との間には、車両幅方向に沿って延在する目隠し部材66が配設されている。目隠し部材66は、樹脂製のカウルルーバ65よりも剛性が低い弾性変形可能なゴム系材料からなり、全体が弾性変形することで、フード61とカウルルーバ65と、に密着している。
目隠し部材66は、上部に板状の取付部67が形成されており、取付部67の車両前側部分が、フードインナパネル61bの棚部にクリップ71を介して取り付けられている。取付部67の車両後方側部分は、車両後方側に向かうに従って上方に傾斜し、フード61におけるフードアウタパネル61aとフードインナパネル61bとの接合部分(フード61の車両後端部)に形成された凸部61cに、車両後方側端部67aが当接している。
目隠し部材66には、取付部67における中央よりも若干車両後方側の下面から下方に向かって延びる脚部68が形成されている。脚部68の先端側は、第1脚部69と第2脚部70との二股に別れた構成となっている。第1脚部69は下方に向かうに従って、先端側が車両後方側方向に湾曲しカウルルーバ65に当接し、第2脚部70は下方に向かうに従って、先端側が車両前側方向に湾曲しカウルルーバ65に当接している。
図示せぬ衝突体がフード61の車両後方側端部に衝突し、フード61の車両後方側端部に上方からの衝撃が加わると、フード61の車両後方端部が下方に沈み込むように変形する。そして、目隠し部材66に荷重が加わって、目隠し部材66は弾性変形する。このとき、目隠し部材66は、ゴム系材料から構成されているので、第1脚部69と第2脚部70とが開くようにして、容易に弾性変形することができる。つまり、変形荷重が小さい。また、目隠し部材66は、取付部67が第1脚部69及び第2脚部70に当接するまで潰れることができ、潰れ残りが殆どない構成となっている。
特許文献2に記載された車両用カウルルーバ構造では、フード61の車両後方側端部に上方から加わった衝撃を吸収する構成に加えて、目隠し部材66の第1脚部69における車両後方側に雪などの堆積物Sが堆積し(積もり)、矢印Yで示すように目隠し部材66に対して、カウルルーバ65の傾斜に沿った方向の荷重が加わった場合でも、この荷重を第2脚部70によって突っ張って支えることができる構成となっている。そして、雪などの堆積物Sが堆積しても、第1脚部69が反転する等の目隠し部材66の変形が抑制又は防止できる構成となっている。
特開2005−306086号公報 特開2008−284982号公報
特許文献1に記載された発明では、ボンネット上に衝撃力が加わったときに、カウルトップカバー41に形成した第1脆弱部及び第2脆弱部を変形させることで、歩行者が衝突した際の衝撃エネルギーを吸収できる構成となっている。しかし、カウルトップカバー41に雪や氷などの堆積物が堆積することによって、第2部位47に対してフロントウインド42の傾斜に沿った方向からの荷重が加わったときには、第2脆弱部として構成されている薄肉部52が変形してしまったり、最悪の場合には破断してしまうことになる。
特に、ワイパーによってフロントウインド42から除けられた雪や氷が、カウルトップカバー41上に溜まってくると、ワイパーの作動によって雪や氷が次から次へと押し付けられてくることになる。そのため、第2脆弱部として構成されている薄肉部52の剛性が、雪や氷による押圧力に耐え切れなくなると、変形したり破断してしまうことになる。
また、カウルトップカバー41上に溜まった雪や氷を、スクレーパーで除去するときに、スクレーパーから過度の押圧力が第2部位47に作用した場合においても、薄肉部52が変形したり、破断してしまうことになる。そして、薄肉部52が変形したり、破断してしまうと、最悪の場合には、第2部位47の後端側に形成した係合部が、フロントウインド42から脱落してしまうことにもなる。
即ち、フロントウインド42とカウルトップカバー41との係合部におけるラップ量を超えてカウルトップカバー41が変形すると、カウルトップカバー41はフロントウインド42から脱落してしまうことになる。
特許文献2に記載された発明では、目隠し部材66の第1脚部69における車両後方側に雪や氷などの堆積物Sが堆積し(積もり)、矢印Yで示すような方向から荷重が、目隠し部材66に対して加わったとしても、この荷重を第2脚部70が突っ張ることにより支えることができる構成となっている。しかし、目隠し部材66はゴム系材料から構成されており、弾性変形するので、第2脚部70の突っ張りによって支えることができる荷重よりも大きな荷重が、目隠し部材66に加わったときには、第1脚部69の先端69Aや第2脚部70の先端70Aが、カウルルーバ65との当接状態から外れてしまったり、目隠し部材66が途中から折れ曲がったり、破断してしまったりする。
そして、雪や氷などの堆積物Sは、カウルルーバ65の凹部とフード61との間に流入することになる。そして、カウルルーバ65の凹部とフード61との間に流入した堆積物Sによって、回動がロックされているフード61に対しては、上方に開放させる押圧力を作用させ、カウルルーバ65に対しては、カウルルーバ65を車両の前方側に押圧する押圧力やカウルルーバ65を下方に突出させて変形させる押圧力を作用することになる。
このように、カウルルーバ65に作用するこれらの押圧力によって、カウルルーバ65は変形して、フロントガラス72との係合状態から脱落してしまうことになる。
本願発明は、ボンネット上に衝撃力が加わったときのカウルトップカバーにおける衝撃吸収性能を維持できるとともに、カウルトップカバー上に雪や氷などの堆積物が堆積し、堆積した雪や氷などに対して、更に、車両前方側への押圧力が加わったときでも、カウルトップカバーがフロントガラスとの係合状態から脱落してしまうのを防止でき、この押圧力が作用しなくなった状態に戻ったときには、カウルトップカバーとしての機能を充分に発揮させることができるカウルトップカバーの提供を課題としている。
かかる本願発明の課題は、請求項1〜4に記載したカウルトップカバーにより達成することができる。
即ち、本願発明では、車体前部に配されたフロントガラスの下端部に沿って、車幅方向に延設されたカウルトップパネルの上部を覆い、車両のフロントコンパートメントの上部開口を覆うボンネットの下方に配設されたカウルトップカバーにおいて、前記カウルトップカバーは、その前側端部が前記カウルトップパネルに固定され、その後側端部に形成した係合部が前記フロントガラスに係合し、前記前側端部と前記後端部との間のカバー本体部は、車体の前後方向において上方に突出した突出部を、車幅方向の少なくとも1ケ所以上に有し、前記突出部の裏面側には、前記車体の前後方向に沿って形成された、少なくとも一条以上のリブが設けられ、前記リブには、又は前記リブの端面と前記車体の前後方向において対向する前記突出部の裏面との間には、前記突出部の裏面側から下方に向かったスリット状の隙間が形成されてなることを最も主要な特徴としている。
また、本願発明では、前記隙間を挟んだ少なくとも一方の端面は、前記車幅方向に延設された面として構成されてなることを主要な特徴としている。
更に、本願発明では、前記車幅方向に延設された面は、前記リブの幅寸法よりも広く形成されてなることを主要な特徴としている。
更にまた、本願発明では、前記隙間内に、緩衝材が設けられてなることを主要な特徴としている。
本願発明では、カバー本体部に設けた突出部の裏面側に、少なくとも一条以上のリブを車体の前後方向に沿って設けている。しかも、突出部の裏面側から下方に向かったスリット状の隙間を、リブに形成、又はリブの端面と車体の前後方向において対向する突出部の裏面との間に形成している。
この構成により、カウルトップカバー上に雪や氷などの堆積物が堆積し、堆積した雪や氷などの堆積物に対して、更に、車両前方側への押圧力が加わった場合には、カバー本体部はスリット状の隙間を狭める方向に弾性変形することになる。しかし、カバー本体部の弾性変形は、スリット状の隙間が無くなるまでの変形であって、スリット状の隙間が無くなると、リブによってカバー本体部の弾性変形は、規制されることになる。
そして、カバー本体部の変形量としては、カバー本体部の後側端部に形成した係合部とフロントガラスとが係合しているラップ量よりも小さい量である。そのため、カバー本体部が隙間の分だけ弾性変形したとしても、カバー本体部がフロントガラスから脱落してしまうのを防止できる。
このように、ワイパーによる雪押しや氷押しの荷重やスクレーパーによる解氷時の衝撃力が、カウルトップカバーに作用した場合であっても、カバー本体部とフロントガラスとの係合状態が外れて、カバー本体部がフロントガラスから脱落してしまうのを防止できる。
また、スクレーパーなどにより凍りついて雪や氷などを除去する際には、比較的強い衝撃力がカウルトップカバーに伝わるが、その際にカウルトップカバーとしては、突出部における隙間の分だけ弾性変形することになる。また、カウルトップカバーが弾性変形することによるクッション効果によって、カウルトップカバーを止めている部品等に伝わる衝撃力を緩和させることができ、部品等の破損を防止することができる。
しかも、ボンネット上に衝撃力が加わったときのカウルトップカバーにおける衝撃吸収性能に対して、突出部の構成は悪影響を与えない構成となっている。即ち、ボンネット上に衝撃力が加わったときには、ボンネットによって突出部が押し潰されていく。そして、突出部としては、スリット状の隙間が扇状に広がる方向に潰されていくことになり、この突出部の変形によって、ボンネット上に加わった衝撃力を緩和させることができる。
このように、ボンネット上に加わった衝撃力に対して、突出部及びリブは、この衝撃力に対抗する構成とはなっておらず、逆に、この衝撃力を吸収する構成となっている。そして、ボンネット上に衝撃力が加わったときのカウルトップカバーにおける衝撃吸収性能は、突出部を構成したカウルトップカバーにおいてもそのまま維持することができる。
また、カウルトップカバー上に雪や氷などの堆積物が堆積し、堆積した雪や氷などの堆積物に対して、更に、車両前方側への押圧力が加わった場合であっても、隙間をなくしたリブによって、この押圧力に絶えることができる。しかも、前記車両前方側への押圧力が作用しなくなったときには、カウルトップカバーは、弾性力によってスリット状の隙間を形成する状態にまで弾性復帰することができる。
車幅方向に少なくとも1ケ所以上設けた突出部は、車幅方向の所望の部位に必要数設けておくことができる。突出部を設ける部位、個数としては、スクレーパーなどにより凍りついて雪を除去する際に、比較的強い衝撃力が加わり易い部位、ワイパーの作動によってカウルトップカバー上に降り積もった雪や氷などが圧縮されていく部位などに設けておくことができる。
本願発明では、隙間を挟んだ少なくとも一方の端面における形状を、車幅方向に延設された面として構成しておくことにより、スリット状の隙間が無くなるときにリブの端面との当接が良好に行われることになる。そして、車幅方向に延設された面の幅をリブの幅寸法よりも広く形成しておくことにより、更に、スリット状の隙間が無くなるときにリブの端面との当接が良好に行われる。
また、スクレーパーなどにより凍りついて雪や氷などを除去する際には、比較的強い衝撃力がカウルトップカバーに伝わるが、スリット状の隙間内に緩衝材を設けておくことにより、カウルトップカバーが弾性変形することによるクッション効果に加えて、緩衝材によるクッション効果を更に持たせることができる。
図1は、車体前部の斜視図である。(実施例) 図2は、図1のII−II断面図である。(実施例) 図3は、図2の状態からボンネット上に衝撃力が加わったときの作動を示す断面図である。(実施例1) 図4は、図2の状態からカウルトップカバーに堆積した雪の荷重が加わったときの作動を示す断面図である。(実施例1) 図5は、図2のV−V断面図であり、リブの変形例を示す要部断面図である。(実施例2) 図6は、突出部の要部断面図であり、リブの変形例を示す断面図である。(実施例3) 図7は、リブの変形例を示す要部斜視図である。(実施例4) 図8は、ボンネット及びカウルトップカバーの要部断面図である。(従来例1) 図9は、ボンネット及びカウルトップカバーの要部断面図である。(従来例2)
本願発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明に係わるカウルトップカバーとしては、以下で説明する形状、構成以外にも本願発明の課題を解決することができる形状、構成であれば、それらの形状、構成を採用することができるものである。このため、本願発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
図1には、車体前部の斜視図を示しているように、フロントガラス3の下縁部は、図2で示すようにカウルトップカバー2によって支持されている。また、図1に示すように、図示せぬエンジンルーム等を形成したフロントコンパートメントの上部は、ボンネット4によって覆われており、ボンネット4の後端部側あるいは前端部側が開口できるように、フロントコンパートメントの前端部あるいは後端部において、ボンネット4は回動可能に支承されている。
フロントガラス3の下部には、雨、雪等で覆われたフロントガラス3の視界を良好に保つためのワイパー5が設けられており、ワイパー5を駆動するモータは、カウルトップカバー2によって覆われた空間内に収納されている。
図2で示すように、カウルトップカバー2におけるカバー本体部10は、前側端部10aがカウルトップパネル7に固定されており、後側端部10bに形成した係合部11は、所定のラップ量でフロントガラス3の下縁部に係合している。
カウルトップパネル7及びカウルトップカバー2は、樹脂材料あるいは金属材料によって構成しておくことができる。ボンネット4の裏面側には、ボンネットレインフォースメント4aが取付けられており、ボンネット4を閉じた状態において、ボンネットレインフォースメント4aは、カウルトップカバー2におけるカバー本体部10の前端側に設けたシール部材6に圧接している。そして、シール部材6によって、雨水等が、フロントコンパートメント内に浸入するのが防止されている。
カバー本体部10の前端側には下方に延設した前側端部10aが形成されており、前側端部10aの下面側は、カウルトップパネル7に支持された構成となっている。カバー本体部10には、車体1の前後方向において上方に突出した突出部12が、車幅方向において少なくとも1ケ所以上の部位に設けられている。突出部12としては、カバー本体部10と一体に成形することも、別体にて形成することもできる。
以下の説明においては、突出部12をカバー本体部10と一体に成形した構成例について説明を行うこととする。突出部12をカバー本体部10と別体にて形成した場合には、適宜の固定手段を用いて、別体に形成した突出部12をカバー本体部10に取り付けておくことができる。
突出部12の裏面側には、車体1の前後方向に沿って形成されたリブ15が設けられている。突出部12としては、車幅方向に少なくとも一ケ所以上の部位に設けておくことができる。また、一つの突出部12内に形成するリブ15としては、車幅方向に少なくとも一条以上形成しておくことができる。
図2に示すように、リブ15としては、突出部12の裏面以外のカバー本体部10の裏面側領域にも連続させて構成しておくことができる。また、一条のリブ15には、突出部12における頂部12aの裏面側から下方に向かったスリット状の隙間16が形成されている。即ち、隙間16を挟んだリブ15の端面15a,15b間が離間した構成となっている。尚、スリット状の隙間16としては、突出部12における頂部12aの裏面側から下方に向かった形状に限定されるものではなく、突出部12の裏面側から下方に向かった形状に構成しておくこともできる。
図3に示すように、車両に衝突した歩行者が、ボンネット4上に乗り上げられると、衝突物20である歩行者によってボンネット4に対して上からの衝撃力Fが加わる。このとき、ボンネット4は、裏面側に設けたボンネットレインフォースメント4aとの間の空間を狭めると共に、シール部材6を圧縮してカウルトップカバー2の前端側を、下方向に向かって変位させる。
そして、カバー本体部10の突出部12における頂部12aに当接したボンネットレインフォースメント4aは更に下降しながら、突出部12の頂部12aに当接して突出部12を押圧していくことになる。ボンネットレインフォースメント4aによって押圧された突出部12は、頂部12aを中心にしてスリット状の隙間16が扇状に広がるように押し潰されていく。
また、カバー本体部10の前端側から下方に延設された前部縦壁10cも、ボンネットレインフォースメント4aによって押圧され、下方向に変位しようとする。しかし、前部縦壁10cの下端部側は、カウルトップパネル7に当接した状態で下方への変位が規制されているので、前部縦壁10cに形成した脆弱部14が変形あるいは破断しながら前部縦壁10cは変形していくことになる。
このようにボンネット4、シール部材6、カバー本体部10が変形することによって、ボンネット4上に加わった衝撃力を緩和、吸収することができる。そして、ボンネット4上に乗り上げた歩行者に対する損傷を少なくすることができる。
図4に示すように、カバー本体部10の突出部12とフロントガラス3との間に、雪や氷などの堆積物21が堆積すると、突出部12の隙間16を押し潰す方向に荷重が作用することになる。
特に、ワイパー5によってフロントガラス3から除けられた雪が、カウルトップカバー2上に溜まってくると、ワイパーの作動によって雪が次から次へとカバー本体部10の突出部12に向かって押し付けられてくることになる。即ち、図4に矢印N2で示すワイパーからの荷重が、突出部12に作用することになる。
また、フロントガラス3とカウルトップカバー2上に堆積した雪や氷などの堆積物21を除去するために、スクレーパー24を用いているときにも、突出部12に対してスクレーパー24から過度の押圧力N1が作用することがある。
このようなワイパーからの荷重N2やスクレーパー24からの押圧力N1が突出部12に作用したときには、突出部12の裏面側に形成したリブ15における隙間16がなくなる方向に、突出部12は変形していくことになる。即ち、突出部12は、隙間16がなくなる方向に弾性変形する。そして、リブ15における隙間16を挟んだ端面15aと端面15bとが接触することで、突出部12が一定量以上に亘って変形してしまうのを防止することができる。
このように、突出部12の弾性変形量を隙間16の量として規制しておくことができるので、カバー本体部10の後側端部10bに設けた係合部11とフロントガラス3とが係合しているときのラップ量以上に亘って、突出部12が弾性変形してしまうのを、即ち、カバー本体部10の後側端部10bがフロントガラス3に対して相対的に移動してしまうのを、防止できる。
このように、ワイパーからの荷重N2や押圧力N1が突出部12に作用したときであっても、突出部12の弾性変形量を規制しておくことができ、カバー本体部10がフロントガラス3から脱落してしまうのを防止できる。そして、突出部12に対してワイパーからの荷重N2や押圧力N1の作用が加わらなくなると、突出部12は弾性変形していた状態からリブ15の間に隙間16が形成された状態に復元することができる。
特に、突出部12の弾性変形量がリブ15によって規制されることになるので、突出部12の変形が塑性領域にまで変形してしまうことがない。そのため、突出部12の復元は速やかに行われることになる。
図5には、図2におけるV−V矢視断面によってリブ15の断面形状を見たときの、リブ15の構成に関する変形例を示している。図5(a)で示したリブ15の断面形状としては、Lクランク状の隙間16が、リブ15に形成された構成例を示している。このようにリブ15を形成することによって、突出部12が弾性変形する際に、隙間16を挟んで対向する端面15a、15b同士を確実に接触させることができる。
図5(b)で示したリブ15の断面形状としては、リブ15がコの字状の断面形状を有して、隙間16を挟んで対向する端面15a,15b同士の接触面積を広く構成することができる。しかも、リブ15としては並行する二条のリブを有する構成としておくことができるので、突出部12が弾性変形して端面15a,15b同士の接触した際には、突出部12がそれ以上弾性変形しないように二条のリブ15によって強く支持しておくことができる。
図5(c)で示したリブ15の断面形状としては、図5(b)で示したリブ15の断面形状のように並行する二条のリブを有する構成とせずに、隙間16を挟んで対向する端面15a,15b同士の接触面積を広く構成したものである。このようにリブ15を形成することによって、突出部12が弾性変形する際に、隙間16を挟んで対向する端面15a,15b同士を確実に接触させることができる。
図5(d)で示したリブ15の断面形状としては、一方の端面15aの形状を他方の端面15bを内包させることができる凹状に形成したものである。このようにリブ15を形成することによって、突出部12が弾性変形する際に、端面15bを確実に端面15aに接触させることができ、しかも、端面15bが端面15aとの接触状態から外れてしまうのを防止しておくことができる。
図6には、図1におけるII−II矢視断面によってカバー本体部10の断面形状を見たときの、突出部12とリブ15との配置構成に関する変形例を示している。図6(a)で示した突出部12とリブ15との配置構成としては、隙間16をリブ15に形成せずに、突出部12の裏面18側とリブ15の端面17との間に形成した構成例を示している。即ち、隙間16を突出部12の車両前方側に形成している。
図6(b)で示した突出部12とリブ15との配置構成では、図6(a)で示した隙間16を突出部12の車両前方側に形成した配置構成例とは逆に、隙間16を突出部12の車両後方側に形成した配置構成例を示している。
図6(a)、図6(b)で示した配置構成例では、突出部12が弾性変形する際に、リブ15の端面17を突出部12の裏面18に接触させることができる。
図6(c)で示した突出部12とリブ15との配置構成では、突出部12の頂部12aとリブ15との間に空間22を形成した構成となっている。突出部12の頂部12aとリブ15との間に空間22を形成することによって、ボンネット4上に衝撃力が加わったときには、突出部12が押し潰され易く構成しておくことができる。
図6(d)で示した突出部12とリブ15との配置構成では、リブ15に形成した隙間16に緩衝材13を設けた構成例を示している。緩衝材13を隙間16に設けておくことにより、突出部12が弾性変形することによるクッション効果に加えて、緩衝材13によるクッション効果を持たせておくことができる。
図6(d)では、リブ15に形成した隙間16に緩衝材13を設けた構成例を示しているが、緩衝材13としては、図6(a)〜図6(c)に示した隙間16に設けておくこともできる。隙間16に設ける緩衝材13の量としては、隙間16全部に対して緩衝材を設ける代わりに、隙間16の一部を空間として残しておくことが、突出部12が弾性変形するときの変形を行い易くする。
図7には、リブ15をカバー本体部10と共に一体成型により構成したときにおける、リブ15と突出部12との関連構成を示している。図7(a)には、図6と同様に、図1におけるII−II矢視断面によってカバー本体部10の断面形状を見たときの、突出部12とリブ15との配置構成を示しており、図7(b)には、突出部12の外側から突出部12を構成しているカバー本体部10を透かして見たときの斜視図を示している。
図7で示した構成例では、カバー本体部10の一部を外側に突出させて突出部12を形成すると共に、突出させて成形した突出部12の側面を内方に凹ませて、凹ませた凹部19の外側面19a,19bによってリブを成形した構成例を示している。そして、対向した外側面19a,19b間に、隙間16を形成している。
この構成例では、リブの内面側が空間部として構成されている。そして、図7(a)におけるA−A断面図としては図5(b)と同様の断面形状を示すことになる。
本願発明は、カウルトップカバーに対して、好適に適用することができる。
2・・・カウルトップカバー、4・・・ボンネット、6・・・シール部材、8・・・車体パネル、10・・・カバー本体部、12・・・突出部、12a・・・頂部、13・・・緩衝材、15・・・リブ、16・・・隙間、N1・・・スクレーパーからの押圧力、N2・・・ワイパーからの荷重、41・・・カウルトップカバー、42・・・フロントウインド、46・・・第1部位、47・・・第2部位、48〜50・・・薄肉部、52・・・薄肉部、G・・・荷重力、61・・・フード、62・・・カウル、63・・・カウルインナパネル、64・・・カウルアッパーパネル、65・・・カウルルーバ、66・・・目隠し部材、68・・・脚部、69・・・第1脚部、70・・・第2脚部、72・・・フロントガラス、S・・・堆積物。

Claims (4)

  1. 車体前部に配されたフロントガラスの下端部に沿って、車幅方向に延設されたカウルトップパネルの上部を覆い、車両のフロントコンパートメントの上部開口を覆うボンネットの下方に配設されたカウルトップカバーにおいて、
    前記カウルトップカバーは、その前側端部が前記カウルトップパネルに固定され、その後側端部に形成した係合部が前記フロントガラスに係合し、
    前記前側端部と前記後側端部との間のカバー本体部は、車体の前後方向において上方に突出した突出部を、車幅方向の少なくとも1ケ所以上に有し、
    前記突出部の裏面側には、前記車体の前後方向に沿って形成された、少なくとも一条以上のリブが設けられ、
    前記リブには、又は前記リブの端面と前記車体の前後方向において対向する前記突出部の裏面との間には、前記突出部の裏面側から下方に向かったスリット状の隙間が形成されてなることを特徴とするカウルトップカバー。
  2. 前記隙間を挟んだ少なくとも一方の端面は、前記車幅方向に延設された面として構成されてなることを特徴とする請求項1記載のカウルトップカバー。
  3. 前記車幅方向に延設された面は、前記リブの幅寸法よりも広く形成されてなることを特徴とする請求項2記載のカウルトップカバー。
  4. 前記隙間内に、緩衝材が設けられてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカウルトップカバー。
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